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特開2017-149446粉粒体供給システムおよび粉粒体供給方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-149446(P2017-149446A)
(43)【公開日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】粉粒体供給システムおよび粉粒体供給方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/22 20060101AFI20170804BHJP
【FI】
   B65D88/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-32736(P2016-32736)
(22)【出願日】2016年2月24日
(71)【出願人】
【識別番号】302040135
【氏名又は名称】日鐵住金溶接工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076967
【弁理士】
【氏名又は名称】杉信 興
(72)【発明者】
【氏名】矢 野 貴 志
(72)【発明者】
【氏名】辻 公 博
【テーマコード(参考)】
3E070
【Fターム(参考)】
3E070AA31
3E070AB11
3E070VA30
3E070WK01
3E070WK03
3E070WK06
(57)【要約】
【課題】 コンテナ外袋に内装した内袋の、コンテナ外袋からの落下を防止。粉粒体の充填および排出をスムーズにする。
【解決手段】 粉粒体を充填した内袋の充填スリーブ7に、コンテナ外袋の充填開口の幅より長い棒体17などの落下拘束具を縛りロープ18などの係留手段で取り付ける。内袋の排出スリーブ8をコンテナ外袋下面の排出開口から外に取り出しそれを通して内袋の粉粒体を排出する、粉粒体供給システムおよび粉粒体供給方法。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体収納胴の上部に充填スリーブが、下部に排出スリーブがある可撓性の内袋、および、上面に前記充填スリーブが挿通できる充填開口が、下面に前記排出スリーブが挿通できる排出開口があり前記粉粒体収納胴を収容するコンテナ外袋、を備えるコンテナバッグと、前記充填開口の幅よりも長い棒体あるいは広い板体あるいは立体である落下拘束具と、前記充填スリーブを前記落下拘束具に固定,結合あるいは連結するための係留手段と、を含む粉粒体供給システム。
【請求項2】
前記コンテナバッグは、前記排出開口を開閉する下絞り蓋とこれを閉じるための下絞り紐および前記充填開口を開閉する上絞り蓋とこれを閉じるための上絞り紐を備える請求項1に記載の粉粒体供給システム。
【請求項3】
コンテナ外袋には、前記充填開口が上面にあり前記排出開口が下面にあって前記粉粒体収納胴が入る胴カバー,前記排出開口に繋がって前記下絞り蓋の絞り開口を貫通する、前記排出スリーブを通す可撓性の排出ガイド、および、前記充填開口に繋がって前記上絞り蓋の絞り開口を貫通する、前記充填スリーブを通す可撓性の充填ガイド、がある請求項2に記載の粉粒体供給システム。
【請求項4】
前記コンテナ外袋の上面に通気口がある、請求項3に記載の粉粒体供給システム。
【請求項5】
