(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-149200(P2017-149200A)
(43)【公開日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】自転車用サドルカバー
(51)【国際特許分類】
B62J 1/20 20060101AFI20170804BHJP
【FI】
B62J1/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-31468(P2016-31468)
(22)【出願日】2016年2月22日
(71)【出願人】
【識別番号】503311678
【氏名又は名称】株式会社プランナー
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大 坂 博
(57)【要約】
【課題】雨天時に自転車を使用する場合においてもサドルの拭き取りを要しない、表面全体に意匠が印刷された自転車用サドルカバーを提供する。
【解決手段】サドルの上面を覆う上面カバー部、及び上面カバー部に連設するように形成され、前記サドルの側面を覆う側面カバー部とからなるカバー本体と、側面カバー部の端部が開口されるように形成されたサドル差し込み口と、サドル差し込み口の内部に設けられ、サドル差し込み口を絞って弾性的に縮径させる絞り部材と、を有したサドルカバーであって、カバー本体は、共に伸縮性を有した表面シート及び裏面シートを重ね合わせることにより形成されてリバーシブルになっており、裏面シートの全体に防水処理が施され、表面シートの全体に意匠が印刷されていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サドルの上面を覆う上面カバー部、及び上面カバー部に連設するように形成され、前記サドルの側面を覆う側面カバー部とからなるカバー本体と、
前記側面カバー部の端部が開口されるように形成されたサドル差し込み口と、
前記サドル差し込み口の内部に設けられ、サドル差し込み口を絞って弾性的に縮径させる絞り部材と、を有したサドルカバーであって、
前記カバー本体は、共に伸縮性を有した表面シート及び裏面シートを重ね合わせることにより形成されてリバーシブルになっており、
前記裏面シートは防水性を有し、
前記表面シートの全体に意匠が印刷されていることを特徴とするサドルカバー。
【請求項2】
前記側面カバー部における裏面シートの一部に取り付けられたループ状の手懸り部材を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のサドルカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車用サドルカバーに係り、より詳しくは、共に伸縮性を有した表面シート及び裏面シートを重ね合わせることにより形成されてリバーシブルになっており、駐輪時には裏面でサドルをカバーして雨水や埃からサドルを護り、使用時には意匠が印刷された表面でサドルをカバーしてお洒落なサドルカバーを楽しむことができる自転車用サドルカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
自転車を雨天時において屋外に放置している場合、自転車のサドルを濡らさないようにするために、種々のサドルカバーが提案されている。例えば、特許文献1には、優れた通水性及び通気性を有するメッシュ状立体編物からなり、優れた通気性によりサドルに溜まった少量の雨水は瞬時に乾燥され、サドルの拭き取りを要しないサドルカバーが開示されている。
しかしながら、このようなサドルカバーは、駐輪時に雨水や埃からサドルを保護するためのものであり、装着したまま自転車を使用するとサドルカバーの汚れで衣服を汚してしまう恐れがあった。
そのため、自転車を使用する場合にはサドルカバーを外さなければならないため、サドルカバーに施された意匠を自転車の使用中に楽しめないという欠点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実案登録第3075168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、雨水や埃からサドルを保護するとともに、サドルカバーに施された意匠を自転車の使用中にも楽しめるようにした自転車用サドルカバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一実施態様によるサドルカバーは、サドルの上面を覆う上面カバー部、及び上面カバー部に連設するように形成され、前記サドルの側面を覆う側面カバー部とからなるカバー本体と、前記側面カバー部の端部が開口されるように形成されたサドル差し込み口と、前記サドル差し込み口の内部に設けられ、サドル差し込み口を絞って弾性的に縮径させる絞り部材と、を有したサドルカバーであって、前記カバー本体は、共に伸縮性を有した表面シート及び裏面シートを重ね合わせることにより形成されてリバーシブルになっており、前記裏面シートは防水性を有し、前記表面シートの全体に意匠が印刷されていることを特徴とする。
