【解決手段】タッチコントローラにおいて、第1センシングラインを含む多数のセンシングラインに連結され、前記第1センシングライン上に第1信号を駆動し、前記多数のセンシングラインのうち、少なくとも1つに第2信号を供給するタッチデータ発生器と、前記タッチデータ発生器に連結され、前記タッチコントローラの全般的な動作を制御する信号プロセッサーとを備え、前記第1信号の電圧と前記第2信号の電圧は、実質的に同一であることを特徴とする。
前記タッチデータ発生器は、前記多数のセンシングラインのうち、少なくとも1つに連結される第2増幅器をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のタッチコントローラ。
前記第1増幅器は、第1スィッチを通じて前記第1センシングラインに連結され、第2スィッチを通じて前記多数のセンシングラインのうち、少なくとも1つに連結されることを特徴とする請求項2に記載のタッチコントローラ。
前記第1増幅器は、前記第1信号を前記第1センシングライン上に駆動し、前記第2増幅器は、前記第2信号を前記多数のセンシングラインのうち、少なくとも1つに提供することを特徴とする請求項5に記載のタッチコントローラ。
前記第1増幅器は、第1スィッチを通じて前記第1センシングラインに連結され、前記第2増幅器は、第2スィッチを通じて前記多数のセンシングラインのうち、少なくとも1つに連結されることを特徴とする請求項5に記載のタッチコントローラ。
前記第1増幅器は、前記増幅器入力信号が前記多数のセンシングラインのうち、少なくとも1つに供給される間に、前記第1増幅入力端子を通じて前記第1信号を前記第1センシングライン上に駆動することを特徴とする請求項6に記載のタッチコントローラ。
前記タッチデータ発生器は、前記第1信号を駆動し、前記第2信号を第1スィッチ及び第2スィッチそれぞれを通じて提供することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳細に説明する。各図面に提示された同じ参照符号は同じ部材を表す。
【0019】
図2Aは、本発明に適用されるタッチスクリーンパネルのセンシングユニットに発生する寄生キャパシタンス成分を示すブロック図であり、
図2Bは、タッチ動作によるセンシングユニットのキャパシタンス変化を示すグラフである。また
図2Cは、ノイズが存在する場合のキャパシタンスの変化を示したグラフである。
【0020】
図2Aに示したように、タッチスクリーンパネル21は複数のセンシングユニットSUを備え、前記センシングユニットは、画像をディスプレイするためのディスプレイパネル22に隣接して配されるか、ディスプレイパネル上に取り付けられうる。一例として、
図2Aに示したディスプレイパネル22は、所定の電極電圧VCOMが提供されるディスプレイパネルの上板を示す。前記パネルの上板は、一例として、液晶ディスプレイパネルであって、VCOM電圧が共通電極電圧として提供され、有機発光ディスプレイパネルでは、DC電圧を持つカソード電圧が提供される。
【0021】
タッチスクリーンパネル21は、ロウ方向(x方向)に配される複数のセンシングラインに連結されるセンシングユニットSUと、カラム方向(y方向)に配される複数のセンシングラインに連結されるセンシングユニットSUとを備える。それぞれのセンシングユニットは、指またはタッチペンなどが近づくか、または接触する場合、キャパシタンス値が可変される。前記センシングユニットのキャパシタンス変化を、複数のセンシングラインを通じてセンシングしてセンシング信号を発生させ、前記センシング信号を処理することによって、タッチスクリーンパネル21上のタッチ如何及びタッチ位置が判断できる。
【0022】
前記センシングユニットSUは、その配置構造上寄生キャパシタンス成分が存在する。一例として、前記寄生キャパシタンス成分は、互いに隣接するセンシングユニット間に発生する水平寄生キャパシタンス成分Chと、センシングユニットとディスプレイパネル22との間で発生する垂直寄生キャパシタンス成分Cvとを含む。指またはタッチペンなどがセンシングユニットに近付くか、または接触することによって発生するキャパシタンス成分に比べて、前記寄生キャパシタンス値が大きい場合には、タッチ動作によってセンシングユニットのキャパシタンス値が変化しても、これをセンシングする感度が低くなる。
【0023】
図2Bに示したように、それぞれのセンシングユニットSUは、寄生キャパシタンス成分を含んで基本キャパシタンス成分Cbを持ち、指またはタッチペンなどの物体の接近または接触によって、そのキャパシタンス値が変化する。一例として、センシングユニット上に導電物質が近付くか、または接触する場合には、センシングユニットのキャパシタンス値が増加する。
図2BのA区間は、導電物質が接触していない状態であって、センシングユニットのキャパシタンス値はCb値を持つことができる。
図2BのB区間は、導電物質がセンシングユニットに接触した場合を表し、C区間は、導電物質がセンシングユニットに近付いた場合を表す。図示されたように、導電物質がセンシングユニットに接触した場合、キャパシタンス値の上昇量Csigが大きくなり、導電物質がセンシングユニットに近付いた場合、キャパシタンス値の上昇量Csig‘は相対的に小さくなりうる。
【0024】
一方、
図2Cに示したように、多様なノイズが存在する場合には、キャパシタンス値にノイズ成分が大きい影響を及ぼし、したがって、プロセッサーまたはコントローラ(図示せず)は、増加または減少したキャパシタンス値だけではタッチ物体のタッチ如何及びタッチ位置を正確に判断できなくなり、その結果、タッチスクリーン装置のセンシング感度が非常に低下する。
【0025】
図3Aないし
図3Cは、本発明の一実施形態によるタッチコントローラ(またはタッチスクリーンコントローラ)を示すブロック図である。前記タッチコントローラ110の動作を表すために、ディスプレイパネルに画像を駆動するためのディスプレイ駆動回路120と、前記タッチコントローラ110の全体的な動作を制御するホストコントローラ130とが共に図示される。
【0026】
図3Aに示したように、タッチコントローラ110は、信号プロセッサー111及びタッチデータ発生部112を備えることができる。またディスプレイ駆動回路120は、ディスプレイパネル上に画像を具現するためのタイミングコントローラ121、ゲートドライバ122及びソースドライバ123を備えることができる。
【0027】
信号プロセッサー111は、タッチスクリーン動作と関連してタッチコントローラ110の内部の回路の全体的な制御動作を行う。またタッチデータ発生部112は、センシングラインを通じて複数のセンシングユニットSUと電気的に連結され、タッチ動作によるセンシングユニットSUのキャパシタンス変化をセンシングすることによって、センシング信号を発生させる。また、前記発生したセンシング信号を処理することによってタッチデータdataを発生して出力する。図示された信号プロセッサー111またはホストコントローラ130は、前記タッチデータdataに基づいて所定の論理演算を行うことによって、タッチスクリーン上にタッチ動作が行われたかどうかと、タッチ動作が行われた位置とを判別する。
【0028】
一方、タッチコントローラ110は、ディスプレイパネル(図示せず)を駆動するために使われる少なくとも一つのタイミング情報Timing infoを受信し、これをタッチデータdataを発生させるための動作に使用できる。タイミング情報Timing infoは、ディスプレイ駆動回路120内のタイミングコントローラ121から発生し、また前記タイミング情報Timing infoは、ホストコントローラ130で直接発生することもある。
図3Aでは、前記タイミング情報Timing infoがタイミングコントローラ121により発生し、タッチコントローラ110が、タイミングコントローラ121から前記タイミング情報Timing infoを受信する一例を示す。信号プロセッサー111は、少なくとも一つのタイミング情報Timing infoを受信し、これに基づく制御信号ctrlをタッチデータ発生部112に提供する。
【0029】
前記制御信号ctrlは、前記タイミング情報Timing infoの波形に基づいて発生する。前記制御信号ctrlは、タイミングコントローラ121で直接発生して信号プロセッサー111に提供され、または、信号プロセッサー111がタイミングコントローラ121から提供されたタイミング情報Timing infoを利用して発生しうる。また、前述したように、ホストコントローラ130は、タイミング情報Timing infoを直接発生させることもあるが、これと類似して、前記制御信号ctrlまたホストコントローラ130から直接発生して、タッチコントローラ110に提供されることもある。ホストコントローラ130が制御信号ctrlを発生させる場合、前記制御信号ctrlは、信号プロセッサー111に提供されてもよく、またタッチデータ発生部112に直接提供されてもよい。以下の説明では、
