【課題】虹彩認証用の画像を取得する際に、ユーザが容易に虹彩カメラの位置を把握することが可能な情報処理装置、その表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを提供すること。
【解決手段】情報処理装置は、表示部と、ユーザの眼の虹彩を含む認証用画像を取得するための虹彩カメラを含む認証用画像取得部と、前記認証用画像を取得する際に、前記虹彩カメラの位置をユーザに知らせるための表示を含む認証用UIを、前記表示部の、前記虹彩カメラの配置位置に対応する位置に表示させる表示制御手段と、を備えている。
前記表示制御手段は、ユーザによるUIの操作に応じて、前記認証用UIの表示をON/OFFすることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、この発明にかかる情報処理装置、その表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを図面に基づいて詳細に説明する。本発明の構成要素は、本明細書の図面に一般に示してあるが、様々な構成で広く多様に配置し設計してもよいことは容易に理解できる。従って、本発明の装置、システム及び方法の実施形態についての以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に示す本発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の選択した実施形態の一例を示すものであって、本明細書の特許請求の範囲に示す本発明と矛盾無く装置、システム及び方法についての選択した実施形態を単に示すものである。当業者は、特定の細目の1つ以上が無くても、又は他の方法、部品、材料でも本発明を実現できることが理解できる。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの又は実質的に同一のものが含まれる。
【0021】
(実施の形態)
図1〜
図4を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置を説明する。
図1は、本実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す概念図である。本実施の形態に係る情報処理装置1は、例えば、ノート型PC、デスクトップ型PC、スマートフォン、タブレット、携帯電話、PDA、並びに、ATM及びセキュリティドア等の認証が要求される装置等である。
【0022】
情報処理装置1は、
図1に示すように、認証用画像取得部11と、表示制御部12と、認証部13と、表示部14とを備えている。
【0023】
表示部14は、例えば、LCDや有機ELディスプレイで構成することができる。表示部14は、例えば、情報処理装置1の筐体10に配置することができる。
図1に示す例では、表示部14は、筐体10の略中央位置に配置されている。表示部14は、表示制御部12の制御に従って各種情報が表示され、例えば、認証用UI20が表示される。
【0024】
認証用画像取得部11は、例えば、虹彩カメラ11Aを備え、虹彩カメラ11Aで認証対象ユーザを撮影し、認証対象ユーザの眼の虹彩を含む認証用画像を取得する。虹彩カメラ11Aは、赤外線を被写体に照射してその反射光に応じた画像を取得する。虹彩カメラ11Aは、例えば、情報処理装置1の筐体10に配置することができる。
図1に示す例では、虹彩カメラ11Aは、筐体10の右上位置に配置されている。
【0025】
より具体的には、認証用画像取得部11は、虹彩カメラ11Aで撮影した画像から、眼の瞳孔及び虹彩を抽出して、眼の虹彩を含む認証用画像を取得する。例えば、認証用画像取得部11は、画像に含まれる眼から、黒目部分(瞳孔)と白目部分とを特定し、瞳孔の境界部分と白目の内境界部分とにより虹彩を特定して認証用画像として抽出してもよい。
【0026】
表示制御部12は、表示部14の表示制御を行う。表示制御部12は、認証用画像を取得する際に、虹彩カメラ11Aの位置をユーザに知らせるための指示表示21を含む認証用UI20を、表示部14の、虹彩カメラ11Aの配置位置に対応する位置に表示させる。この認証用UI20は、認証対象のユーザが虹彩認証を容易に行うためのものである。
