特開2017-138746(P2017-138746A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2017-138746文書作成システム、文書作成方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-138746(P2017-138746A)
(43)【公開日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】文書作成システム、文書作成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/24 20060101AFI20170714BHJP
   G06Q 50/18 20120101ALI20170714BHJP
【FI】
   G06F17/24
   G06Q50/18
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-18440(P2016-18440)
(22)【出願日】2016年2月2日
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【テーマコード(参考)】
5B109
5L049
【Fターム(参考)】
5B109TB03
5L049CC32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リスクを考慮した文書の作成を行う際に、この文章作成を支援する文書作成システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】文書を作成する文書作成システム10が、作成する文書の種類を選択する選択手段110と、その選択した文書の種類に応じた文書を作成する作成手段112と、その作成した文書のリスクを診断するリスク診断手段114と、その作成した文書とその診断したリスクとを紐付けして表示する表示手段116と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書を作成する文書作成システムであって、
作成する文書の種類を選択する選択手段と、
前記選択した文書の種類に応じた文書を作成する作成手段と、
前記作成した文書のリスクを診断するリスク診断手段と、
前記作成した文書と、前記診断したリスクと、を紐付けして表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする文書作成システム。
【請求項2】
前記文書は、法的文書であることを特徴とする
請求項1に記載の文書作成システム。
【請求項3】
前記作成手段は、データベースから前記文書の雛形を取得することを特徴とする
請求項1又は2に記載の文書作成システム。
【請求項4】
前記リスク診断手段は、判例情報からリスクを診断することを特徴とする
請求項1乃至3の何れか1項に記載の文書作成システム。
【請求項5】
前記作成手段は、前記選択した文書の種類に応じた複数のパターンの文書を作成し、
前記リスク診断手段は、前記作成した複数のパターンの文書毎にリスクを診断し、
前記表示手段は、前記作成した複数のパターンの文書と、前記診断した文書毎のリスクと、を紐付けして表示することを特徴とする
請求項1乃至4の何れか1項に記載の文書作成システム。
【請求項6】
作成する文書の種類を選択する選択ステップと、
前記選択した文書の種類に応じた文書を作成する作成ステップと、
前記作成した文書のリスクを診断するリスク診断ステップと、
前記作成した文書と、前記診断したリスクと、を紐付けして表示する表示ステップと、を有することを特徴とする文書作成方法。
【請求項7】
文書作成システムに、
作成する文書の種類を選択する選択ステップ、
前記選択した文書の種類に応じた文書を作成する作成ステップ、
前記作成した文書のリスクを診断するリスク診断ステップ、
前記作成した文書と、前記診断したリスクと、を紐付けして表示する表示ステップ、
を実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書を作成するシステム、文書作成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、契約文書を作成する際、契約種別毎に予め想定される全ての契約パターンを用意し、取引に内在するリスクを回避するために契約文書を盛り込むべき事項をチェックリストとして表示して、自動的に条文の順序や引用条文を整合して、規定漏れや不備のない契約文書を作成する契約文書作成システムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、ユーザが契約書データを入力することにより、各契約条項に関連が深い法律条文を自動的に提示する契約書分析システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−65421号公報
