(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-144204(P2017-144204A)
(43)【公開日】2017年8月24日
(54)【発明の名称】水切り具
(51)【国際特許分類】
A47J 43/22 20060101AFI20170728BHJP
【FI】
A47J43/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-42791(P2016-42791)
(22)【出願日】2016年2月17日
(71)【出願人】
【識別番号】514002112
【氏名又は名称】佐久間 まな美
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 まな美
【テーマコード(参考)】
4B053
【Fターム(参考)】
4B053AA03
4B053CA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】水切り良好で通気性を高める能率の良い水切り具を提供する。
【解決手段】ボール容器1とボール容器に組み合わされるざる容器2とで構成され、ざる容器をボール容器に収納した際に、ざる容器の開口部の相対位置を変更可能にし、開口部が斜め上を向きながら、ざる容器本体21が傾斜する姿勢となり、且つ、ざる容器の周壁部一側24がボール容器の縁部12より上方向に突出するように支持させる支持手段をざる容器またはボール容器に備えることを特徴とする水切り具。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール容器とボール容器に組み合わされるざる容器とで構成され、ざる容器をボール容器に収納した際に、ざる容器の開口部の相対位置を変更可能にし、前記開口部が斜め上を向きながら、前記ざる容器本体が傾斜する姿勢となり、且つ、前記ざる容器の周壁部一側が前記ボール容器の上縁より上方向に突出するように支持させる支持手段をざる容器またはボール容器に設けてなることを特徴とする水切り具。
【請求項2】
前記支持手段は、ざる容器で構成され、ボール容器に収納可能であって、ざる容器の開口端部の周囲一側にざる容器の開口部内側に向かう湾曲状の側部を延設して形成されることを特徴とする請求項1の水切り具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボール容器とボール容器に組み合わされるざる容器で構成される水切り具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ボール容器とざる容器とで構成される水切り具は、ざる容器の開口部を真上に向けながら、ざる容器本体を水平な姿勢にしてボール容器に収納でき、ざる容器により水切り対象物を大まかに水切りした後に、ボール容器に収納して残水分を自重滴下させて水切りするようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ボール容器とざる容器で構成される水切り具は、ざる容器の開口部を真上に向けながら、ざる容器本体を水平な姿勢にしてボール容器に収納し、水切り対象物の水分を自重滴下させても、水分は残ってしまい水切り能力が劣り、また、ざる容器の周壁部をボール容器の周壁部で覆う状態で収納するので、通気性が悪く、余計に乾きが遅くなり能率が悪い。
【0004】
そこで本発明は、僅かな改良で、ざる容器をボール容器に収納した際に、従来よりも、水切り対象物の残水分の滴下量を増加させ水切りを良好にすると共に、通気性を高めて乾燥を早める能率良い水切り具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するために、本発明の水切り具は、ボール容器とボール容器に組み合わされるざる容器とで構成され、ざる容器をボール容器に収納した際に、ざる容器の開口部の相対位置を変更可能にし、前記開口部が斜め上を向きながら、前記ざる容器本体が傾斜する姿勢となり、且つ、前記ざる容器の周壁部一側が前記ボール容器の上縁より上方向に突出するように支持させる支持手段をざる容器又はボール容器に設けてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ボール容器とボール容器に組み合わされるざる容器とで構成され、ざる容器をボール容器に収納して水切る際に、ざる容器の開口部の相対位置を変更可能にすることができるため、前記開口部が斜め上を向きながら、前記ざる容器本体が傾斜する姿勢に支持される場合は、前記開口部が真上を向きながら水平な姿勢で収納する場合では流れ出さなかった水切り対象物の残水分が、斜め下方向に流れ出し滴下量を増加させ水切りを良好にし、同時に前記ざる容器の周壁部一側が前記ボール容器の上縁より上方向に突出しているので、通気性を高めて乾燥を早める能率良い水切り具を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<第1実施形態>
図1,2は本発明の第1実施形態で、ボール容器1とざる容器2とで構成される。
【0008】
ボール容器1は底面が平らで安定する容器本体11を備え、縁部12は、持ち手兼用載せ台としてなる。
【0009】
ざる容器2は、ボール容器1に収納される大きさのざる容器本体21を備え、縁部12の上に載置できる形状の縁部22aと22bを付設してなる。
【0010】
特に、縁部22bは、ざる容器の開口端部ともなる縁部22aの周囲一側に開口部内側に向かう湾曲状の側部を延設してなる支持手段の側部23に付設する。
【0011】
なお、
図3は、縁部22bが付設された側部23を支持手段とする場合の使用状態の説明図となる。ざる容器2をボール容器1に収納する際に、ボール容器縁部12がざる容器縁部22aと22bの載せ台としてなり、ざる容器の開口部の相対位置が変更可能となり、ざる容器縁部22aをボール容器縁部12に載置すれば、ざる容器の開口部が真上を向きながら、ざる容器本体21が水平な姿勢でボール容器1に収納され(
図3上)、更に、ざる容器縁部22bをボール容器縁部12に載置すれば、ざる容器の開口部が斜め上を向きながら、ざる容器本体21が傾斜した姿勢で、且つ、ざる容器周壁部一側24がボール容器縁部12(上縁)より上方向に突出して、ボール容器1に収納されることになる(
