特開2017-150122(P2017-150122A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2017-150122光吸収発熱組成物及び当該組成物を含む織物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-150122(P2017-150122A)
(43)【公開日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】光吸収発熱組成物及び当該組成物を含む織物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   D06M 11/83 20060101AFI20170804BHJP
   D06M 11/44 20060101ALI20170804BHJP
   D06M 11/46 20060101ALI20170804BHJP
   D06M 11/74 20060101ALI20170804BHJP
   C09K 5/14 20060101ALI20170804BHJP
   C09K 3/00 20060101ALN20170804BHJP
【FI】
   D06M11/83
   D06M11/44
   D06M11/46
   D06M11/74
   C09K5/14 Z
   C09K3/00 105
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-94548(P2016-94548)
(22)【出願日】2016年5月10日
(31)【優先権主張番号】201610099472.6
(32)【優先日】2016年2月23日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516137719
【氏名又は名称】崔 ▲鉉▼▲澤▼
【氏名又は名称原語表記】CUI Xuanze
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】崔 ▲鉉▼▲澤▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 雪涛
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 武林
【テーマコード(参考)】
4L031
【Fターム(参考)】
4L031AB32
4L031BA04
4L031BA09
4L031BA33
(57)【要約】
【課題】太陽光を吸収して発熱しながら体の熱量を反射して熱の拡散と損失を削減し、蓄熱性の高い光吸収発熱組成物及び該光吸収発熱組成物を含む織物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、光吸収発熱組成物に関し、第一分散剤、金属と/または金属酸化物、炭化物を原料成分として適切に配合し、それにより製造された前記光吸収発熱組成物は太陽光を吸収して発熱する同時に体の熱を効果的に反射して熱の拡散と損失を削減することができ、蓄熱性能が高い、更に光吸収発熱組成物を織物に浸漬させる時に、吸収率が比較的高い、相溶性が優れ、最終的に光吸収発熱組成物を含んだ織物が製造され、太陽光を吸収して発熱する同時に体の熱を反射して熱の拡散と損失を削減することができ、蓄熱性能が高い、保温性が優れる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一分散剤、5−20重量部と、
金属および金属酸化物のうち少なくとも一方が、10−20重量部と、
炭化物、0.1−5重量部と、を含むことを特徴とする光吸収発熱組成物。
【請求項2】
前記第一分散材は非イオン界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の光吸収発熱組成物。
【請求項3】
前記非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシアルコールエーテル、HPC、HEC、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドのジブロック共重合体の一種または数種の混合物であり、曇点が40−80℃であることを特徴とする請求項2に記載の光吸収発熱組成物。
【請求項4】
前記金属は、Al、Zn、Ti、Cu、Mg、Ag、Au、Feの一種または数種の組み合わせであり、
前記金属酸化物は、亜鉛酸化物、アンチモンスズ酸化物、インジウムスズ酸化物、亜鉛スズ酸化物、アンチモン酸亜鉛、チタン窒化物、セリウム酸化物、アルミ酸化物の一種または数種の組み合わせであり、
前記金属と/または金属酸化物の粒径は100−300 nmであることを特徴とする請求項1に記載の光吸収発熱組成物。
【請求項5】
前記炭化物は、炭化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタンの一種または数種の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の光吸収発熱組成物。
【請求項6】
0.1−5重量部の添加剤をさらに含み、
前記添加剤は、増粘剤、沈降防止剤、消泡剤、帯電防止剤、撥水剤、抗菌剤、紫外線安定剤の一種または数種の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の光吸収発熱組成物。