内袋をコンテナ外袋に挿入しその排出スリーブを排出開口の内部に収納し、充填スリーブは充填開口から上方に突き出し、内袋の収納胴はコンテナ外袋内に留めた請求項1に記載のコンテナバッグの充填スリーブの上開口から収納胴に粉粒体を流し込んで収納胴に所要量の粉粒体を充填した後に充填スリーブを充填開口の内部に収納し、コンテナバッグから粉粒体を取り出すときは、充填スリーブを充填開口から外に引き出してそれに請求項1に記載の係留手段で請求項1に記載の落下拘束具を取り付け、排出スリーブを排出開口から外に取り出して排出スリーブを通して収納胴内の粉粒体を排出する、粉粒体供給方法。
【請求項6】
内袋をコンテナ外袋に挿入しその排出スリーブを排出開口の内部に収納し下絞り蓋を下絞り紐で閉じ、充填スリーブはコンテナ外袋の上面の充填開口から上方に突き出し、内袋の収納胴はコンテナ外袋内に留めた、請求項2に記載のコンテナバッグの、
充填スリーブの上開口から粉粒体を収納胴に流し込み、収納胴に所要量の粉粒体を充填した後に、充填スリーブを充填開口の内部に収納し上絞り蓋を上絞り紐で閉じ、
コンテナバッグの粉粒体を排出するときには、上絞り紐を緩めて上絞り蓋を開いて充填スリーブを充填開口から外に引き出してそれに請求項1に記載の係留手段で請求項1に記載の落下拘束具を取り付け、下絞り紐を緩めて下絞り蓋を開き排出スリーブを排出開口から外に取り出して排出スリーブを通して収納胴内の粉粒体を排出する、粉粒体供給方法。
【請求項7】
排出スリーブを熱圧着で閉じた内袋をコンテナ外袋に挿入しその排出スリーブを排出ガイドと一緒に排出開口の内部に収納し下絞り蓋を下絞り紐で閉じ、充填スリーブは充填ガイドと一緒にコンテナ外袋の上面の充填開口から上方に突き出し、内袋の収納胴は胴ガイド内に留めた、請求項3又は4に記載のコンテナバッグの、
充填スリーブの上開口から粉粒体を収納胴に流し込み、収納胴に所要量の粉粒体を充填した後に、充填スリーブの上端部を熱圧着により気密に閉じてから充填スリーブを充填ガイドと一緒に充填開口の内部に収納し上絞り蓋を上絞り紐で閉じ、
コンテナバッグの粉粒体を排出するときには、上絞り紐を緩めて上絞り蓋を開いて充填スリーブを充填ガイドと一緒に充填開口から外に引き出してそれに請求項1に記載の係留手段で請求項1に記載の落下拘束具を取り付け、下絞り紐を緩めて下絞り蓋を開き排出スリーブを排出ガイドと一緒に排出開口から外に取り出して排出スリーブの下端の熱圧着を切除し、排出スリーブを通して収納胴内の粉粒体を排出する、粉粒体供給方法。
【請求項8】
内袋をコンテナ外袋に挿入しその排出スリーブを排出開口の内部に収納し、充填スリーブは充填開口から上方に突き出し、内袋の収納胴はコンテナ外袋内に留めた請求項1に記載のコンテナバッグの、
充填スリーブの上開口から収納胴に粉粒体を流し込んで収納胴に所要量の粉粒体を充填すると充填スリーブに請求項1に記載の係留手段で請求項1に記載の落下拘束具を取り付け、
コンテナバッグから粉粒体を取り出すときは、排出スリーブを排出開口から外に取り出して排出スリーブを通して収納胴内の粉粒体を排出する、粉粒体供給方法。
【請求項9】
内袋をコンテナ外袋に挿入しその排出スリーブを排出開口の内部に収納し下絞り蓋を下絞り紐で閉じ、充填スリーブはコンテナ外袋の上面の充填開口から上方に突き出し、内袋の収納胴はコンテナ外袋内に留めた、請求項2に記載のコンテナバッグの、
充填スリーブの上開口から粉粒体を収納胴に流し込み、収納胴に所要量の粉粒体を充填した後に、充填スリーブの上端部を熱圧着により気密に閉じてから充填スリーブに請求項1に記載の係留手段で請求項1に記載の落下拘束具を取り付け、上絞り蓋を上絞り紐で絞り、
コンテナバッグの粉粒体を排出するときには、下絞り蓋を開き排出スリーブを排出開口から外に取り出して排出スリーブを通して収納胴内の粉粒体を排出する、粉粒体供給方法。
【請求項10】
