特開2017-144039(P2017-144039A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-144039(P2017-144039A)
(43)【公開日】2017年8月24日
(54)【発明の名称】携帯型照明付きミラー
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/00 20060101AFI20170728BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20170728BHJP
   A45D 42/00 20060101ALI20170728BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20170728BHJP
【FI】
   A47G1/00 D
   F21L4/00 623
   A45D42/00 A
   F21Y105:00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-28040(P2016-28040)
(22)【出願日】2016年2月17日
(71)【出願人】
【識別番号】516027122
【氏名又は名称】オーガニックライティング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304036754
【氏名又は名称】国立大学法人山形大学
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100187506
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 優子
(72)【発明者】
【氏名】安部 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】佐合 益幸
【テーマコード(参考)】
3B111
【Fターム(参考)】
3B111AB01
3B111AD01
(57)【要約】
【課題】利用者に与える眩しさを抑えることができると共に、直近の比較的広い面積を均一に照射することで、顔の凹凸による影が生ずることのない自然な姿を写すことができる携帯型照明付きミラーを提供すること。
【解決手段】ケース本体2と、このケース本体を上面から覆う蓋体3とが、ヒンジ4を介して開閉可能に連結され、前記蓋体におけるケース本体に対向する面には、鏡5が装着されると共に、前記ケース本体の上面には、有機ELパネル6が装着されている。ケース本体に開閉可能に連結された前記蓋体の自由端側にはマグネット7が配置されると共に、前記マグネットに対向する前記ケース本体には、前記マグネットに吸着される磁性体8が配置されている。前記マグネット7と前記磁性体8とによって、蓋体が閉じられた状態を保持するマグネットキャッチを構成している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体と、前記ケース本体の上面を覆う蓋体とが、ヒンジを介して開閉可能に連結され、前記蓋体におけるケース本体に対向する面には、鏡が装着されると共に、前記ケース本体の上面、もしくは前記鏡の一部には、面発光光源が装着されていることを特徴とする携帯型照明付きミラー。
【請求項2】
前記鏡の一部に、面発光光源が装着された請求項1に記載の携帯型照明付きミラーであって、前記蓋体が開閉されるケース本体の上面には、小物の収容凹部が形成されていることを特徴とする携帯型照明付きミラー。
【請求項3】
前記面発光光源として、有機ELパネルを用いたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯型照明付きミラー。
【請求項4】
前記ケース本体に対して蓋体が開けられた状態、および蓋体が閉じられた状態を検知する蓋体の開閉検知手段が備えられ、前記蓋体の開閉検知手段によって、前記有機ELパネルの点灯もしくは消灯が制御されることを特徴とする請求項3に記載の携帯型照明付きミラー。
【請求項5】
前記ケース本体に開閉可能に連結された前記蓋体の自由端側にはマグネットが配置されると共に、前記マグネットに対向する前記ケース本体には、前記マグネットに吸着される磁性体が配置され、
前記マグネットと前記磁性体とによって、蓋体が閉じられた状態を保持するマグネットキャッチが構成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の携帯型照明付きミラー。
【請求項6】
前記蓋体が閉じられた状態で、前記マグネットの磁束を受ける磁気センサが前記ケース本体に配置され、前記磁気センサが前記有機ELパネルの点灯もしくは消灯を制御する蓋体の開閉検知手段を構成していることを特徴とする請求項5に記載の携帯型照明付きミラー。
【請求項7】
前記ケース本体には加速度センサが配置され、前記加速度センサが前記有機ELパネルの発光輝度を変更する輝度制御手段を構成していることを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の携帯型照明付きミラー。
