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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-149966(P2017-149966A)
(43)【公開日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】堅牢なポリマー膜
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/26 20060101AFI20170804BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20170804BHJP
   C08F 283/06 20060101ALI20170804BHJP
   C08L 33/10 20060101ALI20170804BHJP
   C08L 81/06 20060101ALI20170804BHJP
   B01D 71/40 20060101ALI20170804BHJP
   B01D 71/68 20060101ALI20170804BHJP
   B01D 61/14 20060101ALI20170804BHJP
   B01D 69/06 20060101ALI20170804BHJP
【FI】
   C08J9/26 102
   C08J9/26CEY
   C08F2/44
   C08F283/06
   C08L33/10
   C08L81/06
   B01D71/40
   B01D71/68
   B01D61/14 500
   B01D69/06
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-75481(P2017-75481)
(22)【出願日】2017年4月5日
(62)【分割の表示】特願2015-155860(P2015-155860)の分割
【原出願日】2015年8月6日
(31)【優先権主張番号】14/464,201
(32)【優先日】2014年8月20日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】エリック エム. ハイデンライク
(72)【発明者】
【氏名】シュエメイ リャン
(72)【発明者】
【氏名】ビンビン ハン
【テーマコード(参考)】
4D006
4F074
4J002
4J011
4J026
【Fターム(参考)】
4D006GA07
4D006HA01
4D006HA21
4D006HA41
4D006HA71
4D006JA25C
4D006MA01
4D006MA02
4D006MA03
4D006MA21
4D006MA31
4D006MB02
4D006MB09
4D006MB12
4D006MB13
4D006MB15
4D006MB16
4D006MB18
4D006MB20
4D006MC37X
4D006MC40
4D006MC45
4D006MC47
4D006MC62
4D006MC63X
4D006MC83
4D006NA04
4D006NA51
4D006NA54
4D006NA64
4D006PA01
4D006PB52
4F074AA48
4F074BB01
4F074BB03
4F074CB45
4F074CC29Y
4F074DA08
4F074DA23
4F074DA53
4J002BG05W
4J002CH09X
4J002CN03X
4J002GB01
4J011PA90
4J011PC02
4J011PC08
4J026AB20
4J026BA28
4J026BA30
4J026DB02
4J026DB12
4J026FA09
4J026GA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】様々な流体を濾過するために用いられる堅牢性能を備える疎水性ポリマーとを含む親水性微細孔膜及び製造法を提供する。
【解決手段】(a)2−ヒドロキシエチルメタクリレート、(b)エチレングリコールジメタクリレート、及び(c)1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレートのランダムコポリマーと疎水性ポリマーとからなる親水性多孔膜、親水性多孔膜を含むフィルター、及び親水性多孔膜及びその製造方法。疎水性ポリマーがスルホンポリマーである親水膜。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式(I)の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【化1】

(b)式(II)のエチレングリコールジメタクリレート、及び
【化2】

(c)式(III)の1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、
【化3】

のランダムコポリマーと、疎水性ポリマーとを含む、親水性微細孔膜。
【請求項2】
(a)式(I)の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【化4】

(b)式(II)のエチレングリコールジメタクリレート、及び
【化5】

(c)式(III)の1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、
【化6】

を溶媒中で重合し、(a)、(b)及び(c)のランダムコポリマーを形成するステップを含む方法であって、前記溶媒には、(d)少なくとも1種の開始剤及び(e)疎水性ポリマーも含まれる方法により調製される親水性多孔膜。
【請求項3】
(a)式(I)の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【化7】

(b)式(II)のエチレングリコールジメタクリレート、
【化8】

(c)式(III)の1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、
【化9】

(d)疎水性ポリマー、及び
(e)少なくとも1つの開始剤
を溶媒に溶解させるか、又は分散させるステップを含む方法であって、
(a)〜(e)それぞれを、任意の順番で又は同時に溶媒に溶解させるか、又は分散させ、
(a)、(b)及び(c)を重合し、(a)、(b)及び(c)のランダムコポリマーを形成する方法により調製される親水性微細孔膜。
【請求項4】
前記疎水性ポリマーがスルホンポリマーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の親水性膜。
【請求項5】
流体を請求項1〜4のいずれか一項に記載の膜に通すステップを含む、流体を濾過する方法。
【請求項6】
前記流体がタンパク質含有流体である、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の背景]
[0001]ポリマー膜は、様々な流体を濾過するために用いられる。しかし、堅牢性能を備える膜が必要とされている。
【0002】
[0002]本発明は、先行技術の少なくとも幾つかの欠点の改善を提供する。本発明のこれら及び他の利点は、以下に示された説明から明らかになろう。
【0003】
[発明の簡単な概要]
[0003]本発明の一実施形態は、
(a)式(I)の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【化1】

