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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-151985(P2017-151985A)
(43)【公開日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20170804BHJP
   G06Q 10/04 20120101ALI20170804BHJP
【FI】
   G06Q10/08
   G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-30389(P2017-30389)
(22)【出願日】2017年2月21日
(31)【優先権主張番号】特願2016-31307(P2016-31307)
(32)【優先日】2016年2月22日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504301432
【氏名又は名称】株式会社カカクコム
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】勝田 烈士
(72)【発明者】
【氏名】川本 尚志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049AA16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】商品を購入する購入者ごとに、配送のリードタイム、運賃、サービスの品質を最適化する技術を確立する報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】サービス提供者サーバ11の配送依頼データ取り込み部51は、店舗端末13から、配送依頼データを取り込む。配送サイズ自動選定部52は、取り込んだ配送依頼データに基づいて、配送サイズを自動的に選定する。最適化部53は、購入者にとって最適なリードタイム、運賃及びサービス品質を最適化する。送り状発行部54は、配送会社端末14−1、配送会社端末14−2、配送会社端末14−3及び受付・承認部55に対し、送り状を発行する。受付・承認部55は、送り状発行部54、配送会社端末14−1、配送会社端末14−2及び配送会社端末14−3から配送会社ごとの配送依頼に対する受付を行い、その受付を承認する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間、距離、配送料金、配送品質、受取便利性、及びサポートの手厚さを夫々目的関数として、これら6つの目的関数のうち少なくとも1つを用いて、
集荷配送、幹線配送及び個宅配送の第1のパターン、幹線集荷配送及び個宅配送の第2のパターン、集荷及び幹線個宅配送の第3のパターン、及び個宅配送の第4のパターンについて、所定の最適条件を満たすように、事業者及び前記目的関数のパラメータの値を決定する最適化手段、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記最適化手段は、
前記6つの目的関数のうち、ユーザにより指定される1以上の目的関数の所定の出力値を、配送条件として取得する取得手段と、
前記第1のパターン乃至前記第4のパターンの夫々について、前記取得手段により取得された前記配送条件を満たすことを、前記所定の最適条件を満たすこととして、前記事業者及び前記目的関数のパラメータの値を決定する決定手段と、
を有する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記最適化手段により決定された前記パラメータの値に応じて、1以上の配送ルートの夫々の優先度を決定する優先度決定手段と、
前記優先度決定手段により決定された前記優先度に応じて、前記1以上の配送ルートの夫々の表示形態を決定する表示形態決定手段と、
をさらに備える請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記最適化手段は、前記取得手段により取得された前記配送条件を満たすことができない場合(つまり、配送条件を満たすような配送ルートが存在しない場合)、当該配送条件に類似する条件を、新たな配送条件を設定する設定手段をさらに有し、
前記最適化手段の前記決定手段は、前記第1のパターン乃至前記第4のパターンの夫々について、前記設定手段により設定された前記新たな配送条件を満たすことを、前記所定の最適条件を満たすこととして、前記事業者及び前記目的関数のパラメータの値を決定する、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータに、
時間、距離、配送料金、配送品質、受取便利性、及びサポートの手厚さを夫々目的関数として、これら6つの目的関数のうち少なくとも1つを用いて、
集荷配送、幹線配送及び個宅配送の第1のパターン、幹線集荷配送及び個宅配送の第2のパターン、集荷及び幹線個宅配送の第3のパターン、及び個宅配送の第4のパターンについて、所定の最適条件を満たすように、事業者及び前記目的関数のパラメータの値を決定する最適化ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、1つまたは複数のばら荷を含む貨物を輸送するための1組の航路を決定し、所与の計画期間中に航海を行うことができるように使用可能な集団内のビークルを割り当てることによって貨物船積および配送プログラムに関する総純利益を最大にするために、最適解を求めることができる配送プログラムが存在する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2012−526326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、配送プログラムに関する総純利益を最大にすることはできても、商品を購入する購入者ごとに、配送のリードタイム、運賃、サービスの品質を最適化することはできない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、商品を購入する購入者ごとに、配送に要する日数(以下、「リードタイム」と呼ぶ)、運賃、サービスの品質を最適化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様のサーバは、
時間、距離、配送料金、配送品質、受取便利性、及びサポートの手厚さを夫々目的関数として、これら6つの目的関数のうち少なくとも1つを用いて、
集荷配送、幹線配送及び個宅配送の第1のパターン、幹線集荷配送及び個宅配送の第2のパターン、集荷及び幹線個宅配送の第3のパターン、及び個宅配送の第4のパターンについて、所定の最適条件を満たすように、事業者及び前記目的関数のパラメータの値を決定する最適化手段を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、商品を購入する購入者ごとに、リードタイム、運賃、サービスの品質を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態が提供するサービスの流れの概要を示す図である。
図2図1の配送LPにより提供されるGUIの一例を示す図である。
図3図1の手配システムの店舗向けの配送依頼画面を表す図である。
図4図1の手配システムの配送状況確認画面を表す図である。
図5】本実施形態における商品の配送の概要を示す図である。
図6】上述の図1のサービスを実現化するための、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示している。
図7図6の情報処理システムのうち、本発明の一実施形態としてのサービス提供者サーバ11のハードウェア構成を示すブロック図である。
図8】サービス提供者サーバ11の機能的構成を示す機能ブロック図である。
図9】配送サイズ自動選定の方法を示す図である。
図10】商品の配送に関する基本料金を示す図である。
図11】換算重量を算出する表の図である。
図12】各メーカーの各型番(商品名)毎の換算重量を算出する表の図である。
図13】最適化を行う方法の一例を示す図である。
図14図1における手配システムの店舗向けの配送依頼画面の一例であって、図3の例とは異なる例を示す図である。
図15図14の画面の入力内容に基づいて配送手配処理が実行された結果を示す、配送ルートの候補を提案する表示画面の一例を示す図である。
図16図14及び図15の表示画面を用いる配送手配処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
図17】店舗からの配送依頼の結果の表示画面の一例であって、図15の例とは異なる例を示す図である。
図18図14及び図17の表示画面を用いる配送手配処理の流れの一例を説明するフローチャートであり、図16の例とは異なる例を示す図である。
