【解決手段】クライアント110から、該クライアントの測位により取得された測位情報を受信し、受信した測位情報を履歴が保持されるように記憶し、クライアント110から、補正内容及び補正時刻を受信し、受信した補正内容及び補正時刻を履歴が保持されるように記憶し、補正内容は、労働時間と、非労働時間と、休憩時間の長さとのうちの少なくとも1つを特定し、補正時刻は補正内容の入力をクライアント110が受けた時刻であり、クライアント110からの要求を受けたときに、測位情報の履歴と、補正内容及び補正時刻の履歴とを印刷するための出力を行うように構成されたサーバ120。
請求項2に記載のサーバであって、あるジオフェンスを示す記載と、当該あるジオフェンスの外から内に入った入時刻と、当該あるジオフェンスの内から外に出た出時刻とが関連付けられて印刷されるよう出力を行うように構成されたサーバ。
請求項5に記載のサーバであって、労働時間の特定及び非労働時間の特定である1つの前記補正内容として、当該補正内容の前記補正種類を示す記載と、当該補正内容に含まれる前記補正時間とが印刷され、休憩時間の長さの特定である1つの前記補正内容として、当該補正内容に含まれる前記時の補正長さが印刷されるように、前記補正内容及び前記補正時刻の前記履歴が印刷されるよう出力を行うように構成されたサーバ。
請求項1から6の何れか一項に記載のサーバであって、前記の時間は、ある時刻からある時刻までを特定する情報であり、前記の時刻は、日時を示す情報であり、前記時の補正長さは、日付と時の長さとを示す情報であるように構成されたサーバ。
請求項8から11の何れか一項に記載のクライアントであって、前記の時間は、ある時刻からある時刻までを特定する情報であり、前記の時刻は、日時を示す情報であり、前記時の補正長さは、日付と時の長さとを示す情報であるように構成されたクライアント。
請求項14に記載の方法であって、印刷するための出力を行う前記ステップは、あるジオフェンスを示す記載と、当該あるジオフェンスの外から内に入った入時刻と、当該あるジオフェンスの内から外に出た出時刻とが関連付けられて印刷されるよう出力を行うステップを含む、方法。
請求項17に記載の方法であって、印刷するための出力を行うステップは、労働時間の特定及び非労働時間の特定である1つの前記補正内容として、当該補正内容の前記補正種類を示す記載と、当該補正内容に含まれる前記補正時間とが印刷され、休憩時間の長さの特定である1つの前記補正内容として、当該補正内容に含まれる前記時の補正長さが印刷されるように、前記補正内容及び前記補正時刻の前記履歴が印刷されるよう出力を行うステップを含む、方法。
請求項13から18の何れか一項に記載の方法であって、前記の時間は、ある時刻からある時刻までを特定する情報であり、前記の時刻は、日時を示す情報であり、前記時の補正長さは、日付と時の長さとを示す情報である、方法。
請求項20から23の何れか一項に記載の方法であって、前記の時間は、ある時刻からある時刻までを特定する情報であり、前記の時刻は、日時を示す情報であり、前記時の補正長さは、日付と時の長さとを示す情報であるように構成された方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1 本発明の実施の態様の一例
図1は、本発明の実施の態様に従う、労働時間についての証拠保全のためのクライアント110及びサーバ120を含むシステム100の例を示している。クライアント110とサーバ120とは、ネットワーク130を介して通信可能である。クライアント110はシステム100のユーザが携帯するものであり、サーバ120はシステム100を用いたサービスの提供者が設置するものである。
【0015】
クライアント110としては、コンピュータ、例えばスマートフォンを用いることができる。サーバ120としては、コンピュータを用いることができる。なお、「コンピュータ」について、その一例を節6にて説明しているので、参照されたい。
【0016】
なお、説明を簡単にするため、
図1にはただ1つのクライアント110が描かれているが、複数のクライアントをシステム100は含みうる。また、1人のユーザは、1以上のクライアントを携帯しうる。従って、以下の説明では明示していないが、送信又は記憶される情報は、実際にはユーザ又はクライアントを特定するための何らかの情報に関連付けられて送信又は記憶されうることに留意されたい。
【0017】
また、
図1にはただ1つのサーバ120が描かれているが、サーバ120は物理的に複数のコンピュータから構成されうる。
【0018】
以下、クライアント110及びサーバ120について詳述する。なお、以下の説明では、時刻又は日時を示す情報として、用語「時刻」を用いている。また、用語「時間」は、特に断らない限り、ある時刻からある時刻までを特定する情報として用いている。従って、例えば、「時刻xからm分後まで」といった形式の情報も、「時間」に含まれる。
【0019】
2 クライアント110について
図2Aは、例示のクライアント110が含む主な手段を示している。なお、ジオフェンス設定手段210は、クライアント110自体が含まない場合もある。例えば、クライアント110ではない別のコンピュータを用いて、クライアント110に係るジオフェンスを設定することもできる。また、クライアント110は、図示しないその他の手段を含むことがある。更に、ジオフェンス設定手段210は、ジオフェンスを用いた情報取得をしない場合、例えば節2−2−2にて後述する測位情報2のみを取得する場合には、不要でありうる。
【0020】
以下に詳述するこれら手段が、クライアント110のハードウェア資源と、ソフトウェアとが協働した具体的手段であることは、当業者には明らかであると思料する。また、クライアント110は、明確に分かれた手段を含まないが、ハードウェア資源とソフトウェアとが協働することにより、上記手段が実行する処理を全体として行うように構成されたものであってもよい。
【0021】
2−1 ジオフェンス設定手段210
システム100は、ジオフェンスを利用して、労働時間についての証拠保全を行うことができる。ジオフェンスとは、ある地理的領域の閉じた境界を表すものであり、その形状は任意である。
