特開2017-141019(P2017-141019A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴァレオ システム デシュヤージュの特許一覧

特開2017-141019自動車用の光学検出システム、およびこのようなシステムを洗浄するための装置
<>
  • 特開2017141019-自動車用の光学検出システム、およびこのようなシステムを洗浄するための装置 図000003
  • 特開2017141019-自動車用の光学検出システム、およびこのようなシステムを洗浄するための装置 図000004
  • 特開2017141019-自動車用の光学検出システム、およびこのようなシステムを洗浄するための装置 図000005
  • 特開2017141019-自動車用の光学検出システム、およびこのようなシステムを洗浄するための装置 図000006
  • 特開2017141019-自動車用の光学検出システム、およびこのようなシステムを洗浄するための装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-141019(P2017-141019A)
(43)【公開日】2017年8月17日
(54)【発明の名称】自動車用の光学検出システム、およびこのようなシステムを洗浄するための装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/60 20060101AFI20170721BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20170721BHJP
【FI】
   B60S1/60 Z
   B08B3/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-18718(P2017-18718)
(22)【出願日】2017年2月3日
(31)【優先権主張番号】1650942
(32)【優先日】2016年2月5日
(33)【優先権主張国】FR
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】マルセル、トレブー
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ、グラッソ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー、コラノフスキ
【テーマコード(参考)】
3B201
3D025
【Fターム(参考)】
3B201AA47
3B201AB53
3B201BB22
3B201BB32
3B201BB62
3B201BB72
3B201BB77
3B201BB92
3B201CB01
3B201CD22
3D025AA04
3D025AB01
3D025AC02
3D025AD11
3D025AF03
3D025AF08
(57)【要約】
【課題】洗浄装置を簡略化しつつ、同時に、その性能を維持することと、洗浄液、および洗浄液が運び得る汚れを除去するため、ならびに洗浄プロセス自体のための代替解決策を提供する。
【解決手段】本発明は、自動車の光学検出システムの光センサ(2)を洗浄するための装置に関し、この装置は、この光センサ(2)の外面(20)上に洗浄液を吹き付けるための吹き付け手段(4)を備える。装置は吸引手段(7)を備え、吸引手段(7)のチャンバ(5)はこの光センサ(2)の周辺の少なくとも一部分で開口する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の光学検出システムの光センサ(2)を洗浄するための装置であって、前記光センサ(2)の外面(20)上に洗浄液を吹き付けるための吹き付け手段(4)を備える装置において、
前記装置が吸引手段(7)を備え、前記吸引手段(7)のチャンバ(5)が前記光センサの周辺の少なくとも一部分で開口することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記チャンバ(5)は、前記洗浄液が前記光センサ(2)の前記外面(20)に吹き付けられる領域の反対側で前記光センサ(2)の前記周辺の一部分で開口することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記チャンバ(5)が前記光センサ(2)の前記周辺全体で開口することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記光センサ(2)は、前記光センサ(2)が関連付けられている前記光学検出システムを収容するケーシング(1)内に装着され、前記ケーシング(1)の壁に規定されたつば部(3)の内部に緊密に嵌め込まれ、前記チャンバ(5)は、前記つば部(3)の厚み内で中空であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記チャンバ(5)の貫通開口部(50)が、前記光センサ(2)の外側周辺縁部と接触して配置される前記つば部(3)の内側縁部(30)と、前記つば部の外側縁部(31)との間に