【解決手段】ストラップは、ユーザがウエアラブル電子機器を身体の一部に装着できるように構成されている。システムは、ストラップに接続されているアクチュエータと、ウエアラブル電子機器及びアクチュエータと信号通信を行うプロセッサと、を更に含む。プロセッサは、ウエアラブル電子機器から第1の信号を受信し、第1の信号に基づいて、ストラップとウエアラブル電子機器とを互いに移動させるとともにハプティック効果をユーザに与えるために第2の信号をアクチュエータに送信するように構成されている。
前記ストラップを移動させることは、前記ストラップの第1の端部を前記アクチュエータによって移動させることを備える請求項16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
前記ストラップを移動させることは、前記ストラップの第2の端部を前記アクチュエータによって移動させることを備える請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
低電力を用いながらユーザに追加の情報を伝えることができるウエアラブル電子機器のユーザに無振動ハプティク効果及び無振動ハプティック感覚を生成するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の一態様は、ウエアラブル電子機器と、ウエアラブル電子機器に動作的に接続される(operatively connected)ストラップと、を含むシステムを提供する。ストラップは、ユーザがウエアラブル電子機器を身体の一部に装着できるように構成されている。システムは、ストラップに接続されているアクチュエータと、ウエアラブル電子機器及びアクチュエータと信号通信を行うプロセッサと、を更に含む。プロセッサは、ウエアラブル電子機器から第1の信号を受信し、第1の信号に基づいて、ストラップとウエアラブル電子機器とを互いに移動させるとともにハプティック効果をユーザに与えるために第2の信号をアクチュエータに送信するように構成されている。
【0005】
一実施の形態において、アクチュエータは、ストラップの第1の端部に動作的に接続されるモータを備える。
【0006】
一実施の形態において、モータは、ストラップの第2の端部に動作的に接続される。
【0007】
一実施の形態において、アクチュエータは、ストラップの第2の端部に動作的に接続される。
【0008】
一実施の形態において、アクチュエータは、ストラップの第1の端部に動作的に接続されるリニアアクチュエータを備える。
【0009】
一実施の形態において、アクチュエータは、ストラップの第2の端部に動作的に接続される第2のリニアアクチュエータを備える。
【0010】
一実施の形態において、アクチュエータは、スマート材料を含む。
【0011】
一実施の形態において、スマート材料は前記ストラップに埋め込まれている。
【0012】
一実施の形態において、スマート材料は、マクロファイバーコンポジット、電気活性ポリマー、電気粘性流体及び磁気粘性流体からなる群から選択される。
【0013】
一実施の形態において、ウエアラブル電子機器は、スマートウオッチである。
【0014】
本発明の一態様は、ウエアラブル電子機器からの第1の信号をプロセッサによって受信することと、第1の信号に基づいて第2の信号をプロセッサによって生成することと、プロセッサによって生成された第2の信号をアクチュエータによって受信することと、ウエアラブル電子機器のユーザにハプティック効果を与えるために、ウエアラブル電子機器に動作的に接続されるストラップとウエアラブル電子機器とをアクチュエータによって互いに移動させることと、を備える方法を提供する。
【0015】
一実施の形態において、ストラップを移動させることは、ストラップの第1の端部を前記アクチュエータによって移動させることを備える。一実施の形態において、ストラップを移動させることは、ストラップの第2の端部をアクチュエータによって移動させることを備える。
【0016】
一実施の形態において、ストラップの第1の端部及びストラップの第2の端部を同時に移動させる。
【0017】
一実施の形態において、ストラップの第1の端部及びストラップの第2の端部を独立して移動させる。
【0018】
本発明の一態様は、プロセッサによって実行するときに、ウエアラブル電子機器からの第1の信号をプロセッサによって受信することと、第1の信号に基づいて第2の信号をプロセッサによって生成することと、プロセッサによって生成された第2の信号をアクチュエータによって受信することと、ウエアラブル電子機器のユーザにハプティック効果を与えるために、ウエアラブル電子機器に動作的に接続されるストラップとウエアラブル電子機器とをアクチュエータによって互いに移動させることと、を備える方法を前記プロセッサに実行させる命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。
