【解決手段】門型の装置フレーム26と、装置フレーム26内に横向きに配置され、周面にフィルタ42が形成されるとともに側面に浮遊藻類を表層水と一緒に吸引して取り込む吸引配管20の一方端部及びフィルタ42を洗う水を吐出する吐出配管22の一方端部を導く導入口48が開口された円筒状のゴミ分離ドラム28と、ゴミ分離ドラム28の両端部周面をそれぞれ3点支持する合計6個の支持ローラ30と、ゴミ分離ドラム28を回転するモータ32と、装置フレーム26を浮かせる浮き部材34と、ゴミ分離ドラム28内に設けられ、吸引配管20に連通する吸引ノズル36及び吐出配管22に吐出ノズル38と、ゴミ分離ドラム28の外面に突起した状態で複数枚設けられたスキーマ40と、を備えた。
前記ゴミ分離ドラムの外側に、前記フィルタの外面を洗浄する洗浄ノズルを設けるとともに前記洗浄ノズルは分岐配管を介して前記吐出配管の途中に連通される請求項1又は2に記載の浮遊藻類収集装置。
前記多段渦巻ポンプ構造にはクローズド型のインペラが設けられ、クローズド型のインペラの排出隙間の幅が4mm〜10mmであるとともに、前記浮遊藻類収集装置のゴミ分離ドラムのフィルタの目開きが前記排出隙間よりも小さい請求項4〜6の何れか1項に記載の浮遊藻類処理システム。
【背景技術】
【0002】
近年、工業の発展や人口の増加などにより、湖沼、池、河川、閉鎖性海域等の閉鎖性水域において水中のリンや窒素の栄養分濃度が増加し、閉鎖性水域が富栄養化状態になり易い。この結果、アオコや赤潮等と呼ばれる植物性プランクトンである浮遊藻類が大量発生し、水が緑色や赤色に濁ってしまう現象がしばしば見られる。
【0003】
富栄養化した水から速やかに栄養分を取り除くことができれば、水草や適度な植物性プランクトンで水を浄化することは可能である。しかし、水に溶けた栄養分を速やかに取り除くことは難しく、アオコや赤潮等の浮遊藻類が大量発生し易い。
【0004】
大量発生したアオコや赤潮等の浮遊藻類を放置すると、その水域の酸素濃度が低下して魚が死んだり、水辺やその水域の水を水源とする水道水に異臭がしたりする被害が発生する。この為、閉鎖性水域が富栄養化する原因を改善すると同時に、水中のこれらの浮遊藻類を除去する必要がある。
【0005】
例えばアオコは、比較的に球状な藍藻類(数ミクロン程度のミクロシスチス:Microcystisが主な構成)であり、細胞内のガス胞によって水面から数cm程度下の表層水中に浮遊している。そして、アオコが大量発生すると、数十〜数百μmスケールの立体構造を有するアオコの群体がマット状になって水面を覆う。アオコの群体は数百以上の細胞が一定の規則性を有して集合したものである。このような群体状のアオコの処理方法としては、例えば特許文献1や特許文献2がある。
【0006】
特許文献1では、取水ポンプで吸い込んだ群体状のアオコを含む水を、超音波照射器に通してアオコを破壊することによりアオコの比重を重くした後、遠心濃縮機及び遠心脱水機にかけて脱水して固形物化することで、閉鎖性水域からアオコを効率よく回収する方法が提案されている(超音波方式)。
【0007】
また、特許文献2では、取水ポンプで吸い込んだ群体状のアオコを含む水を、筒体の両端から対向噴射させて筒体内で水を衝突させることにより、群体状のアオコを細かく分断することが提案されている(対向噴射方式)。また、特許文献2には、アオコのガス胞を破壊して沈降し易くした後、元の閉鎖性水域に戻すことが提案されている。アオコの群体構造を細かく分断し、またガス胞を破壊して沈降し易くして閉鎖性水域に戻せば、閉鎖性水域に存在する動物プランクトンによる捕食が促進され、閉鎖性水域におけるアオコの増殖を抑制することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の方法は、回収したアオコが産業廃棄物となるので、焼却等の後処理をしなくてはならず、処理コストが高くなるという問題がある。
また、特許文献2の方法は、処理したアオコを閉鎖性水域に戻すため産業廃棄物にはならないが、群体状のアオコを細かく分断する分断処理及びガス胞を破壊する破壊処理の効果が十分とは言えないという問題がある。アオコの分断処理及び破壊処理が十分でなく未処理のアオコが残ってしまうと、閉鎖性水域のアオコの増殖を抑制する効果が低減してしまう。
【0010】
この分断処理効果及び破壊処理効果の向上は、アオコに限らず赤潮等の浮遊藻類の処理においても重要になる。
更なる問題として、閉鎖性水域には、アオコ等の浮遊藻類の他に木っ端、落ち葉、ビニール片等のゴミ類が浮遊しており、アオコ等の浮遊藻類のみを収集することが難しい。ゴミ類を一緒に収集すると、アオコ等の浮遊藻類の処理能力が低下するだけでなく、ポンプ、超音波照射装置、噴射筒体等の機器類を破損させる原因になる。
