(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-152048(P2017-152048A)
(43)【公開日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】指紋照合による個人認証システム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20170804BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20170804BHJP
G06F 3/0488 20130101ALI20170804BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20170804BHJP
【FI】
G06F21/32
G06F21/31
G06F3/0488
G06F3/01 510
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-96173(P2017-96173)
(22)【出願日】2017年5月15日
(62)【分割の表示】特願2016-30692(P2016-30692)の分割
【原出願日】2016年2月22日
(71)【出願人】
【識別番号】391023688
【氏名又は名称】山岡 健
(72)【発明者】
【氏名】山岡 健
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA04
5E555AA52
5E555AA53
5E555AA71
5E555BA01
5E555BA32
5E555BA38
5E555BA43
5E555BA46
5E555BA53
5E555BB01
5E555BB32
5E555BB38
5E555BC04
5E555BC16
5E555BC17
5E555BD01
5E555CC01
5E555DD07
5E555EA05
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】暗証番号もパスワードも悪意を持つものが時間を掛ければ盗用される要素があり本人のミスによる被害も後を絶たない。
【解決手段】電子商取引の防犯目的で会員を募集し、応募会員の協力のもと作成した「不特定多数の登録者氏名と、各登録者の指定による両手10本の指紋各々の呼称を0から9の数字に変換しデータ化して記録した情報記録媒体」の情報記憶媒体と前記情報記憶媒体の情報読み取り媒体と、読み取った情報を外部に向けて発信する電子情報発信手段とを備えた電子情報配信システムの提供
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを利用した電子情報配信システムの、個人情報守秘を目的とするハードとソフトの融合システム構築方法として、ソフト面では両手10本の指紋各々の呼称を0から9の数字に変換するために、左手親指を1とし左手小指に向かって順次2、3、4、5と数字を割り振り、右手小指を6とし右手親指に向かって順次7,8,9、0と数字を割り振るA1、左手親指を2とし左手小指に向かって順次3、4、5、6と数字を割り振り、右手小指を7とし右手親指に向かって順次8,9、0、1と数字を割り振るA2、以下左手親指を3とし右手小指を8とするA3、左手親指を4とし右手小指を9とするA4、左手親指を5とし右手小指を0とするA5、左手親指を6とし右手小指を1とするA6、左手親指を7とし右手小指を2とするA7、左手親指を8とし右手小指を3とするA8、左手親指を9とし右手小指を4とするA9、左手親指を0とし右手小指を5とするA0のAグループ、以下同様の数字の割り振り方法で、左手親指を1として右手親指を6とするB1からB0のBグループ、右手親指を1として左手子指を6とするC1からC0のCグループ、右手親指を1として左手親指を6とするD1からD0のDグループの4グループ40案の選択肢を提供して、40案の選択肢の中から両手10本の指紋各々の呼称を顧客の意思により決定し登録した「不特定多数の登録者氏名と、各登録者の指定による両手10本の指紋各々の呼称を0から9の数字に変換しデータ化して記録した情報記録媒体」を構築し、ハード面では顧客本人が、不特定多数の登録者氏名と、各登録者の指定による両手10本の指紋各々の呼称を0から9の数字に変換しデータ化して記録する情報記録媒体に、前述の40案中希望の割り振りによる呼称方法を選択して該情報記録媒体に随時に登録や登録の変更をすることで、本人の確固たる意思を自他共に表象して個人情報守秘のための情報管理を強固にする目的の、ハードとソフトの融合システムを構築したことを特徴とする情報記録管理データベースシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを利用した電子情報配信システムにおいて、両手10本の指紋各々の呼称を40案の0から9の数字に変換する