【0006】
本発明の一実施態様によるサドルカバーは、前記側面カバー部における裏面シートの一部に取り付けられたループ状の手懸り部材を更に備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明のサドルカバーによれば、自転車の駐輪時には防水性を有する裏面シートを露出させてサドルを雨水や埃による汚染から護り、自転車の使用時には、意匠が施された表面シートを露出させてサドルを覆い、サドルカバーに施された意匠を楽しむことができ、常にサドルに装着したまま使用することができる。そのため、サドルの汚れにより衣服を汚すこともなく、サドルカバーも装着したままなので紛失したり、サドルカバーの装着忘れもない。
また、本発明のサドルカバーは、共に伸縮性を有する表面シートと裏面シートの二重構造になっているので、サドルにフィットするように装着でき、サドルカバーを装着したままでも、ゴワゴワした違和感を覚えずに自転車を使用できる。
また、駐輪時に露出される裏面シートは防水性を有するので、雨水が反対面に染み出すことがなく、雨天駐輪後の使用においても、サドルカバーの表裏を反転させることにより運転者の衣服を濡らすことがなく、サドルカバーを装着したままで自転車を使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るサドルカバーのサドルに装着した状態での概略平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るサドルカバーのサドルに装着した状態での概略斜面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るサドルカバーのサドルから外した状態でのサドル差し込み口方向から見た概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態を以下に図を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るサドルカバー1のサドルに装着した状態での概略平面図であり、
図2は、サドルに装着した状態での概略斜面図であり、
図2の(A)は、カバー本体表面シート2aを露出させた状態であり、(B)はカバー本体裏面シート2bを露出させた状態である。
図3は、本発明の一実施形態に係るサドルカバー1のサドルから外した状態でのサドル差し込み口方向から見た概略平面図であり、
図3の(A)は、側面カバー部表面シート4aを露出させた状態であり、(B)は側面カバー部裏面シート4bを露出させた状態である。
本実施形態のサドルカバー1は、サドルの上面を覆う上面カバー部3、及び上面カバー部3に連設するように形成され、サドルの側面を覆う側面カバー部4とからなるカバー本体2と、側面カバー部4の端部が開口されるように形成されたサドル差し込み口5と、サドル差し込み口5を形成する側面カバー部4の端部に設けられ、サドル差し込み口5を絞って弾性的に縮径させる絞り部材6と、を有する。
【0010】
カバー本体2は、共に伸縮性を有するカバー本体表面シート2a及びカバー本体裏面シート2bを重ね合わせて形成され、カバー本体表面シート2a及びカバー本体裏面シート2bは、いずれも露出可能にリバーシブルに構成され、カバー本体裏面シート2bは防水性を有するようになされ、カバー本体表面シート2aの全体には意匠が印刷されている。
また、側面カバー部裏面シート4bの一部には、サドルカバー1の着脱の際に手掛かりとなり、サドル後部に固定すれば盗難防止を可能にするループ状の手懸り部材7を更に備えていることが好ましい。
【0011】
カバー本体2を形成する材料について、カバー本体裏面シート2bは、防水性と伸縮性を有し、例えば、ウレタン樹脂、軟質塩化ビニル樹脂などの防水性と伸縮性を有する軟質合成樹脂シートや、伸縮性を有する布地や不織布等に樹脂やゴム液を塗布して防水処理した布地,不織布等を用いることができる。
カバー本体表面シート2aは、例えば、ポリエステル繊維単独又はポリエステル繊維とポリウレタン繊維との混合繊維などの水着素材、ウレタン樹脂、軟質塩化ビニル樹脂などの軟質合成樹脂シートや、伸縮性を有する樹脂やゴム液を塗布した布地,不織布等を用いることができ、特には、耐久性に優れ肌触りがよいことからポリエステル繊維単独又はポリエステル繊維にポリウレタン繊維を混合した混合繊維などの水着素材を用いることが好ましい。
