特開2017-138848(P2017-138848A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-138848(P2017-138848A)
(43)【公開日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】携帯型情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/02 20060101AFI20170714BHJP
【FI】
   G06F3/02 310
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-20069(P2016-20069)
(22)【出願日】2016年2月4日
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100169199
【弁理士】
【氏名又は名称】石本 貴幸
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】杉山 宗幹
【テーマコード(参考)】
5B020
【Fターム(参考)】
5B020DD02
(57)【要約】
【課題】キーボード部の軽量化を図ることが可能な携帯型情報処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】キーボードへの操作によるデータ入力が可能なノートパソコンであって、キーボード筐体におけるキーボード7は、複数のキー10と、複数のキー10が一面側に配置された板状のベースプレート部17、ベースプレート部17の一面側に設けられ、かつ、複数のキー10の間に配置されたフレーム部18を有する構造材13とを備え、ベースプレート部17とフレーム部18は、合成樹脂製であり、一体的に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーボード部への操作によるデータ入力が可能な携帯型情報処理装置であって、
前記キーボード部は、
複数のキーと、
前記複数のキーが一面側に配置された板状のベースプレートと、
を備え、
前記ベースプレートは、合成樹脂製である携帯型情報処理装置。
【請求項2】
前記キーボード部は、前記ベースプレートの前記一面側に設けられ、かつ、前記複数のキーの間に配置されたフレーム部を更に備え、
前記フレーム部は、合成樹脂製であり、
前記ベースプレートと前記フレーム部は一体的に形成されている請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項3】
前記キーボード部は、前記ベースプレートの前記一面側とは反対の他面側に設けられ、電気的配線が設けられたメンブレンを更に備える請求項2に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項4】
前記キーボード部は、前記ベースプレートの前記一面側に設けられ、かつ、前記複数のキーの間に配置されたフレーム部を更に備え、
前記ベースプレートには、前記一面側から前記フレーム部に突出した合成樹脂製のピンが形成され、
前記フレーム部には、前記ベースプレートと前記フレーム部が重ね合わされた状態で前記ピンが貫通する貫通孔が形成された請求項1に記載の携帯型情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノート型(ラップトップ)パーソナルコンピュータ(以下「ノートパソコン」という。)では、キーボード部の基板(ベースプレート)として金属製材料(例えばアルミニウムやステンレス)が用いられている。
【0003】
ノートパソコンにおける従来のキーボード構造は、図6及び図7に示すように、キーキャップ51と、パンタグラフ52と、合成樹脂(プラスチック)製のコスメティックフレーム53と、スイッチ及び信号線が配置されたメンブレン54と、金属製のベースプレート55と、筐体内への漏水を防止するスピルシート56などからなる。
【0004】
下記の特許文献1では、キーボード装置の一例が開示されており、各キーの取付板となるベースプレートが、例えば、板厚0.6mmのアルミニウム板等、金属製であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−141868号公報(段落[0031])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ノートパソコンは、画面の大型化等のニーズなどに応じつつ、携帯を容易にするため、重量の低減が要求される。したがって、ノートパソコンの重量を低減するため、キーボード部の軽量化を検討することが考えられる。また、その際、キーボード部の剛性が低下しないようにする必要がある。さらに、ベースプレートと他の部品(例えば各キー間に配置されたコスメティックフレーム)との組み合わせ構造についても、組立工程等を考慮して、検討することが望ましい。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、キーボード部の軽量化を図ることが可能な携帯型情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の携帯型情報処理装置は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る携帯型情報処理装置は、キーボード部への操作によるデータ入力が可能な携帯型情報処理装置であって、前記キーボード部は、複数のキーと、前記複数のキーが一面側に配置された板状のベースプレートと、
