ファン240と、ファン240から吐出された気体の流路222と、流路222と流体接続された送風口234と、ファン240の吸込側または吐出側の少なくとも一方に設けられた開閉弁と、を有し、ファン240が駆動されて送風口234から送風が行われる送風ユニット200と、開閉弁が閉の状態でファン240が駆動されているときに、所定の条件が成立することにより、閉の状態の開閉弁を開の状態に変更する送風ユニット制御部と、を備え、流路222がファン240側から送風口234側に向けて狭まっている領域を有する遊技機を提供する。
前記遊技機が、複数の遊技状態において、内部抽せんを行って複数の図柄が表示された複数の回転リールを回転させて停止させ、停止されたリールの図柄の組み合わせに基づいて遊技の結果を判定する遊技を行うスロットマシンであって、
前記内部抽せんの結果、前記遊技の結果、前記遊技状態または遊技者への特典付与に基づいて定められる要件を満たした場合に、前記送風口からの送風を行う制御処理が実施されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の遊技機では、送風口の背面側に配置されたファンを駆動することにより、遊技者の手に風を当てて、特定遊技状態に関する報知を行うようになっている。しかし、ファンから吐出される風速は限られており、遊技者が報知に気付かない可能性がある。もし、遊技者が確実に報知に気付くような風速を得ようとすると、ファンが非常に大きくなり、遊技機の限られた領域に設置することが困難になる。更に、ファンによる騒音も増加し、製造コストも増加する。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため、限られた領域に設置可能なコンパクトなユニットでありながら、遊技者が認知するのに十分な送風を実現可能な送風ユニットを備えた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の実施態様1に係る遊技機は、
ファンと、
前記ファンから吐出された気体の流路と、
前記流路と流体接続された送風口と、
前記ファンの吸込側または吐出側の少なくとも一方に設けられた開閉弁と、
を有し、前記ファンが駆動されて前記送風口から送風が行われる送風ユニットと、
前記開閉弁が閉の状態で前記ファンが駆動されているときに、所定の条件が成立することにより、閉の状態の前記開閉弁を開の状態に変更する送風ユニット制御部と、
を備え、
前記流路が前記ファン側から前記送風口側に向けて狭まっている領域を有する。
【0007】
ここで、遊技機として、スロットマシンや弾球遊技機を例示することができるが、これに限られるものではない。
【0008】
ファンから吐出された気体の流路及び流路と流体接続された送風口は、1つだけ設けられている場合もあり得るし、途中で分岐されて複数の流路とそれに対応する送風口が設けられている場合もあり得る。
所定の条件が成立する場合として、後述のようにファンの駆動開始から所定時間が経過した場合や、遊技者が所定のスイッチを操作した場合や、所定の内部状態を報知する信号を受信した場合を例示することができる。ただし、これらに限られるものではない。また、ファンが、常時駆動されている場合もあり得る。
【0009】
本実施態様によれば、開閉弁が閉の状態でファンが駆動されているときに、所定の条件が成立することにより、閉の状態の開閉弁を開の状態に変更する。空気は圧縮性流体なので、これにより、遊技者が認知し易い強い送風を行うことができる。更に、流路がファン側から送風口側に向けて狭まっている領域を有するので、ファンから吐出された気体の流速が増す。これらが協働して、送風口からより大きな風速で送風を行うことができるので、遊技者が認知するのに十分な送風を行うことができる。
よって、限られた領域に設置可能なコンパクトなユニットでありながら、遊技者が認知するのに十分な送風を実現可能な送風ユニットを備えた遊技機を提供することができる。
【0010】
本発明の実施態様2に係る遊技機は、上記の実施態様1において、
前記送風ユニットが、更に、前記流路及び前記送風口を有する操作スイッチ本体を備えた操作スイッチを有し、
前記操作スイッチ本体の操作面に凹部が形成され、前記送風口が前記凹部の内部空間に開口している。
【0011】
本実施態様によれば、操作スイッチ本体の操作面に凹部を有し、送風口が操作スイッチ本体の操作面に設けられた凹部の内部空間に開口しているので、操作のため遊技者の手(指)が操作スイッチ本体の操作面に接していたとしても、送風口が塞がれることがない。よって、遊技者の手(指)が操作スイッチ本体の操作面に触れた状態にあっても、確実に遊技者が認知するのに十分な送風を行うことができる。
【0012】
本発明の実施態様3に係る遊技機は、上記の実施態様2において、
前記送風ユニットが、更に、前記操作スイッチ本体の移動により電気的に接続及び非接続となる前記操作スイッチの接点を有し、
前記所定の条件が、前記ファンの駆動開始から所定時間が経過したことであって、
前記送風ユニット制御部は、
遊技者の操作に基づく前記操作スイッチ本体の移動により、電気的に非接続な前記接点が電気的に接続されたとき、
前記開閉弁が開の状態の場合には閉の状態に変更した後、前記開閉弁が閉の状態の場合には閉の状態を維持したまま、停止状態の前記ファンの駆動を開始し、
前記ファンの駆動開始後、前記所定時間経過後に閉の状態の前記開閉弁を開の状態に変更する制御処理を行う。
【0013】
本実施態様では、遊技者の操作に基づく操作スイッチ本体の移動により、電気的に非接続な接点が電気的に接続される。この場合、非接続から接続への変更及び接続から非接続への変更の両方の場合に、遊技者の操作を要する場合もあり得るし、非接続から接続に変更する場合には、遊技者の操作を要するが、接続から非接続に変更する場合には、バネの付勢力等を用いて自動的に非接続に戻す場合もあり得る。
【0014】
また、操作スイッチ本体の移動は押し釦のように遊技機の前後方向に並進移動する場合もあり得るし、遊技機の左右方向に並進移動する場合もあり得る。更に、操作スイッチ本体がダイアルスイッチのように回転する場合もあり得る。
【0015】
一般的に、ファンは、駆動開始後、回転数が規定回転数に達するまで一定の時間を要するので、非常に小さな風速から少しずつ風速が増えて、規定の風速に達する。このため、単にファンを駆動するだけでは、遊技者の手に風が当たっても、それに気付かない可能性がある。また、遊技者の手に風があたるタイミングが遅延する可能性もある。これを回避するために、より大きなファンを採用すれば、遊技機内の限られた領域に収めることができない。更に、ファンによる騒音も増加し、製造コストも増加する。
【0016】
本実施態様によれば、遊技者が操作スイッチ本体を操作して、接点が電気的に接続されたとき、開閉弁が閉の状態でファンの駆動を開始し、所定時間経過後に閉の状態の開閉弁を開の状態に変更する。所定時間としてファンの回転数が規定回転数に達するのに十分な時間を設定すれば、ファンが遊技機内の限られた領域に収納可能な小型なものであっても、開閉弁を開の状態に変更した直後に、遊技者が気付くのに十分な風速の送風を行うことができる。風が遊技者の手(指に)に当たる場合だけでなく、遊技者が操作スイッチ本体から手を離していたとしても、遊技者が気付くのに十分な送風を行うことができる。
