(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-148926(P2017-148926A)
(43)【公開日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】刃具破損検出機能付き旋盤加工機
(51)【国際特許分類】
B23B 25/06 20060101AFI20170804BHJP
B23Q 17/20 20060101ALI20170804BHJP
【FI】
B23B25/06
B23Q17/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-36460(P2016-36460)
(22)【出願日】2016年2月26日
(71)【出願人】
【識別番号】506174577
【氏名又は名称】三重精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】三輪 輝雄
【テーマコード(参考)】
3C029
3C045
【Fターム(参考)】
3C029BB02
3C045HA05
(57)【要約】
【課題】非常に簡単な構成で既存の旋盤加工機などにおける刃具の破損などを検出できるようにした刃具破損検出機能付き旋盤加工機を提供する。
【解決手段】チャック23にワーク8を把持させた状態で回転させるとスピンドル22と、チャック23の前方側に設けられ、複数のドリルである刃具4を取り付けるためのドリル装着穴32(刃具取付部31)を有する刃物台3とを備えてなる旋盤加工機1において、複数のドリル装着穴32(刃具取付部31)の一部に、ワーク8の穴の底部に接触する先端部53を有する接触部5を取り付け、加工終了時に主軸2を移動させて接触部5を穴の底部に接触させるようにする。そして、ドリルが破損して穴が形成されていなかった場合に、先端部53が押圧されることで検出センサー56を用いてお加工の異常を検出し、刃具4の破損を検出できるようにする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャックにワークを把持させた状態で回転させるとスピンドルと、
前記チャックの前方側に設けられ、複数の刃具を取り付けるための刃具取付部を有する刃物台と、を備え、前記刃具をワークに押圧させることでワークを切削加工する旋盤加工機において、
前記複数の刃具取付部の一部に、前記ワークの加工部分に接触する接触部を取り付け、
加工終了時に前記接触部を加工部分に接触させることによって加工の異常を検出する異常検出部を備えたことを特徴とする刃具破損検出機能付き旋盤加工機。
【請求項2】
前記接触部が、加工部分への接触時における押圧状態を吸収する吸収部を備えてなる請求項1に記載の刃具破損検出機能付き旋盤加工機。
【請求項3】
前記異常検出部が、刃具とワークとの位置関係を制御するための制御部を介して、刃物台に取り付けられた接触部の位置を制御して異常を検出するようにしたものである刃具破損検出機能付き旋盤加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刃具でワークを加工する旋盤加工機に関するものであり、より具体的には、バイトやドリルなどの刃具が破損した場合であっても、簡単な構造でその破損を検出できるようにした旋盤加工機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な旋盤加工機の構成を
図9を用いて説明する。
【0003】
図9において、符号91はワーク8を保持するチャックであり、主軸90のスピンドル92を回転させることによってワーク8を保持した状態で回転させるようにしたものである。また、符号93は、チャック91の前方側に設けられる刃物台であり、複数種類のバイトやドリルなどの刃具94を保持するようにしたものである。
【0004】
そして、このような旋盤加工機を用いてワーク8を加工する場合、ワーク8をチャック91に保持させた状態で回転させるとともに、加工に対応したバイトやドリルなどの刃具94を選択してワーク8に押圧させ、相対的に刃具4や主軸90を移動させながらワーク8を加工できるようにする。
【0005】
ところで、このような加工を行う場合、ドリルなどの刃具が加工の途中で破損してしまうことがある。このような場合、通常の旋盤加工機ではドリルの破損などを検出することができないため、そのまま次の加工に移ってしまい、未完成な状態で加工を行ってしまうことになる。
