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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-142801(P2017-142801A)
(43)【公開日】2017年8月17日
(54)【発明の名称】棚監視システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 17/00 20060101AFI20170721BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20170721BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20170721BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20170721BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20170721BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20170721BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20170721BHJP
【FI】
   G06K17/00 029
   G06K7/14 013
   G06K7/10 224
   G06K7/10 436
   A47F5/00 E
   G06Q30/06
   G06K19/06 028
   G06K19/07 230
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-25089(P2017-25089)
(22)【出願日】2017年2月14日
(62)【分割の表示】特願2014-528426(P2014-528426)の分割
【原出願日】2012年8月15日
(31)【優先権主張番号】13/222,079
(32)【優先日】2011年8月31日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】512076069
【氏名又は名称】ディージェービー グループ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】512075246
【氏名又は名称】ウィストロン ニューウェブ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーンサイド,ウァルター ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ライアン,ジョセフ エム.
【テーマコード(参考)】
3B118
5L049
【Fターム(参考)】
3B118FA11
5L049BB72
(57)【要約】      (修正有)
【課題】柔軟性があり且つ低コストの棚在庫のリアルタイム監視が可能になる棚システム及びその方法を提供する。
【解決手段】バーコード及びRFID技術を組み合わせて、小売商品の展示/販売棚への割り当ての電子的なデータ入力及び、展示/販売棚からの小売商品の取り出しのリアルタイムな報告を可能にする、小売棚在庫を監視するための棚監視システム及びその方法であって、本システムは、一意的なRFIDタグの配列と、棚11と、タグ配列に関連づけられたバーコード51と、タグを検索するためのアンテナ21と、タグの下の接地面と、棚の上に保持されているときにはアンテナ及び関連付けられたタグの間の電波通信を遮る一方で、棚から取り除かれたときには電波の通信を許す商品14と、タグ配列バーコード及びタグIDを記録し、検索に応答したタグのIDを記録するリーダーと、電子コントローラーと、光学バーコードリーダーと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り出し可能な商品を格納し、棚に載せた商品の電子的データ入力を可能とし、リアルタイムでの棚在庫管理を維持するための棚監視システムであって、
棚と、前記棚上に分配された一意的な(unique)RFIDタグの少なくとも一つの配列(以下、「RFIDタグ」を「タグ」といい、「RFIDタグの(少なくとも一つの)配列」を「タグ配列」という)と、隣接する前記タグ配列に関連づけられた、光学的に読み込み可能なバーコード(以下、「隣接する前記タグ配列に関連づけられた、光学的に読み込み可能なバーコード」を「タグ配列バーコード」という)と、