【0019】
本発明のこれらの態様、特徴及び特性及び他の態様、特徴及び特性、動作の方法、構造の関連の素子の機能並びに製造のパーツ及び経済性の組合せは、添付図面を参照した以下の記載及び特許請求の範囲を考慮した上で更に明らかになり、これらの全ては、本明細書の一部を形成する。しかしながら、図面は説明のために記載したものであり、発明を限定することを意図するものではないことを明確に理解すべきである。明細書及び特許請求の範囲で用いられるように、「一つ」(“a”,“an”)及び「その」(“the”)の単数形は、文脈で明確に定めない限り複数の指示対象を含む。
【0020】
以下の図面の構成要素は、本開示の一般的な原理を強調するために示したものであり、必ずしも寸法通りではない。対応する構成要素を示す参照記号を、一貫性及び明瞭のために図面全体に亘って必要に応じて繰り返す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の実施の形態によるユーザの身体の一部に装着されるように構成されているシステム100を図式的に示す。図示したように、システム100は、ウエアラブル電子機器110と、ウエアラブル電子機器110をシステム100のユーザによって装着できるようにするためにウエアラブル電子機器110に動作的に接続されるストラップ120と、を含む。システム100は、ストラップ120に動作的に接続されるアクチュエータ130と、アクチュエータ130及びウエアラブル電子機器110と信号通信を行うプロセッサ140と、アクチュエータ130及びプロセッサ140に給電を行うように構成されている電源150と、を更に有する。電源150は、
図1に破線で示すようにウエアラブル電子機器110に給電するように構成してもよい。
【0023】
ウエアラブル電子機器110を、スマートウオッチ、フィットネストラッカー又はストラップ120を介してウエアラブル電子機器110のユーザによって装着されるように構成されている他の任意の電子機器としてもよい。図示した実施の形態において、ウエアラブル電子機器110は、ユーザによって手首又は腕に装着されるように構成されているスマートウオッチである。一実施の形態において、プロセッサ140及び電源150を、ウエアラブル電子機器110の一部としてもよい。一実施の形態において、アクチュエータ130を、ウエアラブル電子機器110の一部としてもよい。
【0024】
バス及び/又は通信ネットワークを、システム100の種々の構成要素の間の信号通信及び他の通信ネットワークを介した遠隔コンピュータ又はサーバからの情報へのアクセスを可能にするように構成してもよい。通信ネットワークは、無線通信ネットワーク、インターネット、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)等の一つ以上を含んでもよい。通信ネットワークは、ローカルラジオ周波数、セルラー(GPRS,CDMA,GSM(登録商標),2.5G,3G,4G LTE等)、ウルトラワイドバンド(UWB)、WiMax(登録商標)、ZigBee(登録商標)及び/又は他のアドホック/メッシュ無線ネットワーク技術等を含んでもよい。
【0025】
図2に示すように、ウエアラブル電子機器110は、ウエアラブル電子機器110の電子部品を保持するように構成されているハウジング112を含む。ウエアラブル電子機器110は、一部の実施の形態において、ウエアラブル電子機器110のディスプレイ114を支持してもよく、他の実施の形態において、ウエアラブル電子機器110を、ディスプレイのないリストバンド又はブレスレットとしてもよい。図示した実施の形態において、システム100は、ウエアラブル電子機器110を保持するように構成されている個別のハウジング160を含む。一実施の形態において、個別のハウジング160を必要としなくてもよく、ウエアラブル電子機器110のハウジング112を、システム100内の唯一のハウジングとしてもよい。図示した実施の形態は、本発明の他の実施の形態において限定されることを全く意図せず、システム100を、指、銅、脚、頭等のようなユーザの身体の他の部分に装着するように構成してもよい。
【0026】
ストラップ120は、ハウジング160を介してウエアラブル電子機器110に動作的に接続される。図示した実施の形態において、ストラップ120は、ウエアラブル電子機器110のある部分に動作的に接続される第1のパーツ123を有する第1の部分123と、ウエアラブル電子機器110の他の部分に動作的に接続される第2の端部125を有する第2のパーツ124と、を含む。一実施の形態において、ストラップ120を、一端に第1の端部123を有するとともに他端に第2の端部125を有する単一のピースとしてもよい。図示した実施の形態は、限定されることを全く意図しない。
