特開2017-152813(P2017-152813A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2017-152813移動体端末試験装置とその通信経路確立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-152813(P2017-152813A)
(43)【公開日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】移動体端末試験装置とその通信経路確立方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/06 20090101AFI20170804BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20170804BHJP
   H04B 17/29 20150101ALI20170804BHJP
   H04B 17/17 20150101ALI20170804BHJP
   H04M 1/24 20060101ALI20170804BHJP
【FI】
   H04W24/06
   H04W88/02 150
   H04B17/29 200
   H04B17/17
   H04M1/24 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-31628(P2016-31628)
(22)【出願日】2016年2月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】特許業務法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾本 怜児
(72)【発明者】
【氏名】栢沼 豊弘
【テーマコード(参考)】
5K067
5K127
【Fターム(参考)】
5K067AA44
5K067LL08
5K127BA03
5K127CB12
5K127DA19
5K127JA01
5K127JA04
5K127NA02
5K127NA05
(57)【要約】
【課題】通信ログや端末情報を収集してソフトウェアの修正をしなくても確立要求に対応した通信経路を確立させることができ、試験効率を向上させることができる移動体端末試験装置を提供すること。
【解決手段】ユーザからの操作入力を受け付ける入力部141と、試験条件の設定画面や試験実行時の各種情報などを表示する表示部142と、移動体端末2からのDefault Bearerの確立要求を予め設定された所定時間の間に複数受信したとき、その複数の確立要求に設定されたAPNを一覧にして表示部142に表示して、VoLTE用のAPNを入力部141により指定させ、指定されたAPNを記憶しておき、次に移動体端末2からのDefault Bearerの確立要求があったとき、記憶されているAPNが設定された確立要求をIMSサーバ接続用のDefault Bearerの確立要求として処理を行なう制御部15と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された試験条件に従って移動体通信の基地局を擬似して移動体端末(2)を試験する移動体端末試験装置(1)であって、
画像を表示する表示部(142)と、
前記移動体端末から通信経路の確立要求を所定時間の間に複数受信したとき、それぞれの確立要求に設定された所定の情報の一覧を前記表示部に表示させて前記一覧の中から一つを選択させ、選択された前記所定の情報を記憶しておき、その後に受信した前記通信経路の確立要求のうち記憶された前記所定の情報が設定された前記確立要求の前記通信経路を予め設定された通信用に使用する制御部(15)と、を備える移動体端末試験装置。
【請求項2】
前記所定の情報は、前記通信経路の用途を示す情報である請求項1に記載の移動体端末試験装置。
【請求項3】
前記通信経路の用途を示す情報は、APNである請求項2に記載の移動体端末試験装置。
【請求項4】
前記予め設定された通信は、IMSサーバとの通信である請求項1から3のいずれかに記載の移動体端末試験装置。
【請求項5】
設定された試験条件に従って移動体通信の基地局を擬似して移動体端末(2)を試験する移動体端末試験装置(1)の通信経路確立方法であって、
前記移動体端末から通信経路の確立要求を所定時間の間に複数受信したとき、それぞれの確立要求に設定された所定の情報の一覧を表示させるステップと、
前記一覧の中から一つを選択させるステップと、
選択された前記所定の情報を記憶しておくステップと、
その後に受信した前記通信経路の確立要求のうち記憶された前記所定の情報が設定された前記確立要求の前記通信経路を予め設定された通信用に使用するステップと、を備える通信経路確立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信端末の試験を行なう移動体端末試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やデータ通信端末等の移動体通信端末を開発した場合、この開発した移動体通信端末が正常に通信を行なえるか否かを試験する必要がある。このため、実際の基地局の機能を擬似する擬似基地局として動作する試験装置に試験対象の移動体通信端末を接続し、試験装置と移動体通信端末との間で通信を行なわせ、この通信の内容を確認する試験を行なっている。
【0003】
