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  • 特開2017014846-重量物の保管取り扱い装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-14846(P2017-14846A)
(43)【公開日】2017年1月19日
(54)【発明の名称】重量物の保管取り扱い装置
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/08 20060101AFI20161222BHJP
【FI】
   E04F19/08 103M
   E04F19/08 C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-134845(P2015-134845)
(22)【出願日】2015年7月5日
(11)【特許番号】特許第5942025号(P5942025)
(45)【特許公報発行日】2016年6月29日
(71)【出願人】
【識別番号】515184606
【氏名又は名称】株式会社宮昌工業
(74)【代理人】
【識別番号】100076082
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 康文
(72)【発明者】
【氏名】宮城 哲人
(57)【要約】
【課題】多種類の重い治工具や材料を常時可視化でき、しかも効率よくかつ安全に作業できる装置を実現する。
【解決手段】鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持するベッドを複数台有するので、複数種類の平板状の重量物を分類し整理して支持できる。しかも各ベッドの内端を別々に鉛直の軸を中心にして回動可能に支持したので、重量物の出し入れに際して各ベッドを独立して軽い力で円滑に回動できる。また、外端に別々に設けた脚の下端の少なくとも両端に車輪を設けたので、軽い力で容易に回動できる。多面筒体又は放射多面体の場合は、各面に重量物の治工具又は材料を支持すると、常に見える状態となり、可視化が可能で効率よく安全に作業できる。しかも、板厚を厚くすれば、重量物でも容易に支持可能。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直の軸心を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視化できるように露出させ又は容易に露出できるように支持可能としたことを特徴とする重量物の保管取り扱い装置。
【請求項2】
鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持するベッドを複数台有し、しかも各ベッドの内端を別々に鉛直の軸を中心にして回動可能に支持し、外端に高さの異なる脚を別々に設け、各脚の下端の少なくとも両端に車輪を設けたことを特徴とする請求項1に記載の重量物の保管取り扱い装置。
【請求項3】
鉛直の中心の回りに回動する多面筒体又は前記中心の位置で交差する放射多面体を有し、各面に、重量物の治工具又は材料を可視状態で支持可能としたことを特徴とする請求項1に記載の重量物の保管取り扱い装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄工所などにおいて、治工具や材料などの重量物を整理保管したり取り出すなどの取り扱いを可視化して効率よく簡便にかつ安全に行える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
床下回転収納庫などに利用される回転収納庫の構造を簡略化し、大幅なコストダウンを図るべく、複数個のコンテナ単体をコンテナ間連結手段により垂直軸心の周囲で環状に連結することによって、当該垂直軸心の周りで自転可能に構成された環状コンテナから成る回転収納庫を構成し、全てのコンテナ単体又は適当間隔おきに位置するコンテナ単体には、その外周辺と内端側の両方に、前記垂直軸心と直交する水平軸線と同心状に内輪と外輪とを軸支した構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5168441 号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記のような構造では、コンテナに収納する構造になっているので、収納している物品が見えず不便であり、また重量物を整理保管できるように頑丈にはできていない。鉄工所などにおいては、多種類の治工具や材料を扱うが、これらを分かり安く整理して効率よくかつ安全に作業できるようにする必用がある。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、多種類の重い治工具や材料を常時可視化でき、しかも効率よくかつ安全に作業できる装置を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、鉛直に立てた軸を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視状態に露出させ又は容易に露出できるように支持可能としたことを特徴とする重量物の保管取り扱い装置である。
