【解決手段】使用者と顧客との間の電話通信情報を解析する電話通信情報解析装置1において、電話通信情報を記憶する記憶部10と、記憶部に記憶されている電話通信情報を読み出して解析することで、応答機会損失解析、電話番号別発着信件数解析、電話対応品質解析及び広告効果解析のうち少なくとも一つを実行し、解析情報を導出する制御部20と、解析情報を表示する表示部30とを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の技術はあくまでインターネットのウェブ広告に対して適用可能な評価方法であり、上述したようなTVCMや紙媒体も含めた様々なメディアに広告を掲載している場合に、各メディアを介したユーザーからの着信件数等を集計し、広告効果を評価することができないという問題がある。
【0005】
また、上記オフィス構外にPBX又はIP-PBXを別途用意するシステムでは、一旦構外のPBX又はIP-PBXで着信した後、オフィス構内にある本来着信を受けたい電話番号へ自動的にかけ直されることになるため、システムの使用者にとっては着信電話であるにも関わらず通話料金が発生してしまうという問題がある。
更に、着信時にオフィス構内にある電話機のディスプレイには、オフィス構外のPBX又はIP-PBXに設定した電話番号が表示されるため、電話を掛けてきた顧客の電話番号を知ることができないという問題や、不在着信履歴は表示されるものの、使用者側から顧客に対して折り返し電話を掛けたかどうかが分からないという問題があった。
【0006】
また、IP-PBXを使用してインターネット経由で直接IP電話子機を接続する場合もある。この場合には上述したような着信電話にも関わらず通話料金が発生してしまうという問題や、顧客の電話番号を使用者が知ることができないという問題は解消する。しかし、当該IP-PBXに対応したIP電話子機を使用者が別途用意する必要があり、既存の電話機器環境のままでは対応できないため、システム構築の費用が嵩むという問題が生じる。
【0007】
使用者(広告主)にとっては電話番号別の着信件数だけでなく、着信があった際にオペレータが実際に電話に出られたかどうか、すなわち、同じ時間帯に多数の着信があり、電話チャンネル数の不足により応答できなかった件数や、受話器が外れていた等の不具合により応答できなかった件数、更にはそのような応答不能の事象が発生した時間帯を把握することで応答機会損失の有無を把握したいというニーズがある。
さらに、使用者には着信してからオペレータが電話にでるまでの時間(呼び出し時間)を知ることで電話対応品質を把握したいというニーズもある。
しかし、上述した従来技術では、このようなオフィス構内で起こる応答期間損失や電話対応品質を把握することができない。
【0008】
本発明は上記問題に鑑み、既存の電話機器構成に大幅な改良を加えることなく、使用者と顧客との間の電話通信の解析を行える電話通信情報解析装置及び電話通信情報解析方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電話通信情報解析装置は、使用者と顧客との間の電話通信情報を解析する電話通信情報解析装置において、前記電話通信情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている電話通信情報を読み出して解析することで、応答機会損失解析、電話番号別発着信件数解析、電話対応品質解析及び広告効果解析のうち少なくとも一つを実行し、解析情報を導出する制御部と、前記解析情報を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
また、前記応答機会損失解析において、前記制御部は、使用者が顧客から受信した又は使用者が顧客に発信した際に、当該顧客に関する情報が、過去に応答機会を損失したことがある顧客に関する情報を記録した応答機会損失マスタデータに記録されているか否かを判定し、使用者が顧客から受信した場合には、当該使用者が応答するか否かを判定して応答機会損失マスタデータに記録し、使用者が顧客に発信した場合には、顧客の電話番号が応答機会損失マスタに記録されているか否かを判定して応答機会損失マスタデータに記録することを特徴とする。
