(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-152668(P2017-152668A)
(43)【公開日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】回路印刷装置、回路印刷方法及び印刷方法で製造した回路構造
(51)【国際特許分類】
H05K 3/12 20060101AFI20170804BHJP
H05K 1/09 20060101ALI20170804BHJP
【FI】
H05K3/12 630Z
H05K1/09 A
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-111896(P2016-111896)
(22)【出願日】2016年6月3日
(31)【優先権主張番号】105105603
(32)【優先日】2016年2月25日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】林 世明
(72)【発明者】
【氏名】鍾 昇峰
(72)【発明者】
【氏名】石 正宜
(72)【発明者】
【氏名】張 淑怡
(72)【発明者】
【氏名】魏 ▲ユイ▼杰
(72)【発明者】
【氏名】陸 蘇財
【テーマコード(参考)】
4E351
5E343
【Fターム(参考)】
4E351BB01
4E351BB31
4E351CC11
4E351DD04
4E351DD05
4E351EE24
4E351GG20
5E343AA03
5E343BB12
5E343BB13
5E343BB24
5E343BB25
5E343BB72
5E343DD02
5E343GG08
5E343GG11
(57)【要約】
【課題】本発明は、回路印刷装置及び回路印刷方法を提供し、同じ材料粒径の導電性インクを使用して、二つの異なる線幅を備える回路構造を印刷することを目的としている。また、印刷方法で製造した回路構造を提供し、回路パターンは少なくとも二つの異なる線幅を備えることを目的としている。
【解決手段】印刷製造方法で製造した回路構造は、基板及びパターン化回路層を備える。パターン化回路層は基板に設けられ、相互に連接される第一回路パターン及び第二回路パターンを備える。パターン化回路層は一体成型であり、そのうち、第一回路パターン及び第二回路パターンの材料粒径は同じであり、第一回路パターンの第一幅は第二回路パターンの第二幅より大きい。この回路構造を製造するための回路印刷装置及び回路印刷方法も提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に連接される第一溝パターンと第二溝パターンを備える溝パターンを備える印刷シリンダを提供し、
前記印刷シリンダは印刷方向に沿って基板上でロールさせ、
前記印刷シリンダの前記印刷方向に沿った移動とともに、前記溝パターンに基づき、第一導電性インク、第二導電性インク、前記第一導電性インクと前記第二導電性インクを調合した後の第三導電性インクを前記溝パターンに選択的にスプレー又はコーティングし、
前記溝パターン内の前記第一導電性インク、前記第二導電性インク及び前記第三導電性インクは前記基板に転写されることを含み、
前記第一溝パターンの第一幅は前記第二溝パターンの第二幅より大きく、
前記第一導電性インク及び前記第二導電性インクの固体材料及び溶剤材料は同じであり、前記第二導電性インクにおける前記溶剤材料の重量百分率は前記第一導電性インクにおける前記溶剤材料の重量百分率より大きいことを特徴とする回路印刷方法。
【請求項2】
前記溝パターンの幅に基づき、前記第一導電性インク、前記第二導電性インク及び前記第三導電性インクを前記溝パターンに選択的にスプレー又はコーティングする工程は、
前記第一導電性インクを前記第一溝パターンにスプレー又はコーティングし、前記第二導電性インク又は第三導電性インクを前記第二溝パターンにスプレー又はコーティングすることをさらに含む請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項3】
前記第二導電性インクにおける前記溶剤材料の前記重量百分率と前記第一導電性インクにおける前記溶剤材料の前記重量百分率の差は2.5〜5wt%である請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項4】
前記第一導電性インクと前記第二導電性インクを調合する方法は、前記第一導電性インクと前記第二導電性を攪拌、加熱及び/又は振動することを含む請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項5】
前記溝パターンの幅に基づき、前記第一導電性インク、前記第二導電性インク及び前記第三導電性インクを前記溝パターンに選択的にスプレー又はコーティングする工程は、
前記印刷シリンダのロール速度及び前記溝パターンの分布位置に基づき、前記第一導電性インク、前記第二導電性インク及び前記第三導電性インクをスプレー又はコーティングする吐出ユニットの移動速度及び移動軌跡を制御することを移動速度及び移動軌跡を制御することをさらに含む請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項6】
前記印刷シリンダの前記溝パターン以外に位置する前記第一導電性インク、前記第二導電性インク又は前記第三導電性インクを除去することをさらに含む請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項7】
前記第一幅は実質的に20μmから100μmの間にあり、前記第二幅は実質的に1μmから10μmの間にある請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項8】
前記第一導電性インクと前記第二導電性インクの前記固体材料の粒径は同じである請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項9】
前記第一導電性インクと前記第二導電性インクの前記固体材料の粒径は実質的に0.2から1μmの間にある請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項10】