(b)式(II)のエチレングリコールジメタクリレート、及び
【化2】

(c)式(III)の1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、
【化3】

のランダムコポリマーと、疎水性ポリマーとを含む、親水性多孔膜を提供する。
【0004】
[0004]別の実施形態によれば、親水性多孔膜は、
(a)式(I)の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【化4】

(b)式(II)のエチレングリコールジメタクリレート、及び
【化5】

(c)式(III)の1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、
【化6】

を溶媒中で重合し、(a)、(b)及び(c)のランダムコポリマーを形成するステップを含む方法により調製され、前記溶媒には、少なくとも1種の開始剤及び疎水性ポリマーが含まれる。
【0005】
[0005]本発明の他の実施形態によれば、膜を含むフィルター及びフィルター装置、並びに膜を製造し、使用する方法が提供される。
【0006】
[発明の詳細な説明]
[0006]本発明の一実施形態によれば、親水性多孔膜(好ましくは、親水性微細孔膜)が提供され、親水性多孔膜(好ましくは、親水性微細孔膜)は、
(a)式(I)の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【化7】

(b)式(II)のエチレングリコールジメタクリレート、及び
【化8】

(c)式(III)の1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、
【化9】

のランダムコポリマーと、疎水性ポリマーとを含む。
【0007】
[0007]別の実施形態によれば、親水性多孔(好ましくは、微細孔)膜は、
(a)式(I)の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【化10】

(b)式(II)のエチレングリコールジメタクリレート、及び
【化11】

(c)式(III)の1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、
【化12】

を溶媒中で重合し、(a)、(b)及び(c)のランダムコポリマーを形成するステップを含む方法により調製され、前記溶媒には、少なくとも1種の開始剤及び疎水性ポリマーが含まれる。
【0008】
[0008]他の実施形態において、少なくとも1つの膜を含む、フィルター及びフィルター装置が提供される。
【0009】
[0009]流体を、上に記載されているように、少なくとも1つの膜、又は少なくとも1つの膜を含むフィルターに通すステップを含む、流体を濾過する方法も本発明の別の実施形態に従って提供される。一つの好ましい実施形態において、濾過される流体は、タンパク質含有流体である。
【0010】
[0010]本発明による膜は、親水性、堅牢性及び安定性が高いことが有利である。本発明による膜は、高いスループットを得るのに適している。本発明による膜は、3つ以上の異なる種類のアクリレートモノマーを重合することにより調製される親水性アクリレートポリマーネットワークであって、1つ又は複数のアクリレートが3つ以上の架橋可能なアクリレート基を有し、1つ又は複数のアクリレートがモノアクリレートであり、親水性アクリレートポリマーネットワークが、良好な機械的特性を有する少なくとも1つの疎水性ポリマーと組み合わせられる、親水性アクリレートポリマーネットワークを含む。任意の特定の理論に拘束されることなく、重合度が最大化され、親水性アクリレートポリマーネットワークが安定し、好ましくは約82ダイン/cm(約82×10−5N/cm)以上の高い親水性になると考えられる。膜は、典型的な熱及び/又はγ放射処理後に劣化しないように堅牢である。安定性に関して、膜の親水性は、膜を強酸(例えば、1M HCl)、強塩基(例えば、1M NaOH)又は有機溶液(例えば、エタノール又はイソプロピルアルコール)に長時間、例えば、少なくとも48時間浸した後も低下しない。塩基溶液は、タンパク質系の汚れを除去するためにしばしば用いられるので、塩基溶液での安定性は、タンパク質含有溶液(例えば、医薬タンパク質供給溶液)の濾過を伴う用途に特に有利である。更に、3次元ネットワークが非常に安定しているので、膜の抽出物レベルは非常に低い。3次元ネットワークはタンパク質及び防腐剤の結合能が低い。更に、膜を調製するin−situ重合方法は、柔軟性がある。例えば、親水性アクリレートモノマー、開始剤及び疎水性ポリマーを、同時に溶媒に加えてもよく、又は疎水性ポリマーを加える前に、親水性アクリレートモノマー及び開始剤を互いに溶媒中で反応させてもよく、例えば、疎水性ポリマーを溶媒に溶解させ、次いで、親水性モノマー及び開始剤を溶媒に加えてもよい。アクリレートモノマーの重合は、真空下で窒素パージしながら、又は大気圧で行うことができる。
【0011】
[0011]本発明の一実施形態による1つの反応系が以下に示されており、実線の曲線は、バルク疎水性ポリマー鎖を示している。
【0012】
[0012]
【化13】
【0013】
[0013]各分岐(R、R、R)は、二官能基及び単官能基のランダム共重合、例えば
【化14】

