(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-150493(P2017-150493A)
(43)【公開日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】排気ガス制御の改善
(51)【国際特許分類】
F01N 3/08 20060101AFI20170804BHJP
F01N 3/28 20060101ALI20170804BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20170804BHJP
F01N 3/027 20060101ALI20170804BHJP
F01N 3/035 20060101ALI20170804BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20170804BHJP
【FI】
F01N3/08 B
F01N3/28 301D
F01N3/24 A
F01N3/027 B
F01N3/035 A
B01D53/94 222
B01D53/94 228
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-55934(P2017-55934)
(22)【出願日】2017年3月22日
(62)【分割の表示】特願2012-556604(P2012-556604)の分割
【原出願日】2011年3月7日
(31)【優先権主張番号】1003784.4
(32)【優先日】2010年3月8日
(33)【優先権主張国】GB
(71)【出願人】
【識別番号】590004718
【氏名又は名称】ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル、スワロー
【テーマコード(参考)】
3G091
3G190
4D148
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AA06
3G091AA18
3G091AB05
3G091BA14
3G091BA31
3G091CA17
3G091GB17Y
3G091HA09
3G091HA15
3G190AA02
3G190AA07
3G190AA12
3G190BA43
3G190CA03
3G190CB18
3G190CB26
4D148AA06
4D148AB02
4D148AC04
4D148BA11Y
4D148BB02
4D148CA01
4D148CC39
4D148CD08
4D148EA07
4D148EA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】触媒活性度の被毒又は背圧の増加を抑え、またエンジンの排気ガスに含まれる熱を利用したSCR反応のための迅速なライトオフを行うこと。
【解決手段】ディーゼルエンジン後処理システムは、排気マニホールドと、いかなる触媒を介在することなく前記排気マニホールドと直接連結されるフィルタ基材を備え、前記フィルタ基材は、その入口側に非コーキングモレキュラーシーブを包含するSCR触媒を備える。非コーキングによりモレキュラーシーブ上に形成される炭素又は炭素質物質によりもたらされる触媒活性度の被毒又は背圧の増加が抑えられ、またエンジンの排気ガスに含まれる熱によるSCR反応が促進される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼルエンジン後処理システムであって、
排気マニホールドと、及び
いかなる触媒を介在することなく、前記排気マニホールドと直接連結されてなるフィルタ基材とを有するディーゼルエンジンを備えてなり、
前記フィルタ基材が、その入口側に、非コーキングモレキュラーシーブを包含するSCR触媒を備えてなるものである、ディーゼルエンジン後処理システム。
【請求項2】
前記ディーゼルエンジンが、ライトデューティーディーゼルエンジンである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記モレキュラーシーブが、小-細孔モレキュラーシーブである、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記モレキュラーシーブが、シリコアルミノホスフェート系モレキュラーシーブである、請求項1〜3の何れか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記フィルタ基材が、エンジンに隣接連結されてなる、請求項1〜4の何れか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記エンジンが、コモンレール燃料噴射を用いてなるものである、請求項1〜5の何れか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記フィルタ基材が、前記フィルタの出口側で、酸化触媒を包含してなる、請求項1〜6の何れか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記酸化触媒が、低温ライト-オフ貴金属触媒である、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