図3Aないし
図3Cに示したように、信号プロセッサー111が制御信号ctrlを発生させると仮定して説明する。
【0030】
タイミングコントローラ121は、ディスプレイ動作のタイミングを調節するための少なくとも一つの信号を発生させ、一例として、タイミングコントローラ121は、外部ホストコントローラ130から垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncを直接入力されるか、または外部ホストコントローラ130から提供されるデータイネーブル信号(図示せず)などに基づいて、前記垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncを発生させることができる。また少なくとも一つのタイミング信号を発生させて、共通電極電圧(一例として、VCOM電圧)及びゲートライン信号の発生などを制御できる。
【0031】
信号プロセッサー111は、タイミングコントローラ121から少なくとも一つのタイミング情報Timing infoに基づく制御信号ctrlを発生させ、前記制御信号ctrlをタッチデータ発生部112に提供して、タッチデータdataの発生タイミングを制御する。すなわち、ディスプレイパネル上に提供される電圧(一例として、上板に提供される共通電極電圧)が変動する場合、センシング信号にノイズが発生しうるので、前記タッチデータdataの発生タイミングがディスプレイパネル上に提供される電圧が安定した区間で行われるように制御する。
【0032】
一方、前述したようなタッチスクリーン動作のためのタッチコントローラ110と、ディスプレイパネルに画像を駆動するためのディスプレイ駆動回路120とは、同じチップで具現できる。すなわち、本発明の一実施形態では、タッチコントローラ110がディスプレイ駆動回路120から少なくとも一つのタイミング情報を受信して、これに連動される動作を行うので、同一チップ内に備えられる配線を通じて前記タイミング情報を受信することが望ましい。
【0033】
図3B及び
図3Cは、
図3Aのタッチデータdataを発生させる多様な例を示すブロック図である。
図3Bは、タッチコントローラ110がホストコントローラ130から直接タイミングと関連した情報control/timingを受信する一例を示す。この場合、タイミングコントローラ121は、ホストコントローラ130からの情報control/timingに基づいて前記タイミング情報Timing infoを発生させ、これをタッチコントローラ110に提供する動作が省略されてもよい。信号プロセッサー111は、ホストコントローラ130からタイミングと関連した情報control/timingを受信し、これに基づいて制御信号ctrlを発生させ、これをタッチデータ発生部112に提供する。
【0034】
図3Cは、タイミングコントローラ121から発生する情報とホストコントローラ130から発生する情報とをマルチプレクシングし、これによる情報を、タイミング情報Timing infoとしてタッチコントローラ110に提供する一例を示す。このために、
図3Cに示したタッチコントローラ110とディスプレイ駆動回路120との間には、信号を選択的に出力する選択部140が配されうる。一例として、前記選択部140は、マルチプレクサ(MUX)で具現できる。選択部140は、タッチコントローラ110とディスプレイ駆動回路120との間に配されてもよく、または、タッチコントローラ110内の信号プロセッサー111の前端に配されてもよい。前記選択部140は、所定の制御信号(図示せず)に応答して、タイミングコントローラ121から発生する情報、またはホストコントローラ130から発生する情報を選択的に出力する。この場合、もし、ディスプレイ駆動回路120が正常モードで動作するならば、タイミングコントローラ121から発生する情報がタッチコントローラ110に提供される。一方、前記ディスプレイ駆動回路120がパワーダウンモード(一例として、スリープモード)である場合には、ホストコントローラ130から発生する情報がタッチコントローラ110に提供されうる。
【0035】
図4A及び
図4Bは、
図3Aないし
図3Cの制御信号ctrlを発生させる一例を示すための波形図である。まず、
図4Aに示したように、垂直同期信号Vsyncの所定区間以後、水平同期信号Hsyncが順次に活性化される。また前記水平同期信号Hsyncの活性化に同期して、共通電極電圧(一例として、VCOM電圧)のレベルが遷移する。制御信号ctrlは、前記のようなディスプレイパネルを駆動するためのタイミング情報(一例として、垂直または水平同期信号、共通電極電圧を発生させるためのタイミング情報、DotCLK情報)のうち、一つ以上を利用して発生しうる。前記制御信号ctrlの活性化タイミングによって、タッチデータdataの発生タイミングが制御されるので、ディスプレイパネルに提供される電圧の変動による前記タッチデータdataのノイズ発生を低減させる。
【0036】
図4Bは、制御信号の発生タイミングの他の例を示す波形図である。図示されたように、垂直同期信号Vsyncの前後に水平同期信号が活性化されていないポーチ(porch)区間が存在するが、前記ポーチ区間中にディスプレイパネルに提供される共通電極の電圧を変動させない。この場合、前記制御信号ctrlの活性化タイミングを前記垂直同期信号Vsyncのポーチ区間に含めれば、ディスプレイパネルに提供される電圧の変動により発生するノイズを低減させることができる。
【0037】
図5Aないし
図8Dは、本発明の一実施形態によるタッチデータ発生部の多様な具現例を示す図面である。
図5Aないし
図8Dは、センシングユニットに存在する垂直、水平寄生キャパシタンス成分による影響を、増幅回路を利用して低減させる一例を示す。
【0038】
図5Aは、
図3Aのタッチデータ発生部の具現の一例を示す回路図であり、
図5Bは、
図5Aのタッチデータ発生部に備えられる増幅器の周波数特性を示すグラフである。
図5Aに示したように、タッチデータ発生部210Aは、センシングユニットに連結されて、センシングユニットのキャパシタンス変化に対応するセンシング信号Voutを発生させる増幅回路211Aを備える。またタッチデータ発生部210Aは、前記センシング信号Voutを受信し、また制御信号ctrlに応答して、前記受信されたセンシング信号Voutを出力する信号出力部212Aと、前記信号出力部212Aからのアナログ信号を受信し、これをデジタル信号に変換するアナログ・デジタルコンバータ213Aとをさらに備えることができる。望ましくは、前記信号出力部212Aは、受信されたセンシング信号Voutを維持し、前記制御信号ctrlに応答して維持された電圧信号Voutを出力するサンプル/ホールド回路が適用される。
【0039】
増幅回路211Aは、少なくとも一つの増幅器AMPを備える。前記少なくとも一つの増幅器AMPは、タッチスクリーンパネルに備えられる複数のロウ及び複数のカラム方向のセンシングラインそれぞれに連結される複数の増幅器で形成されることができる。または前記増幅器AMPは、複数のセンシングラインとスイッチング可能に連結されることによって、一つの増幅器が複数のセンシングラインに共有されるように構成されてもよい。
図5Aでは、説明の便宜のために、一つの増幅器が一つのセンシングラインに連結されるところが例示される。
【0040】
増幅器AMPの第1入力端(一例として、反転入力端(−))は、センシングラインを通じてセンシングユニットSUに連結されてセンシングユニットSUのキャパシタンス変化をセンシングする。図示されたように、センシングユニットSUのキャパシタンス値は、寄生キャパシタンス成分(一例として、水平寄生キャパシタンス成分Ch)と、タッチ動作によるキャパシタンス変化量Csigとを含むことができる。
【0041】
一方、増幅器AMPの第2入力端には、所定の周波数を持つ入力信号Vinが提供される。前記入力信号Vinは、一定の周期を持つ信号(一例として、矩形波またはサイン波)であり、入力信号Vinのレベル及び周波数は適切に調節できる。望ましくは、入力信号Vinの周波数は、ハイパスフィルタリング特性を表す前記増幅器AMPの通過帯域内の周波数値を持つようにする。一方、図示されていないが、センシング動作が行われるセンシングライン以外の残りのセンシングラインに連結される増幅器の第2入力端には、接地電圧などのDC電圧信号が提供される。これにより、センシングラインの間で発生する水平寄生キャパシタンス成分Chの1つのノード(センシングラインに連結されるノードの反対ノード)が接地電圧を持つと図示される。
【0042】
