【課題】ラベルの二枚取りを防止でき、金型内面でのラベルの位置精度も高く、ラベルの位置合わせ及び移送に要する時間も短縮することができる、ラベル付き成形体の製造システム及び製造方法を提供すること。
【解決装置】帯状のセパレータSの延在方向に隣り合うように剥離可能に貼着された複数のラベルLを一枚ずつ供給する。一枚ずつ供給されたラベルLを吸引プレート20で吸引保持する。吸引プレート20上のラベル基準位置に対する実際のラベル吸引保持位置のずれ量を算出する。ラベルLがラベルLを金型55内にインサートするインサータ60の所定のラベル受渡位置γに移動する間に前記ずれ量を補正するように吸引プレート20を移動させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のラベル付き成形体の製造システムのように、束状態で積層された複数のラベルから一枚のラベルをピックアップする場合、ラベルが二枚取りされる虞がある。
【0006】
また、上記特許文献1のラベル付き成形体の製造システムでは、ラベルが載置台上で位置決めされた後に、インサータが載置台上の位置修正されたラベルを吸着し、金型内面に移送、配設するので、一度位置決めされたラベル位置がインサータによるラベルの吸着移送時にずれ易く、金型内面におけるラベルの位置精度を高くすることが難しい。また、束状態で積層されたラベルを載置台に載置するための吸着体が別途、必要であり、ラベルが載置台に載置された後に載置台上で位置決めされ、その後、インサータが設置台上のラベルを吸着保持するので、ラベルの位置決め及び移送に時間を要する。
【0007】
本発明の目的は、ラベルの二枚取りを防止でき、金型内面でのラベルの位置精度も高く、ラベルの位置合わせ及び移送に要する時間も短縮できる、ラベル付き成形体の製造システム及び製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様であるラベル付き成形体の製造システムは、ラベルを金型内へインサートしてインモールドラベル付き成形体を製造するラベル付き成形体の製造システムであって、所定のラベル受渡位置で前記ラベルが受け渡されると共に、前記ラベルを前記金型内にインサートするインサータと、帯状のセパレータの延在方向に隣り合うように剥離可能に貼着された複数の前記ラベルを一枚ずつ供給するラベル供給装置と、前記ラベル供給装置が供給した前記ラベルを前記ラベル受渡位置まで搬送するラベル搬送装置と、を備え、前記ラベル搬送装置は、前記ラベル供給装置が供給した前記ラベルを吸引保持する吸引プレートと、前記吸引プレートを移動させるプレート移動装置と、前記吸引プレート上のラベル基準位置に対する前記吸引プレート上のラベル吸引保持位置のずれ量を算出するずれ算出部、及び前記プレート移動装置を制御することによって前記ずれ量が算出されてから前記ラベルが前記ラベル受渡位置に移動する間に前記ずれ量を補正する移動装置制御部を有する制御装置と、を有する。
【0009】
本発明によれば、複数のラベルが帯状のセパレータの延在方向に隣り合うように剥離可能に貼着されているので、吸引プレートがセパレータからラベルを吸引する際、セパレータからラベルが二枚取りされることがない。したがって、例えば、ラベルの二枚取りを抑制するためにラベルにさばき性を向上させる表面処理を施す等の必要がなく、また、比較的厚みの薄いラベルであっても安定的にインサータに供給することができる。よって、ラベルの製造コストや製造工数を低減できる。
【0010】
また、吸引プレート上のラベル基準位置に対する吸引プレート上のラベル吸引保持位置のずれ量が算出された後、プレート移動装置が制御されることによってラベルが所定のラベル受渡位置に移動する間に該ずれ量が補正される。したがって、ラベルの位置決めとラベルのインサータへの受け渡しとが同時に実行されるので、ラベルの位置決めを行った後にインサータがラベルを吸引保持する場合と比較して、金型内でのラベル位置がずれにくく、金型内面でのラベルの位置精度を高くすることができる。また、ラベルの位置決めとラベルのインサータへの受け渡しとが同時に実行されるので、ラベルの位置合わせ及び移送に要する時間も短縮することができる。
【0011】
また、本発明において、前記ラベル搬送装置は、前記吸引プレートが決まったラベル撮影位置に配置されている状態で前記吸引プレート上の前記ラベルの少なくとも一部を撮影する撮影装置を有し、前記ずれ算出部は、前記撮影装置の撮影画像の画像基準位置に対するラベル画像位置の画像ずれ量に基づいて前記吸引プレート上の前記ラベル吸引保持位置の前記ずれ量を算出してもよい。