から生じる。
【0014】
[0014]分岐(R、R、R)は、ランダム重合を介して互いに結合できる。
【0015】
[0015]様々なアクリレートが、本発明の実施形態による膜を調製するのに使用できる。3つ以上の異なる種類のアクリレートの1つ又は複数が、3つ以上の架橋可能なアクリレート基を有し、1つ又は複数のアクリレートが、モノアクリレートであることが好ましい。一つの好ましい実施形態において、3つのアクリレートを使用する場合、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(PEGDMA;2つの官能基を有する多官能性アクリレート)及びトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA;3つの官能基を有する多官能性アクリレート)と共に、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA;重合を経る1を超えない官能基を有する中性の単官能モノマー)が用いられる。
【0016】
[0016]本発明の実施形態は、様々な疎水性ポリマー、好ましくはスルホン(ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルスルホン(PEES)、ビスフェノールAポリスルホン、ポリアリールスルホン、ポリフェニルスルホン及びポリ(フタラジノンエーテルスルホンケトン(PPESK)等の芳香族ポリスルホンを含む、例えば、ポリスルホン)と共に使用するのに適している。結果的に、膜は、親水性アクリレートポリマーネットワークから得られる所望の親水性表面特性と共に、疎水性ポリマーの所望のバルク特性を有する。
【0017】
[0017]本発明の実施形態によれば、膜を調製する方法は、(a)親水性アクリレートポリマーネットワークを含むポリマーネットワークと疎水性ポリマーとを含むポリマー溶液を基材にキャストするステップと、(b)ポリマー溶液の相転換を行い、膜を生成するステップと、場合により(c)膜を洗浄し、乾燥させるステップとを含む。
【0018】
[0018]典型的な実施形態において、膜を調製する方法は、反応溶液を、1つ又は複数のアクリレートをin−situで架橋させる条件に曝すステップと、架橋したアクリレート、疎水性ポリマー及び開始剤を含む溶液を得、親水性アクリレートポリマーネットワーク及び疎水性ポリマーを含むポリマー溶液を形成し、ポリマー溶液を基材にキャストするステップと、ポリマー溶液の相転換を行い、膜を生成するステップと、場合により膜を洗浄するステップとを含む。
【0019】
[0019]典型的には、ポリマー溶液から膜を製造する相転換法は、ポリマー溶液を基材にキャストするか、又は押し出して薄いフィルムにするステップと、ポリマー(複数可)を以下(a)溶媒及び非溶媒の蒸発、(b)露出した表面に吸収される水蒸気等の非溶媒蒸気への暴露、(c)非溶媒液(例えば、水を含有する相浸漬浴、及び/又は別の非溶媒若しくは溶媒)での急冷、並びに(d)ポリマーの溶解度が突然大きく低下するように、ホットフィルムの熱急冷の1つ又は複数により沈降させるステップとを含む。相転換は、湿式法(浸漬沈殿)、蒸気誘起相分離(VIPS)、熱誘起相分離(TIPS)、急冷、乾湿式キャスト及び溶媒蒸発(乾式キャスト)により誘起できる。乾式相転換は、浸漬凝固がないことにより湿式法又は乾湿式法と異なる。これらの技法において、最初は均一なポリマー溶液は、様々な外部影響により熱力学的に不安定になり、ポリマー希薄相及びポリマー濃厚相への相分離が誘起される。ポリマー濃厚相は、膜のマトリックスを形成し、溶媒及び非溶媒のレベルが増大したポリマー希薄相は、孔を形成する。
【0020】
[0020]膜形成ポリマー溶液は、モノマー(複数可)及び/又はポリマー(複数可)を溶媒又は溶媒の混合物に溶解させるか、又は分散させることにより調製される。様々なポリマー溶液が、本発明での使用に適しており、当技術分野で公知である。適切なポリマー溶液としては、ポリマー、例えば、スルホン(ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルスルホン(PEES)、ポリエーテルスルホンケトン(PESK)、ビスフェノールAポリスルホン、ポリアリールスルホン、ポリフェニルスルホン及びポリ(フタラジノンエーテルスルホンケトン(PPESK)等の芳香族ポリスルホンを含む、例えば、ポリスルホン)を挙げることができる。ポリマー溶液としては、ポリマーの混合物、例えば、疎水性ポリマー(例えば、スルホンポリマー)と親水性モノマー及び/又はポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン(PVP))との混合物を挙げることができる。
【0021】
[0021]1つ又は複数のモノマー及び/又はポリマーに加えて、典型的なポリマー溶液は、少なくとも1つの溶媒を含み、少なくとも1つの非溶媒を更に含むことができる。適切な溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ジオキサン、コハク酸ジエチル、クロロホルム及びテトラクロロエタン、並びにそれらの混合物が挙げられる。適切な非溶媒としては、例えば、水;様々なポリエチレングリコール(PEGs、例えば、PEG−200、PEG−300、PEG−400、PEG−1000);様々なポリプロピレングリコール;様々なアルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール及びオクタノール;アルカン、例えば、ヘキサン、プロパン、ニトロプロパン、ヘプタン及びオクタン;ケトン、エーテル及びエステル、例えば、アセトン、ブチルエーテル、酢酸エチル及び酢酸アミル;酸、例えば、酢酸、クエン酸及び乳酸;様々な塩、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び塩化リチウム;並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0022】