また、前記電話番号別発着信件数解析において、前記制御部は、使用者が顧客から受信した場合には、当該使用者の電話番号と顧客の電話番号を記録し、使用者が顧客に発信した場合には、当該使用者の電話番号と顧客の電話番号を記録することを特徴とする。
また、前記電話対応品質解析において、前記制御部は、使用者が顧客から受信した場合には、当該使用者が応答するまでの時間を記録し、使用者が顧客に発信した場合には、当該顧客が応答するまでの時間を記録することを特徴とする。
また、前記広告効果解析において、使用者が有する複数の使用者電話番号が複数の広告媒体に一対一で割り当てられており、前記制御部は、顧客が使用者に発信した際に使用した前記使用者電話番号を記録していき、各使用者電話番号に対して何件の着信があったかを集計することを特徴とする。
また、前記使用者が有するONUとIP-PBXの間に配置されることを特徴とする。
【0010】
本発明の電話通信情報解析方法は、使用者と顧客との間の電話通信情報を解析する電話通信情報解析方法において、応答機会損失解析、電話番号別発着信件数解析、電話対応品質解析及び広告効果解析のうち少なくとも一つを行い、解析情報を導出することを特徴とする。
また、前記応答機会損失解析が、使用者が顧客から受信した又は使用者が顧客に発信した際に、当該顧客に関する情報が、過去に応答機会を損失したことがある顧客に関する情報を記録した応答機会損失マスタデータに記録されているか否かを判定するステップと、
使用者が顧客から受信した場合には、当該使用者が応答するか否かを判定して応答機会損失マスタデータに記録するステップと、使用者が顧客に発信した場合には、発信先である顧客の電話番号が応答機会損失マスタに記録されているか否かを判定して応答機会損失マスタデータに記録するステップを順不同で行うことを特徴とする。
また、前記電話番号別発着信件数解析が、使用者が顧客から受信した場合には、当該使用者の電話番号と顧客の電話番号を記録するステップと、使用者が顧客に発信した場合には、当該使用者の電話番号と顧客の電話番号を記録するステップを順不同で行うことを特徴とする。
また、前記電話対応品質解析が、使用者が顧客から受信した場合には、当該使用者が応答するまでの時間を記録するステップと、使用者が顧客に発信した場合には、当該顧客が応答するまでの時間を記録するステップを順不同で行うことを特徴とする。
また、前記広告効果解析が、使用者が複数の使用者電話番号を有しており、当該複数の使用者電話番号を複数の広告媒体に一対一で割り当てるステップと、顧客が使用者に発信した際に使用した前記使用者電話番号を記録するステップと、各使用者電話番号に対して何件の着信があったかを集計するステップを少なくとも備えることを特徴とする。
また、前記広告効果解析が、使用者のウェブサイトにアクセスするための広告リンクが広告掲載サイトに表示されており、顧客が自身の外線電話端末から前記広告リンクをクリックする第1ステップと、前記クリックにより当該広告リンクに割り当てられた広告職別番号と顧客の電話番号データをサーバに送信する第2ステップと、前記サーバにおいて前記第2ステップで送信された広告職別番号と顧客の電話番号データを記憶する第3ステップと、前記クリックにより顧客が使用者のウェブサイトにアクセスし、当該ウェブサイトに表示されている使用者の電話番号に発信する第4ステップと、使用者が顧客から受信した際に、当該使用者の電話番号データと顧客の電話番号データを前記サーバに送信する第5ステップと、前記サーバにおいて前記第5ステップで送信された使用者の電話番号データと顧客の電話番号データを記憶する第6ステップと、前記サーバにおいて前記第3ステップで記憶した顧客の電話番号データと前記第6ステップで記憶した顧客の電話番号データとの一致・不一致を判断する第7ステップを少なくとも備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電話通信情報解析装置及び電話通信情報解析方法によれば、応答機会損失解析、電話番号別発着信件数解析、電話対応品質解析及び広告効果解析を行うことにより、使用者と顧客との間の電話通信の解析を行うことができる。
