【解決手段】本発明の遊技機は、第1のライン上に第1の図柄表示パターンを揃えることが可能となる第1の役のフラグを含む複数種類の役のフラグのうちから1つの当せん役のフラグを抽せんする内部抽せんを行う内部抽せん部と、特別遊技状態において第2の役のフラグが成立した場合には、第2のライン上に第2の図柄表示パターンを揃えるための操作順を遊技者に報知するか否かの抽せんを行う操作順報知抽せん部と、第1の図柄表示パターンが第1のライン上に揃ったこと、および、第2の図柄表示パターンが第2のライン上に揃ったことのいずれかが連続して成立した場合の連続回数を計数する連続計数部とを備える。状態移行管理部は、連続回数が所定回数以上となった場合に、遊技者にとって有利な遊技進行制御を行う。
前記状態移行管理部は、前記連続回数が前記所定回数以上となった場合であって、かつ、前記特別遊技状態において前記第2の役のフラグが成立した場合に、前記特別遊技状態の遊技期間を延長させるか否かの抽せんを行う契機となる第3の図柄表示パターンを前記第1のライン上に揃えるための、前記第1の操作順とは異なる前記ストップスイッチの操作順(以下、「第2の操作順」という。)を前記遊技者に報知する、
請求項1に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
図1は、本発明の遊技機の実施形態としてのスロットマシンである。
スロットマシン1は、
図1に示すように、筐体10を備えている。この筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
【0012】
前面扉100は、その中央部分に透光性のリール窓200を備える。このリール窓200において、遊技者は、後述する各回転リール20の表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
【0013】
リール窓200の上方には、液晶表示部3と、電飾部(図示略)と、スピーカ(図示略)とが設けられている。液晶表示部3は、遊技中に各種の演出動画を表示する。電飾部は、所定の条件を満たした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。スピーカは、所定の条件を満たした場合に、所定のBGMおよびSE(サウンドエフェクト)を出力する。すなわち、遊技中の各種の演出は、液晶表示部3、電飾部、およびスピーカによって行われる。
【0014】
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、遊技媒体の一例としてのメダルを投入するための投入口41と、メダルをベットするためのベットスイッチ42と、各回転リール20を回転させるスタートスイッチとしてのレバー43と、各回転リール20に対応して設けられ回転中の各回転リール20を停止させるための各ストップスイッチ40とで構成されている。
【0015】
これらの操作部4の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。
また、投入口41にはメダルセンサ(図示略)が設けられている。メダルセンサは遊技者による投入口41へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。また、操作部4には、これらに加えて精算スイッチ(図示略)、および貯留メダル表示部(図示略)等が設けられている。
【0016】
さらに、操作部4の下部には、メダルを払い出すための払出口51と、払出口51から払い出されたメダルを貯留するための下皿52とが設けられている。
【0017】
図2は、スロットマシン1の機能ブロック図である。
図3は、スロットマシン1の回転リール20の図柄の配列を示す図である。また、
図4は、スロットマシンの有効ラインL1を示す模式図である。
【0018】
なお、本明細書においては、メダルの払い出しのある役に対応する図柄が有効ラインL1上に揃う場合だけではなく、メダルの払い出しのない役(例えば、リプレイ、ボーナス)に対応する図柄が有効ラインL1上に揃う場合も「入賞」と表記する。
【0019】
<遊技の説明>
スロットマシン1で遊技をするに当たって、遊技者は、まず、メダルを投入口41から投入する、あるいは、ベットスイッチ42を操作することにより貯留しているメダル(クレジット)を使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。
【0020】
ベットスイッチ42の操作信号は、所定の枚数のメダルが貯留されており、かつ、ベット受付期間において、ベットスイッチ42の操作が行われた場合(ベットスイッチがオンされた場合)に出力される。スロットマシン1に所定の枚数(例えば3枚)のメダルがベットされると、有効ラインL1が有効化される。これにより、レバー43の操作が可能な状態、すなわち、遊技が開始可能な状態になる。
【0021】
有効ラインL1は、例えば、
図4に示すように、水平方向の中段ライン1本で構成される。本実施形態では、Max Bet(マックスベット)となる3枚掛けをした場合に、1本の有効ラインL1(中段ライン)が有効化される。
【0022】
本実施形態における1ゲームとは、遊技者がベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40を操作して、遊技の結果を得る一連の動作をいう。具体的には、遊技が開始可能な状態でレバー43を操作すると、当せん役の内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインL1上に揃った(入賞した)図柄の組み合わせに応じて、所定の枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
【0023】
スロットマシン1は、前記のとおり、ベットスイッチ42、レバー43、およびストップスイッチ40のほか、