[0022]ポリマーを含む溶液は、例えば、1つ又は複数の重合開始剤(例えば、脂肪族アゾ化合物(例えば、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(V50))、過酸化物、過硫酸アンモニウム及びそれらの組合せの内のいずれか1つ又は複数)、並びに/又は副次成分、例えば、界面活性剤及び/若しくは剥離剤(典型的には、溶媒に溶解させるか又は分散させたもの)を更に含む。
【0023】
[0023]溶液の適切な成分は、当技術分野で公知である。ポリマーを含む例示的溶液、並びに例示的溶媒及び非溶媒としては、例えば、米国特許第4,340,579号、第4,629,563号、第4,900,449号、第4,964,990号、第5,444,097号、第5,846,422号、第5,906,742号、第5,928,774号、第6,045,899号、第6,146,747号及び第7,208,200号に開示されているものが挙げられる。
【0024】
[0024]様々なポリマー膜を本発明に従って製造できるが、好ましい実施形態において、膜はスルホン膜(より好ましくは、ポリエーテルスルホン膜及び/又はポリアリールスルホン膜)である。
【0025】
[0025]膜は、手動(例えば、基材に手で注ぐか、キャストするか又は広げる)又は自動(例えば、基材を有する移動ベルトに注ぐか、又はキャストする)でキャストできる。
【0026】
[0026]多重キャスト技術を含む様々なキャスト技術が当技術分野で公知であり、適している。当技術分野で公知の様々な装置をキャストするために使用できる。適切な装置としては、塗付ナイフ、ドクターブレード又はスプレー/加圧システムを備える、例えば、機械的スプレッダーが挙げられる。塗付装置の一例は、キャスト用配合物(少なくとも1つのポリマーを含む溶液)を導入し、狭いスロットを通して圧力下で押し出すことができるキャスト室を備える、押出ダイ又はスロットコーターである。例示的に、ポリマーを含む溶液は、約100μm〜約500μmの範囲、より典型的には約120μm〜約400μmの範囲のナイフギャップを有するドクターブレードによりキャストできる。
【0027】
[0027]様々なキャスト速度が当技術分野で公知であるように適している。典型的には、キャスト速度は、少なくとも約3フィート毎分(fpm)、より典型的には約3〜約40fpmの範囲、いくつかの実施形態においては、少なくとも約5fpmである。
【0028】
[0028]様々な基材が、本発明の実施形態による膜を調製するのに適している。例えば、基材は、非紙基材であってよい。適切な基材としては、例えば、ガラス、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)(例えば、マイラー(MYLAR)(商標)として市販されている)、ポリプロピレン、ポリエチエンレン(ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)を含む)、ポリイミド、ポリフェニレンオキシド、ナイロン及びアクリルが挙げられる。
【0029】
[0029]膜は、任意の適切な孔構造、例えば、孔径(例えば、バブルポイント、若しくは例えば、米国特許第4,340,479号に記載されているようにKによって明示されるか、又はキャピラリー凝縮フローポロメトリーによって明示される)、平均流量孔(MFP)径(例えば、ポロメーター、例えば、ポーバーポロメーター(Porvair Porometer)(商標)(Porvair plc, Norfolk, UK)又は商標ポロラックス(POROLUX)(商標)(Porometer.com,Belguim)で入手可能なポロメーターを使用することにより特徴づけられる場合)、孔等級、孔直径(例えば、例えば米国特許第4,925,572号に記載されている改変OSU F2テストを使用することにより特徴づけられる場合)又は除去等級媒体を有することができる。使用する孔構造は、利用される粒径、処理される流体の組成及び処理された流体の所望の流出レベルに依存する。典型的には、本発明の実施形態による膜は、約0.01〜約10μの範囲、好ましくは約0.05〜約5μの範囲の孔径を有する。
【0030】
[0030]膜の微細孔表面は、例えば、500倍又は20,000倍の倍率でSEMから平均表面孔径を計算することによって、例えば、決定される任意の適切な平均孔径を有することができる。
【0031】
[0031]典型的には、本発明の実施形態による膜厚は、約0.5ミル(約13μ)〜約10ミル(約254μ)の範囲、好ましくは約3ミル(約76μ)〜約6ミル(約153μ)の範囲である。
【0032】