前記溝パターンは、前記第一溝パターンと前記第二溝パターンの間に連接される移行溝パターンをさらに備える請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項11】
前記移行溝パターンは向かい合う第一端と第二端を備え、前記第一端は前記第一溝パターンに連接され、前記第二端は前記第二溝パターンに連接され、前記移行溝パターンの幅は前記第一端から前記第二端に向かって減少している請求項10に記載の回路印刷方法。
【請求項12】
前記溝パターンの幅に基づき、前記第一導電性インク、前記第二導電性インク及び前記第三導電性インクを前記溝パターンに選択的にスプレー又はコーティングする工程は、
前記第三導電性インクを前記移行溝パターンにスプレー又はコーティングすることをさらに含む請求項10に記載の回路印刷方法。
【請求項13】
前記第一導電性インクと前記第二導電性インクを調合する方法は、
前記溝パターンの幅に基づき、前記第一導電性インクの供給量及び前記第二導電性インクの供給量を制御して、供給される前記第一導電性インク及び前記第二導電性インクを調合することをさらに含む請求項10に記載の回路印刷方法。
【請求項14】
前記第二導電性インクの前記供給量は前記溝パターンの幅の減少にともなって増加する請求項13に記載の回路印刷方法。
【請求項15】
基板と、
前記基板に設けられ、相互に連接される第一回路パターン及び第二回路パターンを備え、一体成型であるパターン化回路層と、を備え、
前記第一回路パターン及び前記第二回路パターンの材料粒径は同じであり、前記第一回路パターンの第一幅は前記第二回路パターンの第二幅より大きい印刷方法で製造した回路構造。
【請求項16】
前記第一幅は実質的に20μmから100μmの間にあり、前記第二幅は実質的に1μmから10μmの間にある請求項15に記載の回路構造。
【請求項17】
前記第一回路パターン及び前記第二回路パターンの材料は同じである請求項15に記載の回路構造。
【請求項18】
前記材料粒径は実質的に0.2から1μmの間にある請求項15に記載の回路構造。
【請求項19】
前記第一回路パターンの表面粗さは実質的に1.5μmから3μmの間にあり、前記第二回路パターンの表面粗さは実質的に1.0μm以下である請求項15に記載の回路構造。
【請求項20】
前記パターン化回路層は、前記第一回路パターンと前記第二回路パターンの間に連接される移行回路パターンをさらに備える請求項15に記載の回路構造。
【請求項21】
前記移行回路パターンと前記第一回路パターン及び前記第二回路パターンの材料は及びその材料粒径は同じである請求項20に記載の回路構造。
【請求項22】
前記移行回路パターンは向かい合う第一端及び第二端を備え、前記第一端は前記第一回路パターンに連接され、前記第二端は前記第二回路パターンに連接され、前記移行回路パターンの幅は前記第一端から前記第二端に向かって減少している請求項20に記載の回路構造。
【請求項23】
前記移行回路パターンの表面粗さは実質的に1μmから1.5μmの間にある請求項20に記載の回路構造。
【請求項24】
前記移行回路パターンの最小幅は前記第二幅以上であり、前記移行回路パターンの最大幅は前記第二幅以下である請求項20に記載の回路構造。
【請求項25】
前記第一回路パターン、前記第二回路パターン及び前記移行回路パターンの断面において、前記第一回路パターン、前記第二回路パターン及び前記移行回路パターンの上面とそれぞれそれに対応する側面の接触箇所はいずれも面取りされており、前記第一回路パターン、前記第二回路パターン及び前記移行回路パターンの底面とそれに対応する側面との角度はいずれも鋭角である請求項20に記載の回路構造。
【請求項26】
前記第二回路パターンは、複数のグリッド電極を備え、前記第一回路パターンは前記基板の周縁区域に設けられ、前記第二回路パターンに連接される請求項15に記載の回路構造。
【請求項27】
印刷表面及び溝パターンを備え、印刷方向に沿ってロールすることに適している印刷シリンダと、
第一導電性インクを収容する第一供給槽及び、第二導電性インクを収容する第二供給槽を備え、印刷シリンダの上方に移動可能に設けられるインク供給ユニットと、
前記第一供給槽及び前記第二供給槽に連接され、その配置を経て、前記第一導電性インクと前記第二導電性インクを第三導電性インクに調合する調合器と、
前記調合器に連接され、前記第一導電性インク、前記第二導電性インク又は前記第三導電性インクをスプレー又はコーティングする吐出ユニットと、
前記インク供給ユニットに接続され、前記溝パターンに基づき、前記インク供給ユニットの移動と、前記吐出ユニットによって第一導電性インク、第二導電性インク又は第三導電性インクを溝パターンにスプレー又はコーティングすることを制御する制御ユニットと、を備え、
前記溝パターンは前記印刷表面に設けられ、相互に連接される第一溝パターンと第二溝パターンを備え、前記第一溝パターンの第一幅は前記第二溝パターンの第二幅より大きく、
前記第一導電性インクと前記第二導電性インクの固体材料と溶剤材料は同じであり、前記第二導電性インクにおける前記溶剤材料の重量百分率は前記第一導電性インクにおける前記溶剤材料の重量百分率より大きいことを特徴とする回路印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置、印刷方法及び印刷方法で製造した構造に関するものであり、特に回路印刷装置、回路印刷方法及び印刷方法で製造した回路構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル産業の急速な発展に伴い、配線基板(Wired Board)のデジタル製品における応用はしだいに幅広くなってきており、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、デスクトップパソコンやデジタルカメラなどの製品内はいずれも配線基板を有しており、配線基板はすでに我々の生活の身の回りの製品の中にあふれている。現在のところ、配線基板は大面積化及び高配線密度に設計する傾向で発展しており、配線基板又はパッケージ基板に関わらず、いずれも高配線密度及び線幅の細いというような特徴を有している。