アンモニアスリップ触媒を追加で備えてなる、請求項1〜8の何れか一項に記載のシステム。
【請求項10】
ディーゼルエンジンから排出された排気ガスの後処理方法であって、
触媒後処理に通過させることなく、SCR触媒コーティングフィルタ手段を介して、窒素系還元剤と混合して、前記排気ガスを直接通過してなることを含んでなり、
前記SCR触媒が、非コーキングモレキュラーシーブを含んでなるものである、排気ガスの後処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は排気ガス制御の改善に関し、特にディーゼル(圧縮点火)エンジンから発生した排気ガスの制御における改善に関する。
発明の背景
【0002】
ディーゼルエンジンは、少ない燃料消費、高トルク及び低い一酸化炭素(CO)と二酸化炭素(CO
2)の発生等を備えた長所を有することが知られている。しかしながら、ディーゼルエンジンがガソリンエンジンよりも少量の規制排気ガスを発生させる傾向がある反面、排気ガス(特に、窒素酸化物(NO
x、基本的にNO及びNO
2)と粒子状物質(PM))を制御するのに更に困難が伴う。内燃機関から発生する他の規制汚染物質は、未燃焼の(部分的に燃焼したものも含む)炭化水素(HC)である。
【0003】
基本的にエンジンから発生した排気ガスを還元させる方法は、2つあるが、1つは、エンジンの設計と制御であり、もう1つは、排気ガスの後処理であって、通常はこれらが組み合わせって使用される。排気ガス後処理は、研究と規制排気ガスを処理する触媒的方法の開発により発展してきており、電子的エンジン制御と共に用いられたとき、一般的に現在の排気ガス基準を十分に満たす。それにも拘わらず、環境及び地球温暖化の観点から燃料消費量及び関連するCO
2排気ガスの減少のための抑制に加えて、強化されつつある排気ガス規制により、エンジンの設計及び後処理システムに対する持続的な研究が求められている。
【0004】
車両用として紹介された最初の触媒後処理は、フロースルーセラミック又は金属ハニカム基材上に堆積された白金族金属触媒を含むDOC(ディーゼル酸化触媒)である。このようなDOCは、COとHCの酸化に効果的であり、現在広く用いられている。また、このようなDOCは、炭素質(carbonaceous)粒子に吸収された揮発性部分を同時に酸化させることで、PMの量を減らすのに効果的である。
【0005】
NO
xを無害なN
2に還元させる選択触媒還元法(SCR)は、30年間火力発電による生成物を処理するのに用いられてきており、現在、火力発電と固定型ガスタービン発電及びNO
x排気ガスを作る類似の産業施設に広く用いられている。SCRは、排気ガスに対して窒素系還元剤ガス(主に、アンモニア又は尿素のようなアンモニア前駆体)を追加で用い、最終混合物がSCR触媒として知られている触媒を通過するようにする。SCRシステムは、車両ディーゼルエンジンから発生した排気ガスの後処理に用いるために、米国、欧州及び日本で開発され、徐々に市場に紹介されている。車両SCRシステムは、固定型システムよりも更に制御し難いが、これは、変化する排ガス量、変化する排気ガス温度及び車両で還元剤の供給を行う必要があるという点のためである。それにも拘わらず、このようなSCRシステムは、有望であると考えられている。「炭化水素SCR」と呼ばれ得るディーゼル燃料自体のような炭化水素還元剤が提案され得る。このような炭化水素SCRは、窒素系還元剤を用いる場合よりもかなり多くの問題がある。
【0006】
NH
3SCRシステムで多様な化学反応が起きるが、これらはNO
xを窒素に還元する好ましい反応を示す。主な反応は、反応式1の通りである。
4NO+4NH
3+O
2→4N
2+6H
2O (1)
【0007】
競争的に、酸素を含む非選択性反応は2次排出物を生産し得るか、無駄にアンモニアを消費し得る。このような非選択性反応としては、反応式2のようなアンモニアの完全酸化がある。
4NH
3+5O
2→4NO+6H
2O (2)
【0008】