【0006】
請求項2は、鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持するベッドを複数台有し、しかも各ベッドの内端を別々に鉛直の軸を中心にして回動可能に支持し、外端に別々に設けた脚の下端の少なくとも両端に車輪を設けたことを特徴とする請求項1に記載の重量物の保管取り扱い装置である。
【0007】
請求項3は、鉛直に立てた軸心の回りに回動する多面筒体又は前記軸心の位置で交差する放射多面体を有し、各面に、重量物の治工具又は材料を可視状態で支持可能としたことを特徴とする請求項1に記載の重量物の保管取り扱い装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1のように、鉛直に立てた軸を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視状態に露出させ又は容易に露出できるように支持可能としたので、重い治工具や材料であっても常に見えるように露出させて保管でき、取り扱いを迅速化しかつ簡便で安全となる。
【0009】
請求項2のように、鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持するベッドを複数台有するので、複数種類の平板状の重量物を分類し整理して支持できる。しかも各ベッドの内端を別々に鉛直の軸を中心にして回動可能に支持したので、重量物の出し入れに際して各ベッドを独立して軽い力で円滑に回動できる。また、外端に別々に設けた脚の下端の少なくとも両端に車輪を設けたので、軽い力で容易に回動できる。
【0010】
請求項3のように、鉛直に立てた軸心の回りに回動する多面筒体又は前記軸心の位置で交差する放射多面体を有し、各面に、重量物の治工具又は材料を支持すると、常に見える状態となり、可視化が可能で効率よく安全に作業できる。しかも、前記の多面筒体又は放射多面体を厚板で構成することにより、治工具又は材料が重い場合であっても、容易に支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持し保管する装置に、本発明を適用した図である。
図2】多面筒体の外面に重量物の治工具を支持する図である。
図3】放射多面体の各面に重量物の治工具を支持する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明による重量物の治工具や材料の保管取り扱い装置が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は、鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持し保管する装置であり、(1) は正面図、(2) は平面図、(3) は任意の一つのベッドを引き出し回動させた平面図である。
平板状の重量物として例えば鉄板を仮定し、寝かせて載せるベッドB…を複数台有しており、重量板材を積んだ長方形の枠fを上下方向に所定の間隔をおいて独立して回動可能に支持してある。すなわち、各ベッドB…の内端から伸びたアームaに別々に鉛直の軸1…を設けてあり、この軸1…が相対的に回動する軸受け2…を設けてある。各軸受け2…は、取付けブラケット3…を介して、鉛直に立てたH型綱4に取付け固定してある。なお、軸受け2…は、アームa側に設けてもよい。
【0013】
各ベッドB…の外端に別々に設けた脚5…の下端の少なくとも両端に車輪6・6′を設けてある。各ベッドB…は、前記脚5…がずれるように高さを変えてあり、また1段上側のベッドB…の脚5…寄りを長くしてある。なお、(2) 図のように、ベッドB…の枠fは、所定間隔の梁7…で結合し、その上に平板状の重量物Wを数枚載せる構成になっている。
枠f…の手前の面すなわち見易い正面には、表示領域Dを設けて、そのベッドB…に載せる平板状の重量物Wの縦横や厚さ寸法などを表示してあるので、(3) 図のように、必用な平板状重量物を載せたベッドBを手前に引き出した状態で、平板状重量物Wを吊り上げ搬出し、加工に供する。このように、平板状重量物W…の寸法毎に分類して、ベッドB…上に寝かせて保管してあるので、目視で板厚の目安をつける事かできる。また、枚数が減っていることも分かるので、表示領域Dを見て、使用して減少した枚数を補充して、常に所定数量を保管しておける。なお、ベッドBは90度まで回動できる。
