特開2017-153568(P2017-153568A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新日本製薬株式会社の特許一覧

特開2017-153568足裏マッサージ具セット及びその使用方法
<>
  • 特開2017153568-足裏マッサージ具セット及びその使用方法 図000003
  • 特開2017153568-足裏マッサージ具セット及びその使用方法 図000004
  • 特開2017153568-足裏マッサージ具セット及びその使用方法 図000005
  • 特開2017153568-足裏マッサージ具セット及びその使用方法 図000006
  • 特開2017153568-足裏マッサージ具セット及びその使用方法 図000007
  • 特開2017153568-足裏マッサージ具セット及びその使用方法 図000008
  • 特開2017153568-足裏マッサージ具セット及びその使用方法 図000009
  • 特開2017153568-足裏マッサージ具セット及びその使用方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-153568(P2017-153568A)
(43)【公開日】2017年9月7日
(54)【発明の名称】足裏マッサージ具セット及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/04 20060101AFI20170810BHJP
   A61N 2/08 20060101ALI20170810BHJP
【FI】
   A61H39/04 E
   A61N2/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-37606(P2016-37606)
(22)【出願日】2016年2月29日
(71)【出願人】
【識別番号】506383799
【氏名又は名称】新日本製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】植島 祥廣
(72)【発明者】
【氏名】西垣 広志
(72)【発明者】
【氏名】門田 浩明
【テーマコード(参考)】
4C101
4C106
【Fターム(参考)】
4C101BA01
4C101BA08
4C101BA09
4C101BB02
4C101BC01
4C101BD07
4C101BD17
4C101BD26
4C106AA01
4C106BB02
4C106BB05
4C106CC14
4C106CC34
4C106DD04
4C106EE07
4C106EE13
(57)【要約】
【課題】 本発明は、容易に足裏に装着できるものであって、足裏に対して抗菌作用、抗真菌作用又は抗ウイルス作用のいずれか一つ以上の作用の効果を発揮し、かつ、その効果の反復持続を可能とし、しかも足裏に対して土踏まずのツボを刺激し、血行をよくする等のマッサージ効果を備えた足裏マッサージ具セット及びその使用方法を提供するものである。
【解決手段】本発明に係る足裏マッサージ具セットは、足裏マッサージ具Aと、抗菌作用、抗真菌作用又は鎮痛作用、消炎作用、抗ウイルス作用のいずれか一つ以上の作用を有する精油を含浸させた含浸部材Bと、収納容器Cとからなる足裏マッサージ具セットであって、足裏マッサージ具Aは足裏に当接するマッサージ具本体10を備え、マッサージ具本体10は、その全体又は一部がシリコン樹脂又はウレタン樹脂により構成されたものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足裏マッサージ具と、抗菌作用、抗真菌作用、抗ウイルス作用、鎮痛作用又は消炎作用のいずれか一つ以上の作用を有する精油を含浸させた含浸部材と、密閉可能な収納容器とからなる足裏マッサージ具セットであって、
前記足裏マッサージ具は足裏に当接するマッサージ具本体を備え、
前記マッサージ具本体は、その全体又は一部がシリコン樹脂又はウレタン樹脂又はそれらの複合樹脂により構成されている
ことを特徴とする足裏マッサージ具セット。
【請求項2】