【0003】
金属細線に関する印刷技術において、その他の従来の細線の印刷技術と比較すると、ロールツーロールのグラビア印刷製造工程は極細の線幅の印刷及び優れた印刷品質を相対的に容易に達成し、且つ、ワンステップ印刷(one−step printing)であり、比較的高い生産速度を備え、潜在的に量産競争力を有する印刷方式である。しかしながら、異なる線幅を印刷するためのグラビアが必要とするグラビア印刷のインクのレオロジー特性や材料粒径サイズはそれぞれ異なる。このような情況で、一つのグラビアに二種類の異なる線幅の回路溝が同時に存在する場合、ワンステップ印刷は非常に困難であり、ワンステップ印刷の量産化を推し進めることは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、回路印刷装置及び回路印刷方法を提供し、同じ材料粒径の導電性インクを使用して、二つの異なる線幅を備える回路構造を印刷することを目的としている。
【0005】
本発明は、印刷方法で製造した回路構造を提供し、その回路パターンは少なくとも二つの異なる線幅を備えることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における回路印刷方法は以下の工程を含む。印刷シリンダを提供し、そのうち印刷シリンダは溝パターンを備える。溝パターンは相互に連接される第一溝パターンと第二溝パターンを備え、第一溝パターンの第一幅は第二溝パターンの第二幅より大きい。続いて、印刷シリンダを印刷方向に沿って基板上でロールさせる。印刷シリンダの印刷方向に沿った移動とともに、溝パターンに基づき、第一導電性インク、第二導電性インク、第一導電性インクと第二導電性インクを調合した後の第三導電性インクを溝パターンに選択的にスプレー又はコーティングし、そのうち、第一導電性インク及び第二導電性インクの固体材料及び溶剤材料は同じであり、第二導電性インクにおける溶剤材料の重量百分率は第一導電性インクにおける溶剤材料の重量百分率より大きい。続いて、溝パターン内の第一導電性インク、第二導電性インク及び第三導電性インクは基板に転写される。
【0007】
本発明における印刷方法で製造する回路構造は、基板及びパターン化回路層を備える。パターン化回路層は基板に設けられ、相互に連接される第一回路パターン及び第二回路パターンを備える。パターン化回路層は一体成型であり、そのうち、第一回路パターン及び第二回路パターンの材料粒径は同じであり、第一回路パターンの第一幅は第二回路パターンの第二幅より大きい。
【0008】
本発明における回路印刷装置は、印刷シリンダ、インク供給ユニット及び制御ユニットを備える。印刷シリンダは印刷表面及び溝パターンを備える。溝パターンは印刷表面に設けられ、並びに、相互に連接される第一溝パターンと第二溝パターンを備え、そのうち、第一溝パターンの第一幅は第二溝パターンの第二幅より大きく、印刷シリンダは印刷方向に沿ってロールするのに適している。インク供給ユニットは、印刷シリンダの上方に移動可能に設けられ、並びに、第一供給槽、第二供給槽、調合器及び吐出ユニットを備える。第一供給槽は第一導電性インクを収容する。第二供給槽は第二導電性インクを収容し、第一導電性インクと第二導電性インクの固体材料と溶剤材料は同じであり、第二導電性インクにおける溶剤材料の重量百分率は第一導電性インクにおける溶剤材料の重量百分率より大きい。調合器は、第一供給槽及び第二供給槽に連接され、第一導電性インクと第二導電性インクを第三導電性インクに調合するのに適している。吐出ユニットは、調合器に連接され、第一導電性インク、第二導電性インク又は第三導電性インクをスプレー又はコーティングする。制御ユニットはインク供給ユニットに接続され、溝パターンに基づき、インク供給ユニットの移動を制御し、吐出ユニットを経て、第一導電性インク、第二導電性インク又は第三導電性インクを溝パターンにスプレー又はコーティングする。
【発明の効果】
【0009】
これにより、本発明における回路印刷装置及び回路印刷方法は印刷シリンダの溝パターンの幅に基づき、適切な濃度に自由に調整した導電性インクによって印刷を行い、したがって、ワンステップ印刷製造工程によって印刷したものは、少なくとも二種類の異なる線幅の回路構造を有することができる。また、本発明における回路構造は、導電性インクが濃すぎることによって開放又は線の形状が不均一の問題を回避することができ、導電性インクが薄すぎて、印刷線幅が広くなりすぎて、短絡してしまう問題も回避することもでき、さらに、インクが容易に溢れて印刷欠陥を生じることを回避することができる。したがって、本発明は確実にワンステップ印刷を有効的に達成でき、回路印刷の製造工程を簡略化できさらに、回路の製造工程の歩留まり及び印刷品質を有効的に向上できる。
【0010】
本発明の上述した特徴と利点を更に明確化するために、以下、幾つかの実施形態を挙げて図面と共に詳細な内容を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に基づく回路印刷装置の断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に基づく回路印刷装置の図である。
【
図3】本発明の実施形態に基づく回路印刷装置が回路を印刷する流れの図である。
【
図4】本発明の実施形態に基づく溝パターンの局部拡大図である。
【
図5】本発明の実施形態に基づく印刷シリンダの平面図である。
【
図6】本発明の実施形態に基づく印刷シリンダが導電性インクをコーティングする平面図である。
【
図7】従来のインク供給ユニット及び本実施形態のインク供給ユニットが供給する導電性インクのレオロジー特性と印刷品質の変化の図である。
【
図8】従来のインク供給ユニット及び本実施形態のインク供給ユニットが供給する導電性インクのレオロジー特性と印刷品質の変化の図である。
【
図9】従来のインク供給ユニット及び本実施形態のインク供給ユニットが供給する導電性インクのレオロジー特性と印刷品質の変化の図である。
【
図10】本発明の実施形態に基づく回路構造の局部拡大図である。
【