移動体通信端末では、近年、LTE(Long Term Evolution)という規格に対応し、高速にデータ通信を行なえる端末が普及してきている。
【0004】
特許文献1には、LTEに対応した移動体通信端末を試験することができる試験装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−27656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
LTEでは、高速なデータ通信が可能であるが、音声通話のための専用回線を想定していない。このため、LTEにより音声データを送受信して音声通話を行なわせるVoLTE(Voice over Long Term Evolution)が規格化され、使用されてきている。
【0007】
VoLTEを使う場合、移動体通信端末は、通常のインターネット接続用とは別の通信経路(Default Bearer または Dedicated Bearer)を確立して、VoLTEを制御するIMS(IP Multimedia Subsystem)と通信を行なう。
【0008】
移動体通信端末は、インターネット接続用とVoLTE用の通信経路では、異なるAPN(Access Point Name)で通信経路の確立を要求する。基地局では、移動体通信端末が送信してきたAPNを元に接続先を決定している。
【0009】
このようなVoLTEの試験を行なう場合、試験装置は、例えば、インターネット接続用のサーバやVoLTE接続用のサーバを擬似して、移動体通信端末と通信して試験を行なう。
【0010】
このような場合、試験装置は、移動体通信端末が送信してきたAPNにより接続先のサーバを選択したり、IP(Internet Protocol)アドレスを割り当てたりする。
【0011】
しかしながら、APNは、移動体通信システムの事業者や移動体通信端末の使用者が自由に設定できるため、試験装置では、どのAPNがVoLTE用のAPNか判別することができない。
【0012】
このため、従来では、VoLTE用のAPNで使用される頻度が高い「ims」というAPNをVoLTE用のAPNと判定したり、通信経路の確立要求の受信順によりVoLTE用の通信経路を決めたりして、処理していた。
【0013】
このような処理では、VoLTE用のAPNとして「ims」ではないAPNを送信してきた場合や、設定された順番と異なる順番で通信経路の確立要求を送信してきた場合、VoLTE用の通信経路を正しく確立することができず、通信エラー等で試験が途中で失敗してしまう。
【0014】
このような場合、通信ログや端末情報を収集して移動体通信端末が送信しているAPNを確認したり、通信経路の確立要求の送信順を確認したりして、その状況に合わせて試験装置のソフトウェアの修正を行なわなければならず、試験実施の効率が悪かった。
【0015】
そこで、本発明は、通信ログや端末情報を収集してソフトウェアの修正をしなくても確立要求に対応した通信経路を確立させることができ、試験効率を向上させることができる移動体端末試験装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の移動体端末試験装置は、設定された試験条件に従って移動体通信の基地局を擬似して移動体端末を試験する移動体端末試験装置であって、画像を表示する表示部と、前記移動体端末から通信経路の確立要求を所定時間の間に複数受信したとき、それぞれの確立要求に設定された所定の情報の一覧を前記表示部に表示させて前記一覧の中から一つを選択させ、選択された前記所定の情報を記憶しておき、その後に受信した前記通信経路の確立要求のうち記憶された前記所定の情報が設定された前記確立要求の前記通信経路を予め設定された通信用に使用する制御部と、を備えるものである。
【0017】
この構成により、移動体端末が送信した通信経路の確立要求の所定の情報の一覧が表示され、一覧から選択された一つの情報が記憶され、その後記憶された所定の情報と同じ情報が設定された確立要求の通信経路は予め設定された通信に使用される。このため、通信ログや端末情報を収集してソフトウェアの修正をしなくても確立要求に対応した通信経路を確立させることができ、試験効率を向上させることができる。
【0018】
また、本発明の移動体端末試験装置において、前記所定の情報は、前記通信経路の用途を示す情報である。
【0019】
この構成により、通信経路の用途を示す情報が一覧表示され、選択された通信経路の用途を示す情報が記憶され、その後記憶された通信経路の用途を示す情報が設定された確立要求の通信経路は予め設定された通信に使用される。このため、用途を示す情報により予め設定された通信に使用したい通信経路を選択させることで、確立要求に対応した通信経路を確立させることができ、試験効率を向上させることができる。
【0020】
また、本発明の移動体端末試験装置において、前記通信経路の用途を示す情報は、APNである。
【0021】
この構成により、APNが一覧表示され、選択されたAPNが記憶され、その後記憶されたAPNが設定された確立要求の通信経路は予め設定された通信に使用される。このため、APNにより予め設定された通信に使用したい通信経路を選択させることで、確立要求に対応した通信経路を確立させることができ、試験効率を向上させることができる。
【0022】
また、本発明の移動体端末試験装置において、前記予め設定された通信は、IMSサーバとの通信である。
【0023】