【0011】
取水ポンプにフィルタを設けることでゴミ類が収集しないようにはできるが、フィルタが目詰まりしないようにフィルタに付着したゴミ類を頻繁に取り除かなくてはならず、メンテナンスが大変である。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、アオコ等の浮遊藻類のみを選択的に収集することができ、メンテナンスもほとんど必要ない浮遊藻類収集装置及びメンテナンスがほとんど必要ない浮遊藻類収集装置と分断処理効果及び破壊処理効果に優れた浮遊藻類破壊装置とを備えた浮遊藻類処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の浮遊藻類収集装置は目的を達成するために、表層水中に浮遊する浮遊藻類を収集する浮遊藻類収集装置であって、前記浮遊藻類を含む前記表層水が流通可能な門型の装置フレームと、前記装置フレーム内に前記表層水の流通方向に直交して横向きに配置され、周面にゴミ分離用のフィルタが形成されるとともに側面に前記浮遊藻類を表層水と一緒に吸引して取り込む吸引配管の一方端部及び前記フィルタを洗う水を吐出する吐出配管の一方端部を内部(ゴミ分離ドラム内のこと)に導く導入口が開口された円筒状のゴミ分離ドラムと、前記装置フレームに回転自在に片持ち支持され、前記ゴミ分離ドラムの両端部周面をそれぞれ3点支持する合計6個の支持ローラと、前記6個の支持ローラの少なくとも1つに回転動力を付与して前記ゴミ分離ドラムを回転する回転動力手段と、前記装置フレームに固定され、前記ゴミ分離ドラムの下部が前記表層水中に浸漬するように前記装置フレームを浮かせる浮き部材と、前記ゴミ分離ドラム内に設けられ、前記吸引配管に連通状態で支持されるとともに前記ゴミ分離ドラムの軸芯方向に長いスロット形状の吸引口が前記表層水中に位置するように形成された吸引ノズルと、前記ゴミ分離ドラム内に設けられ、前記吐出配管に連通状態で支持されるとともに前記ゴミ分離ドラムの軸芯方向に長いスロット形状の吐出口が前記表層水の水面上に位置するように形成された吐出ノズルと、前記ゴミ分離ドラムの外面に突起した状態で複数枚設けられ、前記ゴミ分離ドラムの軸芯方向に長い板状のスキーマと、を備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、「表層水が流通可能」とは、表層水が滞らないで流れることを意味する。
本発明によれば、湖沼、池、河川、閉鎖性海域等のアオコ等の浮遊藻類が大量発生した閉鎖性水域に、ゴミ分離ドラムの下部が表層水中に浸漬するように浮遊藻類収集装置を浮かべる。これにより、ゴミ分離ドラム内に設けられた吸引ノズルの吸引口が表層水中に浸漬する。
【0015】
そして、ゴミ分離ドラムを回転させるとともに吸引配管に吸引力を付与する。ゴミ分離ドラムの回転によって、ゴミ分離ドラムの外面に突起された複数枚のスキーマは、浮遊藻類収集装置の周囲に浮遊する浮遊藻類を掻き集めるとともに、門型の装置フレームの前門側からゴミ分離ドラムの下部を通過して後門側に流通する表層水の流れを形成する。
【0016】
この表層水の流れにより、スキーマで掻き集められた浮遊藻類は表層水と一緒にゴミ分離ドラムのフィルタを通過して吸引口から吸引配管に取り込まれる。一方、スキーマで浮遊藻類と一緒に掻き集められたゴミ類はゴミ分離ドラムのフィルタで分別され、表層水の流れに乗って装置フレームの後面から閉鎖性水域に戻る。
【0017】
また、吐出ノズルからゴミ分離ドラムのフィルタ内面に水を吐出してフィルタを自動洗浄するので、フィルタが目詰まりしにくい。更には、装置フレームを門型形状とし、装置フレームに回転自在に片持ち支持される6個の支持ローラでゴミ分離ドラムの両端部周面を3点支持するようにした。したがって、門型の装置フレームの前門側からゴミ分離ドラムの下部を通過して後門側に流通する表層水の流れが、装置フレームや支持ローラによって邪魔されないので、浮遊藻類がゴミ分離ドラムの近辺で滞留することがない。
これにより、アオコ等の浮遊藻類のみを選択的に収集することができ、メンテナンスもほとんど必要ない浮遊藻類収集装置を提供することができる。
【0018】
本発明の浮遊藻類収集装置は、前記吸引口のスロット形状の開口面積は前記スキーマの四角形状の板状面積よりも大きいことが好ましい。これにより、スキーマにより掻き集めた浮遊藻類を吸引ノズル内に誘い込み易くなる。
【0019】