図1に示す例では、虹彩カメラ11Aの位置をユーザに知らせるための指示表示21は、矢印で虹彩カメラ11Aの位置を指し示している。ユーザは虹彩カメラ11Aの位置が分からないと適正な撮影位置を把握できなくなるため、指示表示21は、ユーザに虹彩カメラ11Aの位置を把握させるためのものである。なお、指示表示21は、矢印に限られるものではなく、他の記号や文字等を使用してもよい。
【0027】
また、表示制御部12は、筐体10上の虹彩カメラ11Aの配置位置を記憶しておき、記憶しているカメラ11Aの配置位置に基づいて、認証用UI20を虹彩カメラ11Aに対応する表示部14上の位置に表示することにしてもよい。
【0028】
また、認証用UI20は、ユーザに撮影される眼を確認してもらうために、虹彩カメラ11Aで撮影した画像のモニタリング用画面20Bを含んでいてもよい。ユーザは、このモニタリング用画面22の画像を見て適正な撮影位置を把握することができる。また、認証用UI20は、ユーザの眼の位置を適正な撮影位置(撮影範囲)とするためのガイダンス表示23を含んでいてもよい。ガイダンス表示23では、例えば、「”虹彩認証を開始します。虹彩カメラを見て下さい”、”撮影範囲に入るように、右又は左によって下さい”、”近すぎますもっと離れて下さい”、”遠すぎますもっと近づいて下さい”、”暗すぎますもっと明るい場所で撮影して下さい”、”明るすぎますもっと暗い場所で撮影して下さい”」等を表示してもよい。
図1に示す例では、ガイダンス表示23として、「虹彩認証を開始します。虹彩カメラを見て下さい」が表示されている。
【0029】
また、表示制御部12は、表示部14の画面の向きに応じて表示部14に表示する表示情報を回転して縦表示又は横表示を行う構成としてもよい。例えば、表示制御部12は、表示部14の画面の向きを検出するための検出手段を備え、検出手段で検出した表示部14の画面の向き、すなわち画面の上下左右方向に対する虹彩カメラ11Aの位置に応じて、表示情報を回転するとともに、認証用UI20の表示位置及び表示方向を変更することにしてもよい。検出手段としては、公知の構成を使用することができ、例えば、加速度センサやジャイロセンサ等を使用することができる。
【0030】
図2は、表示部14の画面に向きに応じて、認証用UI20の表示位置及び表示方向を変更した場合の表示例を示す図である。
図2(A)は、虹彩カメラ11Aが表示部14に対して上方向に位置するように表示部14を横方向とした場合を示しており、右上に位置する虹彩カメラ11Aの近傍に認証用UI20を表示した例を示している。
図2(B)は、虹彩カメラ11Aが表示部14に対して下方向に位置するように表示部14を横方向とした場合を示しており、左下に位置する虹彩カメラ11Aの近傍に認証用UI20を表示した例を示している。
図2(C)は、虹彩カメラ11Aが表示部14に対して左上方向に位置するように表示部14を縦方向とした場合を示しており、左上方向に位置する虹彩カメラ11Aの近傍に認証用UI20を表示した例を示している。
図2(D)は、虹彩カメラ11Aが表示部14に対して右下方向に位置するように表示部14を縦方向とした場合を示しており、右下方向に位置する虹彩カメラ11Aの近傍に認証用UI20を表示した例を示している。それぞれの表示部14に対する虹彩カメラ11Aの相対位置に応じて、認証用UI20の表示位置を表示部14に対する虹彩カメラ11Aの近傍位置に変更し、指示表示21の向きを上下左右に変更している。
【0031】
また、表示制御部12は、ユーザによるUI(例えば、メカボタンやソフトウェアボタン等)の操作に応じて、認証用UI20の表示をON/OFFさせることにしてもよい。
【0032】
図1に戻り、認証部13は、認証情報格納部13Aを備えている。認証部13は、認証用画像取得部11で取得した認証用画像に基づいて虹彩認証を行う。認証部13は、情報処理装置1が備えていてもよいし、情報処理装置1にネットワークを介して接続されるWebサーバ等に搭載されていてもよい。すなわち、情報処理装置1は認証部13を搭載して、ローカルでユーザ認証を行うことにしてもよい(例えば、情報処理装置1の起動時やスリープ状態からの復帰時等に認証部13がユーザ認証を行う。)。また、所定のサービスを提供するWebサーバが認証部13を備え、情報処理装置1から認証用画像をWebサーバに送信し、Webサーバの認証部13がユーザ認証を行ってもよい。ここでは、