図2に示すように、ストラップ120は、通常の腕時計又はベルトに用いられる二つのピースのストラップに普通にあるように、第1の端部123の反対側で第1のパーツ122に接続されているバックル126と、第1のパーツ122を第2のパーツ124に接続できるように第2のパーツ124に設けられた二つの孔と、を有する。
【0027】
図3は、ウエアラブル電子機器110を取り除いた
図2のシステム100を示す。図示したように、アクチュエータ130は、ハウジング160によって支持されており、ストラップ120に接続されている。
図4Aは、ハウジング160のアクチュエータ130の更に詳細な図である。ハウジング160は、第1の端部123及び第2の端部125によって保持される一対のピン128を介してストラップ120の第1のパーツ122の第1の端部123及びストラップ120の第2のパーツ124の第2の端部125を支持するように構成されている複数のホルダ162又は取付構造を含む。
図5に示すように、複数のホルダ162の各々は、ストラップ120の第1のパーツ122の第1の端部123及びストラップ120の第2のパーツ124の第2の端部125がハウジング160に配置されたときにストラップ120がピン128を介して各端部123,125でハウジング160に動作的に接続されるようにピン128の各々の一端を受け入れるように構成されているスロットの形態とすることができるガイド164を含む。一部の実施の形態において、ガイド164を、
図5に示すように略線形にしてもよい。(図示しない)他の実施の形態において、ガイド164を湾曲形状(例えば、アーチ形状)にしてもよい。ストラップ120の各端部123,125を、ガイド164におけるピン128の動きによりハウジング160に対してスライドすることができる。ガイド164の長さは、ストラップ120の第1のパーツ122及び第2のパーツ124の動きの範囲を決定する。一実施の形態において、各ガイド134の長さを最大で約10mmにしてもよい。
【0028】
図4Aに示すように、アクチュエータ130は、マウント133を介してハウジング160に接続されている直流モータのようなモータ132を含む。円筒ギアボックスの形状の第1のトランスミッション部134は、モータ132の軸に取り付けられ、モータ132が起動されたときに回転し、モータ132の軸は、
図3の2方向矢印によって示すように第1の方向又は第2の方向に回転する。モータ132を第1のトランスミッション部134の内側に取り付けてもよい。図示したように、第2のトランスミッション部136は、ストラップ120の第1の端部123に接続されており、第3のトランスミッション部137は、ストラップの第2の端部125に接続されている。
【0029】
一部の実施の形態において、第2のトランスミッション部136の他の部分を、第2のトランスミッション部136とホルダ162の二つとの間に配置されている二つの弾性部材139を介してハウジング160に動作的に接続してもよい。各弾性部材139を、伸縮ばね又は伸縮ばねとして作用する他のタイプの機構としてもよい。同様に、
図4Aに示すように、第3のトランスミッション部137の他の部分は、これらの実施の形態において、第3のトランスミッション部137とホルダ162の二つとの間に配置されている二つの弾性部材を介してハウジング160に動作的に接続されてもよい。他の実施の形態において、
図4Bに示すように、第2のトランスミッション部136は、弾性部材163aを介して中央領域からハウジング160のアンカー部165aに動作的に接続されてもよい。同様に、
図4Bに示すように、第3のトランスミッション部137は、これらの後者の実施の形態において、弾性部材163bを介して中央領域からアンカー部165bに動作的に接続されてもよい。他の実施の形態において、
図4Cに示すように、第2のトランスミッション部136及び第3のトランスミッション部137は、二つの弾性部材163c−fを介して側部領域からハウジング160の二つのアンカー部165c−fにそれぞれ動作的に接続されてもよい。各弾性部材163を、圧縮ばね又は圧縮ばねとして作用する他のタイプの機構としてもよい。
【0030】
第1のトランスミッション部134は、第1のトランスミッション部134の外面のらせん状のガイドに巻き付けることができる細くて丈夫なワイヤ(例えば、釣り糸又は鋼線)のようなケーブル138を介して第2のトランスミッション部136及び第3のトランスミッション部138の各々に接続されている。モータ132が起動されて第1のトランスミッション部134を第1の方向に回転させるとき、ストラップ120の第1の端部123及び第2の端部135は、第2のトランスミッション部136及び第3のトランスミッション部137を介して互いに向かうように動く。第1のトランスミッション部134が回転すると、ケーブル138は、第1のトランスミッション部134に巻き付けられ、これによって、第2のトランスミッション部136及び第3のトランスミッション部138の各々を第1のトランスミッション部134に向かうように動かし、ストラップ120の第1の端部123及び第2の端部125を互いに向かうように動かす。モータ132がもはや起動されないとき、すなわち、オフに切り替えられたとき、弾性部材139は、第2のトランスミッション部136及び第3のトランスミッション部137を各々の初期(静止)位置に押し戻し、第1のトランスミッション部134は、回転して初期(静止)位置に戻り、ストラップ120の第1の端部123及び第2の端部125を初期位置に戻すように動かす。
