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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-145964(P2017-145964A)
(43)【公開日】2017年8月24日
(54)【発明の名称】連結システム
(51)【国際特許分類】
   F16L 5/00 20060101AFI20170728BHJP
【FI】
   F16L5/00 Z
   F16L5/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-28379(P2017-28379)
(22)【出願日】2017年2月17日
(31)【優先権主張番号】2016/5117
(32)【優先日】2016年2月18日
(33)【優先権主張国】BE
(71)【出願人】
【識別番号】509017480
【氏名又は名称】アセプティック テクノロジーズ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パトリック バレリオー
(72)【発明者】
【氏名】エリック エルゴー
(57)【要約】
【課題】2つの別々の環境間でのあらゆる汚染を回避する連結システムを提供すること。
【解決手段】本発明は、外側環境及び連結システム1に対して隔離されるコンパートメントの内側環境を前記コンパートメントの外側の環境に連結するための連結システム1であって、ブロック・デバイス8、8を含む連結システム1に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンパートメントの外側環境に対して隔離されている前記コンパートメントの内側環境を前記コンパートメントの外側環境に連結するための連結システム(1)であって、
− 前記内側環境と前記外側環境を隔てる連結壁部(2)であり、ケースが上に取り外し可能に取り付けられる本体を有する通し連結要素(4)を受容するように構成される連通オリフィス(3)を有する、連結壁部(2)と、
− 前記コンパートメントの前記連通オリフィス(3)を緊密に封止するように構成される前記コンパートメントの内側の取り外し可能密閉デバイス(7)であり、前記連結要素(4)の前記本体上に取り付けられる前記ケースに別に結合され得るように構成され、前記取り外し可能密閉デバイス(7)が前記コンパートメントの内側から取り外されるときに同時に前記ケースが前記連結要素(4)の前記本体から分離されて取り外され得るように構成される、取り外し可能密閉デバイス(7)と
を含む連結システム(1)において、
前記外側環境側の前記連結壁部(2)に、ブロック機構を制御するための制御要素(5、5“)を含む、ブロック・デバイス(8)をさらに含み、
前記制御要素(5、5’)が、
− 前記連結要素(4)の前記連通オリフィス(3)及び前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)への挿入が可能であり、前記ブロック機構が前記内側取り外しブロック・デバイス(7)による任意の運動をブロックするように制御される、第1の開位置、及び
− 外側において、前記連結壁部(2)の前記連通オリフィス(3)に受容されている前記連結要素(4)がブロックされ、前記ブロック機構が前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)の運動を許可することが可能になる、第2の閉位置を有し、
前記ブロック機構が、
− 前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)を取り外すように運動が開始された後、前記制御要素(5、5’)を前記閉位置にブロックし、
− 完全な取り外しまで前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)を取り外すように前記運動が継続される間、前記閉位置における前記制御要素(5、5’)の前記ブロック運動を維持するように構成される
ことを特徴とする、連結システム(1)。
【請求項2】
前記ブロック・デバイス(8)の前記ブロック機構が、
− 前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)を取り外す運動が開始された後に、前記閉位置における前記制御要素(5、5’)の第1のブロックを実施するように構成される、第1のブロック要素(12、12’)と、
− 完全な取り外しまで前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)を取り外すように前記運動が継続される間、前記閉位置における前記制御要素(5、5’)の前記ブロック運動を維持するように構成される、第2のブロック要素(13、13’)と
を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の連結システム(1)。
【請求項3】
第1のアイドル位置では、前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)についての追加のブロックを確実にし、前記連通オリフィス(3)への前記連結要素(4)の挿入を阻止し、第2の位置では、前記連通オリフィス(3)への前記連結要素(4)の挿入を可能にするように押し戻され、前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)の前記追加のブロックをブロック解除するように構成される、追加のブロック・デバイスをさらに含むことを特徴とする、請求項1又は2記載の連結システム(1)。
【請求項4】
前記制御要素(5、5’)が、制御ボタンの形状をとる、又は、任意選択で回転制御ボタンの形状をとる、機械的制御要素であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の連結システム(1)。
【請求項5】
前記第1のブロック要素(12、12’)が、前記第1のブロック要素(12、12’)を並進運動させるように前記制御要素(5、5’)によって起動されるように構成されるカム(21)を収容するように構成されるハウジング(22)を含むことを特徴とする、請求項2から4までのいずれか一項に記載の連結システム(1)。
【請求項6】
前記第1のブロック要素(12、12’)が、軸(24、24’)周りに回転する自由端(30、30’)を有し前記第1のブロック要素(12、12’)の並進運動の間に回転運動を行うように構成される枢動要素(23、23’)をさらに含むことを特徴とする、請求項2から5までのいずれか一項に記載の連結システム。