図3下)。前記支持手段により、ざる容器の開口部の相対位置が変更可能となることで、水切り良好で通気性を高める能率の良い水切り具となるのである。
【0012】
また、側部23は、ざる容器2をボール容器1に収納する際に、ざる容器の開口部を斜め上に向けながら、ざる容器本体21を傾斜する姿勢に支持された場合(
図2または
図3下)に、水切り対象物のボール容器1内側底部方向への落下防止策としての受け入れ部となるのである。つまり、支持手段となる側部23が延設されていない従来のざる容器を使用するのであれば、ざる容器本体を前記のように傾斜する姿勢にさせてボール容器に収納した場合は、ざる容器とボール容器縁部との間に隙間ができてボール容器内側底部の一部分が現れる状態となるが、側部23は前記隙間を埋める連結部ともなり、ざる容器が安定して収納できるのである。
【0013】
また、側部23により、従来のざる容器よりも開口部の範囲が拡大するので、例えば、水切り対象物の食品などを広げながら能率よく水洗いができ、また、ボール容器内の水を流し捨てる場合も、水切り対象物が落下せずに非常に有利である。また、調理の内容に応じて、ざる容器の開口部の相対位置を変更しながら使用できる点も斬新であり非常に有利である。
【0014】
なお、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、例えば前記実施形態はざる容器側に支持手段を設けてなるが、逆にボール容器に支持手段を設けても良い。即ち本発明はざる容器をボール容器の収納した状態で、ざる容器の開口部の相対位置を変更可能にし、ざる容器の開口部が斜め上を向きながら、ざる容器本体が傾斜する姿勢となり、且つ、ざる容器の周壁部一側がボール容器の上縁より上方向に突出するように支持される支持手段を備えていることが特徴で、また同時に、ざる容器の開口端部の周囲一側に開口部内側を向かう湾曲状の側部を延設したざる容器を、組み合わせて使用することもできる。よって、ざる容器に側部23の縁部22bが付設されていなくてもよく、ボール容器とボール容器に組み合わされるざる容器の具体的構造は任意に定められるのである。
【0015】
<第2実施形態>
例えば、
図4,5で示すように、ボール容器3にはボール容器の開口端部周囲近傍の内側に突出部32aと32bを設けて支持手段としている。この前記突出部32aと32bは、略半球面の形状を成し、ざる容器4の縁部42に当接させてボール容器3に収納することで、ざる容器本体41をボール容器本体31の内側にもたれ掛かる状態を維持できる。即ち、ざる容器4をボール容器3に収納する際に、ざる容器の開口部の相対位置を変更させ、ざる容器の開口部が斜め上を向きながら、ざる容器本体41が傾斜する姿勢で、且つ、ざる容器の周壁部一側44が前記ボール容器3の上縁33より突出するように支持させるのである。
【0016】
この突出部32aと32bは略半球面の形状なので、ざる容器4をボール容器3に収納する際、ざる容器の開口部を真上に向けながら、水平な姿勢で収納する場合も引っ掛かるような妨害も無くスムーズに収納できる。また、単独でボール容器3を使用する際も、突出部32aと32bはボール容器3の開口端部周囲近傍の内側に位置しているので、調理には影響ない。
【0017】
更に、ざる容器の開口端部の周囲一側に開口部内側に向かう湾曲状の側部43を延設して備えるざる容器4を同時に使用することにより、ざる容器開口部の範囲が拡大するので、前記受け入れ部と同時に前記連結部としての役割を果たし、より安定してボール容器3に収納でき調理の能率も上がる。
【0016】
<第3実施形態>
また、
図6、7で示すように、ざる容器5では、ざる容器の底部外側に連結する脚部52aまたは脚部52bを設けて支持手段としている。この脚部52aにより、ボール容器1の縁部12に係止される係止部を備えることで支持させる。これは、従来からのざる容器にも、底部外側に連結する脚部が同様に付設している場合が多く、前記脚部の形状を僅かに改良することで、ボール容器の縁に係止される係止部を備えることができる。更に、ざる容器の開口端部の周囲一側に向かう湾曲状の側部53を延設し、脚部52aと52bと側部53を備えたざる容器5を使用することで、前記ざる容器4と同じく有利な役割を果たし、より安定してボール容器1に収納でき調理の能率も上げることができる。
【0017】
<変形例>
また、
図8は、ざる容器の開口端部の周囲一側に開口部内側に向かう湾曲状の側部を延設してなるざる容器61に、握柄62を備え、単独使用で汎用性が高い調理器具の実施形態である。
【0018】
例えば、調理の際に食品をさっと茹で上げたい場合、握柄を備えたざる容器6を鍋容器などに挿入させて使用すれば、従来にはなかった便利な茹ざるとなる。即ち、前記ざる容器6開口部の範囲が拡大するので、ざる容器本体61を傾斜させたままでも茹で上げ対象物が落下せずに茹でられ、更に水切りも安易にでき、鍋容器への出し入れ動作も楽になる。つまり、握柄付きざる容器6は、従来からのおたま(調理器具)のように安易な取り扱い方なのに、臨機応変な角度で操作でき作業の効率を上げるのである。したがって本発明は、食品の茹で上げの他、てんぷらや揚げ物の調理、あく取り、みそ溶かしなどに使用できる。また、お風呂場のバスタブで、湯垢や髪の毛の除去にも使用でき、非常に汎用性が高く有利である。
【0019】
このように本発明は、その技術的な範囲内で、ざる容器の単独使用の場面でも、鍋容器と鍋容器に組み合わされるざる容器で構成される場面でも、ざる容器6のようにに握柄や把手を付設し、茹ざる、揚げざるなど用途に応じて利用可能である。
【符号の説明】
【0020】
1 ボール容器、11 ボール容器本体、12 縁部、
2 ざる容器、 21 ざる容器本体、 22a 22b 縁部、23 側部、
24 周壁部一側、
3 ざる容器、 31 ボール容器本体、32a 32b 突出部、33 縁部、
4 ざる容器、 41 ざる容器本体、 42 縁部、43 側部、
44 周壁部一側
5 ざる容器、 51 ざる容器本体、 52a 52b 脚部、53 側部、
54 周壁部一側
6 握柄付きざる容器、61 ざる容器本体、62 握柄