ことで他者からの個人情報入手を困難にし、さらに防犯を目的として暗証番号やパスワードの数字に
応用して採用した、指紋照合による個人認証システムのデータベースサービスに関する。
【背景技術】
【0002】
総務省・地方公共団体情報システム機構より送達の「通知カード」によるマイナンバー制度が開始されると、会社・法人においては社員・職員の給与の銀行振り込みなどでマイナンバーを把握・管理することが必須となり、煩多な雑務の回避目的で「マイナンバーの収集、保管」するIT企業も活動を開始している。国民は申請して本人確認用に「個人番号カード」を取得でき、防犯目的で任意の暗証番号を設定している。「個人番号カード」には最近半年以内に撮影した写真の貼付が義務付けられていて、国際空港では写真と本人とを比較検討する顔認識ソフトが実用化され、ソフトにはすでに十数万人のデータの蓄積があり今後さらに増加する予定である。該ソフト又はその類似ソフトは汎用ソフトとして特定の公的クライアントにデータベースサービスを行うことも予測されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−301844号公報
【特許文献2】特開2004−030334号公報
【特許文献3】特開2010−198211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マイナンバー制度が開始されるのを受け、国民は申請して本人確認用に「個人番号カード」を取得できるが、防犯目的で暗証番号を設定しなければならない。暗証番号は覚えるのが面倒で忘失することもあり、犯罪や事故などに遭遇する確率は銀行カードやキヤッシュカードに準じて推測される。また「個人番号カード」には近影の写真を貼付するが有効期限は10年(未成年者は5年)なので期限内相貌の変容によるトラブルも予測される。国際空港では写真と本人とを比較検討する顔認識ソフトが実用化され、ソフトにはすでに十数万人のデータの蓄積があり今後さらに増加する予定である。顔認識ソフト又はその類似ソフトは汎用ソフトとして特定の公的クライアントにデータベースサービスを行うことが予測されているが、民間企業のサービスにも利用されると様々な問題が提起され、中でも特に危惧されているのが個人情報の流失とその悪用であり、今後更に多様化する情報社会ではIT弱者の高齢者が標的になる可能性が高い。事実2016年2月時点でマイナンバーを利用して不正取得した健康保険証を300通以上保持していた反社会的な団体が警察に摘発されている。会社や銀行がマイナンバーの提出を半ば強制的に求める社会において、マイナンバーの情報は公開に等しく流出はむしろ当然で、この問題を解決するためにはマイナンバー保持者、「個人番号カード」取得者が容易に記憶でき、他者には絶対に真似不可能な本人識別法が必要である。上記の課題はパソコンやスマートホンなどのパスワードにおいても同様である。防犯目的の監視カメラの普及が進み、設置者に送られる映像がインターネット上に公開され物議を醸し、スマートホンと家電をジョイントするアプリでは冷蔵庫の中身までもがインターネット上に流出しているがいずれもパスワードの管理不足に原因がある。認証局の電子証明書も暗証番号が基本であり、暗証番号もパスワードも悪意を持つ者が時間と手間を掛ければ盗用される要素を有し、本人のミスによる被害も予測される。金融と情報技術を融合した金融工学分野の技術革新が進みそれに関連してベンチャー企業によるビジネスが拡大し、ビックデータを活用したさまざまな投資ツール、サイバーセキュリティ技術、暗号通貨決済、所謂フインテックと呼ばれる商取引の大半がキャッシュレスに成るとの未来予測の中で、対面交渉を必要としない電子商取引で効果的な本人識別法が無いことは今後の重大な懸案事項である。また指紋認証に関しては一部の企業や銀行窓口で既にシステム化されファイアオールされたデータベースに厳重保管して運用されているがデータを利用できるのは自社のネットワークのみである。なお悪意ある先端技術は常に良識ある社会に先行し油性のシリコーンはすでに擬似指紋を創作している。
