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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-146061(P2017-146061A)
(43)【公開日】2017年8月24日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20170728BHJP
【FI】
   F25B1/00 101H
   F25B1/00 311C
   F25B1/00 396A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-29767(P2016-29767)
(22)【出願日】2016年2月19日
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】武市 久史
(72)【発明者】
【氏名】青野 正弘
(57)【要約】
【課題】低外気温時の冷房運転における圧縮機の差圧を無理なく確保できるようする。
【解決手段】圧縮機23から冷媒を吐出する吐出側配管Lcと、吐出側配管Lcに設けられた絞り部30と、一端が吐出側配管Lcにおける絞り部30より上流に接続され、他端が圧縮機23の吸入側に接続され、圧縮機23から吐出された冷媒を圧縮機23に戻す戻し流路205とを具備するようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、室外熱交換器、膨張弁及び室内熱交換器を有する冷媒回路を備えた空気調和機であって、
前記圧縮機から冷媒を吐出する吐出側配管と、
前記吐出側配管に設けられた絞り部と、
一端が前記吐出側配管における前記絞り部より上流に接続され、他端が前記圧縮機の吸入側に接続された戻し流路とを具備することを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記膨張弁及び前記室内熱交換器の間から分岐するとともに前記圧縮機の吸入側に接続され、冷媒を前記圧縮機に導くインジェクション配管と、
一端が前記吐出側配管における前記絞り部より上流に接続され、他端が前記インジェクション配管に接続された連結配管とをさらに具備し、
前記戻し流路が、少なくとも前記連結配管及び前記インジェクション配管から構成されていることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記吐出側配管における前記絞り部の上流から分岐するとともに、前記絞り部の下流に合流するバイパス流路と、
前記バイパス流路に設けられた開閉弁とをさらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の空気調和機。
【請求項4】
前記開閉弁が流量制御弁であることを特徴とする請求項3記載の空気調和機。
【請求項5】
前記冷媒が、R32冷媒又はR32冷媒を含む混合冷媒であることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の空気調和機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバールームなどに設けられた空気調和機は、冬場などの低外気温時(例えば−23℃)に冷房運転が行なわれることがある。
【0003】
このような低外気温時の冷房運転では、室内熱交換器の熱交換能力に対して室外熱交換器の熱交換能力が上回り、凝縮圧力と蒸発圧力との差が生じずに圧縮機に不具合が生じることがあり、圧縮機の信頼性を担保することができないという問題が生じ得る。
【0004】
ここで、特許文献1には、圧縮機の吐出側配管に絞り配管を設け、この絞り配管によって冷媒量を絞ることで、圧縮機の圧力を上昇させるように構成された空気調和機が記載されている。
【0005】
しかしながら、このような構成において、低外気温時の冷房運転における圧縮機の差圧を確保するためには、絞り配管による絞る量をかなり大きくする必要があり、そうすると、圧縮機の運転開始時に圧力が急激に上昇して圧縮機が壊れる恐れがある。
【0006】