【請求項8】
前記加速度センサが少なくとも2軸方向の動きを検出可能な多軸センサであり、第1の軸方向の加速度の検出に基づいて、前記有機ELパネルの発光輝度を変更する輝度制御手段を構成すると共に、第2の軸方向の加速度の検出に基づいて、前記有機ELパネルの発光色を変更する調色制御手段を構成したことを特徴とする請求項7に記載の携帯型照明付きミラー。
【請求項9】
前記ヒンジを介したケース本体に対する前記蓋体の最大開き角度が、90度より大きく180度より小さな鈍角の範囲となるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の携帯型照明付きミラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、化粧などを行う際に利用することができる面発光光源を備えた携帯型照明付きミラーに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧を行う場合や身だしなみを確かめる場合などに、携帯型の手鏡が利用される。この手鏡を利用しようとする場合、必ずしも明るい場所であるとは限らないために、手鏡の一部に発光素子などの照明灯を取り付けたものが提案されている。
前記発光素子としては、小型で軽量かつ発熱の少ないLEDを用いる場合が多く、かかるLEDを手鏡の一部に取り付けた照明付き手鏡が、次に示す特許文献1および2などに開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−157637号公報
【特許文献2】特開2006−175065号公報
【0004】
前記特許文献1に開示された携帯型の手鏡によると、鏡面の上下が光透過性のすりガラスになされ、鏡の裏面に配置されたLEDからの光が、前記上下のすりガラスを通して、鏡に向かう顔に投射されるように構成されている。
また、特許文献2に開示された携帯型の手鏡は、鏡が備えられた手鏡本体を中央にして、その左右両側にそれぞれLEDを備えたホルダが、ヒンジを介して手鏡本体に対して折りたたみ可能に取り付けられた構成が示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した特許文献1および2に開示された手鏡によると、いずれも発光光源としてLEDが用いられており、このLEDは点光源であるために投射光の指向性が強い。
したがって、この手鏡を利用した場合には、鏡の周囲に配置されたLEDが直接利用者の視野に入り、利用者に眩しさを与えることになる。しかも顔の凹凸により影が出やすいという問題も生ずる。
またLEDからの光は、演色性に劣るために例えば顔が若干青白く不自然に写るなどの問題も発生し、この種の照明付き手鏡として改善の余地が残されている。
【0006】
そこでこの発明は、面発光光源を用いることで、利用者に与える眩しさを抑えることができると共に、面発光光源により直近の比較的広い面積を均一に照射することで、例えば顔の凹凸による影が生ずることのない自然な姿を写すことができる携帯型照明付きミラーを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するためになされたこの発明に係る携帯型照明付きミラーは、ケース本体と、前記ケース本体の上面を覆う蓋体とが、ヒンジを介して開閉可能に連結され、前記蓋体におけるケース本体に対向する面には、鏡(ミラー)が装着されると共に、前記ケース本体の上面、もしくは前記鏡の一部には、面発光光源が装着されていることを特徴とする。
【0008】
この場合、前記鏡の一部に面発光光源が装着された携帯型照明付きミラーにおいては、好ましくは前記蓋体が開閉されるケース本体の上面に、小物の収容凹部が形成された構成を好適に採用することができる。
【0009】
そして、前記面発光光源としては、望ましくは有機EL(Electro Luminescence)パネルが用いられる。
【0010】
また、一つの好ましい形態においては、前記ケース本体に対して蓋体が開けられた状態、および蓋体が閉じられた状態を検知する蓋体の開閉検知手段が備えられ、前記蓋体の開閉検知手段によって、前記有機ELパネルの点灯もしくは消灯が制御されるように構成される。
【0011】
さらに、一つの好ましい形態においては、ケース本体に開閉可能に連結された前記蓋体の自由端側にはマグネットが配置されると共に、前記マグネットに対向する前記ケース本体には、前記マグネットに吸着される磁性体が配置され、前記マグネットと前記磁性体とによって、蓋体が閉じられた状態を保持するマグネットキャッチが構成される。
【0012】
この場合、前記蓋体が閉じられた状態で、前記マグネットの磁束を受ける磁気センサが前記ケース本体に配置され、前記磁気センサが前記有機ELパネルの点灯もしくは消灯を制御する蓋体の開閉検知手段を構成した形態を採用することができる。
【0013】
さらに、前記ケース本体には加速度センサが配置され、前記加速度センサが前記有機ELパネルの発光輝度を変更する輝度制御手段を構成した形態も好適に採用することができる。