前記マッサージ具本体は、足裏に当接する部分に適宜の間隔をおいて複数の突起部が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の足裏マッサージ具セット。
【請求項3】
前記突起部は、磁石体を配設することにより形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の足裏マッサージ具セット。
【請求項4】
前記マッサージ具本体は、足の土踏まずの部分に当接する部分の上面が凸曲面をなす曲面部である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の足裏マッサージ具セット。
【請求項5】
前記マッサージ具本体は、その両側縁に装着バンドが着脱自在に又は固定して取り付けられている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の足裏マッサージ具セット。
【請求項6】
前記含浸部材に含浸させた精油が、テルペン系炭化水素、アルコール類、芳香族アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類、エステル類、オキシド類、ラクトン類のうちのいずれか1種又は複数種の芳香成分を含む
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の足裏マッサージ具セット。
【請求項7】
前記含浸部材に含浸させた精油が、テルペン系炭化水素、アルコール類のうちのいずれか1種又は複数種の芳香成分を30重量%以上含有する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の足裏マッサージ具セット。
【請求項8】
足裏に当接し、全体又は一部がシリコン樹脂又はウレタン樹脂により構成され、適宜の間隔をおいて複数の突起部が形成され、足の土踏まずの部分に当接する部分の上面が凸曲面をなす曲面部であるマッサージ具本体の両側縁に装着バンドが取り付けられた足裏マッサージ具と、抗菌作用、抗真菌作用、抗ウイルス作用、鎮痛作用又は消炎作用のいずれか一つ以上の作用を有する精油を含浸させた含浸部材と、密閉可能な収納容器とを使用し、
前記収納容器に前記精油を含浸させた含浸部材と前記足裏マッサージ具を収納して一定時間密閉し、含浸部材に含浸させた精油の芳香成分をマッサージ具本体のシリコン樹脂又はウレタン樹脂に移行させ、
精油の芳香成分がマッサージ具本体に移行した足裏マッサージ具を収納容器から取り出して足の土踏まずの部分に曲面部の突起部が当接するように装着バンドにより足に装着する
ことを特徴とする足裏マッサージ具セットの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足裏マッサージ具セット及びその使用方法に関し、特に、芳香を放つと共に抗菌作用、抗真菌作用、抗ウイルス作用、鎮痛作用又は消炎作用のいずれか一つ以上の作用を有し、かつ、土踏まずのツボを刺激し、血行をよくすることができ、反復使用が可能な足裏マッサージ具セット及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、精油を使用した足裏からのアロママッサージが足の疲労回復に効果があることが知られている。アロママッサージを行うときには、マッサージオイルを媒体として精油を1%以下の濃度になるように希釈して使用されている。これは精油の濃度が1%を越えると肌に問題が生じることを回避するためである。
【0003】
また、足裏マッサージ具については下記特許文献1〜6に記載のものが知られている。
【0004】
下記特許文献1には、指圧パーツを荷重作用方向への変位が許容された状態でクッション材に設置し、クッション材と指圧パーツとを吸汗性の布地カバーで覆った足裏指圧サポーターが示されており、クッション材にはシリコン系の樹脂が使用され、指圧パーツ4には磁石が使用されていることが示されている。
【0005】
下記特許文献2には、膨らみを有する、あるいは膨らみ上部に突起を有するパッド部と、パッド部と一体をなす足締め付けバンドからなる健康足バンドが示されており、突起の頭部数カ所に強磁性の磁石が埋め込まれていることが示されている。
【0006】