この構成により、移動体端末が送信した通信経路の確立要求の所定の情報の一覧が表示され、一覧から選択された一つの情報が記憶され、その後記憶された所定の情報と同じ情報が設定された確立要求の通信経路はIMSサーバとの通信に使用される。このため、所定の情報によりIMSサーバとの通信に使用したい通信経路を選択させることで、VoLTE用の通信経路を確立させることができ、試験効率を向上させることができる。
【0024】
また、本発明の移動体端末試験装置の通信経路確立方法は、設定された試験条件に従って移動体通信の基地局を擬似して移動体端末を試験する移動体端末試験装置の通信経路確立方法であって、前記移動体端末から通信経路の確立要求を所定時間の間に複数受信したとき、それぞれの確立要求に設定された所定の情報の一覧を表示させるステップと、前記一覧の中から一つを選択させるステップと、選択された前記所定の情報を記憶しておくステップと、その後に受信した前記通信経路の確立要求のうち記憶された前記所定の情報が設定された前記確立要求の前記通信経路を予め設定された通信用に使用するステップと、を備えるものである。
【0025】
この構成により、移動体端末が送信した通信経路の確立要求の所定の情報の一覧が表示され、一覧から選択された一つの情報が記憶され、その後記憶された所定の情報と同じ情報が設定された確立要求の通信経路は予め設定された通信に使用される。このため、通信ログや端末情報を収集してソフトウェアの修正をしなくても確立要求に対応した通信経路を確立させることができ、試験効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、試験効率を向上させることができる移動体端末試験装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る移動体端末試験装置のブロック図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る移動体端末試験装置のVoLTE試験時の接続形態の例を示す図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る移動体端末試験装置のVoLTE試験手順を示すシーケンス図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る移動体端末試験装置のAPNの一覧表示の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る移動体端末試験装置について詳細に説明する。
【0029】
図1において、本発明の一実施形態に係る移動体端末試験装置1は、擬似基地局として同軸ケーブル等を介して有線で移動体端末2と無線信号を送受信するようになっている。なお、移動体端末試験装置1は、アンテナを介して無線で移動体端末2と信号を送受信するようにしてもよい。
【0030】
移動体端末試験装置1は、無線信号処理部10と、無線ハードウェア制御部11と、コールプロセッシング部12と、サーバ擬似部13と、ユーザインターフェース部14と、制御部15とを含んで構成されている。
【0031】
無線信号処理部10は、移動体端末2との間で無線信号を送受信するものである。無線信号処理部10は、コールプロセッシング部12及びサーバ擬似部13の送信データを、符号化や、変調、周波数変換などして無線信号を生成して送信する。また、無線信号処理部10は、移動体端末2から受信した無線信号を、周波数変換や、復調、復号などしてコールプロセッシング部12及びサーバ擬似部13に出力する。
【0032】
無線ハードウェア制御部11は、無線信号処理部10を制御して、無線信号の送受信レベルや周波数などを制御するものである。
【0033】
コールプロセッシング部12は、無線信号処理部10及び無線ハードウェア制御部11と接続され、試験条件に応じて設定された周波数や多重化方式などに従って無線ハードウェア制御部11に設定信号を送信して、無線信号処理部10に試験条件に適合した無線信号を送信させる。また、コールプロセッシング部12は、無線信号処理部10を介して、移動体端末2との間で無線信号を送受信して、試験条件に適合した呼接続を移動体端末2との間で行なったり、試験条件に対応した呼制御を行なったりする。
【0034】
サーバ擬似部13は、移動体端末2が基地局を介して接続する各種サーバ装置を擬似する。サーバ擬似部13は、例えば、パケットデータネットワーク(以下、「PDN」ともいう)のDNS(Domain Name System)サーバを擬似することによりPDNを擬似して、移動体端末2のパケットデータネットワークとの接続の試験を行なう。
【0035】
サーバ擬似部13は、例えば、VoLTEを制御するIMSサーバを擬似することによりIMSを擬似して、移動体端末2のVoLTE機能の試験を行なう。
【0036】
ユーザインターフェース部14は、ユーザからの操作入力を受け付ける入力部141と、試験条件の設定画面や試験実行時の各種情報などを表示する表示部142とを備えている。入力部141は、タッチパッドやキーボードやプッシュボタンなどによって構成される。表示部142は、液晶表示装置などによって構成される。
【0037】
制御部15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、ハードディスク装置と、入出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0038】
