特開2017-143306(P2017-143306A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-143306(P2017-143306A)
(43)【公開日】2017年8月17日
(54)【発明の名称】光モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/022 20060101AFI20170721BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20170721BHJP
【FI】
   H01S5/022
   H01L31/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-95574(P2017-95574)
(22)【出願日】2017年5月12日
(62)【分割の表示】特願2012-211484(P2012-211484)の分割
【原出願日】2012年9月25日
(71)【出願人】
【識別番号】301005371
【氏名又は名称】日本オクラロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 文敏
(72)【発明者】
【氏名】滝田 隼人
(72)【発明者】
【氏名】大森 幸一
【テーマコード(参考)】
5F173
5F849
【Fターム(参考)】
5F173MA02
5F173MB04
5F173MC01
5F173ME24
5F173ME48
5F173ME55
5F849AA01
5F849BB01
5F849JA14
5F849JA19
5F849KA12
5F849XB02
5F849XB35
(57)【要約】
【課題】光モジュールを小型化すること。
【解決手段】光モジュールは、光送信器と、光受信器と、プリント基板であるメイン基板と、光コネクタと、サブ基板と、メイン基板とサブ基板とを接続するコネクタとを含む。メイン基板は、平面的にみて、光送信器と光受信器の間にある第1の部分と、第1の部分に連続しかつより広い幅を有する第2の部分と、第1の部分に連続する第3の部分とを有する。第1の部分からみて光送信器の向こう側、および、光受信器の向こう側にはメイン基板は存在しない。第2の部分および第3の部分は光送信器および光受信器を挟む。第2の部分および第3の部分には集積回路が実装される。光送信器及び光受信器はメイン基板の第3の部分の上で光ファイバにて光コネクタと光学的に接続される。光送信器および光受信器はサブ基板に固定され、コネクタは第1の部分に実装される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光送信器と、
光受信器と、
両面及び内部に複数層の配線パターンが形成されたプリント基板であるメイン基板と、
光コネクタと、
前記メイン基板に対向するサブ基板と、
前記メイン基板と前記サブ基板とを接続するコネクタと、を含み、
前記メイン基板は、平面的にみて、光送信器と光受信器の間にある第1の部分と、前記第1の部分に連続しかつ前記光送信器と前記光受信器との間隔より広い幅を有する第2の部分と、前記第1の部分に連続する第3の部分とを有し、
前記第1の部分からみて前記光送信器の向こう側、および、前記光受信器の向こう側には前記メイン基板は存在せず、
前記第2の部分および前記第3の部分は、前記光送信器および前記光受信器を挟み、
前記第2の部分および前記第3の部分には、それぞれ集積回路が実装されており、い
前記光送信器及び前記光受信器は、前記メイン基板の前記第3の部分の上で光ファイバにて前記光コネクタと光学的に接続されており、
前記光送信器および前記光受信器は、前記サブ基板に固定されており、
前記コネクタは前記第1の部分に実装されている、
ことを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の光モジュールであって、
前記光送信器および前記光受信器の高さは、前記メイン基板と前記サブ基板との間隔より大きい、
ことを特徴とする光モジュール。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光モジュールであって、
前記光送信器と前記光受信器とのそれぞれは、
平面的にみて四角形の4隅に対応する箇所に設けられ、ネジにより前記サブ基板に固定される4つの固定部と、
前記四角形のうち対向する2辺の間に設けられた本体部と、
前記対向する2辺のうち一方に対応する2つの前記固定部の間と他方に対応する2つの前記固定部の間との少なくとも一方に設けられ、前記サブ基板と前記本体部とを接続する接続配線と、