排出スリーブを熱圧着で閉じた内袋をコンテナ外袋に挿入しその排出スリーブを排出ガイドと一緒に排出開口の内部に収納し下絞り蓋を下絞り紐で閉じ、充填スリーブは充填ガイドと一緒にコンテナ外袋の上面の充填開口から上方に突き出し、内袋の収納胴はコンテナ外袋の胴カバー内に留めた、請求項3又は4に記載のコンテナバッグの、
充填スリーブの上開口から粉粒体を収納胴に流し込み、収納胴に所要量の粉粒体を充填した後に、充填スリーブの上端部を熱圧着により気密に閉じてから充填スリーブに請求項1に記載の係留手段で請求項1に記載の落下拘束具を取り付け、上絞り蓋を上絞り紐で絞り、
コンテナバッグの粉粒体を排出するときには、下絞り紐を緩めて下絞り蓋を開き排出スリーブを排出ガイドと一緒に排出開口から外に取り出してその下端の熱圧着を切除し、排出スリーブを通して収納胴内の粉粒体を排出する、粉粒体供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体あるいは粒体などの粉粒体を収納するコンテナバッグを用いる粉粒体供給システムおよび粉粒体供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶接用フラックスなどの粉粒体の保管および運搬には、紙袋、金属製の缶,布又は樹脂フィルム等で構成されたコンテナバッグが使用されている。近年では、大量に保管、運搬および排出が可能なフレキシブルコンテナバッグが多く用いられている。フレキシブルコンテナバッグは、上面に充填開口が、下面に排出開口が開けられたコンテナ外袋と、収納胴の上部に充填スリーブが、下部に排出スリーブがある内袋とで構成され、粉粒体を収納するまでに、内袋がコンテナ外袋に挿入されてその充填スリーブはコンテナ外袋の上面の充填開口から上方に突き出されている。粉粒体は充填スリーブの上開口から内袋の収納胴に流し込まれる。コンテナ外袋の側面に吊ロープが固定されており、粉粒体を充填したフレキシブルコンテナバッグは、吊ロープをクレーンのフックに掛けて運搬される。フレキシブルコンテナバッグの粉粒体を使用するときには、フレキシブルコンテナバッグを使用場所に吊下げて、内袋の収納胴内の粉粒体を排出スリーブから流下させる。この種のフレキシブルコンテナバッグの一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
内袋の下部の排出スリーブを通して内袋の収納胴に充填した粉粒体を簡単かつ短時間で排出できる。また、内袋を、湿気を通さないフィルム素材の袋とすることで、フレキシブルコンテナバッグに充填された粉粒体の吸湿を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−59782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
吸湿を防止することで粉粒体の品質維持が可能となるが、コンテナバッグから粉粒体を排出する際、内袋に収納した粉粒体の重量により、コンテナ外袋から内袋が落下して、粉粒体をスムーズに排出できない場合がある。
【0006】
本発明は、コンテナバッグから粉粒体を排出する際、内袋がコンテナ外袋から落下することなく、粉粒体がスムーズに流出する、粉粒体供給作業効率が良好な粉粒体供給システムと該システムを用いる粉粒体供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため、コンテナバッグ内に内装された内袋の、コンテナ外袋への固定方法について詳細に検討した。その結果、内袋の充填スリーブを、コンテナ外袋の上面の充填開口の外で、コンテナ外袋上面の充填開口の幅より長いあるいは広い棒体,板体あるいは立体に固定,結合あるいは連結することで、粉粒体を排出する際に内袋の落下を防止できることを見出した。
