【解決手段】スマートフォン40に対して広告情報を提供する広告提供システム1であって、スマートフォン40が受信したビーコン信号の内容に基づいて広告情報を提供するビーコンプラットフォーム10を有し、ビーコンプラットフォーム10は、ビーコンレジストリ12と、キャンペーンレジストリ13と、スマートフォン40からビーコン識別情報およびユーザ4に係る属性情報を取得して、ビーコン識別情報に対応するATM22のロケーション情報をビーコンレジストリ12から取得し、ロケーション情報およびユーザ4に係る属性情報を含む情報に基づいて、広告情報をキャンペーンレジストリ13から取得するキャンペーンマッチング部11とを有する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。一方で、ある図において符号を付して説明した部位について、他の図の説明の際に再度の図示はしないが同一の符号を付して言及する場合がある。
【0020】
<概要>
本発明の一実施の形態である広告提供システムは、コンビニエンスストアや駅、地下街などの良質なロケーションに多数設置されているATMを、ユーザの消費行動を捉えて把握し適切な広告を提供するためのコンタクトポイントとして、ATMでの取引内容を含むユーザの属性情報や、ATMおよびその周辺でのユーザの詳細な位置情報に基づいて、ユーザのコンテクスト(行動属性)を理解し、ユーザにとってより適切な広告を提供するプラットフォームとなるものである。
【0021】
本実施の形態では、後述するように、ATMおよびその周辺でのユーザの位置情報として、例えばATMから20〜30mといったオーダーに加えて、数mや数十cmのオーダーでの詳細な位置(マイクロロケーション)を判別し、これに応じて適切な広告を提供可能とする。
【0022】
このようなマイクロロケーションを判別する仕組みとして、近年では、極めて少ない消費電力で通信可能なBLE(Bluetooth(登録商標、以下同様) Low Energy)規格によるBluetoothビーコンが普及しつつある。Bluetoothビーコンとしては、例えば、Apple(登録商標、以下同様)社のiBeacon(登録商標、以下同様)などがあり、これが標準搭載されているスマートフォンなどの携帯端末や、各種デバイスも提供されている。
【0023】
そこで、本実施の形態では、各ロケーションに設置されたATMに対してBluetoothビーコン(以下では単に「ビーコン」と省略する場合がある)信号の発信機能を付加し、ユーザが当該ビーコン信号の受信機能を有する携帯端末を保持することで、ユーザのマイクロロケーションを把握する。そして、ユーザが保持する携帯端末に対して広告を提供することで、ATMでの取引を行っている/行ったユーザに限らず、ATMの周辺に所在する他のユーザに対してもアプローチすることを可能とする。
【0024】
なお、提供する広告の種類や内容については特に限定されず、サービス提供者におけるマーケティングに係るものであれば各種の形態、内容のコンテンツとすることができる。例えば、ATMの周辺の店舗における販売情報を提供するチラシのような広告コンテンツであってもよいし、店舗で利用可能な電子クーポンを発行するような期間限定のキャンペーンコンテンツであってもよい。また、ユーザに対するアンケートなどを含むものであってもよい。以下の本実施の形態では、ATMの周辺の店舗で利用可能な電子クーポンを発行するキャンペーンコンテンツを提供する場合を例として説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施の形態における広告提供システムの概要を示した図である。図中の広告提供システム1において、ユーザ4が保持するスマートフォン40に対してキャンペーンコンテンツ26(図中ではキャンペーンコンテンツa(26a)〜c(26c)で示される)を表示する基本的な流れの概要は以下の通りである。
【0026】
すなわち、ビーコン信号を発信する機能を有する(ビーコン信号23を発信するデバイスを内蔵した)ATM22から発信されたビーコン信号23(図中ではビーコン信号a(23a)〜c(23c)で示される)を、ビーコン信号23の受信機能を有するスマートフォン40が受信し、ビーコン信号23の内容から取得したビーコン識別情報24(図中ではビーコン識別情報a(24a)〜c(24c)で示される)を含むリクエストを後述するビーコンプラットフォーム10に送信する。そして、ビーコンプラットフォーム10が、ビーコン識別情報24等の内容に基づいて適切なキャンペーンコンテンツ26を特定してユーザ4に提供する。
【0027】
図1の例では、ビーコンプラットフォーム10がキャンペーンコンテンツ26を直接スマートフォン40に対して提供するように示されているが、後述するように、ビーコンプラットフォーム10により特定されたキャンペーンコンテンツ26を他のコンテンツサーバなどが提供する構成としてもよい。
【0028】
