【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の発明目的、技術案及び技術効果をより明確にするために、図面および実施例を参照しながら、本発明についてさらに詳しく説明する。なお、本明細書に記載されている実施例は、本発明を説明するためのものにすぎない。本発明は、明細書に記載されている実施例に限定されない。
【0018】
実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例2において採用された電池系は、LiCoO
2を陰極とし、黒鉛を陽極とし、さらに、セパレータ、電解液及びパッケージシェルを加えて、実装、化成及びエイジング等のプロセスにより、製造される。ここで、陰極は、96.7%LiCoO
2(陰極活物質として)+1.7%PVDF(接着剤として)+1.6%SP(導電剤として)が混合されることにより構成される。陽極は、98%人造黒鉛(陽極活物質として)+1.0%SBR(接着剤として)+1.0%CMC(増粘剤として)が混合されることにより構成される。セパレータはPP/PE/PP複合膜である。電解液は、有機溶剤(30%EC+30%PC+40%DEC)と1mol/L LiPF
6に加えて、さらに添加剤(0.5%VC、5%FEC、4%VEC)を添加することにより、構成される。
【0019】
25℃の場合、リチウムイオン電池は、満充電容量(SOC)が3400mAh(0.2C)であり、カットオフ電圧V
0が4.4Vである。電池系は、25℃の温度において、陽極にリチウムが析出しない最大の充電電流は1.3Cであり、リチウムが析出しない最低の陽極の電位は−70mVである。
【0020】
実施例1
25℃の温度において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法に従って電池を充電する。充電プロセスは、
図3に示すように、具体的に以下のステップを備える。
(1)定電流2Cで充電し、充電時間は0.1sであり、
(2)定電流0.02Cで放電し、放電時間は0.01sであり、
(3)電池のカットオフ電圧4.4Vまでステップ(1)〜(2)を繰り返し、その後、静置し、静置時間は10sであり、
(4)電流1.3Cで定電流充電し、カットオフ電圧4.4Vに到達した後、カットオフ電流0.05Cまで定電圧で充電する。
【0021】
実施例2
25℃の温度において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法に従って電池を充電し、具体的に以下のステップを備える。
(1)定電流1.5Cで充電し、充電時間は10sであり、
(2)定電流0.1Cで放電し、放電時間は0.2sであり、
(3)電池のカットオフ電圧4.4Vまでステップ(1)〜(2)を繰り返し、その後、静置し、静置時間は10sであり、
(4)電流1.3Cで定電流充電し、カットオフ電圧4.4Vに到達した後、カットオフ電流0.05Cまで定電圧で充電する。
【0022】
実施例3
25℃の温度において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法に従って電池を充電し、具体的に以下のステップを備える。
(1)定電流1.5Cで充電し、充電時間は2sであり、
(2)定電流0.2Cで放電し、放電時間は0.05sであり、
(3)電池のカットオフ電圧4.4Vまでステップ(1)〜(2)を繰り返し、その後、静置し、静置時間は10sであり、
(4)電流1.3Cで定電流充電し、カットオフ電圧4.4Vに到達した後、カットオフ電流0.05Cまで定電圧で充電する。
【0023】
実施例4
25℃の温度において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法に従って電池を充電し、具体的に以下のステップを備える。
(1)定電流1.5Cで充電し、充電時間は20sであり、
(2)定電流0.1Cで放電し、放電時間は2sであり、
(3)電池のカットオフ電圧4.4Vまでステップ(1)〜(2)を繰り返し、その後、静置し、静置時間は10sであり、
(4)電流1.3Cで定電流充電し、カットオフ電圧4.4Vに到達した後、カットオフ電流0.05Cまで定電圧で充電する。
【0024】
実施例5
25℃の温度において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法に従って電池を充電し、具体的に以下のステップを備える。