図19】サービス提供者サーバ11が実行する配送手配処理の流れの一例を説明する図であり、図16図18の例とは異なる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の情報処理システムにより提供可能になるサービスの流れの概要を示す図である。
購入者Bは、店舗Sのウェブサイトを閲覧しながら、商品を選択及び購入する者である。
店舗Sは、購入者Bに対して、ウェブサイトを通じて商品を販売する者である。
サービス提供者Mは、本サービスを提供するために、配送手配システムと配送LPを管理する者である。
配送会社HAは、集荷配送を担当する配送会社である。配送会社HBは、幹線配送を担当する配送会社である。配送会社HCは、個宅配送を担当する配送会社である。配送会社HA,HB,HCは、配送対象の商品ごとに、手配システムによる最適化の演算により夫々別途設定されるものである。従って、商品が異なれば、配送会社HA,HB,HCは異なる配送会社が設定される可能性がある。逆に、とある商品については、配送会社HA,HB,HCのうち任意の2つ以上に対して、同一の配送会社が設定される場合もある(図13のパターン1乃至4の4つのパターン参照)。
【0011】
以下、本実施例のサービスの流れについて、説明する。
第1に、購入者Bは、パーソナルコンピュータ又はスマートフォン等の自己の端末を用いて、店舗Sのウェブサイトにアクセスして、所望の商品を購入する操作をする。商品の購入の直前又は後に、購入者Bの端末は、店舗Sの端末に購入者情報を送信する。
第2に、店舗Sの端末は、購入者Bの端末に対して、配送案内を送信する。
第3に、購入者Bの端末は、店舗Sの端末に対して、配送LPを通じて、配送情報連絡を行う。配送LPは、店舗Sの商品の購入者Bに対して、購入商品の配送に関するGUI(Graphical User Interface)を提供することが可能な、インターネット上のウェブページ等で構成される。
第4に、店舗Sの端末は、サービス提供者Mの手配システムに対して、配送依頼を行う。
第5に、サービス提供者Mの配送手配システムは、配送サイズを決定し、その決定結果に基づいて配送手配の最適化が可能となるように、集荷配送を担当する配送会社HA、幹線配送を担当する配送会社HB、及び個宅配送を担当する配送会社HCを設定し、夫々に対して配送を手配する。
第6に、配送会社HA乃至HCは連携して、店舗Sから商品を集荷して購入者Bの指定する配送先まで配送をするまでの一連の流れを実行する。
なお、購入者Bは、配送LPを通じて、配送状況を問い合わせることもできる。つまり、購入者Bや店舗Sは、配送状況を確認することができる。
【0012】
図2は、図1の配送LPにより提供されるGUIの一例を示す図である。
本実施形態では、図2に示す様に配送LPとして、購入者Bが設置配送を安心して利用できるウェブページが設けられている。
【0013】
図2(A)は、本実施形態の配送状況を問合せるページを表す図である。
図2(A)に示す通り、本実施形態では、購入者Bが、問合せ番号を入力することにより、現在の商品の配送状況は、後述する図4の手配システムの配送状況確認画面で確認することができる。
即ち、購入者Bは、配送LPを閲覧することにより、自身が購入した商品の配送状況を確認することができる。
【0014】
図2(B)は、本実施形態の事前情報提供のページを表す図である。
図2(B)の示す通り、本実施形態では、購入者Bに対して、店舗Sによるインターネット販売を通じて購入する商品が配送される前に、その配送までの流れを提示することができる。
例えば、購入者Bが商品として洗濯機を購入するものとすると、給水栓の設置の際に工事が発生する。そこで、図2(B)の示すような流れを事前に購入者Bに対して提示することができる。即ち、STEP1として、EC(Electronic Commerce)ショップ(店舗S)で購入された家電(洗濯機)を、指定の届け先に発送することが提示される。また、STEP2として、工事業者が、購入者Bに対して日程調整を行うことが提示される。また、例えば、設置場所の給水栓の状況を確認できるような情報を提示して、工事内容を事前に購入者Bに通知することができるようにする。
これにより、インターネット販売で問題になっている工事内容に関するトラブルを減らすことが期待できる。
【0015】
図3は、図1の手配システムの店舗向けの配送依頼画面を表す図である。
店舗Sは、図3に示す店舗向けの配送依頼画面に配送依頼データを入力する。
具体的には、店舗Sは、店舗向けの配送依頼画面に対して、「受注日」、「受注番号」、「サブ受注番号」、「商品名」、「JANコード」、「商品単価」、「商品状態」、「商品カテゴリ」、「サイズ」、「幅・奥行・高さ」、「商品詳細」を入力する。
これにより、店舗Sは、手配システムに対して、配送依頼を行うことができる。
【0016】
図4は、図1の手配システムの配送状況確認画面を表す図である。
購入者Bや店舗Sは、図4に示す店舗向けの配送状況確認画面を用いて、配送状況を確認することができる。
図4に示す通り、配送状況は、依頼完了、配送中、幹線配送完了予定日、個宅配送完了予定日(倉庫到着日)、お届け予定日となっており、夫々の場所に配送が完了されると、各項目が変更される。
また、ショップ名、集荷配送、幹線配送、個宅配送、お届け先の住所、電話番号、メールアドレスが記載されていることにより、購入者Bや店舗Sは、配送状況のみならず、配送会社HA、配送会社HB、及び配送会社HCの各情報を知ることができる。
このようにして、購入者Bや店舗Sは、商品の配送状況を逐次確認することができる。
【0017】
図5は、本実施形態における商品の配送の概要を示す図である。
第1に、店舗Sは、サービス提供者Mに対して、配送依頼を行う。
第2に、サービス提供者Mは、上述のように最適化により夫々設定した配送会社HA乃至HCの夫々に対して、配送の依頼を行う。
第3に、配送の依頼を受けた配送会社HAは、店舗Sに対して、商品のピックアップを行う。
第4に、配送会社HAは、ピックアップした商品を配送会社HBに引き渡す。なお、配送会社HAが、店舗Sから商品をピックアップし、配送会社HBの倉庫まで運び込む配送を集荷配送と呼ぶ。
第5に、サービス提供者Mから配送依頼を受けた配送会社HBは、配送会社HAから受け取った商品を、配送会社HCに対して、倉庫間輸送する。なお、配送会社HBが、長距離の倉庫間輸送を担当し、配送会社HCの倉庫まで運ぶ配送を幹線配送と呼ぶ。
第6に、サービス提供者Mから配送依頼を受けた配送会社HCは、配送会社HBから受け取った商品を、購入者Bに対して、個宅配送する。なお、配送会社HCが、個人宅向けの配送を行うことを個宅配送といい、そのなかでも購入した商品の設置工事も伴う個宅配送を設置配送と呼ぶ。
これにより、本実施形態では、店舗Sから購入者Bまでのルートを3つの区分に分類し、最大3社の配送会社の配送網を組み合わせた配送を実現する。
なお、配送会社の組合わせのパターンとして、次の4パターンがあるものとする。
即ち、第1のパターンは、集荷配送担当の配送会社HA、幹線配送担当の配送会社HB及び設置配送(個宅配送)担当の配送会社HCの夫々を、別々の3事業者に設定するパターンである。
第2のパターンは、集荷配送担当の配送会社HAと幹線配送担当の配送会社HBとを同一の1事業者に設定し、設置配送(個宅配送)担当の配送会社HCを別の1事業者に設定し、トータルで2事業者を設定するパターンである。
第3のパターンは、集荷配送担当の配送会社HAを1事業者に設定し、幹線配送担当の配送会社HB及び設置配送(個宅配送)担当の配送会社HCを同一の1事業者に設定し、トータルで2事業者を設定するパターンである。
第4のパターンは、店舗Sから購入者Bが指定する配送先まで近距離のため、設置配送(個宅配送)担当の配送会社HCのみを1事業者に設定すれば済むパターンである。
【0018】
図6は、上述の図1のサービスを実現化するための、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示している。
図6に示す情報処理システムは、サービス提供者Mのサービス提供者サーバ11と、n人(nは1以上の任意の整数値)の購入者Bの夫々により使用される購入者端末12−1乃至12−nと、m個(mは1以上の任意の整数値)の店舗Sの夫々により使用される店舗端末13−1乃至13−mと、p個(pは1以上の任意の整数値)の配送会社Hの夫々により使用される配送会社端末14−1乃至14−pとを含むシステムである。
サービス提供者Mのサービス提供者サーバ11と、購入者端末12−1乃至12−nの夫々と、店舗端末13−1乃至13−mの夫々と、配送会社端末14−1乃至14−pの夫々とは、インターネット等の所定のネットワークを介して相互に接続されている。
【0019】
サービス提供者サーバ11は、購入者端末12−1乃至12−nの夫々と、店舗端末13−1乃至13−mの夫々と、配送会社端末14−1乃至14−pの夫々に対して、配送手配の実行環境を提供し、購入者端末12−1乃至12−nの夫々と、店舗端末13−1乃至13−mの夫々と、配送会社端末14−1乃至14−pの夫々において実行される配送手配に関する各種各様のサービスを提供する。