本発明の浮遊藻類収集装置は、前記ゴミ分離ドラムの外側に、前記フィルタの外面を洗浄する洗浄ノズルを設けるとともに前記洗浄ノズルは分岐配管を介して前記吐出配管の途中に連通されることが好ましい。これにより、洗浄ノズルでゴミ分離ドラムのフィルタ外面を掃除できるので、メンテナンスが更に必要なくなる。また、洗浄ノズルと吐出ノズルに供給する水を吐出配管で共用できるので設備面でもシンプル化できる。
【0020】
本発明の浮遊藻類処理システムは目的を達成するために、前記浮遊藻類収集装置と、前記吸引配管の他方端にポンプ入口が接続されるとともに前記吐出配管の他方端にポンプ出口が接続された多段渦巻ポンプ構造の浮遊藻類破壊装置と、前記浮遊藻類破壊装置の吐出圧力を調整する圧力調整手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明の浮遊藻類処理システムによれば、上記した浮遊藻類収集装置を設けることにより、アオコ等の浮遊藻類のみを選択的に収集することができ、メンテナンスもほとんど必要なくなる。また、多段渦巻ポンプ構造の浮遊藻類破壊装置を設けることで、浮遊藻類の分断処理及び破壊処理の効果を顕著に向上できる。
これにより、メンテナンスがほとんど必要ない浮遊藻類収集装置と分断処理効果及び破壊処理効果に優れた浮遊藻類破壊装置とを備えた浮遊藻類処理システムを提供することができる。
【0022】
本発明の浮遊藻類処理システムは、前記多段渦巻ポンプは4段以上であることが好ましい。4段以上において顕著な分断処理効果及び破壊処理効果が発揮されるからである。
【0023】
本発明の浮遊藻類処理システムは、前記吸引配管の途中に吸引配管に吸引された表層水中の気泡を脱気する脱気手段を設けることが好ましい。多段渦巻ポンプ構造の浮遊藻類破壊装置に取り込まれる表層水に気泡が混入していると浮遊藻類破壊装置内の圧力低下を起こし、分断処理効果及び破壊処理効果が低減し易いからである。
【0024】
本発明の浮遊藻類処理システムは、前記多段渦巻ポンプ構造にはクローズド型のインペラが設けられ、クローズド型のインペラの排出隙間の幅が4mm〜10mmであるとともに、前記浮遊藻類収集装置のゴミ分離ドラムのフィルタの目開きが前記排出隙間よりも小さいことが好ましい。
【0025】
多段渦巻ポンプ構造の排出隙間が4mm〜10mmと非常に狭く、目詰まりを起こし易いが、浮遊藻類収集装置のゴミ分離ドラムのフィルタの目開きを排出隙間よりも小さくすることで、目詰まりを防止できる。
【0026】
本発明の浮遊藻類処理システムは、前記装置フレームに前記浮遊藻類破壊装置を搭載して一体型とすることが好ましい。これにより、浮遊藻類処理システムをコンパクト化できるだけでなく、運搬等の取り扱いが容易になる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の浮遊藻類収集装置によれば、アオコ等の浮遊藻類のみを選択的に収集することができ、メンテナンスもほとんど必要ない浮遊藻類収集装置を提供することができる。
また、本発明の浮遊藻類処理システムによれば、メンテナンスがほとんど必要ない浮遊藻類収集装置と分断処理効果及び破壊処理効果に優れた浮遊藻類破壊装置とを備えた浮遊藻類処理システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面にしたがって本発明の浮遊藻類収集装置及び浮遊藻類処理システムの好ましい実施の形態について説明する。
【0030】
本発明は以下の好ましい実施の形態により説明される。本発明の範囲を逸脱することなく、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。したがって、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。
【0031】
ここで、図中、同一の記号で示される部分は、同様の機能を有する同様の要素である。また、本明細書中で、数値範囲を" 〜 "を用いて表す場合は、" 〜 "で示される上限、下限の数値も数値範囲に含むものとする。
[浮遊藻類処理システムの第1の実施の形態]
【0032】
図1は、浮遊藻類処理システム10の第1の実施の形態の全体構成図であり、浮遊藻類収集装置12と浮遊藻類破壊装置14とを別体として構成した場合である。また、浮遊藻類の一例としてアオコの例で以下に説明するとともに、アオコを含む表層水を以下「アオコ含有水」と言うことにする。
【0033】