【0006】
これに対して、ドリルの破損などを検出しうる機能を備えた加工機も提案されている。
【0007】
例えば、下記の特許文献1には、ドリルの先端側に対向するように設けられた接触センサーと、この接触センサーをドリルの先端に接触させる駆動機構を有し、この接触センサーをドリルの先端側に押圧させることでドリルの破損を検出できるようにした構造が開示されている。そして、このような接触センサーで刃具の破損を検出する場合、側方に退避しれていた接触センサーを駆動機構を用いて刃具の先端側に当て、刃具の破損などがないか否かを検出し、異常がなかった場合は、その接触センサーを側方に退避させて次の刃具で加工できるようにしている。
【0008】
また、特許文献2には、刃具をワークに押圧させる際の駆動電力を検出し、無負荷状態における基準電力値をあらかじめ設定しておいて、加工時にその基準電力値以下の駆動電力が検出された場合に、刃具が破損したと判断するようにした装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平06−17850号公報
【特許文献2】特開2005−144629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような接触センサーを有する機構や、駆動電力を検出して異常を検出する機能を既存の加工機に組み込む場合、次のような問題を生ずる。
【0011】
すなわち、接触センサーを有する機構を既存の旋盤加工機に取り付ける場合、刃具の先端にその接触センサーを押圧させたり、あるいは、その接触センサーを側方に退避させたりするための駆動機構を取り付けなければならずコストがかかってしまう。また、加工室が狭く構成されている場合は、そのような大掛かりな機構を取り付けることができないといった問題があった。
【0012】
また、刃具をワークに押圧させた際の駆動電力を検出する機能を組み込む場合、事前にトルクや押圧力に対応する電力を測定しておかなければならず、さらには、その電力を計測するための回路なども組み込まなければならないため、手間やコストがかかってしまうといった問題がある。
【0013】
そこで、本発明は、非常に簡単な構成で既存の旋盤加工機における刃具の破損などを検出できるようにした刃具破損検出機能付き旋盤加工機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、チャックにワークを把持させた状態で回転させるとスピンドルと、前記チャックの前方側に設けられ、複数の刃具を取り付けるための刃具取付部を有する刃物台とを備え、前記刃具をワークに押圧させることでワークを切削加工する旋盤加工機において、前記複数の刃具取付部の一部に、前記ワークの加工部分に接触する接触部を取り付け、加工終了時に前記接触部を加工部分に接触させることで加工の異常を検出する異常検出部を備えるようにしたものである。
【0015】
このように構成すれば、通常の刃具と同様に刃具取付部に接触部を取り付けてワークの加工部分に接触させるだけで、加工状態を検出することができ、これによって刃具の破損の有無を検出することができるようになる。
【0016】
また、このような発明において、前記接触部を、加工部分への接触時における押圧状態を吸収する吸収部を備えるようにする。
【0017】
このように構成すれば、刃具が破損して加工されていない部分を押圧する際、吸収部によってその非加工部分への押圧を吸収することができ、ワークを強く押圧するようなことがなくなる。
【0018】
さらに、前記異常検出部を、刃具とワークとの位置関係を制御するための制御部を介して、刃物台に取り付けられた接触部の位置を制御することで異常を検出できるようにする。
【0019】
このように構成すれば、数値入力で制御される旋盤加工機において刃具の移動制御と同様に数値入力だけで刃具の異常を検出することができるようになる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、チャックにワークを把持させた状態で回転させるとスピンドルと、前記チャックの前方側に設けられ、複数の刃具を取り付けるための刃具取付部を有する刃物台とを備え、前記刃具をワークに押圧させることでワークを切削加工する旋盤加工機において、前記複数の刃具取付部の一部に、前記ワークの加工部分に接触する接触部を取り付け、加工終了時に前記接触部を加工部分に接触させることによって加工の異常を検出する異常検出部を備えるようにしたので、通常の刃具と同様に刃具取付部に接触部を取り付けてワークの加工部分に接触させるだけで、加工の異常を検出することができ、これによって刃具の破損の有無を検出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施の形態を示す旋盤加工機の概要を示す図