【0022】
システム100は、ジオフェンスを設定するために、ジオフェンスを定める情報を必要とする。ジオフェンスを定める情報は、定めるジオフェンスを特定できればどのような情報であってもよい。例えば、ジオフェンスの形状はある地点を中心としたある半径の円であることができる。
図3Aは、そのようなジオフェンスの例を示している。
図3Aに従うと、ジオフェンス310を定める情報は、円の中心311の地点に対応した緯度経度と、その半径312とを含むことができる。
【0023】
なお、同時に複数のジオフェンスを設定することができる。
【0024】
ジオフェンス設定手段210は、ユーザからの入力により、ジオフェンスを示す情報と、当該ジオフェンスに係る緯度経度及び半径とを取得する。
【0025】
緯度経度をどのように取得するかは任意である。例えば、緯度経度は、ユーザからその値の入力を直接受けることにより、取得することができる。また、ユーザからは住所の入力を受け、その住所を緯度経度に変換することにより取得してもよい。更に、地図を表示し、表示されたその地図において、ユーザにより選択された地点を緯度経度に変換することにより取得してもよい。なお、取得する緯度経度は、ユーザの勤務地や営業上の得意先等、ユーザが仕事中に滞在する地点に対応するものとしてシステム100において扱われる。
【0026】
半径をどのように取得するかは任意である。例えば、デフォルト値が設定されていてもよい。また、半径は、ユーザからその値の入力を直接的に受けることにより、取得することができる。更に、半径は、何らかのUIコンポーネントを表示し、ユーザにより操作されるそのUIコンポーネントが示す値から取得してもよい。なお、半径の単位は任意であるが、例えばメートルである。
【0027】
ジオフェンスを示す情報は、複数のジオフェンスが設定される場合に、ジオフェンス同士を区別するための情報である。従って、ジオフェンスを示す情報は、ジオフェンス同士を区別できるのであれば、どのような情報であってもよく、例えば、緯度経度又は半径を取得した時刻、入力を受けた住所、選択された地点に対応した住所、ユーザにより入力されたラベル等であることができる。また、ジオフェンスを示す情報を緯度経度とし、別にジオフェンスを示す情報を不要とすることもできる。
【0028】
ジオフェンス設定手段210は、ジオフェンスを示す情報と、当該ジオフェンスに係る緯度経度及び半径とをサーバ120に送信する。なお、このとき、ジオフェンス設定手段210は、ジオフェンスを示す情報と、当該ジオフェンスに係る緯度経度及び半径とを記憶してもよい。
【0029】
2−2 測位情報送信手段220
測位情報送信手段220は、測位により取得された情報(以下、「測位情報」という。)を、あるタイミングでサーバ120に送信する。測位情報は、設定されたジオフェンスを用いて取得される場合もある。
【0030】
測位情報は、それ自身より又は他の情報と組み合わせることにより、クライアント110のユーザがある時刻又は時間に労働していたことを推定し、それにより労働時間を推定することが可能な任意の客観的な情報である。従って、測位情報は、クライアント110のユーザが労働していたことを推定できればどのような情報であってもよく、測位情報送信手段220が行う処理は、そのような測位情報を送信できるのであればどのような処理であってもよい。
【0031】
以下、測位情報の2つの例を挙げ、測位情報送信手段220が行う処理について説明する。なお、測位情報送信手段220は、測位情報に含めるものを、設定により切り替えることができてもよい。
【0032】
2−2−1 測位情報の例1(以下、「測位情報1」という。)
測位情報送信手段220は、測位により、クライアント110が、あるジオフェンスの外から内に入ったことと、あるジオフェンスの内から外に出たこととを判定することができる。
【0033】
なお、クライアント110用のオペレーティング・システムには、ジオフェンスを設定することにより、そのジオフェンスの外から内に入ったときに呼び出されるメソッドと、そのジオフェンスの内から外に出たときに呼び出されるメソッドとを含むAPIを有するものがあり、例えばそのようなAPIを利用することにより、上記のような判定を実施してもよい。
【0034】
あるジオフェンスの外から内に入ったと判定したとき、測位情報送信手段220は、クライアント110が当該ジオフェンスの外から内に入った入時刻を取得する。入時刻は、判定が行われたときに取得した時刻を用いることができる。
【0035】
次に、測位情報送信手段220は、取得した入時刻をサーバ120に送信する。このとき、判定に係るジオフェンスを示す情報と、ジオフェンスの外から内に入ったことを示す情報とを同時に送信することができる。
【0036】
また、あるジオフェンスの内から外に出たと判定したとき、測位情報送信手段220は、クライアント110が当該ジオフェンスの内から外に出た出時刻を取得する。出時刻は、判定が行われたときに取得した時刻を用いることができる。
【0037】
次に、測位情報送信手段220は、取得した出時刻をサーバ120に送信する。このとき、判定に係るジオフェンスを示す情報と、ジオフェンスの内から外に出たことを示す情報とを同時に送信することができる。
【0038】
即ち、測位情報1は、少なくとも、上述したような入時刻又は出時刻を含むものである。
【0039】
2−2−2 測位情報の例2(以下、「測位情報2」という。)
測位情報送信手段220は、繰り返し測位を行うことができる。繰り返しの間隔は、一定であっても可変であってもよい。繰り返し行われる測位のタイミング、即ち測位を行うときであるとの判定は、タイマを用いて、最後に測位したときからある時間(時の長さ)経過したかを判定することにより実施することができる。
【0040】
測位を行うときであると判定したときに、測位情報送信手段220は、測位を行い、クライアント110の位置及びその測位時刻を取得する。位置は、例えば緯度経度の形式で取得することができる。測位の手法は、クライアント110の位置を特定できるのであればどのようなものであってもよく、例えば、GPSを用いた手法、クライアント110の通信キャリアの基地局を用いた手法、Wifiのアクセスポイントを用いた手法等であることができる。