一方、増幅器AMPの第1入力端と出力端との間にはキャパシタCfが連結され、また、前記キャパシタCfと並列するように所定の抵抗Rfがさらに連結されうる。前記のような回路構成によって増幅器AMPは、所定の電圧利得を持つハイパスフィルタとして動作する。
【0043】
前記のように構成される増幅器AMPは、センシングユニットSUのキャパシタンス変化に応答して、相異なる電圧レベルを持つセンシング信号Voutを発生させる。
図5Bは、前記増幅器AMPの通過帯域特性及び電圧利得を示す。図示されたように、入力信号Vinの周波数は、
【0045】
より大きい値を持つことが望ましい。また入力信号Vinの周波数が通過帯域内の値を持つ場合、増幅器AMPの利得は、
【0048】
前記増幅器AMPの利得数式でのように、タッチ動作によってセンシングユニットSUのキャパシタンス値の変化Csigが発生する場合、これに対応して増幅器AMPで発生するセンシング信号Voutのレベルが変化する。増幅器AMPは、センシングユニットSUのキャパシタンス値に対応するセンシング信号Voutをアナログ的に発生させる。タッチ動作によるセンシング信号Voutの電圧変化を感知することによって、タッチスクリーンパネル上のタッチ動作如何及び位置が判断される。
【0049】
望ましくは、前記センシング信号Voutを利用してタッチデータdataを発生させるに当って、少なくとも一つのタイミング情報を利用して発生した制御信号ctrlが利用される。信号出力回路212Aは、増幅回路211Aからセンシング信号Voutを受信してこれを維持し、制御信号ctrlの活性化に応答して維持されたセンシング信号Voutをアナログ・デジタルコンバータ(ADC)213Aに提供する。アナログ・デジタルコンバータ213Aは、受信されたアナログセンシング信号をデジタル信号に変換することによってタッチデータdataを発生させ、これを外部に提供する。
【0050】
前記のようなセンシング動作及びタッチデータ発生動作によって、タッチスクリーン上のタッチ動作如何及び位置などが判別でき、また制御信号ctrlに応答してタッチデータdataの発生タイミングを制御することによって、ディスプレイパネル上を電圧レベル変動によるノイズの発生を減少させることができる。
【0051】
しかし、もし、センシングユニットSU間の水平寄生キャパシタンス成分Chが大きくなれば、増幅器AMPの利得値が大きくなる。この場合、増幅器AMPの出力電圧の一定な領域で動作させるためには、増幅器AMPの第1入力端と出力端との間に連結されるキャパシタCfのキャパシタンスが大きい値を持つようにせねばならない。しかし、キャパシタCfが大きい値のキャパシタンスを持つ場合、タッチ動作による出力電圧の変化、すなわち、Csig/Cf値が小さくなるので、センシング感度が低くなりうる。タッチスクリーンパネルのセンシングラインは、透明な伝導性のITO(Indium−Tin Oxide)物質からなりうるが、センシングユニット間の間隔が大きくなれば、センサーラインが容易に目立つため、センシングユニット間の間隔を小さくすることが望ましい。しかし、センシングユニット間の間隔を小さくすれば、センシングユニットそれぞれに発生する水平寄生キャパシタンス成分Chが大きくなるので、前述したようなセンシング感度の低下が発生しうる。以下では、寄生キャパシタンス成分を低減させてセンシング感度を向上させることができるタッチデータ発生部の多様な具現例を説明する。
【0052】
図6Aに示したタッチデータ発生部210Bは、センシングユニットSUのキャパシタンス変化に対応するセンシング信号Voutを発生させる増幅回路211Bを備える。また望ましくは、前記タッチデータ発生部210Bは、前記受信されたセンシング信号を制御信号ctrlに応答して出力する信号出力部212B及び、信号出力部212Bのアナログ出力をデジタル信号に変換してタッチデータdataを発生させるアナログ・デジタルコンバータ213Bをさらに備えることができる。
【0053】
図6Aに示した増幅回路211Bは、センシングユニットSUに発生される水平キャパシタンス成分(センシングライン間の寄生キャパシタンス成分)による影響を低減させて、センシング感度を向上させる。このために、センシング動作が行われるセンシングラインと隣接するセンシングラインに対応する増幅器AMPに接地電圧またはDC電圧が提供されるものではなく、前記隣接する増幅器の第2入力端(一例として、+端子)に入力信号Vinを提供させる。
【0054】
すなわち、水平寄生キャパシタの第1電極が、センシング動作が行われる第1センシングラインに該当し、前記水平寄生キャパシタの第2電極が、前記第1センシングラインに隣接する第2センシングラインに該当するとすれば、第1センシングラインと第2センシングラインとに互いに同じ電圧を提供させ、これにより、
【0056】
増幅器AMPの利得数式から、前記水平寄生キャパシタンス成分Chを除去させる。
【0057】
図6Aでは、水平寄生キャパシタの第2電極が対応する増幅器AMPの第2入力端に直接連結されると図示されているが、本発明が必ずしもこれに限定されるものではない。前記の
図5Aでの動作とは異なって、
図6Aの実施形態では、複数の増幅器の第2入力端(+入力端)に入力信号Vinが共通して伝えられる。増幅器AMPの第2入力端(+入力端)に入力信号Vinが提供される場合、増幅器AMPの第1入力端(−入力端)も第2入力端(+入力端)の電圧に従うようになる。すなわち、隣接するセンシングラインに連結される増幅器の第2入力端にも入力信号Vinが提供されるので、前記隣接するセンシングラインの電圧も入力信号Vinに従うようになる。これにより、センシング動作が行われる第1センシングラインと、これに隣接する第2センシングラインとの電圧が互いに同一になることで、増幅器AMPの利得が水平寄生キャパシタンス成分Ch値と関係のない値を持つようにする。すなわち、前記センシングユニットの水平寄生キャパシタンス成分により発生する影響を低減させるために、同じ電圧Vinが互いに隣接するセンシングラインに提供される。
【0058】
図6Bは、
図6Aの増幅器AMPの周波数特性を示すグラフであって、前述したように、入力信号Vinの周波数は、前記増幅器AMPの通過帯域内の周波数値を持たせる。すなわち、入力信号Vinは、
図6Bに示した
【0060】
値よりさらに大きい周波数を持たせることが望ましい。また
図6Aの増幅器AMPの利得は
【0062】
の値を持つ。すなわち、増幅器AMPの利得は、該当センシングラインに連結される水平寄生キャパシタンス成分Ch値とは関係なくなる。
【0063】
これにより、タッチスクリーンパネルのセンシングラインの水平寄生キャパシタンス成分Chが増加しても、増幅器AMPの利得は変わらない。これにより、増幅器AMPの利得に一定の範囲内の値を持たせるために、前記キャパシタCfのキャパシタンス値を大きくする必要がない。したがって、センシング感度を表すCsig/Cf値を適切に大きくすることができるので、タッチ動作によるキャパシタンス変化Csigのセンシング感度を向上させることができる。
【0064】
図7A及び
図7Bは、
図6Aのタッチデータ発生部を詳細に示す回路図である。
図7A及び
図7Bのタッチデータ発生部は、説明の便宜のため、信号出力回路とアナログ・デジタルコンバータとは図示を省略した。
【0065】
図7Aに示したように、タッチデータ発生部210Bは、複数のセンシングライン(一例として、第1センシングラインSL1ないし第3センシングラインSL3)それぞれに連結される複数の増幅器(第1増幅器AMP1ないし第3増幅器AMP3)を備えることができ、それぞれの増幅器は、対応するセンシングユニットのキャパシタンス変化をセンシングし、これに対応するセンシング信号Vout1ないしVout3を発生させる。第1ないし第3増幅器AMP1ないしAMP3それぞれの第1入力端(−入力端)と出力端との間には、キャパシタCf1ないしCf3と抵抗Rf1ないしRf3とが並列して連結されうる。
【0066】
また第1ないし第3増幅器AMP1ないしAMP3の第2入力端(+入力端)には、所定の周波数を持つ入力信号Vinが共通して提供される。第1ないし第3増幅器AMP1ないしAMP3は、第1センシングラインSL1ないし第3センシングラインSL3それぞれに対応して連結されることによって、該当センシングラインのキャパシタンス値の変化をセンシングし、これに対応するセンシング信号Vout1ないしVout3を出力する。図示された水平寄生キャパシタンス成分Ch1ないしCh3は、それぞれのセンシングライン間に発生するキャパシタンス成分を表す。
【0067】