【0017】
よって、限られた領域に設置可能なコンパクトなユニットでありながら、遊技者が認知するのに十分な送風を実現可能な送風ユニットを備えた遊技機を提供することができる。
【0018】
本発明の実施態様4に係る遊技機は、
前記遊技機が、複数の遊技状態において、内部抽せんを行って複数の図柄が表示された複数の回転リールを回転させて停止させ、停止されたリールの図柄の組み合わせに基づいて遊技の結果を判定する遊技を行うスロットマシンであって、
前記内部抽せんの結果、前記遊技の結果、前記遊技状態または遊技者への特典付与に基づいて定められる要件を満たした場合に、前記送風口からの送風を行う制御処理が実施される。
【0019】
本実施態様によれば、スロットマシンにおいて、内部抽せんの結果、遊技の結果、遊技状態または遊技者への特典付与に基づいて定められる要件を満たした場合に、送風口からの送風を行う制御処置が実施されるので、遊技者にとって関心の高い事項の報知を送風によって行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明により、限られた領域に設置可能なコンパクトなユニットでありながら、遊技者が認知するのに十分な送風を実現可能な送風ユニットを備えた遊技機を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る遊技機として、スロットマシンや弾球遊技機を例示することができるが、以下においては、スロットマシンを例にとって、具体的な実施形態の説明を行う。
【0023】
(遊技機の構成)
はじめに、本発明の一実施形態に係る遊技機(スロットマシン)の正面図である
図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る遊技機の概要の説明を行う。
【0024】
スロットマシン1は、直方体形状の筺体10を備えている。この筺体10は、正面に開口を有している。この開口には、前扉20が開閉可能かつロック可能に取り付けられている。
【0025】
前扉20は、略中央部分に透光性の窓21を有している。この窓21は、後述する各回転リール41,42,43の表面に表示される複数の図柄を視認できるように、配置されている。
【0026】
また、窓21の上部には、液晶表示装置22と、電飾装置23と、スピーカ24とが設けられている。液晶表示装置22は、遊技中に各種の演出画像(演出動画)を表示したり、所定の情報等を表示したりする。電飾装置23は、所定の条件を満たした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。スピーカ24は、所定の条件を満たした場合に、所定の音を出力する。すなわち、遊技中の各種の演出は、液晶表示装置22、電飾装置23及びスピーカ24によって行われる。
【0027】
更に、液晶表示装置22に隣接して、送風ユニット200に備えられた操作スイッチ本体230が配置されている。所定の要件を満たす場合、操作スイッチ本体230を押動操作したときに、操作スイッチ本体230に設けられた送風口から送風を行うことができ、これにより所定の報知を行うことができる。
【0028】
一方、窓21の下部には、操作部30が設けられている。操作部30は、遊技媒体の一例としてのメダルを投入するためのメダル投入口31と、メダルをベットするためのベットスイッチ32と、各回転リール41,42,43を回転させるスタートスイッチ33と、各回転リール41,42,43に対して設けられ、回転中の各回転リール41,42,43を停止させるためのストップスイッチ34,35,36とで構成されている。これら操作部30の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。また、メダル投入口31には図示しないメダルセンサが設けられており、遊技者によるメダル投入口31へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。
【0029】
なお、操作部30には、他に、精算スイッチ(図示せず)及び貯留メダル表示部(図示せず)等が設けられている。
【0030】
更に、操作部30の下部には、メダルを払い出すための払い出し口25と、払い出し口25から払い出されたメダルを貯留するための下皿26とが設けられている。
【0031】
スロットマシン1は、
図1に示すスロットマシンのブロック図である
図2に示すように、スロットマシン1全体を制御する制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44及びメダルを払い出すためのホッパーユニット50を備えている。制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44及びホッパーユニット50は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示せず)等とともに、筺体10の内部に配置されている。なお、
図2の矢印は、信号の進む方向を示している。
【0032】
回転リールユニット40は、3個の回転リール41,42,43と、この回転リール41,42,43を駆動するステッピングモータ61,62,63とで構成されている。この回転リールユニット40は、筺体10の内部の略中央に配置されている。回転リール41,42,43の表面には、
図3に示すように配列された図柄が表示されるとともに、基準点(図示せず)が設けられている。この基準点は、例えば、回転リール41,42,43のAの図柄(ベルA)の中心に配置されている。
【0033】
ここで、スロットマシン1で行われる遊技の概要について説明する。スロットマシン1で遊技を行う場合、まず、メダルをメダル投入口31から投入する、あるいは、ベットスイッチ32を操作することにより貯留しているメダル(クレジット)を使用して、メダルをベットする。スロットマシン1の遊技状態(以下、単に「遊技状態」という)等に応じて設定されている規定の枚数のメダルがベットされると、有効ラインが有効化され、スタートスイッチ33の操作が可能な状態、すなわち、遊技が開始可能な状態になる。このとき、遊技状態等に応じて設定されている規定の枚数を超えて投入されたメダルは、クレジットとして貯留される。
【0034】
有効ラインは、役の入賞を決定するための仮想ラインであり、この有効ラインによって、窓21に表示される各回転リール41,42,43の図柄が、それぞれ1つずつ連結されている。このスロットマシン1では、有効ラインは、例えば、
図1に示す遊技機の有効ラインを示す模式図である
図4に示すように、上段ライン71、中段ライン72及び下段ライン73の水平方向の3本と、右上がりライン74及び右下がりライン75の斜め方向の2本とで構成され、メダルのベットに応じて有効化される。なお、このスロットマシン1の窓21に表示される図柄は、