[0032]膜は、任意の所望の臨界湿潤表面張力(CWST、例えば、米国特許第4,925,572号に定義されている通り)を有することができる。CWSTは、当技術分野で公知であるように、例えば、米国特許第5,152,905号、第5,443,743号、第5,472,621号及び第6,074,869号に、例えば、更に開示されているように選択できる。典型的には、膜は、約73ダイン/cm(約73×10−5N/cm)超のCWSTを有し、約78ダイン/cm(約78×10−5N/cm)以上のCWSTを有することができる。いくつかの実施形態において、膜は、約82ダイン/cm(約82×10−5N/cm)以上のCWST、いくつかの好ましい実施形態において、約86ダイン/cm(約86×10−5N/cm)以上のCWSTを有する。
【0033】
[0033]膜の表面特性は、湿式若しくは乾式酸化により、ポリマーの表面での被覆若しくは堆積により、又はグラフト反応により(例えば、CWSTに影響を与えるため、表面電荷、例えば、正電荷若しくは負電荷を含むため、及び/又は表面の極性若しくは親水性を変えるために)改質してもよい。改質としては、例えば、照射、極性若しくは荷電モノマー、荷電ポリマーによる表面の被覆及び/又は硬化、並びに表面に官能基を結合させるための化学的改質の実施が挙げられる。グラフト反応は、ガスプラズマ、蒸気プラズマ、コロナ放電、熱、ヴァンデグラフ発生器、紫外線、電子ビーム等のエネルギー源、若しくは様々な他の形態の放射線への暴露によるか、又はプラズマ処理を用いた表面エッチング若しくは堆積により活性化できる。
【0034】
[0034]様々な流体は本発明の実施形態に従って濾過できる。好ましくは微細孔膜である本発明の実施形態による膜は、例えば、診断用途(例えば、試料の調製及び/又は診断用ラテラルフロー装置を含む)、インクジェット用途、製薬産業のための流体の濾過、医薬用途のための流体の濾過(家庭及び/又は患者使用のため、例えば、静脈注射の用途を含み、例えば(例えば、白血球を除去するための)血液等の生物流体の濾過も含む)、エレクトロニクス産業のための流体の濾過(例えば、マイクロエレクトロニクス産業のフォトレジスト流体の濾過)、食品飲料産業のための流体の濾過、浄化、抗体及び/若しくはタンパク質含有流体の濾過、核酸含有流体の濾過、細胞検出(in situを含む)、細胞採取並びに/又は細胞培養流体の濾過を含む様々な用途で使用できる。別の方法として又は追加として、本発明の実施形態による膜は、空気及び/若しくはガスを濾過するための使用、並びに/又は(例えば、空気及び/又はガスを通すことはできるが、液体を通すことはできない)通気の用途での使用が可能である。本発明の実施形態による膜は、例えば、眼科手術製品等、手術用の装置及び製品を含む、様々な装置に使用できる。
【0035】
[0035]本発明の実施形態によれば、膜は、平面、プリーツ状、中空糸及び/又は中空円筒を含む様々な構造を有することができる。
【0036】
[0036]本発明の実施形態による膜は、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を含み、入口と出口との間の少なくとも1つの流体流路を画定する筐体であって、少なくとも1つの本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターが流体流路を横断しており、フィルター装置又はフィルターモジュールを形成する筐体に典型的には配置される。一実施形態において、入口及び第1の出口を含み、入口と第1の出口との間の第1の流体流路を画定する筐体、並びに第1の流体流路を横断して筐体に配置される、少なくとも1つの本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターを備えるフィルター装置が提供される。
【0037】
[0037]クロスフロー用途に関して、少なくとも1つの本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターは、少なくとも1つの入口及び少なくとも2つの出口を含み、入口と第1の出口との間の少なくとも1つの第1の流体流路、及び入口と第2の出口との間の第2の流体流路を画定する筐体であって、本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターが、第1の流体流路を横断しており、フィルター装置又はフィルターモジュールを形成する筐体に配置されることが好ましい。例示的実施形態において、フィルター装置は、クロスフローフィルターモジュールを備え、筐体は、入口、濃縮出口を含む第1の出口及び透過出口を含む第2の出口を含み、入口と第1の出口との間の第1の流体流路及び入口と第2の出口との間の第2の流体流路を画定し、少なくとも1つの本発明の膜又は少なくとも1つの本発明の膜を含むフィルターは第1の流体流路を横断して配置される。
【0038】
[0038]フィルター装置又はモジュールは、滅菌可能であってよい。適切な形状であり、1つの入口及び1つ又は複数の出口を提供する任意の筐体が使用できる。
【0039】
[0039]筐体は、処理される流体に適合する任意の不浸透性熱可塑性材料を含む、任意の適切な硬質の不浸透性材料から作製できる。例えば、筐体は、金属、例えば、ステンレス鋼から、又は透明若しくは半透明ポリマー等のポリマー、例えば、アクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン若しくはポリカーボネート樹脂から作製できる。
【0040】
[0040]以下の実施例により、本発明は更に例示されるが、当然ながらいかなる方法でもその範囲の限定として解釈されるべきではない。
【0041】
実施例1
[0041]実施例1は、本発明の実施形態による膜の調製を示している。