下記特許文献3には、取付け帯がマットに張り付けられ、取付け帯の一端の表側と他端の裏側とに一対の面ファスナーが縫い付けられ、取付け帯は、面ファスナーによりマットを足裏に当てた状態で足の甲を覆うよう取付け可能であり、柔軟性の3個の突起部がマットの足裏に当たる部分に固定され、磁石が突起部の各頂点に固定される足裏マッサージ具が示されている。
【0007】
下記特許文献4には、足のサイズに拘わらず足部を自在に着脱固定する伸縮自在な帯状ベルトに面ファスナーまたは複数のフック及び複数のフック孔を設けた、自在に着脱可能な装着手段を具備し、その帯状ベルトの中央部に足裏土踏まずのツボを指圧刺激する、ゴムまたは可塑性樹脂からなる半円球体突起部を設け、突起部の先端にマグネットを埋込固定、もしくは半円球体突起部の部材にトルマリン鉱石粉粒体を添加、または前記突起部にトルマリン鉱石粒体を封入した健康用具が示されている。
【0008】
下記特許文献5には、上面を中高に形成した楕円形板状体を軟質塩化ビニール又はゴム等の弾性に富む材料により形成し、この楕円形板状体の長軸方向に沿って数個の粒状磁石を磁極が上面に露出するように適当な間隔をおいて埋設し、ゴムバンド等の2本の弾性バンドを架け渡して足に嵌着できる土踏まず用磁気サポーターが示されている。
【0009】
下記特許文献6には、平面を弧面状に成形し、突状側上面に複数の半球状突起を突設した弧状曲面板に平面状底板を被蓋した押圧具本体の対応する側縁部間を、伸縮性を有するバンドにより連結し、弧状曲面板と平板状底板の空間部に脱臭剤を収納してなる人体の壷押圧具が示されている。
【0010】
以上のように、マッサージ具本体にシリコン樹脂が使用され、マッサージ具本体の足裏に当接する部分に適宜の間隔をおいて、磁石体を配設した突起部が形成され、土踏まずの部分に当接する部分の上面が凸曲面をなす曲面部であり、両側縁に装着バンドが取り付けられ、曲面部内部に脱臭剤が収納されたマッサージ具が知られている。
【0011】
下記特許文献7には、シリコンゴム成形体内部に空洞部分を設けて、その空洞部分に、芳香剤や忌避剤などに代表される揮発性成分を有する液体、個体、ゲル状体、粉体あるいは、臭気などを吸引吸着する物質を封入密封して、シリコンゴム内部の空洞壁面を通して、徐々に外部へ芳香や忌避物質を揮散させるなり、あるいは、臭気を吸引できるように、持続的、安定的な効果を持たせた芳香や忌避および消臭などの効果を有するシリコンゴム成形体が示されており、揮発性成分として忌避剤とされるレモンユーカリ精油及び芳香剤としてはローズの芳香を放つローズオイル、臭気などを吸引吸着する物質として消臭剤粉末のシュークレンズを使用する例が示されている。
【0012】
また、下記特許文献8には、気密性を有する袋容器に、薄膜のポリエチレン製フイルムで包装した芳香成分や虫よけ成分などの揮発性物質を含む薬液を含浸させたパルプ製チップと、一般成形用ミラブル型シリコンゴム製の成形品とを同封密封し、前記一般成形用ミラブル型シリコンゴム製の成形品に芳香成分や虫よけ成分などの揮発性物質を吸着させて使用し、使用により芳香や虫よけの効果がなくなれば改めて芳香成分や虫よけ成分を吸着させることにより、芳香や虫よけなどの揮発性物質を長期に亘って効果的持続的に利用できる揮発性物質の反復吸着用簡易セットが示されており、芳香成分や虫よけ成分などの揮発性物質としてレモンユーカリ、ローズ、ペパーミント及びラベンダーの精油を使用する例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2004−358268号公報
【特許文献2】実開平7−43082号公報
【特許文献3】実用新案登録第3023752号公報
【特許文献4】実用新案登録第3102145号公報
【特許文献5】実公昭56−26731号公報
【特許文献6】実公平6−20522号公報
【特許文献7】特開2015−30847号公報
【特許文献8】実用新案登録第3155415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記特許文献1〜6に示される足裏マッサージ具は、足裏のマッサージ効果を主とするものであり、抗菌作用、抗真菌作用、抗ウイルス作用、鎮痛作用又は消炎作用の効果を発揮するものではない。
【0015】
