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特開2017-140841フレアアプリケーションのための改良されたプリフォーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-140841(P2017-140841A)
(43)【公開日】2017年8月17日
(54)【発明の名称】フレアアプリケーションのための改良されたプリフォーム
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/06 20060101AFI20170721BHJP
   B29C 49/22 20060101ALI20170721BHJP
   B29C 45/16 20060101ALI20170721BHJP
   B29B 11/14 20060101ALI20170721BHJP
   B65B 3/02 20060101ALN20170721BHJP
【FI】
   B29C49/06
   B29C49/22
   B29C45/16
   B29B11/14
   B65B3/02
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2017-27945(P2017-27945)
(22)【出願日】2017年2月17日
(62)【分割の表示】特願2013-544876(P2013-544876)の分割
【原出願日】2011年12月19日
(31)【優先権主張番号】61/459,712
(32)【優先日】2010年12月17日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】509103532
【氏名又は名称】ディスペンシング・テクノロジーズ・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Dispensing Technologies B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(72)【発明者】
【氏名】ウィルヘルムス・ヨハネス・ヨセフ・マース
(72)【発明者】
【氏名】ペトルス・ランベルトゥス・ウィルヘルムス・フルクマンス
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・エス・ハリーバ
【テーマコード(参考)】
3E118
4F201
4F206
4F208
【Fターム(参考)】
3E118AA02
3E118AB14
3E118BA09
3E118CA20
4F201AA03
4F201AA24
4F201AH55
4F201BA03
4F201BD06
4F201BM05
4F201BM13
4F206AA03A
4F206AA24
4F206AA29
4F206AG03
4F206AG07
4F206AH55
4F206JA06
4F206JB12
4F206JB13
4F206JB28
4F208AA03
4F208AA24
4F208AA29
4F208AG03
4F208AG07
4F208AH55
4F208AP05
4F208LA08
4F208LG03
4F208LG06
4F208LG28
4F208LG29
4F208LH06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フレアとフレア型アプリケーションのために改良されたプリフォームを提供する。
【解決手段】内層と外層が互いに接着しない二つの異なる材料で、頂部と底部が結合された形状となるように、2成分射出成型プロセスによってプリフォームを作成する。又は、内層と外層に同種材料を用いるときは、内層プリフォーム(又は外層プリフォーム)を一次成形し、次いで非粘着性材料を該プリフォームの外面(又は内面)に塗布し、塗布後のプリフォームを型内に挿入してインサート成形するプリフォーム。前記プリフォームは液体分配装置の為のプリフォームであり、前記内層と外層が、前記プリフォームの底部と頂部おいて、接着されているプリフォーム。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体分配装置のためのプリフォームであって、
内層と、
外層と、
を含み、
前記内層と前記外層は、前記プリフォームの底部と頂部においてシール可能に接着される、
プリフォーム。
【請求項2】
前記外層が一体成形された圧力解除メカニズムを備えることで、前記外層が押圧されたときに前記内部容器と前記外部容器の間の圧力が解除される、請求項1に記載のプリフォーム。
【請求項3】
前記内層および前記外層は、(a)同一材料または(b)異なる材料のいずれか一つから作られる、請求項1に記載のプリフォーム。
【請求項4】
(a)前記内層と前記外層の両方がPETから作られるか、(b)一つの層がPETで作られており他の層がポリオレフィンから作られるか、(c)前記内層がポリオレフィンから作られ、前記外層がPETから作られるかのいずれか一つである、請求項3に記載のプリフォーム。
【請求項5】
前記内層および前記外層は2成分射出成形によって作られる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリフォーム。
【請求項6】
前記二つの層が同じ材料から作られる場合または実質的に同じ成形温度を有する場合、非粘着性コーティングは、他の層を成形する前に、成形する予定の前記第1の層の少なくとも一部に塗布される、請求項5に記載のプリフォーム。
【請求項7】
前記外部プリフォームが最初に成形される場合、前記非粘着性コーティングは前記外層の内側に塗布され、前記内部プリフォームが最初に成形される場合、前記非粘着性コーティングは前記内層の外側に塗布される、請求項6に記載のプリフォーム。
【請求項8】
ピストンフレア型ボトルが希望される場合、前記非粘着性コーティングが成形予定の前記第1のプリフォームの下部のみに塗布される、請求項7に記載のプリフォーム。
【請求項9】
前記内層と前記外層は前記2成分射出成形プロセスの終了時に前記ネック部と前記底部で互いに接着される、請求項5に記載のプリフォーム。
【請求項10】
前記外部容器が最初に成形され、前記外部容器の前記底部の中心に穴が残され、前記内部容器が前記穴へ射出成形される、請求項5に記載のプリフォーム。
【請求項11】
前記外部容器が最初に成形され、前記外部容器の前記底部の中心に穴が残され、前記内部器が前記穴へ射出成形される、請求項5に記載のプリフォーム。
【請求項12】
前記内部容器が最初に成形され、前記内部容器の前記底部に穴が残され、前記外部容器が前記内部容器上へオーバーモールド成形される、請求項5に記載のプリフォーム。
【請求項13】
前記内部容器の前記底部の前記穴が前記外部容器の内側底部からの垂直突起によってふさがれこれによって前記二つの容器を接合する、請求項12に記載のプリフォーム。
【請求項14】
前記内部容器はポリオレフィンおよびポリアミドのいずれか一つから作られる、請求項5に記載のプリフォーム。
【請求項15】
前記内部容器は前記外部容器に対して定義された収縮率で縮むように構成されている、請求項5に記載のプリフォーム。
【請求項16】
前記内部容器を製造するための材料、前記内部容器が前記外部容器に相対して受ける収縮度、これにより前記内部容器が耐えられる付随的高温充填最大温度が、所与のアプリケーション、使用方法、または使用範囲に応じて設計される、請求項15に記載のプリフォーム。
【請求項17】
前記ネックが4ラグバヨネット仕上げを有している、請求項5に記載のプリフォーム。
【請求項18】
前記ラグのうちの二つが引込み構造を有している、請求項17に記載のプリフォーム。
【請求項19】
前記ラグはカバーが取り付けられるときにカバーが回り過ぎるのを防止するように構成されているエンドリブを有している、請求項17に記載のプリフォーム。
【請求項20】
前記二つのラグは取り付けられたカバーを外すために必要最小限の力を生成するように構成されている戻り止めリブを有している、請求項18に記載のプリフォーム。
【請求項21】
前記戻り止めリブは、キャップやふたが外れないように前記ネックから更なる量だけ径方向外側に突出している、請求項20に記載のプリフォーム。
【請求項22】
第1の材料から作られた外層と、第2の材料から作られた内層と、を含むプリフォームをブローしてボトルに形づける方法であって、
前記第1の材料に対して最適なブロー温度範囲を決定するステップと、
前記第1の材料に対して最適なブロー温度範囲を決定するステップと、
を含み、
これらの温度範囲がオーバーラップしない場合、
各材料の前記最適ブロー温度範囲がオーバーラップするように一つまたは両方の材料を調節するステップと、
調節に応じて、前記ブロー温度を前記二つの範囲のうち狭い方の範囲の中間温度になるように設定するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、「フレアアプリケーションのための改良されたプリフォーム」と題され、2010年12月17日に提出された米国特許仮出願61 /459,712号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、ブロー(吹込み)成形および分配技術に係り、より詳細には、フレア(Flair)およびフレア型の液体分配システムにおいて使用するための新型のプリフォーム(予備成形品)に関する。
【背景技術】
【0003】