【請求項7】
0.1−5重量部の第二分散剤をさらに含み、
前記第二分散剤は、陰イオン−非イオン混合系であることを特徴とする請求項1に記載の光吸収発熱組成物。
【請求項8】
請求項1−7のいずれか一項に記載の光吸収発熱組成物を含む織物。
【請求項9】
請求項8に記載の織物の製造方法であり、
(1)前記重量部によって各原料成分を秤量し且つ充分に混合して前記光吸収発熱組成物を製造し、前記光吸収発熱組成物に初めて水を加えて充分に分散させ、固形分を10−20wt%である均一な分散液にするステップ、
(2)前記分散液における固体材料の粒径を100−300mmにするように、工程(1)の前記分散液を湿式粉砕し、織物浸漬液を得るステップ、
(3)再度工程(2)の前記織物浸漬液に水を加えて15−20倍希釈させ、希釈後の浸漬液を得、予備浸漬の織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬させ、40−80℃で10−25min続け、前記光吸収発熱組成物を含む織物を得るステップと、を含むことを特徴とする織物の製造方法。
【請求項10】
工程(3)において、
予備浸漬の織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬する前に、まず前記予備浸漬の織物を水性粘着剤溶液に浸漬させ、40−80℃で10−25min続け、粘着剤を吸着した織物を得、粘着剤を吸着した織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬し、
前記水性粘着剤溶液の濃度は10−20wt%であり、
前記水性粘着剤は、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂―アクリル共重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂とメラミン系樹脂の一種または数種の組み合わせであることを特徴とする請求項9に記載の織物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は材料技術分野に属し、具体的には光吸収発熱組成物及び該組成物を含む織物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場における保温織物は、保温機能を達成するために次の2つの方法を採用している:一つは、より多い静止空気を含むことにより熱の拡散と損失を削減して保温の効果を実現している、例えば中空繊維またはふわふわ厚い織物構造、このような織物自体は熱が生成されず、熱の損失を減少して保温効果を達成しているので、より厚くて快適性が低い。
【0003】
もう一つは、体を加熱する目的を達成するために、織物にエネルギーの生成と放出ができる材料を入れている。例えば、紡糸法によって織物の原料を加工する前にゲルマニウム粉末を加え、それによって製造された織物は遠赤外線を放出して体を加熱してエネルギーを得ることができると報告されている。しかし、ゲルマニウム粉末を入れた織物の紡糸品質が低下されることに加え、それからの高温染色は、織物の保温性を破壊して低下し、最終的に保温性が好ましい織物ができず、また、織物に染色液が多く残留するので、更に処理コストが増やしてしまった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来的な技術に存在する上記の問題を解決するため、本発明の目的は、太陽光を吸収して発熱しながら体の熱量を反射して熱の拡散と損失を削減し、蓄熱性の高い光吸収発熱組成物及び該光吸収発熱組成物を含む織物の製造方法を提供することにある。前記光吸収発熱組成物を織物に浸漬する時に、吸収率が比較的高い、相溶性が優れ、最終的に該光吸収発熱組成物を含む織物が製造され、保温性が優れる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術手段は以下のとおりである。
光吸収発熱組成物であり、次の原料成分を含む。
第一分散剤、5−20重量部。
金属と/または金属酸化物、10−20重量部。
炭化物、0.1−5重量部。
前記第一分散剤は非イオン界面活性剤である。
【0006】
前記非イオン界面活性剤はポリオキシエチレンソルビタントリオレート(Polyoxyethylene sorbitan Trioleate)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Polyethylene glycol octadecyl ether)、ポリオキシエチレンヒマシアルコールエーテル(polyoxyethylene glycol castor ether)、HPC(Hydroxy Propyl Cellulose)、HEC(Hydroxy Ethyl Cellulose)、ポリエチレンオキシド − ポリプロピレンオキシドのジブロック共重合体の一種または数種の混合物である。
【0007】
前記非イオン界面活性剤の曇点は40−80℃である。
前記金属は、Al、Zn、Ti、Cu、Mg、Ag、Au、Feの一種または数種の組み合わせであり、前記金属酸化物は亜鉛酸化物、アンチモンスズ酸化物、インジウムスズ酸化物、亜鉛スズ酸化物、アンチモン酸亜鉛、チタン窒化物、セリウム酸化物、アルミ酸化物の一種または数種の組み合わせである。