また、本発明の電話通信情報解析装置を使用者が有するONUとIP-PBX(光ルータ等)の間に配置する場合、電話会社との契約で割り当てられる使用者電話番号(例:使用者のオフィスで受ける着信番号)の全ての電話番号別の上記解析を既存の電話機器構成及び既存環境に対して変更を加える事なく行うことができる。
また、既存の電話機器構成及び既存環境に対してONUとIP-PBXの間に取り付ける事のみで電話通信情報解析装置の設置を完了できる為、設置作業を短時間で終える事ができ、また取り外し(現状復帰)作業も同様に短時間で既存の電話機器構成及び既存環境に変化を加える事なく完了できる。
また、電話会社と使用者との契約によって電話番号の追加・削除・変更を行う場合でも、本発明の電話通信情報解析装置の影響を考慮する必要がなく、また、追加・削除・変更後の電話番号に関しても本発明の電話通信情報解析装置は上記解析を行うことができる。
また、広告効果解析において、サーバが第3ステップで記憶した顧客の電話番号データと第6ステップで記憶した顧客の電話番号データとが一致した場合に、その情報が使用者に連絡される仕組みにしておけば、顧客が特定の広告掲載サイトに表示された広告リンクを経由して使用者のウェブサイトにアクセスし、使用者の電話番号に実際に電話をかけたことが分かる。これにより使用者は当該広告掲載サイトに広告を掲載したことの効果を確認することができるので、使用者と当該広告掲載サイトの運営者との間、更には使用者と当該広告掲載サイトの運営者と顧客との間で成功報酬型広告(アフィリエイト)に基づく成功報酬の分配等を行なうことができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の電話通信情報解析装置及び電話通信情報解析方法の実施の形態を図面を用いて説明する。
なお、説明の便宜上、電話通信情報解析装置を使用する者を「使用者」と表記し、使用者に対して電話を掛ける者又は使用者からの電話を受ける者を「顧客」と表記する。そして、使用者による電話の発信又は受信を「使用者発信」又は「使用者受信」と表記し、顧客による電話の発信又は受信を「顧客発信」又は「顧客受信」と表記する。
【0014】
図1は、電話通信情報解析装置1の設置例を示している。
電話通信情報解析装置は顧客の外線電話端末から本装置の使用者が着信を受けた際の電話通信情報を解析し、また、使用者の電話端末から顧客に対して電話を掛けた(発信した)際の電話通信情報を解析する。
例えば
図1(a)は光回線の電話網において、顧客の外線電話端末100が電話会社交換機101、使用者のONU(Optical Network Unit:光回線終端装置)102、IP-PBX103を介して発信先の1つ又は複数の電話端末104に繋がった構成を示している。この場合、電話通信情報解析装置1はONU102とIP-PBX103の間に設置することになる。
図1(b)はアナログ回線の電話網において、顧客の外線電話端末100が使用者のアナログ電話端末105や主装置106を介して複数の内線電話端末107に繋がった構成を示している。この場合、電話通信情報解析装置1は2つのTCP-IP変換機108の間に設置することになる。
図1(c)はインターネット網109において、顧客の外線電話端末100が使用者のIP電話110に繋がった構成を示している。この場合、電話通信情報解析装置1はIP-PBX103とIP電話110の間に設置することになる。
図1(d)はインターネット網109において、顧客の外線電話端末100が使用者の1つ又は複数の電話端末104に繋がった構成を示している。この場合、電話通信情報解析装置1は2つのIP-PBX103の間に設置することになる。
なお、
図1(a)〜(d)は電話通信情報解析装置1の設置例に過ぎず、他の回線構成にも適用可能である。
【0015】
図2に示すように、電話通信情報解析装置1は記憶部10、制御部20、表示部30及び操作部40から概略構成される。
記憶部10は電話通信情報を記憶するために用いられる。
電話通信情報としては、外線電話端末100の電話番号(顧客電話番号100a)、外線電話端末100が発信した使用者電話番号50、着信の時刻、発信先での応答の有無及び呼び出し時間のうちの少なくとも一つが挙げられるが、これらに限定されない。
記憶部10には電話通信情報以外にも電話通信情報解析装置1を駆動するための各種プログラムも記憶されている。
【0016】