また、カバー本体表面シート2aは、防水性を有するようにしてもよいが、防水処理を施すことにより、耐久性が低下したり、使用時の肌触りが劣ることから、カバー本体表面シート2aには防水処理を施さないことが好ましい。
【0012】
カバ−本体2の側面カバー部4の端部は、側面カバー部表面シート4aと側面カバー部裏面シート4bがサドル差し込み口5の開口を形成するように縫着され、縫着された側面カバー部4の端部には、ゴムなどの弾性材料が挿通可能に筒帯状に縫着された、サドル差し込み口5を絞って弾性的に縮径させる絞り部材6が形成されている。
カバ−本体2を弾性的に縮径させる絞り部材6が形成され、カバ−本体2を形成する表面シート、裏面シートが共に伸縮性を有するので、本実施形態のサドルカバー1は、サドルに良くフィットし、サドルに装着した状態で自転車を使用しても快適な乗り心地が得られる。
【0013】
本発明のサドルカバー1のカバー本体表面シート2aの全体には、種々の意匠が印刷されている。カバー本体表面シート2aの全体に施される意匠の印刷方法については、特に制限されるものではない。
また、裏面シートの意匠についても、特に制限されるものではないが、表面シートとの区別が明瞭となるように無地のシートとすることが好ましい。
【0014】
また、側面カバー部裏面シート4bの一部には、サドルカバー1の着脱の際に手掛かりとなり、サドル後部に継続部材で固定すれば盗難防止が可能となる手懸り部材7を更に備えることが好ましく、手懸り部材7は、ループ状に形成されているので、保管時の掛け置きにも用いることができる。
【0015】
本発明のサドルカバー1の製造方法は、表面シート及び裏面シートのそれぞれについて、サドル形状に合わせて裁断されたカバー本体2の上面カバー部3のシートに、側面カバー部4に相当する帯状シートを縫着してカバー本体表面シート2a及びカバー本体裏面シート2bを形成する。
次いで、カバー本体表面シート2a及びカバー本体裏面シート2bを重ね合わせ、側面カバー部4の端部が開口されたサドル差し込み口5を形成するように縫着され、重ね合わせた側面カバー部4の端部は、弾性材料が挿通可能な筒状部を形成するように縫着される。
形成した筒状部にゴム等の弾性材料のベルトを挿通させて、カバ−本体2を弾性的に縮径させる絞り部材6を形成する。必要に応じ側面カバー部裏面シート4bのサドル後部側に、ループ状の手懸り部材7を縫着する。
【0016】
本発明の自転車のサドルカバー1は、駐輪時には防水性を有する裏面でサドルをカバーして、雨水や埃による汚染からサドルを護り、自転車の使用時にはサドルカバーの表裏を反転させて意匠が施された表面を露出させ、自転車の使用時にサドルカバーに施された意匠を楽しむことができる。
このように、本発明の自転車のサドルカバー1は、常にサドルに装着したままであるため、サドルの汚れにより衣服を汚すこともなく、サドルカバーも装着したままにしておけるので、紛失したり、収納場所から持参し忘れて自転車に装着し忘れることもなくなる。
【0017】
また、本発明のサドルカバー1は、防水性を有する裏面シートと意匠がデザインされた表面シートの二重構造になっており、雨天駐輪後の使用においても、表裏をリバースすることにより濡れたサドルカバーを拭き取らなくとも運転者の衣服を濡らすことがなく、表面シートも裏面シートも共に伸縮性を有するので、サドルにフィットし、カバーを付けたまま自転車を使用してもサドルの違和感がなく快適に使用でき、表面全体に意匠が印刷されているので、サドルカバーで自転車を飾って楽しむことができる。
【符号の説明】
【0018】
1 サドルカバー
2 カバー本体
2a カバー本体表面シート
2b カバー本体裏面シート
3 上面カバー部
3a 上面カバー部表面シート
3b 上面カバー部裏面シート
4 側面カバー部
4a 側面カバー部表面シート
4b 側面カバー部裏面シート
5 サドル差し込み口
6 絞り部材
7 手懸り部材
【手続補正書】
【提出日】2017年4月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
サドルの上面を覆う上面カバー部、及び上面カバー部に連設するように形成され、前記サドルの側面を覆う側面カバー部とからなるカバー本体と、
前記側面カバー部の端部が開口されるように形成されたサドル差し込み口と、
前記サドル差し込み口の内部に設けられ、サドル差し込み口を絞って弾性的に縮径させる絞り部材と、を有したサドルカバーであって、
前記カバー本体は、表面シート及び裏面シートを重ね合わせることにより形成されてリバーシブルになっており、
前記裏面シートは、伸縮性を有する布地に防水処理した布地からなり、防水性と伸縮性を有し、
前記表面シートは、伸縮性と耐久性に優れたポリエステル繊維単独の水着素材又はポリエステル繊維にポリウレタン繊維を混合した混合繊維の水着素材を用いた布地からなり、全体に意匠が印刷されていることを特徴とするサドルカバー。