なお、特許文献1の空気調和機は、暖房運転時の立ち上がり特性を改善することのみを目的としており、低外気温時の冷房運転における圧縮機の性能担保については、なんら考慮していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭62−217058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、低外気温時の冷房運転における圧縮機の差圧を無理なく確保できるようすることを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係る空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器、膨張弁及び室内熱交換器を有する冷媒回路を備えたものであって、前記圧縮機から冷媒を吐出する吐出側配管と、前記吐出側配管に設けられた絞り部と、一端が前記吐出側配管における前記絞り部より上流に接続され、他端が前記圧縮機の吸入側に接続され、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記圧縮機に戻す戻し流路とを具備することを特徴とするものである。
【0010】
このような空気調和機であれば、戻し流路によって圧縮機から吐出された冷媒を圧縮機に戻すようにしているので、低外気温時の冷房運転において、例えば圧縮機の起動時など圧力が急激に上昇しやすい場合に、戻し流路を介して冷媒の一部を圧縮機に戻すことで圧力の急激な上昇を防ぐことができる。これにより、低外気温時の冷房運転における圧縮機の差圧を無理なく確保することができ、ひいては圧縮機の性能を担保することができる。
【0011】
前記膨張弁及び前記室内熱交換器の間から分岐するとともに前記圧縮機の吸入側に接続され、冷媒を前記圧縮機に導くインジェクション配管と、一端が前記吐出側配管における前記絞り部より上流に接続され、他端が前記インジェクション配管に接続された連結配管とをさらに具備し、前記戻し流路が、少なくとも前記連結配管及び前記インジェクション配管から構成されていることが好ましい。
このような構成であれば、既存の配管同士を連結することにより戻し流路を構成することができ、空気調和機全体の構成を複雑にすることなく、低外気温時の冷房運転における圧縮機の差圧を確保することができる。
【0012】
圧縮機の高圧側の圧力を上げる必要がない場合に、圧縮機から吐出された冷媒が絞り部に流れないようにするためには、前記吐出側配管における前記絞り部の上流から分岐するとともに、前記絞り部の下流に合流するバイパス流路と、前記バイパス流路に設けられた開閉弁とをさらに具備することが好ましい。
【0013】
圧縮機の差圧が急激に上昇することをより確実に防ぐためには、前記開閉弁が流量制御弁であることが好ましい。
【0014】
前記冷媒が、R32冷媒又はR32冷媒を含む混合冷媒であることが好ましい。
これならば、R32冷媒の吐出温度が高いことから、本願発明の効果をより顕著に発揮させることができる。
【発明の効果】
【0015】
このように構成した本発明によれば、低外気温度の冷房運転における圧縮機の差圧を確保することができ、圧縮機の性能を担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態における空気調和機の概略構成図。
図2】同実施形態における制御部の制御を示すフローチャート。
図3】同実施形態における制御部の制御を示すフローチャート。
図4】同実施形態における低外気温制御の効果を示す実験データ。
図5】その他の実施形態における空気調和機の概略構成図。
図6】その他の実施形態における空気調和機の概略構成図。
図7】その他の実施形態における空気調和機の概略構成図。
図8】その他の実施形態における空気調和機の効果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明に係る空気調和機の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態に係る空気調和機100は、図1に示すように、室内ユニット10と、室外ユニット20と、この室内ユニット10及び室外ユニット20に冷媒が流通できるように構成されたヒートポンプサイクル200とを備える。
なお、前記冷媒は、R32冷媒又はR32冷媒を含む混合冷媒である。
【0019】
室内ユニット10は、互いに並列接続された減圧手段11A、11Bと、この減圧手段11A、11Bにそれぞれ直列に接続された室内熱交換器12A、12Bとを備えている。
【0020】