【0041】
次に、測位情報送信手段220は、取得した位置及び測位時刻をサーバ120に送信する。
【0042】
即ち、測位情報2は、少なくとも、上述したような位置及び測位時刻を含むものである。このような情報によると、例えば、トラックドライバーのように定まった勤務地がないユーザであっても、ある日の仕事上の目的地という他の情報と組み合わせることにより、当該目的地に向かって移動し続けていたことが明らかとなれば、その移動の間の時間に当該ユーザは労働していたと推定することができる。
【0043】
2−3 労働時間補正手段230
システム100においては、ユーザの労働時間(休憩時間を含む)を推定することができる。労働時間の推定手法は任意であるが、例えば、節3−2−2にて後述する手法によって推定することができる。
【0044】
推定される労働時間(以下、「推定労働時間」という。)は、実態を反映していない場合がある。そのような場合でも、ユーザは、労働時間補正手段230を用いて、システム100に対して実態を伝えることができる。
【0045】
労働時間補正手段230は、推定労働時間(後述する補正内容が入力された場合には、その内容を考慮した推定労働時間であってもよい)を表示することができる。この表示は、推定労働時間の長さ及び推定労働時間中の休憩時間の長さを含むことがある。推定労働時間は、例えば、サーバ120から取得することができる。なお、原理上、推定労働時間を表示しなくとも労働時間の実態を伝えることはできるため、推定労働時間の取得及びそれに基づく時間の表示は必須ではない。
【0046】
次に、労働時間補正手段230は、ユーザから、労働時間と、非労働時間と、休憩時間の長さとのうちの少なくとも1つを特定する補正内容の入力を受け、入力を受けたときの時刻を補正時刻として取得する。なお、休憩時間の長さは、休憩時間が特定できれば、その長さとして特定できることに留意されたい。
【0047】
更に、労働時間補正手段230は、入力を受けた補正内容と、取得した補正時刻とをサーバ120に送信する。
【0048】
補正内容は、例えば、補正時間又は時の補正長さと補正種類を示す情報とを含むことができる。補正種類を示す情報は、補正時間又は時の補正長さが何を意味しているのかを特定する任意の情報である。
【0049】
以下、2015年12月21日について、推定労働時間が、
7時0分〜18時0分と、
19時0分〜20時0分と、
21時30分〜23時0分と
であり、そのうちの休憩時間の長さが60分である一方、実際の労働時間が、
7時0分〜22時45分
であり、そのうちの休憩時間が12時0分〜12時30分であると仮定して、補正内容の幾つかの例と、推定労働時間の表示の例と、補正内容の入力手法の例とについて説明する。
【0050】
2−3−1 補正内容の例1
この例は、労働時間を特定するものである。表示された推定労働時間に対して入力されるのであれば、この例は、当該時間に対して、労働時間を追加するものとなる。このような補正は、例えば、ユーザに複数の勤務地がある場合に、ある勤務地から別の勤務地への移動時間を労働時間として扱うために必要な場合がある。なぜなら、労働時間の推定手法によっては、移動時間が労働時間と推定されない場合があるためである。
【0051】
例えば、ユーザは、クライアント110に、
18時0分〜19時0分と、
20時0分〜21時30分と
を補正時間として入力し、入力されたものが労働時間を示す旨を入力する。なお、補正時間は日付とともに入力される場合がある。補正内容の例2においても同様である。
【0052】
「旨」の入力は、クライアント110に表示された対応するUIコンポーネントの選択によるものであってよい。また、労働時間補正手段230は、補正種類を示す情報として、ユーザの入力から、「旨」に対応するシステム100において定められた値を取得することができる。補正内容の例2及び例3においても同様である。
【0053】
2−3−2 補正内容の例2
この例は、非労働時間を特定するものである。表示された推定労働時間に対して入力されるのであれば、この例は、当該時間から、労働時間でない時間を除外するものとなる。このような補正は、例えば、仕事を終えた後に、何らかの理由(一服したり、同僚と話し込んだり等)によりユーザが勤務地に留まってしまった場合に必要である。
【0054】
例えば、ユーザは、クライアント110に、
22時45分〜23時0分
を補正時間として入力し、入力されたものが非労働時間を示す旨を入力する。
【0055】
2−3−3 補正内容の例3
この例は、休憩時間の長さを特定するものである。表示された推定労働時間中の休憩時間の長さに対して入力されるのであれば、この例は、当該休憩時間の長さを調整するものとなる。このような補正は、例えば仕事の都合により、当該休憩時間の長さは休憩がとれなかった場合に必要である。
【0056】
例えば、当該休憩時間の長さが60分である場合に、ユーザは、クライアント110に、12時0分〜12時30分の長さである
30分
を時の補正長さとして入力し、入力されたものが休憩時間の長さを示す旨を入力する。なお、時の補正長さは日付とともに入力される場合がある。
【0057】
2−3−4 推定労働時間の表示の例
図3B及び
図3Cは、推定労働時間の表示を含む、クライアント110に表示される例示の画面320を示している。
図3Bは補正内容が入力される前(以下、「補正前」という。)の画面であり、
図3Cは補正内容が入力された後(以下、「補正後」という。)の画面である。
【0058】
321は、表示される推定労働時間に係る日付及び曜日を示している。
【0059】
322は、
図3Bにおいては補正前の、
図3Cにおいては補正後の、推定労働時間の長さ及び休憩時間の長さを示している。なお、これら図において、推定労働時間の長さ及び休憩時間の長さは、それぞれ、「勤務時間」及び「休憩時間」として表記されている。
【0060】
323は、324、325及び326が示す帯に関連した時刻を示している。
【0061】
324が示す帯は、定時の勤務の始業時刻と終業時刻との間の時間(以下、「定時労働時間」という。)を表している。ここで、定時労働時間は9時0分〜18時0分であると仮定している。