図11】本発明の実施形態に基づく回路構造の局部断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に関する前記及びその他の技術内容、特徴や効果は、以下の図を参考にした各実施形態に合わせた詳細な説明において、明確に現されている。以下の実施形態において提示する方向の用語、例えば、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」等は、附加図の方向の参考にすぎない。したがって、使用する方向の用語は説明のためであって、本発明を限定するものではない。以下の各実施形態において、同じ又は相似する部材は、同じ又は相似する符号を採用する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に基づく回路印刷装置の断面図である。
図2は、本発明の実施形態に基づく回路印刷装置の図である。
図3は、本発明の実施形態に基づく回路印刷装置が回路を印刷する流れの図である。
図1から
図3を参照すると、本実施形態における回路印刷装置100は回路構造を印刷するために用いることができ、印刷シリンダ110、インク供給ユニット120及び制御ユニット140を備える。印刷シリンダ110は、
図2に示すように、印刷方向D1に沿ってロールすることに適しており、
図3に示すように、印刷表面112及び溝パターン114を備え、そのうち、溝パターン114は印刷表面112に設けられ、並びに、第一溝パターン114aと第二溝パターン114bを備え、そのうち、第一溝パターン114aと第二溝パターン114bは相互に連接され、第一溝パターン114aの第一幅W1は第二溝パターン114bの第二幅W2より大きい。例えば、第一幅W1は実質的に約20μmから100μmの間にあり、第二幅W2は実質的に約1μmから10μmの間にあり、当然ながら、本実施形態は例を挙げて説明しているにすぎず、本発明は溝パターンの幅の範囲を限定するものではない。
【0014】
図4は、本発明の実施形態に基づく溝パターンの局部拡大図である。
図4を参照すると、詳細には、溝パターン114は移行溝パターン114cをさらに備え、第一溝パターン114aと第二溝パターン114bの間に連接される。移行溝パターン114cは向かい合う第一端E1と第二端E2を備え、第一端E1は第一溝パターン114aに連接され、第二端E2は第二溝パターン114bに連接され、移行溝パターン114cの第三幅W3は第一幅W1と第二幅W2の間にある。さらに、移行溝パターン114cの第三幅W3は第一端E1から第二端E2に向かって減少することができる。
【0015】
本実施形態において、インク供給ユニット120は
図2に示すように、印刷シリンダ110の上方に移動可能に設けられている。詳細には、インク供給ユニット120は、印刷シリンダ110とともに印刷方向D1に沿って移動できるだけではなく、印刷方向D1に垂直なインク供給方向D2に沿って移動することもできる。インク供給ユニット120は
図3に示すように、第一供給槽122、第二供給槽124、調合器126及び吐出ユニット128を備える。第一供給槽122は第一導電性インクI1を収容する。第二供給槽124は第二導電性インクI2を収容し、第一導電性インクI1と第二導電性インクI2の固体材料と溶剤材料は同じであり、第二導電性インクI2における溶剤材料の重量百分率は第一導電性インクI1における溶剤材料の重量百分率より大きい。即ち、第一導電性インクI1の固体材料の成分と第二導電性インクI2の固体材料の成分は同じであり、第一導電性インクI1の溶剤材料の成分と第二導電性インクI2の溶剤材料の成分も同じであり、第二導電性インクI2の溶剤材料が占める割合が比較的大きい。
【0016】
例えば、第一導電性インクI1と第二導電性インクI2の材料は同じであり、その固体材料は銀又は銅を含んでいてもよく、その固体材料の粒径はいずれも同じである。さらに、第一導電性インクI1と第二導電性インクI2の固体材料の粒径は実質的に約0.2から1μmの間にある。本実施形態において、第一供給槽122が収容する第一導電性インクI1は比較的濃い又は希釈されていない導電性インクであってもよく、第二供給槽124が収容する第二導電性インクI2は溶剤材料で希釈された導電性インクであってもよい。例えば、第二導電性インクI2における溶剤材料の重量百分率と第一導電性インクI1における溶剤材料の重量百分率の差は約2.5〜5wt%であってもよく、当然ながら、本実施形態は例を挙げて説明しているにすぎず、本発明はこれに限定されない。
【0017】
上記に基づき、調合器126は、第一供給槽122及び第二供給槽124に連接され、その配置を経て、比較的濃い第一導電性インクI1と比較的薄い第二導電性インクI2を第三導電性インクI3に調合する。本実施形態において、調合器126は、攪拌ユニット、加熱ユニット、振動ユニット、気圧制御ユニット又はその任意の組合せを備えてもよく、攪拌、加熱、振動等の方式で第一導電性インクI1と第二導電性インクI2を調合する。吐出ユニット128は、調合器126に連接され、第一導電性インクI1、第二導電性インクI2又は調合された後の第三導電性インクI3を印刷シリンダ110にスプレー又はコーティングする。制御ユニット140はインク供給ユニット120に接続され、印刷シリンダ110の溝パターン114に基づき、インク供給ユニット120の移動と、吐出ユニット128によって、第一導電性インクI1、第二導電性インクI2又は第三導電性インクI3を溝パターン114にスプレー又はコーティングすることを制御する。
【0018】
詳細には、回路印刷装置100は
図1に示すように、ブレードモジュール130をさらに備え、印刷シリンダ110に設けられ、印刷表面112と接触させ、印刷シリンダ110が印刷方向D1に沿ってロールする時、印刷表面112を滑り、第一導電性インクI1、第二導電性インクI2又は第三導電性インクI3を溝パターン114に均一にコーティングできる。さらに、ブレードモジュール130は、
図1に示すように、第一ブレード132及び第二ブレード134を備え、第一ブレード132はインク供給ユニット120と第二ブレード134の間に位置し、第一導電性インクI1、第二導電性インクI2又は第三導電性インクI3を溝パターン114にコーティングし、第二ブレード134は、その配置を経て、溝パターン114以外に位置する第一導電性インクI1、第二導電性インクI2又は第三導電性インクI3を掻き落とす。