S…はストッパーであり、平板状重量物Wを載せる際に、突き当たるまで移動させることで、位置決めする。なお、G…はスペーサであり、各梁7…の上面に取付けてある。
また、両端の車輪6・6′は、鉛直軸1…を中心にして各ベッドB…が回動し易いように、それぞれの回転半径に応じた向きにしてある。
【0014】
図2は、立てた多角筒体の表面を利用して治工具が見えるように保管する実施形態であり、(1) は平面図である。この実施形態は、例えば12面の筒状体8を用いた例であり、容易に回転できるように、中心の鉛直軸9をベアリングを介してベースプレート10に立ててある。
多面の筒状体8の各面には予めフック11を固定してあり、しかも各面毎に色分けできるように、着色領域13…を設けてある。また、保管する治工具14毎に着色して色分けし、各色ごとに対応する色の治工具14をその色の面のフック11に吊り下げ又は引っ掛けてある。
従って、自分が所持している治工具14の色を見れば、対応する色の着色領域13…の壁面8のフック11に吊り下げたり引っ掛けたりでき、便利で迅速に作業できる。
【0015】
重量物や色数を減らしたい場合は、(3) 図のように、八角の筒体15を用い、その面を利用して予めフック11を取付けておく。従って、多角体の面数は任意であり、また各面間に鎖線で示すような板材16を取付けて、その表裏両面に軽い治工具を保持させることも可能である。この板材16は、他の面間にも設置可能であることは言うまでもない。前記の治工具14が重量物の場合を想定して、各多面体8、15の板厚を大きくする。また、多面体8、15の内部の空間が無駄にならないように、他の物品を収納してもよく、そのためには多面体8、15の面を開閉できる構造とする。
なお、各中心軸9の頂端にリング17やフックを設けておくと、吊り上げて移動できる。
【0016】
図3は、多面の筒体に代えて放射状板18…を設けた実施形態であり、中心の軸心の位置で複数の放射状板18…交差させて、多面体を構成している。そして各面に、前記のようなフック11…を設けて、重量の有る治工具を支持し、常時見えるように保管しておく。
なお、放射状板18…の上端や下端は連結材19で連結して補強し、容易に変形したり移動しないようにしてある。
この実施形態も、着色領域13…を設けて、色で着脱を簡便化してもよく、特別に設けた着色領域13…に代えて、各面8…や15…、18…に着色してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0017】
以上のように、鉛直の軸心の回りに回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視状態に露出させ又は容易に露出できるように支持可能としたので、重い治工具や材料であっても常に見えるように露出させて保管でき、取り扱いが簡便で迅速となり、安全である。
【符号の説明】
【0018】
B… ベッド
f 枠
a アーム
1 軸
2 軸受け
3… 取付けブラケット
4… H型綱
5… 脚
6、6′ 車輪
7… 梁
W 平板状の重量物
D 表示領域
S… ストッパー
G… スペーサ
8 筒状体(筒状体の壁面)
9 鉛直軸
10 ベースプレート
11 フック
13 着色領域
14 治工具
15 八角の筒体
16 板材
17 リング
18 放射状板
19 連結材
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2016年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直の軸心を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視化できるように露出させ又は容易に露出できるように支持可能とした装置であって、鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持するベッドを複数台有し、さらに各ベッドの内端を別々に鉛直の軸を中心にして回動可能に支持し、外端に高さの異なる脚を別々に設け、各脚の下端の少なくとも両端に車輪を設けたことを特徴とする重量物の保管取り扱い装置。
【請求項2】
前記ベッドの上面にストッパーを設け、平板状重量物を載せる際に、突き当たるまで移動させることで、位置決め可能としてあることを特徴とする請求項1に記載の重量物の保管取り扱い装置。
【請求項3】