また、上記特許文献7及び8に示されるシリコンゴム成形体や揮発性物質の反復吸着用簡易セットは、芳香剤や忌避剤などに代表される揮発性成分としてユーカリ、ローズ、ペパーミント及びラベンダーの精油を使用することが示され、消臭剤としてシュークレンズを使用して、芳香作用、虫除け作用又は消臭作用の効果を奏するものであるが、足裏に対するものではなく、足裏に対する抗菌作用、抗真菌作用又は抗ウイルス作用の効果を発揮するものではない。
【0016】
本発明者は、鋭意研究した結果、容易に足裏に装着できるものであって、足裏に対して抗菌作用、抗真菌作用、抗ウイルス作用、鎮痛作用又は消炎作用のいずれか一つ以上の作用の効果を発揮し、かつ、その効果の反復持続を可能とし、しかも足裏に対して土踏まずのツボを刺激し、血行をよくする等のマッサージ効果を備えた足裏マッサージ具セット及びその使用方法を発明した。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る足裏マッサージ具セットは、足裏マッサージ具と、抗菌作用、抗真菌作用、抗ウイルス作用、鎮痛作用又は消炎作用のいずれか一つ以上の作用を有する精油を含浸させた含浸部材と、密閉可能な収納容器とからなる足裏マッサージ具セットであって、前記足裏マッサージ具は足裏に当接するマッサージ具本体を備え、前記マッサージ具本体は、その全体又は一部がシリコン樹脂又はウレタン樹脂又はそれらの複合樹脂により構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
上記構成に係る足裏マッサージ具セットにおいて、前記マッサージ具本体は、足裏に当接する部分に適宜の間隔をおいて複数の突起部が形成されている構成としてもよい。
【0019】
また、上記構成に係る足裏マッサージ具セットにおいて、前記突起部は、磁石体を配設することにより形成されている構成としてもよい。
【0020】
さらに、上記各構成に係る足裏マッサージ具セットにおいて、前記マッサージ具本体は、足の土踏まずの部分に当接する部分の上面が凸曲面をなす曲面部である構成としてもよい。
【0021】
さらにまた、上記各構成に係る足裏マッサージ具セットにおいて、前記マッサージ具本体は、その両側縁に装着バンドが着脱自在に又は固定して取り付けられている構成としてもよい。
【0022】
また、上記各構成に係る足裏マッサージ具セットにおいて、前記含浸部材に含浸させた精油が、テルペン系炭化水素、アルコール類、芳香族アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類、エステル類、オキシド類、ラクトン類のうちのいずれか1種又は複数種の芳香成分を含む構成としてもよい。
【0023】
さらに、上記各構成に係る足裏マッサージ具セットにおいて、前記含浸部材に含浸させた精油が、テルペン系炭化水素、アルコール類のうちのいずれか1種又は複数種の芳香成分を30重量%以上含有する構成としてもよい。
【0024】
本発明に係る足裏マッサージ具セットの使用方法は、足裏に当接し、全体又は一部がシリコン樹脂又はウレタン樹脂により構成され、適宜の間隔をおいて複数の突起部が形成され、足の土踏まずの部分に当接する部分の上面が凸曲面をなす曲面部であるマッサージ具本体の両側縁に装着バンドが取り付けられた足裏マッサージ具と、抗菌作用、抗真菌作用、抗ウイルス作用、鎮痛作用又は消炎作用のいずれか一つ以上の作用を有する精油を含浸させた含浸部材と、密閉可能な収納容器とを使用し、前記収納容器に前記精油を含浸させた含浸部材と前記足裏マッサージ具を収納して一定時間密閉し、含浸部材に含浸させた精油の芳香成分をマッサージ具本体のシリコン樹脂又はウレタン樹脂に移行させ、精油の芳香成分がマッサージ具本体に移行した足裏マッサージ具を収納容器から取り出して足の土踏まずの部分に曲面部の突起部が当接するように装着バンドにより足に装着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る足裏マッサージ具セット及びその使用方法は、上記のように構成したことにより、容易に足裏に装着でき、足裏に対して抗菌作用、抗真菌作用、抗ウイルス作用、鎮痛作用又は消炎作用のいずれか一つ以上の作用の効果を発揮し、かつ、足裏に対して土踏まずのツボを刺激し、血行をよくする等のマッサージ効果を備え、しかもその効果の反復持続を可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施例1に係る足裏マッサージ具セット全体の斜視図である。
