特開2017-140260(P2017-140260A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-140260(P2017-140260A)
(43)【公開日】2017年8月17日
(54)【発明の名称】装身具
(51)【国際特許分類】
   A44C 25/00 20060101AFI20170721BHJP
【FI】
   A44C25/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-24283(P2016-24283)
(22)【出願日】2016年2月12日
(71)【出願人】
【識別番号】514165761
【氏名又は名称】株式会社 FACTORY KURA
(74)【代理人】
【識別番号】100126675
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 将彦
(72)【発明者】
【氏名】太田 綾乃
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA23
3B114BB07
3B114BF01
(57)【要約】
【課題】 フラワーアレンジメントを服装の飾りとする装身具を提供する。
【解決手段】 装身具101は、フラワーアレンジメントを有する装飾体10と、装飾体10を着脱自在に支持する支持体20と、を有している。装飾体10は、複数本の花材3と、これら花材3の根元が挿されることにより、花材3をフラワーアレンジメントとする基材1と、基材1に保持された磁石7と、を有している。支持体20は、磁石7と吸引し合う別の磁石21を有し、それにより装飾体10を着脱自在に支持し、使用者の首、手首、又は腕に回して装着することが可能な帯体25をさらに有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラワーアレンジメントを有する装飾体と、
前記装飾体を着脱自在に支持する支持体と、を備え、
前記装飾体は、
複数本の花材と、
前記複数本の花材の根元が挿されることにより、前記複数本の花材を前記フラワーアレンジメントとする基材と、
前記基材に保持された磁石と、を有し、
前記支持体は、前記磁石と吸引し合う別の磁石を有し、それにより前記装飾体を着脱自在に支持し、使用者の首、手首、又は腕に回して装着することが可能な帯体又は紐体をさらに有する装身具。
【請求項2】
フラワーアレンジメントを有する装飾体と、
前記装飾体を着脱自在に支持する支持体と、を備え、
前記装飾体は、
複数本の花材と、
前記複数本の花材の根元が挿されることにより、前記複数本の花材を前記フラワーアレンジメントとする基材と、
前記基材に保持された磁石と、を有し、
前記支持体は、前記磁石と吸引し合う別の磁石を有し、それにより前記装飾体を、衣服の服地を通して着脱自在に支持する装身具。
【請求項3】
前記基材は保水性である、請求項1又は2に記載の装身具。
【請求項4】
前記装飾体は、前記基材の表面のうち前記複数の花材の根元を挿すべき領域以外を、前記磁石とともに覆う布地又はレース地を、さらに有する、請求項1から3のいずれかに記載の装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラワーアレンジメントを配置した装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、結婚式等の晴れの場において、複数本の花を帯等で束ねた花束を衣服の胸ポケットに挿して、アクセサリーとすることが行われている。しかし複数本の花を、束ねるのではなく、生け花のように配置したフラワーアレンジメントを、服装の飾りとして、衣服あるいは手首等の身体の一部に装着することは容易ではなく、装身具の業界において、そのような装身具は、着想そのものが存してはいなかった。なお、フラワーアレンジメントを室内の壁面等に装着する室内装飾品については、特許文献1及び2に開示される技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−38130号公報
【特許文献2】実開平4−12972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、フラワーアレンジメントを服装の飾りとする装身具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様によるものは、装身具であって、フラワーアレンジメントを有する装飾体と、前記装飾体を着脱自在に支持する支持体と、を備えている。前記装飾体は、複数本の花材と、前記複数本の花材の根元が挿されることにより、前記複数本の花材を前記フラワーアレンジメントとする基材と、前記基材に保持された磁石と、を有している。前記支持体は、前記磁石と吸引し合う別の磁石を有し、それにより前記装飾体を着脱自在に支持し、使用者の首、手首、又は腕に回して装着することが可能な帯体又は紐体をさらに有している。