【特許文献2】特開2014−238629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、契約文書のような文書はリスクを最小限にしようとすると条項が多くなるとともに、契約締結に時間がかかる場合も多い。すなわち、契約締結のスピードが犠牲になりやすいが、この課題を解決するためには、リスクをどの程度まで許容できて、どの程度で許容できないかを、システム側が提示して、文章作成に判断を求めるシステムが望ましい。
【0006】
そこで本発明の目的は、リスクを考慮した文書の作成を行う際に、この文章作成を支援する文書作成システム、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る文書作成システムは、作成する文書の種類を選択する選択手段と、その選択した文書の種類に応じた文書を作成する作成手段と、その作成した文書のリスクを診断するリスク診断手段と、その作成した文書とその診断したリスクとを紐付けして表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の一実施形態に係る文書作成システムの文書は、法的文書であってもよい。
【0009】
上述の作成手段は、内蔵または外付けの記憶部やサーバ等に記憶されたデータベースから文書の雛形を取得してもよい。
【0010】
上述のリスク診断手段は、判例情報からリスクを診断してもよい。
【0011】
上述の作成手段は、選択した文書の種類に応じた複数のパターンの文書を作成してもよい。さらに、上述のリスク診断手段は、その作成した複数のパターンの文書毎にリスクを診断してもよい。表示手段は、その作成した複数のパターンの文書とその診断したリスクとを紐付けして表示してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、文章作成者が、リスクを考慮した文書を容易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】文書作成システムの構成例を示す。
図2】文書雛形DB(DataBase)の構成例を示す。
図3】文書作成処理の例を示すフローチャートである。
図4】リスク診断結果の表示例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、下記の記載は本発明の一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0015】
図1は、文書作成システム10の構成例を示す。
【0016】
文書作成システム10は、プロセッサ40と、メモリ42と、記憶ドライブ46と、ネットワークI/F44とを備えてよい。
【0017】
ネットワークI/F44は、文書作成システム10がネットワークを介して他の装置やWEBサービスなどと送受信するデータを制御する。ネットワークI/F44は、例えば、NIC(Network Interface Card)である。
【0018】
プロセッサ40は、メモリ42に格納されているプログラムを実行することにより、文書作成システム10の様々な機能を実現する。
【0019】
メモリ42は、文書作成システム10の機能を実現するための様々なプログラム及びデータを格納する。メモリ42の例は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などである。
【0020】
メモリ42は、プログラムの例として、選択手段110、作成手段112、リスク診断手段114、表示手段116を格納してよい。これらのプログラムは、記憶ドライブ46に保持され、適宜メモリ42に読み出されてもよい。これらのプログラムの詳細については後述する。
【0021】
記憶ドライブ46は、文書作成システム10で使用される様々なデータを保持する。記憶ドライブ46の例は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などである。記憶ドライブ46は、データの例として、文書雛形DB300、判例DB400を保持してよい。
【0022】
文書作成システム10は、インターネットに公開されている判例データベースなどから過去の判例データを定期的に取得して、判例DB400に登録してよい。判例DB400に登録された大量の判例データは、リスク診断に用いられてよい。
【0023】
図2は、雛形文書DB300の例を示す。
【0024】
雛形文書DB300は、データ項目(カラム)として、雛形ID302、種類304、関連条項306、入力項目308、及び、コメント310を有してよい。
【0025】
雛形ID302には、雛形文書の識別子が格納される。雛形ID302は、雛形文書のファイル名であってもよい。
【0026】
種類304には、雛形ID302の雛形文書の種類が格納される。例えば、分類304は、売買契約書、秘密保持契約書(NDA)、特許明細書の文書などであってもよい。なお、異なる雛形IDに同じ種類が対応付けられてよい。種類が同じであっても様々なパターンの雛形文書が考えられるからである。例えば、種類304「秘密保持契約書」に対して、秘密保持契約書として必要最低限の条項のみを含む雛形文書と、関連条項を全て含む雛形文書と、その中間の雛形文書とが存在してもよい。
【0027】
