【解決手段】電圧調整装置100においてタップの切換を制御する切換制御装置10は、制御信号生成部11と、電圧調整装置100内に設けられ回路温度を計測する回路温度計測手段により計測された回路温度を取得する温度入力部12と、温度入力部12により取得された回路温度に応じてタップの切換えの間隔である切換間隔を可変的に制限する切換間隔調整部13とを備える。具体的に、切換間隔調整部13は、切換間隔を段階的に制限すると共に、該回路温度に応じて該タップの切換えの間隔を制限する制限時間を設定し設定された該制限時間につき前記切換間隔を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、従来の電圧調整装置では、タップ切換えを停止することで温度上昇を確実に抑制することができるものの、本来、電圧調整装置に求められる電圧調整機能が喪失されてしまうという本質的な問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、電圧調整装置に求められる電圧調整機能を最大限に維持しつつ、温度上昇を確実に抑制することができる切換制御装置および切換制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1発明の切換制御装置は、配電系統に設置されタップの切換を行うことにより電圧の調整を行う電圧調整装置において前記タップの切換を制御する切換制御装置であって、
前記タップの切換えを行う制御信号を生成する制御信号生成部と、
当該電圧調整装置内に設けられ回路温度を計測する回路温度計測手段により計測された回路温度を取得する温度入力部と、
前記温度入力部により取得された前記回路温度に応じて前記タップの切換えの間隔である切換間隔を可変的に制限する切換間隔調整部と
を備えることを特徴とする。
【0007】
第1発明の切換制御装置によれば、回路温度計測手段により計測された回路温度に応じてタップの切換えの間隔である切換間隔を可変的に制限することで、回路温度によりタップの切換えが突然停止したり、切換間隔が過度に長くなるといった過度の制限を受けることなく、温度上昇を確実に抑制することができる。
【0008】
ここで、切換えの間隔である切換間隔を可変的に制限する手法には、例えば、後述するように切換間隔を段階的に制限するほか、回路温度と切換間隔を線形または非線形に規定したカーブや関係式に基づいて連続的に切換間隔を制限する場合が含まれる。
【0009】
このように、第1発明の切換制御装置によれば、電圧調整装置に求められる電圧調整機能を最大限に維持しつつ、温度上昇を確実に抑制することができる。
【0010】
第2発明の切換制御装置は、第1発明において、
前記切換間隔調整部は、前記回路温度計測手段により計測された回路温度に応じて前記タップの切換えの間隔である切換間隔を段階的に制限すると共に、該回路温度に応じて該タップの切換えの間隔を制限する制限時間を設定し、設定された該制限時間につき前記切換間隔を制限することを特徴とする。
【0011】
第2発明の切換制御装置によれば、回路温度に応じてタップの切換間隔を段階的に制限すると共に、回路温度に応じてタップの切換間隔を制限する制限時間を設定し、設定された該制限時間につき前記切換間隔を制限することで、切換間隔の制限が長い時間実行されることを防止することができる。
【0012】
このように、第2発明の切換制御装置によれば、電圧調整装置に求められる電圧調整機能が過度に抑制されることを防止して最大限に維持しつつ、温度上昇を確実に抑制することができる。
【0013】
第3発明の切換制御方法は、配電系統に設置されタップの切換を行うことにより電圧の調整を行う電圧調整装置において前記タップの切換を制御する切換制御方法であって、
前記電圧調整装置は、前記タップの切換えを行う制御信号を生成する切換制御装置と、該タップの切換えにより接続可能なバイパス回路と、該バイパス回路に設けられたバイパス抵抗と、バイパス抵抗の温度を計測するバイパス温度計測手段とを備え、
前記切換制御装置は、現タップOFF後に一時的に前記バイパス回路に電流を流し、その後に次タップONにすることによりタップの切換を行うタップ切換え動作を行うと共に、前記バイパス温度計測手段による前記バイパス抵抗の温度に応じて、該タップ切換え動作の間隔を段階的に制限することを特徴とする。
【0014】
第3発明の切換制御方法によれば、現タップOFF後に一時的に前記バイパス回路に電流を流し、その後に次タップONにすることによりタップの切換を行うタップ切換え動作においては、タップ切換え動作の間隔を段階的に制限することで、タップ切換えの途中で動作間隔が変更されてバイパス回路に電流が不意に流れ続けるようなことがない。
