【実施例1】
【0028】
本実施例に係る足裏マッサージ具セットは、
図1に示すように、足裏マッサージ具A、含浸部材B及び収納容器Cとから構成される。
【0029】
前記の足裏マッサージ具Aは、
図2に示すように、足の土踏まずの個所にあてがうマッサージ具本体10とその左右に延びる装着バンド20とを備えている。
【0030】
前記足裏マッサージ具本体10は、その全体が伸縮性を有するシリコン樹脂で形成された平面視で半月状をなすものである。その底面は平坦であり、上面は膨らんだ凸曲面をなす形状をなしている。すなわち、半月状の弦の中央部分は厚く盛り上がった曲面部11であり、曲面部11から半円状の円弧部12にかけてなだらかに薄くなる形状に形成されていて、足裏の土踏まずの個所にフィットするように構成されている。また、マッサージ具本体10の曲面部11上面には、複数の突起部13が形成されており、当該突起部13には磁石14が配設されている。
【0031】
前記の装着バンド20は、マッサージ具本体10と同様に伸縮性を有するシリコン樹脂で帯状に形成されたものであり、マッサージ具本体10の左右それぞれに2本ずつ一体的に形成されている。そして、装着バンド20のそれぞれの遊離端部には面ファスナーが取り付けられていて端部同士が互いに接合可能になっている。すなわち、一方の端部の上面には面ファスナーのフック部21aが取り付けられ、他方の端部の下面には面ファスナーのループ部21bが取り付けられていて、面ファスナーのフック部21aとループ部21bとが接合するようになっている。
【0032】
図3は、上記足裏マッサージ具Aを足に装着した状態を示し、足裏マッサージ具本体10を足裏の土踏まずの個所にあてがい、足の甲側で装着バンド20の各端部同士を接合して足に装着される。
【0033】
以上のように足裏マッサージ具Aが構成されていることにより、足裏マッサージ具本体10を足裏に装着した状態において体重がかかっても足裏マッサージ具本体10が適度に収縮して違和感を抱かせることがない。なお、シリコン樹脂に代えてウレタン樹脂を使用してもよく、それらの複合樹脂を使用してもよい。なお、足裏マッサージ具A、特に足裏マッサージ具本体10を形成するシリコン樹脂やウレタン樹脂は、後述するように、含浸部材Bに含浸させた精油の芳香成分がシリコン樹脂やウレタン樹脂に短時間で移行し、かつ、緩やかに揮散する性質がある。
【0034】
また、上面に形成された突起部13により足裏のツボが押されるので、マッサージ効果があり、さらに突起部13に配設された磁石14は血行を促進させる効果がある。さらに、上記装着バンド20は、2本それぞれが互いに接合できるので、足の甲側で接合する際に足裏マッサージ具Aの装着位置により足の周囲長さが異なっていても適度に調整ができるので、無理な締め付け感を感じさせることがない。
【0035】
なお、足裏マッサージ具本体10及び装着バンド20は、本実施例の形態に限られるものではなく、
図4に示すように、足裏マッサージ具本体110は楕円型で上面中央部が盛り上がった曲面部111を有し、当該曲面部111上面に、複数の突起部113を形成し、当該突起部113には磁石114が配設し、足裏マッサージ具本体110の左右に幅広の装着バンド120を1本ずつ配した構成としてもよい。
【0036】
また、
図5に示すように、装着バンドを一体に備えておいない足裏マッサージ具本体210であって、装着バンドは別途に備えていて着脱自在とし、かつ、装着バンドは足裏マッサージ具本体210と異なる材質であってもよい。
【0037】
さらに、装着バンドの接合手段は面ファスナーに限られるものではない。
【0038】
図6は、含浸部材Bを示し、矩形状のパルプ紙よりなる基材30に精油を含浸させたものである。
【0039】
基材30に含浸させる精油としては、テルペン系炭化水素(カンフェン、リモネン、テルピネン、ピネン、セビネン、ミルセン、パラシメン等のモノテルペン炭化水素類及びアズレン、カマズレン、サンタレン、β−カリオフィレン、β−ビサボレン、ブルネッセン等のセスキテルペン炭化水素類等)、アルコール類(シトロネロール、ゲラ二オール、リナロール、L−メントール、テルピネオール、ツヤノール、テルピネン等のモノテルペンアルコール類、アズレン、カマズレン、サンタロール、ネロリドール、ブルネッセン、ファルネセン等のセスキテルペンアルコール類及びスクラレオール、フィトール等のジテルペンアルコール類等)、芳香族アルコール類(アネトール、カルバクロール、オイゲノール、チモール、チャビコール等のフェノール類、トランスアネトール、チャコピコールメチルエーテルう、サフロール等のフェノールエーテル類等)、アルデヒド類(シトラール、シトロネラール等のテルペン系アルデヒド類及びクミンアルデヒド等の芳香族アルデヒド類等)、ケトン類(ボルネオン、ジャスモン、クリプトン、ベルベノン、ツヨン、ピノカルポン、メントン、フェンコン、カルボン、ヌーカトン等)、カルボン酸類、エステル類(酢酸ベンジル、酢酸リナリル)、オキシド類(1,8シネオール(ユーカリプトール)、アスカリドール、ビサボロールオキサイド等)、ラクトン類(ジャスミンラクトン、クマリン、ベルガプテン等)のうちのいずれか1種又は複数種を芳香成分に含むものが好ましい。
【0040】
上記のテルペン系炭化水素には、消毒作用、殺菌作用、抗炎症作用、鎮痛作用、抗ウイルス作用、うっ滞除去作用、コーチゾン(ステロイド)様作用、抗アレルギー作用、抗ヒスタミン作用を発揮するものが含まれている。
【0041】