室外ユニット20は、四方弁21と、アキュムレータ22と、圧縮機23と、室外熱交換器24と、分配器25と、膨張弁26と、補助熱交換器27とを備えている。
【0021】
ヒートポンプサイクル200は、減圧手段11A、11B、室内熱交換器12A、12B、四方弁21、室外熱交換器24、分配器25、膨張弁26及び補助熱交換器27をこの順に接続されたメイン回路201と、アキュムレータ22、圧縮機23及び四方弁21をこの順に接続された圧縮回路202とを有している。
【0022】
このヒートポンプサイクル200は、減圧手段11A、11Bから膨張弁26に流れる冷媒の一部を上述したメイン回路201から分岐させて、室外熱交換器24に導くことなく圧縮機23に導くインジェクション流路203をさらに有している。具体的にこのインジェクション流路203は、一端が圧縮機23の吸入側に接続されて他端が膨張弁26と減圧手段11A、11Bとの間に接続されるインジェクション配管Laと、前記インジェクション配管Laに設けられた流量制御弁たる電動弁EVと、前記インジェクション配管Laにおける圧縮機23と電動弁EVとの間に設けられた補助熱交換器27とから構成されている。
なお、前記補助熱交換器27は、メイン回路201とインジェクション流路203とに跨って設けられている。
【0023】
前記圧縮回路202には、図1に示すように、圧縮機23の吐出側に絞り部30を設けてある。具体的にこの絞り部30は、圧縮機23の吐出側配管Lcに設けられたキャピラリー管などである。
本実施形態の圧縮回路202は、前記吐出側配管Lcにおける絞り部30の上流から分岐するとともに、前記吐出配管Lcにおける絞り部30の下流に合流するバイパス流路204を有している。言い換えれば、このバイパス流路204は、圧縮回路202における絞り部30と圧縮機23との間から分岐するとともに、圧縮回路202における絞り部30と四方弁21との間に合流する流路であり、ここでは電磁弁などの開閉弁SV1が設けられている。
【0024】
そして、本実施形態の空気調和機100は、一端が吐出側配管Lcにおける前記絞り部30より上流に接続されるとともに、他端が圧縮機23の吸入側に接続されて、圧縮機23から吐出された冷媒を圧縮機23に戻す戻し流路205をさらに具備している。
【0025】
具体的にこの戻し流路205は、上述したインジェクション配管La及び吐出側配管Lcを連結する連結配管Lbと、前記インジェクション配管Laにおける連結配管Lbとの連結箇所よりも圧縮機23側の一部とから構成されており、ここでは前記連結配管Lbに電磁弁などの開閉弁SV2が設けられている。
【0026】
上述した各開閉弁SV1、SV2は、図示しない制御部によって制御されるように構成されている。ここでは、低外気温時の冷房運転において圧縮機を起動させる際、インジェクション配管Laに設けられている電動弁EV及びバイパス流路204に設けられた開閉弁SV1は閉じられ、連結配管Lbに設けられている開閉弁SV2は開かれているようにしている。
【0027】
以下、前記制御部の制御動作の一例を、図2及び図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0028】
まず、冷媒の温度が急激に上昇することに起因した圧縮機23などの故障を防ぐ温度保護制御について、図2を参照しながら説明する。
【0029】
圧縮機23が起動すると、圧縮機23の吐出側に設けられた図示しない温度センサにより得られる測定温度Tdと、所定の第1温度T1及び所定の第2温度T2とを比較して、TdがT1及びT2よりも小さいかを判断する(S101)。
なお、これらの第1温度T1及び第2温度T2は、例えば圧縮機23等の種々の部品や、冷媒、油等を保護できる温度に設定されており、本実施形態では第1温度T1よりも第2温度T2の方が低く設定されている。
【0030】
S101において、測定温度Tdが、第1温度T1及び第2温度T2よりも小さい場合は、その後も上述の温度比較を続ける。
【0031】
一方、S101において、測定温度Tdが、第1温度T1及び第2温度T2よりも小さい状態にない場合は、次に測定温度Tdが、第2温度T2以上第1温度T1未満であるかを判断する(S102)。
【0032】
S102において、測定温度Tdが、第2温度T2以上第1温度T1未満の場合は、開閉弁SV2を閉じて(S200)、電動弁EVを所定の開度に開き(S300)、再びS101に戻って上述した温度比較を続ける。