【請求項7】
前記第2のブロック要素(13、13’)が、それを戻り運動させるように構成されるばね(14、14’)を含むことを特徴とする、請求項2から6までのいずれか一項に記載の連結システム(1)。
【請求項8】
前記第2のブロック要素(13、13’)が、キャスタ(20、20’)を備える自由端(18、18’)を有することを特徴とする、請求項2から7までのいずれか一項に記載の連結システム(1)。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の連結システムの内側取り外し可能密閉デバイス(7)であって、
− 中央貫通オリフィス(9’’)を有するヘッド部分(9)と、
− 前記ヘッド部分(9)から前記中央貫通オリフィス(9’’)の延長部内に延在するチュービング(9’)と
を含み、
前記ヘッド部分(9)が、その外周に、
− 第1のレベルに位置する突起(19、19’)と、
− 前記突起(19、19’)を延長する、前記第1のレベルよりも低い第2のレベルに位置するランプ(29、29’)と、
− 前記第2のレベルよりも低いレベルに位置するスロット(28、28’)へのアクセスをもたらすように構成されるノッチ(16、16’)と
を含む、
内側取り外し可能密閉デバイス(7)。
【請求項10】
コンパートメントの内側環境を前記コンパートメントの外側の環境に連結する方法であって、以下のステップである、
− 本体を有する連結要素(4)を、前記内側環境と前記外側環境を隔てる連結壁(2)の連通オリフィス(3)を介して挿入し、前記連通オリフィス(3)を緊密に封止するように予め位置決めされブロックされている内側取り外し可能密閉デバイス(7)内に係合させることができるステップと、
− 前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)をブロック解除しその取り外し運動を可能にするように、前記連結壁部(2)に対して前記連通オリフィス(3)のところに前記連結要素(4)を固定しブロックするために、前記外側環境側に位置する制御要素(5、5’)を起動させてそれを閉位置に位置決めするステップと、
− 前記連結要素(4)の前記本体を保護するケースの取り外しと同時に前記コンパートメントの内側から前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)を取り外すことができるように、前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)を動かすステップと
を含み、
前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)を動かす前記ステップが、
− 前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)の取り外し運動の開始後にブロック機構によって前記制御要素(5、5’)がその閉位置にブロックされるステップ、及び
− 完全な取り外しまで前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)の取り外し運動が継続された後に前記ブロック機構によって前記閉位置に前記制御要素(5、5’)の前記ブロックが維持されるステップ、につながる、
方法。
【請求項11】
前記閉位置に前記制御要素(5、5’)をブロックする前記ステップが、前記ブロック機構の第1のブロック要素(12、12’)によって行われ、前記第1のブロック要素(12、12’)の一方の端部(15、15’)が、取り外し運動が始まっている前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)の突起(19、19’)に当接することを特徴とする、請求項10に記載の連結方法。
【請求項12】
前記閉位置に前記制御要素(5、5’)をブロックする前記ステップが、前記第1のブロック要素をブロックする、前記ブロック機構の第2のブロック要素(13、13’)によって維持されることを特徴とする、請求項11に記載の連結方法。
【請求項13】
前記連結要素(4)がないときに前記内側取り外し可能密閉デバイス(7)をブロックするように配置される追加のブロック・デバイスを、第1のアイドル位置から第2の位置に非活動化させる、追加のステップを含むことを特徴とする、請求項10から12までのいずれか一項に記載の連結方法。
【請求項14】
流体又は粉末を移動させる、請求項1から8までのいずれか一項に記載の連結システム(1)の使用。
【請求項15】
流体又は粉末を移動させる、請求項9に記載の内側取り外し可能密閉デバイス(7)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパートメントの内側環境と前記コンパートメントの外側の環境を連結するための連結システムに関する。前記コンパートメントは、外側環境に対して隔離されている。連結システムは、
− 前記内側環境と前記外側環境を隔てる連結壁部であり、ケースが上に取り外し可能に取り付けられる本体を有する通し連結要素(through connecting element)を受容するように構成される連通オリフィスを有する、連結壁部と、
− 前記コンパートメントの前記連通オリフィスを緊密に封止するように構成される前記コンパートメントの内側の取り外し可能密閉デバイスであり、前記連結要素の前記本体上に取り付けられる前記ケースに別に結合され得るように構成され、前記取り外し可能密閉デバイスが前記コンパートメントの内側から取り外されるときに同時に前記ケースが前記連結要素の前記本体から分離されて取り外され得るように構成される、取り外し可能密閉デバイスと
を含む。
【背景技術】
【0002】
「コンパートメントが隔離されている」又は「隔離されているコンパートメント」は、本発明の意味においては、コンパートメントが、細菌、バクテリア、化学粒子、不活性粒子またな任意の他の汚染物質の存在に関するいかなる汚染も防止するように緊密に又は準緊密に隔離されることを意味する。この隔離によって、異なる環境状態を有する環境間、より具体的には、コンパートメントの内側環境とコンパートメントの外側環境との間の汚染を回避することが可能になる。汚染物質は、コンパートメントの内側環境にも、コンパートメントの外側環境にも見られる。
【0003】