【
図3】他の実施の形態における刃物台と接触部を示す図
【
図4】他の実施の形態における刃物台と接触部を示す図
【
図6】同形態における刃具の破損を検出する際の動作例を示す図
【
図7】同形態における刃具の破損を検出する際のフローチャート
【
図8】他の実施の形態における刃具の破損を検出する際のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
この実施の形態における旋盤加工機1は、
図1に示すように、スピンドル22を回転可能に支持する主軸2と、ワーク8を切削するための刃具4を取り付けるための刃具取付部31を有する刃物台3とを備え、数値入力された値に従って制御部6を用いて刃具4を相対的にワーク8側に移動させ、ワーク8を切削加工できるようにしたものである。そして、特徴的に、この刃具4を取り付けるための刃具取付部31に、加工部分に接触できるようにした接触部5を設け、所定の刃具4を用いて加工が終了した際に、
図6に示すように、その接触部5を加工部分に接触させて加工の異常を介して刃具4の破損などを検出できるようにしたものである。以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
まず、主軸2は、スピンドル・ヘッドストック21の内側に設けられたスピンドル22と、そのスピンドル22の先端側に設けられたチャック23とを備えて構成されるものであって、スピンドル22を回転させることにより、そのチャック23に把持されたワーク8を回転させるように構成されている。このチャック23は、主軸2の軸線に沿ってワーク8を挿入できるようにするための凹部24が形成されており、外周方向からワーク8を押圧することでスピンドル22と一体的に回転させられるようになっている。
【0025】
この主軸2は、主軸台に載置された状態で、モーターなどの主軸移動機構25を介して軸線方向(X軸方向)に沿った方向に往復動できるように構成されている。この主軸2の移動は、ワーク8をチャック23に装着させる際や、ワーク8を加工する際に行われ、制御部6によってその移動幅や速度が決定される。
【0026】
この主軸2の先端部近傍には、刃物台3が設けられる。この刃物台3は、
図2や
図3に示すような「くし刃型刃物台3a、3b」や、
図4に示すような「タレット式刃物台3c」などが存在するが、まず、「くし刃型刃物台3a」を用いた構成について
図2を用いて説明する。
【0027】
図2における「くし刃型刃物台3a」は、刃具取付部31をなすドリル装着穴32を複数有してなるものであって、そのドリル装着穴32に異なる種類のドリル(刃具4)を複数取り付け、ワーク8の先端に対向するように設けられる。このような刃物台3を移動させる際は、刃物台移動機構34を用いてX軸を法線方向とする平面内(Y軸方向およびZ軸方向)でドリルを有する刃物台3を移動させ、X軸方向に移動するワーク8に穴開け加工できるようにしている。
【0028】
また、
図3における「くし刃型刃物台3b」は、刃具取付部31をなす複数の溝部33にバイト(刃具4)を取り付けられるようにしたものであって、ワーク8の側方から接触して加工できるように構成されている。この刃物台3を移動させる場合、図示しない刃物台移動機構を用いてX軸を法線方向とする平面内(Y軸方向およびZ軸方向)でバイトを有する刃物台3を移動させ、X軸方向に移動するワーク8の外周面を切削できるようにしている。
【0029】
一方、「タレット式刃物台3c」は、円盤状をなすタレット30の外周部分に複数のバイトなどの刃具4を取り付けるための刃具取付部31(溝部33)を有してなるものであって、タレット30を回転させることによって刃具4を選択できるようになっている。この刃物台3を移動させる場合も同様に、図示しない刃物台移動機構を用いてX軸を法線方向とする平面内(Y軸方向およびZ軸方向)にバイトを有するタレット30を移動させ、X軸方向に移動するワーク8の外周面を切削できるようにしている。