【0008】
(1)そこで本発明の粉粒体供給システムは、粉粒体収納胴の上部に充填スリーブが、下部に排出スリーブがある可撓性の内袋、および、上面に前記充填スリーブが挿通できる充填開口が、下面に前記排出スリーブが挿通できる排出開口があり前記粉粒体収納胴を収容するコンテナ外袋、を備えるコンテナバッグと、前記充填開口の幅よりも長い棒体あるいは広い板体あるいは立体である落下拘束具と、前記充填スリーブを前記落下拘束具に固定,結合あるいは連結するための係留手段と、を含むものとした。
【0009】
この粉粒体供給システムを用いる第1態様の粉粒体供給においては、内袋をコンテナ外袋に挿入しその排出スリーブを排出開口の内部に収納し、充填スリーブは充填開口から上方に突き出し、内袋の収納胴はコンテナ外袋内に留めた上記粉粒体供給システムのコンテナバッグの、充填スリーブの上開口から収納胴に粉粒体を流し込んで収納胴に所要量の粉粒体を充填した後に、充填スリーブを充填開口の内部に収納し、コンテナバッグから粉粒体を取り出すときは、充填スリーブを充填開口から外に引き出してそれに上記係留手段で上記落下拘束具を取り付け、排出スリーブを排出開口から外に取り出して排出スリーブを通して収納胴内の粉粒体を排出する。
【0010】
第2態様の粉粒体供給においては、収納胴に所要量の粉粒体を充填すると充填スリーブに上記係留手段で上記落下拘束具を取り付け、コンテナバッグから粉粒体を取り出すときは、排出スリーブを排出開口から外に取り出して排出スリーブを通して収納胴内の粉粒体を排出する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の粉粒体供給システムによれば、収納された粉粒体を排出する際にコンテナバッグ内の内袋が落下することなく、スムーズに粉粒体を排出できるので、粉粒体の供給作業効率が改善する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例の粉体供給システムのコンテナバッグの、コンテナ外袋と内袋を示し、図1の(a)はコンテナ外袋1の斜視図、図1の(b)は内袋5の平面図である。
図2図1の(b)に示す内袋5を図1の(a)に示すコンテナ外袋1に内装した、粉粒体である溶接用フラックスを充填する直前のコンテナバッグの形態を示す斜視図である。
図3図2に示すコンテナバッグに粉粒体を充填し、充填スリーブ7の上端を熱圧着19で気密に閉じた形態を示す斜視図である。
図4図3に示す熱圧着で気密に閉じた充填スリーブ7を充填ガイド3と一緒にコンテナ外袋1の充填開口の内部に押し込んで充填開口を絞り閉じした、移送,貯蔵に適した第1態様の荷姿を示す斜視図である。
図5図4に示す粉粒体を充填したコンテナバッグの充填開口を開いてその内部の充填スリーブ7を外に引き出し、それに係留手段である縛りロープ18で落下拘束具である棒体17を縛りつけ、そして排出開口を開いてその内部の排出スリーブ8を排出ガイド4と一緒に外に引き出してから排出スリーブ8の下端の熱圧着19を切除した粉粒体排出供給の第1態様を示す斜視図である。
図6図3に示す熱圧着19で気密に閉じた充填スリーブ7に係留手段である縛りロープ18で落下拘束具である棒体17を縛りつけた、第2態様の荷姿を示す斜視図である。
図7図6に示す粉粒体を充填したコンテナバッグの排出開口を開いてその内部の排出スリーブ8を排出ガイド4と一緒に外に引き出してから排出スリーブ8の下端の熱圧着9を切除した、粉粒体排出供給の第2態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(2)前記コンテナバッグは、前記排出開口を開閉する下絞り蓋11a〜11dとこれを閉じるための下絞り紐13および充填開口を開閉する上絞り蓋10a〜10dとこれを閉じるための上絞り紐12を備える上記(1)に記載の粉粒体供給システム。