一実例として、製薬業界では、グレードA、B、C、Dなどに分類される様々な環境タイプがある、グレードAは、従来より、最もクリーンな環境分類グレードに相当する。よりクリーンなグレードになるほど、微生物、微粒子及びダストなどの汚染物の存在の許容範囲を支配する基準がより厳しくなる。従来より、GMP(適正製造規範)環境におけるクリーン・ルームは、医薬製品になることを意図する様々な物質が通過するゾーンA、B、C及びDを有する無菌室である。この文脈において、グレードAは、注入可能な医薬製品が、充填針を通過後に、最終容器、典型的にはチューブ、ブリスタ又はバイアルに分配される最終環境に相当する。これらのチューブ、ブリスタ又はバイアルは、当然、予め滅菌され、粒子含量を最小限にするように処理される。これらのチューブ、ブリスタ又はバイアルは、やはりまた、中に入れられる医薬製品に対して不活性であり、溶液中に粒子又は化合物をわずかしか又は全く放出しない。一般的に、これらの容器は、患者の安全を保証するために、非常に厳密な厳しい基準を満たさなければならない。
【0004】
その結果、製造方法の間、医薬製品になることを意図する物質を含む媒体は、精製、濾過又は他の変換(transformation)など、様々な工程を経る。これは、物質が、ある特定のグレードのゾーンからより高いグレードのゾーンへ、又はある容器から別のものに移されることを意味する。これらの容器又はゾーンは、外側環境及び内側環境を有し、外側環境は、本質的に、内側環境よりもクリーンではない、又は少なくともその可能性がある。したがって、グレードAにおいて分配されることを意図とする物質を含むパウチは、より低いグレードの環境に事前に曝されると、それ自体がグレードAではなくなり、すなわちパウチの外側が汚染されるので、したがって、グレードAゾーンの内側環境を汚染し、結果的に医薬製品自体が汚染されることになる。
【0005】
その逆に、特定の特に活性の高い医薬製品、例えば抗新生成物薬品など、又は生ウイルス・ベクターを用いた特定のバイオテクノロジー製品は、周辺域、すなわちコンパートメントの外側の環境を汚染する危険を最小限に抑えるために、分配作業を密閉空間内に限定する必要がある。
【0006】
今日、異なるグレード又は異なる汚染レベルのゾーン間の移動についての様々な解決策が開発されており、それらは、すべて、あるゾーンが別のゾーンの環境状態により汚染される危険の減少を目的としている。一実例として、チューブ、バイアル及びブリスタに医薬製品を無菌充填するための、チューブ、バイアル又はブリスタ並びに充填針を収容できるグレードAの「グローブ・ボックス」がある。これらの「グローブ・ボックス」は、連通オリフィスをさらに含む。この連通オリフィスを介して、(潜在的にクリーン・グレードが低い)外側環境に置かれるリザーバの内容物が移される。この連通オリフィスは、移されるべき医薬製品をより低いグレードの環境への曝露により汚染の恐れがある表面に接触させる危険なくして、連通オリフィスと緊密に協働する連結要素を用いることによって汚染の危険を最小限にすることを可能にするデバイスを備える。
【0007】
この意味で、先に示したような連結システムは、欧州特許公開1,312,096から知られている。より具体的には、この収集システムは、所与のグレードの環境に位置する容器からより高いグレードの環境にあるより小さい容器に移される流体の移送であり、容器の内容物は完全に滅菌されなければならないので、無菌的であるとして記載されている。そうした移送は、特に製薬業界では極めて重要であり、より大きな体積の貯蔵溶液から、分配されるべき溶液の汚染の危険なしに、より小さい体積に梱包される場合に非常に重要である。この目的のため、より小さな容器は、外側環境から無菌的に隔離されたコンパートメント内で充填され、例えば、溶液は、パウチからポンプ輸送され、連結要素のチュービングを通過し、より小さな容器に分配され無菌充填デバイスを用いて充填される。
【0008】
これらの作業の間、一方端が貯蔵溶液の容器に連結され、他方端が(滅菌コンパートメント内に位置する)無菌流体充填デバイスに連結される連結要素は、外側を取り巻く環境(典型的には、必ずしもそうとは限らないが、クリーンさが劣る)とコンパートメント内の環境との間における流体の無菌移送を可能にするインターフェースを構成するという点で、重要な役割を果たす。コンパートメントの内側環境とコンパートメントの外側環境との間の完全な隔離を確実にするため、連結要素と連結壁部との間の緊密な連結を形成しコンパートメントにいかなる汚染物も入り込まないようにするように、ブロック手段が設けられる。この緊密な連結は、コンパートメントの堅い壁部を、上述したブロック要素を介して連結要素に接触させることによってもたらされる。連結要素は、やはりまた堅く、連結部の緊密な性質を強化するために、これらの2つの堅い要素間には可撓性の封止ガスケットがもたらされ得る。
【0009】
さらに、欧州特許公開1,312,096の先行文献には、コンパートメントに入る連結要素の部分を囲繞する取り外し可能ケースが記載されている。さらに、コンパートメントの内側に取り外し可能密閉デバイスが設けられ、前記ケースと協働する。ケース及び取り外し可能密閉デバイスは、小さな容器の充填が行われるコンパートメントの滅菌状態が汚染物質により損なわれないように、互いに対して配置される。実際、取り外し可能密閉デバイスは、ケースの内壁と外壁との間においてケースに存在することがあるあらゆる汚染物質をくい止めることができる。取り外し可能密閉デバイスは、汚染物質がケースの外壁と取り外し可能密閉デバイスの内壁との間に閉じ込められるように、取り外し可能密閉デバイスが取り外されるとき、コンパートメントの内側環境にいかなる汚染物質も到達することのない、ケースの同時の取り外しをもたらすようになされる。
【0010】
したがって、そうした連結システムの場合、コンパートメントの外側環境とより高いグレードの内側環境との間のインターフェースは、一方が、連結壁部で構成され、他方が、この連結壁部の連通オリフィスを埋めるだけの通し連結要素で構成される。したがって、連結要素が連通オリフィスのところで緊密に維持されることが不可欠であり、そうでない場合、この連結要素が連通オリフィスから落ちる又は係合解除されると、外側の汚染がコンパートメントの内側環境を汚染する、又はその逆に、コンパートメント内に初めにあった汚染物質が外側環境に到達する恐れがある。そうしたシナリオでは、デバイス全体を、再び汚染除去しなければならず、それには、連結要素が落ちた又は係合解除したときに使用中のロットを無駄にしてしまうことに加えて、生産チェーンを止める必要がある。
【0011】