を含むことを特徴とする光モジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光送信器と光受信器とを搭載した光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信を行う光通信装置には、他の光通信装置と光信号をやりとりするモジュールである光モジュールが搭載されている。光モジュールには光送信器と光受信器とが実装されている。光送信器にはレーザーダイオードや光変調器などが搭載されている。光受信器には受光器などが搭載されている。一般的に、光通信を行う装置の筐体には複数の光モジュールが搭載される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、光モジュールの小型化についての要求が高まっている。このため、光送信器、光受信器、またこれらを駆動する回路などを光モジュールのケース内に実装することが困難になってきている。
【0004】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、従来より小型化された光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための、本発明にかかる光モジュールは、光送信器と、光受信器と、メイン基板と、を含み、前記メイン基板は、平面的にみて、光送信器と光受信器の間にある第1の部分と、前記第1の部分に連続しかつ前記光送信器と前記光受信器との間隔より広い幅を有する第2の部分とを有し、前記第1の部分からみて前記光送信器の向こう側、および、前記光受信器の向こう側には前記メイン基板は存在しない、ことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の一態様では、前記メイン基板は前記第1の部分に連続する第3の部分をさらに有し、前記第2の部分および前記第3の部分は、前記光送信器および前記光受信器を挟んでいてもよい。
【0007】
また、本発明の一態様では、前記メイン基板に対向するサブ基板をさらに含み、前記光送信器および前記光受信器は、前記サブ基板に固定されてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記第1の部分に実装され前記サブ基板と接続するコネクタをさらに含んでいてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記光送信器および前記光受信器の高さは、前記メイン基板と前記サブ基板との間隔より大きくてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記光送信器と前記光受信器とのそれぞれは、平面的にみて四角形の4隅に対応する箇所に設けられ、ネジにより前記サブ基板に固定される4つの固定部と、前記四角形のうち対向する2辺の間に設けられた本体部と、前記対向する2辺のうち一方に対応する2つの前記固定部の間と他方に対応する2つの前記固定部の間との少なくとも一方に設けられ、前記サブ基板と前記本体部とを接続する接続配線と、を含んでいてもよい。
【0011】
本発明にかかる他の光モジュールは、光送信器と、光受信器と、メイン基板と、前記メイン基板に対向するサブ基板と、を含み、前記メイン基板は、平面的にみて、光送信器と光受信器の間にある第1の部分を有し、前記第1の部分には、前記メイン基板と前記サブ基板とを接続するコネクタが配置されることを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様では、前記光送信器および前記光受信器は、それぞれ電気信号を伝達するための接続配線を有し、前記光送信器および前記光受信器の各々が有する前記接続配線は、前記メイン基板と接続され、前記光送信器および前記光受信器は、前記サブ基板に固定されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光送信器や光受信器が実装された光モジュールを従来より小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態にかかる光モジュールの構成の一例を示す斜視図である。
図2図1に示す光モジュールの平面図である。
図3図2のIII−III切断線における断面図である。
図4】光モジュールの比較例を示す図である。