図4に示すように、各回転リールにつき3図柄である。
【0035】
遊技が開始可能な状態でスタートスイッチ33が操作され、その操作が受け付けられると、スロットマシン1内で行われる電子計算機による抽せん(以下、内部抽せんという)が行われ、各回転リール41,42,43の回転が開始される。この状態で、いずれかのストップスイッチ34,35,36が操作され、その操作が受け付けられると、ストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43が停止し、窓21に、当せんした役に応じた結果が表示される。全ての回転リール41,42,43を停止させることで、1ゲームが終了し、有効ライン上に揃った図柄の組み合わせ、すなわち、入賞した役に応じて、所定の枚数のメダルが払い出される。
また、内部抽せんでリプレイに当せんし、リール停止制御で当せんしたリプレイに対応する図柄が有効ライン上に揃って入賞した場合、次遊技において、メダルのベットを行わずに遊技が可能な再遊技が実施される。
【0036】
このように、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33及びストップスイッチ34,35,36を操作して、遊技の結果を得る一連の動作を遊技といい、遊技が行われる、または、行われた期間を遊技期間という。遊技の単位はゲームであり、1ゲームを単位遊技という。
【0037】
また、スロットマシン1は、遊技状態の遷移(RT遷移)を示す
図5から明らかなように、通常状態1,2(RT0,RT1)、通常状態3(RT2)、ART(RT3)及び一種BB実施状態(RT4)で構成された遊技状態を有している。
【0038】
通常状態0は、一種BB終了後、あるいは、RAMクリア時に移行する遊技状態である通常状態1(RT0)と、遊技状態が通常状態1であるときに、内部抽せんの結果、
図6,
図7に示すシングルボーナス(SB)に当せんし、かつSBが入賞しなかった場合(すなわち、SBを取りこぼした場合)に移行する遊技状態である通常状態2(RT1)と、遊技状態が通常状態2であるときに、内部抽せんの結果、
図6,
図7に示すRT2移行リプレイに当せんし、かつRT2移行リプレイが入賞した場合に移行する遊技状態である通常状態3(RT2)とで構成されている。遊技状態が通常状態3であるときにSBを取りこぼすと、遊技状態が通常状態3から通常状態2に移行する。
【0039】
ART(RT3)は、遊技状態が通常状態3であるときに、内部抽せんの結果、
図6,
図7に示すRT3移行リプレイに当せんし、かつ、RT3移行リプレイが入賞した場合に移行する遊技状態である。遊技状態がARTであるときにSBを取りこぼすと、遊技状態がARTから通常状態2に移行する。
【0040】
なお、ART(アシストリプレイタイム)とは、通常状態1〜3よりも再遊技(リプレイ)の確率が上がり、メダルが減りにくい状態で(RT:リプレイタイム)、ストップスイッチ34,35,36を所定の操作手順で操作することで入賞可能な押し順役を確実に獲得するための報知が行われる(AT:アシストタイム)遊技状態である。
【0041】
一種BB実施状態(RT4)は、
図6,
図7に示す一種BBに当せん後、一種BBが入賞し、かつ、一種BB中に所定の枚数のメダルが全て払い出される前の場合の遊技状態である。メダルの払い出し枚数は、例えば、480枚以内で任意に設定できる。一種BB実施状態中に所定のメダルが払い出されると、RT0に移行する。
【0042】
なお、一種BBとは、一種特別役物に係る連続作動装置(いわゆるビッグボーナス)である。このスロットマシン1では、全ての回転リール41,42,43について、
図3に示す10番の図柄“セブン”が一種BBの入賞に係る図柄として対応付けられている。
【0043】
内部抽せんで一種BBに当せんしたとき、一種BBフラグが設定され、当該遊技で一種BBが入賞しなかった場合には、一種BBフラグは入賞するまで次遊技に持ち越される所謂内部中の状態になる。本実施形態では、後述するように、一種BB内部中に、送風フラグをオンにして、送風ユニットを用いた送風により、遊技者に一種BB当せんを報知することができる。
【0044】
なお、一種BBの代わりに、擬似ボーナスを採用してもよい。この場合、擬似ボーナス実施中、またはその前兆遊技中に、送風ユニットを用いた送風により、遊技者に報知を行うこともできる。
【0045】
SB、RT2移行リプレイ、RT3移行リプレイ及び一種BBは、所定の条件、すなわち、RT2移行リプレイ、RT3移行リプレイ及び一種BBについては入賞することにより、また、SBについては取りこぼすことにより、遊技状態の移行を可能にする移行役の一例である。また、SB、RT2移行リプレイ及びRT3移行リプレイは、ストップスイッチ34,35,36を所定の操作手順で操作することにより入賞可能になる押し順役の一例である。
【0046】
(制御装置)
次に、
図2を参照しながら、筺体10の内部に備えられた制御装置100の説明を行う。
【0047】
メイン制御部110は、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶しておくROMおよびRAM等を備えており、遊技を進行させるための制御を行う。例えば、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33およびストップスイッチ34,35,36の操作に基づいてステッピングモータ61,62,63を制御して、回転リール41,42,43の回転を開始または終了させる。
【0048】
また、サブ制御部120もメイン制御部110と同様に、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶しておくROMおよびRAM等を備えており、各種演出等を行うための制御を行う。例えば、メイン制御部110から送信された信号に基づいて演出内容を決定し、液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24を制御して、決定された演出内容を出力する。
【0049】
なお、下に説明するメイン制御部110およびサブ制御部120を構成する各部は、CPUが所定のプログラムを実行することにより実現される機能である。
【0050】
[メイン制御部]
メイン制御部110は、内部抽せん部111と、回転リール制御部112と、遊技結果判定部113と、ホッパー制御部114と、外部信号出力部115と、有利状態抽せん部116と、遊技状態移行部117と、ART制御部118と、計測部119とで構成されている。
【0051】
内部抽せん部111は、複数の役抽せんテーブルを有し、スタートスイッチ33の操作の受付に伴って、回転リール41,42,43の所定の図柄の組み合わせが対応付けられている役の抽せんを行う。詳しくは、内部抽せん部111は、スタートスイッチ33の操作が受け付けられた遊技状態(
図5に示す)を判定し、判定された遊技状態に応じて