第2センシングラインSL2に対してセンシング動作が行われる場合を考慮して、タッチデータ発生部210Bの動作を説明すれば、次の通りである。第2増幅器AMP2の第1入力端(−入力端)は、第2センシングラインSL2に連結されることによって、センシングユニットのキャパシタンス値に対応する出力信号Vout2を発生させる。また第1増幅器AMP1及び第3増幅器AMP3の第2入力端(+入力端)には、第2増幅器AMP2に提供される信号と同じ入力信号Vinが提供される。第1増幅器AMP1及び第3増幅器AMP3それぞれの第1入力端(−入力端)は、第2入力端(+入力端)の電圧レベルに従うので、第1増幅器AMP1及び第3増幅器AMP3の第1入力端(−入力端)に連結される第1センシングラインSL1及び第3センシングラインSL3の電圧は、第2センシングラインSL2の電圧に従う。これにより、互いに隣接するセンシングラインの電圧レベルが同一または類似しているので、前記の
図6Bに示したように、センシング信号の水平キャパシタンス成分による影響を低減させる。
【0068】
図7Bは、
図7Aのタッチデータ発生部210Bと類似した動作を行うように設計された回路を示し、一つの増幅器AMPが複数のセンシングラインSL1ないしSL3により共有される場合を示す。複数のセンシングラインSL1ないしSL3が前記増幅器AMPの第1入力端(−入力端)に選択的に連結されるように、
図7Bのタッチデータ発生部210Bは、それぞれのセンシングラインSL1ないしSL3と増幅器AMPの第1入力端(−入力端)との連結をスイッチングするためのスイッチSW(1)ないしSW(3)をさらに備えることができる。
【0069】
第2センシングラインSL2に対してセンシング動作が行われる場合、第2スイッチSW(2)は、スイッチング動作によって第2センシングラインSL2を前記増幅器AMPの第1入力端(−入力端)に連結させる。また前記第2センシングラインSL2に隣接する第1センシングラインSL1の第1スイッチSW(1)は、スイッチング動作によって第1センシングラインSL1を、入力信号Vinを伝達するラインに連結させる。また前記第2センシングラインSL2に隣接する第3センシングラインSL3の第3スイッチSW(3)も、スイッチング動作によって第3センシングラインSL3を、入力信号Vinを伝達するラインに連結させる。
【0070】
前記のような動作によって、増幅器AMPは、第2センシングラインSL2を通じてセンシングユニットのキャパシタンス値を感知し、これによるセンシング信号Voutを出力する。一方、第2センシングラインSL2に隣接する第1センシングラインSL1と第3センシングラインSL3とに前記入力信号Vinが提供されるので、第2センシングラインSL2の電圧と、これに隣接する第1センシングラインSL1及び第3センシングラインSL3の電圧とが同一になる。これによって、水平寄生キャパシタンス成分Ch2による影響が減少し、タッチ動作のセンシング感度を向上させることができる。
【0071】
図8Aないし
図8Dは、
図3のタッチデータ発生部のさらに他の実施形態を示す回路図である。
図8Aないし
図8Dによれば、センシングユニットSUに存在する寄生キャパシタンス成分を相殺するための追加的なキャパシタ(除去キャパシタ)が、タッチデータ発生部にさらに備えられる特徴を持つ。前記のような構成によって、センシングユニットSUに存在する水平及び垂直寄生キャパシタンス成分を除去して、センシング感度を向上させることができる。
【0072】
図8Aに示したように、タッチデータ発生部210Cは、第1入力端(−入力端)がセンシングラインに連結され、また第2入力端(+入力端)が入力信号Vinに連結される増幅器AMPを備える。また増幅器AMPの第1入力端と出力端との間には、並列して配される第1キャパシタCf及び抵抗Rfが連結されうる。
【0073】
一方、タッチデータ発生部210Cは、前記センシングラインに連結され、所定のキャパシタンスを持つ第2キャパシタCqをさらに備えることができる。第2キャパシタCqの第1電極は前記センシングラインに連結され、また第2キャパシタCqの第2電極には、所定の電圧信号(除去制御電圧、Vq)が提供される。望ましくは、前記第2キャパシタCqのキャパシタンス及び電圧信号Vqを調節することによって、前記第2キャパシタCqに誘起される電荷極性が、センシングユニットSUに存在する寄生キャパシタンス成分Ct(水平及び垂直寄生キャパシタンス成分)に誘起される電荷と反対極性を持つようにする。一例として、寄生キャパシタに誘起される電荷の極性が、センシングラインに正の極性(+極性)を提供する場合、前記第2キャパシタCqの第1電極に誘起される電荷の極性が負の極性(−極性)を持つようにする。また、第2キャパシタCqの第2電極に提供される電圧信号Vqが、増幅器の第2入力端に提供される入力信号Vinに同期することが望ましく、この場合、前記電圧信号VqはxVin値に定義できる。これによる増幅器AMPの利得(gain)を示す数式は、次の通りである。
【0075】
前記式から高周波帯域での利得を求めれば、次の数式2の通りである。
【0077】
前述したように、第2キャパシタCqのキャパシタンス値と電圧信号Vqのレベル(xの値)とを調節すれば、xCq値をCf+Ct+Cqの値と同一または類似にすることができる。同じ場合において、前記数式2でCf+Ct+Cqの値とxCq値とが互いに相殺するので、前記増幅器AMPの利得はCsig/Cf値にすることができる。また同一ではなくても前記値が類似した場合には、センシング感度がさらに向上する。すなわち、前記x及びCq値を調節することによって、寄生キャパシタンス成分Ctによる増幅器AMPの利得の影響を低減させることができ、またこれによって、タッチ動作によるキャパシタンス変化Csigのセンシング感度を向上させることができる。この場合、センシング動作が行われるセンシングラインと隣接したセンシングラインには、同じ電圧を提供する必要がなくなる。
【0078】
一方、
図8Bは、ディスプレイパネルに提供される電圧の変化によってセンシングラインが干渉される場合、これによる影響を低減させるためのタッチデータ発生部210Dを示す。一例として、タッチスクリーンパネルがモバイル液晶ディスプレイ装置に適用される場合、ディスプレイパネルの上板電極に提供される電圧VCOMの交互動作による干渉が発生しうる。
【0079】
センシングラインとディスプレイパネルとの間で垂直キャパシタンス成分Cvが発生し、前記垂直キャパシタンス成分Cvは、ディスプレイパネルに提供される上板電極電圧VCOMが交互して、増幅器AMPの出力に影響を及ぼす。これによる影響を低減させるために、増幅器AMPの第2入力端に提供される入力信号Vinを、前記上板電極電圧VCOMと同期させる。もし、入力信号Vinの電圧のスイング幅を、上板電極電圧VCOMのスイング幅より小さく設定すれば、入力信号Vinのレベルがハイである時、垂直寄生キャパシタの上板(一例として、センシングラインと連結される電極)には負(−)の電荷が集まる。この場合、前記第2キャパシタCqのキャパシタンス値と電圧信号Vqとを適切に調節することによって、前記垂直寄生キャパシタの負(−)の電荷と同一または類似した量の正(+)の電荷を、第2キャパシタCqの上板に集める。これにより、垂直キャパシタンス成分及び上板電極電圧VCOMの変動による増幅器AMPの出力の影響を除去または低減させることができる。
【0080】
前記入力信号Vinと電圧信号Vqとがそれぞれ上板電極電圧VCOMに同期する信号ならば、上板電極電圧VCOMはxVinと表すことができ、また電圧信号VqはyVinと表すことができる。この場合、
図8Bによる増幅器AMPの利得(gain)は、数式3に示した通りである。
【0082】
前記式から高周波帯域での利得を求めれば、次の数式4の通りである。
【0084】
前記数式4に記載されたように、第2キャパシタCqのキャパシタンス値と電圧信号Vqのレベル(yの値)とを調節することによって、上板電極電圧VCOMの変動による影響を低減させることができる。一例として、上板電極電圧VCOMは既設定されたレベルを持つので、第2キャパシタCqのキャパシタンス値と電圧信号Vqのレベル(yの値)とを調節してCf+(1−x)Cv+(1−y)Cqの値を相殺または低減させることによって、上板電極電圧VCOMの変動による出力の影響を除去または低減させることができる。これにより、垂直寄生キャパシタンス成分により引き起こる影響を低減させると共に、上板電極電圧VCOMによる影響を低減させることができる。
【0085】
図8Cは、
図3のタッチデータ発生部のさらに他の実施形態を示す回路図である。
図8Cに示したタッチデータ発生部210Eは、
図6A及び
図8Bに示したタッチデータ発生部の特徴をいずれも含むものであって、これによって、センシングユニットに発生する水平及び垂直寄生キャパシタンス成分を効果的に低減させることができる。このような点で、前記
図6Aで説明されたように、水平寄生キャパシタンス成分により発生する影響と共に、前記
図8Bで説明されたように、垂直寄生キャパシタンス成分と電圧VCOMにより発生する影響を低減させることができる。一方、具体的に図示されていないが、センシングユニットの水平寄生キャパシタンス成分を効果的に減少するために、