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記チャンバ(5)は弾性シールリップ(6)を備え、前記弾性シールリップ(6)は、前記光センサ(2)の前記外面(20)と前記チャンバ(5)の内部との間における液体の通過を防止する閉位置と、前記光センサ(2)の前記外面(20)から前記チャンバ(5)の前記内部に向けた液体の前記通過を可能にする開位置との間で可動であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記弾性シールリップ(6)は、前記チャンバ(5)を排気する前記吸引手段(7)の作動の影響下で一方の位置から他方へ可動であることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記吸引手段(7)は、前記吸引された液を、前記光センサ(2)に吹き付ける前記手段に洗浄液を提供するための貯留槽(8)内へ放出することを特徴とする、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
前記吸引手段(7)が、液体の供給を指令する手段と同期されることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
自動車用の光学検出システムであって、請求項1から9のいずれかに記載の、前記システムの光センサ(2)を洗浄するための少なくとも1つの装置を備える、光学検出システムにおいて、
前記光センサ(2)の外面(20)が疎水性材料の層で覆われていることを特徴とする光学検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運転支援装置の技術分野に関し、より詳細には、画像取り込み手段、特に、カメラなどの、その目的のために用いられる光学アセンブリの技術分野に関する。本発明は、より詳細には、車両用の光学検出システムの光センサを洗浄するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学検出システムとは、人間に対して可視または不可視のスペクトル、特に、赤外線の放射および/または検出に基づく、カメラ、レーザセンサ(LIDARセンサと一般的に呼ばれる)またはその他のセンサなどの、光センサを備える任意のシステムに与えられた名称である。
【0003】
車両の運転手を特定の運転状況(そのうちの1つのよく知られた状況は、駐車の補助である)において支援するために、このような光学検出システムが装備された自動車が増えつつある。この支援ができるだけ有効になるように、光学検出システムによって供給されるデータは、考え得る最良の品質である必要があり、したがって、清浄された光学部品を有することが、このデータ取得を遂行するために絶対的に不可欠である。それを達成するために、光センサ、例えば、カメラのレンズを洗浄するための装置が、画像が取り込まれる直前に洗浄流体を前記レンズに噴射するように指令されてもよい。これらの装置は画像取り込み光学部品をこれらの動作時に妨害してはならず、車両空間の可用性制約条件に適合するためにできるだけコンパクトである必要がある。さらに、汚れを取り払うためにこのようなレンズに吹き付けられる洗浄液が液体である場合には、このような液体が残る可能性のある、跡(滴、たれなど)によって画像が汚染される任意のリスクを回避するために、このレンズをできるだけ迅速に乾燥することが好適である。そのために、洗浄液の後に、空気流がレンズに吹き付けられ、このレンズから、洗浄液、およびこの液がそれに伴って同時に運ぶ汚れが取り除かれることを可能にすることが周知の慣例である。しかし、それは、一方では洗浄液のため、他方では乾燥用空気のための、2つの流体搬送回路の作製と管理を強いる。洗浄液供給回路および乾燥用空気供給回路が共通部分を含み、および/または一方が他方と瓦状に重なった形態を有する洗浄装置が知られているが、これらを機械的に実現することは、洗浄プロセス内でそれらを管理することと同様に、幾分かの複雑さがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、このような洗浄装置を簡略化しつつ、同時に、その性能を維持することと、洗浄液、および洗浄液が運び得る汚れを除去するため、ならびに洗浄プロセス自体のための代替解決策を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明の1つの主題は、自動車の光学検出システムの光センサを洗浄するための装置であって、この光センサの外面に洗浄液を吹き付けるための吹き付け手段を備える装置において、この装置が吸引手段を備え、吸引手段のチャンバがこの光センサの周辺の少なくとも一部分で開口することを特徴とする。
【0006】
本発明の好ましいが非排他的な一実施形態によれば、このチャンバは、光センサの中心に対して、洗浄液が光センサの外面に吹き付けられる領域から実質的に反対側において光センサの周辺の一部分で開口する。様々な実施形態によれば、チャンバは光センサの周辺の1つ以上の区域において開口するか、または光センサの周囲全体にわたって開口し、光センサの周辺全体にわたって延在する環状開口部を形成する。