図1の例では、ユーザ4(正確にはスマートフォン40)とATM22との距離に応じて3種類のキャンペーンコンテンツ26の提供例を示している。Bluetoothビーコンでは、ビーコン信号23の受信デバイス(スマートフォン40)は発信デバイス(ATM22)との距離情報を取得することができる。本実施の形態では、スマートフォン40が取得した距離情報はビーコン識別情報24等とともにビーコンプラットフォーム10へのリクエストに含まれ、ビーコンプラットフォーム10がこれを把握することができる。
【0029】
図1の上段の例では、コンビニエンスストア等の店舗27内に設置されたATM22においてユーザ4が出金等の取引を行う場合を示している。この場合、例えば、ユーザ4によるATM22で取引の実行中もしくは終了後に、ATM22が近接距離(例えば10センチ程度)で通信を行うための微弱なビーコン信号23aを一定時間発信する。その間にユーザ4がスマートフォン40をATM22の所定の場所にかざすことで、スマートフォン40がビーコン信号23aを受信し、ビーコン識別情報a(24a)を取得してビーコンプラットフォーム10に送信する。この場合は、ATM22の近傍にユーザ4が所在することが明らかであり、ビーコンプラットフォーム10は、店舗27で使用可能なクーポンや店舗27の広告情報などをキャンペーンコンテンツ26aとすることができる。
【0030】
さらに、ATM22で行われた取引の内容の全部もしくは一部からなる取引情報25をビーコンプラットフォーム10が取得可能な場合は、ビーコンプラットフォーム10は、ビーコン識別情報24aに加えて取引情報25に基づいてユーザ4の属性を把握したり行動内容を推測したりして、クーポンなどの適切なキャンペーンコンテンツ26aをスマートフォン40に対して提供することができる。
【0031】
例えば、繁華街に設置されたATM22において金曜日の夕方に出金取引を行ったユーザ4に対しては、これから飲食に出かけるものと推測して近隣の飲食店で利用可能なクーポンを提供することができる。また、ユーザ4の属性が外国人である場合には、近隣の免税店や観光スポットを紹介したり、自国料理のレストランで利用可能なクーポンを提供したりすることができる。
【0032】
図1の中段の例では、ユーザ4がATM22での取引は行っていないものの店舗27内には所在する場合を示している。この場合、ATM22は定常的に(もしくは所定の時間帯の間)ビーコン信号23bを発信しており、ユーザ4が保持するスマートフォン40はこれを受信し、ビーコン識別情報b(24b)を取得してビーコンプラットフォーム10に送信する。このときのATM22とスマートフォン40との距離は、店舗27内でのユーザ4の所在場所によって異なるが、その最大値は、店舗27の大きさとATM22の設置場所に基づいてある程度の範囲(例えば約15m程度。以下では「第1範囲」と記載する場合がある)に限られる。
【0033】
したがって、ATM22とスマートフォン40との距離が第1範囲内にある場合には、ビーコンプラットフォーム10は、ユーザ4が何らかの利用目的で店舗27内に所在するものと推測して、例えば、店舗27で使用可能なクーポンや店舗27の広告情報などをキャンペーンコンテンツ26bとすることができる。また、ATM22の利用を促すため、当該ATM22の設置金融機関や提携金融機関のキャンペーン等の広告情報をキャンペーンコンテンツ26bとしてもよい。
【0034】
図1の下段の例では、ユーザ4が店舗27の外の近い場所に所在する場合を示している。この場合、ATM22は定常的に(もしくは所定の時間帯の間)ビーコン信号23cを発信しており、ユーザ4が保持するスマートフォン40はこれを受信し、ビーコン識別情報c(24c)を取得してビーコンプラットフォーム10に送信する。このときのATM22とスマートフォン40との距離は、ユーザ4の所在場所によって異なるが、店舗27へ誘導することも考慮すると、その最大値は、店舗27の大きさとATM22の設置場所に基づいてある程度の範囲(例えば30〜100m程度。以下では「第2範囲」と記載する場合がある)に限られる。
【0035】
したがって、ATM22とスマートフォン40との距離が第2範囲内(かつ第1範囲外)にある場合は、ビーコンプラットフォーム10は、ユーザ4が目的は様々ではあるものの店舗27の周辺に所在するものと推測して、例えば、店舗27へ誘導するために、店舗27で使用可能なクーポンや店舗27の広告情報などをキャンペーンコンテンツ26cとすることができる。また、ATM22の利用を促すため、当該ATM22の設置金融機関や提携金融機関のキャンペーン等の広告情報をキャンペーンコンテンツ26cとしてもよい。また、近隣の飲食店等の店舗に係る広告情報やセール情報などをキャンペーンコンテンツ26cとしてもよい。
【0036】
なお、
図1の例において、下段の例のようにATM22が店舗27の外の第2範囲まで到達するビーコン信号23cを発信する場合、これによって中段の例におけるビーコン信号23bの機能を包含することができる。一方、中段の図においてビーコン信号23bの出力をその到達範囲が店舗27内(第1範囲)となる程度に設定した場合、下段の例のように店舗27の外(第1範囲の外)に所在するユーザ4に対してキャンペーンコンテンツ26cを提供することはできないが、このような構成をとることも当然可能である。また、上段の例における近接距離のビーコン信号23aを発信するために、定常的に発信しているビーコン信号23b、23cに代えて一定時間ビーコン信号23aに切り替えて発信する構成としてもよいし、ATM22にビーコン発信デバイスを複数設ける構成としてもよい。