【0033】
一方、S102において、測定温度Tdが、第2温度T2以上第1温度T1未満ではない場合、すなわち測定温度Tdが、第1温度T1以上である場合は、開閉弁SV1を開き(S400)、開閉弁SV2を閉じて(S500)、電動弁EVを所定開度となるように開き(S600)、再びS101に戻って上述した温度比較を続ける。
【0034】
上述した温度保護制御は、以下に述べる低外気温制御よりも前に行なうようにしても良いし、低外気温制御と並行して行なわれても良い。
【0035】
この温度保護制御により、例えば圧縮機23の起動時に冷媒の温度を上昇させた場合に、この温度を圧縮機23等の種々の機器、冷媒、油等に不具合が生じない温度に保つことができ、空気調和機100に係る種々のトラブル未然に防ぐこができる。
【0036】
次に、低外気温時の冷房運転における制御部の低外気温制御について説明する。
【0037】
低外気温制御は、外気温度が所定温度よりも低く、且つ、圧縮機23の高圧側圧力HPと低圧側圧力LPとの比又は高圧側圧力HPと低圧側圧力LPとの差が所定の閾値値よりも小さい場合に行なわれるようにしている。なお、高圧側圧力HPは、圧縮機23の吐出側に設けられた高圧側圧力センサPaによって測定され、低圧側圧力LPは、圧縮機23の吸入側に設けられた低圧側圧力センサPbによって測定される。
本実施形態の空気調和機は、例えば外気温度が10度以下であり、HP/LPが2.1未満の場合に、低外気温度制御が行なわれるように設定してある。
【0038】
具体的な制御例について、図3を参照しながら説明する。
【0039】
低外気温制御が開始されて圧縮機23が起動すると、まず高圧側圧力HPと、所定の第1圧力P1及び所定の第2圧力P2とを比較して、高圧側圧力HPが、第1圧力P1及び第2圧力P2よりも小さいかを判断する(S1)。
なお、これらの第1圧力P1及び第2圧力P2は、例えば圧縮機23の設計圧力等に基づき予め定められた値であり、本実施形態では第1圧力P1よりも第2圧力P2の方が大きい値に設定してある。
【0040】
S1において、高圧側圧力HPが、第1圧力P1及び第2圧力P2よりも小さい場合は、開閉弁SV1を閉じた状態に維持するとともに(S2)、開閉弁SV2を開いた状態に維持する(S3)。
【0041】
一方、S1において、高圧側圧力HPが、第1圧力P1及び第2圧力P2よりも小さい状態にない場合は、高圧側圧力HPが、第1圧力P1以上第2圧力P2未満であるかを判断する(S4)。
【0042】
S4において、高圧側圧力HPが、第1圧力P1以上第2圧力P2未満である場合は、開閉弁SV1を開き(S5)、開閉弁SV2を開く(S6)。
【0043】
一方、S4において、高圧側圧力HPが、第1圧力P1以上第2圧力P2未満ではない場合、すなわち高圧側圧力HPが、第2圧力以上である場合は、開閉弁SV1を開き(S7)、開閉弁SV2を閉じる(S8)。
【0044】
そして、S3、S6、S8のあと、低外気温制御を終了するかを判断する(S9)。
具体的には、例えば高圧側圧力HPと低圧側圧力LPとの比又は高圧側圧力HPと低圧側圧力LPとの差が所定の閾値値よりも大きい場合に低外気温制御が終了するように設定されている。ここでは、HP/LPが2.1以上であり、高圧側圧力HPが15kgf/cm2Gより大きい場合に低外気温制御が終了するように設定してある。
【0045】
S9において、低外気温制御を終了する場合は、SV1を開く(S10)とともに、SV2を閉じる(S11)。
一方、S9において、低外気温制御を終了しない場合は、再びS1に戻り、高温側圧力HPと、所定の第1圧力P1及び所定の第2圧力P2とを比較する。
【0046】
以上のように構成された本実施形態に係る空気調和機100によれば、圧縮機23の吐出側に絞り部30を設けているので、低外気温時の冷房運転において圧縮機23の差圧を確保できるようにしつつ、圧縮機23の起動時に冷媒を戻し流路を介して圧縮機23に戻すようにしているので、圧力が急激に上昇することを防ぐことができる。
【0047】
ここで、本実施形態における低外気温制御による効果を示す実験データを図4に示す。
この実験データから分かるように、従来では圧縮機の圧縮比が1.5であったのに対して、本実施形態の低外気温制御を行なうことにより、圧縮機23の吐出側の高圧が飛躍的に上昇して、圧縮比が従来よりも向上して3.8になっていることが分かる。