前記タグ配列の前記タグを検索するためのアンテナ兼リーダーと、
取り出し可能な商品に関連付けられた容器(以下、「取り出し可能な商品に関連付けられた容器」を「取り出し可能な商品容器」又は「容器」という)であって、前記取り出し可能な商品容器が棚の上に位置している間、前記棚と前記容器が前記アンテナと前記取り出し可能な商品容器に関連付けられたタグとの間の電波通信を遮る一方で、前記棚から前記取り出し可能な商品が取り出されたことを電子的に示すために前記棚に対して相対的に移動されたときに電波通信を可能にする取り出し可能な商品容器と、
前記リーダーとの間で通信する電子コントローラーと、ここで前記電子コントローラーは、前記タグ配列バーコード及び前記タグ配列バーコードに関連づけられたタグのIDを記録し、且つ取り出し可能な商品容器の変位移動(displace)の結果として検索に応答したタグのIDを記録するように用意されたメモリを含み、
前記タグ配列バーコードと、前記タグ配列上に置かれた取り出し可能な商品上のUPCバーコードを読み込み、且つ読み込んだデータを前記電子コントローラーへ通信するように構成された光学バーコードリーダーと、を含み、
その際、前記タグ配列バーコード及び取り出し可能な商品上のUPCバーコードを同時に光学的に読み込み、このデータを前記電子コントローラーへ通信することにより、前記電子コントローラーが、タグ配列と取り出し可能な商品との相互関係を電子的に記録し、それによって、取り出し可能な商品の取り出しを表わす、前記タグ配列に関連付けられた前記取り出し可能な商品容器の位置の変化を電子的に前記電子コントローラーの前記メモリに記録する、ことを特徴とする棚監視システム。
【請求項2】
リアルタイム棚在庫データベースを電子的に確立し、維持する棚監視システムの方法であって、
棚と、一意的な(unique)RFIDタグの配列(以下、「RFIDタグ」を「タグ」といい、「一意的なRFIDタグの配列」を「タグ配列」という)と、を設けるステップと、
前記タグ配列に関係する既知の位置に光学的に読み込み可能なバーコードを設ける(以下、「前記タグ配列に関係する既知の位置に設けられた、光学的に読み込み可能なバーコード」を「タグ配列バーコード」という)ステップと、
RFIDアンテナ(以下、「RFIDアンテナ」を「アンテナ」という)、リーダー、及びコントローラーを設けるステップと、
前記配列の個々の前記タグと関連する前記タグ配列バーコードとの間の相互関係を前記コントローラーの電子メモリに格納するステップと、
前記配列内の或るタグが前記アンテナから放射されて前記タグ配列に向かう電波から遮蔽されるように、前記棚上に置かれた容器に、取り出し可能な商品を配置するステップと、
前記アンテナ及び前記リーダーを使用して前記コントローラーによって前記棚の空間を検索することにより、質問信号に応答するタグが、前記取り出し可能な商品の取り出しを示すことを利用して、同一のUPCバーコードを有し前記タグ配列に関連付けられた前記取り出し可能な商品の在庫を監視するステップと、を含み、
前記取り出し可能な商品と前記タグ配列との関連づけは、前記棚上の前記タグ配列バーコード及び対応する前記取り出し可能な商品のUPCバーコードを、同一のバーコードリーダーを用いて同時にスキャンして前記電子メモリに格納し、前記タグ配列バーコードと前記取り出し可能な商品との対応を電子的に前記バーコードリーダーから前記コントローラーへ報告することにより、在庫管理記憶の目的のために最初に電子的に確立されている、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
取り出し可能な商品を格納し、棚に載せた商品の電子データ入力を可能とし、リアルタイムでの棚在庫管理を維持するための棚監視システムであって、
棚と、前記棚上に分配された一意的な(unique)RFIDタグの少なくとも1つの配列(以下、「RFIDタグ」を「タグ」といい、「RFIDタグの(少なくとも一つの)配列」を「タグ配列」という)及び隣接する前記タグ配列に関連づけられた、電子的に読み込み可能なバーコード(以下、「隣接する前記タグ配列に関連づけられた、電子的に読み込み可能なバーコード」を「タグ配列バーコード」という)と、
前記タグ配列を検索するためのアンテナ及びリーダーと、 ここで、前記取り出し可能な商品に関連付けられた容器と前記棚は、前記容器が前記棚の上に保持されているときは前記アンテナ及び関連付けられたタグの間の電波通信を遮る一方で、前記棚から前記取り出し可能な商品が取り出されたことを電子的に示すために前記容器が前記棚に対して相対的に変位移動(displace)されたときに電波の通信を可能にするように用意され、
