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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-149558(P2017-149558A)
(43)【公開日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】シート巻取装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/26 20060101AFI20170804BHJP
   B65H 19/28 20060101ALI20170804BHJP
   B65H 18/16 20060101ALI20170804BHJP
【FI】
   B65H19/26
   B65H19/28 Z
   B65H18/16
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-35486(P2016-35486)
(22)【出願日】2016年2月26日
(11)【特許番号】特許第6140324号(P6140324)
(45)【特許公報発行日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000154130
【氏名又は名称】株式会社不二鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠山 哲則
【テーマコード(参考)】
3F055
3F064
【Fターム(参考)】
3F055AA12
3F055DA08
3F055EA02
3F055EA06
3F064AA08
3F064CA15
3F064CB01
3F064CB08
3F064CB11
3F064DA02
3F064EB19
(57)【要約】
【課題】シートが紙以外であっても、シートを切断して巻芯を交換することが可能なシート巻取装置を提供する。
【解決手段】シート巻取装置100は、巻芯160の交換時に、巻取ロール151を駆動ドラム2から離間させるとともに、その巻取ロール151を回転させる移送ローラ5と、巻芯160の交換時に、新しい巻芯160を巻付位置P1に移動させることにより、シート150を介してその新しい巻芯160を駆動ドラム2に接触させる巻芯搬送部7と、巻付位置P1に新しい巻芯160が配置されているときに、シート150を切断して新しい巻芯160に巻き付ける切断巻付部8とを備える。切断巻付部8は、ロータリーカッターと受けローラとを含み、ロータリーカッターおよび受けローラをシート150の幅方向に移動させることによりシート150を切断するように構成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを巻き取る巻芯を回転させる駆動ドラムと、
巻芯にシートが巻き取られることにより形成される巻取ロールを前記駆動ドラムに接触させる押付部材とを備えるシート巻取装置であって、
巻芯の交換時に、前記巻取ロールを前記駆動ドラムから離間させるとともに、その巻取ロールを回転させる移送ローラと、
巻芯の交換時に、新しい巻芯を巻付位置に移動させることにより、シートを介してその新しい巻芯を前記駆動ドラムに接触させる巻芯搬送部と、
前記巻付位置に新しい巻芯が配置されているときに、シートを切断して新しい巻芯に巻き付ける切断巻付部とを備え、
前記切断巻付部は、ロータリーカッターと、前記ロータリーカッターを受ける受けローラとを含み、前記ロータリーカッターおよび前記受けローラをシートの幅方向に移動させることによりシートを切断するように構成されていることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート巻取装置において、
前記巻付位置の新しい巻芯には、前記駆動ドラムから前記巻取ロールに向かうシートが巻き掛けられ、
前記巻付位置の新しい巻芯の回転中心は、前記駆動ドラムの回転中心よりも上流側に配置されていることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシート巻取装置において、
前記切断巻付部は、前記ロータリーカッターおよび前記受けローラをシートの幅方向に移動させるときに、前記受けローラを駆動回転させるように構成されていることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載のシート巻取装置において、
前記切断巻付部は、前記巻付位置の新しい巻芯にシートを押さえ付ける押さえローラを含むことを特徴とするシート巻取装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のシート巻取装置において、
