(54)【発明の名称】PDFファイル管理システム、PDFファイル管理サーバ、PDFファイルデータ取得サーバ、PDFファイル管理方法、PDFファイルデータ取得方法、PDFファイル管理プログラム、およびPDFファイルデータ取得プログラム
【解決手段】ウェブページ生成部106は、情報端末装置200で受付けたフォーマット種別に応じたウェブページを生成し、送受信部101は、ウェブページを情報端末装置200に送信し、送受信部101は、ウェブページに含まれる撮像領域を指示することで対象を撮像した画像データとウェブページに含まれる自書領域で受付けた自書から生成した自書データとウェブページに含まれる付加データ入力領域で受付けた付加データとを情報端末装置200から受信し、PDFファイル生成部102は、情報端末装置200から受信した、画像データと自書データと付加データとを所定のレイアウトテンプレートに基づいて成形したPDFファイルを生成する。
前記PDFファイル生成手段によって生成した前記PDFファイルに対し電子署名またはタイムスタンプを付与する電子署名手段、をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のPDFファイル管理サーバ。
前記ウェブページは、前記付加データ入力領域で受付けた前記付加データをチェックする処理を含むこと、を特徴とする請求項2または請求項3に記載のPDFファイル管理サーバ。
項目を識別する項目名と、前記項目名の値である項目値と、を対応付けて記述したPDFファイルを記憶するPDFファイル記憶手段と、バックヤードシステムを識別するバックヤードシステム名と、前記バックヤードシステムで用いる項目名と、を対応付けて記憶するバックヤードシステム項目名記憶手段と、を備えるPDFファイルデータ取得サーバによって実行されるPDFファイルデータ取得方法であって、
前記バックヤードシステム名と前記PDFファイルを検索する検索条件を受付ける検索条件受付ステップと、
前記検索条件に合致する前記PDFファイルを前記PDFファイル記憶手段から検索するとともに、前記バックヤードシステム名に対応付けられた前記項目名を前記バックヤードシステム項目名記憶手段から取得し、検索された前記PDFファイルそれぞれから、前記項目名ごとの項目値を取得するPDFファイル検索ステップと、
前記PDFファイル検索手段によって取得した前記項目名ごとの項目値と、前記PDFファイルとを対応付けて前記バックヤードシステムに送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とするPDFファイルデータ取得方法。
項目を識別する項目名と、前記項目名の値である項目値と、を対応付けて記述したPDFファイルを記憶するPDFファイル記憶手段と、バックヤードシステムを識別するバックヤードシステム名と、前記バックヤードシステムで用いる項目名と、を対応付けて記憶するバックヤードシステム項目名記憶手段と、を備えるPDFファイルデータ取得サーバに、
前記バックヤードシステム名と前記PDFファイルを検索する検索条件を受付ける検索条件受付ステップと、
前記検索条件に合致する前記PDFファイルを前記PDFファイル記憶手段から検索するとともに、前記バックヤードシステム名に対応付けられた前記項目名を前記バックヤードシステム項目名記憶手段から取得し、検索された前記PDFファイルそれぞれから、前記項目名ごとの項目値を取得するPDFファイル検索ステップと、
前記PDFファイル検索手段によって取得した前記項目名ごとの項目値と、前記PDFファイルとを対応付けて前記バックヤードシステムに送信する送信ステップと、
を実行させることを特徴とするPDFファイルデータ取得プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照し、本発明にかかるPDFファイル管理システム、PDFファイル管理サーバ、PDFファイルデータ取得サーバ、PDFファイル管理方法、PDFファイルデータ取得方法、PDFファイル管理プログラム、およびPDFファイルデータ取得プログラムの実施例を説明する。なお、以下の説明は、実施の形態の一例であり、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0011】
図1は、本実施例にかかるPDFファイル管理システム10の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、PDFファイル管理システム10は、PDFファイル管理サーバ100と情報端末装置200とバックヤードシステム300とを備え、PDFファイル管理サーバ100と情報端末装置200とバックヤードシステム300は、ネットワーク1を介して相互に通信可能に接続する。ネットワーク1は、有線または無線を問わず、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)、移動体通信網等の任意の種類の通信ネットワークである。
【0012】
PDFファイル管理サーバ100は、情報端末装置200から受信した画像データ、自書データ、付加データから、所定のレイアウトテンプレートで成形したPDF(Portable Document Format)ファイルを生成するとともに、PDFファイルに含まれる付加データを取得しバックヤードシステム300に送信する。