購入者端末12−1乃至12−nの夫々と、店舗端末13−1乃至13−mの夫々と、配送会社端末14−1乃至14−pの夫々は、各購入者B、各店舗S及び各配送会社Hにより操作されるパーソナルコンピュータ又はスマートフォン等で構成され、配送手配の実行等各種処理を実行する。
なお、以下、購入者端末12−1乃至12−nの夫々を個別に区別する必要がない場合、これらをまとめて「購入者端末12」と呼ぶ。
また、以下、店舗端末13−1乃至13−mの夫々を個別に区別する必要がない場合、これらをまとめて「店舗端末13」と呼ぶ。
さらに、以下、配送会社端末14−1乃至14−pの夫々を個別に区別する必要がない場合、これらをまとめて「配送会社端末14」と呼ぶ。
【0020】
図7は、図6の情報処理システムのうち、本発明の一実施形態としてのサービス提供者サーバ11のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0021】
サービス提供者サーバ11は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、バス24と、入出力インターフェース25と、出力部26と、入力部27と、記憶部28と、通信部29と、ドライブ30と、を備えている。
【0022】
CPU21は、ROM22に記録されているプログラム、又は、記憶部28からRAM23にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM23には、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0023】
CPU21、ROM22及びRAM23は、バス24を介して相互に接続されている。このバス24にはまた、入出力インターフェース25も接続されている。入出力インターフェース25には、出力部26、入力部27、記憶部28、通信部29及びドライブ30が接続されている。
【0024】
出力部26は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部27は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部28は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部29は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図6の例では購入者端末12、店舗端末13及び配送会社端末14)との間で行う通信を制御する。
【0025】
ドライブ30は、必要に応じて設けられる。ドライブ30には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア41が適宜装着される。ドライブ30によってリムーバブルメディア41から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部28にインストールされる。また、リムーバブルメディア41は、記憶部28に記憶されている各種データも、記憶部28と同様に記憶することができる。
【0026】
なお、図示はしないが、図6の情報処理システムのうち、本発明の一実施形態としての購入者端末12、店舗端末13及び配送会社端末14も、図7に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有している。
【0027】
図8は、サービス提供者サーバ11の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0028】
図8に示すように、サービス提供者サーバ11においては、配送依頼データ取り込み部51と、配送サイズ自動選定部52と、最適化部53と、送り状発行部54と、受付・承認部55とが機能する。
【0029】
配送依頼データ取り込み部51は、店舗端末13から、配送依頼データを取り込む。
具体的には、配送依頼データ取り込み部51は、店舗端末13の受注CSVの取り込みを行い、受注情報テーブルに対してデータを挿入する。なお、配送依頼データ取り込み部51は、配送データを取り込む際に、不足項目等がある際に受注情報の変更を行う。このとき、配送依頼データ取り込み部51は、商品カテゴリを付与する場合は事前に登録のある商品カテゴリから選択する。
配送サイズ自動選定部52は、取り込んだ配送依頼データに基づいて、配送サイズを自動的に選定する。
【0030】
ここで、配送サイズの自動選定の方法の詳細を説明する。
図9は、配送サイズ自動選定の方法を示す図である。
図9の示す通り、配送サイズ自動選定の方法として、2つの選定方法がある。
第1の選定方法は、INPUTに商品型番を利用する。その次に、PROCESSとして、第1に、商品のマスタデータより商品のカテゴリおよび重量、3辺計、われもの等の配送関連情報を抽出する。第2に、実質量と換算重量を算出する。第3に、「カテゴリ」、「実質量」、「換算重量」、「われもの」等を付与する。そして、OUTPUTとして、ユニット配送サイズを決定する。
通常は第1の選定方法のみであるが、例えば引っ越し等で家電製品をまとめ買いしたように、同日の(時間帯)で同一目的地となるユニットが複数個(その数を「個口数」と呼ぶ)がある場合、次の第2の選定方法も採用される。
第2の選定方法は、INPUTに個口数を利用する。その次に、PROCESSとして、同日の(時間帯)で同一目的地となるものをまとめる。そして、OUTPUTとして、配送サイズを決定する。
【0031】
このようにして決定されたユニット配送サイズ(必要に応じて配送サイズ)により、商品の配送に係る料金(以下、「配送料金」と呼ぶ)が決定される。
先ず、商品の配送に関する基本料金を説明する。
図10は、商品の配送に関する基本料金を示す図である。この基本料金を採用することで、簡単かつ即座に配送料金を決定することができる。即ち、配送サイズ自動選定部52は、図10の商品マスタデータを採用することで、配送サイズから配送重量を即座に選定すると共に、基本料金を配送料金として決定することもできる。
図10の示す通り、例えば、取扱商品がテレビであり、サイズ等が31型以下である場合には、配送サイズ自動選定部52は、配送重量を20kgと直ちに求め、基本料金として、50Km、100Km、150Kmと距離に関わらず、一律4,000円と算出することができる。
また、例えば、取扱商品が洗濯機であり、サイズ等が二槽式である場合には、配送サイズ自動選定部52は、配送重量が100kgと直ちに求め、配送料金として、50Km、100Km、150Kmと距離に関わらず、一律に5,000円と算出することができる。
このように、配送サイズ自動選定部52は、図10に示す基本料金表に基づいて、配送料金を決定することもできる。
【0032】
ここで、図10に示す配送重量は、図11に示す換算重量が採用されている。
図11は、換算重量を算出する表の図である。
図11の例では、メーカーの多少の差異は吸収して、家電の各サイズの代表値により換算重量が予め算出されている。
即ち、図11の例の表を用いることで、対象商品とサイズ等を入力さえすれば、配送サイズ自動選定部52は、即座に換算重量を求めることができる。
【0033】
しかし、配送会社等によっては、家電のサイズのみで一律の換算重量を使うのではなく、実際の製品にみあった換算重量が求められることがある。そのような場合、図12に示す様に、各メーカーの各型番(商品名)ごとに別々に換算重量を求めればよい。
図12は、各メーカーの各型番(商品名)ごとの換算重量を算出する表の図である。
配送サイズ自動選定部52は、図12の表に基づいて、各メーカーの各型番(商品名)ごとの換算重量を算出する。
図12の示す通り、例えば、テレビの同一サイズ、例えばサイズが31型以下であっても、各型番(商品名)ごとに、幅、高さ、及び奥行等が微妙に異なるため、夫々の換算重量が異なることがわかる。
また、配送会社によっては、換算重量ではなく実際の重量に基づいて配送料金を決定しているところもある。そのような場合、図12の重量の項目を採用すればよい。
【0034】
図8に戻り、最適化部53は、購入者にとって最適なリードタイム、運賃及びサービス品質を最適化するものである。
具体的には、最適化部53は、時間、距離、配送料金、配送品質、受取便利性、及びサポートの手厚さを目的関数として、これらの目的関数のうち少なくとも1つを可変パラメータとして用いて、集荷配送、幹線配送及び個宅配送の第1のパターン、幹線集荷配送及び個宅配送の第2のパターン、集荷及び幹線個宅配送の第3のパターン、個宅配送の第4のパターンについて、所定の最適条件を満たすように、事業者及び目的関数のパラメータの値を決定する。
【0035】
図13は、最適化部53による最適化を行う方法の一例を示す図である。
