(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-139721(P2017-139721A)
(43)【公開日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】人間工学に基づくヘッドホン
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20170714BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20170714BHJP
【FI】
H04R1/10 103
H04R1/00 317
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-56353(P2016-56353)
(22)【出願日】2016年3月19日
(31)【優先権主張番号】16101306.9
(32)【優先日】2016年2月4日
(33)【優先権主張国】HK
(71)【出願人】
【識別番号】516084712
【氏名又は名称】維朔控股有限公司
【氏名又は名称原語表記】WEI SHUO HOLDINGS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】孫 剣
【テーマコード(参考)】
5D005
5D017
【Fターム(参考)】
5D005BD01
5D005BD08
5D017AB13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】装着時に頭部の一部に生じる痛みが緩和される人間工学に基づくヘッドホンを提供する。
【解決手段】アーチ型ホルダ1と、音声出力モジュール2及び挟持部3を含み、アーチ型ホルダは弾性を有し、音声出力モジュールはアーチ型ホルダの末端に位置し、挟持部の数は2以上で、挟持部はアーチ型ホルダ上に位置し、挟持部の接触部分がアーチ型ホルダのアーチ内に位置する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間工学に基づくヘッドホンであって、アーチ型ホルダ(1)と、音声出力モジュール(2)及び挟持部(3)を含み、アーチ型ホルダ(1)は弾性を有し、音声出力モジュール(2)はアーチ型ホルダ(1)の末端に位置し、挟持部(3)の数は2以上で、挟持部(3)はアーチ型ホルダ(1)上に位置し、挟持部(3)の接触部分がアーチ型ホルダ(1)のアーチ内に位置することを特徴とするヘッドホン。
【請求項2】
挟持部(3)とアーチ型ホルダ(1)はスライド可能に接続されており、挟持部(3)はアーチ型ホルダ(1)に沿ってスライド可能であることを特徴とする請求項1に記載の人間工学に基づくヘッドホン。
【請求項3】
挟持部(3)の高さが調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の人間工学に基づくヘッドホン。
【請求項4】
音声出力モジュール(2)は、空気を主な伝達媒体とするスピーカーを有していることを特徴とする請求項1に記載の人間工学に基づくヘッドホン。
【請求項5】
音声出力モジュール(2)は、骨の振動を主な伝達媒体とする骨伝導デバイスを有していることを特徴とする請求項1に記載の人間工学に基づくヘッドホン。
【請求項6】
人間工学に基づくヘッドホンであって、
アーチ型ホルダ(1)と、音声出力モジュール(2)及び挟持部(3)を含み、アーチ型ホルダ(1)は弾性を有し、音声出力モジュール(2)はアーチ型ホルダ(1)の末端に位置し、挟持部(3)の数は2以上で、挟持部(3)はアーチ型ホルダ(1)上に位置し、挟持部(3)における接触部分がアーチ型ホルダ(1)のアーチ内に位置し、
挟持部(3)は、回転つまみ(31)、回転つまみロッド(311)、回転つまみ回動部(313)、ホルダ接続板(32)、ガイドロッド(33)及び接触部(34)を備え、
挟持部(3)に含まれる回転つまみ(31)、回転つまみロッド(311)及び回転つまみ回動部(313)はいずれも回転軸を備え、
挟持部(3)に含まれるガイドロッド(33)は円柱状であり、
挟持部(3)に含まれる回転つまみロッド(311)上には雄ねじ(312)が設けられ、