【0030】
制御部6(
図5の機能ブロック図参照)は、これら主軸2の移動距離や速度、また、刃物台3の移動距離や速度などを制御できるようにしたものであって、数値入力された値に従って主軸2や刃物台3などを主軸移動機構25や刃物台移動機構34を介して制御できるように構成されている。
【0031】
このような構成のもと、本実施の形態では、この刃物台3における刃具取付部31に刃具4の破損を検出するための接触部5を設けており、異常検出部7によって刃具4の破損などを検出できるようにしている。
【0032】
この接触部5は、ドリルを取り付けた「くし刃型刃物台3a」で構成されている場合は、ドリルに替わってそのドリル装着穴32に取り付けられる。このドリル装着穴32に取り付けられる接触部5の構造を
図2を用いて説明する。
【0033】
図2において、符号51は刃具取付部31のドリル装着穴32に挿入される中空状のスリーブであり、ドリルの付け根部分と同じ外形形状に構成されている。このスリーブ51はドリル装着穴32に挿入され、ボルト52などで固定されるようになっている。また、符号57は吸収部であり、先端部53を軸方向に押圧させた際に、その軸方向への押圧を吸収できるようにしたものである。この吸収部57は、スリーブ51の内側に設けられた中空部にスライド軸54を貫通させ、スライド軸54の先端側に設けられたフランジ部分とスリーブ51の先端との間に設けられたバネ55によって軸方向への押圧を吸収できるようになっている。そして、その先端部53が押圧されることによって、その押圧を検出センサー56で検出できるようにしている。なお、この接触部5を刃具取付部31に取り付ける場合、あらかじめワーク8と先端部53との距離を設定しておいてもよいが、例えば、刃具4と先端部53の先端部分の位置を一致させるように取り付けておくとよい。このようにすれば、加工部分へ接触部5を接触させる際に、その刃具4による加工の時と同じ距離だけ移動させて刃具4の破損などを検出できるようになり、同じ動作を二度繰り返すだけで、刃具4の破損などを検出することができるようになる。
【0034】
このような接触部5を用いてドリルである刃具4の破損を異常検出部7で検出する場合、
図7のフローチャートに示すような工程で刃具4の破損を検出する。
【0035】
まず、ワーク8に穴開け加工をする場合、刃物台3に取り付けられたドリルをワーク8の先端側に移動させるとともに、主軸2をX軸方向に前進させてドリルに押圧させる(ステップS1)。すると、ワーク8がドリルの先端に押圧され、ワーク8に穴開け加工が施される。
【0036】
次に、この加工が終了した場合(ステップS2)、主軸2を後退させるとともに(ステップS3)、制御部6を用いて接触部5をワーク8の先端側に移動させる(ステップS4)。そして、再び主軸2を前進させるようにするが、このとき、刃具4と先端部53の先端部分の位置が一致するように設けられている場合は、穴開け加工を行った際の最大移動量だけ主軸2を前進させるようにする(ステップS5)。このとき、正常に穴開け加工が行われていた場合は(
図2の状態)、接触部5が穴の底部に接触することがないため、検出センサー56がONにならず(ステップS6:NO)、これによって「正常に加工が行われた(すなわち、刃具4が破損していなかった)」と判断されて、次の加工工程に移る(ステップS7)。
【0037】
一方、刃具4が破損して穴開け加工が施されなかった場合は、
図6に示すように、主軸2を前進させた際に先端部53がワーク8の穴の底部に接触することになり、スライド軸54が軸方向に移動するようになる。そして、この移動に伴って検出センサー56がONになり(ステップS6:YES)、「正常に加工が行われなかった(すなわち、刃具4が破損した)」と判断されて異常を報知する(ステップS8)。
【0038】
このような接触部5を用いた刃具4の破損検出は、バイトの破損検出においても同様に行うことができる。この場合、接触部5については、
図3や
図4に示すように、バイトの押圧方向に先端部53を移動させるようなスリーブ51やスライド軸54、バネ55、検出センサー56などを設けておき、先端部53が押圧された際に異常検出部7でその押圧を検出できるようにしておく。
【0039】
このような接触部5を用いてバイトの破損を検出する場合、まず、刃物台3に取り付けられたバイトをワーク8の先端部分に移動させるとともに、主軸2をX軸方向に前進させながら、ワーク8の外周部分を先端部分から切削加工していく(ステップT1)。