図13の示す通り、顧客価値を満たすような最適化が行われる。
顧客価値は、リードタイム、運賃及びサービス品質に分類することが可能である。
そこで、リードタイムの目的関数としては、時間と距離を採用することができる。運賃の目的関数としては、配送料金を採用することができる。サービス価値としては、配送品質、受取便利性、及びサポートの手厚さを採用することができる。
なお、前記顧客価値は、購入者にとっての価値に限定されず、荷主である店舗にとっての価値も含むことができる。例えば、配送料金が安いことは、店舗が配送料を負担する場合には店舗にとっての価値となり、リードタイムが短いことは、より早く購入者に商品を届けることができるという価値となる。そのため、最適化部53は、購入者のみではなく店舗にとっての価値を満たす最適化を行うことも可能である。
この目的関数のパラメータは、配送会社(図6の例では配送会社H1乃至Hp)ごとに別途独立した固有値となっている。具体的には、時間に関するパラメータが発着LTであり、距離に関するパラメータが配送距離であり、配送料金に関するパラメータが配送料金であり、配送品質に関するパラメータが、事故率や、遅配率や、口コミ評価である。受取利便性に関するパラメータが、配送可能時間や、時間指定レンジや、対応受取方法である。サポートの手厚さに関するパラメータが、サポート項目である。
【0036】
最適化部53は、最適化する処理において、上述の時間、距離、配送料金、配送品質、受取便利性、及びサポートの手厚さの各目的関数のうち、少なくとも1つの目的関数のパラメータを変動要素として用いる。
ここで、最適化内容のパターンとして、上述した様に、3事業者の集荷+幹線+個配の第1パターン、2事業者の幹線集荷+個配の第2パターン、2事業者の集荷+幹線個配の第3パターン、1事業者の個配の第4パターンが存在する。
そこで、最適化部53は、上記4つのパターンについて、所定の最適条件を満たすように、事業者及び目的関数のパラメータの値を決定する。
具体的には、図13に示す通り、最適化部53は、上記4つのパターンについて、各配送会社(図6の例では配送会社H1乃至Hp)の組合せを夫々求め、各組合せにおける各目的関数のパラメータの集計値を算出し、最高値と最低値を求める。つまり、この最高値又は最低値を満たす組合せというのが、所定の最低条件の1つとして採用されている。
ここで、最適化部53は、各目的関数に対して、購入者Bによって入力されたしきい値内で優先されるパラメータの順に並べた選択肢を提示する。なお、しきい値は、購入者の要望に合うよう店舗Sが入力してもよい。また、各目的関数のうち店舗Sの要望を反映する目的関数を設定した場合は、当該目的関数については店舗Sがしきい値を入力する。
ここで、例えば時間であれば、購入者Bが1週間以内の配送を望む場合、「1週間」がしきい値になる。つまり、どんなに配送料金が安くても、配送まで1週間を超えるような組合せでは、最適なものとはならない。
また、購入者Bによっては、時間はかかってもよいから、可能な限り配送料金を安くすることを所望するならば、優先されるパラメータの順番は、配送料金、時間の順になる。この場合、例えば集計値が同一ならば、優先度の高い配送料金が安い方の組合せが最適なものとして選択される。或いは、優先度に応じて各パラメータを重み付けした上で集計するようにしてもよい。
このようにして、最適化部53は、最適な組み合わせを求めると、その最適な組み合わせで配送した場合における配送時間の自動計算を行う。具体的には、最適化部53は、最適化で選択された組合せにおける配送LTの合計値を配送時間として算出する。
さらに、最適化部53は、配送料金の自動計算も行う。具体的には、最適化部53は、最適化で選択された組合せにおける配送手段の合計値を配送料金として算出する。
【0037】
より具体的には、最適化部53においては、図8に示す様に、配送条件取り込み部61と、候補抽出・選択部62と、確定条件提示部63とが機能する。
【0038】
配送条件取り込み部61は、配送サイズ自動選定部52より自動選定された配送サイズの条件を取り込む。
【0039】
候補抽出・選択部62は、店舗S及び購入者Bに対して、集荷・配送可能な配送会社Hを抽出し、運賃をもとに配送会社Hを選択する。
具体的な配送会社の抽出・選択方法は以下の通りである。
なお、配送会社の抽出・選択方法は、目的関数と優先パラメータによって毎回ロジックがことなるため、今回説明するのは、そのロジックの一態様である。
第1に、候補抽出・選択部62は、店舗Sと事前に紐付いた集荷会社を選定する。
ここで、集荷会社とは、店舗Sから商品を集荷配送が可能な配送会社ある。つまり、店舗Sは、ここで取得された集荷会社を利用して、商品を集荷する。
第2に、候補抽出・選択部62は、届け先から設置配送可能な設置会社を選定する。
ここで、設置会社とは、商品の設置工事が可能な配送会社を意味する。つまり、店舗Sは、ここで取得された設置会社を利用して、エアコン等の大型商品の設置を行うのである。
具体的には、候補抽出・選択部62は、受注情報テーブルの届け先情報を取得し、配送会社の配送エリアマスタを参照して設置可能な配送会社を取得する。なお、代引きかどうかによって取得方法は異なる。
この場合、候補抽出・選択部62は、配送会社の候補がいなければ配送は不可能と判定する。
第3に、候補抽出・選択部62は、判定された集荷会社と設置会社を比較し、一致するかどうかを判定する。この場合、候補抽出・選択部62は、集荷会社と設置会社が一致すれば配送会社を確定する。
対して、候補抽出・選択部62は、集荷会社と設置会社が一致しなければ、設置会社の拠点・倉庫が集荷会社の配送エリアにあるか判定する。
具体的には、候補抽出・選択部62は、候補設置会社の拠点・倉庫マスタから郵便番号を取得し、候補集荷会社の配送エリアマスタを参照して配達可能かどうかを判定する。
第4に、候補抽出・選択部62は、集荷会社と設置会社が紐付くかどうかを判定する。この場合、候補抽出・選択部62は、集荷会社と設置会社が紐付く場合には、会社を確定する。
対して、候補抽出・選択部62は、集荷会社と設置会社が紐付かない場合には、店舗Sと事前に紐付いた拠点・倉庫があり、設置会社の拠点・倉庫に配送可能な幹線会社を判定する。
ここで、幹線会社とは、集荷会社から商品を受け取り、設置会社へと幹線配送する配送会社である。
具体的には、候補抽出・選択部62は、店舗Sと紐付いた幹線会社の拠点・倉庫を取得し、候補設置会社の拠点・倉庫マスタから郵便番号を取得し、幹線会社の配送エリアマスタを参照して設置会社に配送可能かどうかを取得する。
第5に、候補抽出・選択部62は、配送可能かどうかを判定する。この場合、配送可能であれば、候補抽出・選択部62は、会社を確定する。
対して、配送不可能であれば、候補抽出・選択部62は、配送は不可能と判定する。
【0040】
確定条件提示部63は、確定した配送条件を購入者端末12と送り状発行部54に提示する。
【0041】
送り状発行部54は、配送会社端末14−1、配送会社端末14−2、配送会社端末14−3及び受付・承認部55に対し、送り状を発行する。ここで、配送会社端末14−1は、集荷配送を担当する配送会社HA(上述の集荷会社)の端末をいう。配送会社端末14−2は、幹線配送を担当する配送会社HB(上述の幹線会社)の端末をいう。配送会社端末14−3は、個宅配送を担当する配送会社HC(上述の設置会社)の端末をいう。
具体的には、送り状発行部54は、配送会社端末14−1、配送会社端末14−2、配送会社端末14−3及び受付・承認部55に対し、受注情報と店舗情報、配送会社ごとの配送情報をもとに送り状発行・配送依頼に必要な情報を作成する。
また、送り状発行部54は、配送会社用に伝票番号が必要な場合は事前に登録してある伝票番号範囲から取得する。
【0042】
受付・承認部55は、送り状発行部54、配送会社端末14−1、配送会社端末14−2及び配送会社端末14−3から配送会社ごとの配送依頼に対する受付を行い、その受付を承認する。
また、受付・承認部55は、配送情報のステータスもしくはコメントの更新を行い、更新した情報を店舗端末13に引き渡す。
さらに、受付・承認部55は、配送会社からの請求金額を配送情報にマッチングを行い、取り込みを行う。
【0043】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0044】
例えば、配送ルートの検索方法や結果の表示方法は、特に上述した実施形態に限定されない。そこで以下、図14乃至図19を参照しつつ、上述の実施形態とは異なる手法が採用された他の実施形態についていくつか説明する。
なお、以降の実施形態において、配送料金を算出する方法は、上述の図10で説明した配送料金を算出する方法とは、異なるものである。つまり、以降の実施形態における、配送料金は、配送ルート及び配送会社ごとに別途算出されるものである。
【0045】
図14は、図1の手配システムの店舗向けの配送依頼画面の一例であって、図3の例とは異なる例を示す図である。