(1)定電流2Cで充電し、充電時間は1sであり、
(2)定電流0.01Cで放電し、放電時間は0.1sであり、
(3)電池のカットオフ電圧4.4Vまでステップ(1)〜(2)を繰り返し、その後、静置し、静置時間は10sであり、
(4)電流1.3Cで定電流充電し、カットオフ電圧4.4Vに到達した後、カットオフ電流0.01Cまで定電圧で充電する。
【0025】
実施例6
25℃の温度において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法に従って電池を充電し、具体的に以下のステップを備える。
(1)定電流2Cで充電し、充電時間は5sであり、
(2)定電流I
2=0で放電し、放電時間は1sであり、
(3)電池カットオフ電圧4.4Vまでステップ(1)〜(2)を繰り返し、その後、静置し、静置時間は1sであり、
(4)電流1.3Cで定電流充電し、カットオフ電圧4.4Vに到達した後、カットオフ電流0.1Cまで定電圧で充電する。
【0026】
実施例7
25℃の温度において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法に従って電池を充電し、具体的に以下のステップを備える。
(1)定電流2Cで充電し、充電時間は3sであり、
(2)定電流0.1Cで放電し、放電時間は0.5sであり、
(3)電池のカットオフ電圧4.4Vまでステップ(1)〜(2)を繰り返し、その後、静置し、静置時間は30sであり、
(4)電流1.3Cで定電流充電し、カットオフ電圧4.4Vに到達した後、カットオフ電流0.05Cまで定電圧で充電する。
【0027】
比較例1
25℃の温度において、リチウムイオン電池に対して通常の定電流定電圧の充電を行い(充電プロセスは
図4に示すように)、具体的に以下のステップを備える。
(1)定電流1.3Cで充電し、
(2)カットオフ電圧4.4Vに到達した後、カットオフ電流0.05Cまで定電圧で充電する。
【0028】
比較例2
25℃の温度において、リチウムイオン電池に対して通常の定電流定電圧の充電を行い、具体的に以下のステップを備える。
(1)定電流1.8Cで充電し、
(2)カットオフ電圧4.4Vに到達した後、カットオフ電流0.05Cまで定電圧で充電する。
【0029】
表1において、LiCoO
2と黒鉛系を採用した実施例1〜実施例7と、比較例1〜比較例2のリチウムイオン電池の充電パラメータ及びリチウム析出と充電時間の比較が示されている。
【0031】
実施例8〜実施例14、比較例3〜比較例4で採用された電池系は、LiCoO
2を陰極とし、ハードカーボンを陽極とし、さらに、セパレータ、電解液及びパッケージシェルを加えて、実装、化成及びエイジング等のプロセスにより製造される。ここで、陰極は、96.7%LiCoO
2(陰極活物質として)+1.7%PVDF(接着剤として)+1.6%SP(導電剤として)が混合されることにより構成される。陽極は、98%ハードカーボン(陽極活物質として)+1.0%SBR(接着剤として)+1.0%CMC(増粘剤として)が混合されることにより構成される。セパレータはPP/PE/PP複合膜である。電解液は、有機溶剤(30%EC+30%PC+40%DEC)と1mol/L LiPF
6に加えて、さらに添加剤(0.5%VC、5%FEC、4%VEC)を添加することにより、構成される。
【0032】
25℃の場合、リチウムイオン電池は、満充電容量(SOC)が3150mAh(0.2C)であり、カットオフ電圧V
0が4.4Vである。電池系は、25℃の温度において、陽極にリチウムが析出しない最大の充電電流は2Cであり、リチウムが析出しない最低の陽極の電位は−100mVである。
【0033】
実施例8〜実施例14、比較例3〜比較例4は、何れも25℃の温度において電池を充電する。実施例8〜実施例14において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法が採用されたが、比較例3〜比較例4において、通常の定電流定電圧の充電方法が採用された。各実施例及び比較例の充電の関連するパラメータは、表2に示されている。
【0035】
実施例15〜実施例21、比較例5〜比較例6で採用された電池系は、LiCoO
2を陰極とし、メソカーボンマイクロビーズを陽極とし、さらに、セパレータ、電解液及びパッケージシェルを加えて、実装、化成及びエイジング等のプロセスにより製造される。ここで、陰極は、96.7%LiCoO
