特開2017-138769(P2017-138769A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-138769(P2017-138769A)
(43)【公開日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】危険運転判定装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20170714BHJP
   F16H 59/70 20060101ALI20170714BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20170714BHJP
【FI】
   G08G1/16 C
   F16H59/70
   G08B21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-18780(P2016-18780)
(22)【出願日】2016年2月3日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】391065611
【氏名又は名称】株式会社テクトム
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】特許業務法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】筒井 勇
【テーマコード(参考)】
3J552
5C086
5H181
【Fターム(参考)】
3J552MA01
3J552NA01
3J552PA51
3J552PB01
3J552RB28
3J552SB04
3J552VA65X
3J552VB13X
3J552VB16X
3J552VD11X
5C086AA22
5C086AA23
5C086BA22
5C086CA01
5C086FA07
5C086FA12
5H181AA01
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL07
(57)【要約】
【課題】特別な装置を必要としない簡易な構成で、車両の危険運転状態を判定する。
【解決手段】ニュートラル判定部31は、車両の変速器がニュートラルであるか否かを判定する。走行距離取得部34は、車両の走行距離を取得する。危険運転判定部35は、ニュートラル判定部31による判定結果と、走行距離取得部34が取得した走行距離とに基づいて、変速器がニュートラルである状態が継続している間の走行距離が所定の閾値を超えた場合に、危険運転状態であると判定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の変速器がニュートラルであるか否かを判定するニュートラル判定部と、
前記車両の走行距離を取得する走行距離取得部と、
前記ニュートラル判定部による判定結果と、前記走行距離取得部が取得した前記走行距離とに基づいて、前記変速器がニュートラルである状態が継続している間の走行距離が所定の閾値を超えた場合に、危険運転状態であると判定する危険運転判定部と、
を備える、危険運転判定装置。
【請求項2】
車両の変速器がニュートラルであるか否かを判定するニュートラル判定部と、
前記車両の走行速度を取得する走行速度取得部と、
前記ニュートラル判定部による判定結果と、前記走行速度取得部が取得した前記走行速度とに基づいて、前記変速器がニュートラルであり、かつ、前記走行速度が所定の閾値より大きい場合に、危険運転状態であると判定する危険運転判定部と、
を備える、危険運転判定装置。
【請求項3】
車両の変速器がニュートラルであるか否かを判定するニュートラル判定部と、
前記車両の走行速度を取得する走行速度取得部と、
前記車両の走行距離を取得する走行距離取得部と、
前記ニュートラル判定部による判定結果と、前記走行速度取得部が取得した前記走行速度と、前記走行距離取得部が取得した前記走行距離とに基づいて、前記変速器がニュートラルであり、前記走行速度が所定の閾値より大きく、かつ、前記変速器がニュートラルである状態が継続している間の走行距離が所定の閾値より大きい場合に、危険運転状態であると判定する危険運転判定部と、
を備える、危険運転判定装置。
【請求項4】
車両のフットブレーキがオンかオフかを判定するブレーキ判定部と、
前記車両の走行速度を取得する走行速度取得部と、
前記ブレーキ判定部による判定結果と、前記走行速度取得部が取得した前記走行速度とに基づいて、前記フットブレーキがオンである間における前記走行速度の増加量が所定の閾値より大きい場合に、危険運転状態であると判定する危険運転判定部と、