情報処理装置1が認証部13を搭載している場合について説明する。
【0033】
認証情報格納部13Aは、予め撮影し取得された各ユーザの片眼又は両眼の虹彩の登録画像を記憶する。登録画像は、各ユーザの少なくとも一方の眼の虹彩を含む画像である。認証情報格納部13Aに記憶されている登録画像は、認証用画像の虹彩認証処理の際、認証部13により参照される。認証部13は、認証情報格納部13Aに記憶された虹彩の登録画像を用いて、認証用画像取得部11で抽出した認証用画像の虹彩についてマッチング処理を行う。この虹彩認証処理には、公知の虹彩認証アルゴリズムを用いることができる。
【0034】
上記構成において、認証用画像取得部11、表示制御部12、及び認証部13は、ハードウェアやソフトウェアのモジュール、又は、その組み合わせで構成することができる。また、コンピュータがプログラムを実行することにより、認証用画像取得部11、表示制御部12、及び認証部13の機能を実現することにしてもよい。
【0035】
図3は、本実施の形態に係る情報処理装置1により実行される虹彩認証処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図4は、認証用UI20の表示例を説明するための図である。本実施の形態に係る情報処理装置1により実行される虹彩認証処理を
図3のフローチャートに従って、
図4の表示例を参照しつつ説明する。
【0036】
本実施の形態に係る情報処理装置1は、ユーザの個人識別が必要となったタイミングで虹彩認証処理を実行する。例えば、情報処理装置1の電源が投入された場合(システムを起動する際)、スリープ状態から復帰する場合等のタイミングで虹彩認証処理が開始される。
【0037】
まず、表示制御部12は、表示部14に認証用UI20を表示する(ステップS1)。例えば、表示制御部12は、
図4(A)に示すように、認証用UI20として、虹彩カメラ11Aの位置をユーザに知らせるための矢印21、「虹彩認証を行います。虹彩カメラを見て下さい。」のガイダンス表示23、モニタリング用画面22を表示する。これにより、ユーザは虹彩カメラ11Aの方を見ることができる。
【0038】
次に、虹彩カメラ11Aは、被写体の撮影を開始する(ステップS2)。これに応じて、例えば、表示制御部12は、
図4(B)に示すように、モニタリング用画面22に、虹彩カメラ11Aで撮影された画像(動画)を順次表示する。これにより、ユーザは、モニタリング用画面22を見ながら眼の撮影位置を調整することができる。
【0039】
認証用画像取得部11は、虹彩カメラ11Aで撮影した画像から虹彩を含む認証用画像を抽出する(ステップS3)。認証用画像は複数枚抽出してもよい。認証用画像取得部11は、適正な(例えば、大きさ、明るさ、鮮明度等が適正)認証用画像を抽出できたか否かを判断する(ステップS4)。適切な認証用画像を抽出できなかった場合には(ステップS4の「No」)、例えば、認証用画像取得部11は、その理由を表示制御部12に通知し、表示制御部12は、この理由に応じて、適正な認証用画像を抽出するために、認証用UI20のガイダンス表示を変更して(ステップS6)、ステップS3に戻る。例えば、表示制御部12は、
図4(C)に示すように、撮影した画像の眼が小さすぎる場合は、「遠すぎます、もっと虹彩カメラに近づいて下さい」のガイダンス表示23に変更する。ユーザは、このガイダンス表示23に従って虹彩カメラ11Aに近づくことができる。
【0040】
適切な認証用画像を抽出できた場合には(ステップS4の「Yes」)、認証部13は、抽出した認証用画像に基づき虹彩認証を行う(ステップS5)。具体的には、認証部13は、認証情報格納部13Aに格納されている虹彩の登録画像と抽出した認証用画像とのマッチング処理を行って両者が一致するかを認証する。
【0041】