前記切断巻付部は、前記ロータリーカッターにより切断されるシートにエアを吹き付けるエア吐出部を含むことを特徴とするシート巻取装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載のシート巻取装置において、
前記切断巻付部は、前記巻付位置の新しい巻芯に巻き掛けられたシートを帯電させる帯電部を含むことを特徴とするシート巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動ドラムに巻取ロールを接触させることにより、その巻取ロールを回転させてシートを巻き取るシート巻取装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のシート巻取装置では、巻芯の交換時に、駆動ドラムから巻取ロールを離間させるとともに、巻取ロールが位置していた巻取位置に新しい巻芯が配置される。そして、巻取ロールを減速させることにより、駆動ドラムと新しい巻芯との間から巻取ロールに送られるシートを浮かび上がらせ、その浮かび上がった部分を駆動ドラムと新しい巻芯との間に噛み込ませることによってシートが切断される。すなわち、シートに高い張力を発生させて切断している。このようにして、シートを巻き取る巻芯が交換される。なお、このシートは紙である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−251984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来のシート巻取装置では、シートが紙であるため、シートを浮かび上がらせて噛み込みにより切断することが可能であるが、たとえばシートが不織布などの切断しにくい材質であれば、シートを切断して巻芯を交換することが困難である。すなわち、シートの材質によっては上記した従来の技術を適用することが困難である。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、シートが紙以外であっても、シートを切断して巻芯を交換することが可能なシート巻取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるシート巻取装置は、シートを巻き取る巻芯を回転させる駆動ドラムと、巻芯にシートが巻き取られることにより形成される巻取ロールを駆動ドラムに接触させる押付部材と、巻芯の交換時に、巻取ロールを駆動ドラムから離間させるとともに、その巻取ロールを回転させる移送ローラと、巻芯の交換時に、新しい巻芯を巻付位置に移動させることにより、シートを介してその新しい巻芯を駆動ドラムに接触させる巻芯搬送部と、巻付位置に新しい巻芯が配置されているときに、シートを切断して新しい巻芯に巻き付ける切断巻付部とを備える。切断巻付部は、ロータリーカッターと、ロータリーカッターを受ける受けローラとを含み、ロータリーカッターおよび受けローラをシートの幅方向に移動させることによりシートを切断するように構成されている。
【0008】
このように構成することによって、たとえばシートが不織布などであっても、ロータリーカッターによりシートを切断して巻付位置の新しい巻芯に巻き付けることができる。したがって、シートが紙以外であっても、シートを切断して巻芯を交換することができる。
【0009】
上記シート巻取装置において、好ましくは、巻付位置の新しい巻芯には、駆動ドラムから巻取ロールに向かうシートが巻き掛けられ、巻付位置の新しい巻芯の回転中心は、駆動ドラムの回転中心よりも上流側に配置されている。
【0010】
上記シート巻取装置において、好ましくは、切断巻付部は、ロータリーカッターおよび受けローラをシートの幅方向に移動させるときに、受けローラを駆動回転させるように構成されている。
【0011】
上記シート巻取装置において、好ましくは、切断巻付部は、巻付位置の新しい巻芯にシートを押さえ付ける押さえローラを含む。
【0012】
上記シート巻取装置において、好ましくは、切断巻付部は、ロータリーカッターにより切断されるシートにエアを吹き付けるエア吐出部を含む。
【0013】
上記シート巻取装置において、好ましくは、切断巻付部は、巻付位置の新しい巻芯に巻き掛けられたシートを帯電させる帯電部を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明のシート巻取装置によれば、シートが紙以外であっても、シートを切断して巻芯を交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態によるシート巻取装置の概略構成を示した図である。
図2図1のシート巻取装置の切断巻付部の切断部を示した図である。