を備え、前記ベースプレートは、合成樹脂製である。
【0009】
この構成によれば、キーボード部において、複数のキーが一面側に配置された板状のベースプレートが合成樹脂製であるため、ベースプレートが金属製である場合に比べて、キーボード部の軽量化を図ることができる。
【0010】
上記発明において、前記キーボード部は、前記ベースプレートの前記一面側に設けられ、かつ、前記複数のキーの間に配置されたフレーム部を更に備え、前記フレーム部は、合成樹脂製であり、前記ベースプレートと前記フレーム部は一体的に形成されてもよい。
【0011】
この構成によれば、ベースプレートの一面側、かつ、複数のキーの間にフレーム部が設けられることによって、剛性が高まる。また、ベースプレートとフレーム部は一体的に形成されているため、ベースプレートとフレーム部を別々の部品で構成する場合に比べて、部品点数を減らせる。
【0012】
上記発明において、前記キーボード部は、前記ベースプレートの前記一面側とは反対の他面側に設けられ、電気的配線が設けられたメンブレンを更に備えてもよい。
【0013】
この構成によれば、ベースプレートの一面側にフレーム部が設けられ、ベースプレートとフレーム部が一体的に形成された構造においてもメンブレンを設けることができる。
【0014】
上記発明において、前記キーボード部は、前記ベースプレートの前記一面側に設けられ、かつ、前記複数のキーの間に配置されたフレーム部を更に備え、前記ベースプレートには、前記一面側から前記フレーム部に突出した合成樹脂製のピンが形成され、前記フレーム部には、前記ベースプレートと前記フレーム部が重ね合わされた状態で前記ピンが貫通する貫通孔が形成されてもよい。
【0015】
この構成によれば、ベースプレートの一面側において、合成樹脂製のピンがフレーム部に突出して形成され、ベースプレートとフレーム部が重ね合わされた状態で、ピンは、フレーム部に形成された開口部を貫通する。ベースプレートとフレーム部を重ね合わせた後、開口部を貫通したピンの先端が溶かされて、ピンの先端に開口部の径よりも大きな膨張部が形成されることによって、ベースプレートに設けられたピンは、フレーム部に溶着する。その結果、ベースプレートとフレーム部が一体化され、フレーム部が無い構造に比べて、ベースプレートの剛性が高まる。また、ベースプレートとフレーム部をねじによって結合する場合と異なり、ねじが不要になって、部品点数を減らせる。さらに、ピンがフレーム部側に突出してフレーム部に形成された貫通孔を貫通することから、フレーム部の表側からピンの溶着作業を行うことができるため、ベースプレートとフレーム部を一体化する工程を簡略化できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、キーボード部において、複数のキーが一面側に配置された板状のベースプレートが合成樹脂製であるため、ベースプレートが金属製である場合に比べて、軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係るノートパソコンのキーボードを示す分解斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るノートパソコンのキーボードを示す部分拡大縦断面図である。
図3】本発明の第2実施形態に係るノートパソコンのキーボードを示す分解斜視図である。
図4】本発明の第2実施形態に係るノートパソコンのキーボードを示す部分拡大縦断面図である。
図5】本発明の第1及び第2実施形態に係るノートパソコンを示す斜視図である。
図6】従来のノートパソコンのキーボードを示す分解斜視図である。
図7】従来のノートパソコンのキーボードを示す部分拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係るノート型パーソナルコンピュータ(以下「ノートパソコン」という。)について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るノートパソコン1は、携帯型情報処理装置の一例であり、図5に示すように、ディスプレイ筐体2とキーボード筐体3とがヒンジ4によって接続された構成を有する。ノートパソコン1は、ヒンジ4によって、ディスプレイ筐体2が、キーボード筐体3に対して、180°未満の可動範囲を有するものでもよいし、360°回動可能であるものでもよい。