【0062】
325が示す帯は、設定されたジオフェンス内にクライアント110があった時間(以下、「ジオフェンス内時間」という。)を表している。ここで、ジオフェンス内時間は、7時0分〜12時30分と、14時30分〜17時30分と、19時0分〜20時0分と、21時30分〜22時0分と、22時30分〜23時0分とであると仮定している。
【0063】
326が示す帯は、
図3Bにおいては補正前の、
図3Cにおいては補正後の、推定労働時間を表している。
【0064】
327は、推定労働時間のうち、労働時間でない可能性が比較的高い時間を示す強調である。この時間は、定時労働時間にもジオフェンス内時間にも含まれない推定労働時間であり、後述する
図3Fの時間370に対応する。
【0065】
2−3−5 補正内容の入力手法の例1
図3Dは、ユーザが補正内容の例1及び2を入力するための例示の画面340を示している。341は、「旨」を入力するためのUIコンポーネントを示している。342及び343は、それぞれ、補正時間の開始及び終了の時刻を入力するためのUIコンポーネントを示している。344及び345は、それぞれ、補正内容の入力を確定するためのUIコンポーネント及び補正内容の入力をキャンセルするためのUIコンポーネントを示している。
【0066】
以下、クライアント110はタッチパネルをユーザインターフェースとして有すると仮定し、画面340を用いて、ユーザがどのように補正内容を入力するのかについて説明する。
【0067】
ユーザが画面320の任意の場所、例えば帯が表示されている場所をタップすることにより、労働時間補正手段230は画面340を表示することができる。
【0068】
ユーザが341をタップすると、「勤務」と「非勤務」との何れかを選択するためのダイアログが表示される。そのダイアログから「勤務」を選択すれば、ユーザは補正時間が労働時間を示す旨を入力したことになり、「非勤務」を選択すれば、ユーザは補正時間が非労働時間を示す旨を入力したことになる。
【0069】
ユーザが342又は343を上下にフリックすることにより、労働時間補正手段230は、表示される時刻を前後させることができる。342に示された時刻から、343で示された時刻までが、入力される補正時間となる。
【0070】
ユーザが344をタップすることにより、労働時間補正手段230は、補正時間を求め、補正種類を示す情報を求め、求められた補正時間及び補正種類を示す情報を補正内容の入力とすることができる。なお、労働時間補正手段230は、344のタップの後、再び画面320を表示することができる。
【0071】
ユーザが345をタップすることにより、労働時間補正手段230は、補正内容の入力はなかったものとして、再び画面320を表示することができる。
【0072】
特に、ユーザが画面320の、327で示される強調をタップすることにより、強調されている時間の開始時刻を342に、終了時刻を343に表示した状態で、労働時間補正手段230は画面340を表示することができる。
【0073】
ここで、ユーザが344をタップすることにより、労働時間補正手段230は、補正内容の入力を確定させることができる。言い換えると、労働時間補正手段230は、強調されている時間を労働時間として特定する補正内容の入力とする。このとき、再び表示される画面320において、強調327はもはや表示しなくてよい。
【0074】
一方、ユーザが345をタップすることにより、労働時間補正手段230は、補正内容の入力はなかったものとすることができる。このとき、再び表示される画面320において、強調327はもはや表示しなくてよい。また、強調されている時間は労働時間でないことが確定したため、非労働時間を特定する補正内容の入力がなされたわけではないが、強調されていた時間を除外して推定労働時間を表示するようにしてよい。
【0075】
2−3−6 補正内容の入力手法の例2
図3Eは、ユーザが補正内容の例3を入力するための例示の画面350を示している。351は、時の長さを入力するためのUIコンポーネントを示している。352及び353は、それぞれ344及び345と同様のものである。
【0076】
以下、クライアント110はタッチパネルをユーザインターフェースとして有すると仮定し、画面350を用いて、ユーザがどのように補正内容を入力するのかについて説明する。
【0077】
ユーザが画面320の任意の場所、例えば休憩時間の長さが表示されている場所をタップすることにより、労働時間補正手段230は画面350を表示することができる。
【0078】
ユーザが351を上下にフリックすることにより、労働時間補正手段230は、表示される時の長さを変化させることができる。351に示された時の長さが、時の補正長さとなる。
【0079】
画面350が表示された時点で、ユーザは既に時の補正長さが休憩時間の長さを示す旨を入力したことになっている。
【0080】
ユーザが352をタップすることにより、労働時間補正手段230は、補正種類を示す情報を求め、時の補正長さ及び求められた補正種類を示す情報を補正内容の入力とすることができる。なお、労働時間補正手段230は、352のタップの後、再び画面320を表示することができる。
【0081】
ユーザが353をタップすることにより、労働時間補正手段230は、補正内容の入力はなかったものとして、再び画面320を表示することができる。
【0082】
2−4 履歴印刷要求手段240
システム100には、ユーザの労働時間についての証拠が保全されている。履歴印刷要求手段は、ユーザからの要求に応じて、そのような証拠としての役割がある履歴を印刷、例えば証明書として紙面に印刷するように、サーバ120に要求することができる。この要求は、例えばメッセージを送信することで実施されうる。
【0083】
2−5 その他の手段
クライアント110に含まれるその他の手段として、限定することなく列挙すれば、例えば以下のようなものが挙げられる。
a ユーザIDを生成し、サーバ120に送信する手段。ユーザIDは、ユーザから入力されたものでも、システム100により自動的に付されるものでもよい。
