【解決手段】レール状物20は、長手帯状の帯状基部21の一面に、長手方向に沿って一連に設けられ係合溝23を形成する鉤部22と、を備える。帯状基部21における鉤部22が設けられた面とは反対側の面に、接合層および剥離シートが積層形成されている。レール状物20を切断し、所定の長さのレール状物20A,20Bを切り出す。レール状物20Aの剥離シートを剥離し、露出する接合層を被取付面Xに接合し、レール状物20Aを被取付面Xに取り付ける。レール状物20Bの剥離シートを剥離し、露出する接合層を被取付物Yに接合する。被取付物Yに取り付けたレール状物20Bの鉤部22を、レール状物20Aの鉤部22に係合させ、被取付物Yを被取付面Xに取り付ける。
【背景技術】
【0002】
建造物の壁面や構造物の側面などに、フックや棚などを取り付けるためのレール状物を取り付ける構成が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1に記載のレール状物は、カーテンレール様の樋の両側面に、通電用のレールが対向して敷設されたもので、コンセントなどが取り付けられ集電のための通電金属を備えた台車が移動可能となっている。
特許文献2に記載のレール状物は、長手方向に沿った溝状の案内凹部が、上下方向で対向して一対設けられている。案内凹部には、フックの上下方向の軸線上に一対設けられた軸部が移動可能に挿入され、フックを回動させることで、フックを案内凹部間から突出した状態と、案内凹部間に収納した状態とにすることができるものである。
特許文献3に記載のレール状物は、壁面に取り付けるための板状の上縁および下縁を有し、上縁および下縁の間に位置して、長手方向に沿った挿嵌溝が上下に二段設けられている。2条のレール状物を水平方向に沿って壁面に設けるとともに、挿嵌溝に係合可能な断面弧状の板状挿嵌部を被取付物に一対取り付ける。被取付物の板状挿嵌部をレール状物の挿嵌溝にそれぞれ係合させることで、被取付物を壁面に取り付ける構成が採られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のレール状物では、平坦な壁面などに取り付ける構成であり、円柱などの曲面を有する柱などに取り付けることができない。また、被取付物を被取付面に取り付けた状態での被取付物と被取付面との間に生じる隙間が広くなり、狭い箇所への取り付けには不向きで、汎用性が望まれている。
本発明は、曲面の被取付面にも取り付けでき、被取付物を被取付面に容易に取り付けできるレール状物、取付装置およびレール状物の使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に記載のレール状物は、可撓性樹脂にて形成された帯状基部と、前記帯状基部の一面に長手方向に沿って一連に設けられた鉤部と、を具備し、前記鉤部は、前記帯状基部から一連に突出形成された立上部と、前記立上部の先端部から前記帯状基部の幅方向の一側に向けて一連に突出し、前記帯状基部との間に別体のレール状物の鉤部が係合可能な係合溝を構成する腕部と、を備えていることを特徴とする。
【0006】
この発明では、帯状基部から突出する立上部の先端部から、帯状基部の一側に突出する腕部を設けた構成としているので、別体のレール状物の鉤部を係合溝に係合させることで、一対のレール状物を係合できる。このことにより、例えば壁面にフックなどを取り付ける場合では、一方のレール状物を壁面に取り付け、他方のレール状物をフックに取り付ける。そして、それぞれの鉤部を互いに係合させることで、一対のレール状物を介して壁面にフックを取り付けることができる。
このため、ジッパーテープ様の簡単な形状で、可撓性を有する小型の形状に容易に製造できる。したがって、曲面や複数面に跨る被取付面にも、被取付物を取り付けるためのレール状の構造物を設けることができ、ジッパーテープを係合させるように被取付物を被取付面に容易に取り付けできる。
ここで、係合溝への鉤部の係合とは、鉤部同士が噛み合うこと(噛合、咬合)をいい、嵌め合う状態も含むものである。そして、係合のみならず外すことも可能な構成も含むものである。