【0013】
ここで、自書とは、利用者が指先やペン型入力デバイスをタッチパネルやタブレット上で操作することにより受付ける利用者の筆跡であり、一般に利用者自身の氏名を記すサインや利用者独自のマーク等が用いられる。自書データとは、利用者の自書を受付けることによって生成される種々のデータをいう。具体的には、自書データは、自書の画像データ、自書の書き順や筆圧、移動速度等を示すストロークデータ、自書を受付けた日時を示す日時データ、自書を受付けた情報端末装置200の位置を示す位置データ、自書のストロークデータや画像データを文字変換したテキストデータであり、その他自書から得られる情報であればどのような情報であってもよい。
【0014】
次に、PDFファイル管理サーバ100の機能、構成について説明する。PDFファイル管理サーバ100は、レイアウトテンプレート記憶部110、PDFファイル記憶部120、バックヤードシステム項目名記憶部130、送受信部101、PDFファイル生成部102、電子署名部103、PDFファイル検索部104、操作表示部105、ウェブページ生成部106を備える。なお、PDFファイル管理サーバ100は、特許請求の範囲に記述するPDFファイルデータ取得サーバでもある。
【0015】
図2は、レイアウトテンプレート記憶部110のデータ構成の一例を示す説明図である。レイアウトテンプレート記憶部110は、フォーマット種別ごとにレイアウトテンプレートを記憶する。ここで、フォーマット種別とは、入力画面であるウェブページおよびPDFファイルのレイアウトテンプレートの種類を示す情報である。レイアウトテンプレートとは、情報端末装置200でデータを受付けるウェブページを生成する際に必要となるレイアウトと、入力を受付けたデータからPDFファイルを生成する際に必要となるレイアウトに関する情報である。レイアウトテンプレートは、フォーマット種別ごとに、画像データの配置位置である座標、解像度、標題、自書データの配置位置である座標、自書データの入力を受付けた位置(GPS情報)、付加データの項目名、入力種別、選択肢等を記憶する。その他画像データを撮像した位置(GPS情報)や日時等を加えてもよい。
【0016】
例えば、
図2でのフォーマット種別“領収書”の場合を説明する。フォーマット種別“領収書”では、画像、自書、付加データを入力データとする。また、PDFファイルを生成する際には、例えば出力用紙における座標(X11,Y11,X12,Y12)、解像度“200”で画像を配置し、標題を“領収書”とする。自書の画像データは、出力用紙における座標(X21,Y21,X22,Y22)に配置する。さらに、付加データとして、項目名と項目値を対応付けた、例えば“摘要=旅費交通費”のような形でPDFファイル内に記述する。なお、付加データは不可視データとしてPDFファイルに記述するとともに、さらに付加データを文字として視覚で確認できる形で加えたPDFファイルを生成してもよい。また、レイアウトテンプレート記憶部110に、選択/入力された項目値の入力チェックを実行する処理を記述し入力画面で表示するウェブページでの入力チェック処理を加えてもよい。
【0017】
図3は、ウェブページを表示した入力画面の一例を示す説明図である。入力画面に表示するウェブページは、レイアウトテンプレート記憶部110に記憶されたレイアウトテンプレートに基づいて生成される。
図3は、フォーマット種別“領収書”のレイアウトテンプレートに基づき生成されたウェブページの表示の一例である。情報端末装置200で表示する入力画面(入力前)31は、撮像領域32、自書領域33、付加データ入力領域34を備える。撮像領域32は、かかる領域を指示することによりカメラ機能が起動し対象を撮像することができる。自書領域33は、指先やペン型入力デバイスで入力した自書を受付ける。付加データ入力領域34は、付加データの選択肢をラジオボタンの選択によって入力を受付ける。付加データの入力方法としては、ラジオボタンのほか、チェックボックス、プルダウンメニュー、テキストボックス等で入力が可能であり、付加データとして音声や、入力した際の位置、日時、利用者の指紋、掌紋、虹彩等の生体情報を受付けてもよい。
【0018】
入力画面(入力後)35の撮像領域36には、カメラ機能で撮像した画像データを表示する。また、自書領域37には、自書の画像データを表示し、付加データ入力領域38には、付加データの入力結果を表示する。
【0019】
図4は、PDFファイル記憶部120に記憶するPDFファイルのデータ構成の一例を示す説明図である。PDFファイル記憶部120は、レイアウトテンプレートに基づいて生成したPDFファイルを記憶する。
図4に示すように、PDFファイルは、画像データと自書データの一部からなる可視部と、自書データの一部と追加データからなる不可視部と、電子署名またはタイムスタンプからなる証明部とを備えている。