図7A及び
図7Bに示したような回路の具体的な連結関係が前記
図8Cの実施形態に適用される。
【0086】
図示されたように、センシングユニットSUに発生される寄生キャパシタンス成分は、水平寄生キャパシタンス成分Ch及び垂直寄生キャパシタンス成分Cvをそれぞれ含むことができる。センシングラインの間で発生される水平寄生キャパシタンス成分Chを低減させるために、センシング動作が行われるセンシングラインの電圧と、前記センシング動作が行われるセンシングラインと隣接したセンシングラインの電圧とを互いに同一にする。このために、所定のセンシングラインに対して実際センシング動作を行う増幅器AMP以外に、これに隣接するセンシングラインに対応する増幅器AMPの第2入力端にも、前記入力電圧Vinを提供させる。これにより、互いに隣接するセンシングラインが互いに同じ電圧を持つようになるので、水平キャパシタンス成分Chによって増幅器AMPに及ぶ影響を低減させることができる。
図8Cでは、水平寄生キャパシタの1電極が同じセンシングラインに連結される増幅器AMPの第2入力端と直接連結されると図示されたが、本発明が必ずしもこれに限定されるものではない。前記水平寄生キャパシタの1電極は、隣接するセンシングラインに連結される増幅器AMPの第1入力端または第2入力端に電気的に連結されてもよい。
図8Dは、
図8Aないし
図8CのキャパシタCqに提供される電圧信号Vqのレベルを調節する電圧調節回路の一具現例を示す図面である。
図8Dの電圧調節回路221は、
図8Aないし
図8Cのタッチデータ発生部内に備えられうる。前記電圧調節回路221は、入力信号Vin、共通電圧Vcm、抵抗(Rq1、Rq2)などを利用して、前記電圧信号Vqのレベルを調節できる。
【0087】
図9Aないし
図9Fは、本発明のタッチデータ発生部の他の具現例を示すブロック図である。特に、前記
図9Aないし
図9Cの実施形態では、前記タッチデータ発生部に積分回路がさらに備えられうる。
図9Aに示したように、前記タッチデータ発生部310は、電圧読み出し回路311、増幅回路312、積分回路313、及びADC(アナログ・デジタル変換回路)314を備えることができる。
【0088】
前記電圧読み出し回路311は、タッチスクリーンパネルに備えられた複数のセンシングラインに連結された複数のセンシングユニットそれぞれから出力される電圧Vreadを読み出すブロックである。前記電圧読み出し回路311は、一例として、
図7Bに示した各種スイッチ及び入力信号Vinを提供するためのバッファでありうる。
【0089】
また前記増幅回路312は、前記電圧読み出し回路311から読み出された電圧Vreadを増幅して出力する。前記増幅回路312から出力される電圧は、センシング信号Voutとして積分回路313に提供される。前記増幅回路312は、前記電圧読み出し回路311から出力された電圧Vreadを増幅することによって、センシングユニットのキャパシタンスの変化をセンシング可能にする。また、前記増幅回路312は、増幅動作を行うための少なくとも一つの増幅器を備えることができ、前記増幅器は、複数のセンシングラインそれぞれに連結される複数の増幅器を備えることができる。または、実施形態によって、前記増幅器が複数のセンシングラインとスイッチング可能に連結されて、一つの増幅器を複数のセンシングラインに共有させることができる。
【0090】
前記積分回路313は、前記増幅回路312から出力されたセンシング信号Voutを積分できる。前記のように、前記増幅回路312から出力されたセンシング信号Voutには複数のノイズ成分が含まれ、前記積分回路313で前記センシング信号Voutを積分することによって、ノイズ成分が効果的に除去される。本発明の実施形態による前記積分回路313は、入力信号を受信し、受信された前記入力信号を積分して出力できる任意の回路をいずれも備えることができ、また前記積分回路313は、スイッチドキャパシタ積分器やGm−C積分器をはじめとする多様な積分器のうちいずれか一つが使われてもよい。
【0091】
前記ADC 314は、前記積分回路313から出力されたアナログ電圧VADC_INをデジタル信号であるタッチデータdataに変換できる。前記タッチデータdataは、タッチコントローラ内に備えられた信号プロセッサーに提供され、または前記タッチコントローラ外部のホストコントローラに提供されてもよい。前記タッチデータdataの演算処理によって、タッチスクリーンパネル上のタッチ動作如何及びタッチ位置が判断されうる。
【0092】
一方、
図9Bは、
図9Aのタッチデータ発生部の一具現例を示す回路図である。
図9Bでは、積分回路としてスイッチドキャパシタ積分回路313Aを利用する実施形態を図示しており、
図9Cに示したように、BGm−C積分回路313積分回路が利用されてもよい。前記
図9Bの動作のうち、電圧読み出し回路及び増幅回路は、前述したものと同一または類似して動作するので、これについての詳細な説明は省略する。
図9Bに示したセンシングユニットのキャパシタンス成分Cbは、水平及び垂直寄生キャパシタンス成分を含む全体キャパシタンス成分を表す。
【0093】
図9Bに示したように、一つの増幅回路312が複数のセンシングユニットにより共有される場合を例示する。第1センシングユニットから出力される電圧が、第1スイッチSW(1)のスイッチング動作により読み出される時、残りのセンシングユニットは、第2スイッチSW(2)ないし第nスイッチSW(n)のスイッチング動作により前記入力信号Vinに連結されうる。同様に、それ以後には第2センシングユニットから出力される電圧のみ読み出され、残りのセンシングユニットは、前記駆動回路により駆動されうる。前記入力信号Vinは、一定の周期を持つ矩形波または正弦波であり、前記入力信号Vinのレベルまたは周波数は、実施形態によって適切に調節できる。
図9Dは、
図9Bの入力信号Vin及びスイッチSW(1)ないしSW(n)のターンオンタイミングを示す図面である。前記入力信号Vinは、矩形波または正弦波であり、
図9Dは、前記入力信号Vinとして矩形波を例示する。また、
図9Dに示したように、前記入力信号Vinは、所定の立ち上がり時間と所定の立ち下がり時間とを持つことができる。また、複数のスイッチSW(1)ないしSW(n)は、互いに重なる区間なしに順次にターンオンされうる。また、複数のスイッチSW(1)ないしSW(n)それぞれがターンオン状態を維持する時間は、前記入力信号Vinの周期よりさらに大きいか、または同一である。
【0094】
一方、
図9Bの増幅回路312は、センシングユニットのキャパシタンス変化に応答して、相異なる電圧レベルを持つ出力信号Voutを出力できる。前記増幅回路312が発生する出力信号Voutは、次の式で求めることができる。
【0096】
もし、前記のような数式でキャパシタンス成分Cbが完全に相殺された場合、すなわち、
【0098】
の関係が成立する場合には、前記センシング信号Voutと入力信号Vinとの関係は、次のように整理される。
【0100】
また、タッチスクリーンパネルにタッチ物体がタッチされた場合には、前記タッチスクリーンパネルとタッチ物体との間のキャパシタンス成分Csigが所定の大きさを持つようになって、これに対応するセンシング信号Voutの電圧レベルが変化しうる。前記演算増幅器AMP1は、センシングユニットのキャパシタンス値に対応するセンシング信号Voutをアナログ的に出力でき、タッチ動作によるセンシング信号Voutの電圧変化を感知することによって、タッチスクリーンパネル上のタッチ動作如何及びタッチ位置が判断されうる。
【0101】
一方、増幅回路312により出力されるセンシング信号Voutにはノイズが発生することがあり、本発明の一実施形態によるタッチコントローラに備えられる積分回路313Aは、前記ノイズによる影響を効果的に低減させることができる。一般的に、ノイズはガウス分布を持つため、一定区間でのノイズ成分の平均は0になりうる。したがって、ノイズ成分が含まれた出力電圧Voutは、所定の積分回路によりノイズが効率的に除去される。
【0102】
前記積分回路313Aは、積分動作を行うための演算増幅器AMP3を備えることができ、前記演算増幅器AMP3の第1入力端(例えば、ネガティブ入力端)と出力端との間にはキャパシタC2が連結されることができ、前記キャパシタC2と並列に所定のスイッチRSTが連結されうる。
【0103】
また、前記演算増幅器AMP3の第2入力端(例えば、ポジティブ入力端)には共通電圧Vcmが提供され、前記共通電圧Vcmは、ADC 314の中間入力レベル値に対応できる。
【0104】