現在、上に示したように、コンパートメントの連通オリフィスにおける連結要素の位置を固定するために、例えば、欧州特許公開1,312,096の文献にあるように、外側環境側の連結壁部にこの連結要素をブロックする要素を有することが提供されている。さらに、その本体が取り外し可能ケースによって囲繞される連結要素が、連通オリフィスを介して内側取り外し可能密閉デバイス内に係合されるとき、取り外し可能ケースは、それによってさらに保持される。その結果、本体に取り付けられたケースを前記連結要素から取り外すように、取り外し可能密閉デバイスを取り外す前は、連結要素は、一方が連結壁部にあるブロック要素によって、他方が取り外し可能密閉デバイスによって、連結システムの連結壁部に対して保たれている。このシナリオでは、連結システムは、連結壁部の連通オリフィスから出てしまう連結要素の係合解除に対して何の危険性も提示していない。
【0012】
しかし、不幸なことに、連結要素が、連通オリフィスに挿入されコンパートメント内の取り外し可能密閉デバイスに挿入された後にブロック要素によって固定されても、この内側取り外し可能密閉デバイスが、前記連結要素の本体上に取り付けられるケースを取り外すように引き抜かれると、連結壁部のブロック要素だけしか、コンパートメントの連結壁部に対する連結要素の緊密な位置決めの維持を確実にすることができなくなる。しかし、不注意に又はその後の操作エラーで、操作者が、取り外し可能密閉デバイスがもはやないのに連結壁部のブロック要素によってもたらされるブロックを非活動化してしまうと、連通オリフィスからの連結要素の係合解除の高い危険があり、それによって、汚染物質がコンパートメントの内側環境に到達する、又は、その逆に、コンパートメントに最初に含まれていた粒子(例えば、有毒な粒子)がコンパートメントの外側の環境に到達することが可能になる。したがって、換言すると、内側取り外し可能密閉デバイスなしに、連結要素が取り外された場合、別々の環境間での汚染が起こることがあるという危険性がある。
【0013】
現在の連結システム、例えば欧州特許公開1,312,096の文献に記載されるような連結システムの場合に見られる別の問題は、連結要素が連通オリフィスにない又は前記要素があっても連結壁部のブロック要素によって固定されていない場合でも内側取り外し可能密閉デバイスの取り外しを防ぐようなものが何もないことである。この場合、コンパートメント内の取り外し可能密閉デバイスの不注意による取り外しは、直接、連通オリフィスが、コンパートメントの外側環境と内側環境との間に直接的な空気の通り道を構築することになる構成につながる。当然、これは、全く許容できるものではなく、異なるグレードの2つの環境間での分離を確実にしなければならない連結システムの原則自体を破る。したがって、換言すると、確実な連結要素なしに、内側取り外し可能密閉デバイスが取り外されると、その場合、別の環境間での汚染が起こることがあるという危険性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許公開第1,312,096号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、現時点では、あらゆる操作エラーを阻止することができる連結システムを入手することが実際に必要とされている。特に、一方で、連結要素が外側環境側の連結壁部に固定されない限り、内側取り外し可能密閉デバイスが取り外し不可能となる連結システムを入手することが実際に必要とされている。さらに、それと同時に、内側取り外し可能密閉デバイスがコンパートメントの内側環境側においてコンパートメントの連通オリフィスを緊密に封止していないときには連結要素が取り外し不可能となる連結システムを入手することが実際必要とされている。
【0016】
したがって、換言すると、2つの別々の環境間でのあらゆる汚染を回避するために、連結要素の挿入後に起こり得るあらゆる操作エラーであって、(例えば、ブロック要素の位置を不注意に切り替えることによる)外側環境側の連結壁部でも、(例えば、誤ったときに可動密閉デバイスを不注意に係合解除することによる)コンパートメントの内側の取り外し可能密閉デバイスでも起こり得る、あらゆる操作エラーに耐えることができる連結システムを入手することが実際に必要とされている。より具体的には、上に示したように、連結システムによって、その構成に関わりなく、すなわち、取り外し可能密閉デバイスが内側環境側の連結壁部にあろうとなかろうと、連結要素の固定後に2つの別々の環境間の封止の継続的な確保がもたらされなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この問題を解決するため、本発明によれば、上に示したような連結システムであって、外側環境側の前記連結壁部に、ブロック機構を制御するための制御要素を含む、ブロック・デバイスをさらに含み、前記制御要素が、
− 前記連結要素の前記連通オリフィス及び前記内側取り外し可能密閉デバイスへの挿入も可能であり、前記ブロック機構が前記内側取り外しブロック・デバイスによるいかなる運動をブロックするように制御される、第1の開位置、及び
− 外側において、前記連結壁部の前記連通オリフィスに受容されている前記連結要素がブロックされ、前記ブロック機構が前記内側取り外し可能密閉デバイスの運動を許可することが可能になる、第2の閉位置を有し、
前記ブロック機構が、
− 前記内側取り外し可能密閉デバイスを取り外すように運動が開始された後、前記制御要素を閉位置にブロックし、
− 完全な取り外しまで前記内側取り外し可能密閉デバイスを取り外すように前記運動が継続される間、閉位置における前記制御要素の前記ブロック運動を維持するように構成される
ことを特徴とする、連結システムが提供される。
【0018】
本発明の文脈において、そうした連結システムは、連結要素がコンパートメントの外側の環境側の連結壁部に固定された後、連結システムの構成に関わらず、すなわち取り外し可能密閉デバイスが連結壁部にあってもなくても、継続的に、2つの別々の環境間の封止を確実にすることができることが示されている。換言すると、本発明による連結システムは、ひとたび連結要素がコンパートメントの外側環境側において連結壁部に固定されれば、取り外し可能密閉デバイスが、所定位置にない限り、すなわちコンパートメントの内側の連結壁部に対して封止可能に配置されない間でも、連結要素のあらゆる取り外し(あらゆる解放)の回避を可能にする。
【0019】
実際、前記内側取り外し可能密閉デバイスを取り外すように運動が開始されると、ブロック機構によって、外側環境側の連結壁部において連結要素を固定する制御要素のブロックが行われる。その結果、制御要素がブロックされるので、それをその閉位置から開位置に動かすことができなくなり、したがって、例えば、不注意に連結要素を解放することが全く単純に不可能になる。したがって、連結システムは、以前は、内側取り外し可能密閉デバイスの取り外しによって、コンパートメントの内側環境と外側環境との間の汚染の移動の危険があり得たが、本発明によれば、制御要素がその閉位置から離れることが不可能にされることで、連結要素は、完全に固定され、したがって、外側環境側の連結壁部の制御要素によって封止可能にブロックされる連結要素によって、システムの封止が依然としてもたらされるようになる。