図1に示すように、浮遊藻類処理システム10は、主として、表層水中に浮遊するアオコを収集する浮遊藻類収集装置12と、収集されたアオコの群体を分断するとともに細胞のガス胞を破壊する浮遊藻類破壊装置14と、浮遊藻類破壊装置14の圧力を調整する圧力調整手段16と、で構成される。
【0034】
浮遊藻類収集装置12は、湖沼・池・河川・閉鎖性海域等のアオコが大量発生した閉鎖性水域15に配置され、浮遊藻類破壊装置14は陸地18に配置される。そして、浮遊藻類収集装置12と浮遊藻類破壊装置14とは、吸引配管20と吐出配管22とにより連結される。また、吐出配管22に圧力調整手段16が設けられるとともに、圧力調整手段16と浮遊藻類破壊装置14との間に圧力計24が設けられる。
【0036】
図2は、浮遊藻類収集装置12の斜視図である。
【0037】
図2に示すように、浮遊藻類収集装置12は、主として、装置フレーム26と、ゴミ分離ドラム28と、ゴミ分離ドラム28を装置フレーム26に回転自在に支持する複数の支持ローラ30、30…と、ゴミ分離ドラム28を回転させるモータ32(回転動力手段)と、装置フレーム26を浮かせる浮き部材34と、吸引ノズル36と、吐出ノズル38と、複数枚のスキーマ40、40…とで構成される。
【0038】
装置フレーム26は、アオコ含有水が流通可能な門型形状に形成される。即ち、左右に対向して立設された四角形な一対の脚フレーム26A、26Aの上端同士を四角形な上面フレーム26Bで連結した門型形状をしたフレーム構造を有する。この門型の装置フレーム26によって、アオコ含有水を停滞させることなく装置フレーム26の前門側A(
図2の表面側)から後門側B(
図2の裏面側)に流通可能な水路が形成される。
【0039】
装置フレーム26の材質としては、水に対して腐食しにくい材質であれば特に限定しないが、ステンレス又は硬質樹脂を好適に使用することができる。なお、装置フレーム26は、表層水を停滞させることなく流通可能なフレーム構造であれば、上記した門型形状に限定されない。
【0040】
ゴミ分離ドラム28は、円筒形状に形成され、装置フレーム26のフレーム構造内に表層水の流通方向に直交して横向きに配置される。ゴミ分離ドラム28の大きさは、例えば直径が300mm〜500mm程度、長さが500mm〜1500mm程度に形成される。ゴミ分離ドラム28の材質は、水に対して腐食しにくい材質であれば特に限定しないが、ステンレスを好適に使用することができる。
【0041】
また、
図3及び
図4に示すように、ゴミ分離ドラム28の周面にはフィルタ42が形成され、周面両端部に支持ローラ30が接するための平坦部44が形成される。更に、ゴミ分離ドラム28の側面には側板46が設けられ、側板46にはアオコを表層水と一緒に吸引して取り込む吸引配管20の一方端部及びフィルタ42を洗う水を吐出する吐出配管22の一方端部をゴミ分離ドラム28内に導くための導入口48が開口されている。
【0042】
図3のゴミ分離ドラム28は、フィルタ42をパンチングメタルで形成したものであり、
図4のゴミ分離ドラム28はフィルタ42を金網で形成したものである。パンチングメタル及び金網の目開き(孔径D)は、2mm〜5mmの範囲が好ましい。従来技術で述べたように、アオコの群体は数十〜数百μmのスケールであり、フィルタ42の目開きが2mm以上であればアオコ含有水中の群体状のアオコがフィルタ42を通過可能であり、5mm以下であれば、アオコ含有水中のゴミ類等がフィルタ42を通過しないようにできる。また、詳細は後記するが、フィルタ42の目開きが5mm以下であれば、浮遊藻類破壊装置14のインペラを目詰まりさせることもない。
【0043】
また、
図2に示すように、ゴミ分離ドラム28は、装置フレーム26の対向する一対の脚フレーム26A,26Aにそれぞれ3個ずつ回転自在に片持ち支持された合計6個の支持ローラ30によってゴミ分離ドラム28の両端部周面(平坦部44)がそれぞれ3点支持される。
【0044】
3点支持する3個の支持ローラ30のうち、2個の支持ローラ30はゴミ分離ドラム28の端部周面の下部位置を同一の水平レベルで支持し、残りの支持ローラ30はゴミ分離ドラム28の端部周面の上端位置を支持する。3個の支持ローラ30を結ぶ形状が正三角形になるようにすることが好ましい。
図2では、ゴミ分離ドラム28の端部周面の上端位置を支持する支持ローラ30は、装置フレーム26から下方に突起させたフランジ26Cに支持させている。
【0045】
また、支持ローラ30は、装置フレーム26側の円板状の大径部30Aと、大径部30Aに連続する円柱状の小径部30Bとで段差構造に形成され、ゴミ分離ドラム28の端部周面に小径部30Bが接するとともに端部側面に大径部30Aが接する。このように、支持ローラ30を段差構造にすることにより、ゴミ分離ドラム28の軸芯方向へのズレを防止している。