2(陰極活物質として)+1.7%PVDF(接着剤として)+1.6%SP(導電剤として)が混合されることにより構成される。陽極は、98%MCMB(陽極活物質として)+1.0%SBR(接着剤として)+1.0%CMC(増粘剤として)が混合されることにより構成される。セパレータはPP/PE/PP複合膜である。電解液は、有機溶剤(30%EC+30%PC+40%DEC)と1mol/L LiPF
6に加えて、さらに添加剤(0.5%VC、5%FEC、4%VEC)を添加するこいと」により、構成される。
【0036】
25℃の場合、リチウムイオン電池は、満充電容量(SOC)が3250mAh(0.2C)であり、カットオフ電圧V
0が4.4Vである。電池系は、25℃の温度において、陽極にリチウムが析出しない最大の充電電流は1Cであり、リチウムが析出しない最低の陽極の電位は−50mVである。
【0037】
実施例15〜実施例21、比較例5〜比較例6は、何れも25℃の温度において電池を充電する。実施例15〜実施例21において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法が採用されたが、比較例5〜比較例6において、通常の定電流定電圧の充電方法が採用された。各実施例及び比較例の充電の関連するパラメータは、表3に示されている。
【0039】
実施例22〜実施例28、比較例7〜比較例8で採用された電池系は、LiFePO
4を陰極とし、黒鉛を陽極とし、さらに、セパレータ、電解液及びパッケージシェルを加えて、実装、化成及びエイジング等のプロセスにより製造される。ここで、陰極は、95.4%LiFePO
4(陰極活物質として)+2%PVDF(接着剤として)+2.6%SP(導電剤として)が混合されることにより構成される。陽極は、98%人造黒鉛(陽極活物質として)+1.0%SBR(接着剤として)+1.0%CMC(増粘剤として)が混合されることにより構成される。セパレータはPP/PE/PP複合膜である。電解液は、有機溶剤(30%EC+30%PC+40%DEC)と1mol/L LiPF
6に加えて、さらに添加剤(0.5%VC、5%FEC、4%VEC)を添加することにより構成される。
【0040】
25℃の場合、リチウムイオン電池は、満充電容量(SOC)が3200mAh(0.2C)であり、カットオフ電圧V
0が3.7Vである。電池系は、25℃の温度において、陽極にリチウム析出しない最大の充電電流は0.7Cであり、リチウムが析出しない最低の陽極の電位は−20mVである。
【0041】
実施例22〜実施例28、比較例7〜比較例8は、何れも25℃の温度において電池を充電する。実施例22〜実施例28において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法が採用されたが、比較例7〜比較例8において、通常の定電流定電圧の充電方法が採用された。各実施例及び比較例の充電の関連するパラメータは、表4に示されている。
【0043】
実施例29〜実施例35、比較例9〜比較例10で採用された電池系は、LiFePO
4を陰極とし、ハードカーボンを陽極とし、さらに、セパレータ、電解液及びパッケージシェルを加えて、実装、化成及びエイジング等のプロセスにより製造される。ここで、陰極は、95.4%LiFePO
4(陰極活物質として)+2%PVDF(接着剤として)+2.6%SP(導電剤として)が混合されることにより構成される。陽極は、98%ハードカーボン(陽極活物質として)+1.0%SBR(接着剤として)+1.0%CMC(増粘剤として)が混合されることにより構成される。セパレータはPP/PE/PP複合膜である。電解液は、有機溶剤(30%EC+30%PC+40%DEC)と1mol/L LiPF
6に加えて、さらに添加剤(0.5%VC、5%FEC、4%VEC)を添加することにより構成される。
【0044】
25℃の場合、リチウムイオン電池は、満充電容量(SOC)が2800mAh(0.2C)であり、カットオフ電圧V
0が3.7Vである。電池系は、25℃の温度において、陽極にリチウムが析出しない最大の充電電流は1.2Cであり、リチウムが析出しない最低の陽極の電位は−20mVである。
【0045】
実施例29〜実施例35、比較例9〜比較例10は、何れも25℃の温度において電池を充電する。実施例29〜実施例35において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法が採用されたが、比較例9〜比較例10において、通常の定電流定電圧の充電方法が採用された。各実施例及び比較例において充電に使用された関連するパラメータは、表5に示されている。