図6に示す内部抽せんに用いる役抽せんテーブルを選択する。そして、内部抽せん部111は、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときに取得される乱数と選択された役抽せんテーブルとに基づいて内部抽せんを行い、この内部抽せんにより当せんした役を判定する。内部抽せんの結果は、内部抽せん部111により、内部抽せん結果信号として出力される。また、後述するように内部抽せん結果信号はサブ制御部120にも送信され、送風による報知を行うか否かの判断処理に用いられる。
【0052】
なお、このスロットマシン1において、ベットスイッチ32の操作信号は、所定の枚数のメダルが貯留されており、かつ、ベット受付期間において、ベットスイッチ32の操作が行われ、受け付けられた場合(ベットスイッチ32がオンされた場合)に出力される。
【0053】
スタートスイッチ33の操作信号は、ベットスイッチ32の操作信号または所定の枚数分のメダル投入センサの検出信号が出力された状態で、スタートスイッチ33の操作が行われ、受け付けられた場合(スタートスイッチ33がオンされた場合)に出力される。
【0054】
ストップスイッチ34,35,36の操作信号は、回転リール41,42,43の回転が開始され定常回転になった以降、スタートスイッチ33の操作信号が出力された状態で、ストップスイッチ34,35,36の操作が行われ、受け付けられた場合(ストップスイッチ34,35,36がオンされた場合)に出力される。
【0055】
また、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33及びストップスイッチ34,35,36の各スイッチの操作信号が出力されたか否かの判定は、1ゲーム毎に行われる。また、本明細書において、各スイッチの操作は、別途説明がある場合を除いて、各スイッチの操作信号が出力される操作を意味しているものとする。
【0056】
役抽せんテーブルは、
図6に示すように、RT0〜RT4の遊技状態毎に設けられており、
図7に示す内部抽せん部111の内部抽せんにより当せんの可能性がある当せん領域の情報を有している。この当せん領域には、図柄の組み合わせが対応付けられている役が、少なくとも1つ設定されている。
【0057】
図7に示す各役抽せんテーブルでは、遊技状態毎に、当せんする可能性のある当せん領域が“○”で示され、当せんする可能性のない当せん領域が“×”で示されている。役抽せんテーブルには、スタートスイッチ33の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域(置数領域)が設けられており、この領域の各々が、“○”で示されている当せん領域にそれぞれ対応付けられている。
【0058】
なお、
図6では、押し順役が入賞可能となるストップスイッチ34,35,36の操作の順番を表の上部の3個の数字で示している。この数字は、“1”は左リール、“2”は中リール、“3”は右リールに対応するストップスイッチ34,35,36の操作を意味している。例えば、“123”であれば、左リール41に対応するストップスイッチ34、中リール42に対応するストップスイッチ35、右リール43に対応するストップスイッチ36の順にストップスイッチ34,35,36を操作することを示している。押し順役の押し順は、所定の条件を満たした場合に報知されるようになっている。
【0059】
スロットマシン1では、当せんした当せん領域に設定されている1以上の役が、全て同時に当せんするように設定されている。例えば、内部抽せん部111の内部抽せんの結果、当せん領域“中ベル1〜4”及び“右ベル1〜4”に当せんした場合、中段ベルと、中ベル1〜4あるいは右ベル1〜4に同時に当せんする。
【0060】
例えば、“中ベル1”に当せんした場合、ストップスイッチ34,35,36の操作の順番が“213”及び“231”の中段ベルと、ストップスイッチ34,35,36の操作の順番が“123”、“132”、“312”及び“321”の中ベル1に同時に当せんする。“213”の中段ベルと“231”の中段ベルは、同一の図柄の組み合わせが対応付けられている。また、“123”、“132”、“312”及び“321”の中ベル1は、全て同一の図柄の組み合わせが対応付けられている。
【0061】
また、中段ベル、中ベル1〜4及び右ベル1〜4は、メダルの払い出しのある小役であるとともに、入賞したときに払い出されるメダルが中ベル1〜4及び右ベル1〜4よりも中段ベルのほうが多くなるように設定されている。このスロットマシン1では、3枚のメダルをベットしたとき、中段ベルの入賞で8枚のメダルが払い出され、中ベル〜4及び右ベル1〜4の入賞で1枚のメダルが払い出される。
【0062】
回転リール制御部112は、スタートスイッチ33の操作信号に基づいて回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、各回転リール41,42,43の回転を開始させる回転開始制御を行う。また、回転リール制御部112は、ストップスイッチ34,35,36の操作信号に基づいて、回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、回転している各回転リール41,42,43の回転を停止させる回転停止制御を行う。
【0063】
回転停止制御では、内部抽せん部111により出力された内部抽せん結果信号等に基づいて、各回転リール41,42,43の停止位置を決定し、例えば、当せんした役に対応する図柄が有効ライン上に揃うように回転リール41,42,43の回転を停止させたり(いわゆる引き込み制御)、あるいは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ライン上に揃わないように回転リール41,42,43の回転を停止させたりする(いわゆる蹴飛ばし制御)。回転リール41,42,43の回転停止制御の結果は、回転リール制御部112によって、回転リール停止信号として出力される。
【0064】
遊技結果判定部113は、内部抽せん部111から出力された内部抽せん結果信号及び回転リール制御部112から出力された回転リール停止信号に基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果には、例えば、有効ライン上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かの判定が含まれる。ここでは、遊技結果判定部113は、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが所定の図柄と一致した場合に、役が入賞したと判定し、この判定結果を遊技結果判定信号として出力する。
【0065】