なお、図14は、店舗Sが配送の前提条件となる所定の条件を入力する項目(「必須前提条件1」、「必須前提条件2」、「表示順」)の入力項目が表示されている点で図3と異なる。
ここで、「受注日」、「受注番号」、「サブ受注番号」、「商品カテゴリ」、「サイズ」、「幅、奥行、高さ」の項目は、図3の場合と同様であるので、ここでは説明は省略する。
また、「商品名」、「JANコード」、「商品単価」、「商品状態」「商品詳細」の項目については、図示はしていないが、図3の場合と同様に、これらの項目については、店舗Sが適宜入力することができる。
図14の例では、店舗Sが入力可能な前提条件の項目として、上から順に「必須前提条件1」、「必須前提条件2」、「表示順」の項目が設定されている。
「必須前提条件1」とは、例えば、配送料金等、店舗Sが配送ルートを選定するに際して、店舗Sが必須の条件についてプルダウン形式により選択する項目である。ここでは、「必須前提条件1」の種類として「10,000(円)(金額)」が、詳細な条件として「以内(しきい値)」が選択されている。
つまり、検索対象となる配送ルートの1つ目の必須前提条件は、「配送料金が10,000円以内」という条件である。
ここで、図14の例では、「必須前提条件1」に設定された各種条件(例えば、金額)について、数値等を選択する形式は、特に限定されず、例えばプルダウン形式によって、店舗Sに任意の金額を選択させてもよいし、例えば、入力ボックスを設定し店舗Sに任意の金額を入力させてもよい。
また、図14の例では、「以内」という完全なしきい値を設定して説明を行っているが、特にこれに限定されない。例えば、「前後」というしきい値を設定することでしきい値に一定の幅を設定することも出来る。なお、このようなしきい値の設定は、サービス提供者が任意に選択可能である。
「必須前提条件2」とは、例えば、リードタイム等、店舗Sが配送ルートを選定するに際して、店舗Sが必須の条件についてプルダウン形式により選択する項目である。ここでは、必須前提条件の種類として「リードタイム」が、詳細な条件として「4日以内」が選択されている。
つまり、検索対象となる配送ルートの2つ目の必須前提条件は、「リードタイムが4日以内」という条件である。
なお、「必須前提条件2」についても、各種条件について、数値等を選択する形式は、特に限定されず、店舗Sにプルダウン形式で選択させてもよいし、入力ボックスに入力させてもよい。また、しきい値について一定の幅を持たせることも可能である。
次に、「表示順」とは、「必須前提条件1」及び「必須前提条件2」によって選定された配送ルートを店舗Sに表示する順番について選定する。ここでは、「表示順」として、「料金の安い順」が選定されているため、店舗Sには、配送料金が10,000円以内、かつリードタイムが4日以内の配送ルートが、料金の安い順に表示されることになる。
【0046】
このような図14の画面の入力内容に基づいて、図8に示す機能的構成を有するサービス提供者サーバ11は、配送ルートの候補を提案(推薦)することができる。このような配送ルートの候補を提案するためにサービス提供者サーバ11が行う処理を、以下「配送手配処理」と呼ぶ。
【0047】
図15は、図14の画面の入力内容に基づいて配送手配処理が実行された結果を示す、配送ルートの候補を提案する表示画面の一例を示す図である。
図15を見ると、「必須前提条件1」として選定された「配送料金が10,000円以内」と「必須前提条件2」として選定された「リードタイムが4日以内」という条件に該当する配送ルートを料金の安い順に左から表示している。
配送手配処理の詳細は図16を参照して後述するが、図14の画面の入力内容、即ち配送料金が10,000円以内、かつリードタイムが4日以内という条件に基づいて配送手配処理が実行された結果、ルート1乃至ルート3が配送ルートの候補として決定されたものとする。つまり、「必須前提条件1」、「必須前提条件2」を満たす配送ルートの候補は、ルート1乃至ルート3の合計3件存在するものとする。この場合、このルート1乃至ルート3の3件の配送ルートが料金の安い順に店舗Sに表示される。
具体的には例えば、ルート1の例では、商品の集荷配送担当の配送会社を配送会社E、幹線配送担当の配送会社を配送会社H、及び設置配送担当の配送会社を配送会社Aの組み合わせからなるルートが、配送ルートの候補として選定されている。そして、このような配送会社の組み合わせのルートで商品を配送した場合の料金は、7,000円であることがわかる。ルート2及びルート3についても、店舗S(担当者等)は、図15の表示画面を視認することで、ルート1と同様の内容がわかる。
このように、店舗Sは、前提条件を入力すると、当該前提条件を満たす複数の配送ルートが候補として提示されるので、これらの候補の中から所望のもの、即ち、店舗Sや購入者Bの希望する条件が反映された配送ルートの候補を選定することができる。
【0048】
図16は、図14及び図15の表示画面を用いる配送手配処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
サービス提供者サーバ11では、配送手配処理として、次のような一連の処理が実行される。なお、本実施形態にいう、商品は、例えばエアコン等、設置が必要な大型の商品であることが前提となっている。
【0049】
ステップS1において、配送条件取り込み部61は、配送条件と商品情報を取得する。
即ち、配送条件取り込み部61は、配送サイズ自動選定部52より自動選定された配送サイズの条件を取り込む。
さらに、配送条件取り込み部61は、店舗端末3から送信されてきた店舗Sによる配送についての希望条件(以下、「配送条件」と呼ぶ)と、(上述の配送サイズの条件を含む)商品に関する各種情報(以下、「商品情報」と呼ぶ)を取得する。
なお、ここでいう、配送条件は、図14の必須前提条件1及び2に対応し、商品情報は、図14の荷物情報に対応する。
【0050】
ステップS2において、候補抽出・選択部62は、ステップS1で取得された配送条件及び商品情報に基づいて、対応できる設置会社を選定する。
即ち、候補抽出・選択部62は、例えば、商品情報として、「お届け先:北海道」、「商品のカテゴリ:冷蔵庫」、「商品サイズ:450L」、「代引き:なし」、「リサイクル:なし」、「サービス内容:設置配送」という商品情報がに取得された場合、これらに対応可能な設置会社を選定する。
【0051】
ステップS3において、候補抽出・選択部62は、ステップS2で選定した設置会社1社で運べるか否か、即ち、当該設定会社1社のみで商品を配送できるか否かを判定する。
より具体的には、候補抽出・選択部62は、集荷配送、幹線配送、及び設置配送を当該設置会社のみで担当できるか否かを判定する。なお、配送距離が近距離のため、当該設置会社1社のみで担当できる場合もある。
当該設置会社が1社のみで担当できれば、ステップS3においてYESであると判定されて処理はステップS5に進む。なお、ステップS5以降の処理については後述する。
これに対して、当該設置会社のみで担当できなければ、ステップS3においてNOであると判定されて、処理はステップS4に進む。
【0052】
ステップS4において、候補抽出・選択部62は、店舗Sから商品を集荷可能な集荷会社を選定する。
なお、ここで候補抽出・選択部62が、集荷会社を選定する方法は、図13を用いて説明を行った前述の方法でもよいし、それ以外の方法でも構わない。
【0053】
ステップS6において、候補抽出・選択部62は、ステップS4において選定した集荷会社が上述の設置会社まで商品を配送できるか否か、即ち上述のステップS4で集荷会社として選定された会社が、幹線会社としても商品を配送できるか否を判定する。なお、配送距離との関係で、幹線配送が不要である場合もある。
当該集荷会社が当該設置会社まで商品を配送できれば、ステップS6においてYESと判定されて、処理はステップS8へ進む。なお、ステップS8以降の処理については、後述する。
【0054】
ステップS6で、上述の集荷会社が上述の設置会社まで商品を配送できない場合、即ち、上述のステップS4で集荷会社として選定された会社が、上述の幹線会社として商品を配送できないと判定された場合(NOの場合)、処理はステップS7に進む。
ステップS7において、候補抽出・選択部62は、集荷会社から商品を受け取り、設置会社へと商品を配送する幹線会社を選定する。
【0055】
これに対して、ステップS6で、上述の集荷会社が上述の設置会社まで商品を配送できる場合、即ち、上述の集荷会社が上述の設置会社まで商品を配送できると判定された場合(YESの場合)、処理はステップS8に進む。
ステップS8において、候補抽出・選択部62は、集荷会社と設置会社の2社で商品を配送するルートを配送ルートとして追加する。
【0056】
なお、図16のフローチャートでは、ステップS6の判定処理でYES、NOの場合、択一的な処理が実行されるようにしているが、図19を用いて後述するように、YESの場合、候補抽出・選択部62は、ステップS8以外に、ステップS7の処理も実行して、複数の配送ルートの候補を総合的に選定するようにしてもよい。
【0057】