を備える、危険運転判定装置。
【請求項5】
危険運転状態であると前記危険運転判定部が判定した場合に、前記車両から離れた位置にある遠隔監視装置に対して、危険運転状態であることを通報する危険運転通報部と、
危険運転状態であると前記危険運転判定部が判定した場合に、前記車両の運転者に対して、危険運転状態であることを警告する危険運転警告部と、
前記危険運転判定部による判定結果を記録する危険運転記録部と、
のうち少なくともいずれかを更に備える、請求項1乃至4いずれかの危険運転判定装置。
【請求項6】
前記車両の故障診断コネクタに接続可能な接続コネクタと、
前記故障診断コネクタに接続された前記接続コネクタを介して前記車両と通信する通信部と、
請求項1乃至5いずれかの危険運転判定装置と、
を備え、
前記危険運転判定装置は、
前記通信部が前記車両と通信して取得した情報に基づいて、危険運転状態を判定する、
車両情報取得装置。
【請求項7】
請求項1乃至5いずれかの危険運転判定装置、
を備える、車両。
【請求項8】
コンピュータが実行することにより、請求項1乃至5いずれかの危険運転判定装置として前記コンピュータを機能させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の危険運転状態を判定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両において、運転者の過労による誤操作などにより、事故が発生することが問題となっている。
特許文献1には、ステアリングホイールに設けられた電極で運転者がステアリングホイールを両手で握っていないことを検出し、警報する運転補助装置が記載されている。
特許文献2には、カメラで車両の走行路を撮像し、横転の危険性を判定するロール状態報知装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−9247号公報
【特許文献2】特開2016−7979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いずれの特許文献に記載された発明も、電極やカメラなどの特別な装置が必要である。
本発明は、特別な装置を必要としない簡易な構成で、車両の危険運転状態を判定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る危険運転判定装置は、車両の変速器がニュートラルであるか否かを判定するニュートラル判定部と、前記車両の走行距離を取得する走行距離取得部と、前記ニュートラル判定部による判定結果と、前記走行距離取得部が取得した前記走行距離とに基づいて、前記変速器がニュートラルである状態が継続している間の走行距離が所定の閾値を超えた場合に、危険運転状態であると判定する危険運転判定部とを備える。
本発明に係る別の危険運転判定装置は、車両の変速器がニュートラルであるか否かを判定するニュートラル判定部と、前記車両の走行速度を取得する走行速度取得部と、前記ニュートラル判定部による判定結果と、前記走行速度取得部が取得した前記走行速度とに基づいて、前記変速器がニュートラルであり、かつ、前記走行速度が所定の閾値より大きい場合に、危険運転状態であると判定する危険運転判定部とを備える。
本発明に係る更に別の危険運転判定装置は、車両のフットブレーキがオンかオフかを判定するブレーキ判定部と、前記車両の走行速度を取得する走行速度取得部と、前記ブレーキ判定部による判定結果と、前記走行速度取得部が取得した前記走行速度とに基づいて、前記フットブレーキがオンである間に前記走行速度が増加した場合に、危険運転状態であると判定する危険運転判定部とを備える。
危険運転状態であると前記危険運転判定部が判定した場合に、前記車両から離れた位置にある遠隔監視装置に対して、危険運転状態であることを通報する危険運転通報部を更に備えることが好ましい。
危険運転状態であると前記危険運転判定部が判定した場合に、前記車両の運転者に対して、危険運転状態であることを警告する危険運転警告部を更に備えることが好ましい。
前記危険運転判定部による判定結果を記録する危険運転記録部を更に備えることが好ましい。
本発明に係る車両情報取得装置は、前記車両の故障診断コネクタに接続可能な接続コネクタと、前記故障診断コネクタに接続された前記接続コネクタを介して前記車両と通信する通信部と、前記危険運転判定装置とを備え、前記危険運転判定装置は、前記通信部が前記車両と通信して取得した情報に基づいて、危険運転状態を判定する。
