(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-154249(P2017-154249A)
(43)【公開日】2017年9月7日
(54)【発明の名称】ドレッシング方法及びドレッシング装置
(51)【国際特許分類】
B24B 53/013 20060101AFI20170810BHJP
B24B 9/00 20060101ALI20170810BHJP
【FI】
B24B53/013
B24B9/00 601B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-118018(P2017-118018)
(22)【出願日】2017年6月15日
(62)【分割の表示】特願2017-504128(P2017-504128)の分割
【原出願日】2016年8月9日
(31)【優先権主張番号】特願2015-158582(P2015-158582)
(32)【優先日】2015年8月10日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000174220
【氏名又は名称】坂東機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098095
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 武志
(72)【発明者】
【氏名】坂東 和明
【テーマコード(参考)】
3C047
3C049
【Fターム(参考)】
3C047AA19
3C047EE02
3C047FF09
3C049AA03
3C049AA19
3C049CA06
3C049CB01
(57)【要約】
【課題】良質なドレッシングを行い得るドレッシング方法及びその装置を提供すること。
【解決手段】ドレッシング装置1は、回転する研削ホイール5の研削面6に、当該研削面6の形状に対応した形状を有した突条部12の面を有すると共に当該面を必要な長さに渡って対面接触させる規制体13と、砥粒混在の圧力流体を発生する装置としての噴出砥粒発生装置11と、研削面6と規制体13の突条部12の面との対面接触の間に、噴出砥粒発生装置11からの砥粒混在の圧力流体としての混合圧縮空気を噴射する噴射装置としての砥粒混在圧縮空気の噴出口15とを具備している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する研削ホイールの研削面に、当該研削面の形状に沿った規制体を必要な長さに渡って対面接触させ、当該研削面と規制体との間に砥粒を混在させた圧力空気を噴射し、研削面を規制体に対して回転方向に通過させ、この通過において規制体による砥粒の研削面への噴射力当り状態を維持して研削面のドレッシングを行うドレッシング方法。
【請求項2】
回転する研削ホイールの研削面に、当該研削面の形状に沿った規制体を必要な長さに渡って対面接触させ、当該研削面と規制体との間に砥粒を混在させた圧力流水を噴射し、研削面を規制体に対して回転方向に通過させ、この通過において規制体による砥粒の研削面への噴射力当り状態を維持して研削面のドレッシングを行うドレッシング方法。
【請求項3】
回転する研削ホイールの研削面に、当該研削面の形状に対応した形状を有した面を有すると共に当該面を必要な長さに渡って対面接触させる規制体と、砥粒混在の圧力流体を発生する装置と、研削面と規制体との対面接触の間に、砥粒混在の圧力流体を噴射する噴射装置とを具備したドレッシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削ホイールの研削面のドレッシング方法及びドレッシング装置に関する。
【0002】
また、本発明は、ガラス板の端面を研削加工する研削ホイールの研削面に対してのドレッシングに好適なドレッシング方法及びドレッシング装置に係る。
【背景技術】
【0003】
従来、研削ホイールの研削面のドレッシングはスティック状のドレッサを研削面に押し当てて行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2014/064855号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、回転する研削ホイールの研削面にドレッサーを押し付けてドレッシングを行う技術が記載されており、斯かる技術においては、研削ホイールの研削面に押し付けるドレッサーは、摩耗すれば必ず新しいものに取替えなければならないが、ドレッサーは、ボルダに締付け固定されているために、この取替作業に手数と時間を要し、不効率である。
【0006】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたのであり、その目的とするところは、従来の上記のような欠陥を無くし、かつ良質なドレッシングを行い得るドレッシング方法及びその装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のドレッシング方法は、回転する研削ホイールの研削面に、当該研削面の形状に沿った規制体を必要な長さに渡って対面接触させ、当該研削面と規制体との間に砥粒を混在させた圧力空気を噴射し、研削面を規制体に対して回転方向に通過させ、この通過において規制体による砥粒の研削面への噴射力当り状態を維持して研削面のドレッシングを行う。
【0008】
また、本発明のドレッシング方法は、回転する研削ホイールの研削面に、当該研削面の形状に沿った規制体を必要な長さに渡って対面接触させ、当該研削面と規制体との間に砥粒を混在させた圧力流水を噴射し、研削面を規制体に対して回転方向に通過させ、この通過において規制体による砥粒の研削面への噴射力当り状態を維持して研削面のドレッシングを行う。
【0009】
また本発明のドレッシング装置は、回転する研削ホイールの研削面に、当該研削面の形状に対応した形状を有した面を有すると共に当該面を必要な長さに渡って対面接触させる規制体と、砥粒混在の圧力流体を発生する装置と、研削面と規制体との対面接触の間に、砥粒混在の圧力流体を噴射する噴射装置とを具備している。
【0010】