【0014】
この粉粒体供給システムを用いる第1態様の粉粒体供給においては、内袋5をコンテナ外袋1に挿入しその排出スリーブ8を排出開口の内部に収納し下絞り蓋11a〜11dを下絞り紐13で閉じ、充填スリーブ7はコンテナ外袋1の胴カバー2上面の充填開口から上方に突き出し、内袋5の収納胴6はコンテナ外袋1の胴カバー2内に留めた、上記(2)に記載のコンテナバッグの、
充填スリーブ7の上開口から粉粒体を収納胴6に流し込み、収納胴6に所要量の粉粒体を充填した後に、充填スリーブ7を充填開口の内部に収納し上絞り蓋10a〜10dを上絞り紐12で閉じ、
コンテナバッグの粉粒体を排出するときには、上絞り紐12を緩めて上絞り蓋10a〜10dを開いて充填スリーブ7を充填開口から外に引き出してそれに上記(1)に記載の係留手段で上記(1)に記載の落下拘束具を取り付け、下絞り紐13を緩めて下絞り蓋11a〜11dを開き排出スリーブ8を排出開口から外に取り出して排出スリーブ8を通して収納胴6内の粉粒体を排出する。
【0015】
第2態様の粉粒体供給においては、収納胴6に所要量の粉粒体を充填すると充填スリーブ7に上記(1)に記載の係留手段で上記(1)に記載の落下拘束具を取り付けてから上絞り蓋10a〜10dを上絞り紐12で絞り、コンテナバッグの粉粒体を排出するときには、下絞り紐13を緩めて下絞り蓋11a〜11dを開き排出スリーブ8を排出開口から外に取り出して排出スリーブ8を通して収納胴6内の粉粒体を排出する。
【0016】
これらによれば、粉粒体を充填したコンテナバッグの下面から排出スリーブ8が垂れ下がることはなく、コンテナバッグの移送が容易で荷積が安定する。
【0017】
(3)コンテナ外袋1には、前記充填開口が上面にあり前記排出開口が下面にあって前記粉粒体収納胴6が入る胴カバー2,前記排出開口に繋がって前記下絞り蓋11a〜11dの絞り開口を貫通する、前記排出スリーブ8を通す可撓性の排出ガイド4、および、前記充填開口に繋がって前記上絞り蓋10a〜10dの絞り開口を貫通する、前記充填スリーブ7を通す可撓性の充填ガイド3、がある上記(2)に記載の粉粒体供給システム。
【0018】
(4)コンテナ外袋1の胴カバー2上面に通気口16がある、上記(3)に記載の粉粒体供給システム。
【0019】
上記(3)および(4)の粉粒体供給システムを用いる第1態様の粉粒体供給においては、排出スリーブ8の先端を熱圧着9で閉じた内袋5をコンテナ外袋1に挿入しその排出スリーブ8を排出ガイド4に通して排出ガイド4と一緒に排出開口の内部に収納し下絞り蓋11a〜11dを下絞り紐13で閉じ、充填スリーブ7はコンテナ外袋1の胴カバー2上面の充填開口から上方に突き出し充填ガイド3に通し、内袋5の収納胴6はコンテナ外袋1の胴カバー2内に留めた、上記(3)又は(4)に記載のコンテナバッグの、
充填スリーブ7の上開口から粉粒体を収納胴6に流し込み、収納胴6に所要量の粉粒体を充填した後に、充填スリーブ7の上端部を熱圧着19により気密に閉じてから充填スリーブ7を充填ガイド3と一緒に充填開口の内部に収納し上絞り蓋10a〜10dを上絞り紐12で閉じ、
コンテナバッグの粉粒体を排出するときには、上絞り紐12を緩めて上絞り蓋10a〜10dを開いて充填ガイド3と一緒に充填スリーブ7を充填開口から外に引き出してそれに上記(1)に記載の係留手段で上記(1)に記載の落下拘束具を取り付け、下絞り紐13を緩めて下絞り蓋11a〜11dを開き排出ガイド4と一緒に排出スリーブ8を排出開口から外に取り出して排出スリーブ8を通して収納胴6内の粉粒体を排出する。