本出願の譲受人、ディスペンシング・テクノロジー有限責任株式会社(Dispensing Technologies,B.V.)(ヘルモンド、オランダ)によって開発販売されているフレア技術は、例えば、液体などの製品を分配するための「bag in bag(袋の中の袋)」、即ち、内部容器と外部容器から成るシステムを利用している。これらの二つの容器はプラスチック製のプリフォームから起こされ、その後、ブロー(空気吹込み)によって仕上りサイズに成形される。この二つの容器、即ち、二つのプリフォームシステムは、場合によっては、「2層(バイレーヤ)」容器またはプリフォームとして知られている場合もある。従って、内部プリフォームおよび外部プリフォームが提供され、これらは、いったんブローされて仕上がりサイズに成形されると、内部容器および外部容器になる。内部プリフォームおよび外部プリフォームは、同一の材料、例えば、ポリオレフィンなどの同一材料から製造することができ、または、異なる材料、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)とポリプロピレン(PP)などのポリオレフィンから製造することができる。
【0004】
フレア(Flair)技術は、例えば、内部容器と外部容器の間にある一定の圧力を維持するために、空気などの変位媒体を利用する。この変位媒体が内部容器の内部に収容された液体が分配されるときに内部容器を収縮させ、液体が外気や環境に常に接触する必要性を排除する。二つのフレアの容器はそれらの頂部と底部で接合され、2容器間に変位媒体が入りまたは吸い上げる通路が提供される。これらの要素の作成および提供はプリフォームの製造中に行う必要がある。
【0005】
内部プリフォームと外部プリフォームは同一材料または異なる材料から製造されるが本質的に同等の成形温度を有する場合、これらの二つのプリフォームは互いの界面に沿って溶着されないように特に配慮する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
更に、いくつかの状況において、二つのプリフォームは斬新かつより効率的な方法で成形することができる。
【0007】
プリフォームを成形するための様々に改良された方法のみならず、異なる内容物に応じた斬新なデザインおよびバリエーションを提示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
フレアとフレアタイプのアプリケーションのために改良されたプリフォームを提供する。本発明の例示的な実施形態において、互いに接着しない二つの異なる材料がプリフォームを作るために使用される場合、次に、このようなプリフォームは、同じ金型を用いて、2成分射出成型プロセスによって作ることができる。このような例示的な実施形態において、最初に外部プリフォームが形づけられ、その後、内部プリフォームが外部プリフォームの底部に設けられた中心穴を通して成形することができる。その後、二つのプリフォームは互いに接着される。二つの材料はPETとポリオレフィンのように互いに異なることもあれば、または、例えば、第2のプリフォーム層の成形中に二つの材料の相互接着を避ける工程がとられる場合は、二つの材料はPET/PETなどの同一であることもある。このようなプロセスにおいて、非粘着性コーティングを、第2のプリフォームが第1のプリフォームに接触する、両プリフォームに介在する表面へ噴霧することができ、このような塗布の後、2C(2成分射出成形)プロセスにおいても、第2の容器を成形することができる。本発明の様々な例示的な実施形態において、製造順序は外部プリフォームの後に内部プリフォームでもよいし、内部プリフォームが先で外部プリフォームが後であってよい。外部プリフォームが先でその後に内部プリフォームを製造する場合、非粘着性コーティングは第1の成形された外部プリフォームの内側に噴霧され、その後に内部プリフォームが成形される。その逆の場合、非粘着性コーティングは第1の成形された内部プリフォームの外側に噴霧され、その後に外部プリフォームが成形される。本発明の例示的な実施形態において、内部容器を製造するための材料、内部容器が外部容器に相対して受ける収縮度、このために内部容器が耐えられる付随的高温充填最大温度のすべてを所与のアプリケーション、使用方法、または使用範囲に応じて設計することができる。
【0009】
米国特許や出願ファイルがカラーで作成された少なくとも一つの図面(PCT出願おいて、適用不可能)を含むことに留意されたい。カラー図面を含む本特許または本特許出願公開の写しがご要望であれば、代金と引き換えに、米国特許庁から入手できます。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の例示的な実施形態による、空気弁を有する器具のために、容器内に空気弁を設けない場合の例示的な2層ボトルとプリフォームを示す図である。
図2】本発明の例示的な実施形態による、ボトルと空気弁との間に確実な接着を有する、例示的な2層ボトルを示す図である。
図3】本発明の例示的な実施形態による、空気圧解除メカニズムを設けた、例示的な2層ボトルを示す斜視縦断面図である。
図3A】本発明の例示的な実施形態による、オーバーモールド成形プロセスを用いて形成された、空気弁を設けない場合の例示的なプリフォームを示す図である。
図3B】本発明の例示的な実施形態によるプリフォームからボトルにブローするプロセスを示す図である。
図3C】本発明の例示的な実施形態による、空気弁を設けない場合の例示的なボトルの様々な細部を示す図である。
図3D図3Dに示したように、線C−C、D−D、およびE−Eに沿って細部を示す拡大断面図である。
図3E】本発明の例示的な実施形態によるプリフォームから形成されたボトル内の層分離プロセスを示す図である。
図3F】本発明の例示的な実施形態による、給気装置の嵌合部に接触している内層の押しピンを示す図である。
図3G】押しピンによって作成された穴を介して給気装置から付与される正圧を取り入れることによる層解除の初期段階を示す図である。
図3H】押しピンによって作成された穴を介して給気装置から付与される正圧を取り入れることによる層解除の初期段階を示す図である。
図3I】層が分離された後で、給気装置がどのようにして低圧に移行して内層を外層の形状や外郭に追従させるかを示す図である。
図3J図3Jは、ボトル内の層分離を説明する図である。
図3K図3Kは、ボトル内の層分離を説明する図である。
図3L】本発明の例示的な実施形態による、層分離プロセスの最終結果を示す図である。
図4】本発明の例示的な実施形態による、PET/PETの圧着ネック型プリフォームのための例示的な内部プリフォームおよび外部プリフォームであり、両プリフォームの頂部がスピン溶接されることで互いが接着されることを示す図である。
図4A】本発明の例示的な実施形態による、標準フレアシステムのためのPET/PETプリフォームの外層と内層を示す図である。
図4B】本発明の例示的な実施形態による、標準フレアシステムのためのPET/PETプリフォームの外層と内層を示す図である。
図4C図4Aおよび4BのPET/PETプリフォームのために内層がどのようにして外層内へ組み立てられているかを示す図である。
図4D】本発明の例示的な実施形態による、中心ピンの超音波変形により内層がどのように外層に接着されるかを示す図である。
図4E図4のPET/PETプリフォームに関連して使用される一方向弁を示す図である。
図4F図4のPET/PETプリフォームに関連して使用される一方向弁を示す図である。
図4G】本発明の例示的な実施形態による、図4Eと4Fの一方向弁の図4Aおよび4BのPET/PETプリフォームに対する接着を示す図である。
図5】本発明の例示的な実施形態による、組込み空気弁を有する器具に接着される際の例示的な2層プリフォームのアセンブリの工程を示す図である。
図5A】例示的な電源コネクタが有る場合とない場合の例示的なプリフォームの細部を示す拡大図である。
図6】本発明の例示的な実施形態による、PET/PPプリフォームの製造における二つの段階を示す図である。
図6A】本発明の例示的な実施形態による、回転を避けるためにフックを有する標準フレアアプリケーションにおいて使用するPET/PPプリフォームの2C成形における第1の工程を示す図である。
図7】本発明の例示的な実施形態による、PET/PPプリフォームの製造における二つの段階を示す図である。
図7A】PET/PEPの小型標準バヨネットプリフォームの2C成形における第2の工程を示す図である。
図7B図6A図7Aのプリフォームの内層と外層との間に密封接着を得るための方法および幾何学的形状を示す図である。
図8】本発明の例示的な実施形態による、PET/PETプリフォームの製造における二つの段階を示し、外層が最初に成形されるときの図である。
図8A】本発明の例示的な実施形態による、回転を避けるためにフックを有する標準フレア2CPET/PEPプリフォームの外層を成形する第1の工程を示す図である。
図9】本発明の例示的な実施形態による、PET/PETプリフォームの製造における二つの段階を示し、外層が最初に成形されるときの図である。また、層間に非粘着性コーティングを付着させる図である。
図9A】層間に非粘着性コーティングを付着させる図である。
図10】本発明の例示的な実施形態による、PET/PETプリフォームの製造における二つの段階を示し、外層が最初に成形されるときの図である。
図10A】標準フレアバヨネット2CPET/PEPプリフォームの内層を成形する第2の工程を示す図である。
図11】本発明の他の例示的な実施形態による、PET/PETプリフォームの製造における二つの段階であり、最初に内層が成形され次に非粘着性コーティングが2層間に付着されることを示す図である。