図3図1のシート巻取装置において巻径が増大した状態を示した図である。
図4図3のシート巻取装置において移送ローラにより巻取ロールが下流側に移動された状態を示した図である。
図5図4のシート巻取装置において新しい巻芯が巻付位置に配置された状態を示した図である。
図6図5のシート巻取装置においてシートが切断されるときの状態を示した図である。
図7図6のシート巻取装置において巻取ロールが運搬車に排出された状態を示した図である。
図8図7のシート巻取装置において新しい巻芯がガイドレールに載置された状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
−構成−
まず、図1図2および図6を参照して、本実施形態によるシート巻取装置100の構成について説明する。このシート巻取装置100は、駆動ドラム2に巻取ロール151を接触させることにより、その巻取ロール151を回転させてシート150を巻き取る、いわゆるドラムワインダである。なお、巻取ロール151は、巻芯160にシート150が巻き取られることにより形成され、シート150の巻き取りに伴いその直径(巻径)が大きくなる。
【0018】
シート150は、たとえば不織布からなる帯状シートであり、上流側の製膜ライン(図示省略)からシート巻取装置100に供給されるようになっている。なお、図1において、上流側はY1方向側であり、下流側はY2方向側である。
【0019】
シート巻取装置100は、図1に示すように、ガイドローラ1と、駆動ドラム2と、ガイドレール3と、押圧アーム4と、移送ローラ5と、巻芯供給部6と、巻芯搬送部7と、切断巻付部8と、運搬車9とを備えている。
【0020】
ガイドローラ1は、シート150の搬送方向に沿って複数設けられている。ガイドローラ1は、上流側の製膜ラインから供給されるシート150を、駆動ドラム2および巻芯160(巻取ロール151)の間に案内する機能を有する。
【0021】
駆動ドラム2は、シート150を巻き取る巻芯160を回転させるために設けられ、駆動回転可能に構成されている。駆動ドラム2は、巻取ロール151が接触され、その巻取ロール151を摩擦によって連れ回すように構成されている。具体的には、駆動ドラム2は、図1において反時計回りに回転することにより、巻取ロール151を時計回りに回転させるようになっている。
【0022】
ガイドレール3は、巻芯160の軸方向における両端部を支持するように構成されている。このガイドレール3は、水平方向(Y1およびY2方向)に延びるように形成され、巻取ロール151の直径が大きくなるにつれて下流側に移動する巻芯160を支持するように構成されている。また、ガイドレール3には、下流側に傾動部31が設けられるとともに、上流側に傾動部32が設けられている。なお、巻芯160の両端部には軸受(図示省略)が設けられており、巻芯160がガイドレール3に対して回転自在な状態で支持されている。
【0023】
押圧アーム4は、ガイドレール3に支持される巻芯160を上流側に押圧するように構成されている。すなわち、押圧アーム4は、巻取ロール151を駆動ドラム2に接触させるために設けられている。この押圧アーム4は、回動可能に設けられており、先端が巻芯160の両端部に当接するようになっている。なお、押圧アーム4が巻芯160の軸受に当接するため、巻芯160が押圧アーム4に対して回転自在である。また、押圧アーム4は、本発明の「押付部材」の一例である。
【0024】
移送ローラ5は、図6に示すように、巻芯160の交換時に、巻取ロール151を駆動ドラム2から離間させるとともに、その巻取ロール151を回転させるために設けられている。この移送ローラ5は、アーム51の先端に駆動回転可能に設けられ、アーム51は、回動可能に設けられている。そして、移送ローラ5は、巻芯160の交換時に、アーム51によって回動されることにより、巻取ロール151に接触し、押圧アーム4の押圧力に抗して巻取ロール151を下流側に移動させるように構成されている。なお、移送ローラ5が巻取ロール151に接触する際に、移送ローラ5が駆動回転されており、駆動ドラム2から離間する巻取ロール151を移送ローラ5が回転させるようになっている。
【0025】
巻芯供給部6は、巻芯搬送部7に新しい巻芯160を供給するために設けられている。巻芯供給部6は、マガジン61と、スライド部材62と、リフトアーム63とを含んでいる。
【0026】
マガジン61には、複数の新しい巻芯160が貯留されている。このマガジン61は、巻取ロール151の軸方向において、巻取ロール151と重ならない領域に配置されている。たとえば、マガジン61は、図1の紙面に対して巻取ロール151の奥側に配置されている。なお、マガジン61にはストッパ61aが設けられており、そのストッパ61aが回動することにより新しい巻芯160が1本ずつスライド部材62に繰り出されるようになっている。