【0037】
また、
図1の例では、ATM22がコンビニエンスストア等の店舗27内に設置されている場合を例として説明したが、ATM22の設置場所はコンビニエンスストアに限らず、スーパーマーケットやショッピングセンター、百貨店などの商業施設、銀行等の金融機関、空港、駅、高速道路のサービスエリア/パーキングエリア、各種オフィスビルなどであってもよい。いずれの場所に設置されている場合でも、上記と同様にユーザ4のマイクロロケーションに応じたキャンペーンコンテンツ26の提供手法を適用することができる。
【0038】
<システム構成>
図2は、本発明の一実施の形態である広告提供システム1の構成例について概要を示した図である。広告提供システム1は、ビーコンプラットフォーム10とATMシステム20およびPOS(Point of Sales)システム30とがネットワークを介して接続された構成を有し、さらに、ビーコンプラットフォーム10に対してユーザ4が保持するスマートフォン40や、位置情報・アプリ情報登録者2およびキャンペーン情報登録者3が使用する情報処理端末がインターネット70を介してアクセス可能な構成を有する。
【0039】
ビーコンプラットフォーム10は、例えば、サーバ機器やクラウドコンピューティング環境上の仮想サーバ等により構成されるサーバシステムからなり、例えば、図示しないOS(Operating System)やDBMS(Database Management System)、Webサーバプログラムなどのミドルウェア上で稼働するソフトウェアとして実装されたキャンペーンマッチング部11を有する。また、データベースとして実装されたビーコンレジストリ12およびキャンペーンレジストリ13などのデータストアを有する。
【0040】
キャンペーンマッチング部11は、スマートフォン40から受信したビーコン識別情報24等のリクエストの内容、およびビーコン識別情報24に基づいてビーコンレジストリ12から取得したビーコン発信デバイス(もしくはATM22)のロケーション情報等の属性情報などに基づいて、キャンペーンレジストリ13から適切なキャンペーンコンテンツ26を選択・決定するマッチングエンジンの機能を有する。
【0041】
ここでは、キャンペーンコンテンツ26自体を取得する構成としてもよいし、キャンペーンコンテンツ26を特定するURL(Uniform Resource Locator)等の識別情報のみを取得し、キャンペーンコンテンツ26自体は他のコンテンツサーバ60によって提供する構成としてもよい。なお、ビーコンレジストリ12の情報は位置情報・アプリ情報登録者2によって、また、キャンペーンレジストリ13の情報はキャンペーン情報登録者3によって、それぞれ予め登録され、また更新等の管理がされているものとする。
【0042】
スマートフォン40から受信するリクエストには、後述するように、ビーコン識別情報24に加えて、例えば、ATM22とスマートフォン40との距離情報、スマートフォン40がビーコン信号23を受信した際に反応した対応アプリケーション41の識別情報や設定内容に係る情報、スマートフォン40を使用するユーザ4の識別情報や属性情報などが含まれる。また、ビーコン識別情報24には、例えば、BluetoothビーコンにおけるUUID(Universally Unique Identifier)などのビーコン発信デバイスの識別情報を用いることができる。
【0043】
また、キャンペーンマッチング部11は、上述した
図1の上段の例のようにユーザ4がATM22で取引を行った上でスマートフォン40により近接距離のビーコン信号23aを受信してリクエストを行っている場合には、各ATM22の一元的な管理と取引の実行を行うATMシステム20に登録・蓄積された取引情報21から当該ATM22での取引に係る情報を取得して、その内容も判断材料として考慮してキャンペーンコンテンツ26を選択・決定してもよい。なお、可能な場合にはATMシステム20が保持する取引情報21の全部もしくは一部のデータを、例えばビーコンプラットフォーム10上にもレプリケーション等により保持して参照可能とする構成としてもよい。
【0044】
また、キャンペーンマッチング部11は、キャンペーンコンテンツ26としてユーザ4のスマートフォン40に提供された電子クーポンが店舗27等で実際に使用された場合に、レジのPOS端末31により読み取られた電子クーポンの情報を、各POS端末31を一元的に管理するPOSシステム30を介して取得して、電子クーポンの消し込み処理を行う機能を有していてもよい。
【0045】
ユーザ4が保持するスマートフォン40は、ビーコン信号23を受信する機能を搭載し、OS等の機能によって、ビーコン信号23の受信をトリガーとして所定のアプリケーションを起動し、もしくはアクティブにする機能を有するものである。上記の所定のアプリケーションとして、1つ以上の対応アプリケーション41がインストールされているものとし、さらにクーポン管理アプリケーション42がインストールされていてもよい。これらの要件を満たす限り、機器の種類はスマートフォンに限定されず、タブレット端末や他の携帯情報端末を利用することができる。