【0047】
実施例36〜実施例42、比較例11〜比較例12で採用された電池系は、LiFePO
4を陰極とし、MCMBを陽極とし、セパレータ、電解液及びパッケージシェルを加えて、実装、化成及びエイジング等のプロセスにより製造される。ここで、陰極は、95.4%LiFePO
4(陰極活物質として)+2%PVDF(接着剤として)+2.6%SP(導電剤として)が混合されることにより構成される。陽極は、98%MCMB(陽極活物質として)+1.0%SBR(接着剤として)+1.0%CMC(増粘剤として)が混合されることにより構成される。セパレータはPP/PE/PP複合膜である。電解液は、有機溶剤(30%EC+30%PC+40%DEC)と1mol/L LiPF
6に加えて、添加剤(0.5%VC、5%FEC、4%VEC)を添加することにより構成される。
【0048】
25℃の場合、リチウムイオン電池は、満充電容量(SOC)が3000mAh(0.2C)であり、カットオフ電圧V
0が3.7Vである。電池系は、25℃の温度において、陽極にリチウムが析出しない最大の充電電流は0.5Cであり、リチウムが析出しない最低の陽極の電位は−20mVである。
【0049】
実施例36〜実施例42、比較例11〜比較例12は、何れも25℃の温度において電池を充電する。実施例36〜実施例42において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法が採用されたが、比較例11〜比較例12において、通常の定電流定電圧の充電方法が採用された。各実施例及び比較例において充電に使用された関連するパラメータは、表6に示されている。
【0051】
実施例43〜実施例49、比較例13〜比較例14で採用された電池系は、NCX(X=Mn、Al)を陰極とし、黒鉛を陽極とし、さらに、セパレータ、電解液及びパッケージシェルを加えて、実装、化成及びエイジング等のプロセスにより製造される。ここで、陰極は、96.4%NCX(陰極活物質として)+1.8%PVDF(接着剤として)+1.8%SP(導電剤として)が混合されることにより構成される。陽極は、98%黒鉛(陽極活物質として)+1.0%SBR(接着剤として)+1.0%CMC(増粘剤として)が混合されることにより構成される。セパレータはPP/PE/PP複合膜である。電解液は、有機溶剤(30%EC+30%PC+40%DEC)と1mol/LのLiPF
6に加えて、さらに添加剤(0.5%VC、5%FEC、4%VEC)を添加することにより構成される。
【0052】
25℃の場合、リチウムイオン電池は、満充電容量(SOC)が3000mAh(0.2C)であり、カットオフ電圧V
0が4.2Vである。電池系は、25℃の温度において陽極にリチウムが析出しない最大の充電電流は1Cであり、リチウムが析出しない最低の陽極の電位は−40mVである。
【0053】
実施例43〜実施例49、比較例13〜比較例14は、何れも25℃の温度において電池を充電する。実施例43〜実施例49において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法が採用されたが、比較例13〜比較例14において、通常の定電流定電圧の充電方法が採用された。各実施例及び比較例において充電に使用された関連するパラメータは、表7に示されている。
【0055】
実施例50〜実施例56、比較例15〜比較例16で採用された電池系は、NCX(X=Mn、Al)を陰極とし、ハードカーボンを陽極とし、セパレータ、電解液及びパッケージシェルを加えて、実装、化成及びエイジング等のプロセスにより製造される。ここで、陰極は、96.4%NCX(陰極活物質として)+1.8%PVDF(接着剤として)+1.8%SP(導電剤として)が混合されることにより構成される。陽極は、98%黒鉛(陽極活物質として)+1.0%SBR(接着剤として)+1.0%CMC(増粘剤として)が混合されることにより構成される。セパレータはPP/PE/PP複合膜である。電解液は、有機溶剤(30%EC+30%PC+40%DEC)と1mol/L LiPF
6に加えて、添加剤(0.5%VC、5%FEC、4%VEC)を添加することにより構成される。
【0056】
25℃の場合、リチウムイオン電池は、満充電容量(SOC)が2900mAh(0.2C)であり、カットオフ電圧V