【0006】
この構成によれば、支持体の帯体又は紐体を、例えば衣服の上から、使用者の首、手首、又は腕に回して装着しておき、磁気的吸引力により装飾体を支持体に吸着させることにより、装飾体を衣服に装着することができる。それにより、フラワーアレンジメントを服装の飾りとすることができる。装飾体は磁力により着脱自在に支持体に支持されるので、複数の装飾体を準備することにより、支持体を交換することなく、フラワーアレンジメントを、場面に応じて瞬時に別のフラワーアレンジメントに取り替えることも可能である。なお本発明において、「花材」はフラワーアレンジメントの素材とされるものであり、花だけでなく葉なども含み、生きた素材だけでなく、造花など人工の素材をも含む概念として用いる。また、「首に回して装着する」の語句は、首に回して首に吊り下げることをも含む意味として用いる。
【0007】
本発明のうち第2の態様によるものは、第1の態様による装身具であって、フラワーアレンジメントを有する装飾体と、前記装飾体を着脱自在に支持する支持体と、を備えている。前記装飾体は、複数本の花材と、前記複数本の花材の根元が挿されることにより、前記複数本の花材を前記フラワーアレンジメントとする基材と、前記基材に保持された磁石と、を有している。前記支持体は、前記磁石と吸引し合う別の磁石を有し、それにより前記装飾体を、衣服の服地を通して着脱自在に支持する。
【0008】
この構成によれば、支持体を衣服の裏又はポケットの裏などに配置し、衣服の表又はポケットの表などから、磁気的吸引力により装飾体を支持体に吸着させることにより、装飾体を衣服の表又はポケットの表などに装着することができる。それにより、フラワーアレンジメントを服飾の飾りとすることができる。装飾体は磁力により着脱自在に支持体に支持されるので、複数の装飾体を準備することにより、支持体を交換することなく、フラワーアレンジメントを、場面に応じて瞬時に別のフラワーアレンジメントに取り替えることも可能である。
【0009】
本発明のうち第3の態様によるものは、第1又は第2の態様による装身具であって、前記基材は保水性である。
この構成によれば、基材に水を保持させることにより、生きた花材を長時間にわたって使用することができる。
【0010】
本発明のうち第4の態様によるものは、第1から第3の何れかの態様による装身具であって、前記装飾体は、前記基材の表面のうち前記複数の花材の根元を挿すべき領域以外を、前記磁石とともに覆う布地又はレース地を、さらに有している。
【0011】
この構成によれば、布地又はレース地により、複数の花材の根元を挿すべき領域、すなわち、これらの根元により隠れる領域を除く基材の表面が、むき出しとならないので、装身具全体の美観が損なわれない。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によれば、フラワーアレンジメントを服装の飾りとする装身具が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態による装身具の一部を例示する正面写真である。
図2図1の装身具の構成を示す図であり、(a)は装身具が有する装飾体を背面斜めから見た斜視図であり、(b)は装身具が有する支持体を略正面から見た略正面図である。
図3図1の装身具の断面構成を示す断面図であり、(a)は装身具が有する装飾体、(b)は装身具が有する支持体を示している。
図4】本発明の別の実施の形態による装身具が有する支持体の構成を例示する略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図3は、本発明の一実施の形態による装身具の構成を示す写真及び図面である。この装身具101は、互いに着脱自在である、装飾体10と支持体20とを有している。図1は装身具101の一部を示す正面写真であり、そのうち、図2(a)は装飾体10を背面斜めから見た斜視図であり、図2(b)は支持体20を略正面から見た略正面図である。また、図3は、装身具101の断面構成を示す断面図であり、そのうち図3(a)は装飾体10、図3(b)は支持体20の断面構造を示している。
【0015】
装飾体10は、基材1を有している。基材1は、複数の花材3の根元を挿すことができ、それにより花材3を支持するブロック状の部材である。図1図3の例では、基材1は略直方体をなす。基材1は、例えば保水性の柔軟な樹脂、例えばウレタンフォームを材料とする。基材1が保水性を有する場合には、基材1に水を含ませることにより、花材3として生きた花材を用い、長時間にわたって生き生きとした状態に維持することが可能となる。基材1は生け花の剣山のように、複数の花材を根元において支持し、それらの花材を、生け花のように配置されたフラワーアレンジメントとすることを可能にする。