【0019】
図5は、本発明の実施形態に基づく印刷シリンダの平面図である。
図6は、本発明の実施形態に基づく印刷シリンダが導電性インクをコーティングする平面図である。
図5及び
図6を参照すると、上記配置のように、前述の回路印刷装置100によって回路を印刷する方法は、例えば、前記印刷シリンダ110を提供し、この印刷シリンダ110を印刷方向D1に沿って基板上でロールさせる。印刷シリンダ110が印刷方向D1に沿った移動とともに、制御ユニット140は印刷シリンダ110が印刷方向D1に沿ってロールするロール速度及び溝パターン114の分布位置に基づき、インク供給ユニット120の移動速度及び移動軌跡を制御する。例えば、
図5の細い点線の区域は基板に転写したい区域として、その上の分布は溝パターン114を有し、制御ユニット140は印刷シリンダ110のロール速度及び溝パターン114の分布位置に基づき、インク供給ユニット120の
図5の矢印の方向に沿って移動することをコントロールし、第一導電性インクI1、第二導電性インクI2又は第三導電性インクI3を溝パターン114にスプレー又はコーティングする。
【0020】
ここで説明が必要なことは、
図5の太い点線は、インク供給ユニット120は移動のみで、インクを供給しない経路であってもよい。制御ユニット140は溝パターン114の幅に基づき、インク供給ユニット120を制御して、第一導電性インクI1、第二導電性インクI2又は第三導電性インクI3を溝パターン114にスプレー又はコーティングする。例えば、基板辺縁区域(
図5の細い点線で囲まれている範囲)の回路の幅は比較的太いので、制御ユニット140はインク供給ユニット120を制御して、第一導電性インクI1を基板辺縁区域に位置する溝パターン114にスプレー又はコーティングできる。基板中央区域の回路の幅は比較的細いので、インク供給ユニット120を制御して、第二導電性インクI2を基板中央区域に位置する溝パターン114にスプレー又はコーティングできる。
【0021】
それから、第一ブレード132は印刷シリンダ110の印刷表面112をスムーズに横切って、第一導電性インクI1、第二導電性インクI2又は第三導電性インクI3は
図6に示すように、印刷表面112及び溝パターン114に均一にコーティングされ、それから、第二ブレード134は印刷表面112を横切り、溝パターン114以外に位置する第一導電性インクI1、第二導電性インクI2又は第三導電性インクI3を掻き落とす。このように、印刷シリンダ110とともに印刷方向D1に沿って基板上でロールして、溝パターン114の第一導電性インクI1、第二導電性インクI2又は第三導電性インクI3を基板に転写でき、基板に溝パターン114に対応する回路構造が印刷形成される。
【0022】
本実施形態において、制御ユニット140は印刷シリンダ110の溝パターン114の幅に基づき、第一導電性インクI1、第二導電性インクI2又は第三導電性インクI3を溝パターン114に選択的にスプレー又はコーティングする。例えば、制御ユニット140は、比較的濃い第一導電性インクI1を幅の比較的広い第一溝パターン114aにスプレー又はコーティングし、調合された第三導電性インクI3を幅が中間の移行溝パターン114cにスプレー又はコーティングし、比較的薄い第二導電性インクI2又は比較的多い第二導電性インクI2を調合した第三導電性インクI3を幅の比較的狭い第二溝パターン114bにスプレー又はコーティングすることを選択できる。当然ながら、本実施形態は例を挙げて説明しているにすぎず、本発明はこれに限定されない。その他の実施形態において、制御ユニット140も、第一導電性インクI1を比較的多く調合した第三導電性インクI3を幅の比較的広い第一溝パターン114aにコーティングしてもよく、第二導電性インクI2比較的多く調合した第三導電性インクI3を幅の比較的狭い第二溝パターン114bにコーティングしてもよい。制御ユニット140は、溝パターン114の幅に基づき、第一導電性インクI1の供給量及び第二導電性インクI2の供給量を制御して、供給される第一導電性インクI1及び第二導電性インクI2を調合して、吐出ユニット128に濃度が適切な第三導電性インクI3をスプレー又はコーティングさせてもよく、簡単に言うと、第二導電性インクI2の供給量は溝パターン114の幅の減少にともなって増加する。このように、回路印刷装置100は、第一溝パターン114aと第二溝パターン114bの間に連接される移行溝パターン114cによって導電性インクを適切な濃度に順調に調合できる。
【0023】
図7から
図9までは従来のインク供給ユニット及び本実施形態のインク供給ユニットが供給する導電性インクのレオロジー特性と印刷品質の変化の図である。そのうち、
図7及び
図8の縦軸は、導電性インクが印刷された線幅であり、
図9の縦軸は、導電性インクの電気抵抗値であり、
図7から
図9の横軸は印刷枚数を表している。ここで説明が必要なことは、
図7は、導電性インクが印刷幅が比較的広い回路(例えば、基板辺縁区域の回路)に用いられる時の実際に印刷される線幅である。本実施形態において、所定の印刷線幅は約24μmから30μmの間にある。
図7からわかるように、印刷枚数の増加に伴って、導電性インクの溶剤は徐々に蒸発するので、濃度は上昇し、したがって、従来使用されているもとの導電性インクが印刷する線幅は、印刷枚数の増加に伴って減少し、所定の印刷線幅の要求より徐々に低くなる。それに対して、本実施形態におけるインク供給ユニット120が供給する導電性インクは、比較的薄い第二導電性インクI2と調合されてその濃度とレオロジー特性が制御されるので、本実施形態におけるインク供給ユニット120が印刷する線幅は、印刷枚数の増加に伴って、明らかな変化は見られない。したがって、本実施形態における回路印刷装置100は印刷品質の安定性を有効的に維持できる。
【0024】
同様に、
図8は、導電性インクが印刷幅が比較的狭い回路(例えば、基板中央区域に位置するタッチ回路)に用いられる時の実際に印刷される線幅である。本実施形態において、所定の印刷線幅は約4μmから6μmの間にある。