情報処理装置1は、虹彩認証に成功した場合は、所定の処理(システムの起動、復帰等)を行う。また、情報処理装置1は、虹彩認証に失敗した場合は、ユーザに対して認証失敗のメッセージを通知してもよい。例えば、表示制御部12は、
図4(D)に示すように、ユーザが好適な撮影位置となり、適正な認証用画像を抽出できて虹彩認証に成功した場合は、「虹彩認証に成功しました」というガイダンス表示23を表示してもよい。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザの眼の虹彩を含む認証用画像を取得するための虹彩カメラ11Aを含む認証用画像取得部11と、認証用画像を取得する際に、虹彩カメラ11Aの位置をユーザに知らせるための指示表示21を含む認証用UI20を、表示部14の、虹彩カメラ11Aの配置位置に対応する位置に表示させる表示制御部12と、を備えているので、認証用画像を取得する際に、ユーザが容易に虹彩カメラの位置を把握することが可能になる。
【0043】
また、認証用UI20は、虹彩カメラ11Aで撮影した画像のモニタリング用画面22を含むこととしたので、ユーザは、モニタリング用画面を見ながら眼の撮影位置を調整することが可能となる。
【0044】
また、認証用UI20は、ユーザの眼の位置を適正な撮影位置とするためのガイダンス表示23を含むこととしたので、ユーザの眼の位置を適正な撮影位置に案内することが可能となる。
【0045】
また、表示部14の画面の向きを検出するための検出手段を備え、表示制御部12は、表示部14の画面の向きに応じて、表示部14に表示させる認証用UIの表示位置及び表示方向を変更することとしたので、画面の向きが変わってもユーザは虹彩カメラの位置を容易に把握することが可能となる。
【0046】
なお、情報処理装置1は、更に、他のカメラ(通常のカメラ)を備えることにしてもよい。カメラが複数台搭載されている場合は、ユーザは虹彩カメラ11Aの位置を把握することがより難しくなるので、本実施の形態のような認証用UI20の表示がより効果的になる。
【0047】
(実施例)
図5〜
図9を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置をノート型PCに適用した例を説明する。まず、
図5〜
図7を参照して、本実施例に係る情報処理装置の外観構成を説明する。本実施例の情報処理装置は、いわゆるコンバーチブル型PCであり、ノートPC及びタブレットPCとして使用することができる。
【0048】
図5は、本実施例に係る情報処理装置の外観構成を示す模式的な斜視図である(クラムシェル状態)。
図6は、本実施例に係る情報処理装置がタブレット状態にある場合を示す模式的な斜視図である(タッチ表示部が上向きの状態にある場合を示す)。
図7は、本実例に係る情報処理装置がテント状態にある場合を示す模式的な斜視図である。
【0049】
図5に示すように、情報処理装置100は、第1の筐体110と、第2の筐体120とを備えている。また、情報処理装置100は、第1の筐体110と第2の筐体120との間にヒンジ(連結部)125を備えている。
【0050】
第1の筐体110は、略矩形形状を呈し、表示部111Bと表示部111B上に配置されたタッチセンサ111Aとで構成されるタッチ表示部111と、タッチ表示部111の上方の略中央位置に配置されたカメラ114と、タッチ表示部111の下方の左寄りの位置に配置された虹彩カメラ115と、が配置されている。
【0051】
タッチ表示部111は、文字、図形、画像等の情報を表示するとともに、指、スタイラス、ペン等(以下、「指示体」と称する)を用いてタッチセンサ111Aに対して行われる各種操作を検出する。表示部111Bには、アイコン、バー、文字、及び画像等の各種情報が表示される。
図5に示す例では、ユーザが虹彩認証を容易に実行するための認証用UI20が表示部111Bの左下に表示されている。認証用UI20は、虹彩カメラ115の位置をユーザに知らせるための表示(矢印)21、「虹彩認証を行います。虹彩カメラを見て下さい。」のガイダンス表示23、モニタリング用画面22が表示されている。また、表示部111Bには、パスワード入力欄210が表示されている。