また、前記演算増幅器AMP3の第1入力端(例えば、ネガティブ入力端)には、複数のスイッチ(φ1、φ2)とキャパシタC1とが連結されうる。前記スイッチ(φ1、φ2)のスイッチング動作と前記キャパシタC1のチャージ動作とに基づいて、積分動作が行われうる。増幅回路312からの出力電圧Voutは、所定のバッファを経て積分回路313Aの内部に提供される。
【0105】
図9Eは、
図9Bのタッチコントローラ310に提供される各種信号の特性を示す波形図である。共通電圧Vcmは一定のレベルを持って提供され、入力信号Vin及びキャパシタCqに提供される電圧信号Vqは、前記共通電圧Vcmを中心として所定の周波数を持つことができる。一例として、前記入力信号Vin及び電圧信号Vqが水平同期信号Hsyncに同期して発生する一例が、
図9Eに図示される。電圧信号Vqは、増幅器AMP2に連結される抵抗Rq1、Rq2の値により調節され、望ましくは、前記電圧信号Vqのレベルを調節してセンシングユニットのキャパシタンス成分Cbの影響を低減させる。
【0106】
図9Fは、
図9Bの積分回路313Aの動作を示すためのタイミング図である。
図9Fに示したように、2つのスイッチφ1が同一に制御され、残りのスイッチφ2が同一に制御される。
【0107】
まず、t1の時間でスイッチφ1がターンオンされ、したがって、前記キャパシタC1に前記入力信号Vinと前記出力電圧Voutとの差がチャージされうる。
【0108】
前記キャパシタC1に所定の電圧がチャージされた状態で、t2の時間でスイッチφ1がターンオフされ、残りのスイッチφ2がターンオンされうる。この場合、前記演算増幅器AMP3の第1入力端(例えば、ネガティブ入力端)の電圧が第2入力端(例えば、ポジティブ入力端)の電圧に従うために、前記演算増幅器AMP3の積分動作が行われ、したがって、前記出力電圧Voutと前記入力信号Vinとの相対サイズによって、積分電圧VADC_INが増加または減少できる。出力電圧Vout全体を積分する場合、積分値がADC 314の動的範囲を外れることもあるので、本発明による実施形態では、
図9Bに示したようにVout−Vinに相応する電圧を経時的に積分できる。したがって、Vout−Vinの積分値が前記共通電圧Vcmを基準に上/下に出力されうる。すなわち、ADC 314の入力信号が前記共通電圧Vcmを基準に上/下に設定されることによって、前記ADC 314の出力を平均化でき、したがって、低周波数のノイズが効果的に除去される。
図9Gは、積分回路313Aの積分電圧VADC_INを示したグラフであって、
図9Gに示したように、前記積分電圧VADC_INは、共通電圧Vcmを基準に上/下のレベルを持つように出力されうる。例えば、出力電圧Voutが入力信号Vinより大きい場合には、前記積分電圧VADC_INが前記共通電圧Vcmよりさらに大きく、出力電圧Voutが入力信号Vinより小さな場合には、前記積分電圧VADC_INが前記共通電圧Vcmよりさらに小さい。また、
図9Gに示したように、前記積分電圧VADC_INにはノイズによる効果が全く表れなくなり、したがって、コントローラ(図示せず)は、適切な臨界値を設定することによって、タッチスクリーンパネルでのタッチ如何(Touched、Not Touched)を容易に判断できる。
【0109】
図10A及び
図10Bは、
図9Bに示した積分回路の他の具現例を示す回路図である。
図10Aに示した積分回路313Cは、入力信号として、
図9Bと異なる電圧信号Vrefを使用する。
図10Aでは、スイッチドキャパシタ積分回路をその一例として図示しているが、それ以外にもGm−C積分回路に前記電圧信号Vrefが提供されてもよい。
【0110】
図10Bは、
図10Aの積分回路313Cの入力信号Vin、出力電圧Vout及び基準信号Vrefとの関係を示すグラフである。前記基準信号Vrefは、入力信号Vinのように矩形波または正弦波で具現でき、前記基準信号Vrefの振幅は、入力信号Vinの振幅よりさらに大きい。
【0111】
図10Bの(a)に示したように、前記基準信号Vrefの振幅を出力電圧Voutでの傾斜区間の中間レベルに相応するように設定することによって、非タッチ時(Not Touched)の積分電圧を共通電圧Vcmにほぼ近づけることができる。また
図10Bの(b)に示したように、入力信号Vinの代りに基準信号Vrefを適用する場合に、非タッチ時の積分電圧VADC_INが前記共通電圧Vcmにさらに近付くことが分かり、したがって、非タッチ時(Not Touched)とタッチ時(Touched)との電圧差をさらに大きくすることで、センシング感度をさらに向上させることができる。
【0112】
図11は、本発明のさらに他の実施形態によるタッチコントローラを示すブロック図である。
【0113】
図11に示したように、タッチコントローラ400はタッチデータを発生させるための動作を行うブロックを備え、その一例として電圧読み出し回路410、第1増幅回路420、第1アンチエイリアシングフィルタ(Anti Aliasing Filter、以下、AAF)430、積分回路440及びADC 450がタッチコントローラ400内に備えられうる。また、前記第1増幅回路420と同一または類似した特性を持つ第2増幅回路470及び、前記第1 AAF 430と同一または類似した特性を持つ第2 AAF 480が、前記タッチコントローラ400内にさらに備えられうる。前記第1増幅回路420、第1 AAF 430を通じてメイン信号経路が形成され、前記第2増幅回路470及び第2 AAF 480を通じてサブ信号経路が形成される。
【0114】
センシングユニットのキャパシタンスが変化する場合、これに対応する出力電圧が電圧読み出し回路410及び第1増幅回路420を通じて発生する。第1増幅回路420で発生した出力電圧は、第1 AAF 430を通過できる。ADC 450から発生するタッチデータdataは、それ以後の処理動作でデジタルフィルタ460を経ることができるが、前記デジタルフィルタ460を経る前に、AAFを通過して高周波数成分を除去することが望ましい。このために、第1 AAF 430が第1増幅回路420と積分回路440との間に配されうる。
【0115】
一方、複数のセンシングユニットのキャパシタンス変化による信号は、順次に電圧読み出し回路410に提供されるが、センシングユニットのキャパシタンス変化を感知するためには、各センシングユニットに対応して特定周波数を持つパルス信号を電圧読み出し回路410に入力する。また第1 AAF 430の出力から実際信号成分のみを抽出するために、第2増幅回路470及び第2 AAF 480が前記タッチコントローラ200内にさらに備えられる。そして、第1増幅回路420に提供されるパルス信号と同じ位相のパルス信号(一例として、Vin)が第2増幅回路470に提供される。図示されていないが、第1増幅回路420に備えられる増幅器の一つの入力端には、センシングユニットからの電圧が提供される一方、第2増幅回路470に備えられる増幅器の一つの入力端は、その出力端と互いに連結される構造を持つことができる。第1 AAF 430の出力と第2 AAF 480の出力とは、所定の減算器によって減算される。これにより、実際信号に該当する成分のみ積分回路440に提供される。
【0116】
一方、
図11のタッチコントローラ400内の各種回路ブロックに提供されるパルス信号の周波数は、ディスプレイ動作中の周波数干渉を最小化するために、ディスプレイのラインスキャン周波数に同期させることができる。一例として、電圧読み出し回路410に提供される入力信号Vinが、第1増幅回路420、第2増幅回路430及び積分回路440に提供される。または、前記入力信号Vinと同一または類似した位相を持って相異なる振幅を持つ電圧信号が、第1増幅回路420、第2増幅回路430及び積分回路440に提供されてもよい。
【0117】
図12A及び
図12Bは、本発明によるタッチコントローラT/Cが一般液晶ディスプレイ装置に適用される一例を示している。
図12Aのディスプレイ装置500Aは、画像をディスプレイするための全体的なタイミングを制御するタイミングコントローラ510Aと、ディスプレイ装置を駆動するために必要な各種電圧を発生させる電圧生成部520Aとを備えることができる。また前記液晶ディスプレイ装置500Aは、ディスプレイパネル550Aのゲートラインを駆動するための一つ以上のゲートドライバ530Aと、ソースラインを駆動するための一つ以上のソースドライバ540Aとを備えることができる。タッチコントローラT/Cは、前記タイミングコントローラ510Aからタイミング情報を提供され、これにより、望ましくは、タッチコントローラT/Cがそれぞれのゲートドライバ530Aまたはそれぞれのソースドライバ540A内に備えられうる。