【0019】
ディスプレイ筐体2には、例えばディスプレイモジュール5が収容されている。
キーボード筐体3には、キーボード7やタッチパッド8等の入力部が設けられ、ノートパソコン1は、キーボード7やタッチパッド8等の入力部に対する操作によって、データ入力が可能である。また、キーボード筐体3の内部には、CPU及びメモリ等を搭載した回路基板や、バッテリー等の電源部などが収容される。ディスプレイ筐体2内のディスプレイモジュール5と、キーボード筐体3内の回路基板は、フレキシブルプリント配線によって接続されている。
【0020】
ヒンジ4は、ディスプレイ筐体2の長辺のうちの1辺と、キーボード筐体3の長辺のうちの1辺とに連結される。ヒンジ4は、ヒンジ4の回動軸周りに、ディスプレイ筐体2とキーボード筐体3を相対的に回動させる。ディスプレイ筐体2がキーボード筐体3に対して回動し、ディスプレイモジュール5の画面9とキーボード筐体3のキーボード7が対向することで、ノートパソコン1が閉じられた状態となり、画面9とキーボード7が離れることによって、ノートパソコン1が使用可能に開かれた状態となる。
【0021】
ディスプレイモジュール5は、例えば、液晶ディスプレイを備えて、液晶ディスプレイによって画像を表示する。なお、画像を表示するディスプレイモジュール5は、液晶ディスプレイを備える場合に限定されず、有機ELディスプレイ等でもよい。
【0022】
キーボード7には、複数のキー10が配置されている。各キー10は、図1から3に示すように、キーキャップ11と、パンタグラフ12と、プラスチック製の構造材13と、メンブレン14などを備える。メンブレン14、構造材13、パンタグラフ12、及び、キーキャップ11は、この順に下から重ね合わされる。
【0023】
キーキャップ11は、各キー10における四角形の平板状の部材であり、キーキャップ11の上面はユーザーの指が接触し、下面はパンタグラフ12の上部及びメンブレン14に設けられたドーム部15の上部が接触する。キーキャップ11は、ユーザーの押圧によって下方に移動し、ドーム部15の弾性力によって元の位置に戻る。
【0024】
パンタグラフ12は、キーキャップ11を支持する部材であり、上下方向に伸縮可能な構造を有する。パンタグラフ12の上部は、キーキャップ11の下面と接触し、パンタグラフ12の下部は、構造材13の係合部16に設けられる。パンタグラフ12によって、キーキャップ11が押圧されたとき、キーキャップ11が水平に保たれながら安定して移動する。
【0025】
構造材13は、平板状のベースプレート部17と、各キー10間においてベースプレート部17に対して突起したフレーム部18を備え、ベースプレート部17とフレーム部18は一体成形で形成された部材である。
【0026】
上述のように、構造材13は、1枚の平板状のベースプレート部17に対して、各キー10間において突起したフレーム部18が形成されている形状を有する。すなわち、各キー10が配置される部分であるキー配置部19が凹状に形成されている。キー配置部19の底部の厚さは、フレーム部18の厚さに比べて薄い。
【0027】
構造材13が、上述したとおり、複数のキー10の間にフレーム部18が配置され、かつ、ベースプレート部17と一体化されることによって、フレーム部18が設けられない場合に比べて、キーボード7の剛性が高まる。また、ベースプレート部17とフレーム部18は一体成形された部材であるから、別々の部品で構成する場合に比べて、部品点数を減らせる。
【0028】
また、構造材13は、合成樹脂(プレスチック)製である。これにより、ベースプレートが、アルミニウムやステンレス等の金属製である場合に比べて、キーボード7の軽量化、さらには、ノートパソコン1の軽量化を図ることができる。
【0029】
構造材13におけるキー配置部19には、開口部20と、係合部16が形成されている。開口部20は、各キー10が設けられる部分の中央付近にベースプレート部17を貫通して形成される。開口部20には、ドーム部15が貫通して設置される。
【0030】
メンブレン14は、フレキシブルプリント回路等による電気配線が配置されている。メンブレン14は、例えば3層構造を有するスイッチシートである。また、メンブレン14には、各キー10に該当する部分に、接触又は離隔する二つの接点(図示せず。)が形成されている。二つの接点は、キーキャップ11及びドーム部15を介した押圧によって接触されて電気的に導通状態となり、押圧の解除によって電気的導通が切断される。
【0031】
ドーム部15は、シリコン製又はゴム製であって、ドーム形状を有する。ドーム部15は、接点の面部分に対して垂直方向に押圧することが可能な突起部21を有する。突起部21は、ドーム部15の内部に形成され、ドーム部15の頂点から下方に突出して形成されている。
【0032】
ドーム部15は、キーキャップ11を介して下方に押圧されることで、頂点が凹み、突起部21が接点を押圧する。キーキャップ11における下方への押圧が解除されることで、ドーム部15は、自身の弾性力によって元の形状に戻り、突起部21による接点への押圧が解除される。