【0042】
[0042]以下の成分及びパーセンテージを有する配合物を調製する:ポリエチレングリコール(PEG)(67.45%)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA; Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI)(0.1%)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(0.2%)、PEG−400ジメタクリレート(PEGDMA)(0.6%)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(V50;Wako Chemical、Richmond,VA)(0.05%)、脱イオン水(2.0%)、58kD分子量PES(BASF)(12.0%)、NMP(11.0%)及びDMF(6.6%)。
【0043】
[0043]配合物を47℃で24時間混合し、キャスト前に少なくとも12時間真空下で脱気する。
【0044】
[0044]押出機を使用して、膜試料を、環境室を通ってステンレス鋼表面にキャストする。キャスト厚は、200μmである。キャストは、空気露点20℃及びステンレス鋼表面温度26℃で行われ、室内滞留時間は約12分である。膜試料は、逆浸透水で10分間、次いで40%エタノール/60%逆浸透水で10分間、80℃の逆浸透水で10分間浸出させる。膜試料はオーブンを通過させ、65℃で10分間乾燥させる。
【0045】
実施例2
[0045]実施例2は、実施例1に記載されているように調製した膜の特性を示している。
【0046】
[0046]膜は以下の特性を有する:厚さ3.40ミル(約86.3μm)、K65.07psi、水流量33.04mL.min−1.cm−2、正規化破裂力(NBF)1.52lbs/mil、伸び30.20%、CWST86ダイン/cm(86×10−5N/cm)。ポロラックスポロメーター1000により決定した平均流量孔(MFP)径は、約0.35μである。
【0047】
実施例3
[0047]実施例3は、本発明の別の実施形態による膜の調製を示している。
【0048】
[0048]以下の成分及びパーセンテージを有する配合物を調製する:PEG(67.63%)、TMPTMA(0.08%)、HEMA(0.16%)、PEGDMA(0.48%);V50(0.05%)、脱イオン水(2.0%)、高分子量(58kD分子量)PES(BASF)(12.0%)、NMP(6.6%)及びDMF(11%)。
【0049】
[0049]配合物を47℃で24時間混合し、キャスト前に少なくとも12時間真空下で脱気する。
【0050】
[0050]膜試料を実施例1に関して記載されているようにキャストし、浸出し、乾燥する。
【0051】
実施例4
[0051]実施例4は、実施例3に記載されているように調製した膜の特性を示している。
【0052】
[0052]膜は以下の特性を有する:厚さ2.90ミル(約73.7μm)、K71.4psi、水流量31mL.min−1.cm−2、NBF1.30lbs/mil、伸び28.34%、CWST85.78ダイン/cm(85.78×10−5N/cm)。ポロラックスポロメーター1000により決定した平均流量孔(MFP)径は、約0.32μである。
【0053】
実施例5
[0053]実施例5は、本発明の別の実施形態による膜の調製を示している。
【0054】
[0054]以下の成分及びパーセンテージを有する配合物を調製する:PEG(67.45%)、TMPTMA(0.6%)、HEMA(0.2%)、PEGDMA(0.1%)、V50(0.05%)、脱イオン水(2.0%)、58kD分子量PES(12.0%)、NMP(6.6%)及びDMF(11%)。
【0055】
[0055]配合物を41℃で24時間混合し、キャスト前に12時間真空下で脱気する。
【0056】
[0056]膜試料を実施例1に関して記載されているようにキャストし、浸出し、乾燥する。
【0057】
実施例6
[0057]実施例6は、実施例5に記載されているように調製した膜の特性を示している。
【0058】
[0058]膜は以下の特性を有する:厚さ3.84ミル(約97.5μm)、K63.24psi、水流量29.08mL.min−1.cm−2、NBF0.902lbs/mil、伸び18.23%、CWST85.78ダイン/cm(85.78×10−5N/cm)。ポロラックスポロメーター1000により決定した平均流量孔(MFP)径は、約0.38μである。
【0059】
実施例7
[0059]実施例7は、本発明の別の実施形態による膜の調製を示している。
【0060】
[0060]以下の成分及びパーセンテージを有する配合物を調製する:PEG(67.45%)、TMPTMA(0.1%)、HEMA(0.2%)、PEGDMA(0.6%)、V50(0.05%)、脱イオン水(2.0%)、58kD分子量PES(12.0%)、NMP(11%)及びDMF(6.6%)。
【0061】
[0061]配合物をキャスト前に47℃、真空下で48時間混合する。
【0062】
[0062]乾燥が65℃ではなく60℃とすること以外は実施例1に関して記載されているように、膜試料をキャストし、浸出し、乾燥する。
【0063】
実施例8
[0063]実施例8は、実施例7に記載されているように調製した膜の特性を示している。
【0064】