前記リーダーとの間で通信する電子コントローラーと、ここで前記電子コントローラーは、前記タグ配列の電子的に読み込み可能なバーコード及び前記タグ配列の電子的に読み込み可能なバーコードに関連付けられたタグのIDを記録し、且つ棚上の容器の変位移動の結果として検索に応答したタグのIDを記録するように用意されたメモリを含み、
タグ配列上に置かれた商品上のUPCバーコードを読み込み、且つ読み込んだデータをコントローラーへ通信するように構成された光学バーコードリーダーと、を含み、
ここで、前記光学バーコードリーダーが、前記タグ配列バーコード及び前記タグ配列中の前記タグに関連付けられた取り出し可能な商品上のUPCバーコードを同時に読み込み、このデータをコントローラーへ通信することにより、前記コントローラーが、タグ配列と、前記タグ配列と連関された取り出し可能な商品との間の相互関係を電子的に記録し、それによって、前記タグ配列に関連付けられた前記取り出し可能な商品における変化を電子的に前記コントローラーの前記メモリに記録できるようにする、ことを特徴とする棚監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚監視システム、及びその方法に係り、リアルタイムで棚在庫の状況を提供するために、小売販売棚のバーコード技術及びRFIDタグ技術を統合した棚システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、小売業者は、棚から無くなった、又は無くなりそうな棚の商品を確認するために、定期的に店舗内の通路を歩く従業員を割り当てている。店員が目視確認した結果に基づいて、置換用商品をバックルーム又は倉庫から引き出すことができる。これらの棚在庫調査に従業員の時間を割かないようにできれば有益である。
【0003】
顧客によって小売棚から取り除かれた特定の商品は、他の製品、サービス、又は店舗経営者によって提供されるアドバイスによって補うことができる場合がある。従って、このような補充的商品又は補充的サービスについての顧客への宣伝やアナウンスが、商品が棚から取り出された時点でビデオやオーディオのプレゼンテーションを伴って開始されると都合がよい。
【0004】
粉ミルク、薬品、化粧品などの特定の消費財は、組織犯罪の標的とされている。犯罪者は棚から商品を盗み、ごまかして商品の代金を払うことなく店を出る。この犯罪行為は、しばしば、全て又は殆ど全ての標的の商品を棚から素早く持ち去る窃盗によって特徴づけられる。このため、小売業者にとっては、異常な数の商品が同時に棚から取り除かれた場所と状況をすばやく検出する能力を有することが望ましい。棚から商品が取り除かれる時間と頻度に関するデータは、在庫の消失に対する明らかな説明の無い在庫減少、即ち“シュリンケージ”のパターンと原因を暴くのに役立つ。
【0005】
RFIDタグとリーダーの技術が広範囲にわたって開発されているが、その費用のために小売業では広くは具現化されていない。その費用は、FRIDタグだけではなく、この技術を実装するのに必要な関連するハードウェア、ソフトウェアと共に、タグをつける労働力及び設備も含む。一部の金属物や液体には、容易に又は効率的にRFIDタグを使用できない。この技術を限定的に適用することにより、そうでないとかかってしまう現在の法外な費用を回避でき、小売業に対するRFID技術の、これまでは潜在的だった便益を具現化することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、柔軟性があり且つ低コストの棚在庫のリアルタイム監視が可能になる棚システム及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するためになされた本発明に係わる棚システムは、
取り出し可能な商品を格納し、棚に載せた商品の電子的データ入力を可能とし、リアルタイムでの棚在庫管理を維持するための棚監視システムであって、
棚と、前記棚上に分配された一意的な(unique)RFIDタグの少なくとも一つの配列(以下、「RFIDタグ」を「タグ」といい、「RFIDタグの(少なくとも一つの)配列」を「タグ配列」という)と、隣接する前記タグ配列に関連づけられた、光学的に読み込み可能なバーコード(以下、「隣接する前記タグ配列に関連づけられた、光学的に読み込み可能なバーコード」を「タグ配列バーコード」という)と、
前記タグ配列の前記タグを検索するためのアンテナ兼リーダーと、