【0014】
この場合、望ましくは前記加速度センサが少なくとも2軸方向の動きを検出可能な多軸センサであり、第1の軸方向の加速度の検出に基づいて、前記有機ELパネルの発光輝度を変更する輝度制御手段を構成すると共に、第2の軸方向の加速度の検出に基づいて、前記有機ELパネルの発光色を変更する調色制御手段が構成される。
【0015】
そして、前記ヒンジを介したケース本体に対する前記蓋体の最大開き角度は、90度より大きく180度より小さな鈍角の範囲となるように構成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係る前記した携帯型照明付きミラーによると、ケース本体と、このケース本体を上面から覆う蓋体とが、ヒンジを介して開閉可能に連結されて、外郭が構成される。
そして、蓋体におけるケース本体に対向する面には鏡(ミラー)が装着されると共に、前記ケース本体の上面、もしくは前記鏡の一部には、面発光光源として望ましくは有機ELパネルが装着される。
したがって、ケース本体に対して前記蓋体を90度より大きな鈍角となるように開き、蓋体に装着された鏡を正面にして直視することで、前記した面発光光源としての有機ELパネルからの光は、斜め下方からもしくは鏡の面方向から利用者の顔に向かって均一に照射される。
【0017】
これにより、有機ELパネルより演色性の高い自然な柔らかい光を受けるので、利用者に眩しさを与えることなく、かつ顔の凹凸による影が生ずることのない自然な姿を鏡に写すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明に係る第1形態の携帯型照明付きミラーの斜視図である。
図2】同じく有機ELパネルを直上から見た状態の平面図である。
図3】同じく正面図である。
図4】同じく右側面図である。
図5】同じく左側面図である。
図6】蓋体を閉じた状態の斜視図である。
図7】この発明に係る第2形態の携帯型照明付きミラーの斜視図である。
図8】この発明に係る第3形態の携帯型照明付きミラーの斜視図である。
図9】携帯型照明付きミラーの回路構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明に係る携帯型照明付きミラーについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。その第1形態の照明付きミラー1が図1図6に示されており、ケース本体2と、このケース本体2を上面から覆う蓋体3が、ヒンジ4を介してケース本体2に対して開閉可能に連結されている。
【0020】
前記ケース本体2はその外郭が合成樹脂素材により、適度の厚みを有する直方体形状に成形されており、このケース本体2の長辺の一方には、前記ヒンジ4が取り付けられている。そして、前記ヒンジ4を介して、合成樹脂素材により長方形状に成形された蓋体3の長辺の一方が連結されている。
なお、直方体形状に成形された前記ケース本体2と、これを覆う前記蓋体3とは、図6に示されているように、ほぼ同一の平面サイズで上下に重なるように成形されている。
【0021】
前記蓋体3におけるケース本体2に対向する面には、鏡(ミラー)5が装着されており、この鏡5は、前記蓋体3の四辺にそれぞれ幅の狭い周縁部を残した状態で、蓋体3に対して額縁状に取り付けられている。
一方、前記ケース本体2の上面には、そのほぼ中央部に面発光光源としての有機ELパネル6が装着されており、この有機ELパネル6は、図に示すようにほぼ正方形に構成されたものが用いられている。
【0022】
ケース本体2に対して開閉可能に連結された前記蓋体3の自由端側には、符号7で示す引き出し線が示す位置に、マグネット(図示されていないが、以下符号7で示す。)が埋設されている。そして、前記ケース本体2における前記マグネット7に対向する位置には、前記マグネット7に吸着される金属素材により短冊状に成形された磁性体8が取り付けられている。
これにより、前記ケース本体2に対して、その上面を覆うようにして蓋体3を閉じた場合には、前記マグネット7に前記磁性体8が吸着することで、蓋体3が閉じられた状態を保持するマグネットキャッチが構成されている。
【0023】
一方、ケース本体2における厚さ方向の前端面には、前記した有機ELパネルの点灯状態やケース本体2内に収容された後述するバッテリー(リチウムイオン電池)への充電状態などを点灯色で識別表示するLED9が配置されている。
また、図4に示されているようにケース本体2における左側面には、ケース本体2内の前記バッテリーに充電電流を供給するためのUSBソケット10が配置されている。
【0024】
図7は第2形態の照明付きミラー1を示した斜視図である。この第2形態の照明付きミラー1は、ケース本体2の上面に2枚の有機ELパネル6を左右に並べて配置したものであり、他の構成は図1図6に示した第1形態の照明付きミラー1と同様である。したがって、第1形態の照明付きミラー1と同一の機能を果す部分に同一の符号を付けて示しており、各部の説明は省略する。
【0025】