図12】本発明の他の例示的な実施形態による、PET/PETプリフォームの製造における二つの段階であり、最初に内層が成形され次に非粘着性コーティングが2層間に付着されることを示す図である。
図13】本発明の他の例示的な実施形態による、PET/PETプリフォームの製造における二つの段階であり、最初に内層が成形され次に非粘着性コーティングが2層間に付着されることを示す図である。
図14】本発明の他の例示的な実施形態による、PET/PETプリフォームの製造における二つの段階であり、最初に内層が成形され次に非粘着性コーティングが2層間に付着されることを示す図である。
図15】本発明の例示的な実施形態による、「OpUs(オーパス)」タイプの噴霧器に使用可能なバヨネットネック仕上げを有する例示的なプリフォームを示す図である。
図16】本発明の例示的な実施形態による、「OpUs(オーパス)」タイプの噴霧器に使用可能なバヨネットネック仕上げを有する例示的なプリフォームを示す図である。
図17】本発明の例示的な実施形態による、圧着ネック仕上げを有する例示的なPET/PPプリフォームを示す図である。
図18】本発明の例示的な実施形態による、空気弁と浸漬管を備えた圧着ネックを有する例示的なプリフォームを示す様々な図である。
図19】本発明の例示的な実施形態による、例示的なプリフォームがどのようにブローされて様々なタイプのボトルに形づけられるかを示し、扁平型の底部に対して例示的な寸法が付与されている、図である。
図20】本発明の例示的な実施形態による、「ピストンフレア」型PET/PETプリフォームを2C成形するための例示的なプロセスを示す図である。
図21】本発明の例示的な実施形態による、「ピストンフレア」型PET/PETプリフォームを2C成形するための例示的なプロセスを示す図である。
図22】本発明の例示的な実施形態による、「ピストンフレア」型PET/PETプリフォームを2C成形するための例示的なプロセスを示す図である。
図23】本発明の例示的な実施形態による、「ピストンフレア」バヨネット型のPET/PETプリフォームを2C成形するための他の例示的なプロセスを示す図である。
図24】本発明の例示的な実施形態による、「ピストンフレア」バヨネット型のPET/PETプリフォームを2C成形するための他の例示的なプロセスを示す図である。
図25】本発明の例示的な実施形態による、「ピストンフレア」バヨネット型のPET/PETプリフォームを2C成形するための他の例示的なプロセスを示す図である。
図26A】本発明の例示的な実施形態による、一方向弁を有するプリフォームを示す図である。
図26B】本発明の例示的な実施形態による、一方向弁を有するプリフォームを示す図である。
図26C図26Aのプリフォームにおける低圧および高圧の状態を各々示す図である。
図26D図26Aのプリフォームにおける低圧および高圧の状態を各々示す図である。
図26E図26Aのプリフォームから作られたボトルの非補充機能を示す図である。
図26F図26Aのプリフォームの底部に一方向弁を取り付けるときの細部を示し、プリフォームにおいて層解除ボタンを用いる、図である。
図26G図26Aのプリフォームの底部に一方向弁を取り付けるときの細部を示し、プリフォームにおいて層解除ボタンを用いる、図である。
図26H図26Aのプリフォームの底部に一方向弁を取り付けるときの細部を示し、プリフォームにおいて層解除ボタンを用いる、図である。
図27A】本発明の例示的な実施形態による、3ラグバヨネットスナップオンネック仕上げを示す図である。
図27B】本発明の例示的な実施形態による、3ラグバヨネットスナップオンネック仕上げを示す図である。
図27C図27Aおよび27Bのネックにおける様々な構造を示す上面図である。
図27D】本発明の他の例示的な実施形態による、4ラグバヨネットスナップオンネック仕上げとその細部を示す図である。
図27E】本発明の他の例示的な実施形態による、4ラグバヨネットスナップオンネック仕上げとその細部を示す図である。
図27F図27Dの4ラグバヨネットスナップオンネック仕上げの様々な構造の関連性を示す上面図である。
図27G図27Dの4ラグバヨネットスナップオンネック仕上げの例示的なラグ上のスナップオンフック用の引込線の細部を示す図である。
図27H】本発明の例示的な実施形態による、例示的な4ラグバヨネットスナップオンキャップを示す図である。
図27I】本発明の例示的な実施形態による、例示的な4ラグバヨネットスナップオンキャップを示す図である。
図27J】本発明の例示的な実施形態による、4ラグバヨネットネック仕上げを設けたフレア型ボトルに図27Hおよび27Iの4ラグバヨネットキャップを取り付けるための原理を示す図である。
図27K図27Jの各画像をより明確に図示した拡大図である。
図27L図27Jの各画像をより明確に図示した拡大図である。
図27M図27Jの各画像をより明確に図示した拡大図である。
図27N】本発明の例示的な実施形態による、4ラグバヨネットキャップの原理を示す図である。
図27O】本発明の例示的な実施形態による、(全4ラグ上の)「エンドリブ」および(2ラグ上の)「戻り止めリブ」の特徴を示す図である。
図27P】本発明の例示的な実施形態による、キャップのフックがネックのラグと連動している状態を細部に示す4ラグバヨネットキャップの原理を示す図である。
図27Q】スナップオン機能の更なる細部を示す図である。
図27R】スナップオン機能の更なる細部を示す図である。
図27S】スナップオン機能の更なる細部を示す図である。
図27T】離脱可能なスナップオンが完了したときの例示的なキャップおよびボトルネックを示す図である。
図27U】離脱不可能なスナップオンが完了したときの例示的なキャップおよびボトルネックを示す図である。
図28A】ブローされてボトルに形づける準備をするために加熱炉内で回転している例示的なプリフォームを示す図である。
図28B】本発明の例示的な実施形態による、例示的なプリフォームのための完全にブローされたボトルと、底部コーナ部分の細部を示す図である。
図28C】本発明の例示的な実施形態による、プリフォームの外層と内層として各々使用される二つの例示的な材料に対する可塑化曲線の比較図である。
図28D】可塑化曲線が整列するように材料「B」(内層)を変更した後の図28Cの比較図である。
【発明の詳細な説明】
【0011】
容器のアプリケーションに含まれる様々な容器のためのプリフォーム(予備成形品)は内層および外層を有している。従来、これらの層は個別に成形され、その後、多くの場合、分離プロセスにおいていくつかの手段によって結合され取り付けられ、多くの場合、プリフォームをフルサイズまでブローする(空気を吹込む)エンティティ(構成要素)によって実行されることが多い。しかし、このやり方はあまり効率的ではない。つまり、プリフォームの製造が完成品を製造しないこと、および、プリフォームを使用できるようにするためには実際にプリフォームを接合するために更なる処理ステップが必要とされること、が理由である。フレア(Flair)および同様の「バッグ・イン・バッグ(袋の中の袋)」分配技術の場合、内部容器から液体が漏れてこの液体が外気または周囲に接触しないように内部容器は外部容器に対してシールされなければならないことに留意されたい。
【0012】
本発明の例示的な実施形態において、互いに接着しない二つの異なる材料が、例えば、PET/PPなどのプリフォームを作るために使用される場合、このようなプリフォームは、同一の金型を使用して、2成分射出成形プロセス(「2コンポーネント(成分)」すなわち「2C」プロセスとしても知られており、本明細書中でも同様に使用する)によって製造することができる。このような例示的な実施形態おいて、最初に外部プリフォームが形づけられ、次に内部プリフォームを外部プリフォームの底部内部または同底部に設けられた中心穴を通して成形される。2成分射出成形のおかげで、二つのプリフォームは底部と頂部において互いに接着される。このような2成分射出成形(2C)プロセスはより効率的に行う。更に、両層が同じ材料、例えば、PET/PETを含むプリフォームを希望する場合、後述するように、例えば、2C金型の間に非粘着性のコーティングを塗布するなどして、内部容器の外部容器への接着を防止するために適切な工程を取った上で、2Cプロセスを用いてプリフォームを製造することができる。
【0013】
或いは、二つのプリフォームは別体で成形することができ、溶接、圧着などを含むさまざまな使用可能な接着プロセスによって接着することができる。すべてのこのようなプロセスにおいて、更なる処理工程を用いずにブロー準備を整えた完成プリフォームが得られる。次に、様々なこのような改良された方法および特徴について図面を参照して説明する 。
【0014】
図1は、本発明の例示的な実施形態による、例示的な2層ボトル(左の画像)およびプリフォーム(右の画像)を示している。このボトルとプリフォームは、ボトルが接着される予定の器具(図中、「機器」と呼ばれる)に一体化された空気弁を設けることができるので、一体化された空気弁を含まない。ボトルは頂部と底部で狭持され、分配装置内で完全にシールされる。
【0015】
図2は、(2リットルのソーダ用ボトルにおいて使用されるタイプの)ペタロイド底部を有する例示的な2層ボトルを示し、ボトルとボトル底部に接着された空気管との間の接着が確実であることが必要であることを示している。左画像は、ボトルの底部において内部容器が外部容器にどのように溶接されるかを示している。ボトルの2層間で維持される圧力があるので、いったん器具の頂部が開口されると、(これにより弁が液体を収容しないため)、圧力が解除されない場合は内部ボトルの中の液体は飛散する。従って、例えば、ボトル交換のために、ボトルを離脱させるとき、その圧力を解除するためのメカニズムが必要とされる。上述したように、これらのボトルは空気コネクタを有さないことから、この空気圧は、逆ポンピングしたりポンプ弁を外気に開口したりするだけでは簡単に解除されない。ボトルの頂部に閉口弁がなく、弁が器具の中にある場合、液体の飛散を回避するには、ボトルを器具から取り出す前にボトルの2層間の空気を解除する必要がある。