最近マスコミが注目しているのが動画サイトによる指紋の流出である。写真撮影の技術革新により動画内の指紋が他者に判読され悪用される事案が既に起きている。政府がマイナンバー制度を導入した真の目的が赤字国債の永久脱却で有る以上、10年後、20年後の日本がキャッシュレス社会に移行するのは歴史の必然であり、過渡期における混乱と犠牲は計算された事象であるにしてもその被害を最も受けやすいのはインターネット社会の不適合者である。「位置情報」「個人認証」が人体皮膚下に埋没される近未来において、生体情報は一度流出すると変更が難しく本人確定と本人の意思確定には明確な相違が有るのに、人格尊厳の尊重、自由意志の尊重は最重要事案でありながら様々な不安材料と懸案を残している。事実、昨今福祉施設に於ける認知症患者への虐待、金銭搾取は日常化しており係累のない入所者の遺産等は霧散するのが常態化している。犯罪はそれを許す社会に責任が有り、健全な社会とは犯罪を摘発する手段の向上ではなく「罪」を自覚させる教育と環境であり、実質効果的なのは「罪」を犯すのが不可能な社会機構である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、ネットワークを利用した電子情報配信システムにおいて、防犯を目的として両手の10本の指紋各々の呼称を0〜9の数字に変換して、暗証番号やパスワードの数字に採用した、指紋照合による個人認証データベースサービスを提供する。実務としては至近の問題であるマイナンバー制度の防犯目的で会員を募集し、応募会員の協力のもと「
不特定多数の登録者氏名と、
各登録者の指定による両手10本の指紋各々の呼称を0から9の数字に
変換しデータ化して記録した情報記録媒体」のデータファイル、「マイナンバー及び個人番号カードの暗証番号」のデータファイル、
両データファイルの情報を操作する管理サーバー、管理サーバーの情報を読み取り構成管理するプロキシサーバー、プロキシサーバーの情報を読み取る情報提供会社のサーバーで電子情報配信システムを構築し、インターネットでクライアントに配信する「指紋照合による個人認証」データベースサービスで課題を解決するための手段とした。
【発明の効果】
【0006】
2016年2月時点でマイナンバーを利用して不正取得した健康保険証を300通以上保持している反社会的な団体が警察に摘発されているが、両手10本の指紋各々の呼称を任意に0から9に変換して随意に暗証番号とリンクさせれば、マイナンバー制度の導入により提起されるこの様な問題を回避させ、IT弱者の高齢者を保護し、社会の健全な発展を促す効果が期待できる。利用者にとっては指紋と数字の関係を覚えているだけで、簡便に厳重な身分証明に応じることが可能に成り、本人確認を求める側は安心して確実な認証を得られる。指紋に数字が付くことで本人しか知り得ない数字に合致した指紋の提示を求めれば単指に拠る指紋照合も複雑になり秘匿性が増す。銀行等で導入が急激に進む単指による本人確認方法も法人内のネットワークシステムと本発明のデータベースシステムとの連携で一括管理されればセキュリティも厳重になり、各窓口での登録の手間が省け責任の転嫁と事務処理の軽減が図れる。対面交渉の無いパソコンやスマートホンのパスワードの数字に、両手10本の指紋各々の呼称を0〜9に変換して採用すれば個人の識別が容易になり犯罪防止の効果の向上を期待できる。金融と情報技術を融合した金融工学分野の技術革新が進みそれに関連してベンチャー企業によるビジネスが拡大し、ビックデータを活用したさまざまな投資ツール、サイバーセキュリティ技術、暗号通貨決済、所謂フインテックと呼ばれる対面交渉の無い電子商取引特に暗号通貨決済にも効果的な本人識別法となる可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
本発明の電子情報配信システムを図によって説明する。
図1は左右の掌で10本の指とその指紋である。指紋の呼称を数字に変換するために0〜9までの数字を割り振るが、登録する際には登録者本人が任意にその割り振り方法を決定する。基本的な指紋の呼称を数字に変換する割り振り方法は、
40案あり詳細は両手10本の指紋各々の呼称を0から9の数字に変換するために、左手親指を1とし左手小指に向かって順次2、3、4、5と数字を割り振り、右手小指を6とし右手親指に向かって順次7,8,9、0と数字を割り振るA1、左手親指を2
とし左手小指に向かって順次3、4、5、6と数字を割り振り、右手小指を7と
し右手親指に向かって順次8,9、0、1と数字を割り振るA2、
以下左手親指を3とし右手小指を8とするA3、
左手親指を4とし右手小指を9とするA4、
左手親指を5とし右手小指を0とするA5、
左手親指を6とし右手小指を1とするA6、
左手親指を7とし右手小指を2とするA7、
左手親指を8とし右手小指を3とするA8、
左手親指を9とし右手小指を4とするA9、
左手親指を0とし右手小指を5とするA0のAグループ、以下同様の数字の割り振り方法で、左手親指を1として右手親指を6とするB1からB0
のBグループ、右手親指を1として左手子指を6とするC1からC0
のCグループ、右手親指を1として左手親指を6とするD1からD0
のDグループ、