【0020】
さらに、前記内側取り外し可能密閉デバイスを取り外す運動が継続され、ブロック機構によってもたらされる初期のブロックが、制御要素をブロックするその機能をそれ以上果たさなくなっても、制御要素は、二次ブロックに従って、この同じブロック機構によってその閉位置に維持されブロックされ続ける。例えば、制御要素は、そのあらゆる運動が阻止されその閉位置に確実に保たれるように、ブロック機構と協働する、又はブロック機構に対してそれ自体が位置決めされる。
【0021】
その結果、内側取り外し可能密閉デバイスは、連結システムの封止を確実にすることがもはやできなくなると、すなわち、取り外し可能ケースを連結要素から取り外すように駆動させるためにその取り外しが開始されると、本発明による連結システムは、連結要素の任意の係合解除及び/又は取り外しを防止することによってシステムの封止を保証することができ、そして、2つの環境の間における封止された分離を確実にすることができる要素だけが構築される。上に示したように、内側取り外し可能密閉デバイスが取り外されるときのシステムのこの封止の保証は、制御要素をその閉位置にブロックすることによってもたらされ、その閉位置自体が、連結要素のブロックを確実にする。
【0022】
本発明の一実施例によれば、前記ブロック・デバイスの前記ブロック機構は、
− 前記内側取り外し可能密閉デバイスを取り外すように運動が開始された後に、閉位置における前記制御要素の第1のブロックを実施するように構成される、第1のブロック要素と、
− 完全な取り外しまで前記内側取り外し可能密閉デバイスを取り外すように前記運動が継続される間、閉位置における前記制御要素の前記ブロック運動を維持するように構成される、第2のブロック要素と
を含む。
【0023】
本発明によるこの実施例は、以下により具体的に説明され、図面を用いて示されるが、本発明の非限定的な実施例ではなく、あらゆる他の適切なブロック機構が本発明によって包含される。
【0024】
この実施例によれば、第1のブロック要素及び第2のブロック要素がある場合、制御要素の第1のブロックが行われ、それに続いて、第1のブロック要素がそれ以上そのブロック機能を果たすことができなくなったときに、同じ制御要素の第2のブロックが行われると考えられ得る。より具体的には、後の第2のブロックは、第1のブロックの効果がなくなる前に第1のブロックに続く。換言すると、第2のブロックは、第1のブロックがそのブロック機能を果たすことがそれ以上できなくなる前であっても、直接、第1のブロックを引き継ぎ、内側取り外し可能密閉デバイスがコンパートメントの内側の連結壁部から完全に分離されるときでも、制御要素をブロックする機能を維持する。
【0025】
好ましくは、本発明による連結システムは、第1のアイドル位置では、前記内側取り外し可能密閉デバイスについての追加のブロックを確実にし、前記連通オリフィスへの前記連結要素の挿入を阻止し、第2の位置では、前記連通オリフィスへの前記連結要素の挿入を可能にするように押し戻され、前記内側取り外し可能密閉デバイスの前記追加のブロックをブロック解除するように構成される、追加のブロック・デバイスをさらに含む。このシナリオにおいて、制御要素がその開位置からその閉位置に切り替られ、その後に操作エラーがあっても、内側取り外し可能密閉デバイスのブロックは、依然としてもたらされる。したがって、これは、本発明による連結システムについての追加の安全を伴う。この安全は、連結要素の存在を検出しこの連結要素が所定位置にあるとき(「存在デバイス−連結要素(presence device−connection element)」)だけ取り外し可能密閉デバイスの運動を可能にする、追加のブロック・デバイスによって得られ。
【0026】
好ましくは、本発明によれば、前記制御要素は、制御ボタンの形状をとる、又は、任意選択で回転制御ボタンの形状をとる、機械的制御要素である。
【0027】
有利には、本発明によれば、前記第1のブロック要素は、前記第1のブロック要素を並進運動させるように前記制御要素によって起動されるように構成されるカムを収容するように構成されるハウジングを含む。換言すると、制御要素がその開位置から閉位置まで動かされると、カムが駆動され、そのカムが、ハウジング内で動くことによって、第1のブロック要素の並進運動が引き起こされる。
【0028】
好ましくは、本発明によれば、前記第1のブロック要素は、軸周りに回転する自由端を有し前記第1のブロック要素の並進運動の間に回転運動を行うように構成される枢動要素をさらに含む。
【0029】
好ましくは、本発明によれば、前記第2のブロック要素は、それを戻り運動させるように構成されるばねを含む。
【0030】
好ましくは、本発明によれば、前記第2のブロック要素は、中実部分と、中空部分とを有する。
【0031】
有利には、本発明によれば、前記第2のブロック要素は、キャスタを備える自由端を有する。
【0032】
本発明の連結システムの他の実施例は、添付の特許請求の範囲に示される。
【0033】
本発明は、さらに、本発明による連結システムの内側取り外し可能密閉デバイスに関し、前記内側取り外し可能密閉デバイスは、
− 中央貫通オリフィスを有するヘッド部分と、
− 前記ヘッド部分から前記中央貫通オリフィスの延長部内に延在するチュービングと
を含み、
前記ヘッド部分は、その外周に、
− 第1のレベルに位置する突起と、
− 前記突起を延長する、前記第1のレベルよりも低い第2のレベルに位置するランプと、
− 前記第2のレベルよりも低いレベルに位置するスロットへのアクセスをもたらすように構成されるノッチと
を含む。
【0034】
図面を用いて以下に説明されるように、内側取り外し可能密閉デバイスのこれらの様々な要素は、特に内側取り外し可能密閉デバイスをコンパートメントの内側から取り外す又はコンパートメントの内側の連結壁部に再配置するために、内側取り外し可能密閉デバイスの運動(例えば、回転)が行われるとき、本発明による連結システムのブロック・デバイスの要素と協働する。
【0035】
本発明による取り外し可能密閉デバイスの他の実施例は、添付の特許請求の範囲に示される。
【0036】
本発明は、さらに、コンパートメントの内側環境を前記コンパートメントの外側の環境に連結する方法であって、以下のステップである、