挟持部(3)に含まれるホルダ接続板(32)は板状であり、ホルダ接続板(32)の中央には板面を上下に貫通するねじ孔(322)が設けられ、ねじ孔(322)の雌ねじが回転つまみロッド(311)上の雄ねじ(312)と螺合し、ねじ孔(322)の周囲にガイド孔(321)が設けられ、ガイド孔(321)の軸線とねじ孔(322)の軸線が平行であり、更に、ホルダ接続板32には側面を貫通するスライド接続孔(323)が備えられ、
挟持部(3)に含まれるガイドロッド(33)の直径は、挟持部(3)に含まれるホルダ接続板(32)のガイド孔(321)よりも小さく、
挟持部(3)に含まれる接触部(34)は、挟持部(3)に含まれる回転つまみ回動部(313)を回転可能に接続するための回転接続部(340)を備え、
挟持部(3)に含まれる回転つまみロッド(311)は、ホルダ接続板(32)中央のねじ孔(322)を貫通し、
挟持部(3)に含まれる回転つまみ(31)及び回転つまみ回動部(313)は回転つまみロッド(311)の両端に固定接続され、回転つまみ(31)、回転つまみロッド(311)、及び回転つまみ回動部(313)は回転軸を共有しており、
挟持部(3)に含まれる回転つまみ回動部(313)は、挟持部(3)に含まれる接触部(34)が有する回転接続部(340)と同軸に対して回転可能に接続され、回転つまみ回動部(313)は、その回転軸を中心に自在に回動可能であり、
挟持部(3)に含まれるガイドロッド(33)は、挟持部(3)に含まれるホルダ接続板(32)におけるガイド孔(321)を貫通して接触部(34)に固定接続され、挟持部(3)に含まれるガイドロッド(33)の軸線と、挟持部(3)に含まれるホルダ接続板(32)のねじ孔(322)の軸線が平行であり、
挟持部(3)は、挟持部(3)に含まれるホルダ接続板(32)上のスライド接続孔(323)を介して、アーチ型ホルダ(1)にスライド可能に接続されることを特徴とするヘッドホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子製品である出力デバイスに関し、具体的には、人間工学に基づくヘッドホンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のヘッドホンでは、主に、耳付近に位置するスピーカーハウジングを挟持点として、装着時に固定させている。しかし、1点に力が加わることから、数時間装着していると耳に痛みが生じるため、改良の余地があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術における課題に対し、人間工学基づくヘッドホンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下の技術内容を有する。
【0005】
1.人間工学に基づくヘッドホンであって、アーチ型ホルダ(1)と、音声出力モジュール(2)及び挟持部(3)を含み、アーチ型ホルダ(1)は弾性を有し、音声出力モジュール(2)はアーチ型ホルダ(1)の末端に位置し、挟持部(3)の数は2以上であり、挟持部(3)はアーチ型ホルダ(1)上に位置し、挟持部(3)の接触部分がアーチ型ホルダ(1)のアーチ内に位置することを特徴とする。
【0006】
2.上記1に記載の人間工学に基づくヘッドホンであって、挟持部(3)とアーチ型ホルダ(1)はスライド可能に接続されており、挟持部(3)はアーチ型ホルダ(1)に沿ってスライド可能であることを特徴とする。
【0007】
3.上記1に記載の人間工学に基づくヘッドホンであって、挟持部(3)の高さが調整可能であることを特徴とする。
【0008】
4.上記1に記載の人間工学に基づくヘッドホンであって、音声出力モジュール(2)は、空気を主な伝達媒体とするスピーカーを有していることを特徴とする。
【0009】
5.上記1に記載の人間工学に基づくヘッドホンであって、音声出力モジュール(2)は、骨の振動を主な伝達媒体とする骨伝導デバイスを有していることを特徴とする。
【0010】