【0052】
タッチセンサ111Aが各種操作を検出する方式は、静電容量式、感圧式等の方式を採用することができる。カメラ114は、可視光カメラであり、通常の撮影に使用される。虹彩カメラ115は、赤外線カメラであり、虹彩認証を行う際に使用される。
【0053】
また、第1の筐体110の内部には、第1の加速度センサ113が配置されている。第1の加速度センサ113は、第1の筐体110(タッチ表示部111)に対して、その長手方向に平行なY
1方向、その短手方向に平行なX
1方向、X
1及びY
1方向に垂直なZ
1方向の加速度を検出する。
【0054】
第2の筐体120は、略矩形を呈し、キーボード122と、キーボード122の下方に配置されたタッチパッド126とが配置されている。また、第2の筐体120の内部には、第2の加速度センサ123が配置されている。第2の加速度センサ123は、第2の筐体120に対して、その長手方向に平行なY
2方向、その短手方向に平行なX
2方向、X
2及びY
2方向に垂直なZ
2方向の加速度を検出する。
【0055】
ヒンジ125は、第1の筐体110と第2の筐体120とを回転可能に連結する。回転軸δに対する第1の筐体110と第2の筐体120との角度(第2の筐体120に対する第1の筐体110の角度)を「θ」と規定する。より詳細には、ヒンジ125は、第1の筐体110と第2の筐体120とを回転軸δを中心に実質的に360度回転可能に連結する。情報処理装置100は、ヒンジ125により各種状態(構成)を取ることが可能となっている。
【0056】
次に、情報処理装置100の各種状態(構成)を説明する。情報処理装置100は、第2の筐体120に対する第1の筐体110の角度θで規定される各種状態を取ることができる。
【0057】
角度θ=0度をクローズ(Close)状態、0度<θ<180度をクラムシェル(Clamshell)状態(
図5参照)、180度<θ<360度をテント(Tent)状態(
図7参照)、角度θ=360度をタブレット(Tablet)状態(
図6参照)と称する。
【0058】
情報処理装置100では、第1の加速度センサ13及び第2の加速度センサ23の検出結果に基づいて、上述の角度θで規定される各種状態及び画面の向きを検出することが可能に構成されている。情報処理装置100では、表示部111Bの画面の向きに応じて表示画面を回転させることにより、縦方向表示及び横方向表示を行うことが可能に構成されている。
【0059】
また、情報処理装置100は、表示部111Bの画面の向きに応じて、認証用UI20の表示位置及び表示方向を変更可能に構成されている。例えば、
図6に示すようなタブレット状態において、縦方向表示を行う場合は、認証用UI20は表示部111Bの画面上の右下に表示される。また、
図7に示すようなクラムシェル状態において、横方向表示を行う場合は、認証用UI20は表示部111Bの画面上の右上に表示される。
【0060】
図8は、上記
図5の情報処理装置100の概略のハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置100は、
図8に示すように、CPU101、BIOS−ROM102、メモリ103、HDD(ハードディスク)104、GPU105、表示部111B、通信制御部107、電源回路108、エンベデッド・コントローラ109、入力ユニット124、電源回路108、カメラモジュール130、虹彩カメラモジュール140を備えており、各部はバスを介して直接又は間接的に接続されている。
【0061】
CPU101は、バスを介して接続されたHDD104に格納されたOS104Aにより情報処理装置100全体の制御を行うとともに、HDD104に格納された各種のプログラムに基づいて処理を実行する機能を司る。BIOS−ROM102は、BIOS(Basic Input/Output System:基本入出力システム)102aを格納している。BIOS102aは、虹彩カメラ115の第1の筐体110上の配置位置を示す虹彩カメラ配置位置情報を格納している。この虹彩カメラ配置位置情報は、認証用UI20を表示する際に参照される。
【0062】
