特開2017-141885(P2017-141885A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-141885(P2017-141885A)
(43)【公開日】2017年8月17日
(54)【発明の名称】電磁弁のソレノイド
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20170721BHJP
   H01F 7/06 20060101ALI20170721BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20170721BHJP
【FI】
   F16K31/06 305B
   H01F7/06 G
   H01F27/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-23409(P2016-23409)
(22)【出願日】2016年2月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】日本電産トーソク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石井 広希
(72)【発明者】
【氏名】安田 智宏
(72)【発明者】
【氏名】陳 偉明
(72)【発明者】
【氏名】大平 芳彦
(72)【発明者】
【氏名】橋本 崇史
(72)【発明者】
【氏名】岸 正弥
【テーマコード(参考)】
3H106
5E043
5E048
【Fターム(参考)】
3H106DA22
3H106DB02
3H106EE34
3H106EE35
3H106EE48
3H106GA06
3H106GA10
3H106KK03
3H106KK17
5E043AA02
5E043AB01
5E043EA01
5E043EB01
5E048AB01
5E048AD01
5E048CB02
5E048CB03
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で、工程数を削減し、導線の断線を防止することのできる電磁弁のソレノイドを提供する。
【解決手段】電磁弁のソレノイドは、導線1と、導線1がコイル状に巻回された円筒状の巻回部2aおよび巻回部2aの両端に設けられたフランジ部2bを有するボビン2と、フランジ部2bに設けられ、ボビン2の中心軸に対して巻回部2aよりも径方向外側に中心軸に対して直角方向に面状に張り出し、先端部側に2つの端子31が設けられた端子部3と、端子部3の幅方向両側に配置され、中心軸方向に直立して対向する2つの壁部41と、を備え、導線1の両端部は、ボビン2から端子部3へ引き出され、2つの壁部41の巻回部2a側から径方向外側に引き回され端子31に電気的に接続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導線と、
前記導線がコイル状に巻回された筒状の巻回部および前記巻回部の両端に設けられたフランジ部を有するボビンと、
前記フランジ部に設けられ、前記ボビンの中心軸に対して前記巻回部よりも径方向外側に前記中心軸に対して直角方向に面状に張り出し、先端部側に2つの端子が設けられた端子部と、
前記端子部の幅方向両側に配置され、前記中心軸方向に直立して対向する2つの壁部と、
を備え、
前記導線の両端部は、前記ボビンから前記端子部へ引き出され、2つの前記壁部の前記巻回部側から前記径方向外側に引き回され前記端子に電気的に接続されている電磁弁のソレノイド。
【請求項2】
2つの前記壁部の間隔は、前記巻回部の外径より狭い請求項1に記載の電磁弁のソレノイド。
【請求項3】
前記導線の両端部は、向かい合う2つの前記壁部の向かい合う面に沿って引き回されて前記端子と電気的に接続されている請求項1又は請求項2に記載の電磁弁のソレノイド。
【請求項4】
前記壁部は、前記端子から前記フランジ部の外縁まで延びている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電磁弁のソレノイド。
【請求項5】
前記壁部は、前記端子部の前記中心軸方向の端面に対して直立した突起である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電磁弁のソレノイド。
【請求項6】
前記壁部は、前記端子部の前記中心軸方向の端面に設けられた、前記導線が配置される溝である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電磁弁のソレノイド。
【請求項7】
前記フランジ部の外縁には、前記2つの壁部の外側に2つの切欠き部が設けられ、
前記巻回部に巻き回された前記導線の両端部が、異なる前記切欠き部を介して前記2つの壁部の内側に引き出され、前記2つの壁部に沿って前記端子に電気的に接続されている請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の電磁弁のソレノイド。
【請求項8】
前記フランジ部の内面には、前記導線の巻き始め部分が通される前記切欠き部から前記巻回部に達する溝が設けられている請求項7に記載の電磁弁のソレノイド。
【請求項9】
前記フランジ部の外面には、前記端子に電気的に接続された前記導線の巻き始め部分を前記フランジ部の外面側から前記巻回部側に案内する溝が設けられている請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の電磁弁のソレノイド。