また、立上部の先端部に設けられる腕部は、立上部の先端から折れ曲がるように設けられる構成の他、立上部の先端から帯状基部側に多少変位した位置の側部から突出形成する構成としてもよい。
【0007】
そして、本発明では、前記帯状基部は、前記鉤部が設けられた面とは反対側の面に、接合層が設けられている構成とすることもできる。
この発明では、被取付面に直接取り付けでき、被取付物の取り付けが容易にできる。
ここで、接合とは、接着剤や粘着剤による接着の他、融着なども含むものである。
【0008】
また、本発明では、前記接合層は、剥離シートが積層されている構成とすることもできる。
この発明では、被取付面に取り付ける際に剥離シートを剥離し、露出させた接合層を被取付面に取り付けるのみで、一動作で容易に取り付けできる。
【0009】
さらに、本発明では、前記鉤部は、前記腕部の先端部に前記帯状基部に向けて一連に突出形成された爪部を備えている構成とすることもできる。
この発明では、係合溝による係合とともに爪部による係合が得られ、別体のレール状物の鉤部と、強固な係合が得られる。
ここで、腕部の先端部に設けられる爪部は、腕部の先端から折れ曲がるように設けた構成の他、腕部の先端から立上部側に多少変位した位置の側部から突出形成した構成も含むものである。
【0010】
また、本発明では、前記帯状基部の一面に長手方向に沿って一連に設けられ、前記鉤部に向けて突出する係止部を具備している構成とすることもできる。
この発明では、係合溝に係合する別体のレール状物の鉤部を係止部と鉤部とにより挾持して係合する状態が得られ、別体のレール状物の鉤部と、強固な係合が得られる。
【0011】
そして、本発明では、前記鉤部が、複数条設けられている構成とすることもできる。
この発明では、複数条の鉤部の係合により、別体のレール状物との強固な係合が得られる。
【0012】
さらに、本発明では、前記帯状基部の一面で前記腕部が突出する側とは反対側に位置して、長手方向に沿って一連に設けられた突起部を具備している構成とすることもできる。
この発明では、別体のレール状物の鉤部が係合する状態で、別体のレール状物に大きな荷重が作用した際、別体のレール状物が互いに係合する鉤部を回転中心として回転すると、突起部に別体のレール状物の帯状基部が当接して回転を規制する。このことにより、鉤部の係合解除を防止できる。
【0013】
本発明の取付装置は、被取付面および被取付物にそれぞれ取り付けられる一対の本発明のレール状物を備えていることを特徴とする。
この発明では、一つの形状のレール状物を用いて、被取付面に被取付物を移動可能かつ着脱可能に取り付けるための取付装置を構成できる。
【0014】
本発明のレール状物の使用方法は、本発明のレール状物の使用方法であって、前記レール状物を長手方向で切断する工程と、前記切断されたレール状物の一方を被取付面に取り付けるとともに、他方を被取付物に取り付ける工程と、前記被取付物に取り付けられた他方のレール状物の鉤部を、前記被取付面に取り付けられた一方のレール状物の鉤部に係合させる工程と、を実施することを特徴とする。
この発明では、例えば、被取付物の取付面や、被取付物を取り付けたい被取付面に応じて、レール状物を切断し、切断した一方のレール状物を被取付面に取り付け、他方のレール状物を被取付物に取り付ける。そして、被取付物に取り付けられたレール状物の鉤部を、被取付面に取り付けられたレール状物の鉤部に係合させることで、被取付物が被取付面に取り付けられる。被取付物をレール状物に沿ってスライドさせることで、被取付面に対して被取付物を移動できる。このため、被取付物を被取付面に容易に取り付けできる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態の取付装置について、図面を参照して説明する。
図1は、取付装置の使用状態の断面図を示す。
図2は、取付装置の使用状態の正面図を示す。
図3は、取付装置を構成するレール状物の断面図を示す。
【0017】
(取付装置)
図1,2に示すように、取付装置10は、建造物の壁面や天井面あるいは床面や、構造物の側面、天面、底面などの被取付面Xに、フックや棚用の支柱、電気機器などの被取付物Yを取り付けるものである。