図4に示すPDFファイルの表示例は、PDFファイルの可視部である、撮像した画像データ41と自書の画像データ42を表示する。PDFファイルの不可視部は表示されないが、PDFファイル内に、例えばXML(Extensible Markup Language)形式で記述されている。また、付加データには、画像を撮像した際の位置(GPS情報)や日時を記述してもよく、利用者を識別するユーザIDや利用者が使用する情報端末装置200を識別するID等を記述してもよい。さらに、情報端末装置200で入力した音声データ、生体情報等を加えてもよい。なお、PDFファイル記憶部120は、コンピュータが備える通常の記憶領域であり、PDFファイルは、一般的なファイル管理システムで取り扱うことができるため、特別なファイル管理システムを必要としない。
【0020】
図5は、バックヤードシステム項目名記憶部130のデータ構成の一例を示す説明図である。バックヤードシステム項目名記憶部130は、バックヤードシステムごとに、PDFファイルから取得する項目名を記憶する。バックヤードシステム項目名記憶部130は、バックヤードシステム名と、フォーマット種別と、1または複数の項目名とを対応付けて記憶する。
【0021】
送受信部101は、利用者が操作する情報端末装置200およびバックヤードシステム300との間で様々なデータを送受信する。具体的には、送受信部101は、情報端末装置200から受信したフォーマット種別に応じたウェブページを情報端末装置200に送信し、情報端末装置200によって送信された画像データ、自書データ、付加データ等の各データを受信する。
【0022】
ウェブページ生成部106は、情報端末装置200から送信されたフォーマット種別に応じたウェブページを生成する。例えば、
図3に示す入力画面(入力前)のようなウェブページである。より具体的には、ウェブページ生成部106は、フォーマット種別に応じたレイアウトテンプレート記憶部110に記憶されたレイアウトテンプレートを用い、画像データ、自書データ、付加データの入力を受付けるウェブページを生成する。
【0023】
PDFファイル生成部102は、情報端末装置200によって送信された画像データ、自書データ、付加データと、レイアウトテンプレート記憶部110に記憶されたレイアウトテンプレートを用いて所定のレイアウトに形成したPDFファイルを生成し、生成したPDFファイルをPDFファイル記憶部120に格納する。
【0024】
電子署名部103は、画像データ、自書データ、付加データから生成したPDFファイルに対する電子署名をPDFファイルに付与する。電子署名部103は、タイムスタンプをPDFファイルに付与する。
【0025】
PDFファイル検索部104は、送信部101または操作表示部105の指示から入力された検索条件に合致したPDFファイルをPDFファイル記憶部120から取得し、取得したPDFファイルから、バックヤードシステム300で使用する項目名に対応する項目値を取得する。
【0026】
操作表示部105は、キーボードやマウス等の入力装置およびディスプレイ等の表示装置を備える。操作表示部105は、PDFファイル検索部104におけるPDFファイルを検索する検索条件や、バックヤードシステム300で使用する項目名に対応する項目値を取得する要求等を受付ける。
【0027】
次に、情報端末装置200について説明する。情報端末装置200は、利用者が操作するスマートフォン、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ゲーム機等であり、ウェブブラウザを備える。情報端末装置200は、送受信部201、操作表示部202、撮像部203、画像データ整形部204、自書データ生成部205を備える。
【0028】
送受信部201は、PDFファイル管理サーバ100との間で様々なデータを送受信する。送受信部201は、PDFファイル管理サーバ100からウェブページを受信し、対象を撮像した画像データ、自書データ、付加データをPDFファイル管理サーバ100に送信する。
【0029】
操作表示部202は、PDFファイル管理サーバ100から送信されたウェブページを表示し、ウェブページの撮像領域を指示することによって撮像部203のカメラ機能を起動する。操作表示部202は、ウェブページの自書領域から自書の入力を受付け、付加データ入力領域から付加データの入力を受付ける。操作表示部202は、入力部および表示部を備える。スマートフォンやタブレット型コンピュータの場合は、液晶ディスプレイとタッチセンサを重畳して構成するタッチパネルである。自書の入力操作の検出は、操作表示部202が備えるタッチパネルやペンタブレット、液晶ペンタブレット、マウス等のポインティングデバイスによる。
【0030】
撮像部203は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を内蔵するカメラ機能によって撮像した対象(例えば、書面や現場風景等)を画像データとして出力する。撮像部203は、ウェブページの撮像領域を指示することによって起動する。
【0031】
画像データ整形部204は、情報端末装置200から送信された画像データが領収書のような文字を含む対象を撮像した画像データである場合に、書面等の境界線を検出し検出した境界線が長方形になるように縦方向および横方向に拡大・縮小し画像データを整形する。