制御部20は例えばマイクロプロセッサにより構成され、記憶部10に記憶されている各種プログラムを逐次読み出し、実行するために用いられる。
制御部20は記憶部10に記憶されている電話通信情報を読み出して適宜解析することで、応答機会損失解析、電話番号別発着信件数解析、電話対応品質解析及び広告効果解析のうち少なくとも一つを実行し、解析情報を導出する。制御部20が解析した解析情報は記憶部10に記憶される。
表示部30は制御部20が解析した解析情報を表示するために用いられる。
【0017】
以下、図を参照しながら本発明の電話通信情報解析方法の流れについて説明する。
図3のフローチャートに示すとおり、制御部は応答機会損失解析(S101)、電話番号別発着信件数解析(S102)、電話対応品質解析(S103)、広告効果解析(S104)を行う。
なお、これら4つの解析は必ずしも
図3に示した順序で実行する必要はなく、適宜入れ替えて実行してもよい。また、上記4つの解析を同時に行うことにしてもよい。
使用者は操作部に対して所定の操作を行い、記憶部の記憶内容の中から必要な解析情報を表示部に表示させる、使用者は解析情報に基いて応答機会の損失、使用者電話番号別の着信件数、電話対応品質、広告効果の各状況を把握する。
【0018】
次に、応答機会損失解析について
図4のフローチャートを用いて説明する。
制御部は使用者及び顧客の通話ログを取得・解析し続けている(S201)。そして、使用者着信があった場合は(S202において「着信」)、使用者着信時の応答機会損失を解析し(S203、
図5)、使用者発信があった場合は(S202において「発信」)、使用者発信時の応答機会損失の有無を解析する(S204、
図6)。
【0019】
次に、使用者着信時の応答機会損失解析について
図5のフローチャートを用いて説明する。
制御部は、通話ログのうち、電話を掛けてきている顧客電話番号等の着信データを取得・解析しながら(S301)、着信ビジーか否かを判定する(S302)。ここで、「着信ビジー」ということは、該当するオペレータが話し中(チャネル数のオーバー)、オペレータの受話器が外れている、オペレータの電話機が故障している、電話機の数が不足している等の諸事情により、呼び出し音が鳴らない状態を意味する。
着信ビジーでない場合(S302においてNO)、制御部は次にオペレータが応答するか否かを判定する(S303)。
【0020】
オペレータが応答した場合(S303において「YES」)、制御部は記憶部に記憶されている応答機会損失マスタを呼び出す。応答機会損失マスタには、過去の使用者着信時に何らかの事情により使用者側のオペレータが応答できなかった場合の顧客電話番号が記録されている。
そして、制御部は顧客電話番号が応答機会損失マスタに記録されている電話番号と突き合わせ(S304)、一致するか否かを判定する(S305)。ここで、顧客電話番号が応答機会損失マスタに記録されている電話番号と一致するということは、過去に応答できなかった顧客から再度使用者に対して電話が掛かってきたことを意味する。
【0021】
そして、一致する場合(S305において「YES」)、制御部は応答機会損失回復データを作成し(S306)、応答機会損失マスタを更新して記憶部に記憶させる(S307)。この場合、過去に応答できなかった顧客から再度使用者に対して電話が掛かってきて、使用者側で電話に出たことにより応答機会の損失状態が回復された(応答機会を得た)ことを意味する。
一方、一致しない場合(S305において「NO」)、制御部は応答機会損失マスタを更新して記憶部に記憶させる(S307)。この場合、過去に応答機会損失の記録がない顧客から使用者に対して電話が掛かってきて、使用者側で電話に出たことを意味する。
一方、着信ビジーの場合(S302において「YES」)、制御部は応答機会損失データを作成し(S308)、応答機会損失マスタを更新して記憶部に記憶させる(S307)。この場合、顧客から使用者に対して電話が掛かって来たにも関わらず、使用者側で電話に出られなかった(応答できなかった)ため、応答機会を損失したことを意味する。
また、オペレータが応答しなかった場合(S303において「NO」)も同様に、制御部は応答機会損失データを作成し(S309)、応答機会損失マスタを更新して記憶部に記憶させる(S307)。