【0012】
この場合、ずれ算出部は、撮影装置が撮影した撮影画像の画像基準位置に対するラベル画像位置のずれ量に基づいて吸引プレート上のラベル基準位置に対するラベル吸引保持位置のずれ量を算出するので、ラベル吸引保持位置のずれ量を精密に算出でき、ラベルの位置決めを精密に行うことができる。
【0013】
また、本発明において、前記ずれ算出部は、前記画像基準位置に対する前記ラベル画像位置の水平方向画像ずれ量、鉛直方向画像ずれ量、及び回転方向画像ずれ量に基づいて、前記吸引プレート上の前記ラベル吸引保持位置の水平方向ずれ量、鉛直方向ずれ量、及び回転方向ずれ量を算出し、前記移動装置制御部は、前記ラベルが前記ラベル受渡位置に移動する間に前記水平方向ずれ量、鉛直方向ずれ量、及び回転方向ずれ量を補正するように前記プレート移動装置を制御してもよい。
【0014】
この場合、画像基準位置に対するラベル画像位置のずれ量を簡易かつ精密に算出できる。
【0015】
また、本発明において、前記プレート移動装置は、前記吸引プレートを前記水平方向に移動させるための水平方向移動用サーボモータ及び水平方向移動用ボールネジと、前記吸引プレートを前記鉛直方向に移動させるための鉛直方向移動用サーボモータ及び鉛直方向移動用ボールネジと、前記吸引プレートを回転させるための回転用サーボモータと、を有してもよい。
【0016】
この場合、移動量を精密に管理できるサーボモータとボールネジを用いて吸引プレートを移動させるので、吸引プレートを正確に移動させることができる。
【0017】
また、本発明において、前記制御装置は、前記セパレータの移動速度と前記セパレータに貼着された前記ラベルのラベル間隔とに基づいて前記ラベルの所定部分が前記セパレータから剥離するタイミングを認識し、当該タイミングで前記吸引プレートに所定のラベル受取位置で前記ラベルの前記所定部分の少なくとも一部を含む部分を吸引させてもよい。
【0018】
この場合、ラベルの所定部分がセパレータから剥離したと制御装置が判断したタイミングで、吸引プレートが所定のラベル受取位置でラベルの吸着を行うので、吸引プレート上のラベル基準位置に対するラベル吸引保持位置のずれ量を小さくできる。また、セパレータから剥離したラベルの剥離部分周辺箇所をタイミングよく吸引プレートが吸引するので、セパレータから吸引プレートへのラベルの受け渡しをスムーズに行うことができる。
【0019】
また、本発明の別の態様であるラベル付き成形体の製造方法は、ラベルを金型内へインサートしてインモールドラベル付き成形体を製造するラベル付き成形体の製造方法であって、帯状のセパレータの延在方向に隣り合うように剥離可能に貼着された複数の前記ラベルを一枚ずつ供給するラベル供給ステップと、一枚ずつ供給された前記ラベルを吸引プレートで吸引保持するラベル吸引保持ステップと、前記吸引プレート上のラベル基準位置に対する前記吸引プレート上のラベル吸引保持位置のずれ量を算出するずれ量算出ステップと、前記ずれ量が算出されてから前記ラベルがインサータに受け渡される所定のラベル受渡位置に移動する間に前記ずれ量を補正するように前記吸引プレートを移動させるプレート移動ステップと、前記インサータによって前記ラベルが前記金型内にインサートされる金型インサートステップと、を含む。
【0020】
本発明によれば、複数のラベルが帯状のセパレータの延在方向に隣り合うように剥離可能に貼着されているので、セパレータからラベルを吸引する際、セパレータからラベルが二枚取りされることがない。したがって、ラベルの二枚取りを抑制するためにラベルにさばき性を向上させる表面処理を施す必要がない。よって、ラベルの製造コストや製造工数を低減できる。
【0021】
また、吸引プレート上のラベル基準位置に対する吸引プレート上のラベル吸引保持位置のずれ量が算出されてからラベルが所定のラベル受渡位置に移動する間に該ずれ量が補正される。したがって、ラベルの位置決めとラベルのインサータへの受け渡しとが同時に実行されるので、ラベルの位置決めを行った後にインサータがラベルを吸引保持する場合と比較して、金型内面でのラベル位置がずれにくく、金型内面でのラベルの位置精度を高くすることができる。また、ラベルの位置決めとラベルのインサータへの受け渡しとが同時に実行されるので、ラベルの位置合わせ及び移送に要する時間も短縮することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ラベルの二枚取りを防止でき、金型内面でのラベルの位置精度も高くすることができる。また、ラベルの位置合わせ及び移送に要する時間も短縮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。なお、以下では、ラベルが付される成形体として容器Cを例示して説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態であるラベル付き成形体の製造システム(以下、単に製造システムという)1の概要を説明するための模式図である。