上記のアルコール類には、消毒作用、殺菌作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗真菌作用、鎮痛作用、皮膚弾力回復作用、収斂作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、強心作用、抗マラリア活性、鎮静作用、ホルモン様作用、止血作用、ホルモン調整作用を発揮するものが含まれている。
【0042】
上記の芳香族アルコール類には、消毒作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗真菌作用、免疫力向上作用、加温作用、強壮作用、駆虫作用、エストロゲン様作用、消化促進作用、駆風作用、殺虫作用、昆虫忌避作用、鎮痛作用、抗アレルギー作用、抗痙攣作用を発揮するものが含まれている。
【0043】
上記のアルデヒド類には、抗ヒスタミン作用、抗真菌作用、抗菌作用、抗炎症作用、抗ウイルス作用、昆虫忌避作用、鎮痛作用、昆虫忌避作用、鎮静作用、麻酔作用、胆汁分泌促進作用、駆風作用を発揮するものが含まれている。
【0044】
上記のケトン類には、粘液溶解作用、脂肪分解作用、去痰作用、はんこん形成作用、筋肉弛緩作用、賦活作用、昆虫忌避作用、胆汁分泌促進作用を発揮するものが含まれている。
【0045】
上記のエステル類には、抗炎症作用、抗痙攣作用、神経系の鎮静作用、強壮作用、興奮作用を発揮するものが含まれている。
【0046】
上記のオキシド類には、去痰作用、抗炎症作用、免疫調整作用、疫粘液溶解作用、抗カタル作用を発揮するものが含まれている。
【0047】
上記のラクトン類には、粘液分泌調整作用、去痰作用、脂肪分解作用、血液流動化作用、抗痙攣作用を発揮するものが含まれている。
【0048】
なお、基材30の形態は矩形状に限られるものではなく、また、その材質もパルプ紙に限られるものではない。
【0049】
図7は、収納容器Cを示し、当該収納容器Cは、前記の足裏マッサージ具A及び含浸部材Bが収納可能な大きさであって、密閉可能な袋状の容器である。すなわち、当該収納容器Cは、気体透過性を低くするためにポリエステルフィルムとアルミニウム箔との積層フィルムにポリエチレン塗工膜積層した3層の複合フィルムを使用し、3辺を溶着して袋状に形成したものであり、開口部40にはポリエチレン製のチャック41が配されていて、開口部40の閉塞時には収納容器C内部の気密性を高めると共に、開閉し易くなることから収納容器Cから足裏マッサージ具Aを出し入れすることが容易になる。
【0050】
なお、当該収納容器Cは、前記のものに限られるものではなく、開閉蓋を有する直方体形状等の適宜の形態をなす立体状の容器であってもよく、その材質も上記のものに限られるものではない。収納容器内部の気密性が高く、足裏マッサージ具Aの出し入れが容易なものであればよい。
【0051】
図8は、密閉性のある収納容器Cに足裏マッサージ具A及び精油を含浸させた含浸部材Bを封入した状態を示し、図示するように、収納容器Cに足裏マッサージ具A及び含浸部材Bを封入していると、含浸部材Bに含浸されている精油が足裏マッサージ具Aに急速に移行する。精油が移行した足裏マッサージ具Aを収納容器Cから取り出し、
図3に示すように、当該足裏マッサージ具Aを足に装着すると、足裏マッサージ具Aから精油の芳香成分が緩やかに揮散して精油の芳香成分が有する上記した種々の作用が足裏にもたらされる。同時に前述したように足裏マッサージ具Aの上面に形成された突起部13により足裏のツボが押されるのでマッサージ効果があり、さらに突起部13に配設された磁石により血行を促進させる効果がある。
【0052】
そして、使用により足裏マッサージ具Aに移行した精油の芳香成分の揮散量が低下したときには、足裏マッサージ具Aを前記含浸部材Bを収納した収納容器Cに収納して一定時間経過させれば、含浸部材Bに含浸している精油の芳香成分が足裏マッサージ具Aに移行するので、足裏マッサージ具Aの再度の使用が可能となる。このことを繰り返せば、反復使用が可能であって、精油の芳香成分による作用を持続させることができる。
【0053】
次に、精油の芳香成分がシリコン樹脂に移行する速さ及びシリコン樹脂に移行した精油の芳香成分が揮散する速さを実測した。実測にはシリコン樹脂に対して0.13gの芳香成分を使用した。
【0054】
精油の芳香成分がシリコン樹脂に移行する速さについては、0.5時間経過後、芳香成分は0.05g移行し、1時間経過後、0.07g移行し、2時間経過後、0.09g移行し、3.5時間経過後、0.105g移行し、5時間経過後、0.12g移行し、6.5時間経過後、0.125g移行し、9時間経過後、芳香成分の全てである0.13gが移行した。
【0055】
シリコン樹脂に移行した精油の芳香成分が揮散する速さについて、上記の芳香成分0.13gが移行したシリコン樹脂の揮散量を測定した。2.5時間経過後、0.05g揮散し、104.5時間経過後、0.06g揮散し、177.5時間経過後、0.1g揮散して、シリコン樹脂に含有している芳香成分が0.03gとなった。
【0056】
以上のことから、足裏マッサージ具Aを長期間使用して芳香成分が揮散しても、短時間で足裏マッサージ具Aに芳香成分を移行させることができるので、本実施例における足裏マッサージ具セットは極めて便利であり、この足裏マッサージ具セットを2セット用意しておけば、両足に装着することができるので、さらに便利である。
【0057】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。