取り出し可能な商品に関連付けられた容器(以下、「取り出し可能な商品に関連付けられた容器」を「取り出し可能な商品容器」又は「容器」という)であって、前記取り出し可能な商品容器が棚の上に位置している間、前記棚と前記容器が前記アンテナと前記取り出し可能な商品に関連付けられたタグとの間の電波通信を遮る一方で、前記棚から前記取り出し可能な商品が取り出されたことを電子的に示すために前記棚に対して相対的に移動されたときに電波通信を可能にする取り出し可能な商品容器と、
前記リーダーとの間で通信する電子コントローラーと、ここで前記電子コントローラーは、前記タグ配列バーコード及び前記タグ配列バーコードに関連づけられたタグのIDを記録し、且つ取り出し可能な商品容器の変位移動(displace)の結果として検索に応答したタグのIDを記録するように用意されたメモリを含み、
前記タグ配列バーコードと、前記タグ配列上に置かれた取り出し可能な商品上のUPCバーコードを読み込み、且つ読み込んだデータを前記電子コントローラーへ通信するように構成された光学バーコードリーダーと、を含み、
【0008】
その際、前記タグ配列バーコード及び取り出し可能な商品上のUPCバーコードを同時に光学的に読み込み、このデータを前記電子コントローラーへ通信することにより、前記電子コントローラーが、タグ配列と取り出し可能な商品との相互関係を電子的に記録し、それによって、取り出し可能な商品の取り出しを表わす、前記タグ配列に関連付けられた前記取り出し可能な商品容器の位置の変化を電子的に前記電子コントローラーの前記メモリに記録する、ことを特徴とする。
【0009】
上記の目的を達成するためになされた本発明に係わるリアルタイム棚在庫データベースを電子的に確立し、維持する棚監視システムの方法は、
棚と、一意的な(unique)RFIDタグの配列(以下、「RFIDタグ」を「タグ」といい、「一意的なRFIDタグの配列」を「タグ配列」という)と、を設けるステップと、
前記タグ配列に関係する既知の位置に光学的に読み込み可能なバーコードを設ける(以下、「前記タグ配列に関係する既知の位置に設けられた、光学的に読み込み可能なバーコード」を「タグ配列バーコード」という)ステップと、
RFIDアンテナ(以下、「RFIDアンテナ」を「アンテナ」という)、リーダー、及びコントローラーを設けるステップと、
前記配列の個々の前記タグと関連する前記タグ配列バーコードとの間の相互関係を前記コントローラーの電子メモリに格納するステップと、
前記配列内の或るタグが前記アンテナから放射されて前記タグ配列に向かう電波から遮蔽されるように、前記棚上に置かれた容器に、取り出し可能な商品を配置するステップと、
前記アンテナ及び前記リーダーを使用して前記コントローラーによって前記棚の空間を検索することにより、質問信号に応答するタグが、前記取り出し可能な商品の取り出しを示すことを利用して、同一のUPCバーコードを有し前記タグ配列に関連付けられた前記取り出し可能な商品の在庫を監視するステップと、を含み、
【0010】
前記取り出し可能な商品と前記タグ配列との関連づけは、前記棚上の前記タグ配列バーコード及び対応する前記取り出し可能な商品のUPCバーコードを、同一のバーコードリーダーを用いて同時にスキャンして前記電子メモリに格納し、前記タグ配列バーコードと前記取り出し可能な商品との対応を電子的に前記バーコードリーダーから前記コントローラーへ報告することにより、在庫管理記憶の目的のために最初に電子的に確立されている、ことを特徴とする。
【0011】
上記の目的を達成するためになされた本発明に係わる、取り出し可能な商品を格納し、棚に載せた商品の電子データ入力を可能とし、リアルタイムでの棚在庫管理を維持するための棚監視システムは、
棚と、前記棚上に分配された一意的な(unique)RFIDタグの少なくとも1つの配列(以下、「RFIDタグ」を「タグ」といい、「RFIDタグの(少なくとも一つの)配列」を「タグ配列」という)及び隣接する前記タグ配列に関連づけられた、電子的に読み込み可能なバーコード(以下、「隣接する前記タグ配列に関連づけられた、電子的に読み込み可能なバーコード」を「タグ配列バーコード」という)と、
前記タグ配列を検索するためのアンテナ及びリーダーと、
ここで、前記取り出し可能な商品に関連付けられた容器と前記棚は、前記容器が前記棚の上に保持されているときは前記アンテナ及び関連付けられたタグの間の電波通信を遮る一方で、前記棚から前記取り出し可能な商品が取り出されたことを電子的に示すために前記容器が前記棚に対して相対的に変位移動(displace)されたときに電波の通信を可能にするように用意され、