【0027】
スライド部材62は、マガジン61から繰り出された新しい巻芯160をリフトアーム63に搬送するために設けられている。スライド部材62は、新しい巻芯160を軸方向(たとえば、図1の紙面に対する垂直方向における手前側)に移動させるように構成されている。
【0028】
リフトアーム63は、駆動ドラム2の下方に配置され、新しい巻芯160を巻芯搬送部7に受け渡すために設けられている。このリフトアーム63は、スライド部材62により搬送された新しい巻芯160を持ち上げるように構成されている。
【0029】
巻芯搬送部7は、巻芯160の交換時に、新しい巻芯160を巻付位置P1に移動させるために設けられている。この巻芯搬送部7は、回動可能に設けられた第1アーム71と、第1アーム71の先端に回動可能に設けられた第2アーム72とを含んでいる。第1アーム71の回動中心は、駆動ドラム2の回転中心と一致している。第2アーム72の先端には、新しい巻芯160を回転可能に保持するチャック72a(図1参照)が設けられている。また、第2アーム72は、シート150を介して新しい巻芯160を駆動ドラム2に押し付けるように構成されている。なお、巻付位置P1の新しい巻芯160の回転中心は、駆動ドラム2の回転中心よりも上流側に配置されている。
【0030】
切断巻付部8は、巻芯160の交換時に、シート150を切断するとともに、その切断したシート150を巻付位置P1の新しい巻芯160に巻き付けるために設けられている。この切断巻付部8は、アーム81と、切断部82と、押さえローラ83と、エア吐出部84と、帯電部85とを含んでいる。
【0031】
アーム81は、回動可能に構成され、切断部82、押さえローラ83、エア吐出部84および帯電部85が設けられている。
【0032】
切断部82は、図2に示すように、ロータリーカッター(回転丸刃)821および受けローラ822を含み、ロータリーカッター821および受けローラ822をシート150の幅方向(X方向)に移動させることによりシート150を切断するように構成されている。ロータリーカッター821および受けローラ822は、接触した状態でホルダ823に保持されている。すなわち、受けローラ822は、ロータリーカッター821の刃を受けるように構成されている。なお、受けローラ822の外周は、たとえば、いわゆるカッティングマットに用いられる材質からなる。
【0033】
ホルダ823は、シート150の幅方向に移動可能に設けられている。このホルダ823は、ガイドレール824に係合されるとともに、ベルト825に連結されている。ベルト825は、モータ826の出力軸に巻き掛けられており、そのモータ826によって駆動されるように構成されている。
【0034】
また、ホルダ823の移動方向に沿ってラック827が設けられ、ホルダ823にはラック827と噛合するピニオン828が設けられている。なお、図2では、見やすさを考慮して、ラック827およびピニオン828に形成される歯の図示を省略した。ピニオン828のプーリおよび受けローラ822のプーリにはベルト829が巻き掛けられている。このため、ホルダ823が移動するとピニオン828が回転され、そのピニオン828の回転がベルト829を介して受けローラ822に伝達される。なお、ロータリーカッター821は、ホルダ823に回転自在に支持されているため、受けローラ822が駆動されると連れ回されるようになっている。
【0035】
押さえローラ83は、図6に示すように、巻芯160の交換時に、巻付位置P1の新しい巻芯160にシート150を押さえ付けるために設けられている。この押さえローラ83は、アーム83aに回転可能に設けられ、そのアーム83aは、アーム81に回動可能に設けられている。
【0036】
エア吐出部84は、切断部82によるシート150の切断時に、切断されるシート150にエアを吹き付けることにより、その切断端(シート150の流れ方向における上流側の切断端)を巻付位置P1の新しい巻芯160に巻き付けるために設けられている。エア吐出部84は、切断部82を挟むように一対設けられている。
【0037】
帯電部85は、巻芯160の交換時に、シート150を帯電させることにより、巻付位置P1の新しい巻芯160にシート150の切断端が吸着しやすくするために設けられている。
【0038】
運搬車9は、巻き上がった巻取ロール151を排出するために設けられている。この運搬車9は、水平方向に移動可能に設けられている。
【0039】
−動作−
次に、図1図8を参照して、本実施形態によるシート巻取装置100の動作について説明する。
【0040】