図3の2方向実線矢印LMで示すようなストラップ120の第1の端部123及び第2の端部125の動きの結果、ユーザは、ストラップ120の第1のパーツ122及び第2のパーツ124の皮膚へのこすり付けすなわちハプティック効果を感じることができる。換言すれば、モータ132によって生成される第1のトランスミッション部134の回転運動RMは、ハプティック効果としてユーザによって感じられるストラップ120の第1のパーツ122及び第2のパーツ124の直線運動LMに変換される。
【0031】
図6は、ストラップ120の第1のパーツ122及び第2のパーツ124を互いに独立して動かせるようにするためにストラップ120の端部123,125の各々に対して設けられた一つのモータ及び一つの第1のトランスミッション部を有する二つのモータ232,233及び二つの第1のトランスミッション部234,235を含むシステムのアクチュエータ230の実施の形態を示す。そのような独立した制御によって、方向情報をユーザに伝えることができる。例えば、第2のトランスミッション部136を押す又は引くために第1のトランスミッション部234を回転させるモータ232のようなモータの一つのみを起動させることによって、ストラップ120の第1のパーツ122の第1の端部123のみが動き、ユーザは、ストラップ120の第1のパーツ122に関連した側から押される又は引かれるように感じることができる、したがって、運動の方向の動きを感じることができる。
【0032】
一実施の形態において、第1のトランスミッション部134、第2のトランスミッション部136及び第3のトランスミッション部137を、一端でストラップ120の各端部123,125に固定されるとともに他端でモータ132の軸に固定されているコイル形状のワイヤを含む単一のトランスミッションシステムに置換してもよい。軸の回転によってワイヤを一方向に捻じると、ワイヤが収縮/後退し、その結果、ストラップ120の各端部123,125が引っ張られる。ワイヤを他の方向に捻じると、ワイヤが緩み、ストラップ120の各端部123,125を初期位置に押し戻すことができる。機構に弾性部材を追加することによって、ストラップ120の各端部123,125を押し戻すときにコイル状のワイヤの負荷を低減するのを助ける。
【0033】
一実施の形態において、一対のギアモータは、ハウジング160に取り付けられてもよく、ストラップの各パーツ122,124をシリンダー形のトランスミッション機構を介して直接ギアモータに巻き取ることができるようにストラップの端部123,125をそれぞれ受け入れるように構成されてもよい。
【0034】
図7は、リニアアクチュエータ332の二つの脚部を後退/延長することによって第2のトランスミッション部136及び第3のトランスミッション部137を介して直接ストラップ120の第1の端部123及び第2の端部125をそれぞれ引く/押すように構成されているリニアアクチュエータ332を含むシステムのアクチュエータ330の一実施の形態を示す。図示しない他の実施の形態において、リニアアクチュエータ332を、二つの脚部ではなく一つの脚部のみを有するように構成してもよい。そのような実施の形態において、リニアアクチュエータ332は、第2のトランスミッション部136と第3のトランスミッション部137の一方を介してストラップ120の第1の端部123と第2の端部125の一方を引く/押すようにしてもよい。例えば、そのような実施の形態において、アクチュエータ332が端部の一方を引く場合、これによって他方の端部が押し出される。
【0035】
図8は、ストラップ120の各端部123,125に対して一つのリニアアクチュエータ432,433を有する二つのアクチュエータ432,433を含むシステムのアクチュエータ430の一実施の形態を示す。
図8に示す実施の形態は、方向性のハプティック効果をユーザに与えることができるようにするためにストラップ120の第1のパーツ122及びストラップ120の第2のパーツ124を独立して制御できる点で