【0020】
第2態様の粉粒体供給においては、収納胴6に所要量の粉粒体を充填した後に充填スリーブ7の上端部を熱圧着19により気密に閉じてから充填スリーブ7に上記(1)に記載の係留手段で上記(1)に記載の落下拘束具を取り付け、上絞り蓋10a〜10dを上絞り紐12で絞り、コンテナバッグの粉粒体を排出するときには、下絞り蓋11a〜11dを開き排出スリーブ8を排出ガイド4と一緒に排出開口から外に取り出して排出スリーブ8を通して収納胴6内の粉粒体を排出する。
【0021】
これらによれば、排出スリーブ8の下端部および充填スリーブ7の上端部の熱圧着9,19による気密封止により、粉粒体を充填した内袋5の気密性が高く、粉粒体の吸湿や酸化が防止される。すなわち、粉粒体の品質劣化が避けられる。
【0022】
内袋5の収納胴6に粉粒体を充填するときならびに収納胴6から粉粒体を排出するとき、コンテナ外袋1の外壁と内袋5の収納胴6の外表面との間が通気口を通してコンテナ外部に通じているので、空気の吸引,排出が容易で、内袋5が容易に変形し易く、粉粒体の充填,排出が滑らかに安定する。すなわち、充填作業が効率よくなり、また、排出作業が効率よくなる。
【0023】
第1実施例
図1は、本発明の第1実施例の粉粒体供給システムのコンテナバッグの、コンテナ外袋1と内袋5を示す斜視図であり、図1の(a)はコンテナ外袋1を、図1の(b)は内袋5を示す。
【0024】
コンテナ外袋1は、可撓性のフレキシブル素材で作られており、原形は柔軟かつ強靭な袋状である。その内部に空気を吹き込むと略円筒形の太い胴体カバー2の上と下に小径の略円筒形状の充填カバー3と排出カバー4が連続した立体となる。胴体カバー2の上面の充填開口に充填カバー3が連続し、下面の排出開口に排出カバー4が連続している。充填開口周りの充填カバー3の外側には上絞り蓋10a〜10dが、排出開口の周りの排出カバー4の外側には下絞り蓋11a〜11dが備わっている。上絞り蓋10a〜10dにはそれを絞って閉じるための上絞り紐12が、下絞り蓋11a〜11dにはそれを絞って閉じるための下絞り紐13が、装着されている。コンテナ外袋1の側面には、吊ロープ14,15が取り付けられている。
【0025】
内袋5は、可撓性が高い比較的に薄いフレキシブル素材で作られており、原形は平らなシート状である。その内部に空気を吹き込むと略円筒形の太い収納胴6の上と下が小径の略円筒体の充填スリーブ7と排出スリーブ8となった立体となる。充填スリーブ7および排出スリーブ8は、収納胴6と連続である。排出スリーブ8の下端は熱圧着9で閉じられている。
【0026】
内袋5をコンテナ外袋1に入れて排出スリーブ8を排出ガイド4内に通し、収納胴6は胴カバー2内に、充填スリーブ7は充填カバー3内に入れてから、排出スリーブ8を排出ガイド4と一緒につづら折(ジグザグ折)して、コンテナ外袋1の充填開口から胴カバー2内に挿入し、下絞り紐13で下絞り蓋11a〜11bを絞り閉じして、内袋5の内部に空気を吹き込むと、図2に示す形態のコンテナバッグとなる。
【0027】
図2に示す形態のコンテナバッグをパレット上に載せ、フックあるいはクランパで充填ガイド3および充填スリーブ7を略直立筒体状に維持して、粉粒体である溶接用フラックスを、充填スリーブ7の上開口から胴カバー2内の収納胴6に流し込む。すなわちコンテナバッグに溶接用フラックスを充填する。収納胴6に所要量の溶接用フラックスを充填すると、充填スリーブ7の上端から内部の空気を排出し、充填スリーブ7の上端を熱圧着19により気密に閉じる。
【0028】