図2】実施例1に係る足裏マッサージ具の斜視図である。
図3】実施例1に係る足裏マッサージ具を足に装着した状態を示す斜視図である。
図4】足裏マッサージ具の第1の変更例であり、図中の(a)は平面図であり、図中の(b)は正面図である。
図5】足裏マッサージ具の第2の変更例である。
図6】実施例1に係る含浸部材の斜視図である。
図7】実施例1に係る収納容器の斜視図である。
図8】収納容器に足裏マッサージ具及び含浸部材を収納した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る足裏マッサージ具セットの好適な実施例を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0028】
本実施例に係る足裏マッサージ具セットは、図1に示すように、足裏マッサージ具A、含浸部材B及び収納容器Cとから構成される。
【0029】
前記の足裏マッサージ具Aは、図2に示すように、足の土踏まずの個所にあてがうマッサージ具本体10とその左右に延びる装着バンド20とを備えている。
【0030】
前記足裏マッサージ具本体10は、その全体が伸縮性を有するシリコン樹脂で形成された平面視で半月状をなすものである。その底面は平坦であり、上面は膨らんだ凸曲面をなす形状をなしている。すなわち、半月状の弦の中央部分は厚く盛り上がった曲面部11であり、曲面部11から半円状の円弧部12にかけてなだらかに薄くなる形状に形成されていて、足裏の土踏まずの個所にフィットするように構成されている。また、マッサージ具本体10の曲面部11上面には、複数の突起部13が形成されており、当該突起部13には磁石14が配設されている。
【0031】
前記の装着バンド20は、マッサージ具本体10と同様に伸縮性を有するシリコン樹脂で帯状に形成されたものであり、マッサージ具本体10の左右それぞれに2本ずつ一体的に形成されている。そして、装着バンド20のそれぞれの遊離端部には面ファスナーが取り付けられていて端部同士が互いに接合可能になっている。すなわち、一方の端部の上面には面ファスナーのフック部21aが取り付けられ、他方の端部の下面には面ファスナーのループ部21bが取り付けられていて、面ファスナーのフック部21aとループ部21bとが接合するようになっている。
【0032】
図3は、上記足裏マッサージ具Aを足に装着した状態を示し、足裏マッサージ具本体10を足裏の土踏まずの個所にあてがい、足の甲側で装着バンド20の各端部同士を接合して足に装着される。
【0033】
以上のように足裏マッサージ具Aが構成されていることにより、足裏マッサージ具本体10を足裏に装着した状態において体重がかかっても足裏マッサージ具本体10が適度に収縮して違和感を抱かせることがない。なお、シリコン樹脂に代えてウレタン樹脂を使用してもよく、それらの複合樹脂を使用してもよい。なお、足裏マッサージ具A、特に足裏マッサージ具本体10を形成するシリコン樹脂やウレタン樹脂は、後述するように、含浸部材Bに含浸させた精油の芳香成分がシリコン樹脂やウレタン樹脂に短時間で移行し、かつ、緩やかに揮散する性質がある。
【0034】
また、上面に形成された突起部13により足裏のツボが押されるので、マッサージ効果があり、さらに突起部13に配設された磁石14は血行を促進させる効果がある。さらに、上記装着バンド20は、2本それぞれが互いに接合できるので、足の甲側で接合する際に足裏マッサージ具Aの装着位置により足の周囲長さが異なっていても適度に調整ができるので、無理な締め付け感を感じさせることがない。
【0035】
なお、足裏マッサージ具本体10及び装着バンド20は、本実施例の形態に限られるものではなく、図4に示すように、足裏マッサージ具本体110は楕円型で上面中央部が盛り上がった曲面部111を有し、当該曲面部111上面に、複数の突起部113を形成し、当該突起部113には磁石114が配設し、足裏マッサージ具本体110の左右に幅広の装着バンド120を1本ずつ配した構成としてもよい。