このように、圧縮機23の吐出側の高圧を上昇させることにより、圧縮機23を構成するロータリーを押さえることができ、圧縮機23のガタつきを低減させることができる。
【0048】
また、インジェクション配管Laと吐出配管Lcとを連結することにより戻し流路205を構成しているので、空気調和機100全体の構成を複雑にすることなく、低外気温時の冷房運転における圧縮機23の差圧を確保することができる。
【0049】
さらに、絞り部30を迂回させるバイパス流路204に開閉弁SV1を設けているので、圧縮機23の高圧側圧力を上げる必要がない場合には、圧縮機23から吐出された冷媒が絞り部に流れないようにすることができる。
【0050】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0051】
例えば、前記実施形態では、本発明の空気調和機を低外気温時における冷房運転に適用した態様を説明したが、本発明の空気調和機は、低外気温時以外に使用しても構わない。
【0052】
また、本発明の空気調和機を暖房運転や除霜運転させた場合は、圧縮機から吐出された冷媒の一部を圧縮機に戻しながら、残りの冷媒を室内熱交換器や室外熱交換器に流すことができるので、冷媒の温度を上昇させて速暖性能を向上させることや除霜時間を短縮させることができる。
【0053】
さらに、前記実施形態の室内ユニットは、並列に接続された2つの内熱交換器を備えていたが、3つ以上の室内熱交換器を備えていても良い。
【0054】
加えて、前記実施形態では1つの圧縮機を有する空気調和機について説明したが、空気調和機としては複数の圧縮機を有したものであっても良い。図5及び図6には一例として、2つの圧縮機23を有する室外ユニット20の冷媒回路を示す。なお、各圧縮機23は、互いに等しい容量であっても良いし、互いに異なる容量であっても良い。
ここでは低外気温時における冷房運転において、何れか一方の圧縮機23を運転するように制御しており、低外気温時の冷房運転に用いられる圧縮機23の吐出側配管Lcに絞り部30が設けられている。また、前記実施形態と同様に、前記絞り部30に並列して電磁弁SV1を設けてあり、低外気温制御が行なわれる場合にこの電磁弁SV1を閉じるようにしている。
【0055】
ところで、図5及び図6に示す空気調和機100は、蒸発器を通過した冷媒が導入されるアキュムレータ22と、アキュムレータ22により分離されたガス冷媒を各圧縮機23に吸入させる吸入管Ldと、各圧縮機23の吐出側それぞれに設けられた油分離器と、各油分離器28により分離された油が導入されるとともに、この油分離器28に対応した圧縮機23とは別の圧縮機23に前記油を導出するための油導出管Leとを具備している。
このような構成であれば、各油分離器28によって分離された油を、これらの各油分離器28に対応する圧縮機23とは別の圧縮機23に供給させることができるので、仮に複数の異容量の圧縮機23を運転させる場合であっても、特定の圧縮機23に油が偏るいわゆる偏油を防ぐことができる。
【0056】
また、前記実施形態では1つの室外熱交換器を有する空気調和機について説明したが、空気調和機としては、図7に示すように、並列に設けられた複数の室外熱交換器24を有する空気調和機100であっても構わない。なお、ここでは、2つの室外熱交換器24として、互いに異なる熱交換効率のものを用いている。
このような構成であれば、室外熱交換器24の容量切り換え機能を用いて熱交換効率の小さい室外熱交換器24(つまり、容積の小さい室外熱交換器24)を選択することで、圧縮機23の高圧側の圧力をさらに上昇させることができ、図8に示すように、運転範囲を拡大することができる。さらに、上述したようにこれにより、圧縮機23の高圧側の圧力をさらに上昇させることで、例えば室外熱交換器24と室内熱交換器12との落差が大きい場合であっても冷房運転及び暖房運転を正常に行うことが可能となる。
【0057】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0058】
100・・・空気調和機
200・・・冷媒回路
23 ・・・圧縮機
La ・・・インジェクション配管
Lc ・・・吐出側配管
205・・・戻し流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8