【0046】
対応アプリケーション41は、例えば、周辺の飲食店の情報を参照することができるグルメ系アプリケーションや、商業施設が独自に提供するアプリケーション、外国人が飲食店や免税店などの情報を参照することができる旅行系アプリケーション、ATM22を運用する金融機関が提供するアプリケーションなどであり、電子クーポンを含むキャンペーンコンテンツ26を受け取ることができるものである。
【0047】
クーポン管理アプリケーション42は、例えば、Apple社のiOS上で稼働するPassbook(登録商標)など、各対応アプリケーション41によって取得した電子クーポンやチケット等を一元管理することができるアプリケーションである。
【0048】
外部広告システム50は、他の事業者等が運用する広告提供や配信を行うシステムであり、ユーザ4の所在位置に連動した広告を提供する機能を有するものである。本実施の形態の広告提供システム1は、このような位置連動広告を提供する外部広告システム50に対して、ユーザ4のスマートフォン40がビーコン信号23を受信したATM22の位置情報(さらにスマートフォン40とATM22との間の距離情報を含んでいてもよい)をビーコンレジストリ12に基づいて取得してこれを提供する構成としてもよい。これにより、広告提供システム1はユーザ4のマイクロロケーションのみを外部広告システム50にサービスとして提供し、外部広告システム50において広告情報の選択・決定とユーザ4への提供を行わせることができる。
【0049】
<データ構成>
図3は、ビーコンレジストリ12を構成するビーコンロケーション情報テーブル12aのデータ構成の例について概要を示した図である。ビーコンロケーション情報テーブル12aは、ビーコン発信デバイスのロケーション情報(本実施の形態ではATM22のロケーション情報と等価)および属性情報を保持するテーブルであり、例えば、ビーコン識別子、ATM識別子、住所、緯度経度、周辺属性、最寄駅情報、およびユーザ属性などの各項目を有する。
【0050】
ビーコン識別子の項目は、対象のATM22に搭載されたビーコン発信デバイスを一意に識別可能とするコード情報を保持する。UUIDを用いることが可能であるが、UUIDを可変とする場合にはこれとは別に不変のコード値を付番する。ATM識別子の項目は、ATM22を一意に識別可能とするコード情報を保持する。ATM22を運営する金融機関のコード体系により付番されたコード値とすることができるが、ATM22にビーコン発信デバイスを1つしか搭載しない場合には上記のビーコン識別子と1対1で対応するため、これらを統合して用いてもよい。
【0051】
住所および緯度経度の項目は、それぞれ、対象のATM22の設置場所の住所および緯度、経度の情報を保持する。周辺属性の項目は、対象のATM22の設置場所周辺の属性情報を保持する。例えば、「繁華街」や「オフィス街」、「住宅街」などを示すコード値等により指定する。複数の属性を設定できるようにしてもよい。最寄駅情報の項目は、対象のATM22の設置場所の最寄駅を特定する名称やコード値等の情報、および当該最寄駅までの距離を示す情報を保持する。ユーザ属性の項目は、対象のATM22の主な利用ユーザの属性情報を保持する。例えば、「20代女性」や「40代男性」などを示すコード値等により指定する。
【0052】
図4は、ビーコンレジストリ12を構成するアプリケーション属性テーブル12bのデータ構成の例について概要を示した図である。アプリケーション属性テーブル12bは、ATM22から発信されたビーコン信号23をユーザ4のスマートフォン40が受信した際に起動することができる対応アプリケーション41に係る情報を保持するテーブルであり、例えば、アプリケーション識別子、アプリケーション名称、およびアプリケーション属性などの各項目を有する。
【0053】
アプリケーション識別子の項目は、対象のアプリケーションを一意に識別可能とするIDやシーケンス番号などのコード情報を保持する。アプリケーション名称の項目は、対象のアプリケーションの表示名称の情報を保持する。例えば、「食べログ」や「パズドラ」、「LINE」(いずれも登録商標)などのテキスト情報を保持する。アプリケーション属性の項目は、対象のアプリケーションの属性情報を保持する。例えば、「クーポン系アプリケーション」や「ゲームアプリケーション」、「SNS(Social Networking Service)アプリケーション」などを示すコード値等により指定する。
【0054】
図5は、キャンペーンレジストリ13を構成するキャンペーン情報テーブル13aのデータ構成の例について概要を示した図である。キャンペーン情報テーブル13aは、ユーザ4のスマートフォン40に対して提供する広告情報(本実施の形態ではキャンペーン)の内容に係る情報を保持するテーブルであり、例えば、キャンペーン識別子、配布条件−位置、配布条件−周辺属性、配布条件−ユーザ属性、配布条件−距離、配布条件−アプリケーション属性、配布条件−取引属性、配布条件−その他、キャンペーン通知メッセージ、キャンペーンURL、およびキャンペーン内容などの各項目を有する。
【0055】