【0032】
自書データ生成部205は、操作表示部202で受付けた自書から自書データを生成する。自書データ生成部205は、自書を受付けた位置、順序やタッチパネルへの圧力から自書領域における座標と、座標それぞれでの圧力からなるストロークデータを取得する。また、ストロークデータには、さらにペンや指の移動速度等を加えてもよい。自書データ生成部205は、自書の画像データを生成する。なお、自書データに自書の入力を受付けた日時や位置のデータを加えてもよい。
【0033】
バックヤードシステム300は、PDFファイルに記述した付加データとPDFファイルを入力データとしさまざまな処理を実行するシステムである。例えば、領収書を撮像した画像データを含むPDFファイルを利用する経費清算システム、予算管理システム、会計システム、工事現場を撮像した画像データを含むPDFファイルを利用する工程管理システム、災害現場を撮像した画像データを含むPDFファイルを利用する災害監視システム、外国人宿泊者のパスポート等の身分証明書面を撮像した画像データを含むPDFファイルを利用する宿泊者管理システム、販売・賃貸物件を撮像した画像データを含むPDFファイルを利用する住宅情報提供システム、本人確認書面を撮像した画像データを含むPDFファイルを利用する口座開設者管理システム等である。詳細は後述する。
【0034】
上述したように構成されたPDFファイル管理システム10で実行するPDFファイル管理処理について説明する。
図6は、PDFファイル管理サーバ100および情報端末装置200で実行するPDFファイル管理処理手順を示すフローチャートである。
【0035】
情報端末装置200の操作表示部202は、利用者を識別するユーザIDとパスワードの入力を受付ける(ステップS601)。送受信部201は、ユーザIDとパスワードをPDFファイル管理サーバ100に送信し、PDFファイル管理サーバ100は、ユーザ認証を実行し(ステップS602)、その結果を情報端末装置200に送信する。ユーザ認証は、情報端末装置200から送信されたユーザIDとパスワードと、図示しないユーザ認証記憶部に格納されたユーザIDとパスワードが合致するか否かで判断する。ユーザIDとパスワードと代えて、または加えて、利用者の生体情報を用いてユーザ認証を実行してもよい。
【0036】
ユーザ認証された場合、情報端末装置200の操作表示部202は、フォーマット種別の入力を受付ける(ステップS603)。送受信部201は、受付けたフォーマット種別をPDFファイル管理サーバ100に送信する(ステップS604)。
【0037】
PDFファイル管理サーバ100の送受信部101は、フォーマット種別を受信し(ステップS605)、ウェブページ生成部106は、フォーマット種別に応じたウェブページを生成する(ステップS606)。具体的には、ウェブページ生成部106は、フォーマット種別に応じたレイアウトテンプレートをレイアウトテンプレート記憶部110から取得し、取得したレイアウトテンプレートに応じ、画像データ、自書データ、付加データの入力を受付けるウェブページを生成する。送受信部101は、ウェブページを情報端末装置200に送信する(ステップS607)。
【0038】
情報端末装置200の送受信部201は、ウェブページを受信する(ステップS608)。操作表示部202は、ウェブページを表示部に表示する(ステップS609)。操作表示部202は、指示に応じカメラ機能を起動し、対象を撮像する(ステップS610)。より具体的には、カメラ機能で対象を撮像することにより画像データを生成する。操作表示部202は、自書の入力を受付ける(ステップS611)。具体的には、入力画面の自書領域に対する自書の入力を受付け、受付けた自書から自書データを生成する。
【0039】
操作表示部202は、付加データの入力を受付ける(ステップS612)。具体的には、入力画面の付加データ入力領域に表示された各種データの入力/選択を受付ける。さらに、受付けた付加データの入力チェックを実行してもよい。送受信部201は、画像データ、自書データ、付加データをPDFファイル管理サーバ100に送信する(ステップS613)。
【0040】
PDFファイル管理サーバ100の送受信部101は、画像データ、自書データ、付加データを受信する(ステップS614)。PDFファイル生成部102は、画像データ、自書データ、付加データと、フォーマット種別に対応付けられたレイアウトテンプレートをレイアウトテンプレート記憶部110から取得し、取得したレイアウトテンプレートに基づいて形成したPDFファイルを生成する(ステップS615)。さらに、文字を含む画像データを文字認識しテキストデータを生成したうえで、公開不可なテキストデータの領域を黒色とする処理(墨消し処理)を実行してもよい。例えば、運転免許証での“本籍地”という文字およびそれに続く本籍地の名称の文字が配置されている領域を算出し、算出された画像データ上の領域を黒色とする。
【0041】
電子署名部103は、生成したPDFファイルに対する電子署名・タイムスタンプを付与する(ステップS616)。なお、電子署名およびタイムスタンプは、いずれか一方を付与してもよい。PDFファイル生成部102は、電子署名・タイムスタンプを付与したPDFファイルをPDFファイル記憶部120に格納する(ステップS617)。