【0015】
このように第3発明の切換制御方法によれば、バイパス回路を備える電圧調整装置においても、電圧調整装置に求められる電圧調整機能を最大限に維持しつつ、温度上昇を確実に抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に示すように、本実施形態の電圧調整装置100は、サイリスタ式自動電圧調整装置(TVR:Thyristor Voltage Regulator)であって、調整用変圧器101のタップ付二次巻線をタップ切換用サイリスタS1R〜S6RのON/OFFにより切り換えることにより、配電系統の一次側と二次側との間で電圧の調整を行う。
【0018】
また、電圧調整装置100には、タップ切換用サイリスタS1R〜S6Rと並列に、バイパス回路を構成するバイパス抵抗Rおよびバイパス用サイリスタS7Rが設けられる。
【0019】
これにより、タップ切換時に、バイパス用サイリスタS7RをOFFからONとすることで、一時的に電流を流し素通し状態とすることができる。
【0020】
さらに、電圧調整装置100の一次側には、一次側電圧を計測する一次側電圧計測用変圧器VT1が設けられ、二次側には、二次側電圧を計測する二次側電圧計測用変圧器VT2が設けられる。
【0021】
かかる一次側電圧計測用変圧器VT1および二次側電圧計測用変圧器VT2により計測された一次側電圧V1および二次側電圧V2に基づいて、制御信号生成部11(
図2参照)を介してタップ切換用サイリスタS1R〜S6Rの制御信号が生成される。
【0022】
以上が、電圧調整装置100の基本構成であり、電圧調整装置100には、このほか、タップ切換用サイリスタS1R〜S6Rと調整用変圧器101との間に、遮断機MCCB1が設けられると共に、バイパス抵抗Rと並列に遮断スイッチMCが設けられている。また、電源線の一次側と二次側との間には、直列に直列変圧器102および103が設けられ、直列変圧器103にさらに直列に電流値を計測する電流センサCTが設けられている。
【0023】
なお、本実施形態の電圧調整装置100は、(図中下側に)上記構成と同じ予備回路が並列に構成されている。
【0024】
具体的には、調整用変圧器101に対応して、調整用変圧器101´が設けられ、タップ切換用サイリスタS1R〜S6Rに対応して、タップ切換用サイリスタS1T〜S6Tが設けられ、バイパス抵抗Rおよびバイパス用サイリスタS7Rに対応して、バイパス抵抗R´およびバイパス用サイリスタS7Tが設けられている。
【0025】
また、遮断機MCCB1に対応して、遮断機MCCB2が設けられ、遮断スイッチMCに対応して遮断スイッチMC´が設けられ、直列変圧器102に対応して直列変圧器102´が設けられている。
【0026】
図2に示すように、本実施形態の切換制御装置10は、電圧調整装置100のタップ切換用サイリスタS1R〜S6Rおよびバイパス用サイリスタS7Rの制御信号を生成する装置であって、制御信号生成部11と、温度入力部12と、切換間隔調整部13と、時間管理部14とを備える。
【0027】
制御信号生成部11は、一次側電圧計測用変圧器VT1に接続されて、電圧調整装置100の一次側電圧が入力されると共に、二次側電圧計測用変圧器VT2に接続されて、電圧調整装置100の二次側電圧が入力される。
【0028】
なお、電圧調整装置100の一次側電圧および二次側電圧は、A/D変換器AD1を介してデジタル信号に変換された上で、制御信号生成部11に入力される。
【0029】
制御信号生成部11は、基本的には、A/D変換器AD1を介して入力された一次側電圧および二次側電圧から、(一次側電圧変化および二次側電圧変化から電気所方向を判定した上で、)非電気所方向(需要家側)の電圧変動を抑制するように、タップ切換用サイリスタS1R〜S6Rの制御信号およびバイパス用サイリスタS7Rの基本制御信号を生成する。
【0030】
温度入力部12は、電圧調整装置100内に設けられ当該回路温度を計測する回路温度計測手段(図示省略)により計測された回路温度を取得する。
【0031】
回路温度計測手段は、例えば、電圧調整装置100の発熱部であるバイパス抵抗Rに設けられ、バイパス抵抗Rの温度を計測するバイパス温度計測手段である。なお、回路温度計測手段は、バイパス温度計測手段以外でも、電圧調整装置100の代表温度や平均温度のほか電圧調整装置100の他の発熱部の温度を計測する温度計測手段であってもよい。
【0032】
なお、温度計測手段により計測された回路温度は、A/D変換器AD2を介してデジタル信号に変換された上で、温度入力部12に入力される。
【0033】