図6に示す実施の形態と似ている。一実施の形態において、弾性部材139を、ストラップ120の第1の端部123及び第2の端部125を初期位置に戻すように動かすときに(一つ以上の)リニアアクチュエータ332,432,433の負荷を減少させるのに役立てるのに用いてもよい。ストラップ120の第1の端部123及び第2の端部125の動作の範囲を、リニアアクチュエータ332,432,433のストロークの長さによって決定することができる。
図7及び
図8に示す実施の形態において、弾性部材139を含まなくてもよく、リニアアクチュエータ332,432,433は、ストラップの第1の端部123及び第2の端部125の位置を制御してもよい。図示した実施の形態は、限定することを全く意図しない。
【0036】
プロセッサ140を、ウエアラブル電子機器110の一部又はハウジング160に取り付けられる個別のプロセッサとしてもよい。プロセッサ140は、(一つ以上の)モータ132,232,233及び(一つ以上の)リニアアクチュエータ332,432,433の速度及び方向を制御するためにアクチュエータ130,230,330,430に信号を送信するプログラムを実行するように構成される。プロセッサ140を、システム100の動作及び機能を管理又は制御する汎用又は専用プロセッサ又はマイクロコントローラとしてもよい。例えば、プロセッサ140を、ユーザにハプティックフィードバック又はハプティック効果を与えるようにアクチュエータ130,230,330,430に対する出力信号を制御する特定用途向け集積回路(ASIC)として特別に設計してもよい。プロセッサ140を、予め規定された要因に基づいて、プロセッサ140によって受信又は決定したハプティック制御信号に基づいてどのようなハプティックフィードバック又は効果が生成されるか、ハプティック効果が生成される順序並びにハプティック効果の大きさ、周波数、持続時間及び/又は他のパラメータを決定するように構成してもよい。プロセッサ140を、特定のハプティック効果を与えるためにアクチュエータ130,230,330,430を駆動するのに用いることができるストリーミングコマンドを供給するように構成してもよい。上述したように、プロセッサ140を、ウエアラブル電子機器110の一部又はウエアラブル電子機器110から分離されるとともにハウジング160に取り付けられるものとしてもよい。一部の実施の形態において、各々がシステム100内の所定の機能を実行するように構成されている二つ以上のプロセッサをシステム100に含めてもよい。
【0037】
図9は、プロセッサ140の一実施の形態の詳細を図式的に示す。プロセッサ140を、一つ以上のコンピュータモジュールを実行するように構成してもよい。一つ以上のコンピュータプログラムモジュールは、入力モジュール142、決定モジュール144、アクチュエータ制御モジュール146及び/又は他のモジュールの一つ以上を含んでもよい。プロセッサ140は、電子記憶装置148又は(非一時的なコンピュータ可読媒体とも称する)記憶装置も含んでもよい。プロセッサ140を、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、これらの組合せ及び/又はプロセッサ140のプロセスケイパビリティを構成する他の機構によってモジュール142、モジュール144及び/又はモジュール146を実行するように構成してもよい。非一時的なコンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行するときに本発明の一実施の形態による方法をプロセッサに実行させる命令を有してもよい。
【0038】
モジュール142、モジュール144及びモジュール146を単一の処理部内の同一場所に配置されているものとして
図9に示すが、当然のことながら、システムが複数のプロセッサを含む実施の形態において、モジュール142、モジュール144及び/又はモジュール146の一つ以上を他のモジュールから離間して配置してもよい。後に説明するモジュール142、モジュール144及び/又はモジュール146によって提供される機能の説明は、例示であり、限定することを意図するものではなく、モジュール142、モジュール144及び/又はモジュール146のいずれかは、説明した機能より多い又は少ない機能を提供してもよい。例えば、モジュール142、モジュール144及び/又はモジュール146の一つ以上を取り除いてもよく、その機能の一部又は全てを、モジュール142、モジュール144及び/又はモジュール146のそれ以外のものによって提供してもよい。他の例として、プロセッサ140を、モジュール142、モジュール144及び/又はモジュール146の一つによる機能の一部又は全てを実行することができる一つ以上の追加のモジュールを実行するように構成してもよい。
【0039】
入力モジュール142は、ウエアラブル電子機器110及び/又はリモートコンピュータ、サーバ、スマートホン、GPS機器等のようなシステム100の外部の電子機器からの入力信号を受信するように構成又はプログラムされている。入力信号は、電子メール又はテキストメッセージの受信のようなイベントに関する情報、又は、例えば、変更の必要がある方向を表すGPS機器からのコマンドを伝える。