【0042】
このように、従来紙で保管していた書面をPDFファイルとして保管することによって、管理や取扱いを容易にすることができる。また、対象の画像データに自書の画像データを加えたPDFファイルを生成することによって、撮像者に関する情報を視覚で容易に確認することができる。また、筆跡である自書の画像データや自書のストロークデータをPDFファイルに一体に格納しているため、事後に本人が自書したことを確認することができる。
【0043】
また、PDFファイルに検索可能なデータが埋込まれているため、画像データを含むPDFファイルを検索することが可能であり、画像データを管理、活用することが容易になる。なお、PDFファイルは、処理を簡易化するために、
図4に示す証明部を除く部分をPDFファイルとして取り扱ってもよい。
【0044】
他の実施例として、上記の実施例のようにフォーマット種別を入力するのではなく、フォーマット種別ごとのアプリケーションプログラムとして提供してもよい。スマートフォン等の画面からアイコンを選択することによって、フォーマット種別を選択することなくPDFファイル管理処理を実行することができ、より容易に利用者がPDFファイルを管理することができる。
【0045】
次に、バックヤードスシステム300とのデータの連携について説明する。上述したように構成されたPDFファイル管理システム10で実行するPDFファイルデータ取得処理について説明する。
図7は、PDFファイル管理サーバ100およびバックヤードシステム300で実行するPDFファイルデータ取得処理手順を示すフローチャートである。
【0046】
PDFファイル管理サーバ100の操作表示部105は、連携するバックヤードシステム名とPDFファイルの検索条件を受付ける(ステップS701)。PDFファイル検索部104は、検索条件に合致したPDFファイルをPDFファイル記憶部120から検索する(ステップS702)。
【0047】
PDFファイル検索部104は、バックヤードシステム名に対応するフォーマット種別ごとの項目名をバックヤードシステム項目名記憶部130から取得する(ステップS703)。PDFファイル検索部104は、検索されたPDFファイルごとに項目名に対応する項目値を取得する(ステップS704)。送受信部101は、PDFファイルそれぞれの項目名ごとの項目値とPDFファイルを対応付けてバックヤードシステム300に送信する(ステップS705)。
【0048】
バックヤードシステム300は、PDFファイルそれぞれの項目名ごとの項目値とPDFファイルを受信する(ステップS706)。バックヤードシステム300は、PDFファイルそれぞれの項目名に対応する項目値を用いバックヤード処理を実行する(ステップS707)。バックヤードシステム300は、バックヤード処理の処理結果を表示部に表示する(ステップS708)。
【0049】
なお、ステップS701のバックヤードシステム名とPDFファイルの検索条件の受付けは、操作表示部104で入力を受付けるほか、情報端末装置200で受付け、またはバックヤードシステム300からバックヤードシステム名とPDFファイルの検索条件を受付け、ステップS702以降の処理を実行してもよい。また、バックヤードシステム名に代えて、バックヤードシステムで用いる項目名を直接指定してもよい。
【0050】
このように、PDFファイルに記述された項目名に応じた項目値を検索条件に合致したPDFファイルから取得し、バックヤードシステム300に送信することで、バックヤードシステム300でその項目値を用いた処理を実行することができる。これにより、項目値の証拠となる画像データを含むPDFファイルと項目値を関連づけて取り扱うことができるため、データの根拠を容易に確認することができる。
【0051】
また、バックヤードシステム300で利用できるデータをPDFファイルから取り出すことができるため、視覚で確認可能なPDFファイルを入力データとしてバックヤードシステム300の処理を実行することができる。
【0052】
次に、バックヤードシステム300が、経費清算システム、予算管理システム、会計システム、工程管理システム、災害監視システム、宿泊者管理システム、住宅情報提供システム、口座開設者管理システム等である場合を例として、より具体的な処理の流れを説明する。
【0053】
バックヤードシステム300が経費清算システムである場合、情報端末装置200で撮像される対象は経費を支払った際に入手する領収書等であり、領収書の画像を含むPDFファイルには、自書データと、付加データとして利用者を識別するユーザID、日付、摘要、金額等を記憶する。PDFファイル記憶部120に、社員等の利用者それぞれが所持する情報端末装置200によって送信されたPDFファイルを記憶する。なお、金額は、利用者が入力するほか、撮像した領収書の画像データからOCR技術を用いて文字認識を行い、読み取った金額を付加データとしてもよい。
【0054】
例えば、社員Aが2月の交通費等の経費を清算する場合について説明する。