【0016】
図3はこの課題の解決策を提供する。図3は本発明の例示的な実施形態による、空気圧解除メカニズムを備えた例示的な2層プリフォームを示す斜視縦断面図である。このメカニズムは、プリフォームの外層の一部として外層に取り付けられている。図3に見られるように、外部プリフォームはその底部において「U」字形スリットとともに中心穴を有している。内層が成形される際、図3の中央画像に見られるように、内層は穴を貫通して突出し、図示したように、穴の下の凹み(インデント)を埋める。(図2に示したように)ボトルを器具から取り外す前に、ユーザは単に、(図3に灰色で示した)外部プリフォームに内設された「プッシャ」、即ち、空気解除メカニズムを押せばよい。外部容器のU字形スリット部分が「U」字の頂点部分で「プッシャ」を押すことにより中心突起において内部容器に装着されるとすると、内部プリフォームと外部プリフォームの間の空気圧が解除され、空気のトラップが防止される。図3の最右側の画像に示したように、この空気はボトルの容器同士の間の気圧よりも高いので、空気は単純に空気取込み口から流れ出る。
【0017】
空気圧解除メカニズムは他の機能も備えている。空気圧解除メカニズムは、ブロー後に外部容器から内部容器を離脱させるために、プリフォームに空気を吹き込みボトルに形づけた後に、押圧することができる。成形時、各キャビティ(空洞)のゲート開閉部付近の温度は、材料が空洞に入ると、温度が他の材料の溶融温度近くまで上昇し、その後内層の軟質部分が外層に粘着することに起因してますます高くなる。ボトルがブロー成形されると、ボタンを押すことによって、内袋が外袋から離脱され、空気や他の変位媒体に容器間の隙間に入ることができ、袋の中の袋、即ち、「フレア」技術が実行し易くなる。図3Aは、図3に示したものと同様に空気弁のないプリフォームの細部を示している。図3Aを参照するに、底面斜視図(a)と、2本の線を示し右側にこれらの2本の線による断面を示す底面断面図(b)と、を示す。線A−Aによる断面図に見られるように、(c)は、図3のプッシャの変形例、即ち、中心軸線の片側のみに見られるプッシュピン突起部を示す。このようなプッシュピンは一つのポイントに力を集中するので、容易に層分離の導入部分になる。プッシュピンも小さいので、内部容器の一部を構成していれば、成形し易い。(二つの通気孔の間に示されている)他の円形構造は、機能的というより、成形プロセスで使用されるゲート外形にすぎない。(b)は更に二つの通気孔を示し、そのうちの一つの通気孔の中心コネクタの右側のB‐B線よる断面図を図3A(d)に示す。
【0018】
図3Bは、図3のプリフォームがどのようにブローされてフルサイズのボトルを生成することができるかを示している。この場合、ネックと底部の中心はそのままそれらのプリフォームのサイズのままであるが、プリフォームの他の部分はフルサイズまで空気を吹き込まれる。図3Cは空気を吹き込まれてボトルに形づけられた図3Aと同じプリフォームを示している。このボトルは、後述するように、空気弁が器具に内設されており、空気弁を備えていない。図3C(a)および(e)は多数の線を提供し、これらの線による断面図を図3Cの(b)、(c)、および(d)に示し、各々の拡大図を図3Dに示す。
【0019】
図3Dは、図3Cの線C−C、D−D、およびE−Eによる底部細部拡大断面図である。これを参照すると、図3D(b)(および図3C(e)および3(c))はブロー成形金型のディンプル(凹み)を示している。外層はこの形状に追従し内層は収縮後に弛緩する。この機能は、空隙を生成することによって、いったん内層が収縮すると、二つの層の層分離を促進し、空気を迅速に逃がす必要が生じたときに内層の外層に対する「ブロック」(シール)を回避する。図3D(c)は、上記したように、内層と外層の間に空気を取り込むための二つの空気取入れ口または通気孔のいずれかを示す。
【0020】
次に説明する、図3E図3Lは、ボトルがプリフォーム段階から完全に空気を吹き込まれた(ブローされた)ときに外層から内層を分離させるプロセスを示している。図3Eは、完全にブローされたボトルと、図3Aの線A−Aによる、プッシュピン形状の層分離装置を示すボトルの底部の詳細を拡大して示している。図3Fは、給気装置(「器具」の一部)がボトルの底部に取り付けられたときに内層のプッシュピンがボトル内へ押し上げられている状態を示している。
【0021】
図3Gは、給気装置が2層間の隙間に正圧を印加した時点でこれらの層がどのように分離されるかを示している。この圧力は、プッシュピンを押し上げることによりできた空間を通って、かつ、当然のことながら、通気孔を通って、流れる。図3Hは、このプロセスの続きを示しており、見ての通り、ライトグリーンの内層は外層(グレー)より盛り上がっている。従って、2層間に隙間ができる。一般に、層分離は、ブロー直後、ボトルが摂氏50〜60°Cまで冷えたときに、行われる。このプロセスも、待機することに不都合がなければ、ボトルが完全に冷えた時点で実行される。図31は、給気装置が低圧(部分真空)に移行してそれまで層を分離するために使用されていた空気を吸い戻している状態を示している。この状態は、内部容器にその完全に空気を吹き込まれた(ブローされた)形状を想定させそれによって運搬を含めて設計された山盛りの液体を完全に充填できるようにするために必要である。
【0022】
更に、マーケティングの観点からみると、内側のボトルがその完全な形状を有していない場合、使用および補充された場合に未経験に思えるので、望ましくない。図3Jは、図31に示したように処理の続きを示しており、内層はここで空隙のない外層の内部形状を想定しており、これらの層はまだ、分離可能な状態であることから、フレア機能性に基づいて動作する。図3Kは、層を分離するために導入される全ての空気を取り除くプロセスをまとめて示している。
【0023】
図3Lは、このプロセスの最終結果を示しており、ここでは、プッシュピンが外層内の穴に再度係止し隙間を閉じる。しかしながら、図3F図3Kに示した、層分離プロセスの場合、使用中に層分離が保証されており(フレアボトルはこの隙間が変位媒体で充填されることを必要とする)、よって、空気を迅速に解除する必要がある場合、内層が外層に対してブロックまたはシールすることを回避することができる。
【0024】
図4は、内部プリフォームと外部プリフォームの両方がPETから作られており、プリフォームが個別に成形され、その後、組み立てられる、例示的なプリフォームを示している。上部の接着は、例えば、埃などがコントロールされるクリーンルームタイプの設定において、スピン溶接によって生成された気密シールである。これらの例示的なプリフォームは圧着ネックを有し、家庭用生ビールシステムに使用することができる。更に、図4に示したように、内部および外部のプリフォームは、スピン溶接によって互いに接合される以外にも、後から平らになる内部容器からの突起部によって底部において互いに接合される。下部の接着は2C成形によって、或いは、例えば、超音波溶接によって行うことができる。更に、弁は、図4のプリフォームの底部およびより詳細には図5の最右側のイメージに示したように、二つのプリフォームの下に圧着することができる。この弁は、例えば、回転溶接や他の圧着技術を用いて取り付けることができる。
【0025】
図4A〜4Dは、図4に示した標準フレア型PET/PETプリフォームの更なる詳細を提供する(用語「標準フレア」は、内部容器の上部が外部容器の上部に圧着されることによって、その内容物を分配する時、内部容器がピストンに極めて似た動きでそれ自体に沿って折り畳まれる「ピストンフレア」とは対照的に、用いられる)。これらの図を参照するに、図4A(a)はプリフォームの外部容器を示す斜視図であり、図4A(b)は線A−Aを有する側面図であり、この線A−Aによる断面図を図4A(c)に示す。
【0026】
同様に、図4Bは内層を示している。底部には、図4に示したように、内部容器を外部容器に圧着するために使用されるプラグが目視でき、その側面図と、B‐B線に沿った断面図を示す。同様に、図4Cは、内部容器がどのように外層にアセンブルされるかを示している。このプロセスは、例えば、まず、内部容器を外部容器に差し込むことによって達成され、その後、押し下げられ、プリフォームの頂部において溶融部分が存在するようにスピン溶接され、これによって内層と外層が接着される。これについては、図 4C(c)および(d)に示した。内層の外層との接着は気密接着であることが必須である。或いは、2層は超音波溶接、ヒートスタンプなどによって接着され、気密接着であることが必須条件である
【0027】
図4Dは、内層と外層を互いに接着するために外層の底部から突出している内層の中心ピンがどのように変形していくかを示している。内層と外層の接着は、中心ピンの変形により、または、例えば、スピン溶接、超音波溶接、ヒートスタンプなどによる変形により、行われる。底部での接着は気密性でなくてよい。実際、給気装置がボトルに接着されるとき、様々な例示的な実施形態おいて、いくらかの空気がこのピン接着部を介して移動する。
【0028】
底部の一方向弁