【0008】
前記金属と/または金属酸化物の粒径は100−300nm。
前記炭化物は、炭化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタンの一種または数種の混合物である。
【0009】
更に0.1−5重量部の添加剤を含み、前記添加剤は増粘剤、沈降防止剤、消泡剤、帯電防止剤、撥水剤、抗菌剤、紫外線安定剤の一種または数種の組み合わせである。なお、上記の各種添加剤は、織物浸漬分野で通常に使用されている添加剤である。
【0010】
それに0.1−5重量部に第二分散剤を含み、前記第二分散剤は陰イオン−非イオン混合系である。
前記光吸収発熱組成物を含む織物である。
【0011】
前記該光吸収発熱組成物を含む織物の製造方法は、以下の工程を含む:
(1) 前記重量部によって各原料成分を秤量し且つ充分に混合して前記光吸収発熱組成物を製造し、前記光吸収発熱組成物に初めて水を加えて充分に分散させ、固形分は10−20wt%である均一な分散液になる。
(2)前記分散液における固体材料の粒径を100−300mmにするように、工程(1)の前記分散液を湿式粉砕し、織物浸漬液を得る。
(3)再度工程(2)の前記織物浸漬液に水を加えて15−20倍希釈させ、希釈後の浸漬液を得、そして予備浸漬の織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬させ、40−80℃で10−25min続け、前記光吸収発熱組成物を含む織物を得る。
【0012】
工程(3)において、予備浸漬の織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬する前に、まず前記予備浸漬の織物を水性粘着剤溶液に浸漬させ、40−80℃で10−25min続け、粘着剤を吸着した織物を得、そして粘着剤を吸着した織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬する。
【0013】
前記水性粘着剤溶液の濃度は10−20wt%、前記水性粘着剤はウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂―アクリル共重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂とメラミン系樹脂の一種または数種の組み合わせである。
【0014】
本発明の有利な効果は次のとおりである:
1、本発明の前記光吸収発熱組成物は、第一分散剤、金属と/または金属酸化物、炭化物を原料成分として適切に配合し、それにより製造された前記光吸収発熱組成物は太陽光を吸収して発熱する同時に体の熱を効果的に反射して熱の拡散と損失を削減することができ、蓄熱性能が高い、更に光吸収発熱組成物を織物に浸漬させる時に、吸収率が比較的高い、相溶性が優れ、最終的に光吸収発熱組成物を含んだ織物が製造され、太陽光を吸収して発熱する同時に体の熱を反射して熱の拡散と損失を削減することができ、蓄熱性能が高い、保温性が優れる。
【0015】
2、本発明の前記した光吸収発熱組成物を含む織物の製造方法は、予備浸漬の織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬する前に、まず前記予備浸漬の織物を水性粘着剤溶液に浸漬させ、40−80℃で10−25min続け、粘着剤を吸着した織物を得、そして粘着剤を吸着した織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬し、最終的に得られた該光吸収発熱組成物を含む織物は、比較的良い蓄熱性能を持つことに加え、耐久性も明らかに改善される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】織物の試料に対して蓄熱性能試験を行う装置を示す模式図である。
図2】本発明の前記した該光吸収発熱組成物を含む織物と標準試料との蓄熱性能を比較する特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に対して、これから具体的な実施例を参照して更に説明する。
次の実施例において、1重量部を1gとし、それに、次の実施例にポリエステル不織布(250g/m2)を予備浸漬の織物とするが、前記の織物に限らない。
【0018】
(実施例1)
本実施例は光吸収発熱組成物を提供し、次の原料成分を含む。
第一分散剤は非イオン界面活性剤ポリオキシエチレンソルビタントリオレート(曇点40℃)、5重量部。
亜鉛スズ酸化物(ATO、スズ:アンチモンのモル比9:1)、20重量部。
炭化ジルコニウム、0.1重量部。
消泡剤、0.1重量部。
【0019】
更に、前記光吸収発熱組成物を含む織物の製造方法を提供し、次の工程を含む。
(1) 前記重量部によって各原料成分を秤量し且つ充分に混合して前記光吸収発熱組成物を製造し、前記光吸収発熱組成物に初めて水を加えて充分に分散させ、固形分は10wt%である均一な分散液になる。
(2)前記分散液における固体材料の粒径を100mmにするように、工程(1)の前記分散液を湿式粉砕し、織物浸漬液を得る。
(3)再度工程(2)の前記織物浸漬液に水を加えて15倍希釈させ、希釈後の浸漬液を得、そして予備浸漬の織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬させ、40℃で25min続け、前記光吸収発熱組成物を含む織物を得る。