キャンペーン識別子の項目は、対象のキャンペーンを一意に識別可能とするIDやシーケンス番号などのコード情報を保持する。配布条件の各項目は、対象のキャンペーンを提供する(本実施の形態では電子クーポンを配布する)条件の情報を保持する。例えば、配布条件−位置の項目は、対象のキャンペーンを提供するATM22が含まれる地理的範囲の情報として、中心となる緯度経度および中心からの半径の組み合わせの情報を保持する。この場合は円状の範囲が特定されるが、例えば、2地点の緯度経度を指定してこれらの地点を対角とする矩形により特定してもよい。また、住所に基づく地区名や地域名により特定してもよい。
【0056】
また、配布条件−周辺属性の項目は、対象のキャンペーンを提供するATM22の周辺属性の条件の情報を保持する。例えば、「繁華街」や「オフィス街」、「住宅街」などを示すコード値により指定する。配布条件−ユーザ属性の項目は、対象のキャンペーンを提供するユーザ4の属性の条件の情報を保持する。例えば、「20代女性」や「40代男性」、「クーポン使用頻度の高い人」などを示すコード値により指定する。また、配布条件−距離の項目は、ビーコン信号23を受信したスマートフォン40のうち、対象のキャンペーンを提供するスマートフォン40のATM22との距離の条件の情報を保持する。例えば、「20cm以内」や「30m以内」、「20m〜100m」などを示す数式やコード値等により指定する。
【0057】
また、配布条件−アプリケーション属性の項目は、スマートフォン40がビーコン信号23を受信した際に起動することができる対応アプリケーション41のうち、キャンペーンを提供するアプリケーションの属性の条件の情報を保持する。例えば、「居酒屋アプリケーション」や「ゲームアプリケーション」、「SNSアプリケーション」などを示すコード値等により指定する。また、配布条件−取引属性の項目は、ATM22で取引を行ったユーザ4に対してキャンペーンを提供する際に、その取引内容の条件の情報を保持する。例えば、「海外口座から1万円以上の出金」などを示すコード値等により指定する。なお、取引内容の情報は後述する取引情報21の内容から把握することができる。
【0058】
また、配布条件−その他の項目は、上記のような定型的な項目に係る条件以外の非定型な項目に係る条件の情報を保持する。例えば、上記の配布条件−位置の項目で指定されるような静的な位置情報ではなく、「雨天の地域」や、「売上げが○○円以下の店舗」など、条件の内容が動的に変化し得る条件を設定することも可能である。この場合、条件に合致するか否かを判断するために、キャンペーンマッチング部11が、図示しない気象情報サービスや、POSシステム30などの他システムや他サービスと連携できることが望ましい。
【0059】
上記の配布条件の各項目は、いずれも複数指定することができる。また、各項目についてANDやORの条件を指定して複合条件としてもよい。これらにより、例えば、「免税店が、各免税店から半径1km以内にあるATMで海外口座での取引を行った訪日客に対して免税店で利用可能なクーポンを提供する」というような複合的な条件を設定することができる。
【0060】
キャンペーン通知メッセージの項目は、対象のキャンペーンをユーザ4のスマートフォン40に提供する際に通知・表示するメッセージの内容に係る情報を保持する。キャンペーンURLの項目は、ユーザ4がスマートフォン40により対象のキャンペーンの詳細内容にアクセスする際のコンテンツサーバ60(もしくはビーコンプラットフォーム10)上のURLの情報を保持する。
【0061】
キャンペーン内容の項目は、キャンペーンコンテンツ26の内容(本実施の形態では電子クーポンのサービス内容)の情報を保持する。この情報はコンテンツサーバ60などの外部に登録されていてもよい。キャンペーンコンテンツ26についても、静的に登録されたものに限らず、例えば、「配布条件に合致するキャンペーンコンテンツが複数生じた場合は、広告単価の高い方とする」や、「先着○○名に限りキャンペーンコンテンツを提供する」など、動的に変化し得る条件を設定することも可能である。この場合、最終的にどのキャンペーンコンテンツ26を提供するかを決定するために、例えば、外部広告システム50に広告単価を問い合わせたり、POSシステム30に在庫を問い合わせたり等、対システムや他サービスと連携できることが望ましい。
【0062】
図6は、キャンペーンマッチング部11が管理情報として保持する配布情報テーブル11aのデータ構成の例について概要を示した図である。配布情報テーブル11aは、キャンペーンマッチング部11により選択・決定されたキャンペーンコンテンツ26(本実施の形態では電子クーポン)について、ユーザ4に対する配布状況やステータスに係る情報を保持するテーブルであり、例えば、配布済クーポン識別子、ユーザ識別子、キャンペーン識別子、およびクーポンステータスなどの各項目を有する。
【0063】
配布済クーポン識別子の項目は、ユーザ4に対してキャンペーンにより配布されている電子クーポンを一意に識別するIDやシーケンス番号等のコード情報を保持する。当該識別子は全てのユーザ4およびキャンペーンを通じてユニークな値となる。ユーザ識別子の項目は、対象の電子クーポンが配布されたユーザ4を一意に識別可能とするID等のコード情報を保持する。この情報は、例えば電子クーポンの配布の対象となったユーザ4のスマートフォン40上の対応アプリケーション41から取得することができる。