まず、図1に示すように、シート150が巻き付けられた巻芯160がガイドレール3に支持されるとともに、その巻芯160が押圧アーム4により駆動ドラム2側(上流側)に押圧される。なお、ガイドレール3および押圧アーム4は軸受(図示省略)を介して巻芯160に接触されており、巻芯160はガイドレール3および押圧アーム4に対して回転自在である。この状態で駆動ドラム2が回転されることにより、シート150を介して駆動ドラム2に接触する巻芯160が摩擦によって回転されるため、上流側の製膜ラインからガイドローラ1を介して供給されるシート150が巻芯160に巻き取られる。
【0041】
そして、シート150の巻き取りに伴い巻取ロール151の直径が大きくなると、図3に示すように、ガイドレール3に支持される巻芯160が押圧アーム4の先端とともに下流側に移動される。
【0042】
なお、巻芯供給部6では、マガジン61から新しい巻芯160がスライド部材62に繰り出される。その新しい巻芯160は、スライド部材62により軸方向に移動され、リフトアーム63に搬送される。その後、リフトアーム63が回動されることにより、新しい巻芯160が持ち上げられ、巻芯搬送部7に供給される。巻芯搬送部7では、第2アーム72のチャック72aにより、新しい巻芯160が回転可能に保持される。このとき、新しい巻芯160は、駆動ドラム2の下方に配置されるとともに、駆動ドラム2から離間されている。なお、その後、リフトアーム63が下方に回動される。
【0043】
そして、巻芯160の交換が開始されると、移送ローラ5が駆動回転されるとともに、移送ローラ5のアーム51がR1方向に回動されることにより、図4に示すように、移送ローラ5が巻取ロール151に接触され、巻取ロール151がガイドレール3に沿って下流側に移動される。このため、巻取ロール151が駆動ドラム2から離間されるが、その巻取ロール151は移送ローラ5によって回転される。また、ガイドレール3の傾動部32が傾動される。
【0044】
その後、巻芯搬送部7では、第1アーム71がR2方向に回動されるとともに、第2アーム72が駆動ドラム2側に回動されることにより、図5に示すように、新しい巻芯160が巻付位置P1に移動される。このとき、新しい巻芯160はシート150を介して駆動ドラム2に接触されるため、駆動ドラム2により回転される。
【0045】
また、巻付位置P1の新しい巻芯160には、駆動ドラム2から巻取ロール151に向かうシート150が巻き掛けられており、巻付位置P1の新しい巻芯160の回転中心は駆動ドラム2の回転中心よりも上流側に配置される。このため、新しい巻芯160に対してシート150が接触する角度範囲が180度以上になっている。なお、新しい巻芯160の搬送経路から退避していた傾動部32が元の位置に戻される。
【0046】
そして、切断巻付部8では、アーム81がR3方向に回動されることにより、図6に示すように、巻付位置P1の新しい巻芯160から繰り出されるシート150の近傍に切断部82が配置される。なお、切断部82のホルダ823(図2参照)は、シート150の幅方向における外方に配置される。また、新しい巻芯160から繰り出されるシート150に対して、下方にロータリーカッター821(図2参照)が配置され、上方に受けローラ822(図2参照)が配置される。
【0047】
そして、押さえローラ83のアーム83aが新しい巻芯160側に回動されることにより、押さえローラ83がシート150を介して新しい巻芯160に接触される。また、巻付位置P1の新しい巻芯160の近傍に帯電部85が配置され、その帯電部85により新しい巻芯160に巻き掛けられるシート150が帯電される。また、シート150の切断時にホルダ823が走行する部分に対して、シート150の流れ方向における上流側および下流側にエア吐出部84が配置される。
【0048】
次に、切断部82では、モータ826(図2参照)によりベルト825(図2参照)が駆動されることによって、ホルダ823がシート150の幅方向に移動する。このとき、ホルダ823の移動に伴い、ラック827(図2参照)と噛合するピニオン828(図2参照)が回転される。このため、ピニオン828の回転がベルト829(図2参照)を介して受けローラ822に伝達され、受けローラ822が駆動回転される。したがって、受けローラ822によりロータリーカッター821が連れ回される。すなわち、ロータリーカッター821が回転されながら、受けローラ822およびロータリーカッター821がシート150の幅方向に移動する。これにより、受けローラ822およびロータリーカッター821の間にシート150が挟み込まれて切断される。
【0049】