ホッパー制御部114は、遊技結果判定部により出力された遊技結果判定信号、あるいは、操作部30の精算スイッチを操作することにより出力される操作信号に基づいて、ホッパーユニット50を制御し、メダルの払い出しを行う。遊技結果判定信号に基づいて払い出されたメダル(役の当せん、入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。そして、メダルを貯留した結果、クレジットの上限(例えば50枚)を超えた場合には、その上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、1枚以上の貯留メダルがある場合(クレジットが1以上の場合)に精算スイッチが操作された場合には、貯留されているメダルがホッパーユニット50から払い出される。
【0066】
外部信号出力部115は、遊技状態が所定の有利状態に移行した場合に、ホールコンピュータに、遊技状態が所定の有利状態へ移行したこと表す信号を出力する。また、外部信号出力部115は、スロットマシン1が設定変更またはリセットされた場合に、サブ制御部120等に、スロットマシン1が設定変更されたことを表す設定変更信号、または、スロットマシン1がリセットされたことを表すリセット信号、または、スロットマシン1の電源がオンされたことを表す電源オン信号を出力する。
【0067】
なお、有利状態とは、通常の遊技状態よりもメダル獲得の期待度が直接的または間接的に高い有利な状態をいい、例えば、ART及び一種BB実施状態のほか、通常状態における高確率抽せん状態も含まれる。
【0068】
有利状態抽せん部116は、遊技状態及びメイン制御部110の内部抽せん部111から出力される内部抽せん結果信号等に基づいて、例えば、ART抽せん、あるいは、高確率状態移行抽せんを行う。
【0069】
ART抽せんは、遊技状態が通常状態(RT0,RT1)である場合に、ARTを発生させるか否か(すなわち、遊技状態をARTに移行させるか否か)の抽せんである。このART抽せんでは、抽せん状態(例えば、低確率状態または高確率状態)に応じて異なるテーブルが選択され、この選択されたテーブルと、内部抽せんにより当せんした役とに基づいて、当せん確率が決定される。ART抽せんに当せんしたか否かは、有利状態抽せん部116により判定され、ART抽せんに当せんしたと判定された場合には、併せて、ARTで遊技可能な遊技期間(ARTゲーム数)等が決定される。ART抽せんの結果は、有利状態抽せん部116によってART抽せん結果信号として出力される。
【0070】
高確率状態移行抽せんは、例えば、ART抽せんに当せんしなかった場合に、抽せん状態を低確率状態から高確率状態へ移行させるか否かの抽せんである。この高確率状態移行抽せんでは、内部抽せんにより当せんした役に基づいて、当せん確率が決定される。高確率状態移行抽せんの結果は、有利状態抽せん部116によって高確率状態抽せん結果信号として出力される。
【0071】
遊技状態移行部117は、内部抽せん部111により出力された内部抽せん結果信号、遊技結果判定部113により出力された遊技結果判定信号、または、有利状態抽せん部116により出力されたART抽せん結果信号あるいは高確率状態抽せん結果信号に基づいて、遊技状態を移行させる。
【0072】
例えば、遊技状態移行部117は、有利状態抽せん部116により出力されたART抽せん結果信号に基づいて、ART抽せんに当せんしたか否かを判定する。ART抽せんに当せんしたと判定された場合、遊技状態移行部117は、
図5に示すように、遊技状態が通常状態1のときにART抽せんに当せんしたと判定された場合、通常状態2及び通常状態3を介して、また、遊技状態が通常状態2のときにART抽せんに当せんしたと判定された場合、通常状態3を介して、遊技状態をARTに移行させる。
【0073】
具体的には、遊技状態移行部117は、複数の報知テーブルを有するART準備テーブルを有し、遊技状態をARTに移行させる過程(移行準備期間)において、このART準備テーブルの複数の報知テーブルの中から所定の報知テーブルを選択し、この選択された報知テーブルに基づいて、所定の移行役を含む押し順役の押し順の報知を発生させるか否かを判定する。そして、遊技結果判定部113により出力された遊技結果判定信号に基づいて、所定の移行役が入賞したか否か(あるいは、所定の移行役を取りこぼしたか否か)を判定し、所定の移行役である特定移行役が入賞した(所定の移行役を取りこぼした)と判定した場合に、遊技状態を入賞した(取りこぼした)移行役に対応する遊技状態に移行させる。
【0074】
特定移行役の入賞(取りこぼし)により遊技状態が移行すると、遊技状態移行部117によって、遊技状態が移行したことを表す移行信号が出力される。すなわち、遊技状態移行部117は、遊技状態を通常状態2に移行させると、遊技状態が通常状態2に移行したことを表すRT1信号を出力し、遊技状態を通常状態3に移行させると、遊技状態が通常状態3に移行したことを表すRT2移行信号を出力し、また、遊技状態をARTに移行させると、遊技状態がARTに移行したことを表すART信号を出力する。
【0075】
遊技状態移行部117は、遊技状態が通常状態3、あるいは、ARTであるときに、SBを取りこぼした場合、遊技状態を通常状態2に移行させ、遊技状態が通常状態2に移行したことを表すRT1移行信号を出力する。また、遊技状態移行部117は、通常状態1〜3及びARTにおいて、一種BBが入賞した場合に、遊技状態を一種BB実施状態に移行させ、遊技状態が一種BB実施状態に移行したことを表すRT4移行信号を出力する。また、遊技状態移行部117は、一種BB実施状態に移行後、所定の枚数のメダルが払い出されると、遊技状態を一種BB実施状態から通常状態1に移行させ、遊技状態が通常状態1に移行したことを表すRT0移行信号を出力する。
【0076】
また、遊技状態移行部117は、遊技状態を所定の有利状態への移行に要する遊技数の上限値(天井ゲーム数)を設定し、計測部119から出力された天井計測信号に基づいて、計測された天井消化ゲーム数が、設定された天井ゲーム数に到達したか否かを判定する。そして、計測された天井消化ゲーム数が設定された天井ゲーム数に到達したと判定された場合、遊技状態移行部117は、遊技状態を所定の有利状態に移行させる。例えば、計測部119により計測された天井消化ゲーム数が設定された天井ゲーム数に到達したと判定された場合、遊技状態移行部117は、強制移行信号を出力し、遊技状態をARTに強
制的に移行させる。
【0077】
なお、天井ゲーム数は、例えば、予め定められた遊技数であり、計測された天井消化ゲーム数が設定された天井ゲーム数に到達した場合に加え、スロットマシン1が設定変更またはリセットされた場合等に、再設定される。
【0078】
ART制御部118は、遊技状態移行部117により遊技状態がART(RT3)に移行した後、ARTゲーム数が経過するまで、内部抽せんにより当せんした押し順役(ベル)の押し順の報知を発生させる。押し順役の押し順の報知は、液晶表示装置22等を介して行われる。
【0079】
また、ART制御部118は、有利状態抽せん部116により出力されたART抽せん結果信号と、計測部119により出力されたART計測信号とに基づいて、ARTモードが選択された後経過した遊技数(ART消化ゲーム数)が、ARTゲーム数に達したか否かを判定する。ART消化ゲーム数がARTゲーム数に達したと判定された場合、ART制御部118は、押し順役の押し順の報知を停止させ、ARTを終了させる。