鉛直の軸心を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視化できるように露出させ又は容易に露出できるように支持可能とした装置であって、鉛直の中心の回りに回動する多面筒体を有し、各面に、重量物の治工具又は材料を可視状態で支持可能とし、さらに前記多面筒体の面間に板材を取付けて、その表裏両面に軽い治工具を保持させることもでき、加えて前記多面筒体の内部の空間が無駄にならないように、他の物品を収納できるように、前記多面筒体の面を開閉できる構造としたことを特徴とする重量物の保管取り扱い装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄工所などにおいて、治工具や材料などの重量物を整理保管したり取り出すなどの取り扱いを可視化して効率よく簡便にかつ安全に行える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
床下回転収納庫などに利用される回転収納庫の構造を簡略化し、大幅なコストダウンを図るべく、複数個のコンテナ単体をコンテナ間連結手段により垂直軸心の周囲で環状に連結することによって、当該垂直軸心の周りで自転可能に構成された環状コンテナから成る回転収納庫を構成し、全てのコンテナ単体又は適当間隔おきに位置するコンテナ単体には、その外周辺と内端側の両方に、前記垂直軸心と直交する水平軸線と同心状に内輪と外輪とを軸支した構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5168441 号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記のような構造では、コンテナに収納する構造になっているので、収納している物品が見えず不便であり、また重量物を整理保管できるように頑丈にはできていない。鉄工所などにおいては、多種類の治工具や材料を扱うが、これらを分かり安く整理して効率よくかつ安全に作業できるようにする必用がある。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、多種類の重い治工具や材料を常時可視化でき、しかも効率よくかつ安全に作業できる装置を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、鉛直の軸心を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視化できるように露出させ又は容易に露出できるように支持可能とした装置であって、鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持するベッドを複数台有し、さらに各ベッドの内端を別々に鉛直の軸を中心にして回動可能に支持し、外端に高さの異なる脚を別々に設け、各脚の下端の少なくとも両端に車輪を設けたことを特徴とする重量物の保管取り扱い装置である。
【0006】
請求項2は、前記ベッドの上面にストッパーを設け、平板状重量物を載せる際に、突き当たるまで移動させることで、位置決め可能としてあることを特徴とする請求項1に記載の重量物の保管取り扱い装置である。
【0007】
請求項3は、鉛直の軸心を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視化できるように露出させ又は容易に露出できるように支持可能とした装置であって、鉛直の中心の回りに回動する多面筒体を有し、各面に、重量物の治工具又は材料を可視状態で支持可能とし、さらに前記多面筒体の面間に板材を取付けて、その表裏両面に軽い治工具を保持させることもでき、加えて前記多面筒体の内部の空間が無駄にならないように、他の物品を収納できるように、前記多面筒体の面を開閉できる構造としたことを特徴とする重量物の保管取り扱い装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1のように、鉛直に立てた軸を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視状態に露出させ又は容易に露出できるように支持可能としたので、重い治工具や材料であっても常に見えるように露出させて保管でき、取り扱いを迅速化しかつ簡便で安全となる。しかも、鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持するベッドを複数台有するので、複数種類の平板状の重量物を分類し整理して支持できる。さらに各ベッドの内端を別々に鉛直の軸を中心にして回動可能に支持したので、重量物の出し入れに際して各ベッドを独立して軽い力で円滑に回動できる。また、外端に別々に設けた脚の下端の少なくとも両端に車輪を設けたので、軽い力で容易に回動できる。
【0009】
請求項2のように、前記ベッドの上面にストッパーを設け、平板状重量物を載せる際に、突き当たるまで移動させることで、位置決め可能としてあるので、明細書の段落[0013]の後段に明記のように、平板状重量物Wを載せる際に、突き当たるまで移動させることで、位置決めする。
【0010】
