【解決手段】 通訳管理装置(10)は、第1移動体通信端末(30a)と第2移動体通信端末(30b)と、第1の利用者と第2の利用者との共通言語で通訳する通訳者の第3移動体通信端末(40)とで会話させる。通訳管理装置(10)は、複数の通訳者を言語及び専門分野に分類した通訳者リストを記憶する記憶部(12)と、第1の利用者が第1移動体端末を利用して選択した言語及び専門分野に基づいて、記憶部から適合する通訳者を抽出する通訳抽出部(103)と、抽出された通訳者の移動体通信端末に対し通信を確立する通信確立部(101)と、を有する。
表示画面を有する複数の移動体通信端末と、該移動体通信端末に通信ネットワークを介して接続された通訳管理装置とを備え、第1の利用者である前記移動体通信端末と第2の利用者である前記移動体通信端末と、前記第1の利用者と前記第2の利用者との共通言語で通訳する通訳者の前記移動体通信端末とで会話させる通訳システムにおいて、
前記第1の利用者の移動体通信端末の前記表示画面は、
複数の言語から一つを選択する言語選択欄と、
前記選択された言語から通訳する専門分野を選択する分野選択欄と、を有し、
前記通訳管理装置は、
複数の通訳者を前記言語及び前記専門分野に分類した通訳者リストを記憶する記憶部と、
前記第1の利用者が選択した前記言語及び前記専門分野に基づいて、前記記憶部から適合する通訳者を抽出する通訳抽出部と、
抽出された前記通訳者の前記移動体通信端末に対し通信を確立する通信確立部と、を有する通訳システム。
第1の利用者である第1移動体通信端末と第2の利用者である第2移動体通信端末と、前記第1の利用者と前記第2の利用者との共通言語で通訳する通訳者の第3移動体通信端末とで会話させる通訳管理装置において、
複数の通訳者を言語及び専門分野に分類した通訳者リストを記憶する記憶部と、
前記第1の利用者が前記第1移動体端末を利用して選択した前記言語及び前記専門分野に基づいて、前記記憶部から適合する通訳者を抽出する通訳抽出部と、
抽出された前記通訳者の前記移動体通信端末に対し通信を確立する通信確立部と、を有する通訳管理装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<通訳システムの構成>
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は実施形態にかかる携帯電話機(移動体通信端末)を用いた通訳システムの外観図である。
図1において、本実施形態に係る通訳システム100は、IP(Internet Protocol)ネットワーク(通信ネットワーク)で接続される通訳管理サーバ10からなる。IPネットワークは、無線で通信を行う無線基地局50と接続される。
【0012】
通訳の管理を行うこの通訳管理サーバ10は、利用者の携帯電話機30a、30bと、通訳者の携帯電話機40t、40sと、利用者の携帯電話機30a、30b及び通訳者の携帯電話機40t,40sに無線基地局50及びを介して通信する。また通訳システム100は、会議管理サーバ10と利用者の携帯電話機30a、30bとを接続する。ここで、利用者の携帯電話機30a、30b及び通訳者の携帯電話機40t,40sには本実施形態にかかる通訳システムを実現可能な通訳アプリケーション(以下、通話アプリという。)がインストールされている。
【0013】
図1において、通訳管理サーバ10の通信確立部101は、通信制御用のプロトコルを用いて通話(少なくとも2名の利用者及び通訳者)に参加する携帯電話機間の通信経路を確立するものであり、本実施形態ではSIP(Session Initiation Protocol)を通信制御用のプロトコルとして用いる。話者権管理部102は、半2重通信の通訳システムに参加する携帯電話機のうち、どの携帯電話機に話者権を与えるかを管理する。通訳者抽出部103は、利用者が選択した条件に適した通訳者を抽出する。通訳者連絡部104は、利用者が1人を確認し又は複数の通訳者から選択した1人の通訳者に、どの言語でどの時間帯の通訳として決定したことを自動的に電子メール又は他のメッセージ手段で伝える。
【0014】
相手先連絡部105は、1人又は複数の利用者に、利用者Aから通話要求が何時から何時の予定である旨を自動的に電子メール又は他のメッセージ手段で伝える。通訳者選択画面送信部106は、通訳者抽出部103で抽出された複数の通訳者のうち、利用者が通訳者を選択するために、例えばHTML形式の選択フォーマットのデータを利用者の携帯電話機30aに送信する。なお、通訳者抽出部103で抽出された通訳者が一人である場合には、通訳者選択画面送信部106は、利用者の確認のため、1人の通訳者の詳細データを送る。また通訳者抽出部103で抽出された通訳者が0人である場合には、通訳者選択画面送信部106は、条件に該当する通訳者がいない旨のデータを送る。