【0080】
計測部119は、遊技結果判定部113から出力される遊技結果判定信号に基づいて、ART消化ゲーム数を計測する。計測されたART消化ゲーム数は、計測部119によりART計測信号として出力される。なお、ART中に一種BBに当せんした場合、計測部119によるART消化ゲーム数の計測は、遊技状態が一種BB実施状態(RT4)を介して通常状態1(R06)に移行した後、再びART(RT4)に移行するまで中断される。
【0081】
また、計測部119は、遊技結果判定部113から出力された遊技結果判定信号に基づいて、所定の有利状態終了後、この有利状態に移行することなく経過した遊技期間を計測する。具体的には、例えば、ARTが終了し、遊技状態がRT3からRT1に移行した後、ART抽せんに当せんすることなく経過した遊技期間(天井消化ゲーム数)を計測する。計測された天井消化ゲーム数は、計測部119により天井計測信号として出力される。
【0082】
なお、計測部119は、ART信号、あるいは、RT4移行信号を受信した場合、すなわち、有利状態に移行した場合に、天井消化ゲーム数をゼロリセットする。また、設定変更信号、リセット信号、あるいは、電源オン信号を受信した場合、すなわち、スロットマシン1が設定変更またはリセットまたは電源オンされた場合も、天井消化ゲーム数をゼロリセットする。
【0083】
[サブ制御部]
サブ制御部120は、演出制御部121及び送風ユニット制御部122で構成されている。
【0084】
演出制御部121は、例えば、内部抽せん部111から出力される内部抽せん結果信号、有利状態抽せん部116から出力されるART抽せん結果信号、あるいは、遊技状態移行部117から出力されるART信号に応じて、1ゲーム毎に、演出パターンを選択する。演出パターンの選択は、遊技状態、あるいは、内部抽せんにより当せんした役等に対応する演出の内容が記憶されているテーブル(図示せず)に基づいて行われる。演出制御部121は、選択された演出パターンに基づいて、液晶表示装置22、電飾装置23及びスピーカ24を制御して、演出を出力する。
【0085】
演出制御部121に記憶されている演出テーブルには、例えば、所定の役に当せんした場合、あるいは、ART抽せんに当せんした場合に選択される可能性がある前兆演出テーブルを含んでいる。前兆演出テーブルとは、前兆演出が行われる所定の遊技期間(前兆演出期間)にのみ選択される演出テーブルに記憶されている領域の1つであり、前兆演出とは、遊技状態が有利状態に移行する期待度を示唆する演出の1つである。
【0086】
前兆演出テーブルが選択された場合、演出制御部121は、例えば、前兆演出が行われる遊技数(前兆ゲーム数)を決定し、記憶する。そして、演出制御部121は、前兆演出の開始から経過した前兆演出期間の遊技数(前兆消化ゲーム数)を計測し、この前兆消化ゲーム数が、記憶された前兆ゲーム数に達したか否かを判定する。前兆消化ゲーム数が、記憶された前兆ゲーム数に達したと判定された場合、演出制御部121は、前兆演出を終了する。
【0087】
また、演出制御部121は、遊技状態移行部117によって出力された報知信号に基づいて、押し順役の押し順を報知する。押し順役の押し順の報知は、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を介して行われる。
【0088】
なお、上記の実施形態では、ARTに関する全ての抽せん処理をメイン制御部110で行っているが、これに限られるものではなく、例えば、当せんした役等に対応する演出の実施に関する抽せん(ATに関する抽選)をサブ制御部120で実施する場合もあり得る。
【0089】
送風ユニット制御部122は、内部抽せん部111から出力される内部抽せん結果信号に基づき、内部抽せんで一種BBに当せんしたときに抽せん処理を行い、当せんした場合に送風フラグをオンにする。送風フラグがオンの状態で、液晶表示装置22に隣接した操作スイッチ本体230が操作されたとき、操作スイッチ本体230の送風口から送風を行うための制御処理を行う。更に詳細な説明は、
図11〜
図12のフローチャートを用いて後述する。
【0090】
(送風ユニット)
次に、
図8〜
図9を参照しながら、本発明の一実施形態に係る送風ユニットを詳細に説明する。
図8は、本発明の一実施形態に係る送風ユニットを示す側面図であって、(a)は、遊技機の正面側から見た図であり、(b)は、(a)の矢印A−Aから見た図である。
図9は、
図8(a)の断面B−Bから見た送風ユニットの断面図である。
【0091】
送風ユニット200は、遊技機1の筐体10の前側(前扉20の近傍)に配置され、操作スイッチ本体230が液晶表示装置22に隣接して位置するように配置される(
図1参照)。
【0092】
図9から明らかなように、送風ユニット200では、送風ユニット本体210に、ファン240と、ファン240の吸込側に設けられた開閉弁242(
図8(b)参照)と、ファン240から吐出された気体の流路222と、流路222と流体接続された送風口234を有する操作スイッチ本体230と、操作スイッチ本体230の移動により電気的に接続及び非接続となる接点212とが備えられている。
【0093】
ファン240は電動モータで駆動するようになっており、本実施形態では、プロペラファンを採用している。ただし、ファンとしてこれに限られるものではなく、シロッコファン、斜流ファン、ターボファンをはじめとする任意のファンを用いることができる。
【0094】
開閉弁242は、アクチュエータ244により駆動されて開閉を行う。本実施形態のアクチュエータ244は、ソレノイドで構成されているが、これに限られるものではなく、エアシリンダ、電動シリンダ、電動モータをはじめとする任意のアクチュエータを採用することができる。
【0095】
操作スイッチ本体230は、送風ユニット本体210に対して、遊技機1の前後方向に移動可能な状態で取り付けられている。つまり、操作スイッチ本体230は、押し釦スイッチとして機能するようになっている。遊技者が手(指)で操作スイッチ本体230を押動操作すると、送風ユニット本体210から接点212の方に伸びた押動部238が、接点212を押し込み、これにより、電気的に非接続となっていた接点212が接続状態となる。なお、操作スイッチ本体230の移動位置に関わらず、ファン240から送風口234までの流路222が常に確保されている。
【0096】
更に、送風ユニット200には、一端が操作スイッチ本体230の内面と接し、他端が送風ユニット本体210と接した圧縮バネ224が備えられている。操作スイッチ本体230が押動操作されると、接点212が接続状態になるとともに、圧縮バネ224が圧縮される。よって、押動操作後、遊技者が操作スイッチ本体230から手(指)を離すと、圧縮バネ224の付勢力により、自動的に元の接点212が非接続な状態に戻るようになっている。
【0097】