図4E、4Fおよび4Gは、後述するように、例示的なプリフォームに関連して使用される一方向弁の細部を示している。図4Eに示したように、第1の工程は、プリフォームの外層にスピン溶接で接着するためにPET(ポリエチレンテレフタレート)の射出成形であり、第2の工程は、例えば、PETに化学的に接着されない(が、図4Fに示したように、TPE(熱可塑性プラストマー)部分の底部に機械的に取付けられる)軟質TPEであってよい。軟質材料は、次の二つの理由から使用される:(1)弁の良好なシール性、および、(2)(例えば、TPE部分の下側に接着する)給気装置に対して良好なシール性をもたらす。図4Gに示したように、一方向弁は、スピン溶接、超音波溶接、接着剤封止などを用いて例示的なプリフォームに接着することができる。
【0029】
図5は、空気弁を設けない場合の例示的な2層プリフォームだけを、空気弁に接続されているものとして、示している。空気弁は、例えば、(底部において紫色で示した)組込み空気弁を有する器具によって供給されるか、または、例えば、回転(スピン)溶接によって上記したようにプリフォームの底部に取り付けることができる。或いは、空気弁は、超音波溶接、接着剤封止などの入手可能な他の接着方法を用いて取り付けることができる。空気弁筐体と空気弁が、ボトル(ここではプリフォームとして示した)が挿し込まれる器具の一部である場合、このような器具は、図1に示したように、ボトルをシールする狭持システムを提供することができる。図5Aは、ポンプおよび空気弁を有する電源コネクタまたは電源パックがある場合とない場合における図5のプリフォームの細部を示している。
【0030】
標準フレア型PET/PPプリフォーム
図6図7は、その上部にバヨネット型接着で標準フレア装置と共に使用される例示的なPET/PPプリフォームの製造における二つの段階を示している。
【0031】
ここで、外部PETプリフォームが最初に成形され、その後、第2の工程において、ポリプロピレンなどのポリオレフィンから製造される内部プリフォームが成形される。これは2成分射出成形プロセスにおいて行うことができ、内部プリフォーム(青色)が外部プリフォーム(グレー)内の穴へ射出される(図7参照)。外部プリフォームの外側に内部プリフォームの小突起を残すことによってこれらのプリフォームが互いに装着される。図6Aは、ボトルに空気が吹き込まれ、回転によって装置を設置する時または取り外す時に内層の回転を回避するためにどのようにしてフックを使用するかを示している。
【0032】
従って、図7の真ん中の画像において、底部の中心にブルーの内部プリフォームの円形のディスク状突起が示されている。このディスク状突起は、底部において内部プリフォームを外部プリフォームに固定する。上述したように、例示的な外部プリフォームはその底部に組み込まれた「プッシャ」、即ち、圧力解除メカニズムを有している。このメカニズムは、プリフォームに空気が吹き込まれてボトルに形づけられると、作動するしくみである。
【0033】
図7に関連して、ここで、ボトルのネックを形成するために、例えば、ポリプロピレン製の内層が使用されることにも留意されたい。従って、この内層は、外部プリフォームのネックを覆ってオーバーモールド成形され、かつ、ブロー後に冷えていくうちにPP内部容器がより大きく縮むことによって、内部容器が「縮みラップ」効果を得て、外部容器を覆ってその付近を完全にシールする。図7Aは、内側のポリプロピレン層の細部を示している。図7Bは、2層間でタイトシール(密封)接着を得るためのその斬新な幾何学形状を強調している。内層と外層との間で気密接着を得るために、内層は、外部プリフォームを覆ってオーバーモールド成形される必要がある。収縮のせいで、射出成形された後の内層と外層は互いに密閉されない。しかしながら、図7Bに示したように、内層が外層を覆っている場合、ブロー後の2層間に気密シールが生成される。図示したように、最良の結果を得るために、図7に示したように、内層は、外層の突出リングを被覆するだけでなく、その代わり、少し下方に突出することで外層を覆うリングをやや距離をとって外層の上部終端の下方に移動させる。他の可能性のある接着として、超音波接着、接着剤封止などがある。
【0034】
フレア型ボトルに対して、PET/PPや同様の混合である内部容器材料/外部容器材料の他の特徴を可能にする内層と外層の間の収縮率の差は同じである。例えば、ペットボトルが、内袋としてPPまたはポリアミドを収容して、使用された場合、プリフォームがブローされ、内部容器と外部容器になり、これらが冷却された後、これらの容器は共に縮む。しかしながら、上述のように、内袋の方が収縮率は高い。したがって、外部ペットボトルと、例えば、PP袋、即ち、内部容器と、の間の間隙が広がる。よって、多くの場合、液体を冷却しなくても、所定の液体をボトルへ「ホットフィル(高温充填)」することが希望される。例えば、ジュース、ソース、香辛料などを高温充填するには、約80°C〜約120°Cの温度を有する液体が容器に充填される。
【0035】
これらの高温は容器の内部への充填とその消毒を同時に行うことができる。また、液体が高温状態で製造された直後でも、冷却領域または液体が冷えた時点でやっと充填されるまで全てのボトルを保管するなどの要件なしで、液体は瓶詰めされ出荷されることができる。ペットボトル内の製品の高温充填は、PET(ポリエチレンテレフタレート)が約60°Cより高いと変形するので、ペットボトルには不向きである。しかしながら、例えば、ポリプロピレンや他のポリオレフィン類や、例えば、様々なポリアミドなどの他の材料を内層に使用すれば、問題は解消する。上記材料の変形温度は、例えば、一般に、90°Cより高い。従って、このような製品は、例えば、図6〜7または図17に示したようなプリフォームから作られたポリプロピレン内袋へ高温充填することができる。このようなフレア型容器におけるPET外部ボトルとPP内袋との間の空気は熱絶縁体として作用するので、例えば、PP内袋は、例えば、PETから作られた外部容器に損傷を与えることなく、約90°Cまでの暖かいジュース、ソース、調味料などを充填することができる。本発明の例示的な実施形態おいて、正確な最大高温充填温度は、2層間の収縮率の差に依存し、これにより、2層間の空気や他の変位媒体によってもたらされる熱絶縁性に依存する。本発明の例示的な実施形態おいて、内部容器を製造するための材料、内層が外層に相対して受ける収縮率、およびこれを耐える付随的高温充填温度などの全ては、プリフォームの適切な設計と製造によって、所与のアプリケーション、使用方法や使用範囲に対して、設計することができる。
【0036】
標準フレア型2CPET/PETプリフォーム−最初が外層
図8図10は、本発明の例示的な実施形態による、例えば、PET/PETプリフォームなどの同一材料タイプから作られた例示的なプリフォームの製造における二つの段階を示している。図示した例示的なプリフォームは、「バヨネット」型ネック(分配ヘッドの「ラグ(突起)」すなわち水平突起部に嵌合するように内部容器の頂部に設けられた水平凹部、またはその逆)を有しているが、このプロセスは任意のネック型に同等に適用される。図8において、外層が、最初に、例えば、PETから成形される。その後、図9において、第2の層、即ち、内層が成形される前、とりわけ、二つの材料が同じである(よって同じ温度で溶融する傾向がある)ことから、非粘着性コーティングを外部プリフォームの内部表面に提供することができる。このような非粘着性コーティングは、例えば、噴霧され、オフセットされ、または、入手可能または希望される他の技術を用いて提供することができる。図8Aおよび図9Aはこれらのプリフォームの細部を示しており、図3A〜3Lの「プッシュピン」型層分離装置の変形を示している。プリフォームの内層と外層に対して同じ材料を有するかまたは同じ成形温度を有する異なる二つの材料を有する場合、最初に内部プリフォームを成形する方が有用であることに注目されたい。利点は、非粘着性コーティングが外部プリフォームより内部プリフォームの方がより簡単に的確に塗布することができることにある。
【0037】
最後に、図10に示したように、PETから作られた内層も成形することができる。
【0038】
2層間に非粘着性コーティングが塗布されているので、いったん変位媒体が2層間に導入されると、これらの層はその後分離される。図10Aは、図3A〜3Lのタイプの底部構造を有しているPET/PETプリフォームの内層の細部を示している。
【0039】
標準フレア型2CPET/PETプリフォーム−内層が最初

図11図14は、本発明の他の例示的な実施形態によるPET/PETプリフォームの製造における二つの段階を示している。ここで、図11に示したように、内層が最初に成形される。その後、図12において、第2の層、すなわち、外層が成形される前に、非粘着性コーティングが、内部プリフォームの外側表面へ噴霧されるか、そうでなければ、塗布、圧着または提供される。最終的に、図13に示したように、ここでも、PETから作られた外層が成形される。しかしながら、内層が最初に成形されており、図6図7における先に述べた場合のPET/PPプリフォームのように長形の突起円板を設けていないので、二つのプリフォームを共に取り付けるための変形手段が必要とされる。これについて、図14に例示した。
【0040】
よって、図14は2段階の装着プロセスを示している。まず、工程1(左画像)において、成形されるときに内部プリフォームの内層に穴が設けられる。その後、工程2(右画像)において、外部プリフォームが成形されるとき、内層を貫通して上方へ突出し内層のキャビティ内へ到着する突起を設けており、これが内部プリフォームの穴を閉成することで、二つのプリフォームが互いに接着される。
【0041】
図15は、本発明の例示的な実施形態による、バヨネットネック仕上げを有する例示的なプリフォームを示している。バヨネット型の閉成は水平の凹部と嵌合する水平ラグ(突起)を使用し、これによって分配器のキャップを外す際にキャップの回転が容易になる。これについては、図27に関連して以下により完全に説明する。