また、反応式3のような副反応が起き、N
2Oのような好ましくない物質が生成され得る。
4NH
3+4NO+3O
2→4N
2O+6H
2O (3)
【0009】
販売されるSCR触媒は、一般にゼオライト、特にCu-又はFe-改善されたベータゼオライト又はCu-又はFe-ZSM-5のような遷移金属-改善されたゼオライト(アルミノ珪酸塩)系である。これらは、相対的に広い温度の活性ウィンドウ(幅)を有する。一般に、Cu-系ゼオライト触媒は、Fe-系ゼオライト触媒よりも更に優れた低温NO
x還元活性度を示す。
【0010】
しかしながら、使用時に、Cu-及びFe-ベータ及び-ZSM-5ゼオライトは、様々な短所を有する。それらは、特にCu-系ゼオライトで高温熱水エージング中に脱アルミニウム化されやすく、酸性の死活をもたらす。ベータ及びZSM-5-系触媒は、何れも相対的に低い温度で吸着される炭化水素により影響を受け、触媒システムの温度が上昇しながら酸化されて触媒構造に損傷を与える放出熱(exotherm)を生じる。この問題は、特にコールド-スタート(cold start:始動)で触媒に相当量の炭化水素が吸収され得る車両ディーゼル分野において重要である。ベータ及びZSM-5ゼオライトは、何れも炭化水素によりコーティングされやすい。
【0011】
WO2008/132452は、シリコアルミノホスフェートのような少なくとも1つの遷移金属を含む小細孔ゼオライト触媒を開示する。しかしながら、以下で「モレキュラーシーブ」-系触媒は、本明細書において使用され、ゼオライト性構造を有するシリコアルミノホスフェート(SAPO)のような触媒を包含する。用語「ゼオライト」は、シリコアルミン酸塩(silicoaluminate)のために使用されるものと見なされる。WO2008/132452のSAPO-系触媒が上流酸化触媒、中間PMフィルタ及びアンモニアスリップ触媒を備える最終SCR触媒を含むシステムで例示される。
【0012】
ディーゼル排気ガスから発生したPMの除去は、一般にフィルタの一部又は部分フィルタにより実現される。多数のフィルタデザインが特許文献に提案されている。現在、最新のフィルタは、触媒媒煙フィルタ(CSF)として知られる、PM燃焼触媒を含有するセラミック又はセラミック性壁流動フィルタである。NO
x吸収剤触媒(NAC)又はSCR触媒でフィルタコーティングされた多数の変形されたCSFが提案された。例として、ここで全体的な内容が含まれるWO2005/01647が参照される。この特許出願において、フィルタ基材をSCR触媒組成物でコーティングすることが提案された。WO2005/016497の基本特徴は、SCR還元剤のために噴射地点の上流にDOCを位置させ、SCRとCSFとを組み合わせたものの上流に配置することにある。
【0013】
日本公開出願03130522(Mitsubishi Heavy Industry)は、アンモニア注入器とエンジンとターボチャージャとの間に設置されたSCR触媒を備えたターボチャージャを備える固定型ディーゼルエンジンが提案されている。このような設計は、提案後、20年間成功裏に用いられたものとは認められない。
【0014】
従って、本発明者らは、驚いたことに、上流側にDOCを含まないシステム設計を発見し、これは新欧州ドライブサイクル(New European Drive Cycle)のような関連法律の排気ガスサイクルを超えてEuroVIのような排気ガス規制を満たし、或いはこれを上回るものとなる。
【0015】
本発明は、排気マニホールドと、いかなる触媒を介在(配置、設置)することなく、前記排気マニホールドと直接連結されるフィルタ基材を備えるディーゼルエンジンを含んでなり、前記フィルタ基材は、その入口側に備えられた非コーキング(non-coking)モレキュラーシーブを包含してなるSCR触媒を含むディーゼルエンジン後処理システムを提供する。
【0016】
また、本発明は、窒素系還元剤と混合された排気ガスを、触媒後処理を経ずに、直接SCR触媒コーティングフィルタ手段を介して通過させる段階を含んでなり、前記SCR触媒が、非コーキングモレキュラーシーブを含むディーゼルエンジンから排出された排気ガスの後処理方法を提供する。
【0017】
好ましくは、前記SCR触媒-コーティングフィルタは、エンジンに隣接連結(密接接合、密接連結、直接連結:close-coupled)(即ち、ターボチャージャの後)され、ここでエンジンから排出される排気ガスの熱とエンジンから排出された排気ガスに存在するNO
2を両方とも利用する。これは、熱(及び結果として低温から、低温のアンダーフロアの位置に位置するとき、NO