【0033】
以上、本実施形態によれば、キーボード7において、複数のキー10が一面側に配置された板状のベースプレート部17を有する構造材13が合成樹脂製であるため、金属製である場合に比べて、キーボード7の軽量化を図ることができる。
【0034】
また、ベースプレート部17の一面側、かつ、複数のキー10の間にフレーム部18が設けられることによって、剛性が高まる。また、ベースプレート部17とフレーム部18は一体的に形成されているため、ベースプレートとフレーム部を別々の部品で構成する場合に比べて、部品点数を減らせる。
【0035】
さらに、メンブレン14は、キー10の配置側とは反対のベースプレート部17の下面側に設けられる。これにより、ベースプレート部17におけるキー10の配置側にフレーム部18が設けられ、ベースプレート部17とフレーム部18が一体的に形成された構造においてもメンブレン14を設けることができる。
【0036】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るノートパソコンについて説明する。本実施形態に係るノートパソコン1において、上述した第1実施形態と重複する構成要素及び作用効果については、詳細な説明を省略する。以下では、第1実施形態と異なるキーボード7について説明する。
【0037】
キーボード7は、図4に示すように、キーキャップ11と、パンタグラフ12と、金属製のフレーム22と、メンブレン23と、プラスチック製のベースプレート24と、筐体内への漏水を防止するスピルシート25などを備える。スピルシート25、ベースプレート24、メンブレン23及びフレーム22は、下からこの順に重ね合わされる。また、パンタグラフ12、及び、キーキャップ11は、ベースプレート24上で、下からこの順に重ね合わされる。
【0038】
パンタグラフ12の上部は、キーキャップ11の下面と接触し、パンタグラフ12の下部は、ベースプレート24の係合部26に設けられる。
【0039】
フレーム22は、例えばマグネシウム等の金属製、又は、合成樹脂製であり、平板状である。フレーム22には、各キー10が配置されるキー配置部32となる部分に開口部27が形成され、溶着ピン29が貫通可能な貫通孔28が形成されている。また、貫通孔28の上部には、溶着ピン29の先端が溶かされた後に形成される膨張部30が収まる凹部31が形成されている。
【0040】
フレーム22は、ベースプレート24やメンブレン23に重ね合わされたとき、各キー10間において、フレーム22の縦断面は、ベースプレート24やメンブレン23の上面に対して上方に突出した形状を有する。その結果、各キー10が配置される部分であるキー配置部32は、凹状となる。
【0041】
ベースプレート24の上面にメンブレン23が重ね合わされ、かつ、メンブレン23の上面にフレーム22が重ね合わされ、後述するとおり、一体化されることによって、キーボード7の剛性が高まる。
【0042】
ベースプレート24は、合成樹脂製である。これにより、ベースプレート24が、アルミニウムやステンレス等の金属製である場合に比べて、キーボード7の軽量化、さらには、ノートパソコン1の軽量化を図ることができる。
【0043】
ベースプレート24は、キー配置部32において、係合部26が形成されている。
【0044】
メンブレン23には、ベースプレート24と重ね合わされたとき、係合部26が通過可能な開口部33が形成されている。開口部33は、メンブレン23を貫通しており、ドーム部15の周囲に形成される。
【0045】
メンブレン23は、フレキシブルプリント回路等による電気配線が配置されている。メンブレン23は、例えば3層構造を有するスイッチシートである。また、メンブレン23には、各キー10に該当する部分に、接触又は離隔する二つの接点(図示せず。)が形成されている。二つの接点は、キーキャップ11及びドーム部15を介した押圧によって接触されて電気的に導通状態となり、押圧の解除によって電気的導通が切断される。
【0046】
また、メンブレン23には、溶着ピン29が貫通可能な貫通孔34が形成されている。
【0047】
上述したとおり、ベースプレート24には、フレーム22側に突出した溶着ピン29が形成され、フレーム22及びメンブレン23には、ベースプレート24と重ね合わされたとき、溶着ピン29が貫通する貫通孔28,34が形成されている。これにより、ベースプレート24とフレーム22が重ね合わされた状態で、溶着ピン29は、フレーム22及びメンブレン23に形成された貫通孔28,34を貫通する。
【0048】
ベースプレート24とフレーム22及びメンブレン23を重ね合わせた後、貫通孔28,34を通過した溶着ピン29の先端が溶かされて、貫通孔28の径よりも大きな膨張部30が形成される。これにより、ベースプレート24に設けられた溶着ピン29は、フレーム22に溶着する。
【0049】