図2(a)は、帯状のセパレータS上に複数のラベルLが貼着された状態を示す平面図であり、
図2(b)は、セパレータSからラベルLが剥離して供給されるときの状態を示す図である。また、
図3は、ラベルLが付された成形体の一例として容器Cを示した斜視図である。
【0026】
図1に示すように、製造システム1は、ラベル供給装置10、ラベル搬送装置15及びインサータ60を備える。
【0027】
ラベル供給装置10は、ラベル供給リール11と、ピールプレート12と、セパレータ巻取リール13とを含む。ラベル供給リール11には、
図2(a)に示すように、長尺帯状をなす剥離紙であるセパレータS上に例えば矩形状フィルムからなるラベルLが所定の間隔で貼着された状態で巻回されている。つまり、複数のラベルLが、セパレータSの延在方向(繰り出し方向)に隣り合うように剥離可能に貼着されている。
【0028】
ラベル供給リール11が図示しないモータによって間欠的に矢印A方向に回転されることにより、ラベルLが貼着されたセパレータSが繰り出されるようになっている。
【0029】
ピールプレート12は、例えば、滑り性を良くするための表面処理が施された金属板によって形成される。ピールプレート12は、ラベル受取位置α周辺に配置されている。ラベル供給リール11から繰り出されたラベルL付きセパレータSは、ピールプレート12のエッジ部に摺接しながら移動方向が反転される。このようにセパレータSが反転移動するとき、
図2(b)に示すように、セパレータS上に弱い接着力又は静電気力で貼着されているラベルLが移動するセパレータSから剥離して、ラベル受取位置αにおいてラベルLが一枚ずつ矢印C方向に供給されるようになっている。ラベルLが剥離したセパレータSは、
図1に示すように、ラベル供給リール11と同期して矢印B方向に回転するセパレータ巻取リール13によって巻き取られる。
【0030】
本実施形態の製造システム1によって供給されるラベルLは、
図3に示すように、例えば、インジェクション成形、押出し成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、インジェクションブロー成形等によって製造される樹脂製の容器Cの胴部外周面上に一体に付着される。ラベルLには、図示していないが、容器Cに充填されることとなる内容物の商品名やデザイン等が予め印刷されている。ラベルLは、ラベル基材と、ラベル基材の表面及び/又は裏面に形成されたデザイン印刷層と、ラベル基材の最裏面に形成された接着剤層とを備える。ラベル基材は、合成樹脂製シート、紙、合成紙、発泡樹脂シート、不織布等の種々のシート又はこれらの積層体、金属箔などの機能層が積層された積層シート等から形成される。セパレータSは柔軟なシート材から構成されており、シート材としては例えば、合成樹脂製シート、合成紙、紙などが挙げられる。接着剤層は感熱接着剤から形成されており、インジェクションブロー成形の場合には、60℃〜70℃の範囲で活性化するものを用いるのが好ましい。容器Cに充填される内容物は、シャンプー、リンス、洗剤、飲料、化粧品、薬品等を例示できる。成形体としては、その他種々の形状の容器、ケース、カバー、トレー等が挙げられる。
【0031】
図1を再び参照して、ラベル搬送装置15は、吸引プレート20、プレート移動装置30、撮影装置40及び制御装置50を有する。吸引プレート20は、ラベル受取位置αに待機している。そして、吸引プレート20は、ラベル供給装置10から供給された一枚のラベルLを吸引保持することによって受け取る。ラベルLを受け取った吸引プレート20は、プレート移動装置30の駆動によって、ラベル撮影位置βに移動する。本実施形態では、ラベル受取位置αとラベル撮影位置βとは、水平方向及び鉛直方向に沿った同一平面状に位置している。そのため、吸引プレート20は、プレート移動装置30によって駆動されることで、鉛直方向及び水平方向に沿ってラベル受取位置αからラベル撮影位置βに移動可能に構成されている。
【0032】
図4は、ラベルLを吸引保持した吸引プレート20がラベル撮影位置βに移動したときの状態を示す斜視図である。