切換間隔調整部13は、制御信号生成部11により生成される基本制御信号に対して、温度入力部12により取得された回路温度に応じてタップの切換えの間隔である切換間隔を可変的に制限する。
【0034】
ここで、切換えの間隔である切換間隔を可変的に制限する手法には、例えば、
図3〜
図4を参照して後述するように切換間隔を段階的に制限するほか、回路温度と切換間隔を線形または非線形に規定したカーブや関係式に基づいて連続的に切換間隔を制限してもよい。
【0035】
また、切換間隔調整部13は、温度入力部12により取得された回路温度に応じて切換間隔を制限し続ける制限時間(後述の第1時間および第2時間)を設定すると共に、設定された該制限時間につき、制御信号生成部11により生成される基本制御信号に対して切換間隔を制限する。
【0036】
時間管理部14は、時間を管理する手段であって、具体的には、後述する温度高復帰タイマやバイパスOFFタイマなどの各種タイマをカウントアップすることにより、所定時間の経過の有無を管理する。
【0037】
以上が、本実施形態の電圧調整装置100および切換制御装置10の構成である。なお、以上の構成において、制御信号生成部11、温度入力部12、切換間隔調整部13および時間管理部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only memory)、RAM(Random Access Memory)等のハードウェアにより構成され、これら処理部による処理を実行するプログラムをメモリ(不図示)に記憶保持し、そのプログラムを実行することにより、上記制御処理を実行するための演算装置(シーケンサ)として機能する。
【0038】
次に、
図3Aおよび
図3Bを参照して、切換制御装置10による電圧調整装置100の切換制御方法について説明する。
【0039】
まず、切換制御装置10は、後述する重故障フラグ(STEP30参照)がセットされているか否か判定する(STEP10/
図3A)。
【0040】
そして、かかる重故障フラグがセットされている場合には(STEP10でYES/
図3A)、切換制御装置10は、手動でリセットがされたか否かを判定する(STEP20/
図3A)。
【0041】
そして、切換制御装置10は、重故障に対して手動でリセットがされている場合には(STEP20でYES/
図3A)、重故障フラグ(STEP30参照)をリセットすると共に(STEP21/
図3B)、重故障がリセットされていない場合は(STEP20でNO/
図3A)、手動でリセットがされるまでリターンしてSTEP10以降の同一の処理を繰り返す。
【0042】
一方、切換制御装置10は、重故障フラグがセットされていない場合には(STEP10でNO/
図3A)、温度入力部12により取得された回路温度(バイパス抵抗温度)が120℃以上となっているか否かを判定する(STEP11/
図3A)。
【0043】
そして、切換制御装置10は、回路温度(バイパス抵抗温度)が120℃以上である場合には(STEP11でYES/
図3A)、重故障のフラグである重故障をセットする(STEP30/
図3B)。
【0044】
一方、切換制御装置10は、回路温度(バイパス抵抗温度)が120℃以上でない場合には(STEP11でNO/
図3A)、回路温度(バイパス抵抗温度)が100℃以上となっているか否かを判定する(STEP12/
図3A)。
【0045】
そして、切換制御装置10は、回路温度(バイパス抵抗温度)が100℃以上である場合には(STEP12でYES/
図3A)、回路温度が第1閾値を超えていることを示すフラグである温度高1をセットする(STEP40/
図3A)。続けて、切換制御装置10は、現タップOFF後に一時的にバイパス回路に電流を流し、その後に次タップONにすることによりタップの切換を行うタップ切換え動作の間隔である最小バイパスOFF時間をデフォルト値(例えば50[msec])から温度高1に対応した第1時間(例えば60[sec])に変更する(STEP90/
図3B)。
【0046】
一方、切換制御装置10は、回路温度(バイパス抵抗温度)が100℃以上でない場合には(STEP12でNO/
図3A)、既に温度高1がセットされているか否かを判定する(STEP13/
図3A)。
【0047】
そして、切換制御装置10は、既に温度高1がセットされている場合には(STEP13でYES/
図3A)、高温状態における時間管理を行うタイマである温度高復帰タイマのカウントをカウントアップし(STEP50/
図3A)、カウントアップした温度高復帰タイマが高温復帰時間(60[sec])となっているか否かを判定する(STEP51/
図3A)。
【0048】
ここで、切換制御装置10は、カウントアップした温度高復帰タイマが高温復帰時間(60[sec])となっていない場合には(STEP51でNO/