図2に示すように、回転リールユニット2と、スロットマシン1全体を制御する制御部6とを備えている。回転リールユニット2および制御部6は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示略)等とともに、筐体10の内部に配置されている。
【0024】
回転リールユニット2は、3つの回転リール20と、これらを駆動する3つのステッピングモータ21とで構成されている。この回転リールユニット2は、筐体10の内部の中央付近に配置されている。
【0025】
本実施形態におけるステッピングモータ21は、ストップスイッチ40が操作されてから、190m秒以内に回転リール20の回転を停止させるように設定されている。また、ステッピングモータ21は、504ステップで1回転し、回転リールを80回転/分の速度で回転させる。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップとなる。
【0026】
なお、内部抽せんにより第2種特別役物に係る役物連続作動装置(以下、MB)が当せんした場合には、所定条件を満たすまで(例えば、メダルが規定枚数払い出されるまで)、それ以降のゲームにおいて少なくとも1つの回転リール20およびステッピングモータ21の制御が変更される。これにより、遊技者がストップスイッチ40を押してから75m秒以内に対応する回転リール20の回転が停止される。
【0027】
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、後述する回転開始制御部611および回転停止制御部612によって、その回転および停止の制御がなされる。
【0028】
<制御部の説明>
制御部6は、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムおよびデータ等を記憶するROM、RAM等を備える。この制御部6は、
図2に示すように、主に、メイン制御部61と、サブ制御部62とで構成される。
【0029】
メイン制御部61は、遊技を進行させるための制御を行う。メイン制御部61は、遊技者による、ベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40への操作に基づいて、ステッピングモータ21の制御、および、回転リール20の回転開始または終了の制御を行う。
【0030】
また、サブ制御部62は、各種演出等を行うための制御を行う。サブ制御部62は、メイン制御部61から送信された信号に基づいて演出内容の決定をするとともに、液晶制御部621、電飾部、およびスピーカの制御、ならびに、決定された演出内容の出力といった制御を行う。
【0031】
(メイン制御部についての説明)
メイン制御部61は、
図2に示すように、内部抽せん部610、回転開始制御部611、回転停止制御部612、遊技結果判定部613、ホッパー制御部614、連続計数部615、状態移行管理部616、ART制御部617、および押し順報知抽せん部618で構成される。
【0032】
内部抽せん部610は、レバー43の操作信号に基づいて、回転リール20の図柄の組み合わせに対応する役の内部抽せんを行う。具体的には、レバー43の操作信号が出力されたときに取得される乱数と内部抽せんテーブルT1とに基づいて内部抽せんが行われる。これにより、当せん役が決定される。内部抽せんの結果は、内部抽せん結果信号として出力される。出力された内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から回転停止制御部612、遊技結果判定部613等に送信される。
内部抽せんテーブルT1の詳細については、後述する。
【0033】
回転開始制御部611は、レバー43の操作信号に基づいて、回転リールユニット2のステッピングモータ21を制御して回転リール20の回転を開始させる。なお、回転開始制御部611は、回転リール20が、例えば、80回転/分の速度で回転するように、ステッピングモータ21を制御する。
【0034】
回転停止制御部612は、回転リール検出部612aと、図柄判定部612bと、押し順判定部612cと、図柄テーブルT2とを備える。回転停止制御部612は、内部抽せん部610により出力された内部抽せん結果信号と遊技者によるストップスイッチ40の操作信号と図柄テーブルT2とに基づいて、回転リールユニット2のステッピングモータ21を制御する。そして、遊技者によるストップスイッチ40の操作のあと、190m秒以内に、対応する回転リール20の回転が停止する。
【0035】
一方、内部抽せんにより当せんした役がMBであった場合には、前述したとおり、回転停止制御部612は、MB中において、3つの回転リール20のうちの少なくとも1つの回転リール20の回転停止制御を変更する。
【0036】
回転リール検出部612aは、回転中の回転リール20の位置を検出する。具体的には、回転リール20の回転が開始されたあと、回転リール検出部612aは各回転リール20の基準点(図示略)の通過を検出する。各回転リール20の基準点の通過が検出されると、回転リール検出部612aは、各回転リール20の基準点が通過したことを表す検出信号を出力する。本実施形態のスロットマシン1では、有効ラインL1がスロットマシン1の絶対的な位置である検出位置として設定されている。また、検出信号は、各回転リール20の基準点がこの検出位置を通過するたびに検出される。
【0037】
また、回転リール検出部612aは、回転リール20の基準点が有効ラインL1を通過したことを示す検出信号を受信するたびに(すなわち、回転リールが1回転するたびに)、各ステッピングモータ21のステップ(以下、単にステップという)の計測値をゼロクリアし、再び0からステップを計測する。これにより、回転リール検出部612aは、各ステッピングモータ21のステップを計測する。
【0038】