b ユーザの氏名及び電話番号を取得し、サーバ120に送信する手段。
c クライアント110を特定する情報、例えば、スマートフォンの端末識別番号をサーバ120に送信する手段。
d ユーザが入力した、時期ごとの、定時の勤務の始業時刻及び終業時刻を、サーバ120に送信する手段。始業時刻及び終業時刻は、時期によって変わることがある。
e ユーザが入力した、時期ごとの、ユーザが通常とる休憩時間の長さ(以下、「通常休憩長」という。)を、サーバ120に送信する手段。通常休憩長は、時期によって変わることがある。
f ユーザが入力した勤務先の所定休日をサーバ120に送信する手段。所定休日とは、勤務先が休日として指定している日であり、例えば、勤務先の設立記念日である。
g ユーザが入力した有給休暇をとった日及びその入力時刻をサーバ120に送信する手段。
h ユーザからの入力に基づき、測位情報に含めるものを設定する手段。
i ユーザが入力した、基本給、基礎賃金から控除される手当(住宅手当、通勤手当、家族手当、別居手当等)、固定残業代、既払い残業代等をサーバ120に送信する手段。
【0084】
3 サーバ120について
図2Bは、例示のサーバ120が含む主な手段を示している。なお、労働時間推定手段260は、サーバ120自体が含まない場合もあり、必須ではない。例えば、必要な情報をクライアント110に送信することにより、クライアント110側で労働時間を推定することもできる。また、サーバ120は、図示しないその他の手段を含むことがある。測位情報履歴保持手段250並びに補正履歴保持手段270は、共通のデータベースを用いて履歴を記憶してもよい。また、図示していないが、サーバ120にはプリンタが接続されていてもよいし、システム100とは別の、プリンタを含むシステムが存在していてもよい。
【0085】
以下に詳述するこれら手段が、サーバ120のハードウェア資源と、ソフトウェアとが協働した具体的手段であることは、当業者には明らかであると思料する。また、サーバ120は、明確に分かれた手段を含まないが、ハードウェア資源とソフトウェアとが協働することにより、上記手段が実行する処理を全体として行うように構成されたものであってもよい。
【0086】
3−1 測位情報履歴保持手段250
測位情報履歴保持手段250は、測位情報を受信し、受信した測位情報を、測位情報の履歴が保持されるように記憶する。なお、測位情報履歴保持手段250は、測位情報を受信するたびに、この処理を行う。
【0087】
以下、測位情報1及び測位情報2の保持された履歴の例について説明する。なお、例示のため、説明する履歴は特定の日に係る測位情報のみを含んでいることに留意されたい。実際には、履歴は、複数の日、例えば、ジオフェンスが設定された後又はユーザがシステム100の利用を開始した後の全ての日に係る測位情報を含みうる。
【0088】
3−1−1 測位情報1の履歴の例(以下、「測位情報履歴1」という。)
図4Aは、測位情報履歴1を示している。
【0089】
410、420及び430は、それぞれ、ジオフェンスを示す情報、入時刻及び出時刻を含む列を示している。列410は、ジオフェンスが1つしか設定されないのであれば、必須ではない。
【0090】
各行は、クライアント110が、過去に、列410が表わすジオフェンスの外から内に列420が表わす時刻に入り、当該ジオフェンスの内から外に列430が表わす時刻に出たことを表している。記号GF
A及びGF
Bは、異なるジオフェンスに対応する情報であることを示している。
【0091】
3−1−2 測位情報2の履歴の例(以下、「測位情報履歴2」という。)
図4Bは、測位情報履歴2を示している。
【0092】
440及び450は、それぞれ、測位されたクライアント110の位置及びその位置の測位時刻を含む列を示している。
【0093】
各行は、クライアント110が、過去に、列440が表わす位置に列450が表わす時刻にあったことを表している。
【0094】
なお、例示のために、同様の記録が続く部分は、図において省略されている(「(15分間隔で記録がある)」の部分)。
【0095】
3−2 労働時間推定手段260
労働時間推定手段260は、任意の手法により、推定労働時間を導出する。この際、ジオフェンス内時間に基づいて推定労働時間を導出してもよいため、以下、ジオフェンス内時間の例示の導出手法と、推定労働時間の例示の導出手法とについて説明する。
【0096】
3−2−1 ジオフェンス内時間の例示の導出手法
ジオフェンス内時間は、同じジオフェンスについての、ジオフェンスの外から内に入った入時刻と、ジオフェンスの内から外に出た出時刻との間の時間であってよい。同じジオフェンスについての記録が複数あれば、当該ジオフェンス内にあった時間は、入時刻と、当該入時刻から直近の出時刻との間の時間であってよい。なお、ジオフェンスが複数設定されている場合には、ジオフェンス内時間は、クライアント110がそれら複数のジオフェンスのうちの何れか1つにあった時間を統合したものである。
【0097】
例えば、
図4Aに示す測位情報履歴1には、クライアント110は、2015年12月21日に、
GF
A内に
7時0分〜12時30分、
14時30分〜17時30分、
21時30分〜22時0分及び
22時30分〜23時0分
にあり、
GF
B内に
19時0分〜20時0分
にあったとの情報が含まれている。従って、労働時間推定手段260は、2015年12月21日について、これら時間をジオフェンス内時間として導出できる。
【0098】
図4Bに示す測位情報履歴2には、あるジオフェンスに係る入時刻及び出時刻が直接的には含まれていない。従って、この履歴からは、推定労働時間を導出する際にジオフェンス内時間を用いなくてもよいが、あるジオフェンスに係る入時刻及び出時刻を推定することによって導出されたジオフェンス内時間を用いてもよい。
【0099】
入時刻及び出時刻の推定手法は任意であるが、例えば、あるジオフェンスについて、入時刻として、直前の位置が当該ジオフェンス外である、当該ジオフェンス内の位置の測位時刻を用い、出時刻として、直後の位置が当該ジオフェンス外である、当該ジオフェンス内の位置の測位時刻を用いることができる。
【0100】