後述するように、内部抽せんで一種BBが当せんして送風フラグがオンの状態において、遊技者の操作に基づく操作スイッチ本体230の移動により、電気的に非接続な接点212が電気的に接続されたとき、送風ユニット制御部122の制御処理により、開閉弁242が開の状態の場合には閉の状態に変更した後、開閉弁242が閉の状態の場合には閉の状態を維持したまま、停止状態のファン240の駆動を開始する。ファン240の駆動開始後、ファン240の回転数が規定回転数に達する時間T1が経過した後に、閉の状態の開閉弁242を開の状態に変更する制御処理を行う。
【0098】
これにより、空気が開閉弁242を介してファン240の吸込側から吸い込まれ、ファン240の吐出側から吐出される。吐出された空気は、4箇所に分岐された流路222(
図9では2箇所の流路が示されている)に流入する。それぞれの流路222に流入した空気は、遊技機1の前面側に配置された操作スイッチ本体230に設けられた送風口234側に流れ、送風口234から遊技機1の外へ吹き出す(
図9の矢印参照)。
【0099】
更に、操作スイッチ本体230には、振動モータ236が取り付けられている。振動モータ236を駆動することにより、操作スイッチ本体230を振動させることができる。例えば、振動モータ236で操作スイッチ本体230を振動させて、遊技者に操作スイッチ本体230の操作を促すことができる。更に、送風の代わりに、操作スイッチ本体230の振動で報知を行うこともできるし、送風に加えて、操作スイッチ本体230の振動で報知を行うこともできる。
【0100】
次に
図10を参照しながら、流路222及び送風口234の構造について、更に詳細に述べる。
図10は、
図9の送風ユニットの送風口の近傍の領域を拡大して示した模式的な断面図である。ファン240から吐出された空気の流れを矢印で示す。
【0101】
流路222は、ファン240側から送風口234側に向けて狭まっている領域(
図10のCで示す領域参照)を有するので、ファン240から吐出された空気の流速が増す。これにより、送風口234より大きな風速の風を吹き出すことができるので、遊技者が認知するのに十分な送風を行うことができる。
【0102】
更に、
図10に示すように、操作スイッチ本体230の操作面230Aに凹部232を有し、送風口234が操作スイッチ本体230の操作面230Aに設けられた凹部232の内部空間に開口しているので、操作のため遊技者の手(指)300が操作スイッチ本体230の操作面230Aに接したとしても、送風口234が塞がれることがない。
【0103】
よって、遊技者の手(指)300が操作スイッチ本体230の操作面230Aに触れた状態にあっても、
図10の矢印に示すように、風が指の外側を回り込むように流れ、確実に遊技者が認知するのに十分な送風を行うことができる。更に、
図8(a)に示すように、送風口234の設けられた位置から、凹部232がらせん状に伸びており、送風口234から出た風は、らせん状の凹部232を流れながら遊技者側へ吹き出す。よって、遊技者はより報知を認識し易くなる。
【0104】
(送風フラグ設定サブルーチン)
次に、
図11のフローチャートを参照しながら、送風ユニット制御部122により実行される送風フラグ設定サブルーチンの説明を行う。本サブルーチンは、所定のインターバルで起動されるようになっている。
【0105】
はじめに、メイン制御部110から内部抽せん結果信号を受信したか否かが判断される(ステップS10)。この判断で、もし、内部抽せん結果信号を受信していない(NO)と判別されたときには、そのまま本サブルーチンが終了する。
【0106】
ステップS10の判断で、もし、内部抽せん結果信号を受信した(YES)と判別されたときには、次に、内部抽せん結果信号に含まれる情報に基づき、内部抽せんで一種BBに当せんしたか否かが判断される(ステップS12)。この判断で、もし、一種BBに当せんしていない(NO)と判別されたときには、そのまま本サブルーチンが終了する。
【0107】
ステップS12の判断で、もし、一種BBに当せんしている(YES)と判別されたときには、抽せん処理を行い(ステップS14)、抽せん結果が当せんであるか否か判断される(ステップS16)。ここで、抽せん処理の当せん確率として1/2を例示することができるが、これに限られるものではなく、任意の当せん確率を設定できる。
【0108】
ステップS16の判断で、もし、当せんではない(NO)と判別されたときには、そのまま本サブルーチンが終了する。ステップS16の判断で、もし、当せんである(YES)と判別されたときには、送風フラグをオンにして(ステップS18)、本サブルーチンが終了する。
【0109】
図12に示すように、送風フラグオンの場合に、遊技者の操作スイッチ本体230の操作に基づく送風を行う。ステップS14の抽せん処理により、一種BBに当せんした場合であっても、遊技者が操作スイッチ本体230を操作しても送風が行なわれない場合があるので、遊技の進行に変化を付け、一種BB入賞時に遊技者に意外性や更なる喜びを与えることができる。
【0110】
(送風制御サブルーチン)
次に、
図12のフローチャートを参照しながら、送風ユニット制御部122により実行される送風制御サブルーチンの説明を行う。本サブルーチンも、所定のインターバルで起動されるようになっている。
【0111】
はじめに、送風フラグがオンになっているか否か判断される(ステップS20)。この判断で、もし、送風フラグがオンではない(NO)と判別されたときには、そのまま本サブルーチンが終了する。ステップS20の判断で、もし、送風フラグがオンである(YES)と判別されたときには、次に、開閉弁242が開の状態か否か判断される(ステップS22)。この判断で、もし、開閉弁242が開の状態である(YES)と判別されたときには、開閉弁242を閉の状態に変更して(ステップS24)、ステップS26へ進む。
【0112】
ステップS22の判断で、もし、開閉弁242が開の状態ではない(NO,つまり閉の状態であると判別されたときには、開閉弁242の閉の状態を維持したまま、ステップS26へ進む。ステップS26では、接点212が電気的に接続されたか否か判断される(ステップS26)。この判断で、もし、接点212が電気的に接続されていない(NO)と判別されたときには、ステップS26の判断処理が繰り返される。つまり、送風フラグがオンの場合には、遊技者が操作スイッチ本体230を押動操作して、接点212が電気的に接続されるまで、待機状態になっている。なお、接点212は、圧縮バネ224の付勢力により通常非接続の状態になっている。
【0113】
ステップS26の判断で、もし、接点212が電気的に接続された(YES)と判別されたときには、次に、ファン240の駆動を開始し(ステップS28)、タイマーをオンにする(ステップS30)。そして、タイマーの計時が時間T1を経過したか否か判断される(ステップS32)。ここで、時間T1として、ファン240の駆動が開始された後、その回転数が規定回転数に達するのに十分な時間を設定するのが好ましい。具体的には、時間T1として、2〜5秒を例示することができるが、これに限られるものではない。