【0040】
決定モジュール144は、入力モジュール142から受信した信号に従ってどのタイプの動作をシステム100によって取り出すか及びどのタイプのハプティックフィードバックをアクチュエータ130によって生成すべきかを決定する。決定モジュール144を、決定モジュール144が対応する出力を決定できるようにするために入力信号及びシステム100で利用できるとともにハプティック効果に対応する機能情報のライブラリによってプログラムしてもよい。決定モジュール144は、適切なハプティック効果をユーザに与えることができるようにするために信号をアクチュエータ制御モジュール146に出力してもよい。例えば、ウエアラブル電子機器110は、受信した新たなテキストメッセージ又は電子メールの受信に応答した通知を生成してもよく、ハプティック効果は、通知に対応してもよい。
【0041】
アクチュエータ制御モジュール146は、決定モジュール144によって生成された信号に基づいて、アクチュエータ130に出力するハプティック制御信号を決定するように構成又はプログラムされる。ハプティック制御信号を決定することは、ユーザに所望の効果を与えるためにアクチュエータ140によって生成されるハプティックフィードバックの大きさ、持続時間、周波数等を含む一つ以上のパラメータをシステム100の全ての入力に基づいて決定することを含む。所望の効果は、種々のパターン及び速度でのユーザの皮膚に対するストラップ120を押し付け及び引っ張り(こすり付け)を含んでもよい。ストラップの端部123,125の動きの速度、大きさ及び方向を独立して制御することによって、異なるように認識される効果を通じて種々のメッセージを伝えるために種々の方向性の効果及びパターンを作成してもよい。
【0042】
電源150を、アクチュエータ130及びプロセッサ140を起動することができる任意の適切な電源としてもよい。アクチュエータ130の設計は、低電力消費を有するように意図したものである。
【0043】
本発明の実施の形態の実現において、システム100のユーザは、ユーザの手首のウエアラブル電子機器110に無線接続されるユーザの電話のメッセージを受信してもよい。システム100は、例えば、ストラップ120の第1の端部123及び/又は第2の端部125を連続して3回迅速に押し付ける/引っ張ることによってユーザにハプティック通知を行ってもよい。
【0044】
本発明の実施の形態の実現において、システム100のユーザは、ユーザのスマートウオッチのマップを用いて新たなアドレスを見つけることを試みてもよい。システム100のストラップ120は、ユーザが歩行中にアドレスを見つけるためにスマートホンを連続して見る必要がなくなるようにユーザの皮膚にこすり付けを行うことによってユーザを右方向又は左方向に案内してもよい。
【0045】
種々のハプティック経験(すなわち、スクイージング及びこすり付け)を(一つ以上の)アクチュエータの速度及び方向を変更することによって伝えてもよい。スクイーズ効果を、ストラップ120のほとんどをユーザの手首の皮膚に接触させるようなストラップ120の周辺の大きな減少によって規定してもよい。手首の皮膚に対するストラップ120の接触領域を(例えば100ミリ秒を超える)比較的長い時間に亘って皮膚に接触したままにする必要がある。スクイーズは、例えば、5Hzより大きい周波数で伝えられない。アクチュエータ制御に関しては、スクイーズは、ユーザをイライラさせる又は不快にさせることなくストラップ120を指定された接触時間(すなわち100ミリ秒)に亘ってストラップ120をしっかりと抑え付けるためにできるだけきつくストラップ120の両方の端部123,125を引っ張るアクチュエータを有する必要がある。
【0046】
ストラップのこすり付け経験を、スクイーズ効果の経験より小さい周辺の減少及びストラップ120のパーツ122,124と手首との間の前後の高速な接触領域の動きによって規定してもよい。これを、押し付け方向及び引っ張り方向におけるストラップの端部123,125の高速かつ小さい変位によって実現してもよい。例えば、アクチュエータの(一つ以上の)モータ132,232,233を、ストラップ120のパーツ122,124の押し付け動作及び引っ張り動作に交互に変換する時計回りの回転及び反時計回りの回転を交互に行うために非常に短い期間(例えば、20ミリ秒)に亘って起動してもよい。こすり付けのハプティック感覚をスクイージングのハプティック感覚の周波数より高い周波数(例えば、20Hz)で伝えてもよい。
【0047】
スクイーズのハプティック感覚及びこすり付けのハプティック感覚を互いに生成してもよい。例えば、ストラップ120がユーザにしっかりと装着されている場合、ラビングの感覚は、軽くて短いスクイーズを生成してもよく、スクイーズの感覚は、更に低速であるとともに更に大きい接触領域を有するこすり付け効果を生成してもよい。