前記リーダーとの間で通信する電子コントローラーと、ここで前記電子コントローラーは、前記タグ配列の電子的に読み込み可能なバーコード及び前記タグ配列の電子的に読み込み可能なバーコードに関連付けられたタグのIDを記録し、且つ棚上の容器の変位移動の結果として検索に応答したタグのIDを記録するように用意されたメモリを含み、
タグ配列上に置かれた商品上のUPCバーコードを読み込み、且つ読み込んだデータをコントローラーへ通信するように構成された光学バーコードリーダーと、を含み、
【0012】
ここで、前記光学バーコードリーダーが、前記タグ配列バーコード及び前記タグ配列中の前記タグに関連付けられた取り出し可能な商品上のUPCコードを同時に読み込み、このデータをコントローラーへ通信することにより、前記コントローラーが、タグ配列と、前記タグ配列と連関された取り出し可能な商品との間の相互関係を電子的に記録し、それによって、前記タグ配列に関連付けられた前記取り出し可能な商品における変化を電子的に前記コントローラーの前記メモリに記録できるようにする、ことを特徴とする。
【0013】
携帯型バーコードリーダー又はスキャナーは、データを電子的に収集し、コンピュータ又はコントローラーに供給するために使用される。本発明の具現化の効果的な方法の一つは、印刷されたラベルに具現化された個々の一意的な棚バーコード群、と、例えば、タグのセットの各々の一意的なIDとを関連付けることである。
タグは、そのタグの下方に離隔された導電接地面を含む、複合平面板に固定される。複合板は、従来の棚ユニット上に配置できる。このシステムは、商品が棚に置かれタグを覆うと、各々の棚に関連づけられたアンテナとタグの間の通信を妨げるような媒介物に依存する。この媒介物は商品そのものでも、又は商品が取り出される際に取り除かれる、電磁波を妨げる他のものでも良い。
タグは、そうすることが必ずしも必要では無いが、棚上の商品のレイアウト一つ一つに対応したパターンに配置されている。通常、共通の棚バーコードに関連付けられているサイト(場所)上の列又は他のパターンで棚に展示されている全ての商品は同一である。
【発明の効果】
【0014】
このシステムは特定の任意の棚上に、任意の数の棚と任意の数のバーコードサイトを含むことができる。商品が取り出されたとき、商品の下にあったタグは棚アンテナとの通信を遮断されなくなる。遮断されないタグからの信号は、アンテナで受信され、システムのリーダーへと中継される。コントローラーは、実際に取り除かれてから非常に短い時間内に、棚から取り除かれた商品の信号を登録する。コントローラーは、顧客がその棚のエリアにまだいる間に、ビデオ及び/又はオーディオによるアナウンスを開始できる。全て又は殆どの商品がバーコードサイトから取り出されたとき、その棚の補充を要求する信号を生成できる。もし多くの商品が一気に取り除かれたときは、コントローラーは窃盗の試みの可能性を発信できる。
【0015】
このシステムの重要な利点は、バーコード技術とRFID技術の統合によるものである。提案されている通り、この統合は、棚上の商品と、商品UPCをスキャンして電子的に登録することによって割り当てられた棚の列と、手持ちバーコードスキャナによって割り当てられた列のバーコードの特定を可能にする。この機能は、一つの棚から別の棚へ、店舗内の商品の位置を定期的に変える小売業者にとって大きな利点となる。異なる棚の間での商品の入れ替えは、手持ちバーコードリーダーで簡単に、素早く効率的に電子的に入力され記録できる。このリーダーは棚上の列のサイト上のバーコード及び、そのようなサイトの棚上に置かれる商品のUPCやバーコードを、スキャン及び記録できる。このデータは、人間の労力を最小化し、データエラーを低減するために、電子的にシステムコントローラーへ送信される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】は、本発明を実施した、小売店棚ユニットの正面図である。
図2】は、本発明の棚部分の部分概略分解図である。
図3】は、図1の棚の側面部分斜視図である。
図4】は、棚の変形態様の列又はトレイの概略斜視図である。
図5】は、棚システムの、とりわけRFIDタグリーダー、携帯型バーコードリーダー及びコントローラーの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、小売店、又は店内の顧客に対して商品を展示する小売店と同様の施設において典型的に見られる、棚ユニット10を示す。ユニット10は、顧客が製品を選択し、棚から取り出すことで、小売の商品を販売する。棚ユニット10は、上下方向に互いに間隔をおいた、幾つかの棚11を有している。棚11は通常水平面上に配置され、その長さは、典型的には、奥行き(前部から後部方向の寸法)よりかなり長い。垂直後方パネル12は、棚の後縁から商品が落ちるのを防ぐ。様々な製品又は商品14は、同一又は異なる棚11上に展示される。通常同一の商品は、棚11の前面17から後面18の間に延びる列16をなして配置される。