以上で使用者着信時の応答機会損失の解析が終了する。
【0022】
次に、使用者発信時の応答機会損失解析について
図6のフローチャートを用いて説明する。
制御部は、通話ログのうち、使用者が電話を掛けている顧客電話番号等の発信データを取得しながら(S401)、記憶部に記憶されている応答機会損失マスタを呼び出し、顧客電話番号を応答機会損失マスタに記録されている電話番号と突き合わせ(S402)、一致するか否かを判定する(S403)。ここで、顧客電話番号が応答機会損失マスタに記録されている電話番号と一致するということは、過去に応答できなかった顧客に対して使用者側から電話を掛けていることを意味する。
【0023】
そして、一致しない場合(S403において「NO」)、制御部は単なる使用者発信であるとしてその旨を記憶部に記憶させる(S407)。ここで、一致しないということは、過去に応答機会損失したことがない顧客に対して使用者が電話を掛けていることを意味する。
一方、一致する場合(S403において「YES」)、発信ビジーか否かを判定する(S404)。ここで、発信ビジーということは、顧客が話し中(チャネル数のオーバー)、顧客の受話器が外れている、顧客の電話機が故障している、電話機の数が不足している等の諸事情により、呼び出し音が鳴らない状態を意味する。
発信ビジーでない場合(S404において「NO」)、次に制御部は顧客が応答するか否かを判定する(S405)。
【0024】
そして、顧客が応答した場合(S405において「YES」)、制御部は応答機会損失修復データを作成し(S406)、応答機会損失マスタを更新して記憶部に記憶させる(S407)。この場合、過去に応答できなかった顧客に対して使用者が電話を掛けて、顧客側が電話に出たことにより応答機会の損失状態が修復された(応答機会を得た)ことを意味する。
一方、発信ビジーの場合(S404において「YES」)、制御部は応答機会損失未修復データを作成し(S408)、応答機会損失マスタを更新して記憶部に記憶させる(S407)。この場合、過去に応答できなかった顧客に対して使用者が電話を掛けたにもかかわらず、顧客側の電話に繋がらなかったため、応答機会損失状態を修復できなかったことを意味する。
また、電話が繋がったにもかかわらず顧客が応答しなかった場合(S405において「NO」)も同様に、制御部は応答機会損失未修復データを作成し(S409)、応答機会損失マスタを更新して記憶部に記憶させる(S407)。この場合、顧客が電話に出なかった(応答しなかった)ため、応答機会損失状態を修復できなかったことを意味する。
以上で使用者発信時の応答機会損失解析が終了する。
【0025】
次に、使用者が電話通信情報解析装置を用いて応答機会損失の状況を把握して修復する際の流れについて
図7のフローチャートを用いて説明する。
使用者が操作部に対して所定の操作を行うと、制御部は記憶部に記憶されている応答機会損失マスタを呼び出し、表示部に表示する(S501).
使用者は表示部に表示された内容に基づいて、応答機会損失状態にある顧客に対して電話を掛ける(S502)。
制御部は発信データを取得しながら(S503)、
図6のフローチャートで説明した使用者発信時の応答機会損失解析(S504)を行い、結果に応じて応答機会損失マスタを更新して記憶部に記憶させる。
電話終了後、使用者は操作部に対して所定の操作を行い、更新後の応答機会損失マスタを表示部に表示させ(S505)、応答機会損失状態が修復できた又は修復できなかった旨を把握して(S506)、終了する。
このように、本発明では使用者が応答機会損失の有無だけでなく、応答機会損失を修復できたか否かも把握できる。なお、使用者側から応答機会損失状態にある顧客に対して数回に渡り電話を掛けた場合、電話回数が過度にならないように、電話を掛ける間隔をあけたり、応答機会損失の修復を断念する等の対応をとることもできる。
【0026】
次に、電話番号別発着信件数解析について
図8のフローチャートを用いて説明する。
制御部は使用者及び顧客の通話ログを取得し続けている(S601)。
そして、使用者着信があった場合は(S602において「着信」)、電話を掛けてきた顧客の電話番号や使用者の電話番号等の着信データを取得し(S603)、記憶部に記憶させる(S604)。