取付装置10は、互いに係合可能な一対のレール状物20(20A,20B)を備えている。
【0018】
(レール状物)
一対のレール状物20は、可撓性樹脂にて屈曲可能に形成され、被取付面Xに取り付けられる第一のレール状物20Aと、被取付物Yに取り付けられる第二のレール状物20Bとからなる。
レール状物20(20A,20B)は、長手帯状の帯状基部21と、帯状基部21の一面に長手方向に沿って一連に設けられた鉤部22と、を備えている。
鉤部22は、帯状基部21から一連に突出形成された立上部22Aと、立上部22Aの先端部から帯状基部21の幅方向の一側に向けて一連に突出する腕部22Bと、腕部22Bの先端部に帯状基部21に向けて一連に突出形成された爪部22Cと、を備えている。
そして、レール状物20(20A,20B)は、帯状基部21と鉤部22との間、すなわち帯状基部21と、立上部22Aと、腕部22Bとにて囲まれた領域に、別体のレール状物20(20B,20A)の鉤部22が係合可能な係合溝23が形成されている。
さらに、帯状基部21には、鉤部22が突出する側と同一面に、長手方向に沿って一連に設けられ、鉤部22に向けて突出する係止部21Aが設けられている。係止部21Aは、鉤部22の爪部22Cに対向する位置に設けられていることが好ましい。このことにより、爪部22Cと係止部21Aとにより、別体の鉤部22との係合をより強固にできる。
【0019】
レール状物20(20A,20B)は、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂などの可撓性を有する熱可塑性樹脂にて形成される。これら熱可塑性樹脂は、単独で用いる場合に限らず、適宜混合した樹脂組成物として利用してもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンあるいは直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。特に、伸びにくいポリプロピレン系樹脂が好ましい。ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン(H−PP)、ブロックポリプロピレン(B−PP)、ランダムポリプロピレン(R−PP)、プロピレン−エチレン−ブテン1ランダム三元共重合体などが利用できる。
そして、レール状物20(20A,20B)は、例えばジッパーテープを製造する製造装置を用い、熱可塑性樹脂の押出成形により形成される。
なお、レール状物20(20A,20B)は、帯状基部21と鉤部22とが異なる樹脂にて形成してもよい。このようなレール状物20(20A,20B)は、共押出成形により形成できる。
【0020】
また、レール状物20(20A,20B)には、
図3に示すように、帯状基部21における鉤部22が設けられた面とは反対側の面に、接合層24が積層形成されている。さらに、接合層24には、接合層24から剥離可能な剥離シート25が積層形成されている。これら接合層24および剥離シート25は、例えば両面粘着テープを帯状基部21に貼付することで容易に設けられるが、その他、接着剤を塗布して剥離シート25を積層させるなどして形成してもよい。
【0021】
(取付装置の使用)
次に、上記取付装置を用いて被取付物を被取付面に取り付ける使用状況を説明する。
なお、
図1,2では、レール状物20を二条用いる構成を例示するが、一条でもよく、三条以上用いてもよい。
【0022】
取付装置10を構成するレール状物20(20A,20B)の使用方法としては、レール状物20を長手方向で切断する切断工程と、レール状物20A,20Bをそれぞれ被取付面Xあるいは被取付物Yに取り付ける取付工程と、レール状物20A,20Bの鉤部22を係合させる係合工程と、が実施される。
【0023】
切断工程では、被取付面Xにおける被取付物Yを取り付けたい領域に対応して、レール状物20を切断し、第一のレール状物20Aを切り出す。
さらに、被取付物Yにおける被取付面Xに取り付ける面の領域に対応して、レール状物20を切断し、第二のレール状物20Bを切り出す。