請求項3のように、鉛直の軸心を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視化できるように露出させ又は容易に露出できるように支持可能とした装置であって、鉛直の中心の回りに回動する多面筒体を有し、各面に、重量物の治工具又は材料を可視状態で支持可能にしてある。
さらに、前記多面筒体の面間に板材を取付けて、その表裏両面に軽い治工具を保持させることもでき、加えて前記多面筒体の内部の空間が無駄にならないように、他の物品を収納できるように、前記多面筒体の面を開閉できる構造としてある。従って、明細書の段落[0015]にも明記のように、各面間に鎖線で示すような板材16を取付けて、その表裏両面に軽い治工具を保持させることも可能である。この板材16は、他の面間にも設置可能であることは言うまでもない。前記の治工具14が重量物の場合を想定して、各多面体8、15の板厚を大きくする。また、多面体8、15の内部の空間が無駄にならないように、他の物品を収納してもよく、そのためには多面体8、15の面を開閉できる構造とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持し保管する装置に、本発明を適用した図である。
図2】多面筒体の外面に重量物の治工具を支持する図である。
図3】放射多面体の各面に重量物の治工具を支持する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明による重量物の治工具や材料の保管取り扱い装置が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は、鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持し保管する装置であり、(1) は正面図、(2) は平面図、(3) は任意の一つのベッドを引き出し回動させた平面図である。
平板状の重量物として例えば鉄板を仮定し、寝かせて載せるベッドB…を複数台有しており、重量板材を積んだ長方形の枠fを上下方向に所定の間隔をおいて独立して回動可能に支持してある。すなわち、各ベッドB…の内端から伸びたアームaに別々に鉛直の軸1…を設けてあり、この軸1…が相対的に回動する軸受け2…を設けてある。各軸受け2…は、取付けブラケット3…を介して、鉛直に立てたH型綱4に取付け固定してある。なお、軸受け2…は、アームa側に設けてもよい。
【0013】
各ベッドB…の外端に別々に設けた脚5…の下端の少なくとも両端に車輪6・6′を設けてある。各ベッドB…は、前記脚5…がずれるように高さを変えてあり、また1段上側のベッドB…の脚5…寄りを長くしてある。なお、(2) 図のように、ベッドB…の枠fは、所定間隔の梁7…で結合し、その上に平板状の重量物Wを数枚載せる構成になっている。
枠f…の手前の面すなわち見易い正面には、表示領域Dを設けて、そのベッドB…に載せる平板状の重量物Wの縦横や厚さ寸法などを表示してあるので、(3) 図のように、必用な平板状重量物を載せたベッドBを手前に引き出した状態で、平板状重量物Wを吊り上げ搬出し、加工に供する。このように、平板状重量物W…の寸法毎に分類して、ベッドB…上に寝かせて保管してあるので、目視で板厚の目安をつける事かできる。また、枚数が減っていることも分かるので、表示領域Dを見て、使用して減少した枚数を補充して、常に所定数量を保管しておける。なお、ベッドBは90度まで回動できる。
S…はストッパーであり、平板状重量物Wを載せる際に、突き当たるまで移動させることで、位置決めする。なお、G…はスペーサであり、各梁7…の上面に取付けてある。
また、両端の車輪6・6′は、鉛直軸1…を中心にして各ベッドB…が回動し易いように、それぞれの回転半径に応じた向きにしてある。
【0014】
図2は、立てた多角筒体の表面を利用して治工具が見えるように保管する実施形態であり、(1) は平面図である。この実施形態は、例えば12面の筒状体8を用いた例であり、容易に回転できるように、中心の鉛直軸9をベアリングを介してベースプレート10に立ててある。
多面の筒状体8の各面には予めフック11を固定してあり、しかも各面毎に色分けでき
るように、着色領域13…を設けてある。また、保管する治工具14毎に着色して色分けし、各色ごとに対応する色の治工具14をその色の面のフック11に吊り下げ又は引っ掛けてある。
従って、自分が所持している治工具14の色を見れば、対応する色の着色領域13…の壁面8のフック11に吊り下げたり引っ掛けたりでき、便利で迅速に作業できる。
【0015】
重量物や色数を減らしたい場合は、(3) 図のように、八角の筒体15を用い、その面を利用して予めフック11を取付けておく。従って、多角体の面数は任意であり、また各面間に鎖線で示すような板材16を取付けて、その表裏両面に軽い治工具を保持させることも可能である。この板材16は、他の面間にも設置可能であることは言うまでもない。前記の治工具14が重量物の場合を想定して、各多面体8、15の板厚を大きくする。また、多面体8、15の内部の空間が無駄にならないように、他の物品を収納してもよく、そのためには多面体8、15の面を開閉できる構造とする。