本発明に係る車両は、前記危険運転判定装置を備える。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータが実行することにより、前記危険運転判定装置として前記コンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る危険運転判定装置によれば、変速器がニュートラルであるにもかかわらず、車両が走行している場合に、危険運転状態であると判定するので、特別な装置を必要としない簡易な構成で、車両の危険運転状態を判定することができる。
本発明に係る別の危険運転判定装置よれば、フットブレーキがオンであるにもかかわらず、車両が減速しない場合に、危険運転状態であると判定するので、ブレーキの過熱を
ブレーキの温度を測定することなく検出でき、特別な装置を必要としない簡易な構成で、車両の危険運転状態を判定することができる。
危険運転状態である場合に、遠隔監視装置に対して通報すれば、遠隔地で車両の状況を迅速に把握して対処することができる。
危険運転状態である場合に、運転者に対して警告すれば、適切な対処をすることができ、事故を未然に防ぐことができる。
危険運転状態を記録すれば、万が一事故が発生した場合に、事故原因の究明を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】車両情報取得装置を示すブロック図。
図2】危険運転判定装置を示すブロック図。
図3】車両情報取得装置を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1:危険運転判定装置>
図1に示す車両情報取得装置10は、車両に搭載して使用され、以下を備える。
<接続コネクタ11>:車両の故障診断コネクタに接続可能なコネクタである。故障診断コネクタは、故障診断装置を接続するためのコネクタであり、エンジン制御装置(ECU)に接続されている。故障診断装置を故障診断コネクタに接続することにより、ECUと故障診断装置とが通信して、車両に関する様々な情報を故障診断装置がECUから取得することができる。
<通信部12>:接続コネクタ11に接続されている。故障診断コネクタに接続コネクタ11を接続することにより、故障診断装置の代わりにECUと通信し、車両に関する情報をECUから取得する。通信部12がECUから取得する情報には、例えば、変速器の状態に関する情報、フットブレーキの状態に関する情報、走行速度などがある。
<通信部19>:危険運転判定装置30(図2参照)と通信し、通信部12が取得した情報を危険運転判定装置30に対して送信する。
なお、車両情報取得装置10は、上述したほか、通信部12が取得した情報を表示する表示部や、通信部12が取得した情報に基づいて様々な処理をする処理部などを備える構成であってもよい。
【0009】
図2に示す危険運転判定装置30は、車両に搭載して使用され、以下を備える。
<通信部39>:車両情報取得装置10と通信し、通信部19から送信された情報を受信する。
<ニュートラル判定部31>:通信部39を介して、ECUから変速器の状態に関する情報を取得し、変速器がニュートラルであるか否かを判定する。
<ブレーキ判定部32>:通信部39を介して、ECUからフットブレーキの状態に関する情報を取得し、車両のフットブレーキがオンかオフかを判定する。
例えば、フットブレーキが踏まれている場合にオンであると判定し、踏まれていない場合にオフであると判定する。
あるいは、ブレーキの油圧が所定の閾値以上である場合にオンであると判定し、閾値未満である場合にオフであると判定してもよい。または、ブレーキの踏込量が所定の閾値より大きい場合にオンであると判定し、閾値以下である場合にオフであると判定してもよい。これにより、軽くブレーキを踏んだだけの場合は、オフであると判定し、しっかりとブレーキを踏み込んだ場合のみ、オンであると判定する。
<走行速度取得部33>:通信部39を介して、ECUから走行速度に関する情報を取得する。
<走行距離取得部34>:走行速度取得部33が取得した走行速度に基づいて、車両の走行距離を算出する。なお、車両の走行速度から走行距離を算出するのではなく、通信部を介してECUから走行距離に関する情報を取得してもよい。
<危険運転判定部35>:ニュートラル判定部31及び32の判定結果や、走行速度取得部33及び走行距離取得部34が取得した情報などに基づいて、車両が危険運転状態であるか否かを判定する。例えば、以下のような場合に、危険運転状態であると判定する。
【0010】
(1)変速器がニュートラルであるにもかかわらず、車両が走行している場合。