[0064]膜の親水性を、異なる表面張力を有する様々な液体を使用して評価する。膜は、125℃で1時間スチームオートクレーブ処理し、50G/yでγ滅菌し、イソプロピルアルコール(IPA)で3時間抽出し、1M CHCOOHに室温で10時間浸し、1M HClに室温で10時間浸し、1M NaOHに60℃で10時間浸すことにより後処理される。膜のCWSTは様々な後処理後も86ダイン/cm(86×10−5N/cm)で依然として安定している。
【0065】
実施例9
[0065]実施例9は、プリーツ状の市販の膜と比較して、実施例7に記載されているように調製したプリーツ膜の抽出物レベルが低いことを示しており、したがって、市販の膜と比較して、本発明の実施形態による膜の堅牢性が増大していることを示している。
【0066】
[0066]プリーツ膜をオートクレーブ処理し、切断して、プリーツ先端部(外側プリーツ)、プリーツの中間位及びプリーツの内部(プリーツ谷部)から試料を得る。試料を、沸騰IPAに3時間浸し、抽出物の分布を決定する。オートクレーブ処理しなかった対照試料も評価する。
【0067】
[0067]オートクレーブ処理なしでは、市販の膜と本発明の膜の両方に関して、外側プリーツと、中間プリーツと、内側プリーツとの間で抽出物に有意差がない。しかし、本発明の膜は、市販の膜(平均2.55%)よりIPA抽出物レベルがはるかに低い(平均1.63%、約36%低い)。
【0068】
[0068]オートクレーブ処理後、本発明の膜は、外側プリーツと、中間プリーツと、内側プリーツとの間で抽出物に有意差を示さない。しかし、市販の膜は、中間プリーツ(外側プリーツの抽出物レベル3.35%、中間プリーツの抽出物レベル2.20%よりも約53%高い)及び内側プリーツ(外側プリーツの抽出物レベルは内側プリーツの抽出物レベル2.10%よりも約60%高い)と比較して、外側プリーツのIPA抽出物レベルがはるかに高いことを示す。
【0069】
[0069]本明細書で引用した刊行物、特許出願及び特許を含む全ての参考文献は、あたかも、各参考文献が、参照により組み込まれるように単独で及び具体的に示され、その全体が本明細書に示されるのと同じ程度で参照により組み込まれている。
【0070】
[0070]本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「1つの(a、an)」、「その(the)」、「少なくとも1つ」及び同様の指示語の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈に明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方に対応すると解釈されるべきである。1つ又は複数の項目のリストに続く「少なくとも1つの」の用語の使用(例えば、「A及びBの少なくとも1つ」)は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈に明らかに矛盾しない限り、列挙された項目(A又はB)から選択される1つの項目又は列挙された項目の2つ以上の任意の組合せ(A及びB)を意味すると解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」は別段の指示がない限り、制限のない用語(即ち、「含まれるが、それだけには限らない」を意味する)と解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示がない限り、範囲内に当てはまる各個別の値を個々に言及する簡単な方法として役立つことを意図するものにすぎず、各個別の値は、あたかもそれが本明細書で個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈に明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順番で行うことができる。本明細書に記載の任意及び全ての例、又は例示的言語(例えば、「等」)の使用は、別段の請求がない限り、本発明を良好に示すことを単に意図するものにすぎず、本発明の範囲に限定を課さない。本明細書の言語は、本発明の実施に不可欠な任意の非請求要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0071】
[0071]本発明を実行するのに本発明者等に公知の裁量の形態を含む、本発明の好ましい実施形態を本明細書において説明する。これらの好ましい実施形態の変形は、前記の説明を読めば、当業者であれば明らかになり得る。本発明者等は、熟練した当業者が、適宜、このような変形を使用することを予期しており、本発明者等は、本発明が、本明細書で具体的に説明したものとは別の方法により行われることを意図している。したがって、本発明は、適用法により許容されている通り、本明細書に添付した特許請求の範囲に引用された主題の全ての変更形態及び等価物を含む。更に、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈に明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形における上に記載の要素のいかなる組合せも、本発明により包含される。
【手続補正書】
【提出日】2017年4月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式(I)の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【化1】