【0020】
(実施例2)
本実施例は光吸収発熱組成物を提供し、次の原料成分を含む。
第一分散剤は非イオン界面活性剤ポリオキシエチレンラウリルエーテル(曇点80℃)、20重量部。
インジウムスズ酸化物(ITO)、10重量部。
炭化ケイ素、5重量部。
第二分散剤は陰イオン−非イオン混合系、0.1重量部。
消泡剤、0.1重量部。
【0021】
更に、前記光吸収発熱組成物を含む織物の製造方法を提供し、次の工程を含む。
(1) 前記重量部によって各原料成分を秤量し且つ充分に混合して前記光吸収発熱組成物を製造し、前記光吸収発熱組成物に初めて水を加えて充分に分散させ、固形分は20wt%である均一な分散液になる。
(2)前記分散液における固体材料の粒径を300mmにするように、工程(1)の前記分散液を湿式粉砕し、織物浸漬液を得る。
(3)再度工程(2)の前記織物浸漬液に水を加えて20倍希釈させ、希釈後の浸漬液を得、そして予備浸漬の織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬させ、80℃で10min続け、前記光吸収発熱組成物を含む織物を得る。
【0022】
(実施例3)
本実施例は光吸収発熱組成物を提供し、次の原料成分を含む。
第一分散剤は非イオン界面活性剤ポリオキシエチレンヒマシアルコールエーテル(曇点60℃)、15重量部。
アンチモンスズ酸化物とインジウムスズ酸化物は重量比1:1で組み合わせた混合物、10重量部。
炭化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素は重量比1:1:1で組み合わせた混合物、5重量部。
第二分散剤は陰イオン−非イオン混合系、5重量部。
添加剤、5重量部。
前記添加剤は増粘剤、沈降防止剤、消泡剤、帯電防止剤、撥水剤、抗菌剤、紫外線安定剤などが等重量比によって組み合わせた混合物である。
【0023】
更に、前記光吸収発熱組成物を含む織物の製造方法を提供し、次の工程を含む。
(1) 前記重量部によって各原料成分を秤量し且つ充分に混合して前記光吸収発熱組成物を製造し、前記光吸収発熱組成物に初めて水を加えて充分に分散させ、固形分は10.5wt%である均一な分散液になる。
(2)前記分散液における固体材料の粒径を170mmにするように、工程(1)の前記分散液を湿式粉砕し、織物浸漬液を得る。
(3)再度工程(2)の前記織物浸漬液に水を加えて18倍希釈させ、希釈後の浸漬液を得、そして予備浸漬の織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬させ、45℃で22min続け、前記光吸収発熱組成物を含む織物を得る。
【0024】
(実施例4)
本実施例は光吸収発熱組成物を提供し、次の原料成分を含む。
第一分散剤は非イオン界面活性剤ポリオキシエチレンヒマシアルコールエーテル(曇点60℃)、15重量部。
Al、Zn、Ti、アンチモンスズ酸化物とインジウムスズ酸化物は等重量比で組み合わせた混合物、10重量部。
炭化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタンは重量比1:1:1:1で組み合わせた混合物、5重量部。
第二分散剤は陰イオン−非イオン混合系、5重量部。
添加剤は消泡剤、帯電防止剤は重量比1:1で組み合わせた混合物であり、5重量部。
【0025】
更に、前記光吸収発熱組成物を含む織物の製造方法を提供し、次の工程を含む。
(1) 前記重量部によって各原料成分を秤量し且つ充分に混合して前記光吸収発熱組成物を製造し、前記光吸収発熱組成物に初めて水を加えて充分に分散させ、固形分は14.8wt%である均一な分散液になる。
(2)前記分散液における固体材料の粒径を184mmにするように、工程(1)の前記分散液を湿式粉砕し、織物浸漬液を得る。
(3)再度工程(2)の前記織物浸漬液に水を加えて20倍希釈させ、希釈後の浸漬液を得、そして予備浸漬の織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬させ、78℃で20min続け、前記光吸収発熱組成物を含む織物を得る。
【0026】
(実施例5)
本実施例は光吸収発熱組成物を提供し、次の原料成分を含む。
第一分散剤は非イオン界面活性剤ポリオキシエチレンヒマシアルコールエーテル(曇点60℃)、15重量部。
Al、Zn、Ti、アンチモンスズ酸化物とインジウムスズ酸化物は等重量比で組み合わせた混合物、10重量部。
炭化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタンは重量比1:1:1:1で組み合わせた混合物、5重量部。
第二分散剤は陰イオン−非イオン混合系、5重量部。
添加剤は消泡剤、帯電防止剤が重量比1:1で組み合わせた混合物であり、5重量部。
【0027】
更に、前記光吸収発熱組成物を含む織物の製造方法を提供し、次の工程を含む。
(1) 前記重量部によって各原料成分を秤量し且つ充分に混合して前記光吸収発熱組成物を製造し、前記光吸収発熱組成物に初めて水を加えて充分に分散させ、固形分は10wt%である均一な分散液になる。
(2)前記分散液における固体材料の粒径を198mmにするように、工程(1)の前記分散液を湿式粉砕し、織物浸漬液を得る。