図示例では、細長いツインフィードの平面アンテナ21のセットが、後方パネル12の背面に接して、垂直に配置されている。アンテナ21は例えば、米国特許出願公開第US−2010−0060457−A1に記載されているタイプのものであり、その開示を本明細書は参照して援用する。後方パネル12は電波を通す素材で作られている。アンテナ21は各々同じ構造を持つ一方で、好ましくは、いくつかが反転した関係を持つように、いくつかは互いに向かい合うように反転し、アンテナによって生成される電磁波の方向の多様性を増すために、いくつかは他より高く配置されている。この多様性には、極性ダイバーシティと空間ダイバーシティが含まれる。
【0018】
図2は、ユニット10の棚11上の商品の在庫をリアルタイムで電子的に維持するためのタグ42を備えたパネルアセンブリ41の一例を明らかにする。パネルアセンブリ41は全体的に平坦な個別の層の合成物であり、底面43、導電接地面44、低密度プラスチックのフォームコア(発泡芯)45、及び表面46の各層を含む。表面46と底面43は、ポリオレフィン、ABS又はビニルなどの任意の適切なプラスチックフィルムであり、少なくとも表面46は、例えばブリキ缶などの商品がパネルアセンブリ41に雑に載置され、又は取り出される際に損傷や早期の摩耗を被らない程度の適切な耐久性をもつ。
表面46と発泡芯45は共に実質的に又は完全に電波を通す。発泡芯45は好ましくは、一般的な熱可塑性物質又は熱硬化性素材からなる、開放気泡又は閉鎖気泡を含む発泡体であり、接地面44からタグ42を少なくとも約3/4インチ離隔する厚さを持つ。層43乃至46は各々の結合面で、適切な接着剤、溶接、機械的なファスナー又は他の方法を用いて結合されている。タグ42は発泡コア芯45又は表面46又はその両方に固定されている。パネルアセンブリ41は棚11に丁度収容できる長さと幅を有し、又は、複数のパネルアセンブリが棚を丁度カバーできるように、配置されるべき棚の長さの整数等分の長さを有する。
【0019】
タグ42は市販されているRFIDタグで、長方形の占有面を有し基本的に平坦である。タグ42は好ましくは、上記のように、棚11上に配置された商品の列16と対応して配置される。必ずしも必要では無いが好ましくは、列16の隣り合ったタグ42同士の間隔は、棚11の関連する列上の、目下小売されている商品の前後の間隔に対応する。また必ずしも必要では無いが好ましくは、タグ列の間隔は棚11上の小売商品の列の間隔と同じである。
小売店の設備として使用される任意のパネルアセンブリ41上の各々のタグ42は一意的なIDを持っている。本発明によれば、タグ42の各列16は、各々の列に沿って、パネルアセンブリ41の前面に位置するバーコード51と関連づけられる。バーコード51は感圧性ラベル上に印字され、光学的にスキャンできるよう位置するために、パネルアセンブリ41の縁に張り付けられる。
【0020】
以上のことから、図1に示されるユニット10の各棚11の全域が、図2に描かれた、又はこれと類似のパネルアセンブリ41によってカバーされる。所望ならば、パネルアセンブリ41は棚自体を形成するのに十分の強度を持って構成できる。一方、棚11が大きい穴の無い金属シートならば、導電面44及び底面43は省略できる。棚11上に配置された小売商品は、その高密度の誘電特性、又は金属の容器に入っていること、又はその底面に張り付けられた金属箔片を持つことによって、電波エネルギーを遮り、その結果タグ42を覆い隠す。導電接地面44は同様にこのエネルギーを遮断する。パネルアセンブリ41の面に平行又はほぼ平行に、即ち発泡芯45の面を通り抜け、そのためタグ42の面に平行に伝播する電磁波には、タグを励起する効果がない。従って、この方向にのみエネルギーを受け取るタグ42は、棚アンテナ21からは見えない、即ち、捕捉されない。
【0021】
棚に整然と置かれた電波を通さない小売商品は、タグが棚アンテナ21から捕捉されないように、下部のタグ42を覆い、電磁的に遮蔽する。反対に、棚から小売商品が取り出されたとき、その直下のタグ42は電磁エネルギーの下に露出され、棚アンテナ21によって直ちに捕捉される。
【0022】