これによりコンテナバッグは図3に示す形態になる。次いで、充填スリーブ7と一緒に充填ガイド3をつづら折(ジグザグ折)して、胴カバー2の充填開口から胴カバー2内に挿入し、そして上絞り紐12で上絞り蓋10a〜10dを絞り閉じすると、図4に示す、溶接用フラックスを充填した移送用形態のコンテナバッグとなる。
【0029】
図4に示すコンテナバッグの溶接用フラックスをフラックス供給ホッパーに払い出す(供給する)ときには、上絞り紐12を緩めて胴カバー2の上面の充填開口を開いてその直下の充填スリーブ7を充填ガイド3と一緒に上方に引き出して、充填スリーブ7に、係留手段である縛りロープ18で落下拘束具である棒体17を縛りつける。棒体17は、コンテナ外袋1の胴カバー2上面の充填開口の幅よりも長いものである。つぎに、図示しないクレーンのフックに吊ロープ14,15を引っかけて、クレーンでコンテナバッグをフラックス供給ホッパーの上方に運搬する。
【0030】
そして下絞り紐13を緩めて下絞り蓋11a〜11dを開いて、すなわち胴カバー2の下面の排出開口を開いて、内袋7の排出スリーブ8を排出ガイド4と一緒に下方に引き出してその下端の熱圧着9(図1)を切除する。これにより内袋5の収納胴6内の溶接用フラックスが排出スリーブ8を通してフラックス供給ホッパー内に流出し始める。図5に、このときのコンテナバッグの形態を示す。通気口16を通して刺し具あるいは穴あけ道具を収納胴6に刺して内袋5に通気孔を開けることにより、収納胴6に空気が入り、溶接用フラックスの流出速度が上がり、フラックス払い出し作業が能率よくなる。溶接用フラックス排出時に内袋5内の溶接用フラックスの重量により内袋5に下方に向かう負荷が掛かっても、棒体17の長さが胴カバー2の充填開口の幅(直径)より長いのでこれが充填開口の上でコンテナ外袋1の胴カバー2の上面に掛かり内袋5がコンテナ外袋1から下方に落下することがなく、溶接用フラックスの排出が円滑に進行する。
【0031】
第2実施例
本発明の第2実施例で用いるコンテナバッグは、第1実施例のものと同様な形態であるが、コンテナバッグを使用する粉粒体供給方法の態様が異なる。上述した第1実施例の粉粒体供給方法(第1態様)では、コンテナバッグに溶接用フラックスを充填し充填スリーブ7の上端部を図3に示すように熱圧着19で気密に閉じると、充填スリーブ7を充填ガイド3と一緒につづら折り(ジグザグ折り)して胴カバー2の充填開口に入れて上絞り蓋10a〜10dを上絞り紐12で絞り閉じして図4に示す荷姿にし、溶接フラックスを使用するときに、コンテナバッグをフラックス供給ホッパーの上方に運ぶが、その前又は後で、充填開口を開いて充填スリーブ7を充填ガイド3と一緒に引き出し、充填スリーブ7に縛りロープ18で棒体17を縛りつける。そしてフラックス供給ホッパーの上方に運んだコンテナバッグの排出開口を開いて排出スリーブ8を排出ガイド4と一緒に引き出して排出スリーブ8の下端の熱圧着9(図1)を切除する。この形態を図5に示している。
【0032】
しかし本発明の第2態様の粉粒体供給方法では、図3に示すように溶接用フラックスを充填し充填スリーブ7の上端部を熱圧着19により密閉した直後に、図6に示すように、充填スリーブ7に係留手段である縛りロープ18で落下拘束具である棒体17を縛りつけ、そして上絞り紐12で上絞り蓋10a〜10bを閉じる。そして棒体17を絞り蓋10a〜10bの上に載置する。
【0033】
フラックスを使用するときには、胴カバー2の排出開口を開いて排出スリーブ8を排出ガイド4と一緒に引き出してその下端の熱圧着9(図1)を切除する。これにより内袋5の収納胴6内の溶接用フラックスが排出スリーブ8を通してフラックス供給ホッパー内に流出し始める。図7に、このときのコンテナバッグの形態を示す。