また、切断されるシート150にはエア吐出部84からエアが吹き付けられており、シート150の切断端(シート150の流れ方向における上流側の切断端)が、巻付位置P1の新しい巻芯160と駆動ドラム2との間に送り込まれ、新しい巻芯160にシート150が巻き付けられる。なお、切断端の他方(シート150の流れ方向における下流側の切断端)は、巻取ロール151によって巻き取られる。
【0050】
その後、図7に示すように、押圧アーム4の先端が下流側に回動されるとともに、ガイドレール3の傾動部31が傾くことにより、巻取ロール151が運搬車9に排出される。また、切断巻付部8が元の位置に戻されるとともに、移送ローラ5が元の位置に戻される。運搬車9は、巻芯160を支持し、下流側に移動される。
【0051】
そして、図8に示すように、巻芯搬送部7の第1アーム71が回動されることにより、新しい巻芯160がガイドレール3に載置される。その後、押圧アーム4が回動されることにより、押圧アーム4により新しい巻芯160が駆動ドラム2側に押圧される。なお、押圧アーム4により新しい巻芯160が駆動ドラム2側に押圧されるまでの間は、巻芯搬送部7の第2アーム72により新しい巻芯160が駆動ドラム2側に押圧される。その後、第2アーム72のチャック72a(図1参照)による新しい巻芯160の保持が解除され、第1アーム71が元の位置に戻される。
【0052】
以上の動作が繰り返し行われることにより、巻芯160の交換を行いながら、シート150が連続的に巻き取られる。すなわち、シート150の巻き取りを中断することなく、巻芯160を交換することが可能である。
【0053】
−効果−
本実施形態では、上記のように、巻芯160を回転させる駆動ドラム2と、巻取ロール151を駆動ドラム2に接触させる押圧アーム4と、巻芯160の交換時に、巻取ロール151を駆動ドラム2から離間させるとともに、その巻取ロール151を回転させる移送ローラ5と、巻芯160の交換時に、新しい巻芯160を巻付位置P1に移動させることにより、シート150を介してその新しい巻芯160を駆動ドラム2に接触させる巻芯搬送部7と、巻付位置P1に新しい巻芯160が配置されているときに、シート150を切断して新しい巻芯160に巻き付ける切断巻付部8とを備える。切断巻付部8は、ロータリーカッター821と受けローラ822とを含み、ロータリーカッター821および受けローラ822をシート150の幅方向に移動させることによりシート150を切断するように構成されている。このように構成することによって、シート150が不織布であっても、ロータリーカッター821によりシート150を切断して巻付位置P1の新しい巻芯160に巻き付けることができる。したがって、シート150が紙以外であっても、シート150を切断して巻芯160を交換することができる。その結果、いわゆるドラムワインダであるシート巻取装置100において、シート150の巻き取りを中断することなく、巻芯160を交換することができる。
【0054】
また、本実施形態では、巻付位置P1の新しい巻芯160には、駆動ドラム2から巻取ロール151に向かうシート150が巻き掛けられ、巻付位置P1の新しい巻芯160の回転中心が駆動ドラム2の回転中心よりも上流側に配置されることによって、新しい巻芯160に対してシート150が接触する角度範囲を広くすることができるので、切断されたシート150を新しい巻芯160と駆動ドラム2との間に送り込みやすくすることができる。
【0055】
また、本実施形態では、受けローラ822を駆動回転するとともに、ロータリーカッター821を受けローラ822により連れ回すことによって、シート150をより切断しやすくすることができる。
【0056】
また、本実施形態では、ラック827と噛合し、ホルダ823の移動によって回転するピニオン828を設け、ベルト829を介して受けローラ822とピニオン828とを連結することによって、ホルダ823の移動に連れて受けローラ822を駆動回転させることができる。
【0057】
また、本実施形態では、巻付位置P1の新しい巻芯160にシート150を押さえ付ける押さえローラ83を設けることによって、ロータリーカッター821により切断されるシート150を保持して安定させることができるので、切断性の向上を図ることができる。
【0058】
また、本実施形態では、ロータリーカッター821により切断されるシート150にエアを吹き付けるエア吐出部84を設けることによって、切断されたシート150を新しい巻芯160と駆動ドラム2との間に送り込みやすくすることができる。
【0059】
また、本実施形態では、巻付位置P1の新しい巻芯160に巻き掛けられたシート150を帯電させる帯電部85を設けることによって、切断されたシート150を新しい巻芯160に吸着しやすくすることができる。
【0060】
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0061】