なお、各中心軸9の頂端にリング17やフックを設けておくと、吊り上げて移動できる。
【0016】
図3は、多面の筒体に代えて放射状板18…を設けた実施形態であり、中心の軸心の位置で複数の放射状板18…交差させて、多面体を構成している。そして各面に、前記のようなフック11…を設けて、重量の有る治工具を支持し、常時見えるように保管しておく。
なお、放射状板18…の上端や下端は連結材19で連結して補強し、容易に変形したり移動しないようにしてある。
この実施形態も、着色領域13…を設けて、色で着脱を簡便化してもよく、特別に設けた着色領域13…に代えて、各面8…や15…、18…に着色してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0017】
以上のように、鉛直の軸心の回りに回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視状態に露出させ又は容易に露出できるように支持可能としたので、重い治工具や材料であっても常に見えるように露出させて保管でき、取り扱いが簡便で迅速となり、安全である。
【符号の説明】
【0018】
B… ベッド
f 枠
a アーム
1 軸
2 軸受け
3… 取付けブラケット
4… H型綱
5… 脚
6、6′ 車輪
7… 梁
W 平板状の重量物
D 表示領域
S… ストッパー
G… スペーサ
8 筒状体(筒状体の壁面)
9 鉛直軸
10ベースプレート
11フック
13着色領域
14治工具
15八角の筒体
16板材
17リング
18放射状板
19連結材
【手続補正書】
【提出日】2016年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直の軸心を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視化できるように露出させ又は容易に露出できるように支持可能とした装置であって、鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持するベッドを複数台有し、さらに各ベッドの内端を別々に鉛直の軸を中心にして回動可能に支持し、外端に高さの異なる脚を別々に設け、各脚の下端の少なくとも両端に車輪を設けたことを特徴とする重量物の保管取り扱い装置。
【請求項2】
前記ベッドの上面にストッパーを設け、平板状重量物を載せる際に、突き当たるまで移動させることで、位置決め可能としてあることを特徴とする請求項1に記載の重量物の保管取り扱い装置。
【請求項3】
鉛直の軸心を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視化できるように露出させ又は容易に露出できるように支持可能とした装置であって、鉛直の中心の回りに回動する多面筒体を有し、各面に、重量物の治工具又は材料を可視状態で支持可能とし、さらに前記多面筒体の面間に板材を取付けて、その表裏両面に軽い治工具を保持させることもでき、加えて前記多面筒体の内部の空間が無駄にならないように、他の物品を収納できるように、前記多面筒体の面を開閉できる構造としたことを特徴とする重量物の保管取り扱い装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄工所などにおいて、治工具や材料などの重量物を整理保管したり取り出すなどの取り扱いを可視化して効率よく簡便にかつ安全に行える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
床下回転収納庫などに利用される回転収納庫の構造を簡略化し、大幅なコストダウンを図るべく、複数個のコンテナ単体をコンテナ間連結手段により垂直軸心の周囲で環状に連結することによって、当該垂直軸心の周りで自転可能に構成された環状コンテナから成る回転収納庫を構成し、全てのコンテナ単体又は適当間隔おきに位置するコンテナ単体には、その外周辺と内端側の両方に、前記垂直軸心と直交する水平軸線と同心状に内輪と外輪とを軸支した構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5168441 号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記のような構造では、コンテナに収納する構造になっているので、収納している物品が見えず不便であり、また重量物を整理保管できるように頑丈にはできていない。鉄工所などにおいては、多種類の治工具や材料を扱うが、これらを分かり安く整理して効率よくかつ安全に作業できるようにする必用がある。