【0024】
取付工程では、切断工程で切断された第一のレール状物20Aの剥離シート25を剥離し、露出する接合層24を被取付面Xに接合し、第一のレール状物20Aを被取付面Xに取り付ける。この取り付けの際、腕部22Bが鉛直方向の上方に向けて突出するように取り付ける。なお、腕部22Bが突出する側が容易に認識できるように、例えば帯状基部21に凹凸や文字を設けたり、着色したりして利用者に報知できる構成としておくとよい。
一方、切断工程で切断された第二のレール状物20Bの剥離シート25を剥離し、露出する接合層24を被取付物Yに接合し、第二のレール状物20Bを被取付物Yに取り付ける。この取り付けの際、腕部22Bが鉛直方向の下方に向けて突出するように取り付ける。
【0025】
係合工程では、被取付物Yに取り付けられた第二のレール状物20Bの鉤部22を、被取付面Xに取り付けられた第一のレール状物20Aの鉤部22に、被取付物Yを鉛直方向の上方から下方へ移動させようにして係合させる。この係合により、被取付物Yが被取付面Xに取り付けられる。
この取り付けられた状態で、被取付物Yを第一のレール状物20Aに沿って移動させることで、被取付物Yの被取付面Xに対する取付位置を移動させることができる。
また、被取付物Yを取り外す場合には、被取付物Yを鉛直上方の下方から上方へ移動させる、あるいは被取付面X上で被取付物Yを回転させるようにすることで、鉤部22の係合が外れる。
【0026】
(実施形態の効果)
上述したように、上記実施形態では、帯状基部21から突出する立上部22Aの先端部から、帯状基部21の一側に突出する腕部22Bを設けた構成としている。このことにより、別体のレール状物20(20B,20A)の鉤部22を係合溝23に係合させることで、一対のレール状物20A,20Bを係合できる。このため、例えば壁面(被取付面X)にフック(被取付物Y)などを取り付ける場合では、第一のレール状物20Aを壁面に取り付け、第二のレール状物20Bをフックに取り付ける。そして、それぞれの鉤部22を互いに係合させることで、一対のレール状物20A,20Bを介して壁面にフックを取り付けできる。
したがって、取付装置10は、ジッパーテープ様の簡単な形状でかつ、可撓性を有した小型の形状に容易に製造できる。よって、曲面や複数面に跨る被取付面Xにも、被取付物Yを取り付けるためのレール状の構造物を設けることができ、ジッパーテープを係合させる簡単な取り付け作業にて、被取付物Yを被取付面Xに容易に取り付けできる。
特に、二条のレール状物20A,20Bにて被取付物Yを取り付けているので、ジッパーテープ様の取付装置10でも、より安定して取り付けできる。
【0027】
そして、上記実施形態では、接合層24を設けている。
このため、接合層24を被取付面Xや被取付物Yに直接取り付けでき、被取付物Yを被取付面Xに容易に取り付けできる。
【0028】
また、上記実施形態では、被取付面Xに取り付ける際に剥離シート25を剥離し、露出させた接合層24を被取付面Xや被取付物Yに取り付けている。
このため、剥離シート25を剥離して接合層24を取り付ける簡単な一動作で取り付けできる。
【0029】
さらに、上記実施形態では、鉤部22に爪部22Cを設けている。
このため、係合溝23による係合とともに爪部22Cによる係合が得られ、別体のレール状物20(20B,20A)の鉤部22と、強固な係合が得られる。したがって、被取付物Yをより安定して取り付けできる。
【0030】
また、上記実施形態では、帯状基部21に係止部21Aを設けている。
このため、係合溝23に係合する別体のレール状物20(20B,20A)の鉤部22を、鉤部22と係止部21Aとにより挾持して係合することとなり、別体のレール状物20(20B,20A)の鉤部22と、がたつき無く強固な係合が得られる。したがって、被取付物Yをより安定して取り付けできる。さらに、別体のレール状物20(20B,20A)の鉤部22を係合溝23に係合させた際に、閉止感(クリック感)を付与でき、良好な装着感を提供でき、取り付けできたことの確認もできる。また、係止部21Aの形状を適宜設計することで、例えば鉤部22と係止部21Aとにより挾持する際の接地面積を調整できる。このことにより、第一のレール状物20Aに沿って被取付物Yを移動させる際の抵抗力も適宜調整できる。