また、上述のステップS3で、設置会社が1社のみで配送することができると判定された場合、即ち、上述のステップS2で設置会社として選定された会社が1社のみで商品を最後まで配送できると判定された場合(YESの場合)、処理はステップS5に進む。
ステップS5において、候補抽出・選択部62は、設置会社1社のみで配送するルートを配送ルートの候補に追加する。
なお、前述の場合と同様、ステップS3の判定処理でYES、NOの場合、択一的な処理が実行されるようにしているが、図19を用いて後述するように、YESの場合、候補抽出・選択部62は、ステップS5以外に、ステップS4の処理も実行して、複数の配送ルートの候補を総合的に選定するようにしてもよい。
【0058】
このようにして、ステップS5、S7又はS8の処理が終了すると、処理はステップS9に進む。
ステップS9において、候補抽出・選択部62は、ステップS1乃至S8で選定されたパターン(利用する配送会社の組み合わせ)での配送料金及びリードタイムを計算する。
ここで、当該選定されたパターン(利用する配送会社の組み合わせ)を以降の説明では、「配送ルート」と呼び説明を行う。
なお、配送料金及びリードタイムを計算する方法は、図10等を用いて説明を行った前述の方法でもよいし、それ以外の方法でも構わない。
そして、候補抽出・選択部62は、上記計算から店舗S(または購入者B)が希望する条件に見合った配送ルートを提案する。
ここで、上述のステップS3乃至S9までの処理について簡単に説明する。
例えば、ステップS2で候補抽出・選択部62が複数の設置会社を選択した場合、候補抽出・選択部62は、選択した全ての設置会社について同時にステップS3の処理を実行するのではなく、1社ずつ夫々、ステップS3乃至S8の処理を行い、配送ルートの候補を抽出することができる。
なお、ステップS4においても同様に、候補抽出・選択部62が複数の集荷会社を選択した場合についても、選定された集荷会社ごとにつき夫々、ステップS6及至ステップS8の処理を繰り返すことができる。
【0059】
ステップS10において、候補抽出・選択部62は、ステップS1乃至S9で選定された配送ルートを担う各種配送会社(設置会社、集荷会社、幹線会社)の特殊条件を確認する。
ここで、特殊条件とは、例えば、配送(配達)の時間指定、祝日配送、クオリティー(事故率)等の条件である。なお、図15の例では、このようにして確認された特殊条件の内容が、各配送会社の表記と共に表示されている。つまり、図15の例では、配送会社のクオリティー(事故率)を三段階で評価した評価の結果等が合わせて表示されている。
なお、候補抽出・選択部62は、店舗S(または購入者B)の配送条件に近い配送ルートから配送ルートの候補を選定する。
【0060】
ステップS11において、確定条件提示部63は、ステップS1で取得された店舗S(または購入者B)の希望する配送条件に合致する配送ルートの候補を提案する。
なお、例えば、配送ルートの候補の提案は、下記のような方法で表示される。
つまり、ステップS2及至S10で決定された配送ルートの候補を、店舗S(または購入者B)が希望する所定の表示順に従って、表示する。具体的には、例えば、図15に示すように、店舗Sに対して、配送ルートの候補を料金が安い順に、左から順に表示する。
なお、配送条件を満たす配送ルートが1つだけの場合には、1つだけ表示する。
【0061】
店舗Sは、このようにして提案された配送ルートの候補のうちから任意の一の配送ルートを選定する。そして、この店舗Sによって選定された配送ルートに関する情報(以下、「最終配送ルート情報」と呼ぶ)は、店舗端末13からサービス提供者サーバ11に送信されてくる。
【0062】
ステップS12において、確定条件提示部63は、店舗端末13から送信されてきた最終配送ルート情報を取得する。そして、確定条件提示部63は、この最終配送ルート情報から配送を依頼するために必要となる各種情報(以下、配送依頼情報と呼ぶ)を生成し、店舗端末13に提示する。
これにより、ステップS1乃至S11による配送依頼が完了となる。
【0063】
ステップS13において、サービス提供者サーバ11は、処理の終了指示があったか否かを判断する。ここで、処理の終了指示は、特に限定されないが、本実施形態ではサービス提供者サーバ11のいわゆるスリープ状態等への移行指示が採用されている。つまり、サービス提供者サーバ11においてスリープ状態等への移行指示がなされない限り、ステップS13においてNOであると判断されて処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、サービス提供者サーバ11においてスリープ状態等への移行指示がなされると、ステップS13においてYESであると判断されて、配送手配処理は終了になる。
【0064】
同様に、図17及び図18は、上述の店舗Sにより入力された「必須前提条件1」、「必須前提条件2」に該当する配送ルートの候補が存在しなかった場合の実施形態である。
図17は、店舗Sからの配送依頼の結果の表示画面の一例であって、図3図15の例とは異なる例を示す図である。
なお、上述の実施形態として説明した図14については、本実施形態においてもそのまま適用が可能であるため、これらの図面の説明は省略する。
ここで、前提として、店舗Sは「必須前提条件1」として「配送料金が10,000円以内」、「必須前提条件2」として「リードタイムが3日以内」、「表示順」として「料金の安い順」が選定しているものとして、説明を行う。
図17の例は、店舗Sが「必須前提条件2」として選定した「リードタイムが3日以内」という条件該当する配送ルートが存在しない。
その結果、店舗Sには「該当ルートがありません。」というメッセージと共に、「条件を変更して検索してください」、「下記が推奨ルートになります」というメッセージが表示されている。
店舗Sは、このメッセージの通り、「必須前提条件2」を変更することで、新たに配送ルートの検索を行うことができる。
また、店舗Sは、上述の「必須前提条件2」に近い推奨ルートの中から配送ルートを選定することもできる。
即ち、図17の例では、推奨ルートとして、「リードタイムが4日以内」という条件で検索した場合の配送ルートが、料金の安い順に表示されている。店舗Sは、この「リードタイムが4日以内」という条件で検索した場合の配送ルートから任意の配送ルートを選定することができる。
なお、このような場合に、店舗Sが予め入力した「必須前提条件2(リードタイムが3日以内)」に基づいて、推奨ルートを決定する方法は、特に限定されず、サービス提供者が自由に決定することができる。
例えば、サービス提供者は、「リードタイムが3日以内」という条件で、該当する配送ルートが存在しない場合には、単純にリードタイムを半日だけ延長して、「リードタイムが3.5日以内」という条件で推奨ルートを検索することも自由である。
【0065】
次に、図18は、図14図17に示す配送手配処理の流れを説明するフローチャートである。
サービス提供者サーバ11では、配送手配処理として、次のような一連の処理が実行される。なお、本実施形態にいう、商品は、図16と同様、エアコン等、設置が必要な大型の商品であることが前提となっている。
ステップS31において、配送条件取り込み部61は、配送サイズ自動選定部52より自動選定された配送サイズの条件を取り込む。さらに、配送条件取り込み部61は、店舗端末3から送信されてきた配送条件と商品情報を取得する。
【0066】
ステップS32において、候補抽出・選択部62は、ステップS31で取得された配送条件及び商品情報から設置会社を選定する。
【0067】
ステップS33において、候補抽出・選択部62は、ステップS32で選定した当該設置会社が、1社のみで商品を配送できるか否か、即ち、集荷配送、幹線配送、設置配送を当該設置会社のみで担当できるか否かを判定する。
当該設置会社が1社のみで配送することができなければ、ステップS33においてNOであると判定されて、処理はステップS34に進む。
これに対して、当該設置会社が1社のみで配送することができれば、ステップS33においてYESであると判定されて処理はステップS35に進む。なお、ステップS35以降の処理については後述する。
【0068】
ステップS34において、ステップS33で当該設置会社が1社のみで配送することができないと判定された場合、候補抽出・選択部62は、店舗Sから商品を集荷する集荷会社を選定する。
なお、同様に、候補抽出・選択部62が、集荷会社を選定する方法は、図13を用いて説明を行った前述の方法でもよいし、それ以外の方法でも構わない。
そして、ステップS35において、ステップS33で当該設置会社が1社のみで配送することができると判定された場合、候補抽出・選択部62は、当該設置会社1社のみで配送すること(配送するルート)を決定し、処理はS39に進む。
【0069】
ステップS36において、候補抽出・選択部62は、ステップS34において選定した集荷会社が上述の設置会社まで商品を配送できるか否か、即ち上述のステップS34で集荷会社として選定された会社が、上述の幹線会社として商品を配送できるか否かを判定する。