【0042】
図16は、図3に関連して上記したように外層に作り付けられているよく知られている圧力解除装置(「プッシャ」)を有する2C成形されたプリフォームを示している。図17は、本発明の例示的な実施形態による、圧着ネックを有する例示的なPET/PPプリフォームを示しており、図18は、本発明の例示的な実施形態による、空気弁と浸漬管を備えた、圧着ネック仕上げを有する例示的なプリフォームを示す様々な図である。
【0043】
図19は、例示的なプリフォームがさまざまなボトルタイプにどのようにブローされるかを示し、図示するために例示的な寸法を採用した。本発明の例示的な実施形態による、例示的なプリフォームは、様々な形状やフルサイズのボトルや容器に応じてブロー(空気吹込)されることができる。例えば、ボトルの底部は扁平でも丸形でもよい。図示した実施例において、扁平または「シャンパン」タイプのボトルの底幅が55mm、曲率R4でのコーナ径が4mmであり、図示したように、ボトルの底はプリフォームのベース高さより2mm下方に垂直に突き出ている。
【0044】
ピストンフレア型2C PET/PETプリフォーム−最初に外層
図20図22は、本発明の例示的な実施形態による、「ピストンフレア」型PET/PETプリフォームを2C(2成分射出)成形するための例示的なプロセスを示している。ピストンフレアシステムは、プリフォームの上部で内部プリフォームと外部プリフォームの間の接着を利用し、完成ボトルを得る。従って、変位媒体が層間に入ったとき、内層は、分配ヘッドに向かって押し上げられ、ピストンと極めて似た動作により内層自体が外部容器の壁に沿って上方移動するように折り畳まれる。ピストンフレアシステムはその開示内容が参照することで本明細書中に組み込まれている米国公開特許出願第2011/0024450号に記載されている。従って、「それ自体が折り畳まれるピストン効果」を達成するために両層の上部が互いが接着されることが望まれる場合、非粘着性コーティングは「ピストンフレア」プリフォームの底部に対してのみ必要とされる。
【0045】
この実施例において、外部プリフォームが最初に成形され、非粘着性コーティングは内部/外部界面の底部にのみ塗布される。その後、内部プリフォームが成形され、非粘着性コーティングは層間に提供されるが、プリフォームの底部においてのみ提供されるという、図22に示した最終結果が得られる。上述したように、一つが同じ二つの材料を有する場合、または同じ成形温度を有する二つの材料を有する場合、内部プリフォームを最初に成形する方が有利となる。利点は、外部プリフォームの内側へ付着するより内部プリフォームの外側へ非粘着性コーティングを的確に付着する方がより簡単であるということにある。
【0046】
ピストンフレア型2C PET/PETプリフォーム−最初が内層
従って、図23図25は、本発明の例示的な実施形態による「ピストンフレア型バヨネット」タイプのPET/PETプリフォームを2C(2成分射出)成形するための他の例示的なプロセスを示している。ここで、図23に示したように、内部プリフォームが最初に成形され、その後、図24に示したように、非粘着性コーティングが内部プリフォームの外側に噴霧される。図25に示したように、その結果は、図20図22の実施例と同じであったが、図21に示したように、前回の場合の噴霧装置/ロボットの運動の自由度にもよるが、内部プリフォームの外側へ非粘着性コーティングを的確に付着する方が外部プリフォームの内側へ付着するより簡単であるのであれば、多くの場合、内部プリフォームの外側へ非粘着性コーティングを噴霧することが好ましいとされる。
【0047】
一方向弁を有するプリフォーム
図26A〜26Hは、本発明の例示的な実施形態による、一方向弁を有する例示的なプリフォームを示している。図26Aを参照するに、弁が取り付けられたプリフォームの断面図が示されており、同じ図が、図26A(b)にも再現され、図中、細部は「詳細A」と表記されている(これ以降の図においても同様に表記される)。図26A(c)および図26(d)は、底面を示すために垂直および水平に立てた状態のプリフォームを示す側面図である。同様に、図26A(e)は、断面を描くための二つの線A−AとB−Bを有する拡大底面図である。
【0048】
図26Bは、図26A(b)に示されている「詳細A」領域の拡大図である。同図は、使用後にボトルが補充されるのを回避するために使用後にプリフォームに一方向弁を設けることが可能であることを示している。このような弁は、例えば、軟質プラスチックの揚げ板である。軟質プラスチックの揚げ板の例としては、スピン溶接によってプリフォームに接着されるPET弁座に受け止められるゴム状円板、TP(熱可塑性)、または、PE(ポリエチレン)などがある。図26C〜26Eはこの一方向弁の機能を示している。図26Cを参照するに、ボトルに低圧がある場合、二つの層は(上記のように、プリフォームの内層および外層に対応している内部容器と外部容器となって)分離し、空気は底部において周囲空気から一方向弁を介して流れ込み、底部において矢印で示したように、フレアシステムを作動させる(二つの容器間の変位媒体)。
【0049】
図26Dは、逆の状態、即ち、ボトルに高圧がある場合にどうなるかを示している。この場合、層間の空気は(底部に矢印で示したように)底部を介して戻ろうとするが一方向弁がこの空気の流れをブロックする。この原理は、「スクイズフレア(Squeeze Flair)」型システムのために使用することができる。このシステムにおいて、ユーザは液体を内部容器から分配するために外部容器を圧搾し、外部容器が圧搾されると、これらの容器の間に発生する低圧が一方向弁を介して空気を吸い込む。しかしながら、一方向弁は空気を取り込むが、それを逃がさない、よって、液体を分配するために内部容器への圧力を維持したままである。また、図26Eに示したように、このような一方向弁は反補充機能を提供する。例えば、ボトルが空になって消費者がボトルに液体を補充しようとする場合、即ち、(例えば、頂部から)内部容器を補充しようとする場合、層間の空気が底部の一方向弁を介して戻ろうとするが、一方向弁がこの空気の流れをブロックするので、消費者は補充が不可能であることを認識する。更に、弁筐体の中心穴が小さすぎるので弁を小さなピンによってこじ開けることも不可能である。例えば、中心穴に小さなピンを挿入したとしても、いずれにせよ装置そのものが使用できなくなるが円板を実際に破るなどしない限り、弁は空気が外へ流れ出すのをブロックする。これは、層間の圧力が内層を、収縮位置、即ち、収容されていた液体または流体の最後の分量を分配した直後の収縮位置、に維持している限りにおいて、ボトルを補充することを不可能にする。このため、いくら頑張っても消費者はボトルを補充することはできない。交換用ボトルの購入と、当然ながら、売手側に対する料金の発生は免れないが、品質管理が保証されるとともに、権限のない商売人が不法にボトルを補充して転売することが防止できる。
【0050】
図26Fは、図3に関連して上記したように、層分離/解除ボタンを有する一方向弁がどのように作用するかを示している。(層解除がコーティングによって実施されない場合などのように)層分離/解除ボタンが使用される場合、一方向弁は、ブロー後の層分離に使用される突出ピンにより、プリフォームをブローしてボトルに形づける前に、プリフォームに接合することができない。むしろ、図3を参照して上記に図示説明したように、一方向弁は、これらの層が高圧によって分離された後にボトルにスピン溶接される必要がある。従って、図26Gを参照するに、プリフォームをブローしてボトルに形づけた後、製造者は、最初に層分離ボタンを押して(すでにその機能は果たしてある)、その後、図26Hに示したように、スピン溶接によってブロー成形された後のボトルに一方向弁を装着する必要がある。
【0051】
例示的なスナップオンネック
図27A〜27Cは、本発明の例示的な実施形態による、例示的なプリフォームの内部容器に対する3ラグスナップオンネック仕上げを示している。三つのラグバヨネット仕上げは、場合によっては、シュラウド(覆い)が、分配ヘッドや噴霧器のヘッドを有する内部容器の頂部に固定されるのを可能にする。同様に、図27Bは、三つのラグバヨネット仕上げを異なる角度から見たときの図であり、図27Cは、三つのラグがネックの周囲に対して対称形ではなく非対称形で設けられている状態を示している。図27Aおよび図27Bのスナップオン式ネック仕上げの上面図である、図27Cに示したように、互いに約90°の角度を成す二つのラグが提供されており、各ラグはその中心線と図27Cの最左側に示した第3のラグの中心線との間で約135°を成すことがよく分かる。噴霧器ヘッドのこの3ラグ構成は本出願と同時係願されている、米国公開特許出願第2010/0018999号に記載されている。
【0052】
図27AおよびBにおいて、プリフォームおよびボトル上の3ラグバヨネット/スナップオン式ネック仕上げが示されている。3ラグ方式は、正位置、即ち、カバー(蓋部)や分配ヘッドがその上に外嵌され得る、唯一の位置:1ポジション(起点位置)を有している。3ラグ仕上げは、画定された前部(ノズル)と後部とを有する噴霧器などの扁平ボトルと組み合わせた場合、扁平ボトルを充填ライン上に適切に配向させることが容易でありこれによって充填前およびシュラウドの装着前にこの特殊な配向が想定できるようになるので、非常に有用であることに留意されたい。従って、1ポジションが提供されるのは、3ラグが(3×120°)などのようにネック周囲(ペリメタ)に均等間隔で配置されておらず、135°−90°−135°に定められた角度で離間されているためである。このことは、参照することによって本明細書に完全に組み込まれている、米国特許出願公開第2010/0018999号として公開されている米国特許出願第12/448132号に開示されている。