また、回転リール検出部612aは、計測されたステップに基づいて、スロットマシン1における絶対的な位置である検出位置からの各回転リール20の基準点のステップを検出する。この検出された基準点のステップから、回転リール20の位置が検出される。検出された回転リール20の位置は、回転リール検出部612aによって、回転リール位置検出信号として出力される。なお、この回転リール検出部612aは、回転リール20の基準点が検出位置を通過したことを検出できる位置であれば、スロットマシン1の設計等に応じて任意に配置することができる。出力された検出信号は、回転リール検出部612aから制御部6に送信される。
【0039】
図柄判定部612bは、回転リール検出部612aにより出力された回転リール位置検出信号と、図柄テーブルT2とに基づいて、すべての回転リール20が停止したときの有効ラインL1上の図柄を判定する。この判定結果は、図柄判定部612bにより、図柄判定信号として出力される。
【0040】
押し順判定部612cは、3つのストップスイッチ40のいずれのストップスイッチ40が操作されたかを判定する。この判定結果は、押し順判定信号として回転リール20の回転停止制御に使用される。
【0041】
図柄テーブルT2は、内部抽せん部610の内部抽せんにより当せんした役とストップスイッチ40の操作信号が出力されたときの有効ラインL1上の図柄とに応じて定められている回転リール20の停止位置の情報を備える。この回転リール20の停止位置の情報には、内部抽せん部610の内部抽せんにより当せんした役とストップスイッチ40が操作されたときの回転リール20の位置とに応じた、ストップスイッチ40が操作されてから回転リール20が停止するまでのステッピングモータ21のステップの情報(図柄の滑りコマ数)が含まれる。
【0042】
回転リール20の回転停止制御は、回転停止制御部612によって、内部抽せん部610により出力された内部抽せん結果信号と、図柄判定部612bにより出力された図柄検出信号と、押し順判定部612cにより出力された押し順判定信号と、図柄テーブルT2とに基づいて行われる。
【0043】
例えば、当せんした役に対応する図柄が有効ラインL1上に揃うように回転リール20の回転停止制御(いわゆる引き込み制御)、あるいは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ラインL1上に揃わないように回転リール20の回転停止制御(いわゆる蹴飛ばし制御)が行われる。回転停止制御部612は、この回転リール20の回転停止制御の結果を回転リール停止信号として出力する。出力された回転リール停止信号は、回転停止制御部612から遊技結果判定部613等に送信される。
【0044】
内部抽せん結果信号と、図柄検出信号と、図柄テーブルT2とに加えて、さらに、押し順判定部612cから出力される押し順判定信号と、図柄判定部612bから出力された図柄判定信号とに基づいて、回転リール20の回転停止制御が行われる。
【0045】
遊技結果判定部613は、内部抽せん部610から出力された内部抽せん結果信号と、図柄判定部612bから出力された図柄判定信号とに基づいて、遊技の結果を判定する。すなわち、遊技結果は、有効ラインL1上に揃った図柄に基づいて、当せん役が入賞したか否かを判定する。具体的には、遊技結果判定部613は、有効ラインL1上に停止した図柄の組み合わせが所定の図柄の組み合わせと一致した場合に当せん役が入賞したと判定する。この判定結果は、遊技結果判定信号として出力される。出力された遊技結果判定信号は、遊技結果判定部613からホッパー制御部614およびサブ制御部62に送信される。
【0046】
ホッパー制御部614は、遊技結果判定部により出力された遊技結果判定信号、あるいは操作部4の精算スイッチ(図示略)を操作することにより出力される操作信号に基づいて、ホッパーユニット(図示略)を制御する。これにより、メダルの払い出しが行われる。遊技結果判定信号に基づいて払い出されたメダル(役の当せん、入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。
【0047】
メダルが貯留された結果、クレジットの上限(例えば50枚)を超える場合には、ホッパー制御部614によりホッパーユニットが制御される。すなわち、クレジットの上限を超えた分のメダルがホッパーユニットから払い出される。また、1枚以上の貯留メダルがある場合(クレジットが1以上の場合)に精算スイッチが操作された場合には、ホッパー制御部614によりホッパーユニットが制御され、貯留されているメダルがホッパーユニットから払い出される。
【0048】
連続計数部615は、右下がりベル(後述)が揃ったこと、および、ベル揃い型リプレイ(後述)が無効ラインL2上に揃ったことのいずれかの連続回数を計数する。連続計数部615は、右下がりベルが揃わず、かつ、ベル揃い型リプレイが無効ラインL2上に揃わなかった場合、および、連続回数が所定回数以上となった場合のいずれかが成立した場合に、連続回数をゼロクリアする。
【0049】
状態移行管理部616は、遊技状態を、通常遊技状態と、通常遊技状態とは異なる特別遊技状態(本実施形態では、ART遊技状態)との間で切り替える。具体的には、通常遊技状態中にレア役に当せんした場合にART抽せんが行われる。このART抽せんに当せんした場合、状態移行管理部616はART抽せん結果信号をART制御部617等に送信する。
【0050】
また、状態移行管理部616は、連続計数部615により計数される連続回数が所定回数(例えば、5回)以上となった場合(以下、「ベル連」という。)に、遊技者にとって有利なゲーム進行制御(本実施形態では、チェリー高確率状態制御)を行う。また、状態移行管理部616は、連続回数が所定回数以上となった場合に何ゲーム後から何ゲームの間チェリー高確率状態制御を維持するかを抽せんする。
【0051】
ART制御部617は、状態移行判定部から送信されたART抽せん結果信号を受信する。その後、数ゲームの前兆演出を経て、ART制御部617は、遊技状態を通常遊技状態からART遊技状態(特別遊技状態)に移行させる。このART遊技状態は、ART抽せんに当せんした後に移行したRT3(高RT)中において、例えば内部抽せんにより押し順ベルが当せんした場合に、右下がりベルを入賞させるための正解押し順を報知(押し順ナビ)するという遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0052】