特に、係止部21Aを爪部22Cに対向して設けているので、係止部21Aと爪部22Cとの係合により、別体のレール状物20(20B,20A)の鉤部22をより強固に係合できる。
【0031】
(変形例)
なお、本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した材質、層構成などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではない。このことから、それらの材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0032】
本発明において、レール状物20(20A,20B)を被取付面Xあるいは被取付物Yに取り付ける方法としては、上記実施形態の接合層24および剥離シート25を設けた構成に限られない。例えば、接着剤を帯状基部21に塗布して貼り付けたり、ビスや鋲などの取付部材にて取り付けたりしてもよい。
また、上記実施形態では、レール状物20(20A,20B)を2条設けて、被取付物Yを被取付面Xに取り付けたが、被取付物Yの大きさや重量などにより、1条のみあるいは3条以上設けてもよい。
【0033】
そして、レール状物20(20A,20B)は、例えば
図4に示すように、係止部21Aを設けない構成としたり、鉤部22に爪部22Cを設けない構成としたり、例えば
図5に示すように、係止部21Aも爪部22Cも設けない構成としてもよい。
さらに、レール状物20(20A,20B)としては、鉤部22を複数条設けてもよい。鉤部22を複数設けることで、レール状物20のより強固な係合が得られる。
また、爪部22Cは1条設ける場合に限らず、複数条設けてもよい。
さらに、係止部21Aについても、複数条設けてもよい。
【0034】
また、例えば
図6に示すように、レール状物20(20A,20B)の少なくともいずれか一方に、帯状基部21における鉤部22が突出する側の面に、鉤部22の腕部22Bが突出する側と反対側に位置して、長手方向に沿った突起部26を一連に設けてもよい。
この突起部26は、帯状基部21から鉤部22の突出する寸法と同寸法、もしくは若干短い寸法で形成されていることが好ましい。
この構成では、別体のレール状物20(20B,20A)に大きな荷重が作用すると、別体のレール状物20(20B,20A)が互いに係合する鉤部22を回転中心として回転する。このことにより、突起部26に別体のレール状物20(20B,20A)の帯状基部21が当接し、回転が規制され、鉤部22の係合解除を防止でき、レール状物20のより強固な係合が得られる。
【0035】
さらに、例えば
図7に示すように、鉤部22として、爪部22Cが突出する側と反対側に腕部22Bから突出する第二の爪部22Dを設けてもよい。
この第二の爪部22Dにより、特に係止部21Aが設けられた構成では、係止部21Aと第二の爪部22Dとの係合により、レール状物20のより強固な係合が得られる。
なお、取付装置10としては、同一断面構造のレール状物20(20A,20B)を用いる場合に限らず、
図7に示すように、鉤部22が異なるレール状物20(20A,20B)を用いてもよい。
【0036】
また、鉤部22を帯状基部21の長手方向で一連に設ける場合に限らず、長手方向でスリットを適宜間隔で設けた構成としてもよい。
このような構成によれば、曲率半径が小さい曲面にレール状物20(20B,20A)を取り付ける場合でも、スリット間が狭まったり広がったりすることで、より容易に被取付面Xに取り付けできる。
【0037】
さらに、本発明では、帯状基部21を多層構造としたり、ラミネートフィルムに接合した多層構造とした構成をも含むものである。
このように、他のフィルムに接合した構成とすることで、用途に応じて、帯状基部21の幅寸法を容易に設定できる。また、フィルムに複数条のレール状物20を設けることで、複数条の鉤部22を設けた構成や、鉤部22の間隔が異なる構成とした設計変更も容易にできる。