図5は、適応可能なリアルタイム在庫状況を実現する棚システムの追加部分を図式的に示す。棚アンテナ21は、アンテナによって受信される任意のタグ42を識別する、この技術分野で知られているリーダーユニット56と通信を行う。同様にリーダーユニット56は棚の在庫の変化を監視し報告するようプログラムされたコンピューターベースのコントローラー57とも通信する。リーダー56とコントローラー57は別々の構成要素として示されているが、統合することも可能である。コントローラー57によって集められた棚在庫情報は、商品の在庫補充や再発注を開始するのに定期的に使用される。開示されたシステムは、棚アンテナ21で捕捉されるタグの数の変化に通常数秒以内に反応できるので、リアルタイムで棚在庫を監視する重要な利点を有する。
【0023】
通常の条件下では、コントローラー57は特定の商品を棚に補充する必要を合図することに加えて、商品が取り出された日時を反映するデータを記録できる。コントローラー57は、商品が棚から取り出されているが、所定の時間内にキャッシュレジスターに現れないときには、紛失商品レポートを発行するようにプログラムされる。他の特別な状況では、システムは他の方法で対応できる。例えば、組織的な窃盗犯は、簡単に隠匿でき且つ転売できる特定の小売商品を標的にしていることが経験上判明している。犯罪者にとって有利になる、これらの窃盗の特徴は、棚から全て又は殆どの同じ商品を素早くつかみ取ることにある。コントローラー57は即座に適切な担当者にアラームを送信することにより、同一の棚の商品の急激な減少に対応するようにプログラムされる。アラーム信号によって、店舗のどこでその現象が起きているかの詳細な位置を識別できる。例えば、現場や容疑者写真を記録するため、コントローラーは店舗内の特定された場所に防犯カメラのピントを合わせることができる。
【0024】
在庫を棚に補充する従業員59は、棚システムコントローラー57によって電子的に認識可能なIDバッジを支給されている。例えば、バッジは棚アンテナ21によって受信される、バッジに関連付けられたRFIDタグを有する。あるいは、従業員のバッジは、従業員が在庫を棚に補充するときに使用する携帯型バーコードスキャナ61によって読み込まれ、電子的に報告することができる、バッジに関連付けられたバーコードを有する。コントローラー57は在庫を棚に補充する人のIDをその活動時に認識できるので、その人の生産性が観察され、正確に測定される。所望ならばコントローラー57は、在庫補充する労働者をビデオで監視するようプログラムできる。コントローラーによって記録される測定基準は、棚に実際に置かれた商品の数と、棚アンテナ21がリアルタイムでの棚在庫の変化を報告してからの時間を含み得る。棚を補充する人のID、その人の迅速さと効率は記録され、且つ小売業者と製造者の間の取り決めに応じてその製造者の商品が展示されていることを、並べられた商品の製造者に保証できる。
【0025】
このシステムは、アンテナ21とリーダー56を通して、顧客を識別するために埋め込まれたRFIDタグを備えるポイントカードを持つ顧客を検出できる。この機能は、棚から特定の商品を取り出す顧客に基づいて、マーケティングの目的で使用できる。
【0026】
システムは、店舗運営者が全ての棚、棚に収容するべき商品の位置を指示する“プラノグラム”に従っているかを、容易に監視できる。最初に各棚が許可されたフロアプランに従った適切なレイアウトで、各棚と関連するタグがコントローラーのメモリに登録されているとすると、コントローラーは、商品がプラノグラムで指定された商品として(最初にUPCコードをスキャンされた代表商品と共に)各棚の列に置かれているかどうかを確認するようにプログラムできる。
【0027】
本発明の重要な側面は、小売店やその他の施設において、棚11上に配置される商品の種類ごとに選択された場所を電子的に入力及び記録する機能である。さらにシステムは、棚に置かれる商品の場所を必要なとき又は望まれたときに変更でき、その変更を電子的に入力及び記録できる。仕入れ先から新商品が導入されたとき、及び/又は、店舗運営者が販売計画のために商品の展示の変更を選択したとき、又は、既存の商品が小売業者あるいは仕入れ先によって販売中止になったとき、このような変更は日常的に発生する。
【0028】
通常、各棚列16におけるバーコード51(これは一意的な番号である)は、これに関連付けられたタグ42の一意的なセットを持ち、この対応はコントローラー57のメモリに格納される。本発明によれば、図5で従業員59として描かれる店員又は他の人員が、棚列バーコード51と特定の棚11の列16に現在表示されるように小売店が選択した商品のUPCバーコードを電子的に読みとる携帯型バーコードスキャナ61を使用できる。棚列16のIDと、棚11上の商品や製品を電子的に関連付け、コントローラー57へその関連を送信する機能は、大幅に生産性を改善し、データの収集、送信及び入力におけるエラーを低減させる。