図3A)、STEP90にスキップして最小バイパスOFF時間を第1時間(60[sec])の変更状態で維持する(STEP90/
図3B)。
【0049】
一方、切換制御装置10は、カウントアップした温度高復帰タイマが高温復帰時間(60となっている場合には(STEP51でYES/
図3A)、温度高1をリセットすると共に温度高復帰タイマをリセットする(STEP52/
図3B)。
【0050】
次に、切換制御装置10は、温度高1がセットされていない場合(STEP13でNO/
図3A)または温度高1がセットされている場合(STEP13でYES/
図3A)でもSTEP52で温度高1がリセットされると共に温度高復帰タイマがリセットされている場合には(STEP52/
図3B)、最小バイパスOFF時間をデフォルト値(例えば50[msec])に変更する(STEP70/
図3B)。
【0051】
次いで、切換制御装置10は、最小バイパスOFF時間がデフォルト値(例えば50[msec])に変更された場合(STEP70/
図3B)または最小バイパスOFF時間が第1時間(60[sec])に変更されている場合(STEP90/
図3B)、タップ切換えの時間間隔を時間管理するタイマであるバイパスOFFタイマ(STEP100参照)が、これらいずれかの最小バイパスOFF時間を経過しているか判定する(STEP91/
図3B)。
【0052】
そして、切換制御装置10は、最小バイパスOFF時間を経過している場合(STEP91でYES/
図3B)、制御信号生成部11によりタップ切換指令となる制御信号が生成されているか否かを判定する(STEP92/
図3B)。
【0053】
ここで、切換制御装置10は、最小バイパスOFF時間を経過していない場合(STEP91でNO/
図3B)または最小バイパスOFF時間を経過している場合(STEP91でYES/
図3B)制御信号生成部11によりタップ切換指令となる制御信号が生成されていない場合(STEP92/
図3B)、いずれの場合にもバイパスOFFタイマをカウントアップして(STEP100/
図3B)、STEP10にリターンする。
【0054】
一方、切換制御装置10は、最小バイパスOFF時間を経過していて(STEP91でYES/
図3B)、制御信号生成部11によりタップ切換指令となる制御信号が生成されている場合(STEP92でYES/
図3B)、制御信号生成部11によりタップ切換指令となる制御信号を出力し、タップ切換動作を実行する(STEP93/
図3)。
【0055】
この場合、切換制御装置10は、次いで、バイパスOFFタイマをリセットしてSTEP10にリターンする(STEP94/
図3B)。
【0056】
以上が切換制御装置10による電圧調整装置100の切換制御方法であり、かかる切換制御方法によれば、回路温度(バイパス抵抗温度)が100℃以上となった場合に(STEP12/
図3A)、温度高1がセットされると共に(STEP40/
図3A)、最小バイパスOFF時間が60[sec]に変更される(STEP90/
図3B)。
【0057】
これにより、回路温度(バイパス抵抗温度)によりタップの切換えの間隔である切換間隔を段階的に制限することで、回路温度が120℃以上となりタップの切換えが突然停止したり、切換間隔が過度に長くなるといった過度の制限を受けることなく、温度上昇を確実に抑制することができる。
【0058】
さらに、温度高復帰タイマ(STEP50/
図3AおよびSTEP52/
図3B参照)と、バイパスOFFタイマ(STEP94,STEP100/
図3B参照)とを併存させ、温度高1が解除されるまでの時間を高温復帰時間(60[sec])に設定することで、温度が100℃付近で前後した場合に、最少バイパスOFF時間が、第1時間である60[sec]とデフォルト値(例えば50[msec])とに頻繁に変更されることがない。
【0059】
次に、
図4Aおよび
図4Bを参照して、切換制御装置10による電圧調整装置100の切換制御方法の変更例について説明する。なお、
図3Aおよび
図3Bと同一内容の処理については、STEP番号を同一として、その説明を省略する。
【0060】
図4Aおよび
図4Bに示す変更例では、回路温度(バイパス抵抗温度)が100℃以上と、80℃以上で段階的に切換間隔を制限している。
【0061】
具体的には、切換制御装置10は、STEP12で回路温度(バイパス抵抗温度)が100℃以上の場合には(STEP12/
図4AでYES)、温度高1をセットすると共に、温度高2をリセットし(STEP41/
図4A)、最小バイパスOFF時間を温度高1に対応した第1時間(例えば60[sec])に変更する(STEP90/
図4B)。