【0007】
既知の方法で、光学検出システムは受けケーシング内に挿入され、それにより、その光センサの外面はこのケーシングと同一平面上に位置し、可能な限り最も広い角度によるデータ取得を可能にする。このために、従来、光センサは、ケーシングの変形および/または振動、あるいはケーシングとの衝撃の結果、光センサに加えられる機械的応力を吸収するためにある程度の弾性を与える材料から好適に作製された、つば部の内部に収容されている。このつば部はまた、シール機能を有し、汚れ、または雨水の跡が、光学検出システムを収容するケーシングに入ることを防止する。好適には、本発明に係る洗浄装置のチャンバは、光センサを収容するこのつば部内に配置され、このつば部の外面に開口する。光センサはつば部の内部に緊密に嵌め込まれ、チャンバは、光センサの外側周辺縁部と接触して配置された内側縁部と、前記つば部の外側縁部との間において、このつば部の厚み内で中空である。
【0008】
別の特徴によれば、本発明に係る洗浄装置のチャンバは、弾性シールリップを備え、その弾性シールリップは、外部から、特に光センサの外面からチャンバの内部への液体の通過を防止する閉位置と、当初は光センサ上に堆積されていた洗浄液がチャンバの内部に向けて通過することを可能にする開位置との間で可動である。この弾性シールリップには、光センサの周りに配置されたチャンバを排気する吸引手段の作動の影響下で一方の位置から他方へ動く性能が好適に与えられている。これらの吸引手段は、特にポンプを備えてもよく、吸引された液体を、光センサに吹き付ける手段に洗浄液を提供するための貯留槽内へ放出するように構成されている。シールリップは、ポンプが作動すると開位置となり、ポンプのスイッチが切られると元の位置、すなわち、閉位置へ戻るように構成されている。
【0009】
既知の方法で、洗浄液は、このような洗浄装置の供給ノズルの一方の端部に配置された供給オフィリスを通して光センサの外面に吹き付けられ、この供給ノズル自体は、適当な搬送手段によって、洗浄液貯留槽に接続されている。
【0010】
様々な実施形態によれば、供給ノズルは、光センサの外面に対して固定された位置を有してもよいか、あるいは、その供給オフィリスがこの光センサの外面の近くに位置し、それにより、供給オフィリスが外面に洗浄液を吹き付けることができる、展開位置と、供給オフィリスが、特に、データ取得を妨害しないようにするために、光センサの外面から後退させられた、格納位置との間で動く性能を有してもよい。この供給ノズルのために採用された実施形態が何であるかに関わらず、本発明に係る洗浄装置はまた、洗浄液を吸い上げるための手段を備える。
【0011】
さらに、別個に、または組み合わせて考慮される、本発明の様々な好適な特徴によれば、
−レンズを収容するためのつば部の輪郭は、特に、丸みを帯びた縁部を有することによって、つば部に到達した洗浄液の任意の小滴または跡をチャンバの貫通開口部に向けて導くように規定され、
−吸引手段は、洗浄液を吹き付けるための手段と同期されてもよく、すなわち、同時に動作してもよく、
−光センサは、この光センサの外面に存在する洗浄液の任意の小滴または跡をチャンバの貫通開口部に向けて導くために、疎水性材料の層で覆われている。
【0012】
それゆえ、本発明は、光学検出システム、特に、画像取り込み装置に及び、光学検出システムは、光学検出システムの光センサと、この光センサを、光学検出システムを収容するケーシング内に収容するための光学検出システムのつば部とが、先ほど説明された特徴を有する。
【0013】
本発明およびその動作のその他の特徴、詳細および利点は、提示として以下に与えられた説明を添付の図面と併せて読むことから、より明瞭に理解できるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る光学検出システム、特に、画像取り込み装置、およびこのシステムの光センサ、特に、レンズを洗浄するための装置の概略断面図である。
図2】レンズ、およびレンズの周りに配置された洗浄装置の要素をより明瞭に示し、図1と同様の図である。
図3】カメラおよび関連付けられたレンズを収容するケーシングを示す、図2に示される洗浄装置の概略全体斜視図である。
図4】洗浄装置のチャンバであって、このチャンバはレンズの周りに配置され、閉位置(図4a)と開位置(図4b)とにおける弾性シールリップの2つの状態がこのチャンバに関連付けられる、チャンバを概略的に示す詳細断面図である。