本発明において、砥粒としては、WA(ホワイトアランダム、アルミナ系)、GC(グリーンカーボナイト、炭化ケイ素系)の材質で粒度180の遊離砥粒を使用するとよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回転する研削面と研削面の形状に沿った規制体とを対面接触させ、研削面と規制体との狭い間内に、砥粒混在の圧縮空気等の流体を回転方向において噴射することにより、砥粒は、圧縮空気流等の流体圧と、規制体の規制及び研削ホイールの回転とにより研削面に広く長く押付けられて、転りながら高速移動するため研削面のドレッシングを良質に行うことができる。
【0012】
また、本発明によれば、規制体により規制されるため少い砥粒量でドレッシングを行うことができる。
【0013】
更に、本発明によれば、研削ヘッドに取付けて、研削ヘッドと共に移動し研削加工しながら研削面のドレッシングができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明に係るドレッシング装置の好ましい一具体例の断面説明図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す具体例の規制体の平面説明図である。
【
図6】
図6は、本発明に係るドレッシング装置の好ましい他の具体例の断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明及びその実施の形態を、図に示す好ましい具体例に基づいて説明する。なお、本発明は本具体例に何等限定されないのである。
【0016】
図1から
図5において、ガラス板3の端面4を研削加工するペンシルエッジタイプの研削ホイール5に適用する本例のドレッシング装置1では、研削ホイール5の研削面6に砥粒と共に噴射する流体として、圧縮空気21が使用される。
【0017】
ドレッシング装置1は、砥粒タンク7から管8を介して砥粒9を吸込み、圧縮空気21と混在させて噴出させる噴出砥粒発生装置11と、研削ホイール5の研削面6に対面接触させる突条部12を備えた必要長さの規制体13と、突条部12の頂部14に開口させた砥粒混在圧縮空気の噴出口15と、噴出口15と噴出砥粒発生装置11と連通させる連通路16及び管17と、突条部12を研削ホイール5の研削面6に弾性力をもって対面接触させる弾性力引付け装置18とを具備している。
【0018】
噴出口15は、出口側24に向って広がっており、当該噴出口15は、平均径が研削面6の巾5mmに対し約2mmとなるように形成されている。
【0019】
噴出砥粒発生装置11は、砥粒タンク7内の遊離砥粒に管8を介して連通させた吸気ポート20と圧縮空気21の供給ポート22と圧縮空気21及び遊離砥粒9の混合圧縮空気を排出する排出口10とを備えた真空発生器を用いた混合圧縮空気発生器37からなる。
【0020】
ベークライト樹脂等のプラスチック樹脂からなる規制体13は、長さ40mmから60mmの入口側23から出口側24の範囲における正面側25が研削ホイール5に沿って凹んで弓形となるように形成されている。
【0021】
規制体13において、正面側25では、上下に壁板26が形成されて、その断面形状がコ字形状を有し、一対の壁板26は、研削ホイール5を挟み、規制体13が研削ホイール5から外れるのを防止すると共に、研削面6と突条部12との間の噴射砥粒及び圧縮空気21の外部への吹き出しを防止するようになっている。
【0022】
規制体13には、一対の壁板26の中間域に突条部12が形成されており、突条部12は、断面表面形状及び入口側23から出口側24にかけての頂面形状が研削ホイール5の研削面6の形状に沿うように形成されており、突条部12の頂部14において入口側23の近くに砥粒混在圧縮空気の噴出口15が開口している。
【0023】
噴出口15は、規制体13内の連通路16及び継手並びに管17を介して噴出研粒発生装置11に連通している。
【0024】
規制体13には、取付け部31が一体的に設けられており、研削ヘッド32のカバーブラケット33に枢支装置34を介して取付けられている取付け部31は、規制体13を研削ホイール5に対して水平に進退自在にスイング回動するように保持している。
【0025】
取付け部31とカバーブラケット33との間に、弾性力引付け装置18の引張りコイルバネ36が掛け渡されおり、引張りコイルバネ36を具備した弾性力引付け装置18により、取付け部31、規制体13、延いては、突条部12が弾性押付け力、好ましい例では、平均1.2Kgをもって研削ホイール5の研削面6に対面接触されている。
【0026】
以上のようにドレッシング装置1は、回転する研削ホイール5の研削面6に、当該研削面6の形状に対応した形状を有した突条部12の面を有すると共に当該面を必要な長さに渡って対面接触させる規制体13と、砥粒混在の圧力流体を発生する装置としての噴出砥粒発生装置11と、研削面6と規制体13の突条部12の面との対面接触の間に、噴出砥粒発生装置11からの砥粒混在の圧力流体としての混合圧縮空気を噴射する噴射装置としての砥粒混在圧縮空気の噴出口15とを具備している。
【0027】
そして、ドレッシング装置1では、回転する研削ホイールの研削面6に、当該研削面6の形状に沿った規制体13を必要な長さに渡って対面接触させ、当該研削面6と規制体13との間に砥粒を混在させた圧力空気21を噴射し、研削面6を規制体13に対して回転方向に通過させ、この通過において規制体13による砥粒の研削面6への噴射力当り状態を弾性力引付け装置18により維持して研削面6のドレッシングを行うようになっている。
【0028】
図6に示す本発明の他の具体例のドッレッシング装置50は、砥粒9を圧力水40に混在させて噴出させるもので、砥粒9を混合器43により混在させた圧力水40を水ポンプ41により吸水し、水ポンプ41から砥粒混在圧力水42を規制体13の噴出口15へ圧送し、規制体13の噴出口15から研削面6に砥粒混在圧力水42を噴出するようになっている。
【0029】
図6に示すドッレッシング装置50では、回転する研削ホイール5の研削面6に、当該研削面6の形状に沿った規制体13を必要な長さに渡って対面接触させ、当該研削面6と規制体13との間に砥粒を混在させた圧力流水としての砥粒混在圧力水42を噴射し、研削面6を規制体13に対して回転方向に通過させ、この通過において規制体13による砥粒の研削面6への噴射力当り状態を弾性力引付け装置18により維持して研削面6のドレッシングを行うようになっている。
【0030】
尚、弾性力引付け装置18には、引張りコイルバネ36の代りにエアーシリンダ装置を用いてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 ドレッシング装置
6 研削面
13 規制体