3−2−2 労働時間の例示の推定手法
例えば、推定労働時間は、ジオフェンス内時間であってよい。
【0101】
また、例えば、推定労働時間は、定時労働時間であってよい。
【0102】
更に、例えば、推定労働時間は、ジオフェンス内時間と定時労働時間との少なくとも一方に含まれる時間であってよい。
【0103】
更にまた、例えば、
ジオフェンス内時間の終わりの時刻と定時労働時間の始まりの時刻との間の時間の長さ、
定時労働時間の終わりの時刻とジオフェンス内時間の始まりの時刻との間の時間の長さ、
ジオフェンス内時間の終わりの時刻と別のジオフェンス内時間の始まりの時刻との間の時間の長さ
が所定の時の長さ以下である場合には、当該時間を推定労働時間に含めてもよい。
【0104】
図3Fは、推定労働時間の具体例を示している。361は、362〜371に関連した時刻を示している。362、363及び364は、それぞれ、定時労働時間、ジオフェンス内時間及び推定労働時間を表している。時間365、367、369及び371は、定時労働時間362とジオフェンス内時間363との少なくとも一方に含まれる時間であり、従って、推定労働時間364の一部となっている。時間366及び368は、その長さが所定の時の長さより大きい時間であり、従って、推定労働時間の一部となっていない。なお、
図3Fにおいて、「所定の時の長さ」は45分としているが、30分等、より短くてもよいし、4時間等、より長くてもよい。一方、時間370は、その長さが所定の時の長さ以下の時間であり、従って、推定労働時間の一部となっている。
【0105】
なお、推定労働時間中の休憩時間の長さは、当該推定労働時間が該当する時期の、ユーザが入力した通常休憩長であってよい。
【0106】
3−3 補正履歴保持手段270
補正履歴保持手段270は、クライアント110から補正内容及び補正時刻を受信し、受信した補正内容及び補正時刻を、補正内容及び補正時刻の履歴が保持されるように記憶する。補正履歴保持手段270は、補正内容及び補正時刻の受信のたびに、この処理を行う。
【0107】
補正履歴保持手段270は、補正種類ごとに、補正内容及び補正時刻の履歴を保持してよい。
【0108】
図5Aは、補正種類が労働時間を特定するものである場合の補正内容及び補正時刻の保持される履歴の例を示しており、510及び520の列は、それぞれ、補正時間及び補正時刻を含んでいる。
【0109】
図5Bは、補正種類が非労働時間を特定するものである場合の補正内容及び補正時刻の保持される履歴の例を示しており、530及び540の列は、それぞれ、補正時間及び補正時刻を含んでいる。
【0110】
図5Cは、補正種類が休憩時間の長さを特定するものである場合の補正内容及び補正時刻の保持される履歴の例を示しており、550及び560の列は、それぞれ、時の補正長さ及び補正時刻を含んでいる。
【0111】
なお、補正履歴保持手段270は、異なる補正種類の補正内容及び補正時刻を1つの履歴として保持することができる。
【0112】
図5Dは、異なる補正種類の補正内容及び補正時刻を1つの履歴として保持する場合の、補正内容及び補正時刻の保持される履歴の例を示している。570及び580の列は、それぞれ補正内容及び補正時刻を含んでいる。570の列は571及び572の列に分けられ、571の列は補正時間又は時の補正長さを含み、572の列は補正種類を示す情報を含んでいる。ここで、記号H
A、H
B及びH
Cは、それぞれ、労働時間を特定する補正、非労働時間を特定する補正及び休憩時間の長さを特定する補正に対応し、実際には対応する定められた値である。
【0113】
図5A〜5Dに示された各行は、補正履歴保持手段270が受信した、1つの補正内容及び補正時刻に対応する。
【0114】
なお、例示のため、説明した履歴は特定の日に係る補正内容及び補正時刻のみを含んでいることに留意されたい。実際には、履歴は、複数の日、例えば、ユーザがシステム100の利用を開始した後の全ての日に係る補正内容及び補正時刻を含みうる。
【0115】
3−4 履歴印刷出力手段280
履歴印刷出力手段280は、クライアント110からの要求に応答して、測位情報の履歴と、補正内容及び補正時刻の履歴とを、例えば紙面に証明書として印刷するための出力を行う。なお、履歴印刷出力手段280は、クライアント110以外の別のコンピュータ、例えば、ユーザを代理する弁護士が使用するコンピュータからの要求にも応答して、履歴を印刷するための出力を行ってよい。また、履歴印刷出力手段280は、印刷されるものにその他の情報を含めてもよい。
【0116】
出力は、サーバ120にプリンタが接続されている場合には、そのプリンタに対するものであってよい。また、出力は、システム100とは別の、プリンタを含むシステムが存在する場合には、そのようなシステムが解釈可能な形式のデータを出力することであってよい。
【0117】
サービスの提供者は、印刷されたものをユーザ及び当該ユーザを代理する弁護士の一方または双方に郵送で送ることができる。
【0118】
以下、印刷されるものの例について説明する。節3−4−1の例と、節3−4−2の例と、節3−4−3及び3−4−4の例とは、それぞれ、
図4Aに示された履歴と、
図4Bに示された履歴と、
図5A〜5Dに示された履歴とに基づくものであるため、印刷されるものは、特定の日に係るもののみになっている。履歴が複数の日の情報を含んでいれば、印刷されるものも複数の日の情報を含みうる。また、履歴印刷出力手段280は、履歴の全部又は一部を印刷しうる。
【0119】
なお、印刷される測位情報の履歴は、記憶されている測位情報の履歴に依存しうる。また、測位情報の履歴と、補正内容及び補正時刻の履歴とを、1つのテーブルとして印刷してよいことは言うまでもない。
【0120】
3−4−1 測位情報の履歴の印刷例1
図6Aは、
図4Aに示された履歴の印刷例を示している。「年月日」、「ジオフェンス入場時刻」、「ジオフェンス退場時刻」、「緯度経度」、「基準半径(m)」及び「端末」はラベルであり、その表記は任意である。
【0121】
「緯度経度」の列の記号P
A及びP
Bは、それぞれ、ジオフェンスGF
A及びGF
Bに係る円の中心の緯度経度を示しており、「基準半径(m)」の列の記号R