このコンピュータユニットのROM及びハードディスク装置には、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットを制御部15として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROM及びハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、制御部15として機能する。
【0039】
制御部15の入出力ポートには、無線ハードウェア制御部11、コールプロセッシング部12、サーバ擬似部13、ユーザインターフェース部14が接続されている。
【0040】
なお、本実施形態において、無線ハードウェア制御部11、コールプロセッシング部12、サーバ擬似部13は、各処理を実行するようにプログラミングされたDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサによってそれぞれ構成されている。また、無線信号処理部10は、通信モジュールによって構成されている。
【0041】
制御部15は、表示部142に表示させた試験条件設定画面に従って入力部141による入力操作により設定された試験条件に基づいて、無線ハードウェア制御部11に設定信号を送信して無線信号処理部10が送受信する無線信号の周波数や多重化方式を制御して、移動体端末2と通信を行なわせる。制御部15は、設定された試験条件をコールプロセッシング部12に通知して、設定された試験条件に適合した通信を確立させる。
【0042】
また、制御部15は、入力部141に入力された指示に従って、無線ハードウェア制御部11及びコールプロセッシング部12、サーバ擬似部13に信号を送信して、試験用の呼制御などを行なわせるようになっている。
【0043】
このような移動体端末試験装置1において、VoLTEの試験を行なう場合、図2に示すように、通常確立されるPDN接続用のDefault Bearer(1st)に加え、IMSサーバ接続用のDefault Bearer(2nd)と、音声データの送受信を行なうDedicated Bearer(2nd.1)が確立される。
【0044】
2つのDefault Bearerは、移動体端末2の電源投入後、基地局との通信が可能になってから、移動体端末2からの確立要求により確立される。Default Bearerの確立要求は、連続して送信される。Dedicated Bearerは、移動体端末2からVoLTEの発信要求があると確立される。
【0045】
この2つのDefault BearerのどちらがPDN接続用でどちらがIMSサーバ接続用かを正しく判定し、移動体端末2との間のDefault Bearerの確立を行なわないと、その後の通信がエラーとなり、試験が途中で失敗してしまう。
【0046】
そこで、制御部15は、移動体端末2からのDefault Bearerの確立要求を予め設定された所定時間の間に複数受信したとき、その複数の確立要求に設定されたAPNを一覧にして表示部142に表示させて、例えば、VoLTE用のAPNを入力部141により選択させる。
【0047】
制御部15は、選択されたAPNを記憶しておき、次に移動体端末2からのDefault Bearerの確立要求があったとき、記憶されているAPNが設定された確立要求をIMSサーバ接続用のDefault Bearerの確立要求として処理を行なう。なお、サーバ擬似部13が図2中の破線で囲んだ領域を構成する。
【0048】
このように、移動体端末2から送信される複数のDefault Bearerの確立要求に設定されているAPNを一覧表示し、選択されたAPNをVoLTE用のAPNとして記憶しているため、再度Default Bearerの確立要求を受信したときには、VoLTE用のAPNを正しく判断して、正常に処理を行なうことができる。
【0049】
なお、本実施形態においては、APNを用いてPDN接続用かIMSサーバ接続用かを判定したが、PDN接続用かIMSサーバ接続用かを判定可能であれば他の情報を用いてもよい。
【0050】
また、APNの一覧からVoLTE用のAPNを選択させたが、PDN接続用のAPNを選択させてもよい。
【0051】
このような移動体端末試験装置1の移動体端末2のVoLTE機能の試験手順について説明する。
【0052】
制御部15は、ユーザによる入力部141の操作によりサーバ擬似部13の試験条件を設定することが選択されると、擬似するサーバを選択させる画面を表示部142に表示させて擬似するサーバを選択させる。
【0053】
制御部15は、擬似するサーバが選択されると、選択されたサーバのパラメータを設定させる画面を表示部142に表示させて、パラメータを設定させる。
【0054】
制御部15は、例えば、PDNのDNSサーバを擬似することが選択されると、DNSサーバのIPアドレスや移動体端末2に割り当てるIPアドレス、擬似するPDNの条件などを設定させる。
【0055】
制御部15は、例えば、VoLTEのIMSサーバを擬似することが選択されると、IMSサーバのIPアドレスや移動体端末2に割り当てるIPアドレス、擬似するIMSの条件などを設定させる。
【0056】
このような試験条件が設定された後、移動体端末試験装置1が、移動体端末2と有線で接続され、入力部141への入力により試験の実行が選択されると、制御部15は、無線信号処理部10に報知情報の内容や位置登録処理における送信情報などを送信し、擬似基地局としての動作を開始させる。
【0057】