上述の第1態様および第2態様のいずれにおいても、落下拘束具である棒体17は、胴カバー2上面の充填開口の幅(直径)より長いものとする。棒体17の長さが充填開口の幅(直径)未満では、粉粒体(例えば溶接用フラックス)を排出する際、棒体17に粉粒体の重量が掛かり、棒体17が充填開口内に入り込んで内袋5がコンテナ外袋1から落下し、内袋下端の排出スリーブから粉粒体が排出できなくなる。なお、棒体17の長さが500mmを超えると、内袋上端の充填スリーブ7への取り付け,取り外し作業に手間が掛かって作業効率が悪くなるので、400mm以下とすることが好ましい。
また、棒体17の防止落下の目的から、棒体17を2本用い、十字状に交差させて充填開口上に載置しても良い。さらに、棒体17の形状は円柱または角柱等のいずれでも良い。また、係留手段である縛りロープ18を結束する棒体17の部分には、結束部が移動しないように滑り止めシールを貼付または小突起群,周回溝,周回突条を付与してもよい。また、棒体17の両端部には、結束部が外れないようにフランジを設けてもよい。縛りロープ18の結束方法はとくに限定しないが、外れ防止の目的から、充填スリーブ7を棒体17に2回以上巻いた後に充填スリーブ7の巻回の直前の部分と巻回後の先端部分とを縛りロープでしっかりと結束するのも好ましい。
コンテナ外袋1内に内袋5を内装した際、内装した内袋5をコンテナ外袋1内で均一に拡げる目的から、粉粒体を充填する前にエアー等で十分に膨張させるとともに、内袋5の排出スリーブ8が胴カバー2の排出開口からスムーズに取り出せるよう排出スリーブ8を排出開口付近に収容しておくことが好ましい。吸湿防止の目的から、内袋5には、ポリエチレン製フィルム、ポリエチレンラミネート等を用いることが好ましい。
【0034】
以下本発明の具体例を説明する。直径が620mm、高さが700mm、充填開口および充填スリーブ7の直径が略400mm、充填スリーブ7の長さが600mm、排出開口および排出スリーブ8の直径が略300mm、排出スリーブ8の長さが1200mmのコンテナ外袋1に、内袋5を収容した本発明の1実施例のコンテナバッグの充填開口から内袋5の充填スリーブ7を取り出して充填スリーブ7を通して、粉粒体として、JIS Z 3352 SAAB1に相当する溶接用フラックスを150kg充填した後、充填スリーブ7を直径19mm、長さ450mmのステンレス鋼管に3回巻き付けて結束し、充填開口上にステンレス鋼管を載置した後、コンテナ外袋1上面の充填開口を絞り紐12で閉鎖したコンテナバッグに、通気口16から露出した内袋5の表面部に空気穴を穿ち、吊ロープ14,15でコンテナバッグを吊り上げた状態で、コンテナ外袋1の排出開口を開放し、排出開口から内袋5の排出スリーブ8を取り出し、排出スリーブ8の下端の熱圧着部を切断して溶接用フラックスを排出した結果、内袋5がコンテナ外袋1から落下せずに溶接用フラックスがスムーズに排出され、作業時間が非常に短く、作業能率が改善した。
【0035】
一方、従来のフレキシブルコンテナバッグに、溶接用フラックスを150kg充填した後、内袋の充填スリーブとコンテナ外袋上面の絞り蓋とをまとめて結束して固定したフレキシブルコンテナバッグでは、溶接用フラックスを排出時に内袋5が落下し、溶接用フラックスが排出不可となった。
【符号の説明】
【0036】
1:コンテナ外袋
2:胴カバー
3:充填ガイド
4:排出ガイド
5:内袋
6:収納胴
7:充填スリーブ
8:排出スリーブ
9:熱圧着
10a〜10d:上絞り蓋
11a〜11d:下絞り蓋
12:上絞り紐
13:下絞り紐
14,15:吊ロープ
16:通気口
17:棒体
18:縛りロープ
19:熱圧着
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7