図4に示すように、吸引プレート20のラベル吸引面24には、多数の吸引孔25が形成されている。これらの吸引孔25は、図示しない開閉バルブを介して負圧源に接続されている。そして、この開閉バルブの動作は、制御装置50からの指令に応じて制御される。したがって、吸引プレート20がラベル受取位置αでラベルLを受け取り、その状態でラベル撮影位置βに移動し、さらに後述するようにラベル受渡位置γに移動するまでの間、上記開閉バルブが制御装置50によって開弁される。その結果、吸引プレート20は、ラベルLを吸引保持した状態で移動することができる。
【0033】
図1及び
図4に示すように、ラベル搬送装置15の撮影装置40は、ラベル撮影位置βに移動して一旦停止した吸引プレート20に対向する位置に配設されている。撮影装置40は、例えば、カメラ、ビデオカメラ等によって好適に構成できる。
図4に示すように、ラベルLは、吸引プレート20のラベル吸引面24から鉛直方向に突出せずに水平方向の一方側の一部が突出した状態で吸引プレート20に吸引され、その状態で撮影装置40によって撮影される。なお、この例では、ラベルLが、吸引プレート20のラベル吸引面24から鉛直方向に突出せずに水平方向の一方側の一部が突出した状態で吸引プレート20に吸引される場合について説明したが、ラベルLは、吸引プレート20のラベル吸引面24から鉛直方向の一方側の一部及び水平方向の一方側の一部が突出した状態で吸引プレート20に吸引される構成であってもよく、ラベル吸引面24から突出しない構成であってもよい。撮影装置40によって撮影された画像は、制御装置50に送信される。制御装置50は、撮影画像から吸引プレート20上におけるラベルLの吸引保持位置を検出し、ラベル基準位置に対するラベルLの吸引保持位置のずれを算出する機能を有する。そして、制御装置50は、このずれ量に基づいて後述するラベル受渡位置γまでの吸引プレート20の移動量を算出して、プレート移動装置30の駆動を制御する。プレート移動装置30の構成及び制御装置50におけるずれ量算出の詳細は後述する。
【0034】
図1を再び参照すると、ラベル撮影位置βでラベル吸引保持位置の撮影を終えた吸引プレート20は、プレート移動装置30の駆動によってラベル受渡位置γに移動する。本実施形態では、ラベル受渡位置γは、ラベル撮影位置βと水平方向及び鉛直方向に沿った同一平面上に位置している。したがって、本実施形態の製造システム1では、ラベル受取位置α、ラベル撮影位置β及びラベル受渡位置γのいずれもが、水平方向及び鉛直方向に沿った同一平面上に配置されるように構成されている。このように各位置α,β,γを配置することで、吸引プレート20を移動させるプレート移動装置30は、鉛直方向及び水平方向の2方向の移動機構を備えれば足りるから、装置構成を簡易にできる利点がある。ただし、これに限定されるものではなく、プレート移動装置30は、上記鉛直方向及び水平方向と直交する第3の方向、すなわち
図1中の上下方向に相当する前後方向に吸引プレート20を移動させる機構を備えてもよい。この場合には、上記ラベル受取位置α、ラベル撮影位置β及びラベル受渡位置γの少なくとも2つが前後方向にずれて配置されてもよく、その分、システムの設計自由度が大きくなる。
【0035】
図1に示すように、ラベル搬送装置15の吸引プレート20によってラベル受渡位置γに搬送されたラベルLは、インサータ60に受け渡される。インサータ60は、吸引プレート20からラベルLを吸引保持することによって受け取ることができる。その後、インサータ60は、インサータ移動装置56によって駆動されて、開いた状態で待機している金型55のラベルインサート位置δまでラベルLを搬送する。そして、インサータ60は、金型55の内壁面にラベルLを接触させるように載置する。薄い樹脂フィルムからなるラベルLは、金型55の内壁に吸引により確実に付着した状態に設置される。
【0036】
インジェクションブロー成形においては、その後、試験管のような形状をなす半溶融状態のパリソンが上方から金型55に対向する位置に下降移動し、図示しないもう一方の金型が閉じて、パリソン内に圧縮空気が吹き込まれる。これにより、容器周壁にラベルが接着し、
図3に示すような容器Cがブロー成形されることになる。
【0037】
次に、
図5を参照して、ラベル搬送装置15のプレート移動装置30について詳細に説明する。
図5(a)は、吸引プレート20を移動させるプレート移動装置30の移動機構を示す模式平面図であり、