− 本体を有する連結要素を、前記内側環境と前記外側環境を隔てる連結壁の連通オリフィスを介して挿入し、前記連通オリフィスを緊密に封止するように予め位置決めされブロックされている内側取り外し可能密閉デバイス内に係合させることができるステップと、
− 前記内側取り外し可能密閉デバイスをブロック解除しその取り外し運動を可能にするように、前記連結壁部に対して前記連通オリフィスのところに前記連結要素を固定しブロックするために、前記外側環境側に位置する制御要素を起動させてそれを閉位置に位置決めするステップと、
− 前記連結要素の前記本体を保護するケースの取り外しと同時に前記コンパートメントの内側から前記内側取り外し可能密閉デバイスを取り外すことができるように、前記内側取り外し可能密閉デバイスを動かすステップと
を含み、
前記内側取り外し可能密閉デバイスを動かす前記ステップが、
− 前記内側取り外し可能密閉デバイスの取り外し運動の開始後にブロック機構によって前記制御要素がその閉位置にブロックされるステップ、及び
− 完全な取り外しまで前記内側取り外し可能密閉デバイスの取り外し運動が継続された後に前記ブロック機構によって閉位置に前記制御要素の前記ブロックが維持されるステップ、につながる、
方法に関する。
【0037】
有利には、本発明の方法によれば、閉位置に前記制御要素をブロックする前記ステップは、前記ブロック機構の第1のブロック要素によって行われ、前記第1のブロック要素の一方端は、取り外し運動が始まっている前記内側取り外し可能密閉デバイスの突起に当接する。
【0038】
好ましくは、本発明の方法によれば、閉位置に前記制御要素をブロックする前記ステップは、前記第1のブロック要素をブロックする、前記ブロック機構の第2のブロック要素によって維持される。
【0039】
有利には、本発明による方法は、前記連結要素がないときに前記内側取り外し可能密閉デバイスをブロックするように配置される追加のブロック・デバイスを、第1のアイドル位置から第2の位置に非活動化させる、追加のステップを含む。
【0040】
本発明による方法の他の実施例は、添付の特許請求の範囲に示される。
【0041】
本発明は、さらに、流体又は粉末を移動させる、本発明による連結システムの使用に関する。
【0042】
本発明による連結システムの他の使用形態は、添付の特許請求の範囲に示される。
【0043】
本発明は、さらに、流体又は粉末を移動させる、本発明による内側取り外し可能密閉デバイスの使用に関する。
【0044】
本発明による内側取り外し可能密閉デバイスの他の使用形態は、添付の特許請求の範囲に示される。
【0045】
本発明の他の特徴、詳細及び利点は、非限定的にもたらされる以下の説明及び添付の図面を参照すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】コンパートメントの外側の環境側における、連結システムの連通面が連結要素を受容する準備ができている、連結システムの第1の構成を示す正面図である。
図2】コンパートメントの内側の環境側における、連結システムの連通面が連結要素を受容する準備ができている、図1のものと同一の連結システムの第1の構成を示す正面図である。
図3】コンパートメントの外側の環境側における、連結要素が連通オリフィスに挿入されている、連結システムの第2の構成を示す正面図である。
図4】コンパートメントの外側の環境側における、連結要素が制御要素によって連結壁部に対してブロックされている、連結システムの第3の構成を示す正面図である。
図5】コンパートメントの内側の環境側における、連結要素が制御要素によって連結壁部に対してブロックされている、図4のものと同一の連結システムの第3の構成を示す正面図である。
図6】コンパートメントの内側の環境側における、取り外し可能密閉デバイスの回転運動が開始されている、連結システムの第4の構成を示す正面図である。
図7】コンパートメントの内側の環境側における、取り外し可能密閉デバイスの回転運動が継続されている、連結システムの第5の構成を示す正面図である。
図8】コンパートメントの内側の環境側における、取り外し可能密閉デバイスが取り外されている、連結システムの第6の構成を示す正面図である。
図9】本発明による内側密閉デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図面において、同一又は同様の要素は、同じ参照番号を帯びている。
【0048】
(以下の図面に示されるような)本発明の一実施例によれば、ブロック機構が第1のブロック要素と第2のブロック要素とを含む場合、上に示したように、制御要素の第1のブロックが行われ、それに続いて、第1のブロック要素がそれ以上そのブロック機能を果たすことができなくなったときに、同じ制御要素の次の第2のブロックが行われると考えられ得る。本発明のこの実施例によれば、コンパートメントの内側から取り外されるように内側密閉デバイスがさせられる運動(例えば、回転運動)の間における、閉位置にある前記制御要素の後の前記第2のブロック要素は、以下のように得られる。閉位置における前記制御要素のブロックの間、内側密閉デバイスは、(開位置から閉位置への制御要素の移動により)自由にされ、内側密閉デバイスのノッチからの第1のブロック要素の一方端の取り外しの後に回転可能になる(図面、特に図5参照)。内側密閉デバイスの回転運動が開始されると、この内側密閉デバイスの突起が、第1のブロック要素の後退された端部の向かいに位置し、したがって、この要素のためのストップを構築する。したがって、そうした構成は、第1のブロック要素のあらゆる戻り運動を阻止し、その結果、閉位置における制御要素のブロックが確実になる。続いて、内側密閉デバイスの取り外し(回転)運動が継続されると、第2のブロック要素が、第1のブロック要素の任意の運動をそれ以上可能にしないように作用し始め、それによって、結果的に、制御要素の任意の運動が阻止され、制御要素は、第1のブロック要素の端部がストップによってそれ以上ブロックされなくなっても上に説明したようにその閉位置に留まる。
【0049】
図1は、連結システム1の第1の構成を示しており、それによれば、コンパートメントの連結壁部2には、連結要素4’受容する準備ができた連通オリフィス3がある。この実施例によれば、2つの制御要素5、5’は、連結要素4の連通オリフィス3への挿入可能な開位置にある。これらの2つの制御要素5、5’は、ブロック・デバイス8、8’のそれぞれ一部である(図2参照)。任意選択で、連通オリフィス3の周縁には、取り外し可能密閉デバイスの取り外し(又は交換)の間、連結要素4が回転しないように配置されるラグ6(突起)がある。