【0064】
キャンペーン識別子の項目は、対象の電子クーポンを配布したキャンペーンを一意に識別可能とするIDやシーケンス番号などのコード情報であり、
図5のキャンペーン情報テーブル13aにおけるキャンペーン識別子の項目を外部キーとするものである。クーポンステータスの項目は、対象の電子クーポンの状態に係る情報を保持する。例えば、「配布済み」や「利用済み」、「失効」などを示すコード値等により指定する。「利用済み」や「失効」状態となってから所定の期間が経過した電子クーポンのレコードをメンテナンスの際に削除するようにしてもよい。
【0065】
図7は、キャンペーンマッチング部11が管理情報として保持するユーザ履歴テーブル11bのデータ構成の例について概要を示した図である。ユーザ履歴テーブル11bは、キャンペーンマッチング部11がキャンペーンコンテンツ26を提供した(もしくは提供することが可能な)ユーザ4についてのアクション、行動の履歴情報を保持するテーブルであり、例えば、ユーザ識別子、ビーコン反応履歴、およびクーポン配布履歴などの各項目を有する。
【0066】
ユーザ識別子の項目は、対象のユーザ4を一意に識別可能とするID等のコード情報を保持するものであり、
図6の配布情報テーブル11aにおけるユーザ識別子の項目と同内容である。ビーコン反応履歴の項目は、対象のユーザ4のスマートフォン40がいつどのATM22からのビーコン信号23に反応してキャンペーンマッチング部11に対してキャンペーンコンテンツ26のリクエストを送信してきたのかの履歴情報を保持する。クーポン配布履歴の項目は、対象のユーザ4のスマートフォン40に対していつどのような電子クーポンを配布したか、および対象のユーザ4がいつどの電子クーポンを利用したかの履歴情報を保持する。
【0067】
なお、上記のビーコン反応履歴とクーポン配布履歴の各項目は、それぞれ別個のテーブルに分割して保持するようにしてもよい。これらの履歴情報を保持し、キャンペーンマッチング部11において解析することで、例えば、ユーザ4の行動パターンから属性情報(例えば、住んでいる地域や勤務している地域、サラリーマンか主婦かなど)を推測したり、クーポンの利用頻度が高いユーザ4に限定して電子クーポンを配布したり、というようなニーズにも対応することが可能である。
【0068】
図8は、ATMシステム20が保持する取引情報21のデータ構成の例について概要を示した図である。取引情報21は、ユーザ4がATM22で行った取引の内容に係る情報を保持するテーブルであり、例えば、取引番号、ATM識別子、取引先金融機関、取引種別、および取引金額などの各項目を有する。
【0069】
取引番号の項目は、対象の取引を一意に識別可能とするシーケンス番号等のコード情報を保持する。ビーコンプラットフォーム10において、対象の取引が行われたATM22が対象の取引に際して発信したビーコン信号23aにおけるワンタイムUUIDの情報と上記の取引番号の値とを関連付けてもよいし、ビーコンプラットフォーム10が取引情報21に相当する内容を個別に保持する場合には取引番号の値に代えてワンタイムUUIDの値を保持するようにしてもよい。
【0070】
ATM識別子の項目は、対象の取引が行われたATM22を一意に識別可能とするコード情報を保持するものであり、
図3のビーコンロケーション情報テーブル12aにおけるATM識別子の項目と同内容である。取引先金融機関の項目は、取引の対象の金融機関を識別するコード情報もしくは名称の情報を保持する。海外金融機関の場合には対象の取引を行ったユーザ4が訪日外国人であると推測するようにしてもよい。取引種別の項目は、対象の取引の種別に係る情報を保持する。例えば、「出金」や「入金」などを示すコード値等により指定する。取引金額の項目は、対象の取引の金額に係る情報を保持する。具体的な金額を保持してもよいし、例えば、「〜10,000円」や「〜50,000円」、「それ以上」などのレンジを示すコード値等により指定してもよい。
【0071】
なお、上述の
図3〜
図8で示した各テーブルのデータ構成(項目)はあくまで一例であり、同様のデータを保持・管理することが可能な構成であれば、他のテーブル構成やデータ構成であってもよい。
【0072】
<処理の流れ>
以下では、本実施の形態の広告提供システム1においてATM22から発信されたビーコン信号23を受信したユーザ4のスマートフォン40に対して好適なキャンペーンコンテンツ26が提供されるまでの処理の流れの例について説明する。
【0073】
図9は、予め各種の登録をしておく事前準備の処理の流れの例について概要を示したシーケンス図である。事前準備では、位置情報・アプリ情報登録者2が、情報処理端末を用いてインターネット70を介してビーコンプラットフォーム10にアクセスし、ビーコンレジストリ12のビーコンロケーション情報テーブル12aにビーコン発信デバイス(ATM22)のロケーション情報や属性情報を登録する(S01)。また、ビーコンレジストリ12のアプリケーション属性テーブル12bに対応アプリケーション41の属性情報等を登録する(S02)。さらに、キャンペーン情報登録者3が、キャンペーンレジストリ13のキャンペーン情報テーブル13aにキャンペーン情報を登録する(S03)。