【0046】
なお、支持ローラ30は、装置フレーム26に片持ち支持された軸30Cに軸受(図示せず)を介してローラ部を設ける態様、又は装置フレーム26に固定した軸受に支持ローラ30の軸30Cを支持させる態様の何れでもよい。この場合、軸受は水中での回転に好適な樹脂軸受を使用することが好ましい。
【0047】
また、上面フレーム26Bから水平に突出したフランジ26Dにモータ32が設置され、モータ32の回転軸32Aにプーリ50が設けられる。一方、ゴミ分離ドラム28の上端位置を支持する一対の支持ローラ30のうちの一方の回転駆動用の支持ローラ30にもプーリ52が設けられる。
図2では、プーリ52として支持ローラ30の大径部30Aを兼用する場合で図示したが、プーリ52を別途設けてもよい。
【0048】
そして、モータ32のプーリ50と支持ローラ30のプーリ52との間に無端状のタイミングベルト54が掛け渡される。これにより、モータ32を駆動するとタイミングベルト54を介して回転駆動用の支持ローラ30が回転し、更にゴミ分離ドラム28が回転する。この場合、回転駆動用の支持ローラ30の回転動力がゴミ分離ドラム28に伝達され易いように、回転駆動用の支持ローラ30の小径部30Bの周面とゴミ分離ドラム28の端部である平坦部44の周面をゴム性にして滑らないようにしたり、小径部30Bの周面と平坦部44の周面に軸芯方向に平行なストライプ溝を複数形成したりしてもよい。
【0049】
浮き部材34は、装置フレーム26の左右両側の脚フレーム26Aに固定され、ゴミ分離ドラム28の下部が表層水中に浸漬するように装置フレーム26を浮上させる。浮き部材34としては、特に限定されず、発泡スチロール、両端が閉塞された空洞な樹脂製の筒体(例えば塩ビ管)等を使用できる。
【0050】
図2及び
図5に示すように、吸引ノズル36は、ゴミ分離ドラム28内に設けられ、吸引配管20に連通状態で支持される。また、吸引ノズル36は、ゴミ分離ドラム28の軸芯方向に長いスロット形状の吸引口36Aが表層水中に浸漬するように形成される(
図1参照)。
【0051】
したがって、上記した浮き部材34は、吸引ノズル36の吸引口36Aが表層水中に浸漬するように、浮力を調整することができることが好ましい。浮き部材34の浮力を調整する方法としては、例えば両端が閉塞された空洞な樹脂製の筒体の内部に入れるウエイト調整部材の量を変える方法がある。
【0052】
また、吸引ノズル36は、装置フレーム26の前門側Aの方向を向いて斜め下向きに配置される(
図2参照)。更に、吸引ノズル36は、吸引配管20に連通される連通口(図示せず)よりも吸引口36Aが大きなラッパ管状に形成される(
図5参照)。吸引口36Aのスロット形状の開口面積はスキーマ40の矩形面積よりも大きいことが好ましい。これにより、装置フレーム26の前門側Aから後門側Bに流れるアオコ含有水が吸引ノズル36の吸引口36Aから取り込まれ易くなっている。
【0053】
図2及び
図6に示すように、吐出ノズル38は、ゴミ分離ドラム28内に設けられ、吐出配管22に連通状態で支持される。また、吐出ノズル38は、ゴミ分離ドラム28の軸芯方向に長いスロット形状の吐出口38Aが表層水の水面上に露出するように形成される(
図1参照)。また、吐出ノズル38は、吐出配管22に連通される連通口(図示せず)よりも吐出口38Aが小さな逆ラッパ管状に形成される(
図6参照)。これにより、吐出ノズル38の吐出口38Aから洗浄水を勢いよくゴミ分離ドラム28のフィルタ42内面に吹き付けることができ、フィルタ42の洗浄効果を高めることができる。
【0054】
なお、
図1に示すように、ゴミ分離ドラム28の外側に、フィルタ42の外面を洗浄する洗浄ノズル56を設ければ、フィルタ42の洗浄効果を更に高めることができる。この場合、洗浄ノズル56は分岐配管58を介して吐出配管22の途中に連通されるようにすることが好ましい。これにより、洗浄水のための配管を別途設ける必要がない。
【0055】
スキーマ40は、ゴミ分離ドラム28の外面に突起した状態で複数枚設けられ、ゴミ分離ドラム28の軸芯方向に長い四角板状に形成される。したがって、スキーマ40はゴミ分離ドラム28の回転と一緒に回転し、閉鎖性水域15に浮遊するアオコを掻き集める。スキーマ40の数は特に限定しないが、ゴミ分離ドラム28の周方向に等間隔で4枚以上であることが好ましい。
【0057】
図7の(A)は多段渦巻ポンプ構造の浮遊藻類破壊装置14の全体構成図であり、(B)は多段渦巻ポンプ構造の内部の一部を拡大した断面図である。