【0050】
図2は、図1に示されるものと同じ構成における、コンパートメントの内側環境側における連結システム1を示している。図示のように、連結システム1は、取り外し可能密閉デバイス7(図9参照)、及び2つのブロック・デバイス8、8’を含む。
【0051】
取り外し可能密閉デバイス7(図9参照)は、ヘッド9と、コンパートメントの内部の方に向かってヘッド9から延在する中央チュービング9’とを含む。この中央チュービング9’は、連結要素4の本体に取り付けられるケース11にある長手方向突起を受容するように構成される内側溝10を有する。取り外し可能密閉デバイス7の溝10内にケース11の突起が係合することによって、コンパートメントの内側から取り外し可能密閉デバイス7自体が取り外されるときにケース11が同時に取り外されることが確実にされ得る。
【0052】
図2に示される実施例によれば、取り外し可能密閉デバイス7は、コンパートメントの内側の連結壁部2に緊密に接触し続け、その間、2つの突起17、17’によってブロックされる。突起17、17’は、最初のうちは、連結壁部2からコンパートメントの内側に向けて延在する係合デバイス(図示せず)内における取り外し可能密閉デバイス7の係合を案内する機能を果たす。より具体的には、取り外し可能密閉デバイス7のヘッド9の表面にあるノッチ16、16’は、係合デバイスの内面にある突起17、17’に係合するように構成される。したがって、突起17、17’は、最初のうちは、ノッチ16、16’のための案内としての機能を果たし、それによって、取り外し可能密閉デバイス7に(右に回転運動を行うことでねじ込むように)回転運動が与えられる前に、取り外し可能密閉デバイス7の正確な位置決めが可能になる。突起17、17’は、その後、取り外し可能密閉デバイス7を連結壁部2に対して係合デバイスに封止可能にブロックする。
【0053】
ブロック・デバイス8、8’のそれぞれは、以下の要素を含む、
− 外側環境側の連結壁部2にある、(図1及び図3に示されるような)第1の開位置及び(図4に示されるような)第2の閉位置を有する(図1図3及び図4に示されるような)制御要素5、5’と、
− 内側環境側にある、制御要素5、5’によってその並進運動が制御される第1のブロック要素12、12’と、
− 内側環境側にある、ばね14、14’を含み第1のブロック要素12、12’の並進運動とは無関係に並進運動を行うことができる、第2のブロック要素13、13’と
を含む。
【0054】
図2に示される構成、すなわち取り外し可能密閉デバイス7が所定位置にあり、連結壁部2に対して封止可能にブロックされ、そこにおいて連結システム1の連通オリフィス3及び取り外し可能密閉デバイス7の中央チュービング9’が連結要素4を受容する準備ができている構成によれば、第1のブロック要素12、12’の一方の端部15、15’は、取り外し可能密閉デバイス7のヘッド9の表面にあるノッチ16、16’に係合される。それと同時に、図1に示されるように、制御要素5が、連結要素4が連通オリフィス3並びに取り外し可能密閉デバイス7の中央チュービング9’に挿入可能になる、開位置につく。第1のブロック要素12、12’の端部15、15’が取り外し可能密閉デバイス7のノッチ16、16’に係合されるので、取り外し可能密閉デバイス7を緩めるあらゆる運動が阻止される。というのも、ノッチ16、16’の縁部(壁部)は、第1のブロック要素12、12’の端部15、15’に当接するからである。
【0055】
やはりまた図2に示される構成によれば、第2のブロック要素13、13’の一方の端部18、18’は、ばね14が圧縮されるように、取り外し可能密閉デバイス7の突起19、19’の上に位置決めされる。第2のブロック要素13、13’の端部18、18’は、図2による構成において、取り外し可能密閉デバイス7の突起19上に支承されるキャスタ(ローラ)20、20’を備える。
【0056】
図3は、連結要素4が連通オリフィス3に挿入されている、連結システム1の第2の構成を示している。図3に示されるように、連結要素4にあるノッチ21は、取り外し可能密閉デバイスの取り外し(又は交換)の間に連結要素4が回転しないように配置されるラグ6(突起)に係合する。
【0057】
図4は、連結要素4が制御要素5、5’によって連結壁部2に対してブロックされている、連結システム1の第3の構成を示している。連結要素4のこのブロックは、制御ボタン5、5’の起動、すなわち(矢印によって図示される)回転運動によって得られ、その結果、一方では、連結要素4が固定され、それによって連通オリフィス3及び取り外し可能密閉デバイス7から係合解除不可能になり、他方では、特に連通オリフィス3及び連結壁部2のところに位置するシールに対する押し付けによる連結要素4の封止に位置決めが確実になる。
【0058】
図5は、図4に示されるのと同じ構成の、コンパートメントの内側環境側における連結システム1を示している。連結要素4は、連通オリフィス3、さらには取り外し可能密閉デバイス7、特にその中央チュービング9’に挿入される。中央チュービング9’の内側溝10は、連結要素4の本体に取り付けられるケース11にある長手方向突起を受容する。
【0059】
図示のように、制御ボタン5、5’の起動によって、結果的に、第1のブロック要素12、12’の端部15、15’は、(矢印によって示される方向の)並進運動によって後退され、それによって取り外し可能密閉デバイス7のヘッド9の表面にあるノッチ16、16’から離れる。その結果、取り外し可能密閉デバイス7が解放され、取り外し可能密閉デバイス7のコンパートメントの内側からの取り外しのための操作が可能になり、それと同時に連結要素4のケースも取り外される。この構成では、第2のブロック要素13、13’は、まだ動かされず、したがって第2のブロック要素13、13’の一方の端部18、18’は、取り外し可能密閉デバイス7の突起19、19’の上に位置決めされており、したがってばね14は圧縮されている。
【0060】
第1のブロック要素12、12’の並進運動は、制御要素5、5’の起動によって得られ、それによってカム21、21’がそのハウジング22、22’内で動かされる。ハウジング22、22’内におけるカム21、21’のこの運動は、第1のブロック要素12、12’の端部15、15’のノッチ16、16’からの取り外しを可能にするだけでなく、キャビティ27、27’内において枢動要素23、23’に固定される軸26、26’に取り付けられる回転ローラ25、25’を駆動させることで、連結壁部2に連結される軸24、24’周りの枢動要素23、23’の回転運動も引き起こす。
【0061】