A及びR
Bは、それぞれ、ジオフェンスGF
A及びGF
Bに係る円の半径を示している。「緯度経度」及び「基準半径(m)」の列の記載はジオフェンスを示す記載の一例である。ジオフェンスを示す記載は、定められたジオフェンスを特定できればどのような記載であってもよい。例えば、ラベル(「事業所A」等)と、そのラベルが示すジオフェンスを定める情報とが更に印刷されるのであれば、ジオフェンスを示す記載は当該ラベルであってよい。
【0122】
「端末」の列の記号C
110は、クライアント110を特定するための何らかの情報を示している。説明を簡単にするため、この例では「端末」の列にはC
110の記載しかないが、ユーザが複数のクライアントを用いるならば、それぞれのクライアントを特定するための何らかの情報が記載されうる。なお、ユーザがただ1つのクライアント110を用いることが明らかな場合等、「端末」の列は不要である場合がある。
【0123】
この印刷例においては、あるジオフェンスを示す記載と、当該あるジオフェンスの外から内に入った入時刻(「ジオフェンス入場時刻」の列)と、当該あるジオフェンスの内から外に出た出時刻(「ジオフェンス退場時刻」の列)とが関連付けられて、1つの行において印刷されている。
【0124】
3−4−2 測位情報の履歴の印刷例2
図6Bは、
図4Bに示された履歴の印刷例を示している。「年月日」、「トレースモード記録日時」、「トレースモード緯度経度」及び「端末」はラベルであり、その表記は任意である。なお、この印刷例において、例示のために、同様の記録が続く部分は、図において省略されている(「(15分間隔で記録がある)」の部分)。実際には、同様の記録が続く場合であっても、省略せずに記載することが好ましい。
【0125】
なお、
図6Bの「端末」の列については、
図6Aの「端末」の列と同様である。
【0126】
3−4−3 補正内容及び補正時刻の印刷例1
図7Aは、
図5A〜5Dに示された履歴の印刷例を示している。「年月日」、「勤務・非勤務事後補正」、「補正タイプ」、「開始時刻」、「終了時刻」、「入力日時」、「休憩時間の長さ」、「補正後休憩時間」及び「補正日時」はラベルであり、その表記は任意である。
【0127】
「補正タイプ」の列の「勤務」及び「非勤務」は補正種類を示す記載の一例である。補正種類を示す記載は、補正内容の意味を特定できるのであればどのような記載であってもよい。
【0128】
この印刷例においては、労働時間の特定及び非労働時間の特定である1つの補正内容として、当該補正内容の補正種類を示す記載と、当該補正内容に含まれる補正時間(「開始時刻」及び「終了時刻」の列)とが、当該補正内容に係る補正時刻(「入力日時」の列)とともに印刷されている。
【0129】
また、この印刷例においては、休憩時間の長さの特定である1つの補正内容として、当該補正内容に含まれる時の補正長さ(「補正後休憩時間」の列)が、当該補正内容に係る補正時刻(「補正日時」の列)とともに印刷されている。
【0130】
3−4−4 補正内容及び補正時刻の印刷例2
図7Bは、
図5A〜5Dに示された履歴の別の印刷例を示している。「勤務事後補正」及び「非勤務事後補正」はラベルであり、その表記は任意である。
図7Aと同様の部分については、説明を省略する。
【0131】
この印刷例においては、ある補正内容に含まれる補正時間(「開始時刻」及び「終了時刻」の列)又は時の補正長さ(「補正後休憩時間」の列)と、補正時刻(「入力日時」及び「補正日時」の列)とが、補正種類ごと(「勤務事後補正」、「非勤務事後補正」及び「休憩時間の長さ」の列ごと)に印刷されている。
【0132】
3−4−5 その他の情報
印刷されるその他の情報としては、限定することなく列挙すれば、例えば以下のようなものが考えられる。
a ユーザのID。
b ユーザの氏名。
c ユーザの電話番号。
d クライアント110を特定する情報。
e 時期ごとの、定時の勤務の始業時刻及び終業時刻。
f 時期ごとの通常休憩長。
g 日ごとの推定労働時間。
h 法定休日。
i ユーザの勤務先の所定休日。
j ユーザが有給休暇として入力した日及びその入力時刻。
【0133】
なお、eからjの情報自体は、労働時間の直接の証拠にはならないが、補正内容の意味を明確にする効果がある。
【0134】
3−5 その他の手段
サーバ120に含まれるその他の手段として、限定することなく列挙すれば、例えば以下のようなものが考えられる。
a ユーザのID、氏名及び電話番号、クライアント110を特定する情報、時期ごとの定時の勤務の始業時刻及び終業時刻、時期ごとの通常休憩長、ユーザの勤務先の所定休日、ユーザが有給休暇として入力した日及びその入力時刻、基本給、基礎賃金から控除される手当、固定残業代、既払い残業代等を受信し、記憶する手段。
b ユーザの実労働時間数及び深夜労働時間数を日ごとに推定する手段。
c 印刷されるものに加え、日ごとに推定したユーザの実労働時間及び深夜労働時間数、ユーザの基本給、基礎賃金から控除される手当、固定残業代、既払い残業代等を含む電子データ、例えばエクセルファイルを生成する手段。サービスの提供者は、このような電子データを、しかるべき者、例えば弁護士に提供することができる。
【0135】
4 本発明の実施の態様の別の一例
図8は、本発明の実施の態様に従う、労働時間についての証拠保全のための、クライアント110が行う方法810と、サーバ120が行う方法820とを示している。
【0136】
この図において、右矢印は、情報又は要求がクライアント110からサーバ120に送信されることを表している。また、830、840及び850は、ひとまとまりの処理である、測位情報履歴保持処理、補正履歴保持処理及び履歴印刷処理をそれぞれ示している。これらひとまとまりの処理は、それぞれ複数回実行されうる。
【0137】
以下、ひとまとまりの処理ごとに、クライアント110及びサーバ120が実行する方法810及び820について説明する。なお、以下の説明では、ジオフェンスは既に設定されているものとする。
【0138】
4−1 測位情報履歴保持処理830
測位情報履歴保持処理830は、ステップ831にて、クライアント110が測位情報を取得することにより開始する。