状態移行管理部616から出力されたART抽せん結果信号に基づいて、遊技状態を通常遊技状態からART遊技状態に移行させる場合、ART制御部617は、ART準備信号を生成する。生成されたART準備信号は、ART制御部617からサブ制御部62に送信される。
【0053】
押し順報知抽せん部618は、ベル連が成立し、かつ、ART遊技状態中(RT3(高RT)中)に
図6に示す押し順弱チェリプ、押し順強チェリプA、Bのいずれか(以下、「押し順チェリーリプレイ」という。)が当せんした場合に、遊技者に中のストップスイッチ40bから操作すべきであること(第1の操作順)を報知するか否かを抽せんする。この抽せんにより、遊技者に第1の操作順を報知することが決定された場合には、押し順報知抽せん部618はその抽せん結果を押し順報知信号としてサブ制御部62に送信する。
【0054】
また、押し順報知抽せん部618は、ベル連が成立し、かつ、ART遊技状態中に押し順チェリーリプレイが当せんした場合には、遊技者に左のストップスイッチ40aから操作すべきであること(第2の操作順)を報知する。
【0055】
(RT遷移および内部抽せんテーブルの説明)
スロットマシン1は、
図5、
図6に示すように、RT遷移としてリプレイ当せん確率が種々異なるRT0〜RT5を備える。
【0056】
RT0(非RT)は、スロットマシン1の設定変更が行われた後に移行する遊技状態である。その他、後述するRT1(通常RT)においてRT0移行リプレイ(
図6におけるRT1用押し順リプに含まれる役)が入賞した場合、RT2(高RT)においてRT0移行リプレイ(RT2用押し順リプに含まれる役)が入賞した場合、RT3(高RT)においてRT0移行リプレイ(RT3用押し順リプに含まれる役)が入賞した場合、RT5(MB中)においてMBが終了した場合に、遊技状態はRT0(非RT)へと移行する。
【0057】
RT0(非RT)において、いずれかの押し順ベル(後述)が当せんしたが、遊技者によるストップスイッチ40の押し順が不正解であって、かつ、遊技者によるストップスイッチ40の押下タイミングが適切ではなかった場合には、ベルこぼし目が揃う。この場合には、遊技状態はRT1(通常RT)へと移行する。ベルこぼし目とは、有効ラインL1上において、例えば、左の回転リール20aに「リプA」、中の回転リール20bに「セブン」、右の回転リール20cに「チェリー」が停止する状態のことをいう。
【0058】
また、RT2(高RT)あるいはRT3(高RT)において、いずれかの押し順ベルが当せんしたが、遊技者によるストップスイッチ40の押し順が不正解であって、かつ、遊技者によるストップスイッチ40の押下タイミングが適切ではなかった場合には、ベルこぼし目が揃う。この場合には、遊技状態はRT1(通常RT)へと移行する。
【0059】
RT1(通常RT)において、RT1用押し順リプが当せんし、かつ、遊技者によるストップスイッチ40の押し順が正解であったことによりRT2移行リプレイが入賞した場合には、遊技状態はRT2(高RT)へと移行する。
【0060】
RT2(高RT)において、RT2用押し順リプが当せんし、かつ、遊技者によるストップスイッチ40の押し順が正解であったことによりRT3移行リプレイが入賞した場合には、遊技状態はRT3(高RT)へと移行する。
【0061】
RT0(非RT)、RT1(通常RT)、RT2(高RT)およびRT3(高RT)のいずれかの遊技状態において、「MB+弱スイカ」が当せんして弱スイカが入賞した場合、あるいは「MB+弱チャンス目リプ」が当せんして弱チャンス目リプが入賞した場合には、遊技状態はRT4(内部中RT)へと移行する。
【0062】
一方、RT0(非RT)、RT1(通常RT)、RT2(高RT)およびRT3(高RT)のいずれかの遊技状態において、「MB+弱スイカ」が当せんしたにもかかわらず、弱スイカが入賞しなかった場合には、弱スイカこぼし目が入賞する。この場合には、遊技状態はRT5(MB中)へと移行する。一方、「MB+弱チャンス目リプ」が当せんした場合には、弱チャンス目リプが必ず入賞する。
【0063】
RT4(内部中RT)において、純はずれが当せんした場合には、MBが入賞し、遊技状態はRT5(MB中)へと移行する。
一方、RT4(内部中RT)において純はずれ以外の役が当せんした場合には、当せん役が優先して引き込まれるため、MBが入賞することはない。この場合には、RT4(内部中RT)の状態が継続する。RT4(内部中RT)は、純はずれに当せんする確率が1/50と低く設定されているため、他の遊技状態と比べて相対的にメダルの払い出しのある役が当せんする可能性が高い。そのため、RT4(内部中RT)においては、遊技者はメダルが減りにくい状態で遊技を進めることができる。
【0064】
図6は、RT0(非RT)〜RT5(MB中)において当せんする可能性のある役が示された内部抽せんテーブルT1である。内部抽せんテーブルT1には、レバー43の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する数値範囲が記憶されている(図示略)。そして、内部抽せん部610は、取得された乱数が内部抽せんテーブルT1に記憶された数値範囲のいずれに属するかによって当せん役を決定する。
【0065】
図6を用いて、各遊技状態において当せんする可能性のある役について説明する。
【0066】
(RT0(非RT)において当せん可能な役について)
図6に示すとおり、RT0(非RT)においては、純はずれ、押し順ベル、押し順不問ベル、弱スイカ、MB(単独では成立せず、必ず弱スイカなどと重複当せんする。)、強スイカ、中段チェリー、リプレイ、弱チャンス目リプ、強チャンス目リプ、弱チェリプ、強チェリプA、強チェリプBが当せんする可能性がある。
【0067】