【0053】
しかしながら、これは丸形ボトルを使用する時に問題が発生する。充填ラインにおいて、例えば、消費者が補充作用を行った後、簡単に識別可能な配向(丸形ボトル)がないので、認識できるキャップや装置を丸形ボトルシュラウドに連結することが難しくなる。この問題を避けるために、次に説明するように、新しい4ラグバヨネット/スナップオンネック仕上げが開発された。
【0054】
4ラグバヨネット/スナップオンネック仕上げ
3ラグバヨネットスナップオンネック仕上げとは対照的に、図27D〜27Gは、本発明の例示的な実施形態による、新しい4ラグバヨネット/スナップオンネック仕上げを示している。図27Dは、このような例示的な4ラグバヨネット/スナップオンネック仕上げを有する例示的なボトルを示す正面斜視図であり、図27Eは、同じボトルの異なる図を示しており、左画像は引込構造を有するラグ内を正面から見た図であり、右画像は標準ラグ(右側の垂直リブを設けこれに連結された水平棒を有する)を示している。図27Dを参照するに、4ラグ方式のボトル仕上げは、‐4バヨネット/スナップオンラグを有している。ラグの二つは、引き込みおよび引き出し案内リブを有している(このタイプのラグが図27Eの左画像に示されている)。本発明の例示的な実施形態において、引き込みおよび引き出し傾斜構造を有する四つのラグのうちの二つは十分に機能を果たすだけでなく、金型に二つのスライドがある場合、引き込みおよび引き出しリブを有する4ラグを作るのは不可能であるという成形上の理由からも適している。四つのスライドを必要とし複雑さを増すが、例えば、特別な理由がそれをベストチョイスとする場合には実行することができる。更に、図27Dにも示したように、上部が、例えば、4mmのボトル仕上げにおいて、リブの取り付けが不可能であり、さもなければ、内部シール表面にひけマークが生じる。密封を得るためには、キャップはカバーの頂部がネック部の上にぴったりとフィットする垂直な引込みスペースを必要とする。
【0055】
図27Fは、スナップオンネックフィニッシュを示す上面図であり、ボトルネックのパラメタ付近の中心に対して90°の間隔をとって対称形に提供された4つのラグがあるのが良く分かる。この図の上部と下部におけるこれらのラグは引込および引出構造を有しており、3時と9時(右、左)の位置のラグは単なる普通のラグである。このように、この対称形を利用することができ、上記の3ラグシステムで必要とされたネックに対して特別な配向で、分配ヘッド、噴霧器ヘッド、または同様のキャップを必ずしも整列させる必要がない。図27Gは、スナップオンフックおよびスナップオン上部キャップのための引込(回転なしで下方に押し下げるだけのもの)も実施可能であることが示されている。ここで、回転式にガイドしその方法でラグを固定するために引込みを使用するのとは対照的に、アセンブリライン上で、例えば、四つのラグ上にカバーやキャップを整列させる場合、単にこれらを押し下げるだけで、カバー上のフックは各々傾斜付きの引き込みを滑走させ、(水平棒下の)ラグ上のスロットに係止させることができる。しかしながら、ボトルはこのようなスナップオン(回転なし)のフック取付け方法では正確に整列させる必要があるため、より高い精度と複雑性が要求される。
【0056】
図27Hおよび271は、本発明の例示的な実施形態による、ボトルのネック上で四つのラグ突起と嵌合するように構成された例示的なキャップまたはカバーを示している。このようなキャップは、図27D〜27Gに示したように、ネックの四つのラグバヨネットに嵌合するために四つの同一のバヨネット型のスナップオンフックを有している。図27Hを参照するに、同図は、例示的なスナップオンキャップを示す側面図であり、各図には断面を提供するための線が引かれている。線A−Aによる断面図はキャップが4つの同一のバヨネットスナップオンフックを有することを示しており、同様に、線B−Bによる断面図は、本質的にそれらを直角に区分している任意の二つのラグの間でスライスカットしたときにどのように見えるかを示している。同様に、図271は、四つのラグバヨネットスナップオン式のキャップを示す斜視図である。図27Jは、図27のHおよびIの四つのラグバヨネットキャップを、上記したように、4ラグバヨネットネック仕上げを備えたフレア型ボトルに取り付けるための原理を示している。図27Jを参照して分かるように、同図はこのような例示的なキャップの断面図を示し、単なる垂直下方および径方向の動作によって四つの等しい位置のいずれかからキャップをネックに取り付けることができる。垂直な動作は、フックのバヨネットスナップオンフックの各々が二つの互いに隣り合って配設されたラグ同士間で設定されるように線内にキャップを押圧し、捩じれまたは径方向の動作は、フックの各々をその対応するラグに固定する。フックは、二つの模様付きリブの引き込み構造によって適切な垂直高さまで下方に案内された後、各ラグの垂直棒の下に取り付けられる。図27Fに示したように、対称性のお陰で、キャップを最初にアセンブリ内に配置するために実際に四つの配向があり、この配向のすべてがネック上の対応するラグに嵌合されるキャップ内の各フックに適切に取り付けられた4ラグバヨネットキャップと同じ結果を生じることができる。図27K、L、Mは、より明確にするために、図27Jの画像の各々を単に拡大した図である。
【0057】
図27Nは、ネックに取り付けられる例示的なキャップを示している。ここで、図27N(a)において、キャップのフックは引込構造の下側により左方向に案内されており、図27N(b)において、フックは、この模様付きラグの二つの垂直リブの間に取り付けられている。図27Oは、(引込構造を有する)二つのラグ上に、各ラグ(各図面のラグの左側)上の「エンドリブ」と「戻り止めリブ」(模様付きラグの右側)の特徴を示している。エンドリブはキャップの回り過ぎを防止し、戻り止めリブはキャップを外すための必要最小限の力を生成する。キャップを外すために、すなわち、キャップを反時計回りに回すために、フックは戻り止めリブを超えておよび横切って押圧する必要があり、このためにはいくらかの力が必要とされる。お分かりのように、エンドリブは、戻り止めリブより径方向外側に突出することから、ユーザはこの障害物によってキャップをこれ以上時計回りに回すことができない。図27Pは、ネックに取り付けるキャップ(180°互いから離間されている)の2つのラグとフックを介した断面図であり、上記のように4ラグバヨネットキャップの原理を図示し、また、キャップのフックが、各ラグの水平棒の下で適切に位置決めされているネックのラグと連動する状態を示している。図示されているネックが、上記の図7Bに示したように内部容器が外部容器を覆うオーバーモールド成形された特徴を有していることにも留意されたい。図27Q、R、Sは、スナップオン原理の更なる詳細を図示している。図27Qは、その上部パネルにおいて、キャップを整列させる場合、(キャップとボトルネックの相対的な配向のラグ同士の間で)四つの同一の位置がどのようにして可能になるかを示している。図27Rは、ラグの垂直傾斜水平部分が純粋なスナップオン取付けのための垂直な引込構造としてどのように使用することができるかを示している(回転しない)が、この場合、四つのフックが四つのラグの真上にくるようにキャップを整列させる必要がある。最後に、図28Tは、スナップオンが完了した例示的なキャップとボトルネックを示している。消費者は反時計回りで回すことでキャップを外すとき、上記に図示したように、バヨネットの原理に基づいてキャップを交換することができる。即ち、キャップは何度でも外して交換することができる。
【0058】
図27Uは、キャップを改変不可能に取り付けることが希望される場合を示しており、これによって、ユーザはキャップを取り外すことはできないし、自ら内容物を補充することができない。ボトルと装置の間の離脱不可能なスナップオン連結を作成するために、図27Sおよび図27Tに示した通常のスナップオン実施形態の二つの戻り止めリブ(前述の戻り止めリブは引込構造を有する二つのラグ上に設けられている)は、装置のスナップオンフックがリブ間の適所にロックされる時に、キャップを取り外すために装置を更に反対方向に回すことができないようにエンドリブの径方向外側への突起を等しくするために、直径(即ち、径方向外側への突起部)を大きくする必要がある(エンドリブを介してこれ以上、時計回りにキャップを回すことができなくなり、離脱不可能なスナップオン接続は単にこの特徴を戻り止めリブにも拡張する)。
【0059】
ブローするためのプリフォーム加熱プロファイルの整合
上述したように、本発明の様々な例示的な実施形態おいて、プリフォームは、多くの場合、内部容器用と外部容器用に異なる材料を用いて作られる。しかしながら、これは、例えば、PETおよびPPなどの異なる材料がブロー成形を達成するために異なる最適ブロー温度範囲を有しているという技術的な問題も伴う。上記のように、成形された後、プリフォームは、フレア型ボトルに使用するための最終形状になるように空気が吹き込まれる(ブローされる)。したがって、内部プリフォームと外部プリフォームと両方が一緒にブローされる。両方の層:内層と外層が完全にそれらの最終形状になるようにブローされるためにこのブロープロセスを実行するためには両層のブロー温度が厳密に一致していることが必須である。
【0060】