図5】本発明に係る画像取り込み装置のレンズの外面における洗浄液の経路を概略的に示し、図3と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明部分では、光学検出システムおよび関連付けられた光センサは、カメラを備える画像取り込み装置を介してより具体的に規定され、カメラは、収容ケーシング1内に、レンズ2の外面20がこのケーシングの外面10からわずかに突出して同一平面上に位置するように収容されている。レンズ2は、本例では、円形の縁部を有する凸レンズであり、この外面10における、実質的に環状のつば部3の内側の所定位置に配置されている。画像取り込み装置は、レンズ洗浄装置に関連付けられ、このレンズ洗浄装置は、レンズに洗浄液を吹き付けるための手段であって、これらは、特に、吹き付けノズル4を備える手段と、吹き付けられた液体を吸い上げるための手段であって、特に、チャンバ5を備える手段と、外部からのアクセスを可能にするかまたは防止する変形可能な弾性リップ6と、ポンプ7をチャンバ5に接続し、排気され、液体が吸い上げられることを可能にするパイプに配置されたポンプ7と、を備えている。洗浄装置は、洗浄手段、および使用された洗浄液を吸い上げるための手段の動作を指令するように構成された制御モジュールをさらに備え、一方および他方のこの動作は同期させるか、または遅延させることができる。
【0016】
つば部3は、収容ケーシングの外面10から突出して延在する環状壁であって、環状壁の内側縁部30はレンズの外側周辺縁部と接触して配置される環状壁の形態をとる。このように位置付けられることで、つば部3は、レンズおよびカメラの両方を、カメラを収容するケーシング1に対して保持し、外部空間とこの収容ケーシングの内部との間の密閉をもたらす。好適には一定の弾性を与えるポリマー材料から作製されることで、つば部3はまた、画像を取り込む際のレンズの任意の移動を回避し、これにより、カメラによって取り込まれた画像の安定性を改善するために、収容ケーシング1の振動または収容ケーシング1との衝撃を減衰させる衝撃吸収体としての役割も果たす。つば部は、レンズの周りでつば部の厚み内で中空であってポンプ7の作動によって排気される性能を有するチャンバ5を作り出している。
【0017】
洗浄液は、供給ノズル4の一方の端部に配置された供給オフィリス40を介してレンズ2の外面20に吹き付けられ、供給オフィリス40は、レンズ2の外面20の近くに、洗浄液がこの外面の最大限にわたって到達し、広がるように位置付けられている。このような洗浄装置の様々な実施形態によれば、供給ノズル4はレンズ2の外面20に対して固定されていてもよいか、またはその供給オフィリス40がレンズ2の外面20の近くにある展開位置と、その供給オフィリスがレンズ2の外面20からいくらかの距離離れている、例えば、ケーシング1の内部の方へ後退させられた、格納位置との間で動く性能を有してもよい。このような洗浄装置は、洗浄液を貯留槽8(図1に概略的に示されている)から供給オフィリス40まで搬送するための搬送手段9(図1に概略的に示されている)をさらに備える。
【0018】
チャンバ5は、レンズ2の周辺の少なくとも一部分にある開口部50で開口する。好適には、このチャンバ5は、レンズ2をケーシング1内に収容するつば部3内に配置され、実質的にこのつば部の中心においてケーシングの外面10上に開口する。図示されている通りの本発明の好ましい実施形態によれば、チャンバ5がつば部3の外面へ開口する貫通開口部50は、レンズ2の周りに環状になっている。より具体的には、チャンバ5がケーシングの外面に開口するために介する環状開口部50は、このつば部の内側縁部30と外側縁部31との間に配置されている。チャンバ5が、つば部3の周囲の角度部分をそれぞれ占有する1つ以上の開口部50において開口することを提供することができるであろう。単一の開口部の場合には、チャンバ5の貫通開口部50は、レンズ2の中心に対して、洗浄液供給オフィリス40の位置の反対側の領域内に好適に配置されるであろう。複数の貫通開口部の場合には、これらは、レンズ2の周辺において好適に均等に角度方向に分布させられるであろう。
【0019】
チャンバ5は、図4aにより詳細に示される閉位置と、図4bにより詳細に示される開位置との間で可動の弾性シールリップ6を備える。その開位置では、弾性シールリップ6はチャンバ5の内部空間をケーシング1の外側の外部空間と連通させる。この位置では、レンズ2の外面20上の液体は、つば部3の表面におけるチャンバ5の貫通開口部50を介してチャンバ5の内部に向けて搬送され得る。弾性シールリップ6の閉位置では、ケーシング1の外部の空間、したがってレンズの外面、およびチャンバ5の内部は、密閉された様態で分離され、弾性シールリップはレンズ2の外面20上の液体の通過を妨げる。チャンバ5がつば部3内の環状開口部50で開口する、図示される本発明の好ましい実施形態によれば、洗浄液供給ノズルおよびチャンバ5は、供給オフィリス40が、洗浄液を吹き付ける際に、この環状貫通開口部50に接近するように、好適に配置されている。
【0020】
洗浄液は、チャンバ5内に負圧を作り出すことができるように構成されたポンプ7によって吸い上げられる。チャンバ5は、洗浄液のループ回路の一部を形成する第1のパイプ70によってこのポンプ7と連通させられ、前記ループ回路は、この第1のパイプ70、ポンプを洗浄液貯留槽に接続する第2のパイプ80、および搬送手段9を含む。チャンバ5内で作り出された負圧は、弾性シールリップ6を変形させ、弾性シールリップ6を強制的に開位置にするように設計され、洗浄液がケーシング1の外部から内部へ通過することを可能にする。ポンプ7のスイッチが切られ、平衡状態が確立されると、弾性シールリップ6は、元の位置、すなわち、チャンバ内への液体および汚れの侵入を妨げる閉位置へ自然に戻る。