内部抽せんにより純はずれが当せんした場合には、遊技者によるストップスイッチ40の押下タイミングおよび押し順にかかわらず、メダルの払い出しが行われることがない。また、純はずれが当せんした場合には、次の遊技で再遊技(メダルがベットされることなく遊技が行われること)が実行されることもない。
【0068】
押し順ベル(第1の役)は、遊技者が正解の押し順でストップスイッチ40を押した場合に、入賞させることが可能な役である。押し順ベルが当せんし、かつ、遊技者が正解の押し順でストップスイッチ40を押した場合には、有効ラインL1上において、例えば、左の回転リール20aに「リプA」、中の回転リール20bに「ベル」、右の回転リール20cに「チェリー」を停止させることができる。これにより、右下がりにベル(以下、「右下がりベル」という。)が揃う。
【0069】
本実施形態のスロットマシン1は3つの回転リール20を備えているため、押し順のパターンとしては、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、「右中左」の6通りがある。この6通りの押し順のうち、遊技者の押し順が正しい場合には、遊技者は目押しをすることなく、右下がりベルを入賞させることができる。
【0070】
一方、押し順ベルが当せんし、かつ、遊技者が不正解の押し順でストップスイッチ40を押した場合には、有効ラインL1上において、例えば、左の回転リール20aに「リプA」、中の回転リール20bに「セブン」、右の回転リール20cに「セブン」を停止させることができる。これにより、上段ラインにベルが揃う。また、押し順ベルが揃わなかった場合において、ストップスイッチ40の押下タイミングによっては、ベルこぼし目の図柄が揃う可能性がある。
【0071】
押し順不問ベル(第1の役)は、前記押し順ベルとは異なり、遊技者による回転リール20の押し順にかかわらず入賞する役である。押し順不問ベルに当せんした場合には、遊技者は目押しをすることなく、有効ラインL1上において、左の回転リール20aに「リプA」、中の回転リール20bに「ベル」、右の回転リール20cに「チェリー」を停止させることができる。これにより、右下がりベルが揃う。
【0072】
弱スイカは、いわゆる目押しが必要となるレア役である。弱スイカが当せんした場合には、遊技者は目押しをすることにより、有効ラインL1上において、例えば、左の回転リール20aに「ベル」、中の回転リール20bに「スイカ」、右の回転リール20cに「セブン」を停止させることができる。
【0073】
弱スイカと重複当せんするMBについて説明する。
MBが当せんし、その後の遊技において純はずれが当せんした場合、有効ラインL1上において、例えば、左の回転リール20aに「リプA」、中の回転リール20bに「リプA」、右の回転リール20cに「チェリー」を停止させることができる。なお、弱チャンス目リプ(後述)と重複当せんするMBについても、弱スイカと重複当せんするMB同様の構成が採用される。
【0074】
強スイカも、弱スイカ同様、目押しが必要となるレア役である。強スイカが当せんした場合には、遊技者は目押しをすることにより、有効ラインL1上において、左の回転リール20aに「スイカ」、中の回転リール20bに「スイカ」、右の回転リール20cに「スイカ」を停止させることができる。
【0075】
中段チェリーも、弱スイカおよび強スイカ同様、目押しが必要となるレア役である。そして、中段チェリーが当せんした場合には、遊技者は目押しをすることにより、有効ラインL1上において、左の回転リール20aに「チェリー」を停止させることができる。この場合には、左の回転リール20a以外の、中の回転リール20bおよび右の回転リール20cにおいてはいかなる図柄が止まっても中段チェリーを入賞させることができる。
【0076】
リプレイは、次ゲームにおいて遊技者がメダルをベットしなくても遊技を実行することが可能となる役である。そして、リプレイが当せんした場合には、遊技者は目押しをすることなく、有効ラインL1上において、例えば、左の回転リール20aに「ベル」、中の回転リール20bに「リプA」、右の回転リール20cに「チェリー」を停止させることができる。
【0077】
弱チャンス目リプは、リプレイ同様、次ゲームにおいて遊技者がメダルをベットしなくても遊技を実行することが可能となる役である。そして、弱チャンス目リプが当せんした場合には、遊技者は目押しをすることなく、有効ラインL1上において、左の回転リール20aに「ベル」、中の回転リール20bに「リプA」、右の回転リール20cに「チェリー」を停止させることができる。
【0078】
弱チェリプは、リプレイ同様、次ゲームにおいて遊技者がメダルをベットしなくても遊技を実行することが可能となる役である。そして、弱チェリプが当せんした場合には、遊技者は目押しをすることで、有効ラインL1上において、例えば、左の回転リール20aに「BAR2」、中の回転リール20bに「チェリー」、右の回転リール20cに「チェリー」を停止させることができる。
【0079】
強チェリプA、Bは、弱チェリプ同様、次ゲームにおいて遊技者がメダルをベットしなくても遊技を実行することが可能となる役である。
【0080】
強チェリプAが当せんした場合には、遊技者は目押しすることで、有効ラインL1において、例えば、左の回転リール20aに「BAR2」、中の回転リール20bに「チェリー」、右の回転リール20cに「ベル」を停止させることができる。
【0081】
また、強チェリプBが当せんした場合には、遊技者は目押しすることで、有効ラインL1において、例えば、左の回転リール20aに「BAR2」、中の回転リール20bに「ベル」、右の回転リール20cに「スイカ」を停止させることができる。
【0082】
(RT1(低RT)における当せん可能性役)
図6に示すとおり、RT1(通常RT)においては、純はずれ、押し順ベル、押し順不問ベル、弱スイカ、MB(弱スイカなどと重複当せん)、強スイカ、中段チェリー、弱チャンス目リプ、強チャンス目リプ、弱チェリプ、強チェリプA、強チェリプB、およびRT1用押し順リプが当せんする可能性のある役である。