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、多種類の重い治工具や材料を常時可視化でき、しかも効率よくかつ安全に作業できる装置を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、鉛直の軸心を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視化できるように露出させ又は容易に露出できるように支持可能とした装置であって、鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持するベッドを複数台有し、さらに各ベッドの内端を別々に鉛直の軸を中心にして回動可能に支持し、外端に高さの異なる脚を別々に設け、各脚の下端の少なくとも両端に車輪を設けたことを特徴とする重量物の保管取り扱い装置である。
【0006】
請求項2は、前記ベッドの上面にストッパーを設け、平板状重量物を載せる際に、突き当たるまで移動させることで、位置決め可能としてあることを特徴とする請求項1に記載の重量物の保管取り扱い装置である。
【0007】
請求項3は、鉛直の軸心を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視化できるように露出させ又は容易に露出できるように支持可能とした装置であって、鉛直の中心の回りに回動する多面筒体を有し、各面に、重量物の治工具又は材料を可視状態で支持可能とし、さらに前記多面筒体の面間に板材を取付けて、その表裏両面に軽い治工具を保持させることもでき、加えて前記多面筒体の内部の空間が無駄にならないように、他の物品を収納できるように、前記多面筒体の面を開閉できる構造としたことを特徴とする重量物の保管取り扱い装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1のように、鉛直に立てた軸を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視状態に露出させ又は容易に露出できるように支持可能としたので、重い治工具や材料であっても常に見えるように露出させて保管でき、取り扱いを迅速化しかつ簡便で安全となる。しかも、鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持するベッドを複数台有するので、複数種類の平板状の重量物を分類し整理して支持できる。さらに各ベッドの内端を別々に鉛直の軸を中心にして回動可能に支持したので、重量物の出し入れに際して各ベッドを独立して軽い力で円滑に回動できる。また、外端に別々に設けた脚の下端の少なくとも両端に車輪を設けたので、軽い力で容易に回動できる。
【0009】
請求項2のように、前記ベッドの上面にストッパーを設け、平板状重量物を載せる際に、突き当たるまで移動させることで、位置決め可能としてあるので、明細書の段落[0013]の後段に明記のように、平板状重量物Wを載せる際に、突き当たるまで移動させることで、位置決めする。
【0010】
請求項3のように、鉛直の軸心を中心にして回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視化できるように露出させ又は容易に露出できるように支持可能とした装置であって、鉛直の中心の回りに回動する多面筒体を有し、各面に、重量物の治工具又は材料を可視状態で支持可能にしてある。
さらに、前記多面筒体の面間に板材を取付けて、その表裏両面に軽い治工具を保持させることもでき、加えて前記多面筒体の内部の空間が無駄にならないように、他の物品を収納できるように、前記多面筒体の面を開閉できる構造としてある。従って、明細書の段落[0015]にも明記のように、各面間に鎖線で示すような板材16を取付けて、その表裏両面に軽い治工具を保持させることも可能である。この板材16は、他の面間にも設置可能であることは言うまでもない。前記の治工具14が重量物の場合を想定して、各多面体8、15の板厚を大きくする。また、多面体8、15の内部の空間が無駄にならないように、他の物品を収納してもよく、そのためには多面体8、15の面を開閉できる構造とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持し保管する装置に、本発明を適用した図である。
図2】多面筒体の外面に重量物の治工具を支持する図である。
図3】放射多面体の各面に重量物の治工具を支持する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明による重量物の治工具や材料の保管取り扱い装置が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は、鉄板のような平板状の重量物を寝かせて支持し保管する装置であり、(1) は正面図、(2) は平面図、(3) は任意の一つのベッドを引き出し回動させた平面図である。