この第2形態の照明付きミラー1によると有機ELパネル6の発光面積を実質的に2倍にすることができるので、有機ELパネル6からの光を受ける被照射面の照度を増大させることができる。
なお、図7に示す第2形態の照明付きミラー1は、蓋体3を閉じた状態においては、図6に示すように第1形態の照明付きミラーと同様となる。
【0026】
図8は第3形態の照明付きミラー1を示した斜視図である。この第3形態の照明付きミラー1は、蓋体3に取り付けられた鏡5の一部に、面発光光源としての有機ELパネル6が装着されている。この図8に示す例においては、鏡5の左右両側に縦長に形成されたほぼ長方形状の有機ELパネル6がそれぞれ装着されている。
【0027】
なお、この鏡5に装着される有機ELパネル6の形態は長方形状に限らず、楕円形状もしくはその他の形状も適宜選択することができる。加えて有機ELパネル6は鏡5の左右のみならず、鏡5の上下にも配置することができ、上下左右の四辺に沿って配置した形態も採用することができる。
また、前記有機ELパネル6は、鏡5の前面に例えば貼着により取り付ける場合や、鏡5の鏡面処理が施されないガラス体の裏面に配置する構成も採用することができる。
【0028】
そして、この第3形態の照明付きミラー1においては、蓋体3が開閉されるケース本体2の上面には、小物の収容凹部11が形成されている。
この第3形態の照明付きミラー1においては、小物の収容凹部11の下底部とケース本体2との間に、より薄型に形成されたバッテリー(リチウムイオン電池)が装着されることになる。
なお、図8に示す第3形態の照明付きミラー1は、蓋体3を閉じた状態においては、図6に示すように第1形態の照明付きミラーと同様となる。
【0029】
以上説明した第1ないし第3形態の照明付きミラー1は、前記したヒンジ4を介したケース本体2に対する前記蓋体3の最大開き角度が、90度より大きく180度より小さな鈍角の範囲となるように構成されている。すなわち最大開き角度の好ましい例においては、図4および図5に示されているように、135度程度に設定される。
【0030】
この構成によると、第1および第2形態の照明付きミラー1は、蓋体3に装着された鏡5を正面にして直視することで、ケース本体2に配置された有機ELパネル6からの光は、斜め下方から利用者の顔に向かって均一に照射される。
また、第3形態の照明付きミラー1によると、蓋体3に装着された鏡5を正面にして直視することで、鏡5の一部に配置された有機ELパネル6からの光は、鏡5の面方向から利用者の顔に向かって均一に照射される。
これにより、有機ELパネル6より演色性の高い自然な柔らかい光を受けるので、利用者に眩しさを与えることなく、かつ顔の凹凸による影が生ずることのない自然な姿を鏡5に写すことができる。
【0031】
図9は、前記した第1ないし第3形態の照明付きミラー1において用いられる回路構成を示したブロック図である。
この図9に示された回路構成の大部分は回路基板12内に搭載されており、この回路基板12はバッテリー(リチウムイオン電池)13と共に、ケース本体2の内底部に収容されている。そして、回路基板12内の各ブロックを結ぶ実線は電力線(パワーライン)を示しており、破線は制御信号線を示している。
【0032】
前記回路基板12には、前記バッテリー13に対する充電回路14が搭載されており、前記したUSBソケット10から充電回路14に電力線が接続されると共に、充電回路14からの定電流出力が、前記バッテリー13に供給されるように電力線が接続されている。また前記バッテリー13よりパワースイッチ15に対して、出力が供給されるように構成されており、前記パワースイッチ15には、前記USBソケット10からも駆動電力の供給を受けることができるように構成されている。
【0033】
そして、パワースイッチ15において択一的に選択された駆動電力は、有機EL駆動回路16に供給され、有機EL駆動回路16からのPWM出力が、有機ELパネル6に発光駆動電力として供給されるように構成されている。
前記充電回路14よりマイクロプロセッサユニット17に対してステータス信号が供給されるように構成されており、これによりマイクロプロセッサユニット17は、USBソケット10への給電の有無および前記バッテリー13の充電状態を判断し、前記パワースイッチ15および充電回路14を制御して、適切な給電経路を選択するように機能する。
【0034】
またマイクロプロセッサユニット17には、磁気センサ18からの情報が供給されるように構成されている。この磁気センサ18は、前記したマグネットキャッチを構成する磁性体8に隣接してケース本体2内に配置され、前記蓋体3が閉じた状態において蓋体3に埋設されたマグネット7からの磁束を受けるように作用する。
そして、磁気センサ18が所定量の磁束を検知した場合には、有機EL駆動回路16に指令を送り、有機ELパネル6への給電を停止するように作用する。
【0035】
すなわち前記磁気センサ18は、ケース本体2に対する蓋体3の開閉状態を検知するものであり、蓋体3が開いた状態で有機EL駆動回路16を動作させると共に、蓋体3が閉じた状態で有機EL駆動回路16の動作を停止させるように機能する。