図7に示すPDFファイルデータ取得処理では、操作表示部105は、 バックヤードシステム名に“経費清算システム”、検索条件に“ユーザID=社員AのユーザID”、“日付=平成28年2月”の入力を受付ける(ステップS701)。PDFファイル検索部103は、“ユーザID=社員AのユーザID”、“日付=平成28年2月”に合致するPDFファイルをPDFファイル記憶部120から抽出する(ステップS702)。
【0055】
PDFファイル検索部104は、バックヤードシステム名“経費清算システム”に対応付けられた項目名(例えば、日時、ユーザID、摘要、金額)をバックヤードシステム項目名記憶部130から取得する(ステップS703)。PDFファイル検索部104は、抽出したPDFファイルから項目名ごとの項目値を取得する(ステップS704)。送受信部101は、項目名ごとの項目値、PDFファイルをバックヤードシステム300に送信する(ステップS705)。
【0056】
バックヤードシステム300は、項目名ごとの項目値、PDFファイルを受信し(ステップS706)、項目名ごとの項目値を用い、経費精算処理を実行する(ステップS707)。バックヤードシステム300は、経費清算処理結果を表示部に表示する(ステップS708)。経費清算処理結果は、例えば社員Aの平成28年2月の経費清算帳票等である。経費清算帳票の1項目として、PDFファイルのファイル名や、PDFファイルのリンク(URL)を設けてもよい。これにより、経費清算帳票の金額と証拠書面を関連づけすることができ、経費清算処理に用いたPDFファイルを経費清算帳票と一体に管理することができる。なお、予算管理システム、会計システムの処理も、ほぼ同様である。
【0057】
バックヤードシステム300が工程管理システムである場合について説明する。利用者が情報端末装置200で撮像する対象は、工事現場での工事状況等であり、工事状況の画像を含むPDFファイルには、自書データと、付加データとして利用者を識別するユーザID、工事ID、日付、工程、位置データ、メモ等を記憶する。PDFファイル記憶部120には、利用者である各工事管理者が所持する情報端末装置200から送信されたPDFファイルを記憶する。
【0058】
例えば工事現場Bの状況を確認する場合について説明する。PDFファイルデータ取得処理において、操作表示部105は、バックヤードシステム名“工事管理システム”、検索条件 “工事ID=工事現場Bの工事ID”の入力を受付ける(ステップS701)。PDFファイル検索部104は、“工事ID=工事現場Bの工事ID”に合致するPDFファイルを抽出する(ステップS702)。
【0059】
PDFファイル検索部104は、バックヤードシステム名“工事管理システム”に対応付けられた項目名(例えば、ユーザID、工事ID、日付、工程)をバックヤードシステム項目名記憶部130から取得する(ステップS703)。PDFファイル検索部104は、抽出したPDFファイルから項目名ごとの項目値を取得する(ステップS704)。送受信部101は、項目名ごとの項目値、PDFファイルをバックヤードシステム300に送信する(ステップS705)。
【0060】
バックヤードシステム300は、項目名ごとの項目値およびPDFファイルを受信し(ステップS706)、項目名ごとの項目値を用い、工事管理処理を実行する(ステップS707)。バックヤードシステム300は、工事管理処理結果を表示部に表示する(ステップS708)。工事管理処理結果とは、例えば工事現場Bでの工程ごとの工事状況を、日付順に現場写真を含むPDFファイル、ユーザIDに対応する工事管理者名を表示した帳票等である。
【0061】
バックヤードシステム300が災害監視システムである場合について説明する。利用者が情報端末装置200で撮像する対象は、監視対象地点や災害発生地点での災害状況等であり、災害状況の画像を含むPDFファイルには、自書データと、付加データとして利用者を識別するユーザID、地点ID、日時、位置、警戒レベル、メモ等を記憶する。PDFファイル記憶部120には、各監視者が所持する情報端末装置200から送信されたPDFファイルを記憶する。
【0062】
例えば、監視区域の状況を確認する場合について説明する。PDFファイルデータ取得処理において、操作表示部105は、バックヤードシステム名“災害監視システム”、検索条件“地点ID=監視区域の地点IDすべて”の入力を受付ける(ステップS701)。PDFファイル検索部104は、“地点ID=監視区域の地点IDすべて”に合致するPDFファイルを抽出する(ステップS702)。
【0063】
PDFファイル検索部104は、バックヤードシステム名“災害監視システム”に対応付けられた項目名(例えば、日時、位置、警戒レベル、メモ)をバックヤードシステム項目名記憶部130から取得する(ステップS703)。PDFファイル検索部104は、抽出したPDFファイルから項目名ごとの項目値を取得する(ステップS704)。送受信部101は、項目名ごとの項目値、PDFファイルをバックヤードシステム300に送信する(ステップS705)。
【0064】