図5図4に示す光モジュールのV−V切断線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。出現する構成要素のうち同一機能を有するものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態にかかる光モジュール49の構成の一例を示す斜視図である。また図2は、図1に示す光モジュール49の平面図である。図1に示す光モジュール49は、シリアルで40Gbpsの通信速度を有し、MSA(Multi-Source Agreement)規格のうちCFPに準拠したサイズのものである。この光モジュール49は光トランシーバとも呼ばれる。
【0017】
光モジュール49は、メイン基板1、サブ基板2、光送信器3、光受信器4、送信用集積回路5、受信用集積回路6、光コネクタ7,8、水平接続コネクタ9、同軸ケーブル11,12、光ファイバ13,14、基板間接続コネクタ15、そしてケース21を含む。ケース21はメイン基板1やサブ基板2等を囲む箱であり、平面的にみて長方形である。ケース21の長方形の長手方向の一方の端の面は開口している。その開口している箇所には、光通信装置の本体と光モジュール49とを接続する水平接続コネクタ9が露出している。以下ではケース21の長方形の短手方向を第1の方向とよび、長手方向であってケース21の開口している面から対向する面へ向かう方向を第2の方向と呼ぶ。なお、図1ではケース21を構成する面のうちメイン基板1等の手前側にあるもの及び上方にあるものの記載を省略しており、図2ではケース21の記載自体を省略している。
【0018】
メイン基板1はケース21の内部に固定されている。メイン基板1のうち、第2の方向の端であってケース21の開口側の端に水平接続コネクタ9が接続され、反対側の端に光コネクタ7,8が配置される。メイン基板1の第1の方向でみた幅は、中央部分が水平接続コネクタ9側の部分や光コネクタ7,8側の部分より狭くなるH型の形状である。より具体的には、メイン基板1は、水平接続コネクタ9に連結され矩形の形状を有する根元部分82と、光コネクタ7,8側にあり矩形の形状を有する前方部分83と、この根元部分82と前方部分83とを接続し、その第1の方向でみた幅が根元部分82や前方部分83より狭い連絡部分81とを有する。メイン基板1は硬い材料を用いたプリント基板であり、その両面及び内部に複数層の配線パターンが形成されている。
【0019】
サブ基板2は平面的にみて矩形であり、その幅はメイン基板1の根元部分82や前方部分83における幅とほぼ同じであり、第2の方向で見た長さはメイン基板1より短い。サブ基板2も硬い材料を用いたプリント基板であり、その両面及び内部に複数層の配線パターンが形成されている。
【0020】
図3図2のIII−III切断線における断面図である。サブ基板2とメイン基板1とは基板間接続コネクタ15により接続されており、サブ基板2は、メイン基板1と一定の間隔をもって対向するように配置されている。基板間接続コネクタ15は平面的にみて連絡部分81の中央部に配置される。
【0021】
光送信器3および光受信器4は、平面的にみて連絡部分81を挟むように位置しており、メイン基板1の下方にあるサブ基板2に固定されている。また、光送信器3および光受信器4の高さはメイン基板1とサブ基板2との間隔より大きいため、メイン基板1は平面的にみて光送信器3および光受信器4と重複しない。また光送信器3と光受信器4とは、第2の方向でみると、根元部分82と前方部分83とに挟まれている。また、メイン基板1と光送信器3や光受信器4のそれぞれとの間隔は一定の範囲に収まっている。
【0022】
根元部分82には、送信用集積回路5と受信用集積回路6とが配置される。送信用集積回路5の第2の方向には光送信器3が配置され、受信用集積回路6の第2の方向には光受信器4が配置される。光送信器3の根元部分82の側と送信用集積回路5とは同軸ケーブル11を介して接続され、光受信器4の根元部分82の側と、受信用集積回路6とは同軸ケーブル12を介して接続される。
【0023】
光コネクタ7,8は前方部分83上の特に第2の方向側の端に配置される。光コネクタ7は、光ファイバ13と外部に向けて光信号を送信するための送信用光ファイバとを接続する。また光コネクタ8は、この外部からの光信号を受信するための受信用光ファイバと光ファイバ14とを接続する。光ファイバ13,14はメイン基板1の前方部分83の上で1周以上回転するように曲げられている。これにより、光送信器3や光受信器4と、光コネクタ7,8との間の光軸の位置の違いを吸収している。また前方部分83には、図示していないが光送信器3や光受信器4を制御する制御用集積回路が実装される。