これにより、前記磁気センサ18は、前記マイクロプロセッサユニット17と共に、有機ELパネル6の点灯もしくは消灯を制御するオンオフ制御手段を構成している。
【0036】
また、前記マイクロプロセッサユニット17には、加速度センサ19からの情報が供給される。この加速度センサ19はケース本体2内に収容され、前記有機ELパネル6の輝度制御および調色制御の機能を果す。
なお、前記した有機ELパネル6には、単色発光の有機ELパネルと、フルカラータイプの有機ELパネルとが存在する。単色発光の有機ELパネルを用いる場合には、好ましくは単軸方向の動きを検出可能な加速度センサ19が用いられ、これにより有機ELパネル6の輝度制御が実行される。
【0037】
この輝度制御手段においては、例えばケース本体2をダブルタップした場合のように、所定の時間内に加速度センサ19が2回の加速度変化を受けた場合に、マイクロプロセッサユニット17は、これをコマンドとして認識するように作用する。
そして、ダブルタップによる前記コマンドを認識する毎に、前記マイクロプロセッサユニット17は、有機EL駆動回路16に指令を送り、有機EL駆動回路16から有機ELパネル6に供給するPWM信号のデューティ比を順次低下させるように作用する。
【0038】
これにより、単色発光の有機ELパネル6の発光輝度は、一例として100%→→70%→→50%のように輝度が変化し、その次のダブルタップを受けて有機ELパネル6の発光輝度は、再び100%に復帰する動作が繰り返される。
これにより前記加速度センサ19は、前記マイクロプロセッサユニット17および有機EL駆動回路16と共に、前記有機ELパネル6の発光輝度を変更する輝度制御手段が構成される。
【0039】
一方、フルカラータイプの有機ELパネル6を用いる場合には、前記加速度センサ19として少なくとも2軸方向(例えばX軸とY軸)の動きをそれぞれ検出可能な多軸センサが用いられる。そして、第1の軸方向(例えばX軸)の加速度の検出(例えば前記したダブルタップの検出)に基づいて、前記有機ELパネル6の発光輝度を順次変更する輝度制御手段を構成すると共に、第2の軸方向(例えばY軸)の加速度の検出(例えば前記したダブルタップの検出)に基づいて、前記有機ELパネル6の発光色を順次変更する調色制御手段が構成される。
【0040】
前記したフルカラータイプの有機ELパネル6を用い、輝度制御および調色制御をそれぞれ実行するには、前記マイクロプロセッサユニット17から前記有機EL駆動回路16に対して、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)に対応した予め定められたデューティ比のPWM信号(R用PWM信号、G用PWM信号、B用PWM信号)の組み合わせが、それぞれ出力されるように作用する。
【0041】
この場合、前記調色制御手段は、一例としてY軸方向のダブルタップを受けて、有機ELパネル6の発光色として、例えば2800K(電球色)および4200K(白色)が反復して切り換わるように制御されても良く、さらに多段階に発光色が切り換わるように設定されていても良い。
【0042】
図9に示す符号20は、ACアダプタを示しており、このACアダプタから導出されるUSBコネクタ20aを、ケース本体2のUSBソケット10に接続することで、前記したバッテリー13への充電等を行うことができる。
【0043】
なお、前記した実施の形態においては、マグネットキャッチを構成するマグネット7の接近を検知する磁気センサ18を用いて、蓋体3の開閉検知手段を構成し、前記した有機ELパネル6の点灯もしくは消灯制御をするようにしている。
しかし、有機ELパネル6の点灯もしくは消灯制御は、ケース本体2に対して蓋体3が開けられたか否かを検知する機械的なスイッチを蓋体の開閉検知手段として用い、前記スイッチを介して有機ELパネル6の点灯もしくは消灯制御を実現するようにしても良い。
【0044】
以上説明したこの発明に係る携帯型照明付きミラーによると、面発光光源として有機ELパネルを用いることで、有機ELパネルの特質を生かした演色性の高い照明効果を得ることができる。これにより利用者に眩しさを与えることなく、かつ顔の凹凸による影が生ずることのない自然な姿を鏡に写すことができるなど、前記した発明の効果の欄に記載したとおりの作用効果を奏する携帯型照明付きミラーを提供することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 携帯型照明付きミラー
2 ケース本体
3 蓋体
4 ヒンジ
5 鏡
6 有機ELパネル(面発光光源)
7 マグネット
8 磁性体
9 表示用LED
10 USBソケット
11 小物収容凹部
12 回路基板
13 バッテリー(リチウムイオン電池)
14 充電回路
15 パワースイッチ
16 有機EL駆動回路
17 マイクロプロセッサユニット
18 磁気センサ(オンオフ制御手段)
19 加速度センサ
20 ACアダプタ
20a USBコネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9