特開2017-140346(P2017-140346A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-140346(P2017-140346A)
(43)【公開日】2017年8月17日
(54)【発明の名称】補球用具
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/14 20060101AFI20170721BHJP
   A63B 71/16 20060101ALI20170721BHJP
【FI】
   A63B71/14 F
   A63B71/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-36370(P2016-36370)
(22)【出願日】2016年2月10日
(71)【出願人】
【識別番号】592047663
【氏名又は名称】斎藤 辰夫
(71)【出願人】
【識別番号】597030637
【氏名又は名称】内田 広子
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 辰夫
(72)【発明者】
【氏名】内田 広子
(57)【要約】      (修正有)
【課題】野球、ソフトボールの捕球用具において、ピッチャーの集中力を高め、また捕球の際に落球のミスを軽減する捕球用具を提供する。
【解決手段】捕球用具は、受球面を第1の受球面2、第2の受球面3の2層で構成され、第1の受球面と第2の受球面の間には空気層となる隙間5を形成することにより、捕球した際快音を発生させることが可能になる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
野球、ソフトボール用の捕球用具であって、前記捕球用具の受球面を前記捕球用具の前記受球面から垂直方向に複数層に形成し、それぞれの前記受球面と前記受球面との間には隙間を形成することを特徴とする。
【請求項2】
前記複数層の前記受球面を形成する前記捕球用具は、第1の受球面と第2の受球面を有し、前記第1の受球面と前記第2の受球面の間には空気層となる隙間を形成することを特徴とする請求項1に記載の捕球用具。
【請求項3】
前記第1の受球面の表面積は、第2の受球面の表面積と同等あるいは小さく形成することを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の捕球用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野球及びソフトボール用の捕球用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の野球及びソフトボール用の捕球用具は、捕球時に快い音を発するものがなかった。また、捕球時に捕球用具の受球面でうまく捕球できずに、落球することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特願2003−132378号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のホームラン、ファールボールの捕球グローブは、観客席に飛んでくるホームランボール、ファールボールを捕球するものであった。
【0005】
本発明は、キャッチャーがピッチャーのボールを捕球する際に快音を発生させることで、ピッチャーの集中力を高めることと、あらゆる守備において捕球時に落球を防止できる捕球用具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、野球、ソフトボール用の捕球用具であって、捕球用具の受球面を捕球用具の受球面から垂直方向に複数層に形成し、それぞれの受球面と受球面との間には隙間を形成することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、複数層の受球面を形成する捕球用具は、第1の受球面と第2の受球面を有し、第1の受球面と第2の受球面の間には空気層となる隙間を形成することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、第1の受球面の表面積は、第2の受球面の表面積と同等または小さく形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の本発明の捕球用具は、受球面を垂直方向に複数層形成することで、受球面と受球面の間にそれぞれ隙間を形成することができる。受球面を複数形成し、隙間を作ることで空気層が形成され、ボールを捕球した際に空気層に急激な圧力変化が起こり、通常の捕球用具を使用した時よりも、「パーン」と快音を発生させることができる。音は、空気の振動により発生するものであるから、隙間の中の空気に振動を起こさせることで、ボールを捕球した際の音を快く発生させることができるという優れた効果を発揮する。また、隙間の形状を波状にしたり、皮の硬度を変える、素材を変える、湿度を変えるなどすることで、空気の振動を遅くしたり早くしたりすることができ、高音の捕球音、低音の捕球音を作り出すことができるという優れた効果を発揮する。
【0010】