2を生成し再生するCSFの能力)が排気マニホールドとCSFとの間の排気パイプ内で損失する従来のアンダーフロアCSFの位置と反対である。本発明において、ライトデューティーディーゼル車両で隣接連結された位置による追加の長所は、より熱い排気ガスがゼオライトに吸収された水/水蒸気を確実にドライブオフ(drive off:駆逐)するように作用することにある。
【0018】
本発明は、ライトデューティー(自動車及び商業的に類似の車両)、ヘビィーデューティー(トラック及びバス及び類似の車両)及び固定型(発電機)のためのディーゼルエンジンに適用され得る。しかしながら、これはコモンレール(common rail)燃料噴射を用
いたり、設計により又は他の方式でエンジンから排出されたNOxで相対的に高いNO
2比(好ましくは少なくとも50体積%)を生産するライトデューティーディーゼルエンジンに適用されることが好ましい。コモンレールディーゼルの噴射は、現在ライトデューティーディーゼル車両のための選択システムであり、本発明において好ましいものである。当業者は、排気ガス循環比と大きさと燃料噴射のタイミングのような変化する多数のパラメータにより、本発明で好ましい結果を達成できるようにNO
2を調節できる。他の可能性として、例えば、燃料改質ガソリン(reformate)ガスにおいて、水素噴射のようなことも挙げられる。
【0019】
WO2005/016497で提案された後処理システムは、SCR-コーティングされたフィルタの上流側に位置するDOCを備える。これは、DOCがHCとの反応によりNO
2を実質的に除去するが、依然としてNO
2は部分的にSCR反応で有用な要素という点で短所となる。HCとの反応によるNO
2の除去のために、処理された排気ガスが還元剤と混合され、SCR触媒を通過する前にNO
2を再生する必要がある。NO
2の再生は、このようなシステムで触媒媒煙フィルタに高いPGMの含有を要求し、これは経済的に負担となる。また、DOCの下流に位置するSCR-触媒の位置は、SCR触媒とフィルタそれ自体が何れも適切なライト-オフ温度に到達するようにするライト-オフ方法を要求するが、このような方法が全くなければ、ガス/触媒温度を上昇させるための燃料の燃焼が必要であり、燃料の無駄遣いにつながる。反面、本発明のシステムは、エンジンの排気ガスに含まれている熱を利用して、高価なライト-オフ方法を利用する必要がない。
【0020】
本発明によって、前記DOCを備えていないSCR-コーティングフィルタの使用は、SCR反応のための迅速なライトオフを提供し、フィルタに捕集されたPMに続いて起こるPMの燃焼のための熱損失を低減させる。本発明のシステムは、好ましくは酸化触媒を含むが、これはSCR触媒の下流で、分離された構成であり、好ましくはフィルタ基材上の追加的なコーティング(例えば、好ましくはフィルタ基材の出口チャネルにコーティングされる)であり得る。コーティングは、出口チャネルの全長に適用されるか、出口チャネルの一部にのみ適用され得る。このような酸化触媒は、好ましくは排気ガスに露出する従来のDOCよりも遥かに低い温度でライトオフするように調製された貴金属触媒である。このような低温ライト-オフDOC触媒は、当業者に利用可能である。低温ライト-オフガソリンエンジンに関するJohnson MattheyのUS5,776,417とUS5,939,028に開示された技術を参照する。他の適切な低ライト-オフ酸化触媒がHCのメタン要素に対するライト-オフを低減するものとして発見された、Pd含有量を増加させるために、Pd:Rh三元触媒組成物を改良することによって製造され得る。他の変形も当業者にとって利用可能である。
【0021】
本発明のシステムは、従来のシステムよりも更に少ないSCRコーティングを用いるため、アンモニアのスリップが発生し得る。もしこれが見出され場、アンモニアスリップは大気中に刺激的なアンモニアが放出されるのを防ぐために分離された構成として、又は好ましくはフィルタ基材の出口チャネル上の最終ストライプコーティングとして含まれることが好ましい。
【0022】
本発明で用いられたSCR触媒は、非コーキングモレキュラーシーブでなければならない。このような「非コーキング」の要件は、使用中に形成された条件下でモレキュラーシーブ上に形成される炭素又は炭素質の(carbonaceous)物質によりもたらされる触媒活性度の被毒、又は背圧の増加を示さないか、最小限の量だけを示すものと理解される。従って、大部分のコーキング問題を引き起こす大きなHC分子がモレキュラーシーブの細孔(ポア間隙、気孔:pore)に進入するのを防ぐ小細孔モレキュラーシーブが本発明では好ましいということを示す。また、モレキュラーシーブ上の酸点がコック(coke)の形成を増加させるので、これが適切なモレキュラーシーブを選択する際に考慮されなければならない。本発明を適用する際に考慮されるべき他の事項は、一般に250℃未満の低温で小細孔モレキュラーシーブは、低いHC貯蔵能力を示すという点であって、過度なHCの貯蔵は、モレキュラーシーブで、厳しく抑制され、又は細孔の閉塞を招くおそれがある。