その結果、ベースプレート24とフレーム22及びメンブレン23とが一体化され、フレームが無い構造に比べて、ベースプレート24の剛性が高まり、さらには、キーボード7の剛性が高まる。また、ベースプレート24とフレーム22をねじによって結合する場合と異なり、ねじが不要になって、部品点数を減らせる。さらに、溶着ピン29がフレーム22側に突出してフレーム22に形成された貫通孔28を貫通することから、フレーム22の表側から溶着ピン29の溶着作業を行うことができる。メンブレン23に設置されたドーム部15は、フレーム22の表側に突出しているため、ベースプレート24とフレーム22を一体化する工程を簡略化できる。
【0050】
これに対し、図6及び図7に示すような従来のコスメティックフレーム53は、下面側に溶着ピン57が設けられていた。したがって、従来のキーボードの組立工程では、ドーム部58を保護しながら、ベースプレート55とコスメティックフレーム53を一体化する工程を行う必要があり、手間がかかっていた。
【0051】
なお、フレーム22の表面には、仕上げ用のシールが貼られて、溶着ピン29の膨張部30や凹部31を覆ってもよい。また、上述した実施形態では、メンブレン23がベースプレート24の上面に設置される場合について説明したが、メンブレン23は、ベースプレート24の下面に設置されてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 :ノートパソコン
2 :ディスプレイ筐体
3 :キーボード筐体
4 :ヒンジ
5 :ディスプレイモジュール
7 :キーボード
8 :タッチパッド
9 :画面
10 :キー
11 :キーキャップ
12 :パンタグラフ
13 :構造材
14 :メンブレン
15 :ドーム部
16 :係合部
17 :ベースプレート部
18 :フレーム部
19 :キー配置部
20 :開口部
21 :突起部
22 :フレーム
23 :メンブレン
24 :ベースプレート
25 :スピルシート
26 :係合部
27 :開口部
28 :貫通孔
29 :溶着ピン
30 :膨張部
31 :凹部
32 :キー配置部
33 :開口部
34 :貫通孔
51 :キーキャップ
52 :パンタグラフ
53 :コスメティックフレーム
54 :メンブレン
55 :ベースプレート
56 :スピルシート
57 :溶着ピン
58 :ドーム部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2017年1月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーボード部への操作によるデータ入力が可能な携帯型情報処理装置であって、
前記キーボード部は、
複数のキーと、
前記複数のキーが一面側に配置された板状のベースプレートと、
前記ベースプレートの前記一面側に設けられ、かつ、前記キーボード部の全面にわたって配置された前記複数のキー間の隙間に配置されたフレーム部と、
を備え、
前記ベースプレートは、合成樹脂製である携帯型情報処理装置。
【請求項2】
記フレーム部は、合成樹脂製であり、
前記ベースプレートと前記フレーム部は一体的に形成されている請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項3】
前記キーボード部は、前記ベースプレートの前記一面側とは反対の他面側に設けられ、電気的配線が設けられたメンブレンを更に備える請求項2に記載の携帯型情報処理装置。
【請求項4】
記ベースプレートには、前記一面側から前記フレーム部に突出した合成樹脂製のピンが形成され、
前記フレーム部には、前記ベースプレートと前記フレーム部が重ね合わされた状態で前記ピンが貫通する貫通孔が形成された請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の携帯型情報処理装置は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る携帯型情報処理装置は、キーボード部への操作によるデータ入力が可能な携帯型情報処理装置であって、前記キーボード部は、複数のキーと、前記複数のキーが一面側に配置された板状のベースプレートと、前記ベースプレートの前記一面側に設けられ、かつ、前記キーボード部の全面にわたって配置された前記複数のキー間の隙間に配置されたフレーム部とを備え、前記ベースプレートは、合成樹脂製である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記発明において、前記フレーム部は、合成樹脂製であり、前記ベースプレートと前記フレーム部は一体的に形成されてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
上記発明において、前記ベースプレートには、前記一面側から前記フレーム部に突出した合成樹脂製のピンが形成され、前記フレーム部には、前記ベースプレートと前記フレーム部が重ね合わされた状態で前記ピンが貫通する貫通孔が形成されてもよい。