図8からわかるように、従来使用されているもとの導電性インクが印刷する線幅は、印刷枚数の増加に伴って減少し、所定の印刷線幅の要求より徐々に低くなる。それに対して、本実施形態におけるインク供給ユニット120が供給する導電性インクは、比較的薄い第二導電性インクI2と調合されてその濃度とレオロジー特性が制御されるので、本実施形態におけるインク供給ユニット120が印刷する線幅は、印刷枚数の増加に伴って、明らかな変化は見られない。また、
図9からわかるように、印刷枚数の増加に伴って、従来の導電性インクが印刷する回路の電気抵抗も大幅に増加し、それに対して、本実施形態におけるインク供給ユニット120が印刷する回路の電気抵抗は十分に安定している。したがって、本実施形態における回路印刷装置100は広い回路又は狭い回路を印刷に関わらず、いずれも安定して、良好な印刷品質及び電気特性を有する。
【0025】
下の表1は従来のもとの導電性インクと本実施形態におけるインク供給ユニット120が供給する導電性インクの粘度変化である。表1からわかるように、従来のもとの導電性インクの粘度は毎時間54.7%増加し、本実施形態におけるインク供給ユニット120が供給する導電性インクの粘度は毎時間8.9%増加するのみである。したがって、本実施形態における回路印刷装置100は、導電性インクのレオロジー特性及び印刷品質を確かに有効的に制御できる。
【表1】
【0026】
したがって、本実施形態における制御ユニット140は溝パターン114の幅に基づき、適切な濃度に自由に調整した導電性インクによって印刷を行い、これによって、導電性インクが濃すぎて、インクが溝パターン114内で早く乾燥してしまい、開放又は線の形状が不均一の問題を回避することができ、導電性インクが薄すぎて、印刷線幅が広くなりすぎて、短絡してしまう問題も回避することもでき、さらに、インクが容易に溢れて印刷欠陥を生じることを回避することもできる。したがって、本発明は確実にワンステップ印刷を有効的に達成し、回路印刷の製造工程を簡略化し、さらに、回路の製造工程の歩留まり及び印刷品質を有効的に向上できる。
【0027】
図10は、本発明の実施形態に基づく回路構造の局部拡大図である。
図11は、本発明の実施形態に基づく回路構造の局部断面拡大図である。
図10及び
図11を参照すると、上記の印刷方法で製造した回路構造200は、
図10に示すように、基板210及びパターン化回路層220を備える。パターン化回路層220は基板210に設けられ、相互に連接される第一回路パターン222及び第二回路パターン224を備える。パターン化回路層220は一体成型であり、即ち、パターン化回路層220は印刷シリンダ110のワンステップの転写によって、形成され、そのうち、第一回路パターン222及び第二回路パターン224の材料は同じであり、材料粒径も同じである。具体的には、第一回路パターン222及び第二回路パターン224の材料粒径は約0.2μmから1μmの間にある。それに、第一回路パターン222及び第二回路パターン224は前述の第一溝パターン114aと第二溝パターン114bにそれぞれ対応しているので、第一回路パターン222の第一幅W1も第二回路パターン224の第二幅W2より大きい。
【0028】
また、本実施形態における比較的太い回路及び比較的細い回路を印刷するための導電性インクの材料粒径はいずれも同じであり、したがって、本実施形態が印刷した回路構造の表面粗さは比較的平滑であってもよい。具体的には、第一回路パターン222の表面粗さは実質的に約1.5μmから3μmの間にあり、第二回路パターン224の表面粗さは実質的に約1.0μm以下である。
【0029】
詳細には、パターン化回路層220は、移行回路パターン226をさらに備え、第一回路パターン222と第二回路パターン224の間に連接される。移行回路パターン226と第一回路パターン222及び第二回路パターン224の材料は及びその材料粒径は同じである。それに、移行回路パターン226は向かい合う第一端及び第二端を備え、第一端は第一回路パターン222に連接され、第二端は第二回路パターン224に連接され、移行回路パターン226の幅は第一端から第二端へ減少し、移行回路パターン226の最小幅は第二幅W2以上であり、移行回路パターン226の最大幅は第二幅W2以下である。また、移行回路パターン226の表面粗さは実質的に約1μmから1.5μmの間にある。
【0030】
本実施形態において、第二回路パターン224は、
図10に示すように、複数のグリッド電極を備えてもよく、例えば、基板210の中央区域R2のタッチ回路としてもよく、第一回路パターン222は基板210の周縁区域R1に設けられ、第二回路パターン224に連接され、基板の周縁区域R1の連接回路としてもよい。移行回路パターン226は第一回路パターン222と第二回路パターン224の間に連接される。また、
図11からわかるように、パターン化回路層220の回路幅は、第一回路パターン222、移行回路パターン226、第二回路パターン224へと徐々に減少し、第一回路パターン222、移行回路パターン226、第二回路パターン224の断面からわかるように、第一回路パターン222、第二回路パターン224及び移行回路パターン226の上面とそれに対応する側面の接触箇所はいずれも面取り(円弧状)を呈し、一回路パターン222、第二回路パターン224及び移行回路パターン226の底面とそれに対応する側面との角度はいずれも鋭角である。
【0031】
以上により、本発明における回路印刷装置及び回路印刷方法は印刷シリンダの溝パターンの幅に基づき、適切な濃度に自由に調整した導電性インクによって印刷を行い、したがって、ワンステップ印刷製造工程によって印刷したものは、少なくとも二種類の異なる線幅の回路構造を有することができる。本発明における回路構造は、導電性インクが濃すぎて、開放又は線の形状が不均一の問題を回避することができ、導電性インクが薄すぎて、印刷線幅が広くなりすぎて、短絡してしまう問題も回避することができ、さらに、インクが容易に溢れて印刷欠陥を生じることを回避することができる。したがって、本発明は確実にワンステップ印刷を有効的に達成し、回路印刷の製造工程を簡略化し、さらに、回路の製造工程の歩留まり及び印刷品質を有効的に向上できる。