【0021】
図示の実施形態では、弾性シールリップ6は2つの部分6a、6bで形成され、部分の一方はその端部の一方でつば部の内側縁部30に固着され、部分の他方はその端部の一方でつば部の外側縁部31に固着されている(図4aおよび図4bにおいて見ることができる)。静止位置、すなわち、閉位置(図4aにおいて見ることができる)では、リップの2つの部分は、それぞれ固定されている壁に対して実質的に直角に延び、チャンバの内部のそれらの自由端部において重なり合い、それにより、内部に向けた通過を阻止する。ポンプ7を用いてチャンバ5の内部に負圧が作り出されると、リップの2つの部分6a、6bはポンプに向けて、したがって、チャンバ5の底部に向けて吸引され、貫通開口部50から離れ、それにより、2つの部分の自由端部の間の経路を露出する。シールリップの本実施形態は単に例として与えられているにすぎず、このリップはただ1つの部分を備えることが可能であり得、この場合には、リップはその端部の一方においてつば部の縁部の一方に固着させられ、自由端部は、ポンプ7が作動させられるとすぐに、チャンバの底部の方へ引っ込むことは理解されるであろう。
【0022】
次に、弾性シールリップ6の開放または閉鎖が供給オフィリス40による洗浄液の供給と同期されるか、または同期されない、本発明の様々な実施形態に従って、装置の動作が説明される。
【0023】
弾性シールリップ6の開放が洗浄液の供給と同期されない第1の実施形態では、第1のステップにおいて、弾性シールリップ6がその閉位置にある間に、洗浄液が供給オフィリス40によってレンズ2の外面20上に吹き付けられる。洗浄液は、制御モジュールが、ポンプ7のスイッチを入れることによってこの弾性シールリップを開放するための命令を生成する前に、予め設定された時間、レンズ2の外面20に渡って広がる。この結果、次に、負圧がチャンバ5内に作り出され、弾性リップを開位置へ引かれ、この負圧の結果、チャンバ5の内部に向けた貫通開口部50を通じた吸引が生じる。それゆえ、レンズまたはつば部上に載っている洗浄液は吸引によってチャンバ5に向けて案内され、そこから、洗浄液は、図1における矢印F1によって示される方向に、ポンプ7まで搬送される。図1により詳細に示される実施形態によれば、その後、洗浄液はフィルタアセンブリ71を通じて搬送され、その後、貯留槽8へ戻され、そこで、洗浄液は後の洗浄動作のために再利用される。
【0024】
チャンバに向けたレンズ2の表面における洗浄液の通過を促進するために、本発明はまた、このレンズの外面20が疎水性材料の層で覆われていることを提供する。それゆえ、図6における矢印F2が示すように、洗浄液がレンズ2の外面20上に吹き付けられると、洗浄液は、レンズ2の縁部に向けて、すなわち、つば部3に向けて、および貫通開口部50に向けて、物理的にはじかれることになる。加えて、チャンバ5への洗浄液の移動を促進するために、本発明は、少なくとも、つば部3の内側縁部が、断面において、図4aおよび図4bにおいて見ることができる丸みを帯びた輪郭300を有することを提供する。それゆえ、つば部3の内側縁部に到達する洗浄液の任意の小滴は、この丸みを帯びた輪郭300によって、貫通開口部50に向けて導かれ、そこから、チャンバ5に向けて導かれることになる。
【0025】
本発明の代替的な一実施形態では、洗浄液の供給は弾性シールリップ6の開放と同期されてもよく、すなわち、同時であってもよい。その場合には、貫通チャンバ50の開口部を通じた吸引は、特に、この貫通開口部50が、図示されているように、レンズ2の周りに環状に延在する場合には、レンズ2の外面20に渡る洗浄液の広がりに寄与する。それゆえ、このとき、チャンバ5による吸引によってレンズ2の外面20上では洗浄液が一種の強制循環するため、このような実施形態は、レンズ洗浄サイクルの継続時間を低減することを可能にし、この強制循環は、レンズの湾曲の存在によって、およびその外面における、上述の疎水性コーティングのあり得る存在によって、強化される。本実施形態における疎水性コーティングの存在は、上記の場合と同じほど必要ではないことは理解されるであろう。
【0026】
各実施形態において説明されたように、本発明は、カメラレンズにすでに吹き付けられた洗浄液を除去する手段であって、設置がきわめて簡単であり、カメラを収容するケーシングの内部にあり、したがって、外部条件に影響を受けず、洗浄液が再利用されることを可能にする閉ループ回路にさらに寄与し得る手段を設置することを可能にする。
【0027】
しかし、本発明は、説明され、図示された手段および構成に限定されるべきではなく、任意の同等の手段または構成、およびこのような手段の任意の組み合わせにも適用される。特に、本発明は、任意の形態および任意の種類の光学検出システムおよび関連付けられた光センサに適用される。同様に、本発明は、このような光センサの表面を洗浄するために、光センサの表面に洗浄液を供給する任意の方法に適用される(可動ノズル、単体または複合ノズルなど)。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】
2017141019000001.pdf