【0024】
メイン基板1の形状を図2に示す形状にすることにより、光モジュール49を確実に小型化することが可能となる。このことは、この構成を取らない場合の例と比べるとより明らかである。
【0025】
図4は、光モジュール99の比較例を示す図である。また図5図4に示す光モジュール99のV−V切断線における断面図である。図4に示す光モジュール99は、メイン基板51と、光送信器53と、光受信器54と、送信用集積回路55と、受信用集積回路56と、同軸ケーブル61,62と、光ファイバ63,64と、光コネクタ57,58と、垂直接続コネクタ59とを含む。本図に示す光モジュール99では、光送信器53はリード線71によりメイン基板51と電気的な接続がされ、光受信器54はリード線72によりメイン基板51と電気的な接続がされている。また光送信器53と光受信器54はそれぞれ、その下部にて図示しないケースにねじ等で固定されている。光送信器53と光受信器54はそれぞれ両側にて電気的な接続をするために、メイン基板51の一辺に2つの切り欠きが設けられている。この2つの切り欠きは、それぞれ光送信器53および光受信器54の形状にあわせたものになっている。
【0026】
このような場合、光送信器53と光受信器54との間だけでなく、光送信器53の外側や光受信器54の外側にもメイン基板51を設ける必要が生じる。メイン基板51のようなプリント基板においては、必ず製造誤差が発生する。例えば、基板をカットする際の断線を避けるため、基板の端から一定の距離以内の部分(以下では「基板縁部」と記載する)には配線パターンを設けることができない。したがって、この比較例ではV−V切断線に沿ってみると6箇所の基板縁部があることになる。一方、図2に示すような本発明の実施形態にかかる光モジュール49では光送信器53の外側や光受信器54の外側にはメイン基板1が設けられていない。そのため、図2に示す実施形態の例では、III−III切断線に沿って2箇所の基板縁部しかないため、図4に示すメイン基板51よりメイン基板1の幅が狭くても配線のスペースを確保することが可能となる。
【0027】
以下では、送受信に用いる構成要素についてさらに詳細に説明する。送信用集積回路5は、いわゆるマルチプレクサ回路を有し、水平接続コネクタ9を介して光通信装置の本体から入力されるパラレルの送信データをシリアルの送信データに変換し、同軸ケーブル11に向けて出力する。
【0028】
光送信器3は内部にレーザダイオードや光変調器を有し、送信データの電気信号は同軸ケーブル11から入力される。また光送信器3が送信データを変調した光を出力する光出力端は円錐状の筺体を介して光ファイバ13に接続されている。光送信器3はTOSA(Transmitter Optical SubAssembly)とも呼ばれる。
【0029】
光送信器3は箱形であり、平面的にみてその箱形の四隅の外側に4つの固定部31を有し、また光送信器3の箱の連絡部分81側と反対側とのそれぞれから外側に向かって複数のリード線33が出ている。4つの固定部31はネジ32を用いてサブ基板2に固定されており、リード線33もサブ基板2に形成された端子と電気的に接続している。光送信器3の連絡部分81側に出ているリード線33はその連絡部分81側にある2つの固定部31の間に配置され、反対側に出ているリード線33はそのリード線33が出ている側にある2つの固定部31の間に配置される。なお、光送信器3や後述する光受信器4のように横に複数のリード線が出ている構造はバタフライ構造と呼ばれている。
【0030】
これらのリード線33は、光送信器3の特性を示す信号を出力するものと、特性を制御するための信号を入力するものと、光送信器3に電源を供給するものとを含む。具体的には一部のリード線33は、光送信器3の温度やレーザダイオードの出力パワーなどのモニタ信号のそれぞれを出力し、他のリード線33の一部には、レーザダイオードの出力パワーや光変調器のバイアス電圧など、光送信器3の特性を制御する信号が入力される。光送信器3はこれらの信号を、基板間接続コネクタ15を介してメイン基板1上の制御用集積回路との間でやりとりする。
【0031】
このように2つの固定部31の間にリード線33を配置することで、光送信器3において第1の方向にリード線33が張り出す幅を抑制することが可能となり、光モジュール49の幅をより確実に小型化することが可能になる。
【0032】
光送信器3の上面には、図示しない放熱用シートが接しており、その放熱用シートはケース21と光送信器3との間に挟まれている。こうすることで光送信器3に生じる熱をケース21を介して放熱することができる。