図12Aには、その一例として、タッチコントローラT/Cがそれぞれのソースドライバ540A内に備えられるところが図示される。タイミングコントローラ510Aからソースドライバ540Aに提供されるタイミング情報は、ソースドライバ540A内に備えられるタッチコントローラT/Cに同時に提供されうる。タッチコントローラT/Cは、ディスプレイパネル550Aに取り付けられうるタッチスクリーンパネル(図示せず)のセンシングユニットのキャパシタンス値を感知し、タイミングコントローラ510Aから提供される所定のタイミング情報を利用してタッチデータを発生させる。
【0118】
一方、
図12Bのディスプレイ装置500Bは、タッチコントローラT/Cがタイミングコントローラ510Bの内部に備えられる実施形態を示す。この場合、タッチコントローラT/Cは、タイミングコントローラ510Bの内部で直接タイミング情報を受信することができる。また、図示されていないが、タッチコントローラT/Cは、ディスプレイパネル550Bに取り付けられうるタッチスクリーンパネルと電気的に連結され、これにより、センシングユニットのキャパシタンス変化を感知し、これによるタッチデータを発生させることができる。
【0119】
図13は、本発明の一実施形態によるタッチコントローラとディスプレイ駆動回路とが一つのチップに集積された集積IC(Integrated Circuit)を示すブロック図である。すなわち、
図13は、ホストコントローラ650と通信する一つの半導体チップ600を示すブロック図であって、前記半導体チップ600は、前述した機能を行うタッチコントローラ部610と、ディスプレイ駆動回路として動作するディスプレイ駆動部630とを備える。タッチコントローラ部610とディスプレイ駆動部630とを一つの半導体チップに集積することによってコストダウンでき、またタッチコントローラ部610のセンシング信号とディスプレイ駆動部630で発生する信号とを同期させることによって、タッチスクリーン動作時にノイズによる影響を低減させるようにする。
【0120】
タッチコントローラ部610は、タッチスクリーン動作のための多様な構成を備えることができる。一例として、タッチコントローラ部610は、タッチデータを発生させるための読み出し回路611、センシングユニットの寄生キャパシタンス成分を低減させるための補償部612、アナログデータをデジタル信号に変換するためのADC 613、電源電圧を発生させるための電源電圧発生部614、メモリ部615、MCU 616、デジタルFIR LPF 617、低電力発振信号を発生させるための発振器618、ホストコントローラ650と信号を送受信するためのインターフェース部619及び制御ロジック620などを備えることができる。またディスプレイ駆動部630は、ディスプレイ動作のための階調データを発生させるソースドライバ631、階調電圧発生部632、ディスプレイデータを保存するメモリ633、タイミング制御ロジック634、一つ以上の電源電圧を発生させる電源発生部635を備えることができる。またディスプレイ駆動部630内の全般的な動作を制御するか、ホストコントローラ650とインターフェースを行うためのCPU及びRGBインターフェース部636を備えることができる。
【0121】
タッチコントローラ部610は、ディスプレイ駆動部630から少なくとも一つのタイミング情報Timing infoを受信することができる。一例として、タッチコントローラ部610内の制御ロジック620は、ディスプレイ駆動部630内のタイミング制御ロジック634から、ディスプレイ出力信号と同期される多様なタイミング情報(一例として、VSYCN、HSYCN、Dotclkなど)を受信する。制御ロジック620は、前記受信されたタイミング情報を利用してタッチデータの発生時点を制御するための制御信号を発生させることができる。
【0122】
一方、ディスプレイ駆動部630もタッチコントローラ部610から少なくとも一つの情報を受信することができる。一例として、ディスプレイ駆動部630がタッチコントローラ部610から状態信号(一例として、スリープ状態信号Sleep Status)を受信することが、
図13に図示されている。ディスプレイ駆動部630は、タッチコントローラ部610からのスリープ状態信号を入力されて、これによる動作を行う。もし、タッチコントローラ部610がスリープ状態にあるならば、一定期間タッチ動作が行われていないことを表すので、この場合、ディスプレイ駆動部630は、タッチコントローラ部610にタイミング情報Timing infoを提供する動作を中断でき、これによって前記半導体チップが適用される機器(一例として、モバイル機器)の電力を効率的に使用できるようになる。
【0123】
また
図13に示したように、タッチコントローラ部610とディスプレイ駆動部630それぞれは、電源を発生させる回路ブロック、所定のデータを保存するためのメモリ、及びそれぞれのブロックの機能を制御するための制御ユニットなどが備えられる。これにより、タッチコントローラ部610とディスプレイ駆動部630とを一つの半導体チップに集積する場合、前記メモリ、電源発生部、及び制御ユニットは、タッチコントローラ部610とディスプレイ駆動部330とに共通して使われるように具現できる。
【0124】
図14A及び
図14Bは、
図13のタッチコントローラとディスプレイ駆動回路との間のタイミングと電源電圧との関係を示す図面である。
図14Aに示したように、ディスプレイ装置を駆動するための半導体チップ600は、タッチコントローラ部とディスプレイ駆動部とを備えることができ、前記タッチコントローラ部(一例として、メモリ、AFE、MCU、ロジック回路などの含む)とディスプレイ駆動部(一例として、電源発生部、出力ドライバ、制御ロジック、ディスプレイメモリなどの含む)とは互いにタイミング情報、状態情報などの少なくとも一つの情報を互いに送受信できる。またタッチコントローラ部とディスプレイ駆動部とは、互いに電源電圧を提供または受信できる。
図14A及び
図14Bには、説明の便宜のためにタッチコントローラ部とディスプレイ駆動部とが簡略に示され、タッチコントローラ部に備えられるAFE(Analog Front End)は電圧読み出し回路、増幅回路、積分回路及びADCを備えるブロックでありうる。本発明の一実施形態によるディスプレイ装置として、タッチコントローラ部がディスプレイ駆動部にスリープ状態情報を提供し、またタッチコントローラ部で使われる電源電圧がディスプレイ駆動部から提供される場合の動作の一例を説明すれば、次の通りである。
【0125】
図14Bに示したように、画面がターンオフされた状態でタッチ入力も動作しない場合(TSC及びDisplayがいずれもSleepである場合)、ディスプレイ駆動部は、タッチコントローラ部への電源電圧やタイミング情報の提供を遮断する。この場合、ディスプレイ駆動部は、単にその内部のレジスタの状態のみ従来状態を維持できる。この場合、電力消耗を最小化することができる。
【0126】
一方、タッチ入力は遮断されてディスプレイのみ活性化された場合(TSCがSleepであり、DisplayがNormalである場合)、ディスプレイ駆動部は自体消費のために電源電圧を生成するが、タッチコントローラ部は電力を消耗しないので、前記電源電圧をタッチコントローラ部に提供しない。またディスプレイ駆動部は、タイミング情報をタッチコントローラ部に提供しない。
【0127】
一方、タッチ入力は活性化され、ディスプレイは不活性化された場合(TSCがNormalであり、DisplayがSleepである場合)、タッチ入力が活性化されたので、周期的にタッチ動作が行われるかどうかを確認する。この場合、ディスプレイ駆動部は、低電力モードで動作しつつ不活性化状態を維持する。しかし、タッチ動作の確認如何のために、ディスプレイ駆動部は、タイミング情報とタッチコントローラ部で使われる電源電圧とを発生させ、これをタッチコントローラ部に提供する。
【0128】
一方、一般的な場合として、タッチ入力及びディスプレイがいずれも活性化された場合(TSC及びDisplayがいずれもNormalである場合)、ディスプレイ駆動部は、タイミング情報及び電源電圧を生成し、生成されたタイミング情報及び電源電圧をタッチコントローラ部に提供する。
【0129】
前記のような4つの場合をまとめれば、ディスプレイ駆動部の電源電圧発生部は、タッチコントローラ部やディスプレイ駆動部のうち少なくとも一つが活性化されれば、電源電圧を発生させることができる。またディスプレイ駆動部の制御ロジックは、タッチコントローラ部が動作する時にのみタイミング情報を生成し、これをタッチコントローラ部に提供できる。
【0130】
図15Aないし
図15Dは、本発明の一実施形態によるタッチパネルが装着されたディスプレイ装置のPCB(Printed Circuit Board)構造を示す図面である。
図15Aないし
図15Dでは、タッチパネルとディスプレイパネルとが互いに区分される構造を持つディスプレイ装置を示す。
【0131】