【0058】
多段渦巻ポンプ構造の浮遊藻類破壊装置14は、ケーシング62内にインペラ64(羽根車)を備えたインペラ室66を複数段形成し、1段の場合より圧力が上がるように構成したものである。浮遊藻類破壊装置14は、陸地18に設置した架台68上に設置される。
【0059】
図7(A)に示すように、円筒形状のケーシング62の一方端側の側面中央部にポンプ入口70が開口され、他方端部に形成され内部に排出室が形成された排出部72の周面にポンプ出口74が開口される。そして、ポンプ入口70に吸引配管20の他方端が接続され、ポンプ出口74に吐出配管22の他方端が接続される。
【0060】
また、排出部72に隣接してインペラ64を回転するモータ76が配置される。モータ76の回転軸76Aはケーシング62を貫通して取り付けられ、ケーシング62と回転する回転軸76Aとの間隙から水が漏れないように軸シール(図示せず)が施される。なお、回転軸76Aを支持する軸受については図示を省略している。
【0061】
また、ケーシング62内は3枚の仕切壁78によって4つのインペラ室66に分割され、4段の多段渦巻ポンプ構造に形成される。なお、
図7では4段の多段渦巻ポンプ構造の一例で説明するが、段数は4段〜10段の範囲であることが好ましい。また、圧力は0.5MPa(5kgf/cm
2)以上の能力を有することが好ましい。
【0062】
また、3枚の仕切壁78の中心部には連通口80がそれぞれ開口される。そして、4つのインペラ室66にはそれぞれインペラ64が配設され、それぞれのインペラ64は3つの連通口80を通して配設されたモータ76の回転軸76Aに支持される。仕切壁78に形成された連通口80の直径はモータ76の回転軸76Aの直径よりも大きく形成され、連通口80を介して4つのインペラ室66が連通される。
【0063】
図7(B)に示すように、インペラ64は、複数枚からなる羽根64Aの両側を2枚のシュラウト64B(側板)で覆い、2枚のシュラウト64Bのうちのポンプ入口70側のシュラウト中心部に吸込口82を形成し、周縁部に排出隙間84を形成したクローズド型のインペラ64が設けられる。インペラ64の排出隙間84の幅Wは4mm〜10mmが好ましく、より好ましくは5mm〜7mmである。
【0064】
そして、モータ76を駆動して4枚のインペラ64を高速回転すると、インペラ64の外周部が遠心力の作用で高圧になり、インペラ64の中心部は遠心力がほとんど作用しないため低圧になる。これにより、ケーシング62のポンプ入口70が低圧になりポンプ入口70に吸引力が発生し、この吸引力によって浮遊藻類収集装置12の吸引ノズル36からアオコ含有水が吸引される。
【0065】
また、
図1に示すように、吐出配管22の途中には、圧力調整手段16が設けられるとともにポンプ出口74と圧力調整手段16との間に圧力計24が設けられる。圧力調整手段16は、吐出配管22の流路を絞ることによって多段渦巻ポンプ構造の吐出圧力を高めるものであり、吐出圧力を0.5MPa(5kgf/cm
2)以上、1.0MPa(10kgf/cm
2)以下に調整することが好ましい。
【0066】
クローズド型のインペラ64は、液体に効率良く遠心力を与えることができるが、インペラ64の排出隙間84は上記の如く狭く、アオコ含有水中のアオコ等の異物が詰まり易い。したがって、浮遊藻類収集装置12のゴミ分離ドラム28のフィルタ42の目開きを、インペラ64の排出隙間84の幅Wよりも小さく設定することが好ましい。
【0067】
次に、上記の如く構成された浮遊藻類処理システム10によってアオコを処理する方法を説明する。
【0068】
図1に示すように、湖沼、池、河川、閉鎖性海域等のアオコが大量発生した閉鎖性水域15に、ゴミ分離ドラム28の下部が表層水中に浸漬するように浮遊藻類収集装置12を浮かべる。これにより、ゴミ分離ドラム28内に設けられた吸引ノズル36の吸引口36Aが表層水中に浸漬する。ただし、ゴミ分離ドラム28の側板46に形成した導入口48が表層水中に浸漬しないようにする。
【0069】
そして、浮遊藻類収集装置12のモータ32を駆動して、ゴミ分離ドラム28を
図1の矢印方向Xに回転させる。これにより、ゴミ分離ドラム28の外面に突起された複数枚のスキーマ40によって、浮遊藻類収集装置12の周囲に浮遊するアオコが掻き集められるとともに、門型の装置フレーム26の前門側Aからゴミ分離ドラム28の下部を通過して後門側Bにアオコ含有水の流れが形成される。
【0070】