また、制御部15は、サーバ擬似部13に設定されたサーバのパラメータを送信して試験条件として選択されたサーバの擬似を開始させる。
【0058】
サーバ擬似部13は、受信したパラメータに基づいて、DNSサーバやIMSサーバの擬似を開始する。
【0059】
その後、移動体端末2と移動体端末試験装置1が接続された状態で、移動体端末2の電源がオンされると、移動体端末2から無線通信の確立や位置登録信号の送信が行なわれ、移動体端末2と移動体端末試験装置1が通信可能な状態になる。
【0060】
その後、図3に示すように、移動体端末2からDefault Bearerの確立要求が行なわれる(ステップS1)。このとき、移動体端末2は、確立要求に接続先のAPNを設定してくる。
【0061】
制御部15は、移動体端末2から受信したDefault Bearerの確立要求に設定されたAPNを一覧にして表示部142に表示して、VoLTE用のAPNを入力部141により指定させる。
【0062】
制御部15は、入力部141により指定されたAPNをVoLTE用のAPNとして、例えば、RAMに記憶しておく。
【0063】
その後、移動体端末2を再起動させて、無線信号の確立や位置登録信号の送信が行なわれ、Default Bearerの確立要求が行なわれたとき、RAMに記憶しているAPNが設定されたDefault Bearerの確立要求をVoLTE用のDefault Bearerとして移動体端末2のIPアドレスの割り当てや接続先サーバのIPアドレスの通知などを行なってDefault Bearerを確立する(ステップS1)。
【0064】
その後、移動体端末2がSIP(Session Initiation Protocol) Register要求をIMSサーバに送信し(ステップS2)、それに対し、IMSサーバが登録完了(200 OK)を送信する(ステップS3)。
【0065】
移動体端末2で音声通信の発呼処理が行なわれると、移動体端末2からIMSサーバにINVITE信号が送信され(ステップS4)、同時に、音声通信用のDedicated Bearerが確立される(ステップS5)。
【0066】
その後、移動体端末2からRinging信号が送信され(ステップS6)、それに対し、「200 OK」を受信すると(ステップS7)、セッションが確立し、VoLTEの音声データ通信が開始される(ステップS8)。
【0067】
制御部15は、例えば、図4に示すような画面を表示部142に表示する。この画面は、主に試験パラメータ項目、設定値などの情報を表示するパラメータ領域101と、主に試験結果を表示する試験結果領域102とで構成される。この画面中に移動体端末2から受信したDefault Bearerの確立要求に設定されたAPNを一覧表示する。
【0068】
制御部15は、Default Bearerの確立要求に設定されたAPNを試験結果領域102中にAPN表示領域103として一覧表示させる。同時に、制御部15は、パラメータ領域101中にVoLTE用APN選択部104としてDefault Bearerの確立要求に設定されたAPNを一覧表示させる。
【0069】
制御部15は、VoLTE用APN選択部104に表示したAPNのいずれかが、入力部141のタッチパッドへのタッチやキーボードの操作により選択されると、選択されたAPNをVoLTE用のAPNとしてRAMに記憶し、表示部142のVoLTE用APN表示部105に表示させる。
【0070】
図4では、Default Bearerの確立要求に設定されたAPNとして「XYZIMS」と「XYZINTERNET」の2つのAPNが表示され、VoLTE用のAPNとして「XYZIMS」が選択されている。なお、図4の表示形態が一例であることは言うまでもない。
【0071】
このように、上述の実施形態では、移動体端末2からのDefault Bearerの確立要求を予め設定された所定時間の間に複数受信したとき、その複数の確立要求に設定されたAPNを一覧にして表示部142に表示して、VoLTE用のAPNを入力部141により指定させ、指定されたAPNを記憶しておき、次に移動体端末2からのDefault Bearerの確立要求があったとき、記憶されているAPNが設定された確立要求をIMSサーバ接続用のDefault Bearerの確立要求として処理を行なう制御部15を備える。
【0072】
これにより、移動体端末2からのDefault Bearerの確立要求に設定されたAPNが一覧に表示され、その中からVoLTE用のAPNを指定させることで、その後移動体端末2からのDefault Bearerの確立要求があったとき、指定されたAPNを設定された確立要求がIMSサーバ接続用のDefault Bearerの確立要求として処理される。このため、通信ログや端末情報を収集してソフトウェアの修正をしなくてもVoLTE用の通信経路を確立させることができ、試験効率を向上させることができる。
【0073】
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0074】
1 移動体端末試験装置
2 移動体端末
10 無線信号処理部
11 無線ハードウェア制御部
12 コールプロセッシング部
13 サーバ擬似部
14 ユーザインターフェース部
15 制御部
101 パラメータ領域
102 試験結果領域
103 APN表示領域
104 VoLTE用APN選択部
105 VoLTE用APN表示部
141 入力部
142 表示部
図1
図2
図3
図4