【0036】
また、図5に示すように、装着バンドを一体に備えておいない足裏マッサージ具本体210であって、装着バンドは別途に備えていて着脱自在とし、かつ、装着バンドは足裏マッサージ具本体210と異なる材質であってもよい。
【0037】
さらに、装着バンドの接合手段は面ファスナーに限られるものではない。
【0038】
図6は、含浸部材Bを示し、矩形状のパルプ紙よりなる基材30に精油を含浸させたものである。
【0039】
基材30に含浸させる精油としては、テルペン系炭化水素(カンフェン、リモネン、テルピネン、ピネン、セビネン、ミルセン、パラシメン等のモノテルペン炭化水素類及びアズレン、カマズレン、サンタレン、β−カリオフィレン、β−ビサボレン、ブルネッセン等のセスキテルペン炭化水素類等)、アルコール類(シトロネロール、ゲラ二オール、リナロール、L−メントール、テルピネオール、ツヤノール、テルピネン等のモノテルペンアルコール類、アズレン、カマズレン、サンタロール、ネロリドール、ブルネッセン、ファルネセン等のセスキテルペンアルコール類及びスクラレオール、フィトール等のジテルペンアルコール類等)、芳香族アルコール類(アネトール、カルバクロール、オイゲノール、チモール、チャビコール等のフェノール類、トランスアネトール、チャコピコールメチルエーテルう、サフロール等のフェノールエーテル類等)、アルデヒド類(シトラール、シトロネラール等のテルペン系アルデヒド類及びクミンアルデヒド等の芳香族アルデヒド類等)、ケトン類(ボルネオン、ジャスモン、クリプトン、ベルベノン、ツヨン、ピノカルポン、メントン、フェンコン、カルボン、ヌーカトン等)、カルボン酸類、エステル類(酢酸ベンジル、酢酸リナリル)、オキシド類(1,8シネオール(ユーカリプトール)、アスカリドール、ビサボロールオキサイド等)、ラクトン類(ジャスミンラクトン、クマリン、ベルガプテン等)のうちのいずれか1種又は複数種を芳香成分に含むものが好ましい。
【0040】
上記のテルペン系炭化水素には、消毒作用、殺菌作用、抗炎症作用、鎮痛作用、抗ウイルス作用、うっ滞除去作用、コーチゾン(ステロイド)様作用、抗アレルギー作用、抗ヒスタミン作用を発揮するものが含まれている。
【0041】
上記のアルコール類には、消毒作用、殺菌作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗真菌作用、鎮痛作用、皮膚弾力回復作用、収斂作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、強心作用、抗マラリア活性、鎮静作用、ホルモン様作用、止血作用、ホルモン調整作用を発揮するものが含まれている。
【0042】
上記の芳香族アルコール類には、消毒作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗真菌作用、免疫力向上作用、加温作用、強壮作用、駆虫作用、エストロゲン様作用、消化促進作用、駆風作用、殺虫作用、昆虫忌避作用、鎮痛作用、抗アレルギー作用、抗痙攣作用を発揮するものが含まれている。
【0043】
上記のアルデヒド類には、抗ヒスタミン作用、抗真菌作用、抗菌作用、抗炎症作用、抗ウイルス作用、昆虫忌避作用、鎮痛作用、昆虫忌避作用、鎮静作用、麻酔作用、胆汁分泌促進作用、駆風作用を発揮するものが含まれている。
【0044】
上記のケトン類には、粘液溶解作用、脂肪分解作用、去痰作用、はんこん形成作用、筋肉弛緩作用、賦活作用、昆虫忌避作用、胆汁分泌促進作用を発揮するものが含まれている。
【0045】
上記のエステル類には、抗炎症作用、抗痙攣作用、神経系の鎮静作用、強壮作用、興奮作用を発揮するものが含まれている。
【0046】
上記のオキシド類には、去痰作用、抗炎症作用、免疫調整作用、疫粘液溶解作用、抗カタル作用を発揮するものが含まれている。
【0047】
上記のラクトン類には、粘液分泌調整作用、去痰作用、脂肪分解作用、血液流動化作用、抗痙攣作用を発揮するものが含まれている。
【0048】
なお、基材30の形態は矩形状に限られるものではなく、また、その材質もパルプ紙に限られるものではない。