【請求項10】
前記2つの壁部に沿って引き出された前記導線の両端部は、前記端子に設けられた切欠き部を介して前記端子に巻き付けられて前記端子に固定されている請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の電磁弁のソレノイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁のソレノイドに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の自動変速機の油圧制御には、電磁弁が用いられている。この電磁弁は、ソレノイドで発生する電磁力により、鉄片からなるプランジャを駆動させることで、当該プランジャに接続された弁体を油圧回路において開閉させる。このような電磁弁のソレノイドは、円筒状のボビンと、当該ボビンに巻き回されてコイルを形成するエナメル線とを備える。
【0003】
ボビンに巻かれたエナメル線の両端部は、ボビンの一端の外側に配置された、外部との接続用ターミナルまで延長され、当該ターミナルに接続固定される。この際、エナメル線のボビンへの巻回し作業性から、エナメル線の両端部分を微小のクリアランスをもたせつつクロス形状にし、ターミナルにそれぞれ配線接続していた。また、短絡防止のため、クロス部分を樹脂モールドして固定したり、接着剤で固定したりする方法が採用されていた。なお、以下では、上記のようなエナメル線の両端部をクロス形状にする配線をクロス配線という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−153687号公報
【特許文献2】特開平7−103355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、クロス部分を樹脂モールドする場合は、クロス部分は樹脂モールドの流動部分としては狭く、クロス部分のエナメル線が引っ張られた状態となる場合があり、当該状態で温度変化が繰り返されるとエナメル線の断線の虞がある。
【0006】
この断線を防止するために、紫外線硬化接着剤或いはシリコンゴム層によりクロス部分を保護する方法もあるが、工程が複雑になるという問題がある。
【0007】
一方で、クロス配線にしないことも対策として考えられるが、コイルの巻き始め部分と巻き終わり部分において、エナメル線が拡がってしまい、断線の要因となるという問題があった。
【0008】
本発明は、簡易な構造で、工程数を削減し、導線の断線を防止することのできる電磁弁のソレノイドを提供とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電磁弁のソレノイドは、次のような構成を備えることを特徴とする。
(1)導線。
(2)前記導線がコイル状に巻回された筒状の巻回部および前記巻回部の両端に設けられたフランジ部を有するボビン。
(3)前記フランジ部に設けられ、前記ボビンの中心軸に対して前記巻回部よりも径方向外側に前記中心軸に対して直角方向に面状に張り出し、先端部側に2つの端子が設けられた端子部。
(4)前記端子部の幅方向両側に配置され、前記中心軸方向に直立して対向する2つの壁部。
(5)前記導線の両端部は、前記ボビンから前記端子部へ引き出され、2つの前記壁部の前記巻回部側から前記径方向外側に引き回され前記端子に電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、導線をボビンから引き出して端子に接続する際に、壁部が導線のガイドとして機能する。そのため、導線の両端部が交差することなく、クロス配線に伴う断線を防止することができる。その結果、クロス配線に伴う断線防止のための余分な工程も削減することができる。このように、本発明によれば、簡易な構造で工程数を削減し断線を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係る電磁弁のソレノイドの斜視図である。
図2図2は、第1実施形態におけるボビンの斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係る電磁弁のソレノイドの平面図である。
図4図4は、第1実施形態の変形例1における端子部の幅方向の断面図である。
図5図5は、第1実施形態の変形例2に係る電磁弁のソレノイドの斜視図である。
図6図6は、第1実施形態の変形例3に係る電磁弁のソレノイドの斜視図である。
図7図7は、第2実施形態におけるボビンの斜視図である。
図8図8は、第2実施形態に係る電磁弁のソレノイドの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1.第1実施形態]
[1.1 構成]
以下、本発明の第1実施形態について、図1図3を参照して説明する。本明細書において軸とは、ボビン又は巻回部の長手方向に沿った中心軸をいい、単に周方向あるいは軸方向と言った場合は、中心軸の周方向あるいは中心軸の軸方向を示す。単に径方向と言った場合は、中心軸と直交する方向を示す。軸方向の一方側を「上」と呼び、他方側を「下」と呼ぶ。なお、上下方向は、説明の便宜上定めるものであり、重力方向に一致する必要はない。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る電磁弁のソレノイドは、導線1とボビン2とを備える。導線1は、エナメル線などの絶縁被覆が施された導電性の線材である。図1および図2に示すように、ボビン2は、導線1がコイル状に巻回される円筒状の巻回部2aと、巻回部2aの両端に設けられたフランジ部2bとを有する。巻回部2aはボビン2の胴部であり、巻回部2aの外周面には導線1を巻回するための溝が設けられている。フランジ部2bは、巻回部2aの中心軸に対して径方向外側に延びる鍔である。フランジ部2bの巻回部2a側の面を内面といい、巻回部2aとは反対側の面を外面という。