(3)再度工程(2)の前記織物浸漬液に水を加えて20倍希釈させ、希釈後の浸漬液を得、そして予備浸漬の織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬させ、73℃で19min続け、前記光吸収発熱組成物を含む織物を得る。
【0028】
(実施例6)
本実施例は光吸収発熱組成物を提供し、次の原料成分を含む。
第一分散剤は非界面活性剤HPCとHECが重量比1:1で組み合わせた混合物であり(曇点60℃)、15重量部。
アンチモンスズ酸化物、10重量部。
炭化ジルコニウム、5重量部。
第二分散剤は陰イオン−非イオン混合系、5重量部。
消泡剤、5重量部。
【0029】
更に、前記光吸収発熱組成物を含む織物の製造方法を提供し、次の工程を含む。
(1) 前記重量部によって各原料成分を秤量し且つ充分に混合して前記光吸収発熱組成物を製造し、前記光吸収発熱組成物に初めて水を加えて充分に分散させ、固形分は10wt%である均一な分散液になる。
(2)前記分散液における固体材料の粒径を198mmにするように、工程(1)の前記分散液を湿式粉砕し、織物浸漬液を得る。
(3)再度工程(2)の前記織物浸漬液に水を加えて20倍希釈させ、希釈後の浸漬液を得、そして予備浸漬の織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬させ、73℃で19min続け、前記光吸収発熱組成物を含む織物を得る。
【0030】
(実施例7)
本実施例は光吸収発熱組成物を提供し、次の原料成分を含む。
第一分散剤はポリエチレンオキシド − ポリプロピレンオキシドのジブロック共重合体(曇点60℃)であり、15重量部。
アンチモンスズ酸化物、10重量部。
炭化ジルコニウム、5重量部。
第二分散剤は陰イオン−非イオン混合系、5重量部。
消泡剤、5重量部。
【0031】
更に、前記光吸収発熱組成物を含む織物の製造方法を提供し、次の工程を含む。
(1) 前記重量部によって各原料成分を秤量し且つ充分に混合して前記光吸収発熱組成物を製造し、前記光吸収発熱組成物に初めて水を加えて充分に分散させ、固形分は15.8wt%である均一な分散液になる。
(2)前記分散液における固体材料の粒径を215mmにするように、工程(1)の前記分散液を湿式粉砕し、織物浸漬液を得る。
(3)再度工程(2)の前記織物浸漬液に水を加えて20倍希釈させ、希釈後の浸漬液を得、そして予備浸漬の織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬させ、76℃で15min続け、前記光吸収発熱組成物を含む織物を得る。
【0032】
(実施例8)
本実施例と実施例3との違いでは、まず前記予備浸漬の織物を濃度10wt%の水性粘着剤ウレタン系樹脂に浸漬させ、45℃で22min続け、粘着剤を吸着した織物を得る。そして粘着剤を吸着した織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬させ、且つ70℃で20min続け、織物を得る。前記織物は比較的良い蓄熱性能を持つことに加え、耐久性も明らかに改善されたと測定されている。
【0033】
(実施例9)
本実施例と実施例3との違いでは、まず前記予備浸漬の織物を濃度20wt%の水性粘着剤ウレタン系樹脂に浸漬させ、45℃で22min続け、粘着剤を吸着した織物を得る。そして粘着剤を吸着した織物を前記希釈後の浸漬液に浸漬させ、且つ70℃で20min続け、織物を得る。前記織物は比較的良い蓄熱性能を持つことに加え、耐久性も明らかに改善されたと測定されている。
【0034】
(比較例1)
本比較例と実施例3との違いとして、前記光吸熱発熱組成物の原料成分は次のとおりである。
第一分散剤は非イオン界面活性剤ポリオキシエチレンヒマシアルコールエーテル(曇点60℃)、15重量部。
炭化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素は重量比1:1:1で組み合わせた混合物、5重量部。
第二分散剤は陰イオン−非イオン混合系、5重量部。
添加剤、5重量部。
前記添加剤は増粘剤、沈降防止剤、消泡剤、帯電防止剤、撥水剤、抗菌剤、紫外線安定剤などが等重量比によって組み合わせた混合物である。
更に実施例3と同様する方法で前記光吸収発熱組成物を含む織物を製造する。
【0035】
(実施例)
実施例3により得られた光吸収発熱組成物を含む織物と比較例により得られた織物をそれぞれ被測定試料と標準試料として蓄熱性能試験を行い、試験方法は次のとおりである。
【0036】
図1に示しているように、標準的な大気環境20℃、65%RH条件の下で、温度プローブとして、織物の試料(図に示している試験品)の背面中間に熱電対温度センサを置き、織物試料の正面まで30cmの所で反射ランプPanasonic(登録商標) PRF500WBにて赤外線照射したり(10min)、消灯し(10min)、該照射と消灯過程の温度変化を測定し、1minおきに1回測定し、合わせて20min測定する。
【0037】
蓄熱性能の測定結果は、図2に示しているように、標準試料に対し、本発明の方法によって得られた光吸収発熱組成物を含む織物(被測定試料)の蓄熱性能が明らかに改善され、保温性がより優れる。
【0038】
本発明は、上記の好適な実施手段に限定されるものではなく、すべての人は、本発明のインスピレーションにより様々な製品を得られるが、その形状または構造が変化したにもかかわらず、本願と同様または本願に類似した技術解決手段は、すべて本発明の保護範囲内に属する。
図1
図2