【0049】
図7は、収納容器Cを示し、当該収納容器Cは、前記の足裏マッサージ具A及び含浸部材Bが収納可能な大きさであって、密閉可能な袋状の容器である。すなわち、当該収納容器Cは、気体透過性を低くするためにポリエステルフィルムとアルミニウム箔との積層フィルムにポリエチレン塗工膜積層した3層の複合フィルムを使用し、3辺を溶着して袋状に形成したものであり、開口部40にはポリエチレン製のチャック41が配されていて、開口部40の閉塞時には収納容器C内部の気密性を高めると共に、開閉し易くなることから収納容器Cから足裏マッサージ具Aを出し入れすることが容易になる。
【0050】
なお、当該収納容器Cは、前記のものに限られるものではなく、開閉蓋を有する直方体形状等の適宜の形態をなす立体状の容器であってもよく、その材質も上記のものに限られるものではない。収納容器内部の気密性が高く、足裏マッサージ具Aの出し入れが容易なものであればよい。
【0051】
図8は、密閉性のある収納容器Cに足裏マッサージ具A及び精油を含浸させた含浸部材Bを封入した状態を示し、図示するように、収納容器Cに足裏マッサージ具A及び含浸部材Bを封入していると、含浸部材Bに含浸されている精油が足裏マッサージ具Aに急速に移行する。精油が移行した足裏マッサージ具Aを収納容器Cから取り出し、図3に示すように、当該足裏マッサージ具Aを足に装着すると、足裏マッサージ具Aから精油の芳香成分が緩やかに揮散して精油の芳香成分が有する上記した種々の作用が足裏にもたらされる。同時に前述したように足裏マッサージ具Aの上面に形成された突起部13により足裏のツボが押されるのでマッサージ効果があり、さらに突起部13に配設された磁石により血行を促進させる効果がある。
【0052】
そして、使用により足裏マッサージ具Aに移行した精油の芳香成分の揮散量が低下したときには、足裏マッサージ具Aを前記含浸部材Bを収納した収納容器Cに収納して一定時間経過させれば、含浸部材Bに含浸している精油の芳香成分が足裏マッサージ具Aに移行するので、足裏マッサージ具Aの再度の使用が可能となる。このことを繰り返せば、反復使用が可能であって、精油の芳香成分による作用を持続させることができる。
【0053】
次に、精油の芳香成分がシリコン樹脂に移行する速さ及びシリコン樹脂に移行した精油の芳香成分が揮散する速さを実測した。実測にはシリコン樹脂に対して0.13gの芳香成分を使用した。
【0054】
精油の芳香成分がシリコン樹脂に移行する速さについては、0.5時間経過後、芳香成分は0.05g移行し、1時間経過後、0.07g移行し、2時間経過後、0.09g移行し、3.5時間経過後、0.105g移行し、5時間経過後、0.12g移行し、6.5時間経過後、0.125g移行し、9時間経過後、芳香成分の全てである0.13gが移行した。
【0055】
シリコン樹脂に移行した精油の芳香成分が揮散する速さについて、上記の芳香成分0.13gが移行したシリコン樹脂の揮散量を測定した。2.5時間経過後、0.05g揮散し、104.5時間経過後、0.06g揮散し、177.5時間経過後、0.1g揮散して、シリコン樹脂に含有している芳香成分が0.03gとなった。
【0056】
以上のことから、足裏マッサージ具Aを長期間使用して芳香成分が揮散しても、短時間で足裏マッサージ具Aに芳香成分を移行させることができるので、本実施例における足裏マッサージ具セットは極めて便利であり、この足裏マッサージ具セットを2セット用意しておけば、両足に装着することができるので、さらに便利である。
【0057】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
A・・・足裏マッサージ具
10・・マッサージ具本体
11・・曲面部
12・・円弧部
13・・突起部
14・・磁石
20・・装着バンド
21a・面ファスナーのフック部
21b・面ファスナーのループ部
B・・・含浸部材
30・・基材
C・・・収納容器
40・・開口部
41・・チャック
110・足裏マッサージ具本体
111・曲面部
113・突起部
114・磁石
120・装着バンド
210・足裏マッサージ具本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8