メモリ103は、キャッシュメモリやRAMで構成されており、CPU101の実行プログラムの読み込み領域として、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。
【0063】
HDD104は、情報処理装置100全体の制御を行うためのOS104A、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ104B、認証用アプリ104C、及び特定業務に向けられた他のアプリ104D等を記憶する機能を有する。認証用アプリ104Cは、虹彩認証処理を実行するためのアプリである。
【0064】
GPU105は、CPU101の制御に従って、表示情報をビデオ信号に変換し、変換したビデオ信号を表示部111Bに出力して表示させる。表示部111Bは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、CPU101の制御に従って、各種情報を表示する機能を有している。通信制御部107は、ネットワークを介して通信を行うためのユニットである。
【0065】
エンベデッド・コントローラ109は、MPU、メモリ、プログラムを格納したROM、A/D変換器、D/A変換器等で構成されている。エンベデッド・コントローラ109は、入力ユニット124、タッチセンサ111A、電源回路108、第1及び第2の加速度センサ113、123が接続されており、入力ユニット124、タッチセンサ111A、電源回路108、第1及び第2の加速度センサ113、123の動作を制御する。また、エンベデッド・コントローラ109は、第1の加速度センサ113及び第2の加速度センサ123の検出結果に基づいて、情報処理装置100の各種状態及び表示部111Bの画面の向きを検出する。
【0066】
第1の加速度センサ113は、第1の筐体110(タッチ表示部111)に対して、その長手方向に平行なY
1方向、その短手方向に平行なX
1方向、X
1及びY
1方向に垂直なZ1方向の加速度を検出して、エンベデッド・コントローラ109に出力する。
【0067】
第2の加速度センサ123は、第2の筐体120に対して、その長手方向に平行なY2方向、その短手方向に平行なX
2方向、X
2及びY
2方向に垂直なZ
2方向の加速度を検出して、エンベデッド・コントローラ109に出力する。
【0068】
入力ユニット124は、ユーザ入力を行うためのユーザ・インターフェース・デバイスであり、文字、コマンド等を入力するための各種キーより構成されるキーボード122、画面上のカーソルを移動させたり、各種メニューを選択するためのタッチパッド126等である。
【0069】
タッチセンサ111Aは、指やペン等の指示体を用いてタッチセンサ111Aに対して行われた各種操作を、操作が行われた場所のタッチセンサ111A上での位置とともに検出し、エンベデッド・コントローラ109に通知する。タッチセンサ111Aによって検出される操作には、タッチ操作、スライド操作、及びピッチ操作が含まれる。
【0070】
電源回路108は、ACアダプタ、インテリジェント電池、インテリジェント電池を充電するための充電器、及びDC/DCコンバータ等を備えている。
【0071】
カメラモジュール130は、通常の撮影に使用される可視光用のカメラ114と、カメラ114で撮像された画像に対して信号処理を行う信号処理部131とを備えている。カメラ114は、レンズや撮像素子等を有し、被写体光を電気信号に変換してR、G、Bの画像信号として信号処理部131に出力する。信号処理部131は、A/D変換器、画像処理用LSI、メモリ等を備え、撮像素子の駆動タイミングや露出制御等を行うと共に、カメラ114で得られたRGBの画像信号に対して各種信号処理を行った後、CPU101に出力する。
【0072】
虹彩カメラモジュール140は、虹彩認証に使用される赤外線用の虹彩カメラ115と、虹彩カメラ115で撮像された画像に対して信号処理を行う信号処理部141とを備えている。虹彩カメラ115は、レンズ、撮像素子、及び赤外線発光部等を有し、赤外線発光部から発光される赤外光の反射光を電気信号に変換して画像信号として信号処理部141に出力する。信号処理部141は、A/D変換器、画像処理用LSI、メモリ等を備え、虹彩カメラ115の撮像素子の駆動タイミングや露出制御等を行うと共に、虹彩カメラ115で得られた画像信号に対して各種信号処理を行った後、CPU101に出力する。