6.人間工学に基づくヘッドホンにおいて、アーチ型ホルダ(1)と、音声出力モジュール(2)及び挟持部(3)を含み、アーチ型ホルダ(1)は弾性を有し、音声出力モジュール(2)はアーチ型ホルダ(1)の末端に位置し、挟持部(3)の数は2以上で、挟持部(3)はアーチ型ホルダ(1)上に位置し、挟持部(3)の接触部分がアーチ型ホルダ(1)のアーチ内に位置し、挟持部(3)は、回転つまみ(31)、回転つまみロッド(311)、回転つまみ回動部(313)、ホルダ接続板(32)、ガイドロッド(33)、接触部(34)からなり、挟持部(3)に含まれる回転つまみ(31)、回転つまみロッド(311)、回転つまみ回動部(313)はいずれも回転軸を備え、挟持部(3)に含まれるガイドロッド(33)は円柱状であり、挟持部(3)に含まれる回転つまみロッド(311)上には雄ねじ(312)が設けられ、挟持部(3)に含まれるホルダ接続板(32)は板状であり、その中央には板面を上下に貫通するねじ孔(322)が設けられ、ねじ孔(322)の雌ねじが回転つまみロッド(311)上の雄ねじ(312)と良好に螺合し、ねじ孔(322)の周囲にガイド孔(321)が設けられ、ガイド孔(321)の軸線とねじ孔(322)の軸線が平行であり、更に、ホルダ接続板32には側面を貫通するスライド接続孔(323)が備えられ、挟持部(3)に含まれるガイドロッド(33)の直径は、挟持部(3)に含まれるホルダ接続板(32)のガイド孔(321)よりも小さく、挟持部(3)に含まれる接触部(34)は、挟持部(3)に含まれる回転つまみ回動部(313)を回転可能に接続するための回転接続部(340)を備え、挟持部(3)に含まれる回転つまみロッド(311)は、ホルダ接続板(32)中央のねじ孔(322)を貫通し、挟持部(3)に含まれる回転つまみ(31)及び回転つまみ回動部(313)は回転つまみロッド(311)の両端に固定接続され、回転つまみ(31)、回転つまみロッド(311)及び回転つまみ回動部(313)は回転軸を共有しており、挟持部(3)に含まれる回転つまみ回動部(313)は、挟持部(3)に含まれる接触部(34)が有する回転接続部(340)と同軸に回転可能に接続され、回転つまみ回動部(313)は、その回転軸を中心として自在に回動可能であり、挟持部(3)に含まれるガイドロッド(33)は、挟持部(3)に含まれるホルダ接続板(32)におけるガイド孔(321)を貫通して接触部(34)に固定接続され、挟持部(3)に含まれるガイドロッド(33)の軸線と、挟持部(3)に含まれるホルダ接続板(32)のねじ孔(322)の軸線が平行であり、挟持部(3)は、挟持部(3)に含まれるホルダ接続板(32)上のスライド接続孔(323)を介して、アーチ型ホルダ(1)にスライド可能に接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以下に、本発明の技術内容とその有益な効果について説明する。
【0012】
従来技術に対して、本発明による可動式の挟持部の設計によれば、挟持点、即ち、ヘッドホンが人体を挟持する際に力の加わる点を変更できるという効果が奏される。そのため、ヘッドホンから耳への圧力が低減し、ヘッドホンの挟持に起因する耳の痛みが抑制される。
【0013】
従来技術に対して、本発明の挟持部は可動式であるため、ヘッドホンを一定時間装着した後に不快感を感じた場合、使用者は挟持部を自在に移動させることで挟持点を変更することができる。これにより、ヘッドホンが頭部を挟持することに起因する部分的な頭痛の発生が抑制される(挟持点に痛みが生じるのは、ニューロン、血管、筋肉が長時間にわたり圧迫され続けることが主な原因である。そのため、挟持点を変えることにより頭部の力が加わる点を常に変化させれば、頭部の一点が圧迫され続けることがなくなり、挟持点においてニューロン、血管、筋肉が回復する時間を確保できる)。
【0014】
挟持部のスライドについては、当業者が公知の技術常識と従来技術に基づき設計することができる。
【0015】
また、挟持部の高さを調節する構造又は装置については、当業者が公知の技術常識と従来技術に基づき設計することができる。
【0016】