図28は本プロセスの詳細および例示的な内部容器と外部容器の材料の適切な整合を示している。図28Aを参照するに、ボトル形状にブローされる準備ができるように加熱炉の内部で回転している例示的なプリフォームが示されている。例示的なプリフォームは、材料A(例えば、PET)から形成された外層と、材料B(例えば、ポリブロピレン)から形成された内層と、を有している。一般に、各材料の種類は、それ自体の最適なブロー温度を有し、これはその可塑化と伝熱プロファイルの関数である。図28Aに示したように、内層に対する熱は、プリフォームが加熱炉の中に配置されている限り、外層を介して送られる必要がある。従って、図示したように、加熱素子2810は外部容器の外側に配設される。よって、外層に対して適切なブロー温度を得るためには、加熱素子の強度および加熱炉の伝熱速度を調節することができるが、この外層に対する最適な調節は、内層が、外層とは異なる種類の他の材料から形成されている場合は概して、内層に対して最適なブロー温度を付与しない。
【0061】
図28Bは、内層と外層のブロー温度を最適化することがいかに重要であるかの理由を示している。図28Bは、完全にブローされたボトルと上記の図7Aで示した例示的なプリフォームに対する底部コーナの細部を示している。ボトルに空気を吹き込んで所定の形状に成形するために、両方の層が完全に空気を吹き込まれなければならない。内層が外層の形状に完全に延伸されなければ、ボトルが中から空気を吹き込まれているという理由で、外層は目標形状に到達しない。この現象は内層の温度が低すぎることによって発生する。一方、内層の温度が高すぎる場合、両方の層が所望される形状を想定するが、ブロープロセスの周期は大幅に長くなる。結果的に、内層は収縮のせいでへたることがないように十分に冷却する必要がある。過度に高い温度は他のブロー障害を引き起こしやすい。
【0062】
最後に、図28Cは、それぞれ、プリフォームの外層と内層として使用される二つの例示的な材料に対する理想的な温度の比較を示している。それらのそれぞれの可塑化および伝熱プロファイルは様々な温度に対して作図されている。ここで、外層は材料Aであり、内層は材料Bである。図28Cのグラフから分かるように、材料Aはブロー成形に対して実に幅広い理想的な温度範囲を有している(それはより大きな傾斜を有しているにもかかわらず)。材料Bの理想的な温度範囲はかなり狭く、その範囲にある間隔もこれに応じて短い。
【0063】
外層および/または内層に異なるカラーや添加剤を使用することにより、二つの異なる材料から作られている例示的なプリフォームアセンブリをブローするために、最適な可塑化プロファイルを得ることが可能である。例えば、材料Bに黒や茶色の顔料を添加し、材料Aに白の顔料を添加することによって、後者による熱吸収率は低くなり、前者は高くなる。他の添加物も可塑化温度範囲および伝熱特性に影響を与えることができる。これは、ナノテクノロジによる表面処理により、二つの層の間にコーティングを使用することによって、あるいは、および/またはナノテクノロジを使用して分子構造を変化させることによって実現できる。図28Dは、材料Bがその可塑化領域(つまりブロー温度の最適な範囲)が現在は材料Aの可塑領域(つまりブロー温度の最適な範囲)内に存在するように変更される。
【0064】
例えば、PETはPPおよび他のポリオレフィンより高い可塑化温度を有している。このように、PET外層とPP(ポリプロピレン)内層から形成されるプリフォームをブローするためにかなりの不一致が生じる。PPにブラックまたはブラウンカラーを添加し、PETにホワイトカラーを添加することによって、ブラウン/ブラックの方がホワイトより約70%も多く熱吸収することを考えると、PPの温度範囲を広げて上昇させて、PETの温度範囲を下げることができ、これによって、両層が最適にブローされることができる、図28Dに示したような温度間隔が得られる。当然のことながら、利用可能な温度間隔の中心でブロー成形温度を設定することが望ましいとされるので、プリフォームおよび/またはその範囲内の領域に、例えば、ガウス分布曲線を用いた場合、この範囲にはできるだけ多くのプリフォームがたっぷりと存在し、ブロー成形が良好に実行される。
【0065】
従って、本発明の例示的な実施形態において、ブロープロセスの間に幅広いプロセスウィンドゥを得るために、異なる材料から作ることができるプリフォーム層の可塑化曲線は変えることができる。このような変更が実行されると多層プリフォームは一つの材料から構成されているかのごとくブローすることができる。
【0066】
様々な例示的な実施形態において、プリフォームは3層またはそれ以上であってよい。このような場合、N層のプリフォームに対して3層すべてまたはすべてのN層は、3層全てまたはN層全てに、場合によっては、様々な層を含む材料に共通であるブロー温度範囲を有するように調節する必要がある。
【0067】
以上に提示された記載および図面は例示のみを目的としておりいずれも以下の特許請求の範囲の記載事項を逸脱することで本発明を限定することを意図するものではない。当業者が本明細書に記載されている様々な例示的な実施形態の様々な技術的な態様を容易に組み合わせることが可能であることは特に留意されたい。
図1
図2
図3
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図3L
図4
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5
図5A
図6
図6A
図7
図7A
図7B
図8
図8A
図9
図9A
図10
図10A
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図26C
図26D
図26E
図26F
図26G
図26H
図27A
図27B
図27C
図27D
図27E
図27F
図27G
図27H
図27I
図27J
図27K
図27L
図27M
図27N
図27O
図27P
図27Q
図27R
図27S
図27T
図27U
図28A
図28B
図28C
図28D
【手続補正書】
【提出日】2017年3月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体分配装置のためのプリフォームであって、
内層と、
外層と、
を含み、
前記内層と前記外層は、前記プリフォームの底部と頂部においてシール可能に接着される、
プリフォーム。
【手続補正書】
【提出日】2017年7月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップ又は装置を容器の開口を囲むネックに取り付ける機構であって、
(a)前記容器は、内側円筒面と外側円筒面を有し且つ前記内側円筒面の内側に開口を形成する円筒壁を備えており、
前記容器の前記外側円筒面は該外側円筒面に一体的に形成された4つのラグを備えており、
前記4つのラグは、周方向に隣接するラグの間に所定の周方向間隔をあけて、前記容器の前記円筒壁に配置されており、
(b)前記キャップ又は装置は内側円筒面を有する円筒壁を備えており、
前記キャップ又は装置の前記内側円筒面は、前記キャップ又は装置が前記容器に装着された状態で、前記容器の外側円筒面の周りに配置されており、
前記内側円筒面は該内側円筒面に一体的に形成された4つのフックを備えており、
前記4つのフックは前記キャップ又は装置の前記円筒壁の周方向に一定の間隔をあけて配置されており、
(c)前記4つのラグと前記4つのフックは、
前記キャップ又は装置の前記内側円筒面を前記容器の外側円筒面の上に載せ、
前記キャップ又は装置を前記容器に対して下方に移動し、
前記キャップ又は装置を前記容器に対して前記周方向に回転することによって、前記キャップ又は装置が前記容器に装着されるように構成されている、機構。
【請求項2】
前記4つのラグは2つの第1ラグと2つの第2ラグを含み、
前記第1ラグと前記第2ラグは前記容器の前記円筒壁の周方向に交互に配置されており、
前記2つの第1ラグはそれぞれ引き込み部と引き出し部を有する、請求項1の機構。
【請求項3】
前記2つの第1ラグはそれぞれ、
前記周方向に水平に伸びる第1水平部と、
前記第1水平部の一端から離れる第1周方向に向けて斜め上方に伸びる前記引き込み部と、
前記第1水平部の他端から離れる第2周方向に向けて斜め下方に伸びる前記引き出し部を備えており、
前記2つの第ラグはそれぞれ前記周方向に水平に伸びる第2水平部を有し、
前記4つのフックはそれぞれ前記周方向感覚の周方向長さと同じ周方向長さを有し、
前記4つのラグと前記4つのフックは、
前記4つのフックを前記周方向感覚に通過させながら前記キャップ又は装置を前記容器に対して下方に移動し、
前記4つのフックの先端が前記第1水平部と前記第2水平部の前記一端に到達するまで、前記キャップ又は装置における前記4つのフックのうちの2つのフックが前記容器の前記2つの引き込み部に案内されながら、前記キャップ又は装置を前記容器に対して前記第2周方向に回転し、
さらに、前記キャップ又は装置における前記4つのフックが前記容器の前記第1水平部と前記第2水平部の上を案内されながら、前記キャップ又は前記装置を前記容器に対して前記第2周方向に回転することによって、前記キャップ又は装置が前記容器の上に装着されるように構成されており、
前記キャップ又は装置は、
前記4つのフックの後端が前記容器の前記第1水平部と前記第2水平部の前記一端に到達するまで、前記キャップ又は装置の前記4つのフックが前記容器の前記第1水平部と前記第2水平部に案内されながら、前記キャップ又は装置を前記容器に対して前記第1周方向に回転し、
さらに、前記4つのフックのうちの前記2つのフックが前記容器の前記引き出し部に案内されながら、前記キャップ又は装置を前記容器に対して前記第1周方向に回転することによって、前記容器から取り外される、請求項2の機構。