【0062】
一方、切換制御装置10は、STEP12で回路温度(バイパス抵抗温度)が100℃以上でなく(STEP12/
図4AでNO)、温度高1もセットされていない場合に(STEP13/
図4AでNO)、回路温度(バイパス抵抗温度)が80℃以上か否か判定する(STEP14/
図4A)。
【0063】
そして、切換制御装置10は、回路温度(バイパス抵抗温度)が80℃以上の場合には(STEP14/
図4AでYES)、温度高2をセットし(STEP54/
図4A)、最小バイパスOFF時間を第2時間(例えば30[sec])に変更する(STEP81/
図4B)。
【0064】
一方、切換制御装置10は、回路温度(バイパス抵抗温度)が80℃以上でない場合には(STEP14/
図4AでNO)、温度高2がセットされているか判定し(STEP15/
図4A)、温度高2がセットされていない場合には(STEP15/
図4AでNO)、STEP70以下の通常のタップ切換処理を行う。
【0065】
次に、
図4Aおよび
図4Bにおいて温度高1および温度高2がセットされている場合の処理について説明する。
【0066】
まず、切換制御装置10は、温度高1または温度高2がセットされている場合は(STEP13でYESまたはSTEP15でYES/
図4A参照)、温度高1および温度高2のいずれがセットされている場合に時間管理を行う温度高復帰タイマをカウントアップし(STEP50/
図4A)、カウントアップした温度高復帰タイマが高温復帰時間(60[sec])を経過したか判定する(STEP51/
図4A)。
【0067】
そして、切換制御装置10は、高温復帰時間(60[sec])を経過している場合には(STEP51/
図4AでYES)、温度高1および温度高2をリセットすると共に温度高復帰タイマもリセットし(STEP53/
図4B)、最小バイパスOFF時間をデフォルト値に変更し(STEP70/
図4B)、以下STEP91以降の通常の処理を実行する。
【0068】
一方、切換制御装置10は、高温復帰時間(60[sec])を経過していない場合には(STEP51/
図4AでNO)、改めて温度高2がセットされているか判定し(STEP80/
図4A)、温度高2がセットされている場合には(STEP80/
図4AでYES)、最小バイパスOFF時間を温度高2に対応した第2時間(30[sec])に維持する(STEP81/
図4B)。これにより、バイパスOFFタイマが第2時間(30[sec])時間を経過した場合にはタップ切換え動作が可能となる(STEP91〜/
図4B)。
【0069】
また、切換制御装置10は、温度高2がセットされていない場合には(STEP80/
図4AでNO)、最小バイパスOFF時間を温度高1に対応した第1時間(60[sec])に維持する(STEP90/
図4B)。これにより、バイパスOFFタイマが第1時間(60[sec])時間を経過した場合にはタップ切換え動作が可能となる(STEP91〜/
図4B)。
【0070】
以上が、切換制御装置10による電圧調整装置100の切換制御方法の変更例の詳細である。
【0071】
これにより、回路温度(バイパス抵抗温度)によりタップの切換えの間隔である切換間隔を段階的に制限することで、回路温度が120℃以上となりタップの切換えが突然停止したり、切換間隔が過度に長くなるといった過度の制限を受けることなく、回路温度(バイパス抵抗温度)に応じて切換間隔を段階的に制限することで、電圧調整装置100に求められる電圧調整機能を最大限に維持しつつ、温度上昇を確実に抑制することができる。
【0072】
また、この場合にも、温度高復帰タイマ(STEP50/
図4AおよびSTEP53/
図4B参照)と、バイパスOFFタイマ(STEP94,STEP100/
図3B参照)とを併存させ、温度高1が解除されるまでの時間を高温復帰時間(60[sec])に設定することで、温度が80℃または100℃付近で前後した場合に、最少バイパスOFF時間が、第1時間である60[sec]や第2時間である30[sec]とデフォルト値(例えば50[msec])とに頻繁に変更されることがない。
【0073】
さらに、温度高2がセットされた場合にも(STEP54/
図4A)、温度高復帰タイマ(STEP50/
図4AおよびSTEP53/
図4B参照)による高温時の時間管理が実行され、温度高2に対応した第2時間(30[sec])が経過した後も、温度復帰タイマが高温復帰時間(60[sec])となる温度高復帰タイマによる時間管理が継続される(STEP51/
図4A)。
【0074】
なお、本実施形態では、高温時の時間管理を行う温度高復帰タイマを高温復帰時間(60[sec])に設定しているが、これに限定されるものではない。