【0048】
図10〜13は、本発明の実施の形態によるシステム1100を示す。図示したように、システム1100は、ハウジング1160によって保持されているウエアラブル電子機器110と、ストラップ1120と、を含む。ストラップ120は、ハウジング1160を介してウエアラブル電子機器110に動作的に接続されている。図示した実施の形態において、ストラップ1120は、ウエアラブル電子機器110のある部分に動作的に接続される第1の端部1123を有する第1のパーツ1122と、ウエアラブル電子機器110の他の部分に動作的に接続される第2の端部1125を有する第2のパーツ1124と、を含む。一実施の形態において、ストラップ1120を、一端に第1の端部1123を有するとともに他端に第2の端部1125を有する単一のピースとしてもよい。図示した実施の形態は、限定することを全く意図しない。
図10及び
図11に示すように、ストラップ120は、通常の腕時計又はベルトに用いられる二つのピースのストラップに普通にあるように、第1の端部1123の反対側で第1のパーツ1222に接続されているバックル1126と、第1のパーツ1122を第2のパーツ1124に接続できるように第2のパーツ1124に設けられた複数の孔1127と、を有する。
【0049】
図示した実施の形態において、ストラップ1120の第1のパーツ1122は、第1のアクチュエータ1130を含み、ストラップ1120の第2のパーツ1124は、第2のアクチュエータ1132を含む。アクチュエータ1130,1132の各々を、ストラップ1120の各パーツ1122,1124にはめ込んでもよい又はストラップ1120の外面に取り付けてもよい。図示した実施の形態において、アクチュエータ1130,1132の各々は、ストラップ1120の各パーツ1122,1124にはめ込まれている。
図12は、
図11のラインXII−XIIに沿ったストラップ1120の第1のパーツ1122の断面図である。図示したように、ストラップの第1のパーツ1122は、アクチュエータ1130を保持するキャビティ1131を含む。アクチュエータ1130,1132は、システム1110のハウジング1160内に配置されている電源1150によって正電圧又は負電圧がアクチュエータ1130,1132に印加されるときに変形するように構成されている。一実施の形態において、アクチュエータ1130,1132は、マクロファイバーコンポジット(MFC)、電気活性ポリマー(EAP)、電気粘性流体(ERF)及び磁気粘性流体(MRF)のようないわゆる「スマート材料」を含む。しかしながら、当然のことながら、任意のタイプのハプティックアクチュエータを本発明の他の実施の形態で用いてもよい。例えば、一実施の形態において、コインERM(偏心)モータ、圧電アクチュエータ又はEAP(電気活性高分子)アクチュエータのような共振モードの振動モータをアクチュエータ1130及び/又はアクチュエータ1132に用いることもできる。
【0050】
マクロファイバーコンポジット及び電気活性ポリマーをキャビティ1131の表面にエポキシ樹脂で接着することができるように又は電気粘性流体及び磁気粘性流体を漏れることなくキャビティ1131内に含めることができるようにキャビティ1131を設計してもよい。一実施の形態において、スマート材料が埋め込まれるストラップ1120のパーツ1122,1124を、固体ピースとして3Dプリンタで製造してもよい。当然のことながら、他の実施の形態において、システム1110を、ディスプレイのないリストバンド又はブレスレットとしてもよい。
【0051】
一実施の形態において、マクロファイバーコンポジットでできているパッチをストラップ1120の内面(すなわちユーザの皮膚に接触する面)又は外面に密着させてもよい。正電圧又は負電圧がマクロファイバーコンポジットパッチに印加されると、パッチが伸び又は縮み、その結果、ストラップ1120は、一方の方向又は他方の方向に曲がる。例えば、
図13は、静止位置又は初期位置にあるシステム1100の側面図である。ストラップ1120の第1のパーツ1122及び第2のパーツ1124の各々に配置されているマクロファイバーコンポジットパッチに電圧が印加されると、パッチは、ストラップ1120のパーツ1122,1124の長さ方向に沿って縮み、これによって、ストラップ1120のパーツ1122,1124は、
図14に示すように曲げられる。ストラップ1120がユーザの皮膚に密着しているので、ストラップの動きは、駆動周波数、パッチのサイズ及びパッチの位置に応じてタップ(tap)又はシアー(shear)の形態でユーザによって感じられる。
【0052】