バックヤードシステム300は、項目名ごとの項目値およびPDFファイルを受信し(ステップS706)、項目名ごとの項目値を用い、災害監視処理を実行する(ステップS707)。バックヤードシステム300は、災害監視処理結果を表示部に表示する(ステップS708)。災害監視処理結果とは、例えば、災害監視センタのモニタに、監視区域内の地図を表示し、その地図のそれぞれの位置に最新の現場状況の画像を含むPDFファイルを表示する等である。また、それぞれの位置に時系列に現場状況の画像を含むPDFファイルを表示してもよい。
【0065】
このように、災害現場の状況を撮像した画像データを含むPDFファイルに災害監視システムで必要なデータが埋込まれているため、災害監視システムに必要な形で画像を含むPDFファイルを表示することができる。
【0066】
バックヤードシステム300が宿泊者管理システムである場合について説明する。利用者である宿泊施設運営者が情報端末装置200で撮像する対象は、外国人宿泊者のパスポート等の身分証明書面であり、身分証明書面の画像を含むPDFファイルには、宿泊者の自書データと、付加データとして宿泊者を識別する氏名、日時、メモ等を記憶する。PDFファイル記憶部120には、宿泊施設の情報端末装置200から送信されたPDFファイルを記憶する。
【0067】
例えば宿泊施設での宿泊者を管理する場合について説明する。PDFファイルデータ取得処理において、操作表示部105は、バックヤードシステム名“宿泊者管理システム”、検索条件“日付=平成28年2月”の入力を受付ける(ステップS701)。PDFファイル検索部104は、“日付=平成28年2月”に合致するPDFファイルを抽出する(ステップS702)。
【0068】
PDFファイル検索部104は、バックヤードシステム名“宿泊者管理システム”に対応付けられた項目名(例えば、氏名、日時)をバックヤードシステム項目名記憶部130から取得する(ステップS703)。PDFファイル検索部104は、抽出したPDFファイルから項目名ごとの項目値を取得する(ステップS704)。送受信部101は、項目名ごとの項目値、PDFファイルをバックヤードシステム300に送信する(ステップS705)。
【0069】
バックヤードシステム300は、項目名ごとの項目値およびPDFファイルを受信し(ステップS706)、宿泊者管理処理を実行する(ステップS707)。バックヤードシステム300は、宿泊者管理処理結果を表示部に表示する(ステップS708)。宿泊者管理処理結果とは、例えば平成28年2月宿泊者一覧表であり、一覧表は、日付順に氏名と身分証面書面の画像を含むPDFファイルのサムネイルが表示され、PDFファイルのリンクとが記述されている等である。
【0070】
このように、パスポート等の身分証明書を宿泊者の目の前でタブレット型コンピュータ等を使い撮像し、身分証明書の画像データと宿泊者の自書の画像データを含むPDFファイルを宿泊者管理システムで管理することができるため、宿泊者にとっては身分証明書を不正に利用されることを防止することができ、宿泊提供者にとっては身分証明書を容易に管理することができる。
【0071】
バックヤードシステム300が住宅情報提供システムである場合について説明する。利用者である営業担当者が情報端末装置200で撮像する対象は、新たに販売・賃貸する物件であり、物件を撮像した画像データを含むPDFファイルには、自書データと、付加データとして利用者を識別するユーザID、物件名、所在地、物件情報、日付、メモ等を記憶する。PDFファイル記憶部120には、各営業担当者が所持する情報端末装置200から送信されたPDFファイルを記憶する。
【0072】
例えば、利用者がPDFファイル管理サーバ100に送信した特定の地区の物件を紹介する場合を説明する。PDFファイルデータ取得処理において、操作表示部105は、バックヤードシステム名“住宅情報提供システム”、検索条件“所在地=台東区”の入力を受付ける(ステップS701)。PDFファイル検索部104は、“所在地=台東区”に合致するPDFファイルを抽出する(ステップS702)。
【0073】
PDFファイル検索部104は、バックヤードシステム名“住宅情報提供システム”に対応付けられた項目名(例えば、物件名、所在地、物件情報、日付)をバックヤードシステム項目名記憶部130から取得する(ステップS703)。PDFファイル検索部104は、抽出したPDFファイルから項目名ごとの項目値を取得する(ステップS704)。送受信部101は、項目名ごとの項目値、PDFファイルをバックヤードシステム300に送信する(ステップS705)。
【0074】
バックヤードシステム300は、項目名ごとの項目値およびPDFファイルを受信し(ステップS706)、項目名ごとの項目値を用い、住宅情報提供処理を実行する(ステップS707)。バックヤードシステム300は、住宅情報提供結果を表示部に表示する(ステップS708)。住宅情報提供処理結果とは、例えば、“所在地=台東区”である物件の一覧表のウェブページを生成し表示する等である。一覧表には、物件を撮像した画像データを含むPDFファイルのリンク等を含む。
【0075】
このように、新たに販売・賃貸する物件を撮像した画像を含むPDFファイルに住宅情報提供システムで必要なデータが埋込まれているため、住宅情報提供システムは、容易に不動産物件情報を提供することができ、ウェブページを自動生成することも可能となる。