図15Aに示したように、前記ディスプレイ装置700は、ウィンドウガラス710、タッチパネル720及びディスプレイパネル740を備えることができる。またタッチパネル720とディスプレイパネル740との間には、光学的特性のために偏光板730がさらに配されうる。
【0132】
ウィンドウガラス710は、一般的にアクリルや強化ガラスなどの素材で製作されて、外部衝撃や反復的なタッチによるスクラッチからモジュールを保護する。タッチパネル720は、ガラス基板やPET(Polyethylene Terephthlate)フィルム上にITOのような透明電極を利用して、電極をパターニングして形成される。タッチスクリーンコントローラ721は、FPCB(Flexible Printed Circuit Board)上にCOB(Chip on Board)形態で実装され、それぞれの電極からのキャパシタンス変化を感知してタッチ座標を抽出し、これをホストコントローラに提供する。ディスプレイパネル740は、一般的に上板と下板とで形成れた2枚のガラスを接合して形成される。また一般的にモバイル用ディスプレイパネルには、ディスプレイ駆動回路741がCOG(Chip on Glass)形態で取り付けられる。
【0133】
図15Bは、本発明のディスプレイ装置の他のPCB構造の例を示す。
図15Bに示したように、タッチコントローラ721は、メインボード760上に配され、FPCBを通じてタッチパネル720とタッチコントローラ721との間に、センシングユニットからの電圧信号が送受信される。一方、ディスプレイ駆動回路741は、
図15AのようにCOG形態で取り付けられる。前記ディスプレイ駆動回路741は、FPCBを通じてメインボード760と連結されうる。すなわち、タッチコントローラ721とディスプレイ駆動回路741とは、メインボード760を通じて各種情報及び信号を互いに送受信できる。
【0134】
図15Cは、タッチコントローラ部とディスプレイ駆動部とが一つの半導体チップに集積された場合のディスプレイ装置の構造を示す。
図15Cに示したように、前記ディスプレイ装置700は、ウィンドウガラス710、タッチパネル720、偏光板730及びディスプレイパネル740などを備えることができる。特に、半導体チップ751は、COG形態でディスプレイパネルに取り付けられる。タッチパネル720と半導体チップ751とは、FPCBを通じて互いに電気的に連結されうる。
【0135】
図15Dは、
図15Aないし
図15Cのディスプレイ装置のパネル構造を示す図面である。
図15Dには、ディスプレイ装置としてOLED(Organic Light−Emitting Diode)が例示されている。
図15Dに示したように、センシングユニットは透明電極(ITO(sensor))をパターニングすることによって形成され、ディスプレイパネルとは互いに区分される別途のガラス基板上に形成できる。センシングユニットが形成されたガラス基板は、所定のエアギャップまたはレジン(Air gap or resin)によりウィンドウガラスと区分され、またディスプレイパネルを構成する上板及び下板ガラスとは、所定の偏光板を基準に区分できる。
【0136】
図16Aないし
図16Dは、タッチパネルとディスプレイパネルとを一体化させた場合のPCB構造を示す図面である。
図16Aに示したように、ディスプレイ装置800は、ウィンドウガラス810、ディスプレイパネル820及び偏光板830を備えることができる。特に、タッチパネルを具現するに当って、前記タッチパネルが別途のガラス基板上に形成されるものではなく、前記ディスプレイパネル820の上板に透明電極をパターンすることで形成されうる。
図16Aは、ディスプレイパネル820の上板に複数のセンシングユニットSUが形成された一例を図示する。また、このようにパネル構造が形成される場合、タッチコントローラとディスプレイ駆動回路とが集積された一つの半導体チップ821が望ましく適用される。
【0137】
一つの半導体チップ821にタッチコントローラ部とディスプレイ駆動部とが集積される場合、センシングユニットからの電圧信号T_sigと外部ホストからの映像データI_dataとが前記半導体チップ821に提供される。また半導体チップ821は映像データI_dataを処理して、実際ディスプレイ装置を駆動するための階調データを発生させ、これをディスプレイパネルに提供する。このために、半導体チップ821は、タッチデータT_dataに関連したパッドと、前記映像データI_data及び階調データ(図示せず)に関連したパッドとを備えることができる。半導体チップ821は、タッチパネルの一側に連結される導電ラインを通じてセンシングユニットからの電圧信号T_sigを受信する。半導体チップ821上にパッドを配置するに当って、電圧信号T_sigを受信するパッドの位置を、前記電圧信号T_sigを伝達するための導電ラインと隣接する位置に配置させることが、データのノイズ低減側面で望ましい。
図16Aに図示されていないが、ディスプレイパネルに階調データを提供するための導電ラインが、前記タッチデータ電圧信号T_sigを伝達する導電ラインと反対側に位置する場合、前記階調データを提供するためのパッドも前記電圧信号T_sigを受信するパッドの反対側に位置するように配置させることができる。
【0138】
一方、
図16Bは、
図16Aのディスプレイ装置と類似した構造を持つものであって、センシングユニットからの電圧信号がFPCBを通じて半導体チップ821に提供されるものではなく、導電ラインを通じて直接半導体チップ821に提供される一例を示す。また
図16Cのディスプレイ装置800も
図16Aと類似した構造を持つが、
図16Cのディスプレイ装置800は、センシングユニットからの電圧信号が半導体チップ821に伝えられる経路が
図16Aと異なる場合を示す。この場合、半導体チップ821上に配されるパッドのうち、センシングユニットからの電圧信号を受信するパッドは、前記導電ラインと相対的に近い方向に位置するように構成する。
【0139】
図16Dは、
図16Aないし
図16Cのディスプレイ装置のパネル構造を示す図面である。本発明の一実施形態によるディスプレイ装置では、タッチパネルとディスプレイパネルとを効果的に一体化させることができる。
図16Dには、ディスプレイ装置としてOLEDが例示されている。透明電極(ITO(sensor))を別途のガラス基板やPETフィルム上に形成するものではなく、
図16Dに示したように、透明電極(ITO(sensor))がディスプレイパネルの上板上に直接形成される。この場合、タッチディスプレイパネルを具現するに当って、コストとモジュール厚さ側面で有利になるが、透明電極(ITO(sensor))とディスプレイ上板(Top Glass)との距離が近づくにつれて、センシングユニットの垂直寄生キャパシタンス成分が増大する。しかし、前述した本発明の一実施形態によれば、センシングユニットの垂直寄生キャパシタンス成分を含めて全体寄生キャパシタンス成分による影響が減少するので、前記のようにタッチパネルとディスプレイパネルとを効果的に一体化させることができる。
【0140】
図17A及び
図17Bは、タッチコントローラ部とディスプレイ駆動回路部とが内蔵された半導体チップとFPCBとの構造を示す図面である。半導体チップは、タッチコントローラ部に関連した信号を送受信するためのパッドと、ディスプレイ駆動回路部に関連した信号を送受信するためのパッドとを備える。前記パッドは、FPCBの連結端を通じて外部のタッチパネル、ディスプレイパネル、ホストコントローラなどと電気的に連結されうる。半導体チップの具現時、タッチコントローラ部が位置する領域とディスプレイ駆動回路部が位置する領域とが区分される。FPCBに連結端を配置するに当って、タッチコントローラ部に関連した信号と連結される連結端と、ディスプレイ駆動回路部に関連した信号と連結される連結端とを、前記半導体チップのパッドと対応するように区分して配置できる。
【0141】
図18A及び
図18Bは、本発明の一実施形態によるタッチコントローラ及びディスプレイ駆動回路が内蔵された半導体チップを装着したディスプレイ装置を示す図面である。
図18Aは、半導体チップがディスプレイパネルのガラスにCOG形態で配された一例を示し、
図18Bは、半導体チップがディスプレイパネルのフィルム上にCOF形態で配された一例を示す。タッチコントローラとディスプレイ駆動回路とが互いに区分されるチップで配される場合には、タッチコントローラは一般的にCOF形態で配され、ディスプレイ駆動回路は一般的にCOG形態で配されるが、本発明の一実施形態によるタッチコントローラ及びディスプレイ駆動回路が内蔵された半導体チップは、前記COG及びCOFのうちいずれか一つで配されてもよい。
【0142】
本発明は図面に示した実施形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められねばならない。