【0023】
適切な非コーキングモレキュラーシーブが従来の試行錯誤により選択され得るが、現時点ではWO2008/132452に開示されたSAPO-形態の物質が本発明において有用であると判断される。
【0024】
SCR触媒は、例えば、混合によりNO
xトラップ触媒を含むことができる。このようなNOxトラップ触媒は、SCR触媒が十分に効果的でない条件(例えば、始動時又は排気ガスの温度が低い時の低速運転条件)下でNO
xを吸収するのに使用され得る。NO
xトラップ触媒は、アンモニアにより再生され得る。
【0025】
本システムは、あらゆるSCRシステムで窒素系還元剤のための適切な噴射手段を含む。還元剤の噴射は、従来の方法により制御され得る。還元剤は、NH
3であることが好ましい。
【0026】
エンジンから直接排気ガスを受けるSCR-コーティングフィルタの位置が、SCR反応を促進することに加えて、フィルタの再生可能性を増加させるという点が本発明の長所となる。
【0027】
前記フィルタは、適切なフィルタ構造であってよく、公知の方法によってSCR触媒でコーティングされるか、部分的にコーティングされてもよく、又は、他の成分の堆積にも使用されてよい。現時点では、セラミック-形態の壁流動フィルタが最も適したフィルタ構造であると考えられている。前記SCR触媒は、上流側入口部分コーティング(又は「ストライプ」)でコーティングされるか、あらゆる入口チャネルにコーティングされ得る。前記フィルタは、媒煙燃焼触媒と当業者に知られている適したフィルタを含むことが好ましい。前記媒煙燃焼触媒は、各入口チャネルの下流部分でフィルタ構造上にコーティングされ得るか、SCR触媒の堆積に先立ち、初期のコーティングとして堆積され得るため、SCR触媒は、媒煙燃焼触媒を覆う。
【0028】
本発明及び本発明の側面は、本発明の概念から逸脱せず、特定の要件を満たし、最新の物質を用いるために当業者により適用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2017年4月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載された発明。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
本発明及び本発明の側面は、本発明の概念から逸脱せず、特定の要件を満たし、最新の
物質を用いるために当業者により適用され得る。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
ディーゼルエンジン後処理システムであって、
排気マニホールドと、及び
いかなる触媒を介在することなく、前記排気マニホールドと直接連結されてなるフィルタ基材とを有するディーゼルエンジンを備えてなり、
前記フィルタ基材が、その入口側に、非コーキングモレキュラーシーブを包含するSCR触媒を備えてなるものである、ディーゼルエンジン後処理システム。
(態様2)
前記ディーゼルエンジンが、ライトデューティーディーゼルエンジンである、態様1に記載のシステム。
(態様3)
前記モレキュラーシーブが、小-細孔モレキュラーシーブである、態様1又は2に記載のシステム。
(態様4)
前記モレキュラーシーブが、シリコアルミノホスフェート系モレキュラーシーブである、態様1〜3の何れか一項に記載のシステム。
(態様5)
前記フィルタ基材が、エンジンに隣接連結されてなる、態様1〜4の何れか一項に記載のシステム。
(態様6)
前記エンジンが、コモンレール燃料噴射を用いてなるものである、態様1〜5の何れか一項に記載のシステム。
(態様7)
前記フィルタ基材が、前記フィルタの出口側で、酸化触媒を包含してなる、態様1〜6の何れか一項に記載のシステム。
(態様8)
前記酸化触媒が、低温ライト-オフ貴金属触媒である、態様6に記載のシステム。
(態様9)
アンモニアスリップ触媒を追加で備えてなる、態様1〜8の何れか一項に記載のシステム。
(態様10)
ディーゼルエンジンから排出された排気ガスの後処理方法であって、
触媒後処理に通過させることなく、SCR触媒コーティングフィルタ手段を介して、窒素系還元剤と混合して、前記排気ガスを直接通過してなることを含んでなり、
前記SCR触媒が、非コーキングモレキュラーシーブを含んでなるものである、排気ガスの後処理方法。
【外国語明細書】