【0040】
次に、このような加工が終了した場合(ステップT2)、制御部6を用いて刃物台3に取り付けられた接触部5と刃具4の位置を入れ替え、接触部5をワーク8の外周部分に接触させる(ステップT3)。このときの刃物台3が「くし刃型刃物台3b」で構成されている場合は、その接触部5が取り付けられている部分まで刃物台3を移動させ、また、「タレット式刃物台3c」で構成されている場合は、その接触部5をワーク8に接触可能にタレット30を回転させてワーク8側に向ける。そして、接触部5をワーク8に接触させるように移動させる。すると、正常に切削加工が行われていた場合は、接触部5が外周部分に接触することないため、検出センサー56がONにならず(ステップT4:NO)、これによって「正常に加工が行われた(すなわち、刃具4が破損していなかった)」と判断されて、次の加工工程に移る(ステップT5)。一方、刃具4が破損して切削加工できなかった場合は、刃物台3を移動させた際に先端部53が外周部分に接触することになるため、スライド軸54が軸方向に沿って移動して検出センサーがONになる(ステップT4:YES)。そして、これによって、「正常に加工が行われなかった(すなわち、刃具4が破損した)」と判断され、刃具4の破損を報知する(ステップT6)。
【0041】
このように上記実施の形態によれば、チャック23にワーク8を把持させた状態で回転させるとスピンドル22と、前記チャック23の前方側に設けられ、複数の刃具4を取り付けるための刃具取付部31を有する刃物台3とを備え、前記刃具4をワーク8に押圧させることでワーク8を切削加工する旋盤加工機1において、前記複数の刃具取付部31の一部に、前記ワーク8の加工部分に接触する接触部5を取り付け、加工終了時に前記接触部5を加工部分に接触させることで加工の異常を検出する異常検出部7を備えるようにしたので、通常の刃具4と同様に刃具取付部31に接触部5を取り付けて、ワーク8の加工部分に接触させるだけで、加工の異常を検出することができ、これによって刃具4の破損を検出することができるようになる。
【0042】
また、接触部5を、加工部分への接触時における押圧状態を吸収する吸収部57を備えるようにしたので、刃具4が破損して加工されていない部分を押圧する際、吸収部57によってその非加工部分への押圧を吸収することができ、ワーク8を強く押圧するようなことがなくなる。
【0043】
さらに、異常検出部7を、刃具4とワーク8との位置関係を制御するための制御部6を介して、刃物台3に取り付けられた接触部5の位置を制御して異常を検出できるようにしたので、数値入力によって制御される旋盤加工機1において刃具4の移動制御と同様に数値入力だけで刃具4の異常を検出することができるようになる。
【0044】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0045】
例えば、上記実施の形態では、接触部5として先端部53をスライド可能に構成して検出センサー56でその移動を検出できるようにしたが、加工寸法に対応した距離だけ移動できなかったことを検出できるような構成であれば、どのような構成を用いても良い。
【0046】
また、上記実施の形態では、加工の終了した際に接触部5を接触させて刃具4の破損などを検出するようにしたが、数回の加工毎にこの接触部5をワーク8に接触させて刃具4の破損などを検出できるようにしてもよい。
【0047】
さらに、上記実施の形態では、バネ55によって先端部53を押圧させるように構成したが、この接触部5を鉛直方向に用いる場合、自重によって先端部53が下がってしまう可能性がある。このような場合は、先端部53が下方に下がらないようにするための突起を他端側に設けてスリーブ51材の他端側に当接させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1・・・旋盤加工機
2・・・主軸
21・・・ヘッドストック
22・・・スピンドル
23・・・チャック
24・・・凹部
25・・・主軸移動機構
3a、3b、3c・・・刃物台
31・・・刃具取付部
32・・・ドリル装着穴
33・・・溝部
34・・・刃物台移動機構
4・・・刃具
5・・・接触部
51・・・スリーブ
52・・・ボルト
53・・・先端部
54・・・スライド軸
55・・・バネ
56・・・検出センサー
6・・・制御部
7・・・異常検出部
8・・・ワーク