一方、使用者発信があった場合は(S602において「発信」)、使用者の電話番号や使用者が電話を掛けている顧客の電話番号等の発信データを取得し(S605)、記憶部に記憶させる(S604)。
以上で電話番号別発着信件数解析が終了する。
記憶部に記憶されたデータは、使用者が操作部に対して所定の操作を行った際に制御部によって集計処理され、使用者の電話番号別の着信/発信件数や、顧客の電話番号別の着信/発信件数として表示部に表示される。
【0027】
次に、電話対応品質解析について
図9のフローチャートを用いて説明する。
制御部は使用者及び顧客の通話ログを取得し続けている(S701)。
そして、使用者着信があった場合は(S702において「YES」)、呼び出し時間の計測を開始する(S703)。
制御部はオペレータが応答するまで待つ(S704において「NO」且つS705において「NO」)。
そして、オペレータが応答した場合は(S704において「YES」)、着信応答ありデータとして呼び出し開始から応答までの時間(経過時間)を取得し(S706)、記憶部に記憶させる(S707)。
一方、オペレータが応答せず(S704において「NO」)、電話を掛けてきた顧客が電話を切った場合は(S705において「YES」)、着信応答なしデータとして呼び出し開始から顧客が電話を切るまでの時間(経過時間)を取得し(S706)、記憶部に記憶させる(S707)。
【0028】
一方、使用者発信があって且つ顧客の呼び出しがあった場合は(S702において「YES」)、呼び出し時間の計測を開始する(S703)。
制御部は顧客が応答するまで待つ(S704において「NO」且つS705において「NO」)。
そして、顧客が応答した場合は(S704において「YES」)、発信応答ありデータとして呼び出し開始から応答までの時間(経過時間)を取得し(S706)、記憶部に記憶させる(S707)。
一方、顧客が応答せず(S704において「NO」)、電話を掛けた使用者が電話を切った場合は(S705において「YES」)、発信応答なしデータとして呼び出し開始から使用者が電話を切るまでの時間(経過時間)を取得し(S706)、記憶部に記憶させる(S707)。
以上で電話対応品質解析が終了する。
【0029】
次に、
図10及び
図11を参照しながら広告効果解析について説明する。
まず前提条件として電話通信情報解析装置1を設置する使用者(広告主)が複数の使用者電話番号50を有しているものとする。「複数の使用者電話番号を有している」とは、使用者が複数の回線を持っていて回線毎に電話番号が割り当てられている場合や、一本の回線に繋がれた使用者の電話端末に対して複数の電話番号が割り当てられている場合などを意味するが、これらに限らず、使用者が顧客からの着信を受けて応答できる電話番号であればよい。したがって、例えば使用者が所有する携帯電話の電話番号であってもよい。
【0030】
使用者は複数の広告媒体に広告を掲載するにあたり、使用者自身が有する複数の使用者電話番号50(50a〜50c)を当該複数の広告媒体に一対一で割り当てる。例えば
図10に示すようにインターネットのウェブ広告Aに対して使用者電話番号50a「〇〇−〇〇〇〇−0001」、フリーペーパーBに対して使用者電話番号50b「〇〇−〇〇〇〇−0002」、雑誌Cに対して使用者電話番号50c「〇〇−〇〇〇〇−0003」・・・というように異なる使用者電話番号50を割り当てて掲載する(
図11のステップS801)。
広告を見た者は当該広告に記載されている使用者電話番号50に自身の外線電話端末100から発信する。例えばフリーペーパーBを見た者甲は使用者電話番号50b「〇〇−〇〇〇〇−0002」に発信する。
【0031】
制御部20は通話ログを取得・解析しながら(S802)、着信があるまで待機しており(S803)、着信があると(S803で「YES」)、使用者のオペレータは外線電話端末100が発信した使用者電話番号50b「〇〇−〇〇〇〇−0002」に対応する電話端末104bで応答する。
制御部20は当該使用者電話番号50b「〇〇−〇〇〇〇−0002」を電話通信情報として記憶部10に記憶させる(ステップS804)。
同様に、雑誌Cを見た者乙は使用者電話番号50c「〇〇−〇〇〇〇−0003」に発信し、使用者のオペレータは当該電話番号に対応する電話端末104cで応答する。