図5の典型的な棚及びタグレイアウトを示す図では、販売商品は表示されていないが、通常、タグはバーコード51に応じて整列された販売商品によって覆われている。バーコードリーダー(バーコードスキャナー)61はスキャンされた情報を、無線又は有線通信を通して、コントローラー57へ電子的に中継する。このデータと共に列16の商品収容数をメモリに持つコントローラー57は、その列上で電磁的に遮断されたタグの数に基づいて、関係する列の棚在庫を直ちに認知する。
【0029】
図4は、小売店の棚配置の変形例を示す図である。販売棚ユニット66は、当技術分野で周知の、ばねによって作動する押し板67を含む。販売棚ユニット66は、本体がコイル状に巻かれた平面鋼リボンの形をした導電性ストリップからなる、ばね68を含む。ばね68の一端は、ユニット66の前端に固定され、コイル状のばね68の本体は、押し板67の後ろに軸支される。ばね68は、押し板67だけでなく、列16で板前方に配置された全ての商品に、ほぼ一定の前向きの力を及ぼす。押し板67は、列16に沿って設けたスライド、即ち、軌道69の上でユニット66の前後に動くようにガイドされる。ユニット66は、板67を手動で列の後ろに押して、その前にアイテムを配置することによって、小売商品が載荷される。ユニット66の前端に、商品を抑え、ばね68の力に抵抗するように小さな障壁(図示せず)が設けられている。ユニット66から障壁より上に商品を持ち上げることによって、最前の商品が販売される。
【0030】
便宜上、図4にはひとつの販売棚66のみが記されているが、典型的な棚は、隣同士に平行にいくつかの同一構造ユニットを持つであろうことが理解されよう。前述の棚ユニット10と同様に、各販売棚66は一意的なバーコード51と一意的なタグ42のセットを有する。タグ42は、ばね68の鋼リボンの平面状の下で、販売棚66の列16に沿って均等に互いに離隔して配置されている。また、タグ42は、図2に記載のパネルアセンブリ41のような複合パネル上に設けることができる。バーコード51は、対応する販売棚ユニット66上の列16に沿って置かれた関連するタグ42と共に、システムコントローラー57のメモリ上に登録される。ばね68は、棚アンテナ21とばねがカバーするタグ42、即ち押し板67の背後のタグではなく前方のタグとの間の電波通信を遮断する。このように、タグ42は、ばね68のいずれかの重なる部分で覆われる。ばねにより駆動される押し板方式の販売棚は、本質的に電波を遮断しない商品に特に有用である。
【0031】
複数の販売棚ユニット66は、前述の図1、3と、図5のシステムに関して記載される処理とに関連して上に記載されたユニット10内のパネル41の代わりに使用できる。
【0032】
小売商品のサイズが小さいいくつかの用途では、押し板67を駆動するばね68は比較的狭くてもよい。このような場合、タグ42は、棚列16の長手方向にそって、あるいはこのばねがタグを覆うとき必ず適切にタグが遮断されるような方向に整列させる。このような場合、システムの解決方法は、読まれるタグの変化を登録するには一つ以上の商品が取り出される必要がある、というところまで絞り込まれる。
【0033】
棚列16又は販売棚66は、光学的にスキャンできるバーコード51による方法以外の方法でも識別できる。例えば、これらの列又は販売場所は、関連するRFIDタグ、磁気コード、光学文字又はパターン、又は携帯型スキャナーによって電子的に読まれ、電子的に有線又は無線でリーダー(RFID列又は販売タグの場合)又はコントローラー57に接続できる他の印によって個別に識別できる。
【0034】
なお、この開示は例示であり、詳細を追加、修正又は除去することによって本開示に含まれる教示の公正な範囲から逸脱することなく種々の変更が可能であることは明らかであろう。従って、本発明は、以下の特許請求の範囲が必然的にそのように制限されている範囲を除いて、本開示の特定の詳細に限定されない。
【符号の説明】
【0035】
10 棚ユニット、ユニット
11 棚
12 (垂直)後方パネル
14 製品(商品)
16 列、棚列
17、18 棚の前面、後面
21、21 (細長いツインフィードの平面)アンテナ
41 パネルアセンブリ
42 タグ
43 底面
44 導電接地面
45 フォームコア、発泡芯
46 表面
51 バーコード
56 リーダーユニット
57 コントローラー
59 従業員
61 バーコードリーダー、バーコードスキャナー
66 販売棚ユニット
67 押し板、押し部材
68 ばね
69 スライド、軌道
図1
図2
図3
図4
図5