0が4.2Vである。電池系は、25℃の温度において陽極にリチウムが析出しない最大の充電電流は1.5Cであり、リチウムが析出しない最低の陽極の電位は−60mVである。
【0057】
実施例50〜実施例56、比較例15〜比較例16は、何れも25℃の温度において電池を充電する。実施例50〜実施例56において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法が採用されたが、比較例15〜比較例16において、通常の定電流定電圧の充電方法が採用された。各実施例及び比較例において充電に使用された関連するパラメータは、表8に示されている。
【0059】
実施例57〜実施例63、比較例17〜比較例18で採用された電池系は、NCX(X=Mn、Al)を陰極とし、MCMBを陽極とし、さらに、セパレータ、電解液及びパッケージシェルを加えて、実装、化成及びエイジング等のプロセスにより製造される。ここで、陰極は、96.4%NCX(陰極活物質として)+1.8%PVDF(接着剤として)+1.8%SP(導電剤として)が混合されることにより構成される。陽極は、98%黒鉛(陽極活物質として)+1.0%SBR(接着剤として)+1.0%CMC(増粘剤として)が混合されることにより構成される。セパレータはPP/PE/PP複合膜である。電解液は、有機溶剤(30%EC+30%PC+40%DEC)と1mol/L LiPF
6に加えて、添加剤(0.5%VC、5%FEC、4%VEC)を添加することにより構成される。
【0060】
25℃の場合、リチウムイオン電池は、満充電容量(SOC)が2950mAh(0.2C)であり、カットオフ電圧V
0が4.2Vである。電池系は、25℃の温度において陽極にリチウムが析出しない最大の充電電流は0.8Cであり、リチウムが析出しない最低の陽極の電位は−30mVである。
【0061】
実施例57〜実施例63、比較例17〜比較例18は、何れも25℃の温度において電池を充電する。実施例57〜実施例63において、本発明のリチウムイオン電池の充電方法が採用されたが、比較例17〜比較例18において、通常の定電流定電圧の充電方法が採用された。各実施例及び比較例において、充電に使用された関連するパラメータは、表9に示されている。
【0063】
図2は、LiCoO
2と黒鉛系を採用した本発明の実施例1において1.3Cで充電する場合のフル電池電圧と陽極の電位を示すグラフである。
図2により分かるように、電池系は、陽極にリチウムが析出しない最低の陽極の電位ηが−90mVである。
【0064】
表1〜9において、異なる電池系の比較例と実施例のリチウム析出の状況、及び80%のSOCまで充電するために必要な時間が示されている。これらにより分かるように、一つの電池系として、従来の定電流定電圧の充電方法が採用された場合、充電電流が当該電池系が負担できる最大の安全な充電電流を超えると、陽極にリチウムが析出することになる。本発明のリチウムイオン電池の充電方法を採用して充電する場合、電池の陽極のリチウム析出を効果的に改善し、該電池系が負担できる最大の安全充電電流を大きくすることができる。従って、本発明のリチウムイオン電池の充電方法により、充電速度を高めることができる。
【0065】
充電中の陽極の電位を観測することにより、本発明のリチウムイオン電池の充電方法による改善の効果を説明することができる。
図5と
図6はそれぞれ実施例1と比較例2において充電中の陽極の電位を示すグラフであり、これらの図により分かるように、1.8Cで定電流定電圧で充電する場合、その陽極がリチウムの析出しない最低の陽極の電位以下にある時間は約28minである。本発明のリチウムイオン電池の充電方法が採用された場合、陽極がリチウムの析出しない最低の陽極の電位以下にある時間は大幅に短縮され(約0.5minである)、一方で、本発明のリチウムイオン電池の充電方法は、一つの大電流パルスで充電した後、直ちに小電流パルスで放電するため、大電流パルスによる陽極表面のリチウムイオンの濃度の上昇を減少させ、リチウム析出の発生を回避することができる。
【0066】
なお、上述した明細書の記載及び開示に基づき、当業者は上記の実施形態に対して、変更及び改変を行うことができる。従って、本発明は、上記のように説明された具体的な実施形態に限定されるものではなく、本発明に対する等価な改変及び変更も本発明の特許請求の範囲に含まれる。また、本明細書において特定の用語が使用されているが、これらの用語は、説明の便宜のために用いられたものに過ぎず、本発明を限定するものではない。