制御部20は当該使用者電話番号50c「〇〇−〇〇〇〇−0003」を電話通信情報として記憶部10に記憶させる(ステップS804)。なお、顧客電話番号100aも分かれば記憶部10に記憶させることにしてもよい。
【0032】
使用者は一定期間(例えばひと月)経過後、電話通信情報解析装置1の操作部40に対して所定の操作を行う。
操作部40が操作されると、制御部20は記憶部10に記憶された電話通信情報から、一定期間内に顧客の電話端末100から発信された全ての使用者電話番号50(50a〜50c)を呼び出し、各使用者電話番号50(50a〜50c)に対して何件の着信があったかを集計し、その結果を解析情報として表示部30に表示する。
以上で広告効果解析が終了する(ステップS807)。
使用者は表示された解析情報に基いて、各使用者電話番号50(50a〜50c)に対して外線電話端末100から何件発信されたか、すなわち各広告媒体から何件着信があったかを把握し、これにより各広告媒体に対する費用対効果を評価する。
【0033】
なお、電話通信情報解析装置1をインターネット上のサーバに接続しておくことで使用者が外出先等どの場所からでも着信件数を把握できる仕組みにしてもよい。
また、電話通信情報解析装置1の筐体内に記憶部10と制御部20を格納しておき、表示部30と操作部40はこれらと有線又は無線で接続した使用者のパソコンや情報携帯端末が備える表示部及び操作部を利用することにしてもよい。
【0034】
次に、広告効果解析の他の例について説明する。
図12に示すように顧客の外線電話端末100はインターネット網109に繋がっており、ウェブブラウザやアプリケーションを介してウェブサイト等にアクセスできる。また、使用者の電話通信情報解析装置1もインターネット網109に繋がっている。
図13のフローチャートを用いて広告効果解析について説明する。
使用者は自身のウェブサイト111を有しており、当該ウェブサイトにアクセスするための広告リンク112を広告掲載サイト113に表示している。この広告掲載サイト113は第3者が運営している。
まず、顧客は自身の外線電話端末100を利用して広告掲載サイト113にアクセスする。そして、当該広告掲載サイト113に表示されている多数の広告リンクの中から使用者の広告リンク112を選択してクリックする(第1ステップ ステップS901)
特定の広告リンク112がクリックされると、広告掲載サイト側ではクリックされた広告リンク112に割り当てた広告職別番号と当該顧客の電話番号データを、インターネット網109を介して自動的にサーバ114に送信する(第2ステップ ステップS902)。
ここで「電話番号データ」とは電話番号自体、電話番号を暗号化したデータ、電話番号をハッシュ化したデータ等、顧客と一対一で紐付けられた顧客の電話番号に基づく何らかのデータを意味する。
サーバ114では第2ステップで送信された広告職別番号と電話番号データを受信して記憶する(第3ステップ ステップS903)。
【0035】
次に、第1ステップで広告リンク112をクリックしたことで顧客は使用者のウェブサイト111にアクセスする。そして、当該ウェブサイト111には使用者の電話番号が表示されているので、顧客は自身の外線電話端末100を利用して当該使用者の電話番号に発信する(第4ステップ ステップS904)。なお、第1ステップと第4ステップで顧客が使用する外線電話端末100は同一でなければならない。
使用者の電話通信情報解析装置1では顧客の電話を受信し、制御部は当該使用者の電話番号データと顧客の電話番号データを前記サーバ114に送信する(第5ステップ ステップS905)。
サーバ114では第5ステップで送信された使用者の電話番号データと顧客の電話番号データを受信して記憶する(第6ステップ ステップS906)。
そして、サーバ114において第3ステップで記憶した顧客の電話番号データと第6ステップで記憶した顧客の電話番号データとの一致・不一致を判断する(第7ステップ ステップS907)。
第7ステップ以降の処理については特に限定されないが、例えば第7ステップで「一致」と判断された場合には、その旨をサーバ114が使用者に連絡することで、使用者は広告掲載サイトに広告を掲載したことの効果を確認することができる。