4グループ40案である。上記40案の選択肢を提供して、40案の選択肢の中から両手10本の指紋各々の呼称を顧客の意思により決定し「
不特定多数の登録者氏名と、各登録者の指定による
両手10本の指紋各々の呼称を0から9の数字に変換
しデータ化して記録した情報記録媒体」39に登録する。
【実施例2】
【0009】
図2は本発明の電子情報配信システム43とインターネット31のデータフローダイアグラムである。具体例としてマイナンバーデータシステム41を本発明の電子情報配信システム内に併設した。不特定多数の登録者により登録された氏名・マイナンバー・暗証番号のデータ(以下マイナンバーデータ)22の電子情報を記録するマイナンバーデータファイル37とマイナンバーデータファイル37にアクセスしてデータ入力・検索・削除・更新を行うマイナンバーデータファイル管理サーバー36で構築したマイナンバーデータシステム41、不特定多数の登録者により登録された氏名と実施例1記載の両手の10本の指紋各々の呼称を0から9の任意の数字に変換した指紋のデータ(以下指紋データ)23の電子情報を記録する指紋データファイル39と指紋データファイル39にアクセスしてデータ入力・検索・削除・更新を行う指紋データファイル管理サーバー38で構築した指紋データシステム40、マイナンバーデータシステム41と指紋データシステム40の電子情報を管理し入力される新規情報との比較検討を操作するプロキシサーバー35とマイナンバーデータシステム41、指紋データシステム40で構築した管理運営システム42、プロキシサーバー35にアクセスして電子情報の入力とプロキシサーバー35の電子情報を検索する電子情報提供会社のサーバー32と管理運営システム42で構築した電子情報配信システム43の構築図とインターネット31、電子情報配信システム43とクライアント契約済の端末機器使用法人(以下クライアントの法人)33と電子情報配信システム43にマイナンバーデータ22・指紋データ23を登録済の登録者(以下登録者)34でデータフローダイアグラムを作成している。データフローダイアグラムにおけるデータの処理の流れは以下である。登録者34は自己の氏名・マイナンバー・暗証番号・実施例1記載の呼称を数字に変換した指紋の情報の全てか或いはその一部の情報(以下登録者情報)21をクライアントの法人33に提出して自己の認証を依頼する。依頼を受けたクライアントの法人33はインターネット31を通じて電子情報配信システム43に登録者情報21を送信し、システムが保有するマイナンバーデータ22と指紋データ23との比較検討による認証判定を請求する。請求を受信した電子情報配信システム43はシステム内の電子情報提供会社のサーバー32からプロキシサーバー35にアクセスして登録者情報21を入力する。プロキシサーバー35はマイナンバーデータシステム41と指紋データシステム40にアクセスしてマイナンバーデータファイル管理サーバー36からはマイナンバーデータファイル37の当該登録者34のマイナンバーデータ22を検索し、指紋データファイル管理サーバー38からは指紋データファイル39の当該登録者34の指紋データ23を検索する。マイナンバーデータ22と指紋データ23そして登録者情報21を比較検討した合否結果による認証判定データ24を電子情報提供会社のサーバー32に入力する。電子情報配信システム43はインターネット31を通じてクライアントの法人33に認証判定データ24を送信する。クライアント法人33は受信した認証判定データ24の結果による認証の可否を登録者34に伝える。
【産業上の利用可能性】
【0010】
各団体其々で導入が進む指紋照合システムの窓口と本発明のシステムが連結することで指紋照合のネットワークは急速に拡大し、本人を証明する確実な認証方法として一般的になれば、対面交渉の無い電子商取引の市場はさらに活性化する可能性がある。暗証番号やパスワードの推察が困難になってセキュリティが強固になればフインテック経済特に暗号通貨決済は大きく発展する可能性がある。
【符号の説明】
【0011】
1 左手親指の指紋
2 左手人差し指の指紋
3 左手中指の指紋
4 左手薬指の指紋
5 左手子指の指紋
6 右手子指の指紋
7 右手薬指の指紋
8 右手中指の指紋
9 右手人差し指の指紋
10 右手親指の指紋
11 左手の掌
12 右手の掌
21 登録者情報
22 マイナンバーデータ
23 指紋データ
24 認証判定データ
31 インターネット
32 情報提供会社のサーバー
33 クライアントの法人
34 登録者
35 プロキシサーバー
36 マイナンバーデータファイル管理サーバー
37 マイナンバーデータファイル
38 指紋データファイル管理サーバー
39 指紋データファイル
40 指紋データベースシステム
41 マイナンバーデータベースシステム
42 管理運営システム
43 電子情報配信システム