【0015】
また、記憶部12は、携帯電話機間で行われる通話のため、通話に参加する双方の利用者及び通訳者の情報が記録される通話管理テーブル122を保持する。一旦、利用者が通訳者の利用予約を相手先も含めて登録すると、通信確立部101は、この通話管理テーブル122に登録された相手先及び通訳者が通話を確立する。また記憶部12は、通話する又は通話予約する利用者の利用者情報124を記憶する。利用者情報124には、例えば通訳料金のカード支払いもしくは銀行引き落とし等の支払方法、住所等を含む。また記憶部12は、言語、専門領域、料金帯、通訳できる時間帯、通訳者の評価及び通訳者の詳細データ等が記載された通訳者の一覧である通訳者リスト126を記憶している。特に図を使って詳述しないが、通訳者は、通訳できる時間帯などを適宜更新し、通訳者リスト126は最新の情報が記憶される。
【0016】
図2は、通訳者リスト126の一例である。通訳者番号欄C11には、通訳者を管理するための番号が記載されている。名前欄C12には、通訳者の氏名が記載されている。
図2の通訳者リスト126にはアルファベットの名前表記のみで掲載されているが、他に日本語表記欄と中国語表記欄等とがあってもよい。本実施形態では図示しないが、日本語表記欄と中国語表記欄とを含んでいる。また、通訳者リスト126は、専門分野1の欄C21、専門分野2の欄C22を含んでいる。例えば専門分野が20区分に分けられてあり、通訳者は通訳者の携帯電話機40を介して専門分野を少なくとも1つ申告している。
【0017】
また通訳者リスト126は、通訳者の国籍欄C31、対応時間帯欄C41を含んでいる。対応時間帯欄C41は、日付ごとの対応時間帯を更新して記憶するようにしても良いし、月曜日から金曜日までのウィークデイと土曜日から日曜日までのウィークエンドとで、対応時間帯を記憶していても良い。通訳者は適宜、通訳者の携帯電話機40を介して対応時間帯を修正したり申告したりする。
【0018】
図2では掲載されていないが、通訳者リスト126は、通訳者の評価結果、通訳者の料金体系欄、通訳者の住所欄、電話番号欄、通訳料の振込銀行口座欄などを含んでいる。
【0019】
次に、上述した実施形態の動作を
図3から
図4を参照して説明する。
図3は、第1の利用者である利用者Aが、第2の利用者である利用者Bと通話する際に、通訳を依頼するフローチャートである。
【0020】
まず、ステップS31にて、利用者Aが所有する携帯電話機30aで通訳アプリを立ち上げる。
次に、ステップS32において、利用者Aは携帯電話機30aの表示画面39に表示される通話アプリにて通話相手先の利用者B及び通訳言語を入力する者を選択する。さらに利用者Aは表示画面39に表示される通訳者の希望する専門分野、通訳者の価格帯、電話で通話する日時と時間を入力する。
【0021】
図4(A)は、通話アプリを立ち上げた携帯電話機30aの表示画面39の一例である。表示画面39の上段には、日本語、英語および中国語で「通訳付き通話」の表示A31があり、その下に、日本語、英語および中国語で「相手先の電話番号」の表示A32があり、利用者Aはそのボックス内に1又は複数の電話番号を記載できる。本実施形態では、基本的に国番号を含む電話番号の入力を要求している。すでに携帯電話機30aに登録されている会社名又は個人名からも検索して、表示A32のボックス内に電話番号を入れることも可能である。
【0022】
「相手先の電話番号」の表示A32の下に、日本語、英語および中国語で「通訳者の言語」の表示A33がある。利用者Aは、ドロップダウン・メニューで複数の言語の中から一言語を選択することができる。
図4(A)では、英語が選択されている。
【0023】
また「通訳者の言語」の表示A33の下に、日本語、英語および中国語で通訳者の「専門分野」の表示A34がある。本実施形態では、利用者Aは、ドロップダウン・メニューで複数の専門分野の中から一分野を選択することができる。
図4(A)では、マーケティング分野が選択されている。
【0024】
図4(B)は、
図4(A)に続く、携帯電話機30aの表示画面39の一例である。
「専門分野」の表示A34の下に、日本語、英語および中国語で通訳者の「時間当たりの単価」の表示A35がある。本実施形態では、利用者Aは、ドロップダウン・メニューで複数の時間単価の中から一単価を選択することができる。
図4(B)では、米50ドルが選択されている。
【0025】