当該集荷会社が当該設置会社まで商品を配送できれば、ステップS36においてYESと判定されて、処理はステップS38へ進む。なお、ステップS38以降の処理については、後述する。
【0070】
ステップS36で、上述の集荷会社が上述の設置会社まで商品を配送できない場合、即ち、上述のステップS34で集荷会社として選定された会社が、上述の幹線会社として商品を配送できないと判定された場合(NOの場合)、処理はステップS37に進む。
ステップS37において、候補抽出・選択部62は、集荷会社から商品を受け取り、設置会社へと商品を配送する幹線会社を選定する。
【0071】
ステップS38において、候補抽出・選択部62は、集荷会社と設置会社の2社で商品を配送するルートを配送ルートとして追加する。
即ち、候補抽出・選択部62は、集荷会社と設置会社の2社で商品を配送する配送ルートを追加する。
【0072】
なお、図16と同様、図18のフローチャートでは、ステップS36の判定処理でYES、NOの場合、択一的な処理が実行されるようにしているが、図19を用いて後述するように、YESの場合、候補抽出・選択部62は、ステップS38以外に、ステップS37の処理も実行して、複数の配送ルートの候補を総合的に選定するようにしてもよい。
【0073】
また、上述のステップS33で、設置会社が1社のみで配送することができると判定された場合、即ち、上述のステップS32で設置会社として選定された会社が1社のみで商品を最後まで配送できると判定された場合(YESの場合)、処理はステップS35に進む。
ステップS35において、候補抽出・選択部62は、設置会社1社のみで配送するルートを追加する。
なお、上述の場合と同様、図18のフローチャートでは、ステップS33の判定処理でYES、NOの場合、択一的な処理が実行されるようにしているが、図19を用いて後述するように、YESの場合、候補抽出・選択部62は、ステップS35以外に、ステップS34の処理も実行して、複数の配送ルートの候補を総合的に選定するようにしてもよい。
【0074】
このようにして、ステップS35、S37又はS38の処理が終了すると、処理はステップS39に進む。
ステップS39において、候補抽出・選択部62は、ステップS31乃至S38で選定されたパターン(利用する配送会社の組み合わせ)での配送料金及びリードタイムを計算する。
なお、同様に、配送料金及びリードタイムを計算する方法は、図10等を用いて説明を行った前述の方法でもよいし、それ以外の方法でも構わない。
そして、候補抽出・選択部62は、上記計算から店舗S(または購入者B)が希望する条件に見合った配送ルートを提案する。
なお、図16の例と同様に、ステップS32で候補抽出・選択部62が複数の設置会社を選択した場合、候補抽出・選択部62は、選択した全ての設置会社について同時にステップS33の処理を実行するのではなく、1社ずつ夫々、ステップS33乃至S38の処理を行い、配送ルートの候補を抽出することができる。
【0075】
ステップS40において、候補抽出・選択部62は、ステップS31乃至S38で選定された配送ルートを担う各種配送会社(設置会社、集荷会社、幹線会社)の特殊条件を確認する。なお、図17の例でも同様に、配送会社のクオリティー(事故率)を三段階で評価した評価の結果等が合わせて表示されている。
【0076】
ステップS41において、確定条件提示部63は、店舗S(または購入者B)の希望する配送条件に対応できる配送ルートが存在するか否かを判定する。
即ち、確定条件提示部63は、ステップS31乃至S40の処理で、店舗S(または購入者B)の希望する配送条件に合致する各種配送会社(設置会社、集荷会社、幹線会社)の組み合わせが存在するか否かを判定する。
配送ルートが存在しない場合、ステップS41において、NOであると判定されて、処理はステップS42に進む。
これに対して、配送ルートが存在する場合、ステップS41においてYESと判定されて、処理はステップS43へ進む。なお、ステップS43以降の処理については、後述する。
【0077】
ステップS42において、確定条件提示部63は、店舗S(または購入者B)の希望する配送条件に対応できる配送ルートがない旨を店舗端末13に通知する。
即ち、店舗端末13では、サービス提供者サーバ11からの通知を受けて、図示せぬ表示部に「該当する配送ルートがありません。」と表示する。
【0078】
ステップS43において、確定条件提示部63は、ステップS31で取得された店舗S(または購入者B)の希望する配送条件から推奨される配送ルートの候補を提案する。
ここで、図16の例と同様に、候補抽出・選択部62は、店舗S(または購入者B)の配送条件に近い配送ルートから配送ルートの候補を選定する。
なお、例えば、配送ルートの候補の提案は、以下に記載する方法で表示される。
つまり、上述の推奨される配送ルートの候補を、店舗S(または購入者B)の希望する所定の表示順に従って、表示する。具体的には、例えば、図15に示すように、店舗Sに対して、配送ルートの候補を料金が安い順に、左から順に表示する。
なお、配送条件を満たす配送ルートが1つだけの場合には、1つだけ表示する。
【0079】
さらに、図16の場合と同様に、店舗Sによって選定された最終配送ルート情報が、店舗端末13からサービス提供者サーバ11に送信されてくる。
【0080】
ステップS44において、確定条件提示部63は、店舗端末13から送信されてきた最終配送ルート情報を取得する。そして、確定条件提示部63は、この最終配送ルート情報から配送依頼情報を生成し、店舗端末13に提示する。
これにより、ステップS31乃至S43による配送依頼が完了となる。
【0081】
ステップS45において、サービス提供者サーバ11は、処理の終了指示があったか否かを判断する。ここで、処理の終了指示は、特に限定されないが、本実施形態ではサービス提供者サーバ11のいわゆるスリープ状態等への移行指示が採用されている。
つまり、サービス提供者サーバ11においてスリープ状態等への移行指示がなされない限り、ステップS45においてNOであると判断されて処理はステップS31に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、サービス提供者サーバ11においてスリープ状態等への移行指示がなされると、ステップS45においてYESであると判断されて、配送手配処理は終了になる。
【0082】
図19は、サービス提供者サーバ11が実行する配送手配処理の流れの一例を説明する図であり、図16図18の例とは異なる例を示す図である。
ここで、本例におけるステップS51、ステップS52、ステップS59、ステップS60、ステップG61、ステップG62については、図16及び図18の各種対応するステップと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0083】
ステップS53において、候補抽出・選択部62は、ステップS52で選定した設置会社が店舗Sへ集荷配送できるかを確認する。
ステップS53の処理で確認が終了すると、処理はステップS54−1に進む。さらに、配送できる場合には、ステップS54−2の処理も実行される。
【0084】
ステップS54−2において、候補抽出・選択部62は、ステップS52で選定した設置会社が店舗Sへ集荷配送できる場合には、当該設置会社1社で運べる配送ルートを作成し、その情報を図示せぬ配送ルートDBに格納する。
さらに、ステップS54−1において、候補抽出・選択部62は、ステップS52で選定した設置会社が店舗Sへ集荷できる場合、できない場合に関わらず集荷会社を選定する。
【0085】
ステップS55において、候補抽出・選択部62は、集荷会社が設置会社まで配送できるかを確認する。
ステップS55の処理で確認が終了すると、処理はステップS56−1に進む。さらに、配送できる場合には、ステップS56−2の処理も実行される。
【0086】
ステップS56−2において、候補抽出・選択部62は、ステップS54−1で選定した集荷会社が設置会社まで配送できる場合には、当該集荷会社と当該設置会社の2社で運べる配送ルートを作成し、その情報を図示せぬ配送ルートDBに格納する。
さらに、ステップS56−1において、候補抽出・選択部62は、ステップS54−1で選定した集荷会社が設置会社まで配送できる場合、できない場合に関わらず幹線会社を選定する。
【0087】
ステップS57において、候補抽出・選択部62は、ステップS52で選定した設置会社と、ステップS54−1で選定した集荷会社と、ステップS56−1で選定した幹線会社の3社で運べる配送ルートを作成し、その情報を図示せぬ配送ルートDBに格納する。
【0088】
ステップS58において、候補抽出・選択部62は、図示せぬ配送ルートDBから配送ルートの候補を抽出する。ステップS59以降の処理では、このように抽出された配送ルートの候補に対して、図16及び図18と同様の処理が実行される。