【0014】
フランジ部2bには、2つの端子31を有する端子部3が設けられている。ここでは、端子部3は、円筒状の巻回部2aの両端に設けられた2つのフランジ部2bのうち、一方の巻回部2a端部のフランジ部2bに設けられている。
【0015】
端子部3は、ボビン2の中心軸に対して巻回部2aよりも径方向外側に中心軸に対して直角方向に面状に張り出しており、端子部3の先端部側には端子31が設けられている。より具体的には、端子部3は、軸方向に対して垂直に面状に拡がっており、端子部3の先端部に幅方向に離間して設けられた2つの挿入口30に端子31がそれぞれ挿入されている。ここで端子部3の幅方向とは、端子部3が径方向外側に延びる方向、すなわち端子部3の基端側から先端側の方向に対して直交し、かつ、軸方向とも直交する方向をいう。
【0016】
図2に示すように、フランジ部2bの外縁には、端子部3の外側に2つの切欠き部21が設けられており、巻回部2aに巻き回された導線1の両端部が、異なる切欠き部21を介してフランジ部2bの内面側からフランジ部2bの外面側に引き出されている。フランジ部2bの内面には、一方の切欠き部21から巻回部2aに達する溝22が設けられている。この溝22には、導線1の巻き始め部分が通される。
【0017】
図1および図3に示すように、端子部3の軸方向の端面、すなわち端子部3の上端面には、2つの壁部41が設けられている。2つの壁部41は、端子部3の幅方向の両側に配置され、軸方向に直立して互いに対向している。本実施形態では、壁部41は、端子部3の軸方向の上端面に対して直立した突起である。また、壁部41は、端子31からフランジ部2bの外縁まで延びている。2つの壁部41の間隔は、巻回部2aの外径より狭い。
【0018】
導線1の両端部は、2つの壁部41の外側に設けられた切欠き部21を介して、ボビン2から端子部3へ引き出され、2つの壁部41の巻回部2a側から径方向外側に引き回され、端子31に電気的に接続されている。ここでは、図3に示すように、導線1の両端部は、向かい合う2つの壁部41の向かい合う面に沿って引き回される。2つの壁部41に沿って引き出された導線1の両端部は、端子31に設けられた切欠き部31a、31bを介して端子31に巻き付けられ、カシメによって端子31に固定され、かつ、端子31と電気的に接続されている。なお、導線1の両端部の端子31への電気的接続は、溶接等により行っても良い。
【0019】
なお、本実施形態では、ボビン2、端子部3および壁部41は、金型に樹脂を充填して固化させた一体成型品であるが、ボビン3、端子部3、壁部41は、別体として設けて接着剤等により接続するようにしても良い。
【0020】
[1.2 作用・効果]
(1)本実施形態の電磁弁のソレノイドは、導線1と、導線1がコイル状に巻回された円筒状の巻回部2aおよび巻回部2aの両端に設けられたフランジ部2bを有するボビン2と、フランジ部2bに設けられ、ボビン2の中心軸に対して巻回部2aよりも径方向外側に中心軸に対して直角方向に面状に張り出し、先端部側に2つの端子31が設けられた端子部3と、端子部3の幅方向両側に配置され、中心軸方向に直立して対向する2つの壁部41と、を備え、導線1の両端部は、ボビン2から端子部3へ引き出され、2つの壁部41の巻回部2a側から径方向外側に引き回され端子31に電気的に接続するようにした。
【0021】
これにより、導線1をボビン2から引き出して端子31に接続する際に、壁部41が導線1のガイドとして機能する。そのため、導線1の両端部が交差することなく、クロス配線に伴う断線を防止することができる。その結果、クロス配線に伴う断線防止のための余分な工程も削減することができる。このように、簡易な構造で工程数を削減し断線を防止することができる。
【0022】
なお、本実施形態の電磁弁のソレノイドにおいて、導線1の両端部を樹脂モールドしても良い。この場合であっても、クロス配線のように導線1の両端部間が狭くならないので、導線1の両端部に加わるモールド時の樹脂圧がクロス配線の場合と比べて小さくなり、樹脂圧による断線、および、端子部3から配線が浮くことに起因する断線を抑制できる利点がある。
【0023】
(2)2つの壁部41の間隔は、巻回部2aの外径より狭くした。これにより、配線の浮きが抑制される。すなわち、壁部41間を巻回部2aの外径より狭くしているので、巻回部2aを締め付けるように導線1を巻くことができ、ボビン2および端子部3から導線1が浮くのを抑制することができる。従って、配線の浮きによる導線1に加わる応力負担を抑制でき、断線を防止することができる。
【0024】
(3)導線1の両端部は、向かい合う2つの壁部41の向かい合う面に沿って引き回されて端子31と電気的に接続するようにした。これにより、配線の浮きが抑制される。すなわち、導線1が壁部41の内側を通って配線されるので、巻回部2aを締め付けるように導線1を巻くことができ、ボビン2および端子部3から導線1が浮くのを抑制することができる。従って、配線の浮きによる導線1に加わる応力負担を抑制でき、断線を防止することができる。
【0025】