本発明によれば、ヘッドホン装着時に挟持が原因で頭部の一部に痛みが生じる現象を抑制するという有益な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態におけるヘッドホンの正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態におけるヘッドホンの側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態におけるヘッドホンを使用者の頭部に装着した状態を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態におけるヘッドホンに含まれる挟持部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、実施例を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1〜4に示すように、本発明の一実施形態における人間工学に基づくヘッドホンは、アーチ型ホルダ1、音声出力モジュール2及び挟持部3を含むことを特徴とする。アーチ型ホルダ1は弾性を有し、音声出力モジュール2はアーチ型ホルダ1の末端に位置する。また、挟持部3の数は2以上である。挟持部3はアーチ型ホルダ1上に位置し、挟持部3における接触部分がアーチ型ホルダ1のアーチ内に位置する。
【0020】
挟持部3とアーチ型ホルダ1はスライド可能に接続されている。挟持部3には、アーチ型ホルダ1に装着可能な孔が設けられており、挟持部3は、アーチ型ホルダ1に沿ってスライド可能である。
【0021】
音声出力モジュール2は、空気を主な伝達媒体とするスピーカーを有している。
【0022】
図4に示すように、挟持部3は、回転つまみ31、回転つまみロッド311、回転つまみ回動部313、ホルダ接続板32、ガイドロッド33、接触部34を備える。
【0023】
挟持部3に含まれる回転つまみ31、回転つまみロッド311、回転つまみ回動部313はいずれも回転軸を備える。
【0024】
挟持部3に含まれるガイドロッド33は円柱状である。
【0025】
挟持部3に含まれる回転つまみロッド311上には雄ねじ312が設けられている。
【0026】
挟持部3に含まれるホルダ接続板32は板状であり、その中央には板面を上下に貫通するねじ孔322が設けられている。ねじ孔322の雌ねじは、回転つまみロッド311上の雄ねじ312と良好に螺合する。また、ねじ孔322の周囲にはガイド孔321が設けられ、ガイド孔321の軸線とねじ孔322の軸線は平行である。更に、ホルダ接続板32には、側面を貫通するスライド接続孔323が備えられる。
【0027】
挟持部3に含まれるガイドロッド33の直径は、挟持部3に含まれるホルダ接続板32のガイド孔321よりも小さい。
【0028】
挟持部3に含まれる接触部34は、挟持部3に含まれる回転つまみ回動部313を回転可能に接続するための回転接続部340を備える。
【0029】
挟持部3に含まれる回転つまみロッド311は、ホルダ接続板32の中央のねじ孔322を貫通する。
【0030】
挟持部3に含まれる回転つまみ31、回転つまみ回動部313は、回転つまみロッド311の両端に固定接続される。回転つまみ31、回転つまみロッド311、回転つまみ回動部313は、回転軸を共有している。
【0031】
挟持部3に含まれる回転つまみ回動部313は、挟持部3に含まれる接触部34が有する回転接続部340と同軸に対して回転可能に接続される。回転つまみ回動部313は、その回転軸を中心に自在に回動可能である。
【0032】
挟持部3に含まれるガイドロッド33は、挟持部3に含まれるホルダ接続板32のガイド孔321を貫通して接触部34に固定接続される。挟持部3に含まれるガイドロッド33の軸線と、挟持部3に含まれるホルダ接続板32のねじ孔322の軸線は平行である。
【0033】
挟持部3は、挟持部3に含まれるホルダ接続板32上のスライド接続孔323を介して、アーチ型ホルダ1にスライド可能に接続される。
【0034】
使用時に、使用者は回転つまみ31を回転軸319の周りに回転させることで、同一のヘッドホンを異なる大きさの頭部に適応させるように挟持部3の高さを調節する。
【0035】
第2の実施形態では、第1の実施形態を基に、大きさの異なる頭部に適応すべく、挟持部の高さを調整可能に変更した。
【0036】
第3の実施形態では、第1の実施形態を基に、音声出力モジュール2に含まれるスピーカーを骨伝導出力デバイスに置き換えた。
【0037】
以上は本発明の代表的な設計であって、本発明における保護の範囲を限定するものではない。なお、本明細書では、ヘッドホンを構成する従来技術(例えば、信号伝送路、音量制御ボタン、マイクの配置等)により解決可能な技術の詳細については言及していない。これらは、当業者であれば、従来技術と公知の常識に基づき、創造的活動を要さずとも設計可能なためである。