【0032】
本発明は以上の実施形態のように示したが、本発明は、これに限られるものではなく、当業者が本発明の精神の範囲から逸脱しない範囲において、変更又は修正することが可能であるが故に本発明の保護範囲は均等の範囲にまで及ぶものとする。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、回路印刷装置及び回路印刷方法を提供し、同じ材料粒径の導電性インクを使用して、二つの異なる線幅を備える回路構造を印刷する。また、印刷方法で製造した回路構造を提供し、回路パターンは少なくとも二つの異なる線幅を備える。
【符号の説明】
【0034】
100 回路印刷装置
110 印刷シリンダ
112 印刷表面
114 溝パターン
114a 第一溝パターン
114b 第二溝パターン
114c 移行溝パターン
120 インク供給ユニット
122 第一供給槽
124 第二供給槽
126 調合器
128 吐出ユニット
130 ブレードモジュール
132 第一ブレード
134 第二ブレード
140 制御ユニット
200 回路構造
210 基板
220 パターン化回路層
222 第一回路パターン
224 第二回路パターン
226 移行回路パターン
D1 印刷方向
D2 インク供給方向
E1 第一端
E2 第二端
I1 第一導電性インク
I2 第二導電性インク
I3 第三導電性インク
R1 周縁区域
R2 中央区域
W1 第一幅
W2 第二幅
W3 第三幅
【手続補正書】
【提出日】2017年6月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に連接される第一溝パターンと第二溝パターンを備える溝パターンを備える印刷シリンダを提供し、
前記印刷シリンダは印刷方向に沿って基板上でロールさせ、
前記印刷シリンダの前記印刷方向に沿った移動とともに、前記溝パターンに基づき、第一導電性インク、第二導電性インク、前記第一導電性インクと前記第二導電性インクを調合した後の第三導電性インクを前記溝パターンに選択的にスプレー又はコーティングし、
前記溝パターン内の前記第一導電性インク、前記第二導電性インク及び前記第三導電性インクは前記基板に転写されることを含み、
前記第一溝パターンの第一幅は前記第二溝パターンの第二幅より大きく、
前記第一導電性インク及び前記第二導電性インクの固体材料及び溶剤材料は同じであり、前記第二導電性インクにおける前記溶剤材料の重量百分率は前記第一導電性インクにおける前記溶剤材料の重量百分率より大きいことを特徴とする回路印刷方法。
【請求項2】
前記溝パターンの幅に基づき、前記第一導電性インク、前記第二導電性インク及び前記第三導電性インクを前記溝パターンに選択的にスプレー又はコーティングする工程は、
前記第一導電性インクを前記第一溝パターンにスプレー又はコーティングし、前記第二導電性インク又は第三導電性インクを前記第二溝パターンにスプレー又はコーティングすることをさらに含む請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項3】
前記第二導電性インクにおける前記溶剤材料の前記重量百分率と前記第一導電性インクにおける前記溶剤材料の前記重量百分率の差は2.5〜5wt%である請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項4】
前記第一導電性インクと前記第二導電性インクを調合する方法は、前記第一導電性インクと前記第二導電性を攪拌、加熱及び/又は振動することを含む請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項5】
前記溝パターンの幅に基づき、前記第一導電性インク、前記第二導電性インク及び前記第三導電性インクを前記溝パターンに選択的にスプレー又はコーティングする工程は、
前記印刷シリンダのロール速度及び前記溝パターンの分布位置に基づき、前記第一導電性インク、前記第二導電性インク及び前記第三導電性インクをスプレー又はコーティングする吐出ユニットの移動速度及び移動軌跡を制御することを移動速度及び移動軌跡を制御することをさらに含む請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項6】
前記印刷シリンダの前記溝パターン以外に位置する前記第一導電性インク、前記第二導電性インク又は前記第三導電性インクを除去することをさらに含む請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項7】
前記第一幅は実質的に20μmから100μmの間にあり、前記第二幅は実質的に1μmから10μmの間にある請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項8】
前記第一導電性インクと前記第二導電性インクの前記固体材料の粒径は同じである請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項9】
前記第一導電性インクと前記第二導電性インクの前記固体材料の粒径は実質的に0.2から1μmの間にある請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項10】
前記溝パターンは、前記第一溝パターンと前記第二溝パターンの間に連接される移行溝パターンをさらに備える請求項1に記載の回路印刷方法。
【請求項11】
前記移行溝パターンは向かい合う第一端と第二端を備え、前記第一端は前記第一溝パターンに連接され、前記第二端は前記第二溝パターンに連接され、前記移行溝パターンの幅は前記第一端から前記第二端に向かって減少している請求項10に記載の回路印刷方法。
【請求項12】
前記溝パターンの幅に基づき、前記第一導電性インク、前記第二導電性インク及び前記第三導電性インクを前記溝パターンに選択的にスプレー又はコーティングする工程は、
前記第三導電性インクを前記移行溝パターンにスプレー又はコーティングすることをさらに含む請求項10に記載の回路印刷方法。
【請求項13】
前記第一導電性インクと前記第二導電性インクを調合する方法は、