(4)壁部41は、端子31からフランジ部2bの外縁まで延ばすようにした。これにより、ボビン2から引き出した導線1の両端部を、壁部41をガイドとして配線作業を行うことができるので、作業性を向上させることができる。
【0026】
(5)壁部41は、端子部3の中心軸方向の端面に対して直立した突起とした。これにより、簡易な構造で配線作業を円滑に行うことができる。
【0027】
(6)フランジ部2bの外縁には、2つの壁部41の外側に2つの切欠き部21が設けられ、巻回部2aに巻き回された導線1の両端部が、異なる切欠き部21を介して2つの壁部41の内側に引き出され、2つの壁部41に沿って端子31に電気的に接続されるようにした。これにより、フランジ部2bの外縁における導線1の位置決めが可能であり、配線の浮きを防止することができる。
【0028】
(7)フランジ部2bの内面には、導線1の巻き始め部分が通される切欠き部21から巻回部2aに達する溝22を設けるようにした。これにより、巻回部2aへの導線1の巻き回し作業を容易にすることができるとともに、フランジ部2b内面における導線1の位置決めが可能であり、配線の浮きを防止することができる。
【0029】
(8)2つの壁部41に沿って引き出された導線1の両端部は、端子31に設けられた切欠き部31a、31bを介して端子31に巻き付けられて端子31に固定されるようにした。これにより、導線1の壁部41に沿った部分が壁部41から浮き上がるのを防止することができる。
【0030】
[1−3.第1実施形態の変形例]
第1実施形態の変形例1〜3について、図4図6を用いて説明する。変形例1〜3は、いずれも壁部41の態様についての変形であり、第1実施形態と基本構成は同じである。よって、第1実施形態と異なる点のみを説明し、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0031】
(変形例1)
図4に示すように、端子部3の上端面には、溝32が設けられている。溝32は、2つの壁部41の向かい合う面の根元に、壁部41に沿って設けられており、溝32には導線1の両端部が通される。すなわち、溝32は、ボビン2からフランジ部2bの切欠き部21を介して端子部3側に引き出された導線1を、端子31へ引き出す際のガイドである。換言すれば、壁部41の構成として、溝32を含んでいても良いし、端子部3の上端面の突起を無くして溝32のみとしても良い。
【0032】
(変形例2)
図5に示すように、壁部41の内面、すなわち2つの壁部41の向かい合う面には、溝42が設けられている。溝42は、2つの壁部41の内面の根元部分に設けられており、溝42には導線1の両端部が通される。すなわち、溝42は、ボビン2からフランジ部2bの切欠き部21を介して端子部3側に引き出された導線1を、端子31へ引き出す際のガイドである。
【0033】
(変形例3)
図6に示すように、壁部41は、端子部3の上端面に直立して設けられたピン43である。ここでは、端子部3の幅方向の両側に、端子31からフランジ部2bの外縁までの方向に沿って、複数のピン43が所定間隔を空けて設けられている。ピン43は、ボビン2からフランジ部2bの切欠き部21を介して端子部3側に引き出された導線1を、端子31へ引き出す際のガイドである。なお、ピン43の設置個数は特に限定されない。
【0034】
以上のように、壁部41の構成を上記変形例1〜3のようにしても、導線1の両端部をクロスさせることなく、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0035】
[2.第2実施形態]
第2実施形態について、図7および図8を用いて説明する。第2実施形態は、第1実施形態と基本構成は同じである。よって、第1実施形態と異なる点のみを説明し、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0036】
図7および図8に示すように、フランジ部2bの外面には、端子31に電気的に接続された導線1の巻き始め部分をフランジ部2bの外面側から巻回部2a側に案内する溝23が設けられている。端子31に電気的に接続されて壁部41に沿って通された導線1の巻き始め部分は、溝23に通され、フランジ部2bの外縁の切欠き部21を介して巻回部2a側に通される。なお、本実施形態では、上記変形例1と同様に端子部3の上端面に溝32が設けられており、導線1の巻き始め部分は当該溝32を介して溝23に通される。
【0037】
このように、フランジ部2bの外面に導線1の巻き始め部分を通す溝23を設けることで、ボビン2の外側から内側に導線1を配線し、巻回部2aに巻き回す作業を容易にすることができる。
【0038】
[3.他の実施形態]
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではない。以上の実施形態は例として提示したものであって、その他の様々な形態で実施されることが可能である。発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲、要旨、その均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
1…導線、2…ボビン、2a…巻回部、2b…フランジ部、21…切欠き部、22…溝、23…溝、3…端子部、30…挿入口、31…端子、31a、31b…切欠き部、32…溝、41…壁部、42…溝、43…ピン

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8