【0016】
基材1の表面は、正面の大半領域すなわち花材3の根元が挿されるべき領域、を除いて布地又はレース地によって覆われる。基材1の表面のうち、花材3の根元が挿されるべき領域、すなわち花材3の根元で隠れる領域以外が、むき出しとなることによって、装身具101の美観が損なわれることを、これらの布地又はレース地により防ぐことができる。図2及び図3には、レース地5を例示している。図3(a)に例示するように、花材3は、レース地5が有する空隙を通して基材1に挿すことも可能である。布地又はレース地5は、基材1とともに磁石7をも覆っており、それにより美観目的に加えて、基材1の背面に磁石7を保持する役割をも果たしている。磁石7は基材1に接着剤により接着されていてもよい。例示する磁石7は板状である。十分な強さの磁気的吸引力を得るために、磁石7はネオジム磁石であることが望ましい。
【0017】
例示する支持体20は、磁石7を磁気的吸引力により引きつける別の磁石21を有している。例示する磁石21は板状であり、望ましくはネオジム磁石である。磁石21は、布の袋体23の中に保持されている。袋体23は環状であり、布製の帯体25及び布製の装飾品27を包むようにして、これらの帯体25及び装飾品27に縫い付けられている。例示する装飾品27は、蝶ネクタイである。帯体25は、使用者の首に掛けることができる長さであり、両端には、互いに着脱可能に連結するための留め具29,31が取り付けられている。また、帯体25の中途には、長さを可変とするための金具33が介挿されている。
【0018】
装身具101を使用するには、支持体20の帯体25を使用者の首に巻き、留め具29,31を連結する。これにより、支持体20が使用者の首に掛けられる。次に、金具33の位置を調節することにより、帯体25の長さを調節し、装飾品27が、例えば蝶ネクタイを装着すべき襟元に位置するようにする。あるいは、先に帯体25の長さを調節しておいて、その後に帯体25を首に巻き、留め具29,31を連結してもよい。このとき、支持体25は、磁石21が保持される側(図2(b)において手前側、図3(b)において上面側)が正面を向くようにする。次に、装飾体10を支持体20に吸着させる。ずなわち、図3に例示する姿勢で、装飾体10を支持体20に近づけることにより、磁石7と磁石21の磁気的吸引力により、装飾体10を支持体20に吸着させる。これにより、花材3によるフラワーアレンジメントを、襟元ないし胸元の装飾とすることができる。装飾品27は、例えば、フラワーアレンジメントを引き立てたり、服飾として、より自然に見せたりする役割を果たす。
【0019】
支持体20を首に掛けたままで、装飾体10を取り替えることも可能である。場面に応じて、異なる装飾体10を即座に装うことができる。装身具101を、首から外すときには、以上の手順とは逆の手順により操作をするとよい。
【0020】
図4は、本発明の別の実施の形態による装身具が有する支持体の構成を例示する略正面図である。図4(a)に例示する支持体40は、支持体20(図2など)において装飾品27が除去され、袋体23が帯体25にのみ縫い付けられた形態をなしている。支持体40は、支持体20と同様に、装飾体10を襟元ないし胸元に装うのに使用することができる。
【0021】
図4(a)の帯体25を短くすることにより、支持体40を使用者の腕、手首などに巻くことも可能である。それにより、装飾体10のフラワーアレンジメントを、腕、手首などに装着することが可能となる。
【0022】
図4(b)に例示する支持体50は、支持体40から、さらに帯体25を除去し、しかも袋体41を環状とせず、単に磁石21を収納する袋とした形態をなしている。支持体40を、スーツ等の裏に配置し、表から装飾体10を吸着させたり、支持体50をスーツ等の胸ポケットの裏に配置し、ポケットの表から装飾体10を吸着させたりすることにより、花材3によるフラワーアレンジメントを、服装の飾りとすることができる。ネオジム磁石は吸引力が強いため、スーツの服地を通して、装飾体10を支持体50に吸着させることが可能である。
【0023】
支持体20、40において、帯体25に代えて、ロープ、鎖などの紐体を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 基材; 花材 3; 5 レース地; 7 磁石; 10 装飾体; 20 支持体; 21 磁石; 23 袋体; 25 帯体; 27 装飾品; 29,31 留め具; 33 金具; 40 支持体; 41 袋体; 50 支持体; 101 装身具
図1
図2
図3
図4