【0083】
RT1用押し順リプは、リプレイ同様、次ゲームにおいて遊技者がメダルをベットすることなく遊技を実行することが可能となる役である。このRT1用押し順リプは押し順ごとに有効ラインL1上に揃う図柄があらかじめ定められている。そして、正解の押し順で遊技者がストップスイッチ40を押すことで、RT遷移のためのいわゆる昇格リプ(RT2移行リプレイ)に対応する図柄が有効ラインL1上に揃う。
その他の役は、RT0(非RT)中の役と同様であるため、説明を省略する。
【0084】
(RT2(高RT)における当せん可能性役)
RT2(高RT)においては、押し順ベル、押し順不問ベル、弱スイカ、MB(弱スイカなどと重複当せん)、強スイカ、中段チェリー、弱チャンス目リプ、強チャンス目リプ、弱チェリプ、強チェリプA、強チェリプB、およびRT2用押し順リプが当せんする可能性のある役である。
【0085】
RT2用押し順リプは、リプレイ同様、次ゲームにおいて遊技者がメダルをベットすることなく遊技を実行することが可能となる役である。このRT2用押し順リプは押し順ごとに有効ラインL1上に揃う図柄があらかじめ定められている。そして、正解の押し順で遊技者がストップスイッチ40を押すことで、RT遷移のための昇格リプ(RT3移行リプレイ)に対応する図柄が有効ラインL1上に揃う。
その他の役は、RT0(非RT)中の役と同様であるため、説明を省略する。
【0086】
(RT3(高RT)における当せん可能性役)
RT3(高RT)においては、押し順ベル、押し順不問ベル、弱スイカ、MB(弱スイカなどと重複当せん)、強スイカ、中段チェリー、弱チャンス目リプ、強チャンス目リプ、弱チェリプ、強チェリプA、強チェリプB、押し順弱チェリプ、押し順強チェリプA、押し順強チェリプB、およびRT3用押し順リプが当せんする可能性のある役である。
【0087】
押し順弱チェリプ(第2の役)は、弱チェリプ同様、次ゲームにおいて遊技者がメダルをベットしなくても遊技を実行することが可能となる役である。そして、押し順弱チェリプが当せんし、かつ、最初に左のストップスイッチ40aが操作された場合には、弱チェリプと同じ図柄を有効ラインL1上に揃えることができる。また、押し順弱チェリプが当せんし、かつ、最初に中のストップスイッチ40bが操作された場合には、ベル揃い型リプレイの図柄を無効ラインL2上に揃えることができる。一方、押し順弱チェリプが当せんし、かつ、最初に右のストップスイッチ40cが操作された場合には、右下がりリプレイの図柄を有効ラインL1上に揃えることができる。前述したいずれの図柄表示パターンであっても、再遊技が行われる。
【0088】
なお、ベル揃い型リプレイは、有効ラインL1上において、例えば、左の回転リール20aに「スイカ」、中の回転リール20bに「リプレイA」、右の回転リール20cに「チェリー」が停止した場合に入賞する役である。
【0089】
押し順強チェリプA(第2の役)は、押し順弱チェリプ同様、次ゲームにおいて遊技者がメダルをベットすることなく遊技を実行することが可能となる役である。押し順強チェリプAが当せんし、かつ、最初に左のストップスイッチ40aが操作された場合に、強チェリプAと同じ図柄を揃えることができること以外、押し順弱チェリプと同様である。
【0090】
押し順強チェリプB(第2の役)は、押し順弱チェリプ同様、次ゲームにおいて遊技者がメダルをベットすることなく遊技を実行することが可能となる役である。押し順強チェリプBが当せんし、かつ、最初に左のストップスイッチ40aが操作された場合に、強チェリプBと同じ図柄を揃えることができること以外、押し順弱チェリプと同様である。
【0091】
RT3用押し順リプは、リプレイ同様、次ゲームにおいて遊技者がメダルをベットすることなく遊技を実行することが可能となる役である。このRT3用押し順リプは押し順ごとに有効ラインL1上に揃う図柄があらかじめ定められている。そして、遊技者が正解の押し順でストップスイッチ40を押すことで、RT遷移するいわゆる降格リプ(RT0移行リプレイ)に対応する図柄が有効ラインL1上に揃う。
その他の役は、RT0(非RT)中の役と同様であるため、説明を省略する。
【0092】
(RT4(内部中RT)において当せん可能な役)
RT4(内部中RT)においては、純はずれ、押し順ベル、押し順不問ベル、弱スイカ、強スイカ、中段チェリー、弱チャンス目リプ、強チャンス目リプ、弱チェリプ、強チェリプA、強チェリプB、内部中リプA、および内部中リプBが当せんする可能性のある役である。
【0093】
RT4(内部中RT)における押し順ベルは、押し順の概念がなくなっており、ストップスイッチ40に対していかなる押し順を行っても、必ず右下がりベルが入賞するようにリール制御される。
【0094】
内部中リプA、Bは、リプレイ同様、次ゲームにおいて遊技者がメダルをベットすることなく遊技を実行することが可能となる役である。
【0095】
内部中リプAが当せんした場合には、最初に操作されるストップスイッチ40によって図柄の停止形が異なる。すなわち、最初に左のストップスイッチ40aが操作された場合には、有効ラインL1上にリプレイが揃う。最初に中のストップスイッチ40bが操作された場合には、無効ラインL2上にベル揃い型リプレイが揃う。また、最初に右のストップスイッチ40cが操作された場合には、右上がりリプレイが揃う。
【0096】
同様に、内部中リプBが当せんした場合にも、最初に操作されるストップスイッチ40によって図柄の停止形が異なる。すなわち、最初に左のストップスイッチ40aが操作された場合には、有効ラインL1上にリプレイが揃う。最初に中のストップスイッチ40bが操作された場合には、無効ラインL2上にベル揃い型リプレイが揃う。また、最初に右のストップスイッチ40cが操作された場合には、右上がりリプレイが揃う。
その他の役は、RT0(非RT)と同様であるため、説明を省略する。
【0097】
(RT5(MB中)において当せん可能な役)