【0074】
図10は、ユーザ4のスマートフォン40にキャンペーンコンテンツ26が提供される処理の流れの例について概要を示したシーケンス図である。スマートフォン40にキャンペーンコンテンツ26(本実施の形態では電子クーポン)が提供される一連の処理のトリガーとして、ユーザ4がATM22で取引を行う場合には(S11)、ATM22がディスプレイ上にキャンペーンの画面表示を行うとともに、近接距離でのビーコン信号23aを発信し(S12)、ユーザ4がスマートフォン40をATM22にかざすことで(S13)、スマートフォン40がビーコン信号23aを受信する(S14)。ユーザ4がATM22で取引を行っていない場合には、ATM22が定常的に発信するビーコン信号23をスマートフォン40が受信する(S14)。
【0075】
ビーコン信号23を受信したATM22は、これをトリガーとして、ビーコンプラットフォーム10のキャンペーンマッチング部11に対してキャンペーンコンテンツ26のリクエストを送信する(S15)。リクエストには、パラメータとして、例えば、受信したビーコン信号23におけるビーコン識別子や、ATM22とスマートフォン40との距離に係る情報、反応した対応アプリケーション41のアプリケーション識別子、ユーザ識別子、対応アプリケーション41等から得られるユーザ属性などが含まれる。
【0076】
リクエストを受信したキャンペーンマッチング部11は、パラメータのビーコン識別子や距離情報などからATM22による取引が行われているか否かを判別し、取引が行われている場合にはATMシステム20の取引情報21から対象のATM22において行われた取引に係る情報を取得する(S16)。
【0077】
さらに、ATM22での取引の有無に関わらず、ビーコン識別子をパラメータとしてビーコンレジストリ12のビーコンロケーション情報テーブル12aからビーコン発信デバイス(ATM22)のロケーション情報や属性情報を取得するとともに、アプリケーション識別子をパラメータとしてアプリケーション属性テーブル12bから対応アプリケーション41の属性情報を取得する(S17)。また、ユーザ識別子をパラメータとしてユーザ履歴テーブル11bから対象のユーザ4のビーコン反応履歴の情報やクーポン配布履歴の情報を取得する(S18)。
【0078】
その後、取得した各種情報に基づいて、キャンペーンマッチング部11は、所定のアルゴリズムや条件等によりロケーション情報や対応アプリケーション41の属性情報、ユーザ4の属性情報などのコンテクスト情報を把握、推測し、これらをパラメータとしてキャンペーンレジストリ13のキャンペーン情報テーブル13aから配布条件が合致する好適なキャンペーンコンテンツ26の情報(キャンペーン通知メッセージおよびキャンペーンURL)を取得する(S19)。そして、取得したキャンペーン通知メッセージおよびキャンペーンURLの情報をスマートフォン40に対して応答する(S20)。
【0079】
なお、キャンペーン通知メッセージによってキャンペーンコンテンツ26の情報が提供されるスマートフォン40は、キャンペーンコンテンツ26のリクエストを送信したスマートフォン40に限られない。すなわち、ATM22で取引を行った、もしくはATM22が定常的に発信するビーコン信号23を受信したスマートフォン40に限られない。これに加えて、もしくはこれに代えて、他のユーザ4(例えば、同一の地域範囲に所在する他のユーザ4)が保持するスマートフォン40に対してキャンペーン通知メッセージを送信するようにしてもよい。
【0080】
スマートフォン40は、受信したキャンペーン通知メッセージを画面上に表示してユーザ4に通知する(S21)。ユーザ4は、キャンペーン通知を閲覧し(S22)、スマートフォン40上のWebブラウザ等によりコンテンツサーバ60上のキャンペーンURLにアクセスしてキャンペーンの内容を表示させる(S23)。そして、例えば、提供される電子クーポンの保管をユーザ4が指示すると(S24)、スマートフォン40上のクーポン管理アプリケーション42に対象の電子クーポンが保管され(S25)、適宜利用可能な状態となる。このとき、クーポンが実際に配布された旨をキャンペーンマッチング部11に通知して配布情報テーブル11aのクーポンステータス等を更新させるようにしてもよい。
【0081】
図11は、ユーザ4が配布された電子クーポンを店舗27や周辺の飲食店等で利用する際の処理の流れの例について概要を示したシーケンス図である。まず、ユーザ4は、スマートフォン40上のクーポン管理アプリケーション42を操作して対象の電子クーポンを表示させる(S31)。そして、電子クーポンの利用対象の店舗等のレジにおいてスマートフォン40のディスプレイ上に表示された電子クーポンを提示し、POS端末31が備えるハンディスキャナ等により電子クーポンを読み取らせる(S32)。
【0082】