変速器がニュートラルである場合、エンジンの動力が車輪に伝達されないので、通常であれば、車両が走行することはない。しかし、走行中に変速器の切替に失敗してニュートラルになってしまった場合は、慣性により車両が走行し続ける。これは、エンジンブレーキが効かず危険な状態なので、変速器をニュートラル以外の位置に切り替える必要がある。
具体的には、例えば、変速器がニュートラルである状態が継続していて、その間の走行距離が所定の閾値を超えた場合に、危険運転状態であると判定する。
あるいは、変速器がニュートラルであり、かつ、そのときの速度が所定の閾値より大きい場合に、危険運転状態であると判定してもよい。
または、変速器がニュートラルであり、そのときの速度が所定の閾値より大きく、かつ、その間の走行距離が所定の閾値を超えた場合に、危険運転状態であると判定してもよい。
【0011】
(2)フットブレーキが踏まれているにもかかわらず、車両が減速しない場合。
ブレーキの加熱によりフットブレーキが効かなくなっている場合、フットブレーキを踏んでも車両が減速しない。その場合、エンジンブレーキを使うなどする必要がある。
具体的には、例えば、フットブレーキがオンであり、かつ、その間における走行速度の増加量が所定の閾値より大きい場合に、危険運転状態であると判定する。例えば、閾値を0に設定すれば、車両が加速した場合に危険運転状態であると判定する。また、閾値を正の値に設定すれば、下り坂などにおいて車両が一定以上加速した場合のみ危険運転状態であると判定する。逆に、閾値を負の値に設定すれば、車両の減速が不十分な場合にも危険運転状態であると判定する。
【0012】
(1)及び(2)のいずれにも該当しない場合は、危険運転状態でないと判定する。
なお、危険運転判定条件は、(1)及び(2)に限らず、他の条件を含んでもよい。すなわち、(1)及び(2)に該当しない場合であっても、他の条件を満たす場合には、危険運転状態であると判定し、(1)及び(2)を含むすべての危険運転判定条件に該当しない場合のみ、危険運転状態でないと判定する構成であってもよい。
逆に、(1)又は(2)のいずれか一方のみを、危険運転判定条件としてもよい。例えば、(1)に該当する場合のみ、危険運転状態であると判定し、(1)に該当しない場合には、(2)に該当するか否かにかかわらず、危険運転状態でないと判定する構成であってもよい。
【0013】
<危険運転通報部36>:危険運転状態であると危険運転判定部35が判定した場合に、遠隔監視装置に対して、危険運転状態であることを通報する。遠隔監視装置は、例えば運行管理センターなど、車両から離れた場所に設置されている。危険運転通報部36は、例えば携帯電話回線などの遠距離通信システムを介して、遠隔監視装置と通信し、危険運転状態であることを通知する。遠隔監視装置は、通報を受けると、警報を鳴らすなどして監視員などに通知する。これにより、状況を迅速に把握できるとともに、車両の運転者に休憩を取らせるなどの対処をすることができる。
なお、危険運転状態であることだけでなく、その判定理由となった情報(例えば、変速器の状態、フットブレーキの状態、走行距離、走行速度など)やその他の情報(例えば、車両の現在位置など)を、遠隔監視装置に通知する構成であってもよい。そうすれば、状況を更に的確に把握することができる。
また、危険運転状態ではないと危険運転判定部35が判定した場合も、遠隔監視装置と定期的に通信する構成であってもよい。
また、遠隔監視装置は、通知された情報を、記録装置に記録する構成であってもよい。そうすれば、万が一事故が発生した場合に、事故原因の究明を容易にすることができる。
【0014】
<危険運転警告部37>:危険運転状態であると危険運転判定部35が判定した場合に、車両の運転者に対して、危険運転状態であることを警告する。これにより、運転者が危険運転状態であることに気付き、適切な対処をすることができるので、事故の発生を未然に防ぐことができる。
警告の方式は、例えば、警告ランプや警告ブザーであってもよいが、警告音声が好ましく、特に、「ギアがニュートラルに入っています。切り替えてください。」「フットブレーキが効いていません。エンジンブレーキを使ってください。」のように、具体的な対処方法を落ち着いた口調で説明する警告音声が好ましい。なぜなら、運転者がパニックになっている可能性があり、落ち着いた口調で対処方法の説明を受けることで、パニックから脱し、適切に対処することができるからである。
【0015】
<危険運転記録部38>:危険運転判定部35による判定結果を、記録装置に記録する。これにより、万が一事故が発生した場合に、事故原因の究明を容易にすることができる。