【0114】
ステップS32の判断で、もし、タイマーの計時が時間T1を経過していない(NO)と判別されたときには、この判断処理が繰り返される。つまり、時間T1が経過するまで待機状態になっている。ステップS32の判断で、もし、タイマーの計時が時間T1を経過した(YES)と判別されたとき、閉の状態だった開閉弁242を開の状態に変更する(ステップS34)。
【0115】
ファン240が規定回転数に達した状態で開閉弁242を開の状態にするので、小型なファンであっても、開閉弁242を開の状態に変更した直後に、遊技者が気付くのに十分な風速の風を遊技者の手(指)に当てることができる。また、遊技者が操作スイッチ本体230から手を離していたとしても、遊技者が気付くのに十分な送風を実行できる。
【0116】
本実施形態では、ファン240の吸込側に開閉弁242が備えられているが、これに限られるものではなく、ファン240の吐出側に開閉弁242を備えることもできるし、吸込側及び吐出側の両方に開閉弁242を備えることもできる。この場合においても、同様に、遊技者が気付くのに十分な送風を実現できる。
【0117】
次に、タイマーの計時が時間T2を経過したか否か判断される(ステップS36)。ここで、時間T2としては、時間T1で送風を開始した後、遊技者が送風を認知するのに十分な時間とするのが好ましい。具体的には、T2−T1の時間が2〜10秒となるようにT2を設定することを例示できるが、これに限られるものではない。
【0118】
ステップS36の判断で、もし、タイマーの計時が時間T2を経過していない(NO)と判別されたときには、この判断処理が繰り返される。つまり、時間T2が経過するまで、ファン240による送風が継続される。
【0119】
ステップS36の判断で、もし、タイマーの計時が時間T2を経過した(YES)と判別されたときには、ファン240を停止し(ステップS38)、タイマーをオフにする(ステップS40)。そして、オンになっていた送風フラグをオフにして(ステップS42)、本サブルーチンが終了する。
【0120】
本サブルーチンは、内部抽せんで一種BBが当せんしたとき、抽せん結果に基づいて送風フラグをオンにして、操作スイッチ本体230の押動操作に基づく送風を行うが、一度、送風を行うと、送風フラグをオフにして、再び遊技者が操作スイッチ本体230の押動操作を行っても、送風は実施されないようになっている。
【0121】
ただし、これに限られるものではなく、一種BBが内部抽せんで当せんして入賞するまでの内部中の期間、常に送風フラグをオンにしておくこともできるし、送付を所定回数行った後、送風フラグをオフにすることも考えられる。
【0122】
本サブルーチンでは、開閉弁212が開の状態にあるか否か判断して、開の状態であれば閉の状態に変更する制御処理を行っているが(ステップS22、S24参照)、これに限られるものではなく、送風フラグをオフにするタイミングで、開閉弁212を閉の状態に変更する制御処理を行って、ステップS22及びS24の制御処理を省略することもできる。
【0123】
本サブルーチンでは、遊技者が操作スイッチ本体230の押動操作を行ったときに、送風を行っているが、これに限られるものではなく、遊技者が操作をしないときに送風を行って、所定の報知を行うこともできる。また、内部抽せんで一種BBに当せんしていない場合に送風(所謂ガセ送風)を行うこともできる。
【0124】
以上のように、本実施形態によれば、遊技者が操作スイッチ本体230を操作して、接点212が電気的に接続されたとき、開閉弁2が閉の状態でファン240の駆動を開始し、時間T1経過後に閉の状態の開閉弁を開の状態に変更する。時間T1が、ファン240の回転数が規定回転数に達するのに十分な時間に設定されているので、ファン240が遊技機1内の限られた領域に収納可能な小型なものであっても、開閉弁242を開の状態に変更した直後に、遊技者が気付くのに十分な風速の送風を行うことができる。風が遊技者の手(指に)に当たる場合だけでなく、遊技者が操作スイッチ本体220から手を離していたとしても、遊技者が気付くのに十分な送風を行うことができる。
【0125】
よって、限られた領域に設置可能なコンパクトなユニットでありながら、遊技者が認知するのに十分な送風を実現可能な送風ユニット200を備えた遊技機1を提供することができる。
【0126】
上記の実施形態では、閉の状態だった開閉弁242を開の状態に変更する条件(所定の条件)が、ファン240の駆動開始からタイマーの計時が時間T1を経過した場合であるが、これに限られるものではない。例えば、所定の条件として、開閉弁242が閉の状態でファン240が駆動されているときに、遊技者が所定のスイッチを操作した場合や、所定の内部状態を報知する信号を受信した場合を採用することもできる。ただし、この所定の条件は、これらに限られるものではない。また、ファン240が、常時駆動されている場合もあり得る。
【0127】
本実施態様によれば、開閉弁が閉の状態でファンが駆動されているときに、所定の条件が成立することにより、閉の状態の開閉弁を開の状態に変更するが、空気は圧縮性流体なので、これにより、遊技者が認知し易い強い送風を行うことができる。更に、上述のように、流路222がファン240側から送風口234側に向けて狭まっている領域を有するので、ファン240から吐出された気体の流速が増す。これらが協働して、送風口234からより大きな風速で送風を行うことができるので、遊技者が認知するのに十分な送風を行うことができる。
【0128】
(その他の実施形態)
上記の実施形態では、一種BBが内部抽せんで当せんして入賞するまでの内部中の期間に、送風フラグをオンにして送風による報知を実施しているが、これに限られるものではない。
【0129】
例えば、その他の様々な内部抽せんの結果に応じて送風による報知を行うこともできるし、停止した図柄に基づく遊技の結果に応じて送風による報知を行うこともできる。また、
図5に示す所定の遊技状態や擬似ボーナスのとき、またはその前兆遊技のときに送風による報知を行うこともできる。更に、ART回数獲得のような遊技者への特典付与に応じて送風による報知を行うこともできる。
【0130】
このような遊技者にとって関心の高い事項の報知を送風によって行うことにより、遊技の興趣を高めることができる。
【0131】
更に、送風ユニット200により、温風、冷風、香り付きの風を出せるようにしてもよい。これらを使い分けることによって、様々な告知を行える。また、表示される映像などに合わせて演出を盛り上げることができる。
また、流路222の内部がらせん状の溝を施してもよい(ライフリング)。これにより、より強く指向性のある風を遊技者にあてることができる。
【0132】
上記においては、遊技機としてスロットマシンの場合を例にとって説明したが、弾球遊技機の場合においても、同様に、弾球の入賞結果、抽せん処理の結果、遊技状態または遊技者への特典付与に基づいて、本発明に係る送風ユニット200を用いた報知を行うことができる。