請求項2に記載の本発明の捕球用具は、第1の受球面と第2の受球面の2つを形成し、隙間を大きく作ることでボールを捕球した際に第1の受球面がボールの衝撃と圧力により第2の受球面側に大きく押し込まれ、第2の受球面の外縁が自然に閉まるという優れた効果を発揮する。受球面が自然に閉まることで、イレギュラーなどでタイミングが合わず一旦受球面に球が入ったにも関わらず落球するというアクシデントを減らすことができる。
【0011】
請求項3に記載の本発明の捕球用具は、第1の受球面の表面積は第2の受球面の表面積と同等または小さくすることができる。第1の受球面の表面積が第2の受球面の表面積より小さい場合は、捕球時の圧力が強くなり押す力が強くなる。この強い押す力は、隙間があることでさらに第2の受球面側へ押され、それに伴い第2の受球面の外縁が内側へ強く引っ張られ捕球用具が閉まりやすくなる。捕球用具が閉まりやすくなることで、ボールを捕球した際に落球というミスを最小限にとどめることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】 本発明の捕球用具の正面図である。
図2】 本発明の捕球用具の背面図である。
図3】 本発明の捕球用具の斜視断面図である。
図4】 本発明の捕球用具に手を入れたときの断面図である。
図5】 本初の捕球用具の第2の実施例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の捕球用具の実施形態図1図5に基づき説明をする。ただし、以下の実施するための形態は、本発明の捕球用具の一例として説明するものであり、この説明の図の項に限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明の捕球用具の正面図である。捕球用具1、第1の受球面2、第2の受球面3から構成される。第1の受球面2は第2の受球面3と同等または小さく形成される。受球面を複数形成するのは、ボールを捕球する際の衝撃と圧力を利用して、押す力と引っ張る力を大きく作り出すためである。第1の受球面2にボールの圧力が加わることで、押す力を生み出し、押す力により第2の受球面3の外縁が強く内側に引っ張られ、自然に捕球用具1の第2の受球面3が閉まるようになる。
【0015】
図2は、本発明の捕球用具1の背面図である。ウェブ4から構成される。ウェブは通常、軽量化、機能性を図るために網目などに作られているが、本発明はボールを補給した際に網目にボールが引っ掛かりボールが抜けなくなるなどのトラブルを防止するために、ウェブの部分には網目を作らないようにした。これにより、補給から投球の瞬時の動きがスムーズになり素早く投球ができるようになる。しかし、第1の受球面2が第2の受球面3より小さくなる場合はこの限りではない。
【0016】
図3は、本発明の捕球用具の斜視断面図である。第1の受球面2、第2の受球面3、隙間5から構成される。押す力と引っ張る力を大きく作り出すため、第1の受球面2と第2の受球面3の間に隙間5を形成する。第2の受球面3は軽量且つ柔軟な素材で形成し、第1の受球面2が捕球時のボールの衝撃と圧力により第2の受球面3側に押された際に、柔軟に外縁が内側に引っ張られるように形成することが肝要である。そのためには、第1の受球面2と第2の受球面3のそれぞれの張力を変えて形成することも可能である。また、隙間5の大きさの度合いによって閉まる度合も異なるため、ポジションやプレースタイルによって隙間5の大きさは適宜変更できる。また、隙間5は、クッションの役目を果たすことができ、受球時の掌の痛みやしびれを防止することもできる。
【0017】
図4は、本発明の捕球用具1に手を入れたときの断面図である。第1の受球面2、第2の受球面3、隙間5から構成される。隙間5は、押す力、引っ張る力を生み出すことと、補給時の衝撃を和らげるクッションの役目を果たすことと、さらには補球時の音を響かせるという役割を持っている。音は、空気が振動することにより発生するものであるから、隙間5は大きく形成し空気室様の役割を果たすようにする。捕球時の衝撃と圧力により空気に振動を起こさせることで、本発明の捕球用具1で捕球した際には快音を発生させることができる。日本では、ピッチャーが投げた球をいい音で捕球してくれるキャッチャーが好まれると言われている。また、ピッチャーは投げた球の捕球音によって、自分の状態を知ることができ、いい音が出た時には集中力が向上するとも言われている。捕球時の捕球音は、野球、ソフトボールのパフォーマンスを上げる上で非常に重要な要素となっている。
【0018】
図5は、本発明の捕球用具1の第2の実施例である。本発明の捕球用具1、第1の受球面2′、第2の受球面3から構成される。第1の受球面2′は、第2の受球面3より小さく形成する。第1の受球面2′の指袋側の外縁は、ボールを円滑に捕球できるように各指の第2関節程度の位置に設定することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0020】
野球、ソフトボールの捕球用具において、ピッチャーの集中力を高め、また捕球の際に落球のミスを軽減する捕球用具を提供する。
【符号の説明】
【0021】
1 捕球用具
2 第1の受球面
2′ 第1の受球面の第2の実施例
3 第2の受球面
4 ウェブ
5 隙間
図1
図2
図3
図4
図5