【0073】
次に、上記情報処理装置100の虹彩認証処理について説明する。CPU101は認証用アプリ104Cを実行して、虹彩認証処理を実行する。以下、CPU101が認証用アプリ104Cを実行することにより実現する処理を、認証用アプリ104Cを動作主体として説明する。認証用アプリ104Cは、予め登録してある虹彩画像と、虹彩カメラ115で撮影した画像から抽出した虹彩を含む認証用画像とが一致するか否かの虹彩認証を実行する。認証用アプリ104Cは、ユーザによる虹彩認証を容易にするために、認証用画像を取得する際に、虹彩カメラ115の位置をユーザに知らせるための指示表示21を含む認証用UI20を表示部111Bの、虹彩カメラ115の配置位置に対応する位置に表示させる。
【0074】
図9は、認証用アプリ104Cにより実行される虹彩認証処理を説明するためのフローチャートである(表示例については上記
図4参照)。認証用アプリ104Cは、例えば、電源ON時や休止状態からの復帰時等の認証が必要なタイミングで虹彩認証処理を実行する。
【0075】
図9において、まず、認証用アプリ104Cは、BIOS102aから虹彩カメラ配置位置情報を取得すると共に(ステップS10)、エンベデッド・コントローラ109から表示部11Bの画面の向きの情報を取得する(ステップS11)。認証用アプリ104Cは、虹彩カメラ配置位置情報及び画面の向きに基づいて、認証用UI20の表示位置及び表示方向を決定する(ステップS12)。認証用アプリ104Cは、決定した表示位置及び表示方向で認証用UI20を表示部111Bに表示する(ステップS13)。
【0076】
認証用UI20は、例えば、
図5に示すように、ユーザに虹彩カメラ115の位置を知らせるための指示表示21と、虹彩カメラ115で撮影した画像のモニタリング用画面202と、ガイダンス表示23とを含んでいてもよい。また、認証用アプリ104Cは、パスワード入力欄を210を表示して、虹彩認証とパスワード認証の両方が可能な構成としてもよい。
【0077】
次に、認証用アプリ104Cは、虹彩カメラモジュール140の虹彩カメラ115に被写体の撮影を開始させる(ステップS14)。虹彩カメラ115で撮影された画像は信号処理部141で信号処理された後、順次、認証用アプリ104Cに入力される。認証用アプリ104Cは、認証用UI20のモニタリング用画面22に、虹彩カメラ115で撮影された画像(動画)を順次表示する。ユーザは、モニタリング用画面22を見ながら眼の撮影位置を調整することができる。
【0078】
認証用アプリ104Cは、所定のタイミングで、虹彩カメラ115で撮影した画像から虹彩を含む認証用画像を抽出する(ステップS15)。認証用アプリ104Cは、適正な認証用画像を抽出できたか否かを判断する(ステップS16)。適切な認証用画像を抽出できなかった場合には(ステップS16の「No」)、認証用アプリ104Cは、適正な認証用画像を抽出するために、認証用UI20のガイダンス表示23を変更し(ステップS18)、ステップS15に戻る。なお、認証用アプリ104Cが認証用画像を抽出することとしたが、虹彩カメラモジュール140の信号処理部141が認証用画像を抽出してもよい。
【0079】
適切な認証用画像を抽出できた場合には(ステップS16の「Yes」)、認証用アプリ104Cは、認証用画像に基づき虹彩認証を行う(ステップS17)。具体的には、記憶している虹彩の登録画像と抽出した認証用画像とのマッチング処理を行って両者が一致するか否かを認証する。例えば、情報処理装置100は、認証に成功した場合は、所定の処理(システムやOS104Aの起動、システムの復帰等)を行う。また、認証用アプリ104Cは、認証に失敗した場合は、ユーザに対して認証失敗のメッセージを表示してもよい。
【0080】
なお、上記実施例では、認証アプリ104Cが虹彩認証処理を実行することにしたが、OS104Aやハードウェアで構成される認証モジュール(認証用チップ)が虹彩認証処理を実行することにしてもよい。