ここで、図19では、図18のステップS41、ステップS42に相当するステップは記載していないが、特にこれに限定されない。サービス提供者は、当然ながら、ステップS41、ステップS42に相当するステップを付け加えることも自由である。
【0089】
ここで、上述の実施形態では、配送会社の選定に際して、最初に設置会社を選定し、その後に幹線会社、集荷会社の順で選定を行っているが、特にこれに限定されない。例えば、最初に集荷会社を選定し、その後に幹線会社、設置会社の順で選定してもよいし、最初に幹線会社を選定し、その後に設置会社、集荷会社の順で選定してもよい。
【0090】
また、上述の実施形態では、各配送会社が配送する対象を商品として、説明を行ったが、特にこれに限定されない。例えば、引っ越し時の荷物等、本発明に係る情報処理システムは、幅広く物品の輸送に適応することができる。
【0091】
また、上述の実施形態では、本サービスの利用者であるユーザを物品の販売等を行う店舗(例えば店舗S)として説明を行ったが、特にこれに限定されない。
つまり、本サービスの利用者であるユーザは、店舗に限らず、商品の購入者等を含む幅広い概念であり、商品の購入者等自身が本サービスを利用することも、勿論可能である。
【0092】
また、上述の図16及び図18の実施形態では、設置会社1社で配送できる場合には、1社での配送ルートを追加するものとして説明を行っているが、特にこれに限定されない。つまり、選定された設置会社1社で配送が可能である場合であっても、集荷会社や幹線会社を選定し、配送ルートの候補に加えることもできる。
同様に、集荷会社と設置会社の2社で配送できる場合であっても、幹線会社を選定し、配送ルートの候補に加えることもできる。
【0093】
また、上述の実施形態では、例えば、商品ごとの基本料金を用いて配送料金を算出する方法や配送ルート(配送会社)ごとに配送料金を算出する方法について説明したが、特にこれに限定されない。
配送料金に関して、例えば、商品の設置工事に関する費用(以下、「設置料金」と呼ぶ)を別途算出して配送料金に加算したり、例えば、特にリードタイムを短縮したい場合(例えば速達便)に、特別料金を加算して配送を行う等のオプションを追加することも可能である。
【0094】
また、上述の実施形態では、候補抽出・選択部62は、店舗S(または購入者B)の配送条件を満たす配送ルートの候補が存在しない場合、当該配送条件に近い配送ルートから配送ルートの候補を選定しているが、特にこれに限定されない。
例えば、候補抽出・選択部62は、新たに店舗Sにより設定された配送条件を用いて、再度、配送ルートを算出することもできる。
【0095】
また例えば、サービス提供者サーバ11は、利用する配送会社の原価情報をマスタデータとして保有しておくことできる。
これにより、取扱商品、換算重量、配送距離、及び集荷、幹線、設置会社が異なる場合に、発生する中継料の有無から各配送会社の配送料金を算出、合算することができる。
つまり、サービス提供者サーバ11の候補抽出・選択部62は、まずは合計原価を自動的に計算する。
そして、候補抽出・選択部62は、計算された合計原価に、各店舗ごとに設定された利益率もしくは、利益額を加算することで、配送料金を自動計算し、利用者に情報提供することができる。
【0096】
また例えば、サービス提供者サーバ11は、配送日程の自動設計も可能である。
例えば、サービス提供者サーバ11の候補抽出・選択部62は、受託可能期間、配送会社の営業日情報、集荷にかかる日数、配送にかかる日数等を算出する(例えば、上述のマスタデータから算出する)。
つまり、候補抽出・選択部62は、土日祝日を加味した「集荷日」、「配送会社倉庫への到着日」、「購入者Bへの配送日」等の詳細な配送日程を自動的に設計することもできる。
【0097】
また例えば、上述の実施形態で説明した「配送会社の選定」の方法には、以下のような要素を付加することもできる。
例えば、候補抽出・選択部62は、配送ルートの候補を選定するにあたり、取扱商品に適した車両の保有状況を考慮することができる。
即ち、候補抽出・選択部62は、配送会社の配送する商品を積載可能なトラックの情報と配送会社ごとの保有車両情報をマスタデータとして保有し、ルートの設計に際して、当該トラックを保有する配送会社を優先的に選定することができる。
具体的に、例えば、候補抽出・選択部62は、取扱商品が650Lサイズの冷蔵庫の場合、実重量で100kg超、高さが190cm超となるため、4トン車の保有かつパワーゲート(登録商標)車両を保有していることが優先条件としてセットされ、条件に合う配送会社を優先的に選定することができる。
【0098】
また例えば、上述の実施形態で説明した「配送会社の選定」の方法には、以下のような要素を付加することもできる。
例えば、候補抽出・選択部62は、取扱商品に適した設備状況を考慮することができる。
つまり、候補抽出・選択部62は、配送会社の倉庫設備情報(高床ホームの有無、重機の有無、荷役担当者の有無、荷受可能時間の有無、荷受混雑率等)を保有(例えば、上述のマスタデータとして保有)することができる。そして、候補抽出・選択部62は、配送する品目の重量もしくは形状により適した設備を持つ配送会社を優先的に選定することができる。
【0099】
また例えば、上述の実施形態で説明した「配送会社の選定」の方法には、以下のような要素を付加することもできる。
例えば、候補抽出・選択部62は、配送会社の受託可能業務を考慮することもできる。
つまり、候補抽出・選択部62は、配送会社の受託可能な業務(配送の可否、設置工事の可否、電気工事の可否、水道工事の可否、代引きの可否、家電リサイクルの可否、不用品回収の可否等)を保有(例えば、上述のマスタデータとして保有)し、ルート設計にあたり配送依頼時の条件として利用することができる。
【0100】
また例えば、上述の実施形態で説明した「配送会社の選定」の方法には、以下のような要素を付加することもできる。
例えば、候補抽出・選択部62は、地域的な事情による受託可能期間を考慮することもできる。
つまり、特定の季節しか設置工事を請け負えない取扱商品の場合、候補抽出・選択部62は、配送会社と取扱商品ごとに設定された受託可能期間を参照し、受託可能期間に該当する配送会社を選定することが出来る。
具体的に、例えば、寒冷地用FF式ストーブの場合、通常、寒冷地では降雪のため特定期間しか設置工事を行うことができない。
例えば、設置会社Aは、3月から9月まで設置工事が可能であるのに対して、設置会社Bは、3月から10月まで設置工事が可能であったとする。この場合、配送依頼日が10月15日であれば、候補抽出・選択部62は、設置会社Bを優先的に選択することができるのである。
【0101】
また、図8の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図8の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図8に特に限定されず、任意でよい。例えば、サービス提供者サーバ11の機能ブロックを購入者端末12、店舗端末13、配送会社端末14に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0102】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0103】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0104】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0105】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、その時間、距離、配送料金、配送品質、受取便利性、及びサポートの手厚さを夫々目的関数として、これら6つの目的関数のうち少なくとも1つを用いて、
集荷配送、幹線配送及び個宅配送の第1のパターン、幹線集荷配送及び個宅配送の第2のパターン、集荷及び幹線個宅配送の第3のパターン、及び個宅配送の第4のパターンについて、所定の最適条件を満たすように、事業者及び前記目的関数のパラメータの値を決定する最適化手段(例えば図8の最適化部53)と、
を備える情報処理装置であれば足りる。
これにより、時間、距離、配送料金、配送品質、受け取り便利性及びサポートの手厚さ等の目的関数を用いて、商品を購入する購入者ごとに、リードタイム、運賃、サービスの品質を最適化することができる。
【符号の説明】
【0106】
11・・・サービス提供者サーバ、12・・・購入者端末、13・・・店舗端末、14・・・配送会社端末、21・・・CPU、51・・・配送依頼データ取り込み部、52・・・配送サイズ自動選定部、53・・・最適化部、54・・・送り状発行部、55・・・受付・承認部、61・・・配送条件取り込み部、62・・・候補抽出・選択部、63・・・確定条件提示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19