【0033】
光受信器4は内部にフォトダイオードやトランスインピーダンスアンプを有し、その光入力端は円錐状の筺体を介して光ファイバ14に接続されている。また光受信器4は光入力端から入力された光信号を光電変換して受信データの電気信号を生成し、その電気信号を同軸ケーブル12から出力する。光受信器4はROSA(Receiver Optical SubAssembly)とも呼ばれる。
【0034】
光受信器4も箱形であり、その箱形の四隅の外側に4つの固定部31を有し、また光受信器4の連絡部分81側と反対側とのそれぞれから外側に向かって複数のリード線43が出ている。4つの固定部41はネジ42を用いてサブ基板2に固定されており、リード線43もサブ基板2上に形成された端子に電気的に接続している。光送信器3の連絡部分81側に出ているリード線43はその連絡部分81側にある2つの固定部41の間に配置され、反対側に出ているリード線43はそのリード線43が出ている側にある2つの固定部41の間に配置される。
【0035】
これらのリード線43は、光受信器4の特性を示す信号を出力するものと、光受信器4に電源を供給するものとを含む。例えば、一部のリード線43は、フォトダイオードへの入力パワーなどのモニタ信号を出力する。光受信器4はこれらの信号を、基板間接続コネクタ15を介してメイン基板1上の制御用集積回路との間でやりとりする。
【0036】
このように2つの固定部41の間にリード線43を配置することで、光受信器4において第1の方向にリード線43が張り出す幅を抑制することが可能となり、光モジュール49の幅をより確実に小型化することが可能になる。
【0037】
前述したように、光送信器3と光受信器4はケース21とは物理的にも電気的にも直接的には接していない。図4、5に示した比較例では光送信器53と光受信器54はケースに固定されており、ケースのグランドと光送信器53と光受信器54のグランドは共通となっていた。しかしグランドを共通とした場合は、例えばケースにノイズ信号(例えば電磁妨害波)が伝達された場合などに、光送信器53と光受信器54にもノイズ信号が伝達され、特性が劣化する恐れがある。本願発明の構造では、ケース21と光送信器3と光受信器4は直接接していなく、グランドも共通ではないため、上記のような問題を避けることができる。
【0038】
なお、光送信器3や光受信器4の形状は必ずしも箱形でなくてもよい。例えば長方形の四隅となる位置で光送信器3や光受信器4が4つの固定部31や4つの固定部41により固定されていれば、光送信器3や光受信器4は丸みを帯びた形であってもよい。
【0039】
光受信器4の下面は、サブ基板2に接している。またサブ基板2のうちその接する部分には、放熱用のパターンが設けられている。こうすることで光受信器4に生じる熱をより効率的に放熱することが可能となる。この放熱用のパターンによる放熱量は光送信器3におけるケース21への放熱量より小さいが、光受信器4の発熱量は光送信器3より小さいので問題ない。
【0040】
受信用集積回路6は、いわゆるデマルチプレクサ回路を有し、同軸ケーブル12を介して入力されるシリアルの受信データを複数レーンからなるパラレルの受信データに変換し、変換された受信データを水平接続コネクタ9を介して光通信装置の本体へ出力する。
【0041】
ここまで本発明の実施形態にかかる光モジュールの例について説明してきたが、本発明はこの例には限られない。例えば、光モジュールの通信速度は40Gbpsでなくてもよいし、光モジュールがCFPに準拠していなくてもよい。これらの場合であっても本発明を用いて光モジュールを小型化することが可能である。
【0042】
また、メイン基板1の平面的な形状は、H型でなくてもよい。例えば光コネクタ7,8とTOSA、ROSAとの間にメイン基板1がなくてもよい。この場合、メイン基板1の平面的な形状は凸型になり、制御用集積回路はサブ基板2などに配置されてよい。
【符号の説明】
【0043】
1,51 メイン基板、2 サブ基板、3,53 光送信器、4,54 光受信器、5,55 送信用集積回路、6,56 受信用集積回路、7,8,57,58 光コネクタ、9 水平接続コネクタ、11,12,61,62 同軸ケーブル、13,14,63,64 光ファイバ、15 基板間接続コネクタ、21 ケース、31,41 固定部、32,42 ネジ、33,43 リード線、59 垂直接続コネクタ、71,72 リード線、81 連絡部分、82 根元部分、83 前方部分、49,99 光モジュール。

図1
図2
図3
図4
図5