RT5(MB中)においては、全役のみが当せんする可能性のある役である。実際には、内部抽せん部610においてはそれ以外の役の抽せんも行われているが、本実施形態では、その内部抽せん結果は当せん役の情報として使用されることがない。
【0098】
全役は、遊技者が目押しをすることなく、有効ラインL1上において、例えば、左の回転リール20aに「リプレイA」、中の回転リール20bに「スイカ」、右の回転リール20cに「チェリー」を停止させることができる役である。
【0099】
(サブ制御部についての説明)
サブ制御部62は、
図2に示すように、演出制御部620と、液晶制御部621とを備える。演出制御部620は、例えば、内部抽せん部610から出力される内部抽せん結果信号等に応じて、1ゲームごとに、演出パターンを選択する。
【0100】
演出パターンの選択は、当せんした役、あるいは遊技状態等に対応する演出の内容が記憶されているテーブル(演出テーブルT3)に基づいて行われる。演出制御部620は、選択された演出パターンに基づいて、液晶制御部621、電飾部、およびスピーカを制御して、演出を出力する。
【0101】
また、演出テーブルT3は、例えば、所定の役に当せんした場合、あるいは、ART抽せんに当せんした場合に選択される可能性がある前兆演出テーブルを含む。前兆演出テーブルとは、前兆演出が行われる所定の遊技期間(前兆演出期間)にのみ選択される演出テーブルに記憶されている領域の一つである。また、前兆演出とは、遊技状態が有利状態に移行する期待度を示唆する演出の一つである。
【0102】
液晶制御部621は、演出制御部620等からの信号を受けて、液晶表示部3にて表示される映像の制御を行う。
【0103】
<遊技処理についての説明>
以下に、スロットマシン1におけるART遊技状態中の遊技処理について説明する。
図7に示すように、遊技者によりベットスイッチ42の操作が行われると、ベットスイッチ42の操作信号が出力される(ステップS10)。
【0104】
ベットスイッチ42の操作信号が出力されたのち、遊技者によりレバー43が操作(レバーオン)されると、レバー43の操作信号が出力される(ステップS11)。レバー43の操作信号が出力されると、内部抽せん部610が、当せん役の内部抽せんを行う(ステップS12)。
【0105】
ついで、押し順チェリーリプレイが当せんし、かつ、無効ラインL2上にベル揃い型リプレイが入賞した場合、および、押し順ベルあるいは押し順不問ベル(右下がりベル)が入賞した場合のいずれかが5回連続で発生している状態であるベル連が成立しているか否かが判断される(ステップS13)。
【0106】
ベル連が成立している場合(S13:YES)には、チェリー高確率制御がなされる(ステップS14)。この状態において、押し順チェリーリプレイのいずれかが当せんした場合には、液晶表示部3に左のストップスイッチ40aから操作すべき旨(第2の操作手順)が報知される。この報知に従って、遊技者が左のストップスイッチ40aから押下した場合には、弱チェリプと同様の図柄が有効ラインL1上に揃い、ART上乗せ当せん確率が高確率に設定されたART上乗せ抽せんが行われる。なお、このチェリー高確率制御が何ゲームの間継続されるかについての条件は、ベル連が成立した際に状態移行管理部616が抽せんを行って決定する。ステップS14のあとは1ゲームの遊技処理が終了したのち、ART遊技状態が続く限り、処理はステップS10へと戻る。
【0107】
一方、ベル連が成立していない場合(S13:NO)には、押し順チェリーリプレイが当せんしたか否かが判断される(ステップS15)。押し順チェリーリプレイが当せんしていなかった場合(S15:NO)には、通常のゲーム処理がなされる(ステップS16)。ステップS16のあとは1ゲームの遊技処理が終了したのち、ART遊技状態が続く限り、処理はステップS10へと戻る。
【0108】
押し順チェリーリプレイが当せんしている場合(S15:YES)には、無効ラインL2上にベル揃い型リプレイを揃えるための押し順(第1の操作順)を報知するか否かが判定される(ステップS17)。
【0109】
無効ラインL2上にベル揃い型リプレイを揃えるための押し順を報知しないことが決定された場合(S17:NO)には、遊技者には当該押し順は報知されない(ステップS18)。一方、無効ラインL2上にベル揃い型リプレイを揃えるための押し順を報知することが決定された場合(S17:YES)には、当該押し順が遊技者に報知される(ステップS19)。ステップS18、S19のあとはいずれにおいても、1ゲームの遊技処理が終了したのち、ART遊技状態が続く限り、処理はステップS10へと戻る。
【0110】
<本発明における遊技進行についての説明>
本実施形態のスロットマシン1における遊技進行について説明する。
RT0〜RT2においてART抽せんに当せんした後、遊技状態がRT3(高RT)に移行した場合に、本発明が適用される。
【0111】
遊技状態がART遊技状態中(RT3中)であって、押し順チェリーリプレイが当せんし、かつ、操作順報知抽せん部618による抽せんにより押し順(第1の操作順)を報知することが決定された場合に、液晶表示部3に中のストップスイッチ40bから操作すべきことが報知される。遊技者が中のストップスイッチ40bから操作した場合、残りのストップスイッチ40a、40cの押し順にかかわらず、ベル揃い型リプレイが入賞する。
【0112】
このART遊技状態中(RT3中)に、ベル連が成立した場合、遊技状態がチェリー高確率状態となる。この場合には、チェリー高確率状態制御がなされる前とは異なり、さらに押し順チェリーリプレイが当せんすると、左のストップスイッチ40aから操作すべきこと(第2の操作順)の報知がなされる。
【0113】
報知された押し順どおりに遊技者が左のストップスイッチ40aから押下した場合、押し順チェリーリプレイのうち当せんした役に応じて、弱チェリプ、強チェリプA、Bのいずれか(チェリーリプレイ)が入賞する。これらのチェリーリプレイが入賞した場合、ARTの上乗せ抽せん当せん確率が高確率に設定されたART上乗せ抽せんがなされるため、遊技者にとって有利な状態となる。