POS端末31は、電子クーポンを読み取ってクーポン識別子を判別すると、これをビーコンプラットフォーム10のキャンペーンマッチング部11に送信して連携する(S32)。キャンペーンマッチング部11は、配布情報テーブル11aを参照して対象の電子クーポンの利用可否等を判定し、キャンペーンレジストリ13のキャンペーン情報テーブル13aから取得したキャンペーン内容の情報と併せてクーポン情報としてPOS端末31に応答する(S34)。なお、
図11の例のようにPOS端末31とキャンペーンマッチング部11との間のクーポン情報の連携をオンデマンドでリアルタイムに行う構成に限らず、各POS端末31との間で事前にバッチ処理により連携しておく構成としてもよい。
【0083】
その後、POS端末31では、受信したクーポン情報の内容に基づいて所定の割り引き処理等のサービスを行う(S35)。一方、キャンペーンマッチング部11は、配布情報テーブル11aに登録されたクーポン情報の消し込み(ステータスの変更)(S36)、およびスマートフォン40上のクーポン管理アプリケーション42に対するクーポン情報の消し込みの指示(S37)を行う。
【0084】
以上に説明したように、本実施の形態の広告提供システム1によれば、コンビニエンスストアや駅、地下街などの良質なロケーションに多数設置されているATM22を、ユーザの消費行動を捉えて把握し適切な広告を提供するためのコンタクトポイントとして、ATM22での取引内容を含むユーザの属性情報や、ATM22およびその周辺でのユーザ4の詳細な位置情報に基づいて、ユーザ4のコンテクスト(行動属性)を理解し、ユーザ4にとってより適切な広告を提供するプラットフォームを実現することができる。
【0085】
これにより、例えば、ATM22を利用して取引を行ったユーザ4に対して、取引を行ったタイミングでATM22が近接距離のビーコン信号23aを発信した上で、ATM22の画面上に「今ならスマホを当てるとクーポンがもらえます!」などと表示し、ユーザ4がスマートフォン40をATM22の所定の箇所にかざすことで電子クーポンを配布することができる。
【0086】
具体的には、例えば、金曜日の夜に繁華街の近くのATM22で現金を出金したユーザ4に対して、周辺の居酒屋の時限クーポンをATM22の画面上でリコメンドし、ユーザ4がスマートフォン40をかざすと「食べログ」などのグルメ系アプリケーションが反応して、これに対してクーポンをプッシュ通知もしくはダウンロードさせることができる。
【0087】
また、例えば、訪日外国人のユーザ4が空港やコンビニエンスストアなどに設置されたATM22で日本円を出金した際に、周辺の免税店や多言語対応の居酒屋のクーポンをATM22の画面上でリコメンドし、ユーザ4がスマートフォン40をかざすと海外旅行系アプリケーションが反応して、これに対してクーポンをプッシュ通知もしくはダウンロードさせることができる。
【0088】
また、例えば、主婦がショッピングセンターに設置されたATM22で現金を出金した際に、ショッピングセンター内でバーゲンを実施している店舗のクーポンをATM22の画面上でリコメンドし、ユーザ4がスマートフォン40をかざすと当該ショッピングセンターが提供する専用アプリケーションもしくはショッピング系アプリケーションが反応して、これに対してクーポンをプッシュ通知もしくはダウンロードさせることができる。
【0089】
さらに、ATM22が常時ビーコン信号23を発信する構成とすることで、ATM22で取引を行ったユーザ4に限らず、ATM22の周辺に近づいたユーザ4に対して、スマートフォン40に対応アプリケーション41がインストールされている場合に、当該対応アプリケーション41に対してクーポンをプッシュ通知により配布することもできる。
【0090】
具体的には、例えば、金曜日の夜にコンビニエンスストアに入店したユーザ4のスマートフォン40に「食べログ」などのグルメ系アプリケーションがインストールされている場合、当該アプリケーションがビーコン信号23に反応して(もしくはスマートフォン40が当該アプリケーションを起動して)、これに対して周辺の居酒屋のクーポンをプッシュ通知もしくはダウンロードさせることができる。このとき、無条件に全ユーザ4にプッシュ通知するのではなく、ユーザ4の性別や年代、クーポンの利用頻度などの情報に基づいてプッシュ通知する範囲を絞り込んで精度を高めることもできる。
【0091】
また、例えば、訪日外国人のユーザ4が空港やコンビニエンスストアなどに設置されたATM22に近づいた際に、ユーザ4のスマートフォン40に海外旅行系アプリケーションがインストールされている場合、当該アプリケーションがビーコン信号23に反応して、これに対して周辺の免税店や多言語対応の居酒屋のクーポンをプッシュ通知もしくはダウンロードさせることができる。
【0092】
また、例えば、主婦がショッピングセンターに設置されたATM22に近づいた際に、ユーザ4のスマートフォン40に当該ショッピングセンターが提供する専用アプリケーションもしくはショッピング系アプリケーションがインストールされている場合、当該アプリケーションがビーコン信号23に反応して、これに対してバーゲンを実施している店舗のクーポンをプッシュ通知もしくはダウンロードさせることができる。
【0093】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。