この場合、装置フレーム26を前門側Aから後門側Bにアオコ含有水が流通可能な門型形状とし、さらに装置フレーム26に回転自在に片持ち支持された6個の支持ローラ30でゴミ分離ドラム28の両端部周面を3点支持するようにしたので、浮遊藻類やゴミ類が装置フレーム26や支持ローラ30に引っ掛かり、アオコ含有水の流れを停滞させることを防止できる。これにより、アオコ含有水中のアオコを吸引ノズル36の吸引口36Aから効率的に吸引することができるだけでなく、ゴミ類が滞留しないのでメンテナンスが容易になる。
【0071】
また、装置フレーム26に回転自在に片持ち支持された6個の支持ローラ30でゴミ分離ドラム28の両端部周面を3点支持することにより、ゴミ分離ドラム28を安定に支持することができる。
【0072】
次に、多段渦巻ポンプ構造の浮遊藻類破壊装置14のモータ76を駆動して、4つのインペラ64を高速回転させる。これにより、浮遊藻類破壊装置14のケーシング62のポンプ入口70に吸引力が発生するので、吸引配管20を介して浮遊藻類収集装置12の吸引ノズル36に吸引力が付与される。したがって、スキーマ40で掻き集められたアオコ含有水はゴミ分離ドラム28のフィルタ42を通過して吸引ノズル36の吸引口36Aから吸引配管20に取り込まれ、吸引配管20を流れて浮遊藻類破壊装置14に送液される。
【0073】
一方、スキーマ40で浮遊藻類と一緒に掻き集められたゴミ類は、ゴミ分離ドラム28のフィルタ42で分離され、門型の装置フレーム26の前門側Aから後門側Bに流れる表層水の流れに乗って装置フレーム26の後門側Bから閉鎖性水域15に戻る。
【0074】
これにより、アオコ等の浮遊藻類のみを選択的に収集することができ、メンテナンスもほとんど必要ない浮遊藻類収集装置12を提供することができる。
【0075】
次に、浮遊藻類破壊装置14に送液されたアオコ含有水は、ケーシング62のポンプ入口70から1段目のインペラ室66に取り込まれる。そして、アオコ含有水は1段目のインペラ64の吸込口82から吸い込まれ、遠心力によって排出隙間84からケーシング62の内面に向かって高圧で吐出される。
【0076】
これにより、アオコ含有水中のアオコがケーシング62の内面に勢い良く衝突するので、アオコの群体が細かく分断処理されるとともに、アオコの細胞のガス胞が破壊処理される。更には、浮遊藻類破壊装置14のケーシング62内に一定の高圧(0.5MPa以上)を加えることでアオコの細胞のガス胞を効率的に破壊することができる。
【0077】
この場合、浮遊藻類の種類によって、分断処理及び破壊処理に適切な浮遊藻類破壊装置14の圧力が異なるので、圧力調整手段16によって調整することが好ましい。
【0078】
1段目のインペラ64の排出隙間84から吐出されたアオコ含有水は、1段目の仕切壁78の連通口80から2段目のインペラ室66に流速を上げて流入し、2段目のインペラ64によって1段目のインペラ64と同様の分断処理及び破壊処理が行われる。同様に、アオコ含有水は3段目及び4段目のインペラ64によって更に分断処理及び破壊処理が繰り返された後、排出部72のポンプ出口74から吐出配管22に排出される。
【0079】
このように、多段渦巻ポンプ構造の浮遊藻類破壊装置14は、インペラ64の段数が増えるごとにアオコ含有水の流速が上昇してインペラ64の排出隙間84からケーシング62の内面にアオコ含有水が勢いよく衝突してアオコを破壊する衝突破壊と、ケーシング62内に一定の高圧(0.5MPa以上)を加えてアオコを破壊する圧力破壊との2つの破壊作用を多段に行うことができる。これにより、アオコ含有水中のアオコの群体を効率的に分断及び破壊することができるので、従来技術で説明した超音波方式や対向噴射方式の浮遊藻類破壊装置に比べて、アオコの分断処理効果及び破壊処理効果を顕著に向上させることができる。
【0080】
ちなみに、アオコ含有水に含有されるアオコの全てを分断及び破壊した場合を100%とした場合、従来の浮遊藻類破壊装置のアオコの分断処理効果及び破壊処理効果は80%程度が限界であったが、本発明における浮遊藻類破壊装置14は略90%以上にすることができる。即ち、本発明における浮遊藻類破壊装置14でアオコ含有水を処理することによって、分断処理や破壊処理での未処理なアオコを略無くすことができる。これにより、本発明の浮遊藻類処理システム10で処理したアオコ含有水を閉鎖性水域15に戻してもアオコの増殖を確実に抑制することができる。
【0081】
上記の浮遊藻類破壊装置14によるアオコの分断処理及び破壊処理において、アオコ含有水中に気泡が混在している場合、浮遊藻類破壊装置14において圧力低下が生じ、分断処理及び破壊処理の効果が低減し易い。
【0082】