たとえば、本実施形態では、シート150が不織布である例を示したが、これに限らず、シートが樹脂製であってもよい。
【0062】
また、本実施形態において、駆動回転する受けローラ822の表面速度と、シート150の幅方向に移動するホルダ823の移動速度とが同じであってもよいし、駆動回転する受けローラ822の表面速度が、シート150の幅方向に移動するホルダ823の移動速度よりも大きくてもよい。
【符号の説明】
【0063】
2 駆動ドラム
4 押圧アーム(押付部材)
5 移送ローラ
7 巻芯搬送部
8 切断巻付部
83 押さえローラ
84 エア吐出部
85 帯電部
100 シート巻取装置
150 シート
151 巻取ロール
160 巻芯
821 ロータリーカッター
822 受けローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2016年12月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを巻き取る巻芯を回転させる駆動ドラムと、
巻芯にシートが巻き取られることにより形成される巻取ロールを前記駆動ドラムに接触させる押付部材とを備えるシート巻取装置であって、
巻芯の交換時に、前記巻取ロールを前記駆動ドラムから離間させるとともに、その巻取ロールを回転させる移送ローラと、
前記移送ローラにより前記巻取ロールが前記駆動ドラムから離間されているときに、新しい巻芯を巻付位置に移動させることにより、シートを介してその新しい巻芯を前記駆動ドラムに接触させる巻芯搬送部と、
前記巻付位置に新しい巻芯が配置されているときに、シートを切断して新しい巻芯に巻き付ける切断巻付部とを備え、
前記切断巻付部は、ロータリーカッターと、前記ロータリーカッターを受ける受けローラとを含み、前記ロータリーカッターおよび前記受けローラをシートの幅方向に移動させることによりシートを切断するように構成され
前記巻付位置の新しい巻芯には、前記駆動ドラムから前記巻取ロールに向かうシートが巻き掛けられ、
前記巻付位置の新しい巻芯の回転中心は、前記駆動ドラムの回転中心に対して、前記巻取ロールを回転させる前記移送ローラ側とは反対側に配置されていることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート巻取装置において、
前記切断巻付部は、前記ロータリーカッターおよび前記受けローラをシートの幅方向に移動させるときに、前記受けローラを駆動回転させるように構成されていることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシート巻取装置において、
前記切断巻付部は、前記巻付位置の新しい巻芯にシートを押さえ付ける押さえローラを含むことを特徴とするシート巻取装置。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか1つに記載のシート巻取装置において、
前記切断巻付部は、前記ロータリーカッターにより切断されるシートにエアを吹き付けるエア吐出部を含むことを特徴とするシート巻取装置。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか1つに記載のシート巻取装置において、
前記切断巻付部は、前記巻付位置の新しい巻芯に巻き掛けられたシートを帯電させる帯電部を含むことを特徴とするシート巻取装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明によるシート巻取装置は、シートを巻き取る巻芯を回転させる駆動ドラムと、巻芯にシートが巻き取られることにより形成される巻取ロールを駆動ドラムに接触させる押付部材と、巻芯の交換時に、巻取ロールを駆動ドラムから離間させるとともに、その巻取ロールを回転させる移送ローラと、移送ローラにより巻取ロールが駆動ドラムから離間されているときに、新しい巻芯を巻付位置に移動させることにより、シートを介してその新しい巻芯を駆動ドラムに接触させる巻芯搬送部と、巻付位置に新しい巻芯が配置されているときに、シートを切断して新しい巻芯に巻き付ける切断巻付部とを備える。切断巻付部は、ロータリーカッターと、ロータリーカッターを受ける受けローラとを含み、ロータリーカッターおよび受けローラをシートの幅方向に移動させることによりシートを切断するように構成されている。巻付位置の新しい巻芯には、駆動ドラムから巻取ロールに向かうシートが巻き掛けられ、巻付位置の新しい巻芯の回転中心は、駆動ドラムの回転中心に対して、巻取ロールを回転させる移送ローラ側とは反対側に配置されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】