関連法律306には、雛形ID302の雛形文書と種類304とに関連する法律の情報が格納される。関連法律306には、例えば、法分野及び条文番号が含まれてよい。法分野の例は、民法、商法、刑法、特許法などである。
【0028】
入力項目308は、雛形ID302の雛形文書にユーザが入力可能な項目が格納される。入力項目の例は、契約相手の情報、契約の対象範囲、契約年数、契約金額などである。
【0029】
コメント310は、雛形ID302の雛形文書についてユーザに説明するための情報などが格納される。例えば、雛形ID302の雛形文書のリスクの大きさや注意点などの情報が格納されてよい。
【0030】
図3は、文書作成処理の例を示すフローチャートである。
【0031】
(ステップS100)選択手段110は、雛形文書DB300に登録されている種類304の一覧を表示して、ユーザに選択させる。ユーザが種類を選択したら、ステップS102の処理へ進む。
【0032】
(ステップS102)選択手段110は、文書雛形DB300において、ステップS100で選択された種類304に対応付けられている雛形ID302の雛形文書の一覧を表示して、ユーザに選択させる。このとき、選択手段110は、雛形ID302に対応付けられているコメント310を合わせて表示してもよい。例えば、ステップS100で種類「秘密保持契約書」を選択したユーザは、契約締結のスピードを優先させたいならば、比較的関連条項の少ない雛形文書を選択し、リスクをできるだけ小さくしたいならば、比較的関連条項の多い雛形文書を選択してよい。ユーザが雛形文書を選択したら、ステップS104の処理へ進む。なお、本ステップ102は省略され、後述のステップS106において作成手段112が複数パターンの法的文書を作成してもよい。
【0033】
(ステップS104)選択手段110は、文書雛形DB300において、ステップS102で選択した雛形IDに対応付けられている入力項目308を表示して、ユーザに各項目を入力させる。ユーザが各項目を入力したら、ステップS106の処理へ進む。
【0034】
(ステップS106)作成手段112は、ステップS100で選択された文書の種類、ステップS102で選択された雛形文書、及び、ステップS104で入力された各項目に基づいて、法的文書を生成する。例えば、ステップS100で秘密保持契約書が選択された場合、作成手段112は、ステップS102で選択された雛形文書に、ステップS104で入力された各項目を反映させて法的文書を作成する。作成手段112は、複数のパターンの法的文書を作成してよい。例えば、作成手段112は、必要最低限の関連条項のみを含む法的文書、全ての関連条項を含む法的文書、及び、その中間ぐらいの関連条項を含む法的文書を作成してもよい。そして、ステップS108の処理へ進む。
【0035】
(ステップS108)リスク診断手段114は、ステップS106で作成された法的文書のリスクを診断する。リスク診断手段114は、判例DB400に格納されている判例情報に基づいて、リスクを診断してよい。例えば、リスク診断手段114は、判例DB400に格納されている判例情報を、テキストマイニングやディープラーニングなど、人工知能的なアプローチによって予め解析しておいてもよい。そして、リスク診断手段114は、その解析した情報と、ステップS106で作成された法的文書の内容とに基づいて、当該法的文素のリスクを診断(算出)してもよい。
【0036】
また、リスク診断手段114は、ステップS106で複数パターンの法的文書が作成された場合、各パターンの法的文書のリスクを診断してよい。リスク診断は、法的文書の全体のリスクを診断しても良いし、法的文書に含まれる条項毎のリスクを診断してもよい。
【0037】
(ステップS110)表示手段116は、ステップS106で作成された法的文書と、ステップS108で診断されたリスクとを紐付けて表示する。
【0038】
図4に、表示手段116によるリスク診断結果の表示例を示す。
【0039】
表示手段116は、ステップS106で複数パターンの法的文書が作成された場合、図4に示すように、各パターンの法的文書とそのリスクとを1対1に紐付けて表示してよい。
【0040】
また、表示手段116は、ステップS108で条項毎のリスクが診断された場合、図4に示すように、各条項とそのリスクとを1対1に紐付けて表示してよい。
【0041】
リスク診断結果は、所定のリスク指標(数値やランク等)で表現されても良いし、図4に示すように、文章で表現されてもよい。例えば、次のような文章で表現されてもよい。
*契約相手がAだとリスクaがある。契約相手がBだとリスクbがある。
*契約の対象範囲が事業Xだとリスクxがある。契約の対象範囲がYだとリスクyがある。
*所定の条項を削除するとリスクαがある。この契約内容だと損害賠償額がz円位になるリスクがβある。
*この特許請求の範囲だと、構成pが権利範囲に入らないリスクがある。
【0042】
本実施例によれば、ユーザは、リスクとビジネスのスピードとを考慮した文書(契約文書、法的文書など)を容易に作成することができる。
【符号の説明】
【0043】
10…文書作成システム 40…プロセッサ 42…メモリ 46…記憶ドライブ 110…選択手段 112…作成手段 114…リスク診断手段 116…表示手段 300…文書雛形DB 400…判例DB

図1
図2
図3
図4