また「時間当たりの単価」の表示A35の下に、日本語、英語および中国語で、通話の開始日「日にち」の表示A36、「開始時間」の表示A37、「終了予定時間」の表示A38がある。この設定は、現在時間から5分後からの設定が可能となっている。本実施形態では、利用者Aは、2017年8月15日の14:15から15:00の通話を予定している。なお、利用者Aが東京都内にいるため、日本時間が表示されているが、別の地域の標準時が使用されてもよい。
【0026】
利用者Aは、これらの選択又は入力設定で修正が必要であればリセットボタンA39をタップし、修正が必要なければ送信ボタンA40をタップする。送信ボタンA40がタップされると、これらの選択又は入力した情報が通訳管理サーバ10に送信される。以上がステップS32において、利用者Aが行う作業である。
【0027】
再び
図3に戻り、ステップS33において、通訳者抽出部103は、携帯電話機30aから送信されてきた、通訳言語、専門領域、料金帯、通訳できる時間帯に基づいて、通訳者リスト126から適合する通訳者を抽出する。また、通訳者選択画面送信部106は、抽出された複数の通訳者から、利用者Aが一人の通訳者を選択できるHTMLページを作成し、利用者Aの携帯電話機30aにそのHTMLページを送信する。なお、通訳者選択画面送信部106は、該当する通訳者が一人であると、「この通訳者で良いですか」と表したHTMLページを作成し送信する。また通訳者選択画面送信部106は、該当する通訳者が0人であると、「該当する通訳者はいません」と表したHTMLページを作成し送信する。
【0028】
ステップS34において、利用者Aは、複数の通訳者の中から気に入った通訳者を選択する。
図4(C)は、通訳者を選択する表示画面39の一例である。表示画面39の上段には、日本語、英語および中国語で「通訳の候補者」の表示C31があり、その下に日本語、英語および中国語で「以下から選択してください」の表示C32がある。利用者Aはその中の1人のボタンC33を選択できる。本実施形態では、選択するための情報として、通訳者の名前と国籍とが表示されている。また選択するための情報として、通訳者毎に星C34が1つから3つまで付けられている。良い通訳者であったと、利用した利用者からの評価の点数を示している。以上の例に関わらず、通訳者リスト126に入力されているデータに基づいて、通訳者が選択した「言語」以外の言語を話せる情報を掲載したり、選択した「専門分野」以外の情報を掲載したりしてもよい。
【0029】
利用者Aは、一人を選択した後修正が必要ならばリセットボタンC35をタップし、修正が必要なければ送信ボタンC36をタップする。送信ボタンC36がタップされると、選択した情報が通訳管理サーバ10に送信される。以上がステップS34において、利用者Aが行う作業である。なお、該当する通訳者が一人であると、利用者Aは、否認ボタン(不図示)、又は確認ボタン(不図示)をタップする。
【0030】
なお、
図4(A)から
図4(C)では、利用者Aが日本人及び日本国内にいる外国人を想定して、日本語、中国語及び英語の3言語で表記している。しかし、これら3言語の表記に限る必要はなく、日本語1か国でもよく韓国語等を含む4言語以上に対応するようにしてもよい。
【0031】
再び
図3に戻り、ステップS35において、通訳者連絡部104は、通訳の予約が確定したこと及び通訳の時間帯を電子メール又はSNSのメッセージ機能で通訳者Tの携帯電話機40に通知する。そしてステップS36において、通訳者Tは、携帯電話機40のアプリを立ち上げて、確認した旨を通訳管理サーバ10に送信する。
【0032】
ステップS37において、相手先連絡部105は、「相手先の電話番号」A32のボックス内に入れられた電話番号に、利用者Aとの通話:通話開始日時等を含むメッセージを送信する。
図3のフローチャートでは、相手先が利用者Bで描かれているが、相手先が複数人であれば、複数人にメッセージを送る。また、相手先は、ステップS38において、メッセージに添付されたURLにアクセスし、確認した旨を通訳管理サーバ10に送信する。なお、一般に、利用者Aと相手先とは事前に、通話日時などを電子メール等で確認することが多い。このような場合には、ステップS37及びS38は省略してもよい。
【0033】
ステップ39では、通訳者T及び相手先の利用者Bの確認が取れたため、利用者A、利用者B、通訳者T及び日時などが確定し、これら情報が記憶部12の通話管理テーブル122に記憶される。
【0034】
ステップ40では、話者権管理部102が、利用者A、利用者B及び通訳者Tに、通話のアクセス番号を通知する。