前記溝パターンの幅に基づき、前記第一導電性インクの供給量及び前記第二導電性インクの供給量を制御して、供給される前記第一導電性インク及び前記第二導電性インクを調合することをさらに含む請求項10に記載の回路印刷方法。
【請求項14】
前記第二導電性インクの前記供給量は前記溝パターンの幅の減少にともなって増加する請求項13に記載の回路印刷方法。
【請求項15】
基板と、
前記基板に設けられ、相互に連接される第一回路パターン及び第二回路パターンを備え、一体成型であるパターン化回路層と、を備える回路構造であって、
相互に連接される第一溝パターンと第二溝パターンを備える溝パターンを備える印刷シリンダを提供し、
前記第一溝パターンの第一幅は前記第二溝パターンの第二幅より大きく、
前記第一回路パターン及び前記第二回路パターンの材料粒径は同じであり、前記第一回路パターン及び前記第二回路パターンは前記第一溝パターン及び前記第二溝パターンにそれぞれ対応しており、前記第一回路パターンの第一幅は前記第二回路パターンの第二幅より大きい印刷方法で製造した回路構造。
【請求項16】
前記第一幅は実質的に20μmから100μmの間にあり、前記第二幅は実質的に1μmから10μmの間にある請求項15に記載の回路構造。
【請求項17】
前記第一回路パターン及び前記第二回路パターンの材料は同じである請求項15に記載の回路構造。
【請求項18】
前記材料粒径は実質的に0.2から1μmの間にある請求項15に記載の回路構造。
【請求項19】
前記パターン化回路層は、前記第一回路パターンと前記第二回路パターンの間に連接される移行回路パターンをさらに備える請求項15に記載の回路構造。
【請求項20】
前記移行回路パターンと前記第一回路パターン及び前記第二回路パターンの材料は及びその材料粒径は同じである請求項19に記載の回路構造。
【請求項21】
前記移行回路パターンは向かい合う第一端及び第二端を備え、前記第一端は前記第一回路パターンに連接され、前記第二端は前記第二回路パターンに連接され、前記移行回路パターンの幅は前記第一端から前記第二端に向かって減少している請求項19に記載の回路構造。
【請求項22】
前記移行回路パターンの最小幅は前記第二幅以上であり、前記移行回路パターンの最大幅は前記第一幅以下である請求項19に記載の回路構造。
【請求項23】
前記第一回路パターン、前記第二回路パターン及び前記移行回路パターンの断面において、前記第一回路パターン、前記第二回路パターン及び前記移行回路パターンの上面とそれぞれそれに対応する側面の接触箇所はいずれも面取りされており、前記第一回路パターン、前記第二回路パターン及び前記移行回路パターンの底面とそれに対応する側面との角度はいずれも鋭角である請求項19に記載の回路構造。
【請求項24】
前記第二回路パターンは、複数のグリッド電極を備え、前記第一回路パターンは前記基板の周縁区域に設けられ、前記第二回路パターンに連接される請求項15に記載の回路構造。
【請求項25】
印刷表面及び溝パターンを備え、印刷方向に沿ってロールすることに適している印刷シリンダと、
第一導電性インクを収容する第一供給槽及び、第二導電性インクを収容する第二供給槽を備え、印刷シリンダの上方に移動可能に設けられるインク供給ユニットと、
前記第一供給槽及び前記第二供給槽に連接され、その配置を経て、前記第一導電性インクと前記第二導電性インクを第三導電性インクに調合する調合器と、
前記調合器に連接され、前記第一導電性インク、前記第二導電性インク又は前記第三導電性インクをスプレー又はコーティングする吐出ユニットと、
前記インク供給ユニットに接続され、前記溝パターンに基づき、前記インク供給ユニットの移動と、前記吐出ユニットによって第一導電性インク、第二導電性インク又は第三導電性インクを溝パターンにスプレー又はコーティングすることを制御する制御ユニットと、を備え、
前記溝パターンは前記印刷表面に設けられ、相互に連接される第一溝パターンと第二溝パターンを備え、前記第一溝パターンの第一幅は前記第二溝パターンの第二幅より大きく、
前記第一導電性インクと前記第二導電性インクの固体材料と溶剤材料は同じであり、前記第二導電性インクにおける前記溶剤材料の重量百分率は前記第一導電性インクにおける前記溶剤材料の重量百分率より大きいことを特徴とする回路印刷装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
詳細には、パターン化回路層220は、移行回路パターン226をさらに備え、第一回路パターン222と第二回路パターン224の間に連接される。移行回路パターン226と第一回路パターン222及び第二回路パターン224の材料は及びその材料粒径は同じである。それに、移行回路パターン226は向かい合う第一端及び第二端を備え、第一端は第一回路パターン222に連接され、第二端は第二回路パターン224に連接され、移行回路パターン226の幅は第一端から第二端へ減少し、移行回路パターン226の最小幅は第二幅W2以上であり、移行回路パターン226の最大幅は第
一幅W1以下である。また、移行回路パターン226の表面粗さは実質的に約1μmから1.5μmの間にある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
本実施形態において、第二回路パターン224は、
図10に示すように、複数のグリッド電極を備えてもよく、例えば、基板210の中央区域R2のタッチ回路としてもよく、第一回路パターン222は基板210の周縁区域R1に設けられ、第二回路パターン224に連接され、基板の周縁区域R1の連接回路としてもよい。移行回路パターン226は第一回路パターン222と第二回路パターン224の間に連接される。また、
図11からわかるように、パターン化回路層220の回路幅は、第一回路パターン222、移行回路パターン226、第二回路パターン224へと徐々に減少し、第一回路パターン222、移行回路パターン226、第二回路パターン224の断面からわかるように、第一回路パターン222、第二回路パターン224及び移行回路パターン226の上面とそれに対応する側面の接触箇所はいずれも面取り(円弧状)を呈し、
第一回路パターン222、第二回路パターン224及び移行回路パターン226の底面とそれに対応する側面との角度はいずれも鋭角である。