平板状の重量物として例えば鉄板を仮定し、寝かせて載せるベッドB…を複数台有しており、重量板材を積んだ長方形の枠fを上下方向に所定の間隔をおいて独立して回動可能に支持してある。すなわち、各ベッドB…の内端から伸びたアームaに別々に鉛直の軸1…を設けてあり、この軸1…が相対的に回動する軸受け2…を設けてある。各軸受け2…は、取付けブラケット3…を介して、鉛直に立てたH型綱4に取付け固定してある。なお、軸受け2…は、アームa側に設けてもよい。
【0013】
各ベッドB…の外端に別々に設けた脚5…の下端の少なくとも両端に車輪6・6′を設けてある。各ベッドB…は、前記脚5…がずれるように高さを変えてあり、また1段上側のベッドB…の脚5…寄りを長くしてある。なお、(2) 図のように、ベッドB…の枠fは、所定間隔の梁7…で結合し、その上に平板状の重量物Wを数枚載せる構成になっている。
枠f…の手前の面すなわち見易い正面には、表示領域Dを設けて、そのベッドB…に載せる平板状の重量物Wの縦横や厚さ寸法などを表示してあるので、(3) 図のように、必用な平板状重量物を載せたベッドBを手前に引き出した状態で、平板状重量物Wを吊り上げ搬出し、加工に供する。このように、平板状重量物W…の寸法毎に分類して、ベッドB…上に寝かせて保管してあるので、目視で板厚の目安をつける事かできる。また、枚数が減っていることも分かるので、表示領域Dを見て、使用して減少した枚数を補充して、常に所定数量を保管しておける。なお、ベッドBは90度まで回動できる。
S…はストッパーであり、平板状重量物Wを載せる際に、突き当たるまで移動させることで、位置決めする。なお、G…はスペーサであり、各梁7…の上面に取付けてある。
また、両端の車輪6・6′は、鉛直軸1…を中心にして各ベッドB…が回動し易いように、それぞれの回転半径に応じた向きにしてある。
【0014】
図2は、立てた多角筒体の表面を利用して治工具が見えるように保管する実施形態であり、(1) は平面図である。この実施形態は、例えば12面の筒状体8を用いた例であり、容易に回転できるように、中心の鉛直軸9をベアリングを介してベースプレート10に立ててある。
多面の筒状体8の各面には予めフック11を固定してあり、しかも各面毎に色分けでき
るように、着色領域13…を設けてある。また、保管する治工具14毎に着色して色分けし、各色ごとに対応する色の治工具14をその色の面のフック11に吊り下げ又は引っ掛けてある。
従って、自分が所持している治工具14の色を見れば、対応する色の着色領域13…の壁面8のフック11に吊り下げたり引っ掛けたりでき、便利で迅速に作業できる。
【0015】
重量物や色数を減らしたい場合は、(3) 図のように、八角の筒体15を用い、その面を利用して予めフック11を取付けておく。従って、多角体の面数は任意であり、また各面間に鎖線で示すような板材16を取付けて、その表裏両面に軽い治工具を保持させることも可能である。この板材16は、他の面間にも設置可能であることは言うまでもない。前記の治工具14が重量物の場合を想定して、各多面体8、15の板厚を大きくする。また、多面体8、15の内部の空間が無駄にならないように、他の物品を収納してもよく、そのためには多面体8、15の面を開閉できる構造とする。
なお、各中心軸9の頂端にリング17やフックを設けておくと、吊り上げて移動できる。
【0016】
図3は、多面の筒体に代えて放射状板18…を設けた実施形態であり、中心の軸心の位置で複数の放射状板18…交差させて、多面体を構成している。そして各面に、前記のようなフック11…を設けて、重量の有る治工具を支持し、常時見えるように保管しておく。
なお、放射状板18…の上端や下端は連結材19で連結して補強し、容易に変形したり移動しないようにしてある。
この実施形態も、着色領域13…を設けて、色で着脱を簡便化してもよく、特別に設けた着色領域13…に代えて、各面8…や15…、18…に着色してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0017】
以上のように、鉛直の軸心の回りに回動する支持体に、重量物の治工具や材料を支持でき、しかも可視状態に露出させ又は容易に露出できるように支持可能としたので、重い治工具や材料であっても常に見えるように露出させて保管でき、取り扱いが簡便で迅速となり、安全である。
【符号の説明】
【0018】
B… ベッド
f 枠
a アーム
1 軸
2 軸受け
3… 取付けブラケット
4… H型綱
5… 脚
6、6′ 車輪
7… 梁
W 平板状の重量物
D 表示領域
S… ストッパー
G… スペーサ
8 筒状体(筒状体の壁面)
9 鉛直軸
10ベースプレート
11フック
13着色領域
14治工具
15八角の筒体
16板材
17リング
18放射状板
19連結材