【0114】
また、状態移行管理部616は、ART中に押し順チェリーリプレイが当せんした場合、対応するチェリーリプレイと同じ図柄を有効ラインL1に揃えるための操作順を遊技者に報知するための条件をも抽せんする。すなわち、ベル連が成立したゲームの「何ゲーム後」から「何ゲーム間」で第2の操作順を報知するかの条件が抽せんされる。例えば、ベル連が成立した「次のゲーム」から「10ゲームの間」第2の操作順を報知する場合などがある。
【0115】
<作用効果>
以上のとおり、本発明によれば、遊技性に幅を広げつつ、遊技者が期待感を持って遊技を行うことができる遊技機を提供することができる。
【0116】
(他の実施形態)
前記実施形態では、ベルの種類として押し順ベルおよび押し順不問ベルが記載されているが、ベルの種類は押し順ベルのみ、あるいは、押し順不問ベルのみであってもよい。
また、前記実施形態では、押し順ベルあるいは押し順不問ベルが入賞した場合の連続回数を計数する例を記載したが、入賞していなくとも、これらが当せんしたことを契機として、連続回数が計数されてもよい。
【0117】
前記実施形態では、ART遊技状態中に押し順チェリーリプレイが当せんした場合にベル揃い型リプレイを揃えるための押し順を報知する例を記載したが、本発明はこれには限られない。ART遊技状態中に限らず通常遊技状態中(例えば、RT0中)であっても、押し順報知抽せん部は押し順チェリーリプレイが当せんした場合にベル揃い型リプレイを揃えるための押し順を報知するか否かの抽せんを行ってもよい。
【0118】
同様に、ART遊技状態中に限らず通常遊技状態中であっても、連続回数が所定回数以上となったのちに特定の役が成立した場合に、押し順報知抽せん部が第3の図柄表示パターンを停止させるための押し順を報知するか否かの抽せんを行うことができる。この場合において、第2の操作順に従ってストップスイッチが押下された場合には、例えば、ART当せん確率が高い状態でART抽せんが行われるといった有利な遊技進行制御処理がなされる。
【0119】
また、前記実施形態では、連続回数が所定回数以上となった場合であって、押し順チェリーリプレイが当せんした場合に、遊技者にとって有利な遊技状態とするための押し順を報知する例が記載されているが、本発明はこれには限られない。すなわち、押し順チェリーリプレイ以外の役が当せんして場合に、遊技者にとって有利な遊技状態とするための押し順を報知してもよい。
【0120】
前記実施形態では、連続計数部が押し順ベルあるいは押し順不問ベルが揃った場合(右下がりベル)、または押し順チェリーリプレイが当せんしてベル揃い型リプレイが揃った場合に連続回数が計数される例を記載したが、本発明はこれには限られない。すなわち、ベルに限らず、他の役(例えば、スイカ、チェリー)が入賞した場合に、連続計数部が連続回数を計数してもよい。
【0121】
前記実施形態では、第1のライン(有効ラインL1)を中段の1ラインとしたが、本発明はこれには限られない。複数のラインが有効ラインL1となってもよい。
【0122】
同様に、前記実施形態では、第2のライン(無効ラインL2)も下段の1ラインとしたが、本発明はこれには限られず、複数のラインによって無効ラインL2が構成されていてもよい。
【0123】
また、前記実施形態では、右下がりベルの入賞およびベル揃い型リプレイの入賞のいずれかの連続回数が5回となったときに遊技状態がチェリー高確率状態となる例を記載したが、本発明はこれには限られない。すなわち、チェリー高確率状態を発動するための右下がりベルの入賞およびベル揃い型リプレイの入賞の連続回数をいくつ以上とするかについて、抽せんにより決定することもできる。この抽せんは、例えば、押し順報知抽せん部あるいは状態移行管理部で行うことができる。
【0124】
さらに、前記実施形態では、第1の図柄表示パターンと第2の図柄表示パターンとは同一の図柄表示パターン(ベルが直線上に並ぶ3連ベル)である例を記載したが、本発明はこれには限られない。すなわち、第1の図柄表示パターンと第2の図柄表示パターンとが互いに異なる図柄表示パターンであってもよい。また、第3の図柄表示パターンはチェリーリプレイと同様の図柄表示パターン(左の回転リールの下段にチェリーが停止)である例を記載したが、本発明はこれには限られない。すなわち、第3の図柄表示パターンが、左の回転リールの中段にチェリーが停止するパターン、あるいは、有効ライン上にスイカが停止するパターンなどであってもよい。
【0125】
また、特定役(例えば、中段チェリー)が当せんした場合は、つぎに押し順チェリーリプレイに当せんしたときには必ずベル揃い型リプレイに対応する図柄が揃うように押し順が報知されてもよい。
【0126】
また、前記実施形態とは異なり、MBの内部中(RT4)においても押し順チェリーリプレイが当せんするように構成することもできる。そして、MBの内部中に押し順チェリーリプレイが当せんした場合には、押し順報知抽せん部が抽せんをすることなく必ずベル揃い型リプを揃えるための押し順を報知してもよい。この場合には、押し順の概念がなくなった押し順ベルが当せんする可能性のあるMB内部中において、右下がりベルあるいはベル揃い型リプが当せんしやくなるため、よりいっそう、遊技者にとって有利な遊技状態を作り出すことができる。
【0127】
また、MB中(RT5)において内部抽せんにより所定の役(例えば、レア役)が当せんし、かつ、押し順チェリーリプレイが当せんした場合に、ベル揃い型リプレイを入賞させるための押し順を報知するか否かの抽せんを押し順報知抽せん部が行ってもよい。
【0128】
また、前記実施形態では、連続回数が5回となった場合に連続回数がゼロクリアされる例を記載したが、本発明はこれには限られない。例えば、連続回数が多くなれば多くなるほどART遊技期間が上乗せされる確率が高くなるようにすることもできる。さらには、例えば、連続回数が10回となったときにART遊技期間の上乗せが確定するようにしてもよい。