一実施の形態において、キャビティ1131の内部に埋め込まれているマクロファイバーコンポジットによって作られたパッチを、コンプライアントメンブレン(compliant membrane)によってカバーするとともに片側のみから接地してもよい。駆動の際に、マクロファイバーコンポジットパッチを、皮膚に接触するメンブレンを押す片側から自由に曲げることができ、これによって、二つのパッチが手首の両側から同時に駆動される場合にタッピング(tapping)/ポーキング(poking)効果又はスクイーズを感じる。
【0053】
マクロファイバーコンポジットパッチの位置及びサイズに応じて、種々のタイプの効果を作ってもよい。例えば、ストラップ1120のパーツ1122,1124を大きくカバーする大きい曲線的なマクロファイバーコンポジットパッチは、スクイーズ効果を生成することができる。ハウジング1160に近接するように埋め込まれている小さいマクロファイバーコンポジットパッチによって、ストラップ1120は、膨張/収縮するように動作/シアー/タップを行う。バックル1126に近接して配置されているマクロファイバーコンポジットパッチによってバックル1126が動き、その結果、ユーザの皮膚に接触する。
【0054】
(例えば50Hzを超える)高周波信号で(一つ以上の)アクチュエータ1130,1132を駆動することによってユーザの手首に振動効果を生じさせてもよい。一実施の形態において、ストラップ1120のパーツ1122,1124は、ハプティック効果を与えるために振動してもよい。一実施の形態において、ハウジング1160は、ストラップ1120のパーツ1122,1124の振動の結果として振動してもよい。一実施の形態において、ハウジング1160をストラップ1120のパーツ1122,1124から分離してもよく、ストラップ1120のパーツ1122,1124を、異なる通知/メッセージをユーザに伝えるために独立して振動させてもよい。
【0055】
一実施の形態において、マクロファイバーコンポジットパッチを、ストラップ1120が
図14に示す位置のようなアクチュエータ1130の曲げの動きに従うように電圧を電源1150によって印加したときに曲がることができる電気活性ポリマーアクチュエータに置換してもよい。マクロファイバーコンポジットパッチを含むアクチュエータ1130の上述した実施の形態の全てを、電気活性ポリマーアクチュエータを用いて再現することができる。
【0056】
一実施の形態において、電気粘性流体又は磁気粘性流体をキャビティ1131内に含めるとともにストラップ1120のパーツ1122,1124の内部に埋め込んでもよい。これらのタイプのスマート材料は、ばねとしての役割を果たすことができ、剛性を、スマート材料に電圧を印加することによって変えることができる。応力を受けて所望の形態にする、例えば、曲げて手首に巻き付けることによって、伸びてストラップ1120を整えるスマート材料のようにスマート材料の剛性の変化によって形状の変化が生じる。スマート材料を駆動及び制御することによって、種々のハプティック感覚を作ることができる。
【0057】
個別のアクチュエータ1130,1132をストラップ1120の各パーツ1122,1124に設けることによって、方向性をハプティック効果に与えることができるようにストラップ1120の第1のパーツ1122及び第2のパーツ1124を独立して駆動することができる。さらに、種々のメッセージ又は通知を、一度にストラップ1120の一つのパーツのみを駆動することによって又は上述したプロセッサ140と同一の形態を有してもよいプロセッサ1140によって決定されるような特定のパターンでストラップ1120のパーツ1122,1124を動かすことによってユーザに与えてもよい。追加の異なるハプティック感覚を与えるためにストラップ1120のパーツ1122,1124の動きによってハウジング1160の動きを引き起こしてもよい。上述したように、ストラップのアクチュエータの位置に応じて種々の通知に変換することができる種々のハプティック感覚を伝えてもよい。
【0058】
上述した本発明の実施の形態の実現において、ウエアラブルスマートウオッチは、ハプティックイネーブルドストラップを含んでもよい。テキストメッセージ又は電子メールメッセージがウエアラブルスマートウオッチによって受信されると、ストラップは、テキストメッセージ又は電子メールメッセージを受信したことをユーザに通知するために変形を開始するとともにハプティック効果をユーザの手首に加えてもよい。ユーザがテキストメッセージと電子メールメッセージとの区別を行うことができるようにするために異なる効果を生成することができる。
【0059】
ここで説明した実施の形態は、複数のあり得る実現及び例を表し、必ずしも本開示を任意の特定の実施の形態に限定することを意図しない。当業者によって理解できるように種々の変形をこれらの実施の形態に対して行うことができる。そのような任意の変形は、本開示の精神及び範囲に含まれるとともに特許請求の範囲によって保護されることを意図する。