ステップ41では、利用者A、利用者B及び通訳者Tが、設定された日時に、指定されたアクセス番号を入れると、通信確立部101は利用者A、利用者B及び通訳者Tの通信を確立する。利用者A及び利用者Bは通訳者Tを介して通話する。
【0035】
ステップ42では、話者権管理部102は、利用者A及び利用者Bの通話時間を管理し、通話管理テーブル122で決められた時間以内であれば、その通話管理テーブル122に記憶された時間で、料金を計算する。また時間を超えるようであれば、例えば終了予定時間5分前に、話者権管理部102は、選択された「言語」の自動音声で、通話を延長するか否かの音声ガイダンスを通話中に送信する。会話を延長するのであれば、通訳者Tは携帯電話機40の表示画面49に表示される時間変更画面(不図示)で終了時間を変更する。
【0036】
ステップ43において、通話が終わった後に、少なくとも利用者Aは、通訳者Tの評価をする。例えば、通訳アプリは、携帯電話機30aに「通訳者の○○○○さんを評価してください。」と表示し、例えば、“とても良い(4点)、良い(3点)、普通(2点)、悪い(1点)、非常に悪い(0点)”の五段階評価の項目を表示する。利用者Aは、判断した評価をタップして、送信する。
【0037】
ステップ44では、通訳管理サーバ10は、送信された通訳者の評価結果を受信し、通訳者リスト126の通訳者の評価に追加する。通訳管理サーバ10は、これまでの評価結果の平均点などから、
図4(C)で示した星C34の項目を通訳者リスト126に登録する。
【0038】
図5(A)及び(B)は、通訳者Tが通訳者用の通話アプリを立ち上げ、携帯電話機40の表示画面49に表示された、通訳が可能な時間帯を入力する画面の一例である。表示画面49の上段には、日本語、で「通訳可能な日時設定/変更」の表示T91があり、その下に、日本語で5通りの日付設定/変更の方式T92が用意されている。
【0039】
日付設定/変更の方式T92は、「一ヶ月まとめて設定/変更(一括)」、「一ヶ月まとめて設定/変更(曜日ごと)」、「一ヶ月まとめて設定/変更(日ごと)」、「一週間まとめて設定/変更(日ごと)」及び「一日ごと設定/変更」が用意されている。
【0040】
「一ヶ月まとめて設定/変更(一括)」は、通訳者Tが、例えば一ヶ月間毎日同じ時間帯を設定する場合に使用される。通訳者Tは、一日分の通訳できる時間帯を設定すれば、一ヶ月まとめて同じ時間帯を設定することができる。また通訳者はその時間帯を設定する「月」も選ぶことができる。
【0041】
「一ヶ月まとめて設定/変更(曜日ごと)」は、通訳者Tが、例えば土曜の通訳できる時間帯、日曜日の通訳できる時間帯、及び平日(月曜から金曜)の通訳できる時間帯が異なっているだけで、一ヶ月間同じ時間帯を設定する場合に使用される。通訳者Tは、曜日ごとに通訳できる時間帯を設定すれば、一ヶ月まとめて同じ時間帯を設定することができる。また通訳者はその時間帯を設定する「月」も選ぶことができる。
【0042】
「一ヶ月まとめて設定/変更(日ごと)」は、通訳者Tが毎日の通訳できる時間帯を、一ヶ月間分設定する場合に使用される。また、「一週間まとめて設定/変更(日ごと)」は通訳者Tが毎日の通訳できる時間帯を、一週間分設定する場合に使用される。また通訳者はその時間帯を設定する「月」もしくは、「月」及び「週」も選ぶことができる。
【0043】
また「一日毎設定/変更」は、通訳者Tが毎日の通訳できる時間帯を、一日分設定する場合に使用される。通訳者はその時間帯を設定する「月」及び「日」も選ぶことができる。
図5(B)は、「一ヶ月まとめて設定/変更(日ごと)」又は「一週間まとめて設定/変更(日ごと)」が選択されて、次へボタンT44がタップされた場合に、表示される時間設定画面の一例である。
【0044】
図5(B)に示されるように、ある月日に、午前12時間分及び午後12時間分のスライドバーが表示される。通訳者Tは、スライドバーを指で移動させて時間の設定を日ごとに設定することができる。最後に送信ボタン(不図示)をタップすれば、通訳者Tの通訳時間帯が、通訳管理サーバ10の通訳者リスト126に記憶される。
【0045】
以上、本実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施形態に限られることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更を行うことも可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件を適宜組み合わせることで様々な発明が抽出されうる。