(b)ポリエチレングリコール−400ジメタクリレート、及び
(c)式(III)の1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、
【化2】

のランダムコポリマーと、ポリエーテルスルホンが含まれる疎水性ポリマーとを含む、親水性微細孔膜の製造方法であって、
前記方法は、前記親水性微細孔膜を生成するために、前記ランダムコポリマー及び前記疎水性ポリマーが含まれるポリマー溶液の相転換を行う前に、前記ポリマー溶液を基材上にキャストするステップを含み、
前記方法は、(a)式(I)の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【化3】

(b)ポリエチレングリコール−400ジメタクリレート、及び
(c)式(III)の1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、
【化4】

を溶媒中で重合し、(a)、(b)及び(c)の前記ランダムコポリマーを形成するステップを含み、前記溶媒には、(d)少なくとも1種の開始剤及び前記疎水性ポリマーも含まれる、親水性微細孔膜の製造方法
【請求項2】
(a)式(I)の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【化5】

(b)ポリエチレングリコール−400ジメタクリレート、及び
(c)式(III)の1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、
【化6】

のランダムコポリマーと、ポリエーテルスルホンが含まれる疎水性ポリマーとを含む、親水性微細孔膜の製造方法であって、
前記方法は、前記親水性微細孔膜を生成するために、前記ランダムコポリマー及び前記疎水性ポリマーが含まれるポリマー溶液の相転換を行う前に、前記ポリマー溶液を基材上にキャストするステップを含み、
前記方法は、(a)式(I)の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【化7】

(b)ポリエチレングリコール−400ジメタクリレート
(c)式(III)の1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、
【化8】

(d)前記疎水性ポリマー、及び
(e)少なくとも1つの開始剤
、それぞれ任意の順番で又は同時に、溶媒に溶解させるか、又は分散させるステップ、並びに、
(a)、(b)及び(c)を重合し、(a)、(b)及び(c)の前記ランダムコポリマーを形成するステップを含む、親水性微細孔膜の製造方法
【請求項3】
流体を請求項1又は2に記載の方法で得られる膜に通すステップを含む、流体を濾過する方法。
【請求項4】
前記流体がタンパク質含有流体である、請求項に記載の方法。
【外国語明細書】
2017149966000001.pdf