この対策として、
図8に示すように浮遊藻類破壊装置14と吸引配管20との間に脱気槽60(脱気手段)を設けることが好ましい。即ち、浮遊藻類収集装置12の吸引ノズル36で吸引されたアオコ含有水を脱気槽60に流入させて貯留することにより、アオコ含有水中の気泡を脱気する。この場合、吸引ノズル36の吸引力として、浮遊藻類破壊装置14で発生する吸引力を利用できないので、吸引配管20に取水ポンプ(図示せず)を備える。
【0083】
そして、浮遊藻類破壊装置14を縦向きに配置して、ケーシング62のポンプ入口70が脱気槽60に貯留されたアオコ含有水中の槽底近くに位置するように設置する。これにより、浮遊藻類破壊装置14に取り込まれるアオコ含有水中の気泡を無くすことができるので、分断処理及び破壊処理の効果を低減させることがない。
【0084】
なお、
図8では、脱気手段として脱気槽60を設けることで説明したが、吸引配管20の途中に真空ポンプを備えた脱気装置(図示せず)を配設するようにしてもよい。
【0085】
なお、浮遊藻類破壊装置14で分断処理及び破壊処理がなされた後の処理水をアオコ含有処理水と言うことにする。
【0086】
次に、浮遊藻類破壊装置14から吐出配管22に排出されたアオコ含有処理水は、吐出ノズル38の吐出口38Aからゴミ分離ドラム28の内面に向けて勢いよく吐出される。これにより、ゴミ分離ドラム28の表面にポリエチレン袋等のゴミが張り付いていても、ゴミ分離ドラム28の内側から吐出される水により、張り付いたゴミを吹き飛ばしてフィルタ42から引きはがすことができる。
また、吐出配管22から分岐した分岐配管58によって、吐出配管22を流れるアオコ含有処理水の一部は洗浄ノズル58からゴミ分離ドラム28のフィルタ42の外面に向けて勢いよく吐出される。フィルタ42の洗浄能力を有する吐出圧力としては0.1MPaあればよい。したがって、浮遊藻類破壊装置14の圧力が0.5MPa以上を確保し、且つ吐出ノズル38及び洗浄ノズル58からの吐出圧力が0.1MPaになるように圧力調整手段16を調整すればよい。
【0087】
これにより、アオコ含有処理水によってゴミ分離ドラム28のフィルタ42を自動洗浄することができる。この場合、アオコ含有処理水中のアオコは、従来技術で述べたアオコの群体(数十〜数百μmスケール)よりも更に細かいので、フィルタ42を目詰まりさせることはない。
【0088】
そして、自動洗浄によりフィルタ42から除去されたゴミ類は、門型の装置フレーム26の前門側Aから後門側Bに至る表層水の流れによって装置フレーム26の後門側Bから閉鎖性水域15に戻る。
【0089】
これにより、本発明の浮遊藻類処理システム10は、浮遊藻類収集装置12のメンテナンスがほとんど必要なく、且つ浮遊藻類破壊装置14の分断処理効果及び破壊処理効果に優れた浮遊藻類処理システム10を提供することができる。
【0090】
なお、図示しないが、アオコ含有処理水が吐出ノズル38の吐出口38Aからゴミ分離ドラム28の内面に向けて勢いよく吐出されることを利用して、水圧で水車のようにゴミ分離ドラム28を回転することでモータ32を使用しない構成は可能である。即ち、ゴミ分離ドラム28の内面に水車の羽根を複数枚形成し、吐出ノズル38の吐出口38Aからのアオコ含有処理水を羽根に当てることでゴミ分離ドラム28を回転させる。
【0091】
[浮遊藻類処理システムの第2の実施の形態]
【0092】
図9の浮遊藻類処理システム10は、上記した浮遊藻類収集装置12の装置フレーム26に多段渦巻ポンプ構造の浮遊藻類破壊装置14を搭載して一体型とした場合の斜視図である。上記した別体型の浮遊藻類処理システム10も一体型の浮遊藻類処理システム10も構成する部材は同様であるので、構成部材の説明は省略する。
【0093】
また、
図9の一体型の浮遊藻類処理システム10には、別体型で説明した圧力計24、洗浄ノズル56、脱気槽60(脱気手段)については図示していない。
【0094】
このように、浮遊藻類処理システム10を一体型にすることにより、浮遊藻類処理システム10をコンパクト化できるだけでなく、運搬等の取り扱いが容易になる。また、一体型の場合、浮遊藻類収集装置12のゴミ分離ドラム28を回転させるモータ32、及び浮遊藻類破壊装置14のインペラ64を回転させるモータ76の電源装置(図示せず)を装置フレーム26に搭載すれば、湖沼、池、河川、閉鎖性海域等の閉鎖性水域15を自由に移動させて浮遊藻類の処理を行うことができる。
【0095】
なお、上記した浮遊藻類処理システム10でアオコを処理する例で説明したが、赤潮にも同様に適用することができる。