【0139】
次に、クライアント110は、ステップ832にて、取得した測位情報をサーバ120に送信する。
【0140】
すると、サーバ120は、ステップ833にて、クライアント110からの測位情報を受信する。
【0141】
そして、サーバ120は、ステップ834にて、受信した測位情報を、測位情報の履歴が保持されるように記憶する。
【0142】
ステップ831は、取得する測位情報によって処理が異なりうるため、以下、取得する測位情報が測位情報1の場合と測位情報2の場合とについて、ステップ831の処理の例についてより具体的に説明する。
【0143】
4−1−1 測位情報1の場合
図9Aは、取得する測位情報が測位情報1であり、あるジオフェンスの外から内にクライアント110が入ったと判定した場合の処理を示している。即ち、クライアント110は、ステップ911にて、あるジオフェンスの外から内に入ったと判定する。そして、クライアント110は、ステップ912にて、入時刻を取得する。
【0144】
また、
図9Bは、取得する測位情報が測位情報1であり、あるジオフェンスの内から外にクライアント110が出たと判定した場合の処理を示している。即ち、クライアント110は、ステップ921にて、あるジオフェンスの内から外に出たと判定する。そして、クライアント110は、ステップ922にて、出時刻を取得する。
【0145】
4−1−2 測位情報2の場合
図9Cは、取得する測位情報が測位情報2である場合の処理を示している。即ち、クライアント110は、ステップ931にて、測位するときであると判定する。なお、この判定は、上述したようにタイマを用いて実施できる。そして、クライアント110は、ステップ932にて、測位を行い、位置及び測位時刻を取得する。
【0146】
4−2 補正履歴保持処理840
補正履歴保持処理840は、ステップ841にて、クライアント110がユーザから補正内容の入力を受けることにより開始する。
【0147】
次に、クライアント110は、ステップ842にて、入力を受けたときの時刻を補正時刻として取得する。
【0148】
そして、クライアント110は、ステップ843にて、入力を受けた補正内容及び取得した補正時刻をサーバ120に送信する。
【0149】
すると、サーバ120は、ステップ844にて、クライアント110からの補正内容及び補正時刻を受信する。
【0150】
そして、サーバ120は、ステップ845にて、受信した補正内容及び補正時刻を、補正内容及び補正時刻の履歴が保持されるように記憶する。
【0151】
4−3 履歴印刷処理850
履歴印刷処理850は、ステップ851にて、ユーザが指示することにより、クライアント110がサーバ120に、測位時間の履歴と、補正内容及び補正時刻の履歴とを印刷するように要求することにより開始する。
【0152】
すると、サーバ120は、ステップ852にて、クライアント110からの要求を受ける。
【0153】
そして、サーバ120は、ステップ853にて、測位時間の履歴と、補正内容及び補正時刻の履歴とを印刷するための出力を行う。
【0154】
5 本発明の実施の態様の更に別の一例
本発明の実施の態様は、コンピュータをクライアント110として機能させるプログラムと、コンピュータをサーバ120として機能させるプログラムとを含む。
【0155】
6 コンピュータ
以下、クライアント110及びサーバ120として用いることができるコンピュータの、ハードウェア構成の一例について説明する。
【0156】
図10は、コンピュータのハードウェア構成の一例を表している。同図に示すように、コンピュータ1000は、主に、プロセッサ1010と、主記憶装置1020と、補助記憶装置1030と、ユーザインターフェース1040と、通信インターフェース1050とを備えており、これらはアドレスバス、データバス、コントロールバス等を含むバスライン1060を介して相互に接続されている。なお、バスライン1060と各ハードウェア資源との間には適宜インターフェース回路(図示せず)が介在している場合もある。
【0157】
プロセッサ1010は、コンピュータ全体の制御を行う。
【0158】
主記憶装置1020は、プロセッサ1010に対して作業領域を提供し、例えばSRAM、DRAM等の揮発性メモリである。
【0159】
補助記憶装置1030は、ソフトウェアであるプログラム等や各種データ等を格納する、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。当該プログラムは、任意の時点で補助記憶装置1030からバスライン1060を介して主記憶装置1020へとロードされる。
【0160】
ユーザインターフェース1040は、ユーザに情報を提示すること及びユーザから情報の入力を受けることの一方又は双方を行うものであり、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチパネルディスプレイ、マイク、スピーカ等である。
【0161】
通信インターフェース1050は、ネットワーク130と接続されるものであり、ネットワーク130を介してデータを送受する。通信インターフェース1050とネットワーク130とは、有線又は無線で接続されうる。通信インターフェース1050は、ネットワークに係る情報、例えば、Wifiのアクセスポイントに係る情報、通信キャリアの基地局に関する情報等も取得することがある。
【0162】
なお、図示していないが、コンピュータは、その他のハードウェア資源を含むことがあり、その他のハードウェア資源は、例えば、GPS信号受信ユニットである。その他のハードウェア資源も、任意の経路で、例えばバスライン1060を介して、少なくともプロセッサ1010と接続されている。
【0163】
7 むすび
以上、本発明の実施の態様の例を説明したが、他の類似する実施態様の採用や、適宜態様の変更又は追加を行うことができることに留意されたい。
請求項2に記載のサーバであって、あるジオフェンスを示す記載と、当該あるジオフェンスの外から内に入った入時刻と、当該あるジオフェンスの内から外に出た出時刻とが関連付けられて印刷されるよう出力を行うように構成されたサーバ。