なお、危険運転判定部35の判定結果だけでなく、その判定理由となった情報(例えば、変速器の状態、フットブレーキの状態、走行距離、走行速度など)やその他の情報(例えば、車両の現在位置など)を、記録装置に記録する構成であってもよい。そうすれば、事故原因を更に的確に究明することができる。
また、危険運転状態ではないと危険運転判定部35が判定した場合は、記録をせず、危険運転状態であると危険運転判定部35が判定した場合のみ、記録をする構成であってもよい。
【0016】
このように、危険運転判定装置30が危険運転状態を判定することにより、事故を未然に防ぐことができ、また、万が一事故が発生した場合でも、事故原因の究明を容易にすることができる。
なお、危険運転判定装置30は、通報、警告及び記録のうち、いずれか一つ又は二つのみを実行する構成であってもよい。
【0017】
また、車両の故障診断コネクタに接続コネクタを接続し、車両のECUと通信することにより取得した情報に基づいて判定をするので、特別な装置を必要とせず、危険運転状態であるか否かを容易かつ正確に判定することができる。
【0018】
なお、危険運転判定装置30は、専用のハードウェアを用いて構成してもよいし、ソフトウェアを用いて構成してもよい。例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどのコンピュータに、アプリケーションソフトウェアなどのコンピュータプログラムをインストールし、コンピュータが、インストールされたコンピュータプログラムを実行することにより、危険運転判定装置30として機能するよう構成してもよい。
また、車両情報取得装置10と危険運転判定装置30との間の通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。無線通信の場合、ブルートゥースなどの近距離通信であってもよいし、携帯電話回線などを用いた遠距離通信であってもよい。
車両情報取得装置10と危険運転判定装置30との間の通信が遠距離通信である場合、危険運転判定装置30は、車両に搭載して使用されるものではなく、例えば運行管理センターなど、車両から離れた場所に設置されたものであってもよい。
【0019】
<実施形態2:車両情報取得装置>
図3に示すように、車両情報取得装置10Aは、接続コネクタ11と、通信部12と、危険運転判定装置13とを備える。
接続コネクタ11及び通信部12は、車両情報取得装置10と同様である。
危険運転判定装置13は、危険運転判定装置30とほぼ同様であるが、通信部39を備えない点が異なる。ニュートラル判定部31、ブレーキ判定部32及び走行速度取得部33は、通信部12に接続し、通信部12を介して、ECUから情報を取得する。
危険運転判定装置13が車両情報取得装置10Aに内蔵されているので、車両情報取得装置10Aとは別に危険運転判定装置を用意する必要がなく、同様の効果を得ることができる。
【0020】
<実施形態3:車両>
車両の故障診断コネクタを介して、危険運転判定装置をECUに接続するのではなく、車両自体が、危険運転判定装置を備える構成であってもよい。その場合、ECUとは別に、危険運転判定装置を設けてもよいし、危険運転判定装置としての機能を備えたコンピュータプログラムをECUが実行するなど、ECUの内部に、危険運転判定装置を設ける構成であってもよい。
危険運転判定装置は、変速器の状態などの情報を、ECUを介して取得する構成であってもよいし、ECUを介さず直接取得する構成であってもよい。
また、車両は、危険運転状態であると危険運転判定装置が判定した場合に、変速器を強制的に前進に入れるなどして、危険運転状態を脱する構成であってもよい。
危険運転判定装置が車両に内蔵されているので、別に車両情報取得装置や危険運転判定装置用意する必要がなく、同様の効果を得ることができる。
【0021】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例である。本発明は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく様々に修正し、変更し、追加し、又は除去したものを含む。これは、以上の説明から当業者に容易に理解することができる。
【符号の説明】
【0022】
10 車両情報取得装置、11 接続コネクタ、12,19,39 通信部、13,30 危険運転判定装置、31 ニュートラル判定部、32 ブレーキ判定部、33 走行速度取得部、34 走行距離取得部、35 危険運転判定部、36 危険運転通報部、37 危険運転警告部、38 危険運転記録部。
図1
図2
図3