【0076】
バックヤードシステム300が口座開設者管理システムである場合について説明する。利用者である口座開設者が情報端末装置200で撮像する対象は、運転免許証等の本人確認書面であり、本人確認書面の画像を含むPDFファイルには、口座開設者の自書データと、付加データとして口座開設者を識別するユーザID、氏名、日時、メモ等を記憶する。PDFファイル記憶部120には、口座開設者が所持する情報端末装置200から送信されたPDFファイルを記憶する。
【0077】
例えば口座開設者の本人確認書面を管理する場合を説明する。PDFファイルデータ取得処理において、操作表示部105は、バックヤードシステム名“口座開設者管理システム”、検索条件“日付=平成28年2月”の入力を受付ける(ステップS701)。PDFファイル検索部104は、“日付=平成28年2月”に合致するPDFファイルを抽出する(ステップS702)。
【0078】
PDFファイル検索部104は、バックヤードシステム名“口座開設者管理システム”に対応付けられた項目名(例えば、日時、ユーザID、氏名)をバックヤードシステム項目名記憶部130から取得する(ステップS703)。PDFファイル検索部103は、抽出したPDFファイルから項目名ごとの項目値を取得する(ステップS704)。送受信部101は、項目名ごとの項目値と、PDFファイルとを対応付けてバックヤードシステム300に送信する(ステップS705)。
【0079】
バックヤードシステム300は、項目名ごとの項目値、PDFファイルを受信し(ステップS706)、口座開設者管理処理を実行する(ステップS707)。バックヤードシステム300は、口座開設者管理処理結果を表示部に表示する(ステップS708)。口座開設者管理処理とは、例えば平成28年2月口座開設者一覧表であり、一覧表には、日付順に氏名とユーザIDと本人確認書面の画像を含むPDFファイルのサムネイルが表示され、PDFファイルのリンクとが記述されている等である。
【0080】
このように、口座開設者が本人確認書面を撮像した画像データと自書の画像データを含むPDFファイルを口座開設者管理システムで管理することによって、口座開設者にとっては本人確認書面を不正に利用されることを防止することができ、金融期間等にとっては本人確認書面を容易に管理することができる。
【0081】
さらに、PDFファイルに対する電子署名・タイムスタンプを付与しているため、撮像した画像および自書の改ざんを検知することが可能となり、PDFファイルの信頼性を向上することができる。
【0082】
また、撮像対象の画像データおよび自書の画像データを含むPDFファイルは、PDFファイルであるため、特別なデータ管理用システムやソフトウェアを準備することなく、広く配布されているPDFリーダによって表示することができ、その内容を容易に確認することができる。
【0083】
上述した実施例のPDFファイル管理サーバ100、情報端末装置200は、装置全体の制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の制御装置と、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の主記憶装置と、各種データや各種プログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)やDVD(Digital Versatile Disc)ドライブ装置等の外部記憶装置と、外部のコンピュータと通信を行う通信制御装置と、これらを接続するバスとを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。CPUがプログラムをHDDから読み出しRAMに展開し、動作させることによって、上述した機能や処理を実現する。各記憶部は、RAM上に構成するほか、HDD、光ディスク、メモリカードなどの一般的に利用されているあらゆる記憶媒体によって構成することができる。
【0084】
また、PDFファイル管理サーバ100、情報端末装置200で動作する、上述した機能や処理を実現するプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、DVD等のコンピュータで読取り可能な記憶媒体に記録して提供することもでき、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供することもできる。
【0085】
上述した機能や処理を実現するプログラムは、API(Application Programming Interface)、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという利用形態で提供してもよい。
【0086】
また、図示したPDFファイル管理サーバ100、情報端末装置200の構成要素は、必ずしも物理的に図示のように構成されている必要はない。すなわち、これらの装置の具体的態様は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分割、統合、入替え、変形または削除して構成することができる。