図6は、連結システム1の第4の構成を示しており、それによれば、連結要素4の本体上に取り付けられているケース11と同時にコンパートメントの内側から取り外し可能密閉デバイス7を取り外すように行われる、取り外し可能密閉デバイス7の(矢印によって示されるように反時計回りの)回転運動が開始される。この最初の回転運動の結果、回転の初めに、取り外し可能密閉デバイス7の突起19、19’は、閉位置を得るように制御要素5、5’が起動された間に先に後退した第1のブロック要素12、12’の端部15、15’に向かい合うようになる。第1のブロック要素12、12’の端部15、15’が取り外し可能密閉デバイス7の突起19、19’の向かいになった後、突起19、19’がストップを構築し、それに対して第1のブロック要素12、12’の端部15、15’がブロックされ、それによって、第1のブロック要素12、12’によるあらゆる並進運動が不可能になり、したがって、制御要素5、5’はその閉位置でブロックされる。その結果、連結要素4はこうして外側環境側の連結壁2に固定され、例えば、操作エラーによって、制御要素5、5’がその閉位置から開位置へと移行されることが不可能になり、したがって、連結要素4は、所定位置に封止可能に留まることが保証され、実際に、コンパートメントの内側からの取り外しのために取り外し可能密閉デバイス7が回転運動され始めた後でもコンパートメントの内側環境の滅菌状態が確実になる。
【0062】
取り外し可能密閉デバイス7の回転運動が開始されても、第2のブロック要素13、13’の端部18、18’は、取り外し可能密閉デバイス7の突起19の上に依然として配置されている。
【0063】
図7は、連結システム1の第5の構成を示しており、それによれば、連結要素4の本体に取り付けられるケースと同時にコンパートメントの内側から取り外し可能密閉デバイス7を取り外すように行われる、取り外し可能密閉デバイス7の(矢印によって示される反時計回り方向の)回転運動が継続される。図示のように、取り外し可能密閉デバイス7は、緩められることで回転運動され続けるので、所与の時点で、第1のブロック要素12、12’の端部15、15’は取り外し可能密閉デバイス7の突起19、19’の向かいにもはやならなくなる。この時点で、取り外し可能密閉デバイス7の突起19、19’は、第1のブロック要素12、12’の端部15、15’のためのストップをそれ以上構築しなくなり、それによって制御要素5、5’の起動が可能になり、例えば連結システム1の操作エラーの場合では、連通オリフィス3における連結要素4の係合解除の潜在的な危険が存在し続ける。実際、このときに、操作者が制御要素5、5’をその閉位置から開位置に切り替えた場合、連結要素4の係合解除が可能になり、コンパートメントの封止が危険に曝される。しかし、本発明によれば、取り外し可能密閉デバイス7の突起19、19’が第1のブロック要素12、12’の端部15、15’のためのストップをそれ以上構築しなくなる前に、第2のブロック要素13、13’が、それを引き継ぎ、それによって制御要素5、5“がその閉位置に確かに保たれることが確実になる。実際、図7に示される構成によれば、取り外し可能密閉デバイス7の突起19、19’が端部15、15’のためのストップをそれ以上構築しなくなったときには、第2のブロック要素13、13’の端部18、18’は、取り外し可能密閉デバイス7の突起19、19’上にはすでになく、実際は取り外し可能密閉デバイス7のランプ29、29’内にある。実際、端部18、18’は、取り外し可能密閉デバイス7の突起19、19’の上にもはや支承されていないので、ばね14、14’は弛緩し、ランプ29、29’内に端部18、18’を押しやり、そこで維持する。第2のブロック要素の(矢印によって示されるような)並進運動が起こると、第2のブロック要素13、13’の中実部分Pが枢動要素23、23’の端部30、30’と向かい合うようになる。次いで、第2のブロック要素13、13’の中実部分Pが枢動要素23、23’の端部30、30’のためのストップを構築し、それによって、第1のブロック要素12、12’の並進運動が不可能になり、したがって、制御要素5、5’のあらゆる運動が不可能になり、それによって、取り外し可能密閉デバイス7がコンパートメントの内側から取り外されるために回転運動され続けても、コンパートメントの封止が提供され続ける。
【0064】
図8は、連結システム1の第6の構成を示しており、それによれば、取り外し可能密閉デバイス7は、連結要素4の本体に取り付けられているケース11と同時にコンパートメントの内側から取り外される。図示のように、第2のブロック要素13、13’によって、制御要素5、5’のあらゆる運動が不可能になることが確実にされ、それは、上に示したように、取り外し可能密閉デバイス7が取り外されるときのコンパートメントの内側環境の滅菌を確実にすることに寄与する。
【0065】
図9は、本発明による内側密閉デバイス7を示している。内側密閉デバイス7は、ヘッド部分9と、連結要素4を受容するように構成される中央チュービング9’とを含む。内側密閉デバイス7は、ヘッド部分9に、ノッチ16、16’と、突起19、19’と、スロット28、28’と、ランプ29、29’とを有する。
【0066】
本発明は、上述した実施例に決して限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲から逸脱することなくそれに変更を加えることができることが明確に理解されよう。
【0067】
例えば、図面は、ここでは、内側密閉デバイスの取り外しを示しているが、当然、本発明は、やはりまた、ステップの順序を単純に逆にすることによる内側密閉デバイスの再位置決めも包含する。
【符号の説明】
【0068】
1 連結システム
2 連結壁部
3 連通オリフィス
4 連結要素
5、5’ 制御要素、制御ボタン
6 ラグ、突起
7 取り外し可能密閉デバイス
8、8’ ブロック・デバイス
9 ヘッド
9’ チュービング
9’’ 中央貫通オリフィス
10 溝
11 ケース
12、12’ 第1のブロック要素
13、13’ 第2のブロック要素
14、14’ ばね
15、15’ 端部
16、16’ ノッチ
17、17’ 突起
18、18’ 端部
19、19’ 突起
20、20’ キャスタ
21 ノッチ
21、21’ カム
22、22’ ハウジング
23、23’ 枢動要素
24、24’ 軸
25、25’ ローラ
26、26’ 軸
27、27’ キャビティ
28、28’ スロット
29、29’ ランプ
30、30’ 端部
P 中実部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】
2017145964000001.pdf