図5(b)は、該移動機構を(a)中の矢印D方向から見たときの模式側面図である。プレート移動装置30は、水平方向移動機構70、鉛直方向移動機構80及び回転方向移動機構90を備える。
【0038】
図5(a)に示すように、水平方向移動機構70は、水平方向移動用サーボモータ71と、水平方向移動用ボールネジ72と、水平方向移動ステージ73とを有する。水平方向移動用ボールネジ72は、ネジ軸75と、これに螺合したナット76を含む。ネジ軸75は、水平方向移動用サーボモータ71の出力軸77にカップリング78を介して連結されている。水平方向移動用ボールネジ72及び水平方向移動用サーボモータ71は、図示しない固定フレームに固定されている。また、ネジ軸75に螺合したナット76は、水平方向移動ステージ73に固定されている。これにより、水平方向移動用サーボモータ71の出力軸77が矢印E方向に回転すると、ネジ軸75に螺合されたナット76を介して水平方向移動ステージ73が矢印Fで示す水平方向に移動するようになっている。
【0039】
図5(a),(b)に示すように、鉛直方向移動機構80は、水平方向移動ステージ73上に設置されている。鉛直方向移動機構80は、鉛直方向移動用サーボモータ81と、鉛直方向移動用ボールネジ82と、鉛直方向移動ステージ83とを有する。鉛直方向移動用ボールネジ82は、ネジ軸85と、これに螺合したナット86を含む。ネジ軸85は、鉛直方向移動用サーボモータ81の出力軸87にカップリング88を介して連結されている。また、ネジ軸85に螺合したナット86は、鉛直方向移動ステージ83に固定されている。さらに、鉛直方向移動ステージ83は、水平方向移動ステージ73上に鉛直方向に沿って延在するレール53を案内するレールガイド54を有し、レールガイド54の延在方向に沿ってスライド移行可能に構成されている。これにより、鉛直方向移動用サーボモータ81の出力軸87が矢印Gで示す方向に回転すると、鉛直方向移動ステージ83は、ネジ軸85に螺合したナット86を介して、水平方向移動ステージ73上において矢印Hで示す鉛直方向に移動するようになっている。
【0040】
さらに、鉛直方向移動ステージ83上には、回転方向移動機構90が配置されている。回転方向移動機構90は、鉛直方向移動ステージ83上に固定された回転方向移動用サーボモータ91と、このサーボモータ91の出力軸に固定された回転方向移動ステージ93とを含む。そして、回転方向移動ステージ93上に、ラベルLを吸引保持するための吸引プレート20が固定配置されている。これにより、回転方向移動用サーボモータ91の出力軸が矢印Iで示す方向に回転すると、吸引プレート20が取り付けられた回転方向移動ステージ93は鉛直方向移動ステージ83に対して回転することができる。
【0041】
このようにプレート移動装置30が構成されるため、吸引プレート20は、水平方向移動用サーボモータ71の駆動によって水平方向に移動し、鉛直方向移動用サーボモータ81の駆動によって鉛直方向に移動し、回転方向移動用サーボモータ91の駆動によって回転移動することができる。各サーボモータ71,81,91の駆動は、以下に詳述する制御装置50によって制御される。
【0042】
次に、
図6及び
図7を参照して、本実施形態のラベル搬送装置15の制御装置50と、この制御装置50による吸引プレート20上のラベル基準位置に対するラベル吸引保持位置のずれ量の補正について説明する。
図6は、制御装置50を示す機能ブロック図である。また、
図7は、撮影装置40による撮影画像の一例を示す模式図である。
【0043】
制御装置50は、例えば、コンピュータによって構成できる。
図6に示すように、制御装置50は、水平方向ずれ算出部41、鉛直方向ずれ算出部42、回転方向ずれ算出部43、水平方向移動制御部45、鉛直方向移動制御部46、回転方向移動制御部47、及び記憶部48を有する。水平方向ずれ算出部41、鉛直方向ずれ算出部42、及び回転方向ずれ算出部43は、ずれ算出部を構成し、水平方向移動制御部45、鉛直方向移動制御部46、及び回転方向移動制御部47は、移動装置制御部を構成する。
【0044】
図6に示すように、制御装置50は、撮影装置40と双方向に信号のやり取りを行う。また、制御装置50は、吸引プレート20がラベルLを吸引する圧力を検出するプレート圧力センサ27から信号を受信する。制御装置50は、撮影装置40又はプレート圧力センサ27からの信号を受けて、水平方向移動機構70、鉛直方向移動機構80及び回転方向移動機構90の移動を制御し、また、以下に示すようにプレート圧力センサ27からの信号に基づいて撮影装置40の撮影を制御する。
【0045】
水平方向ずれ算出部41は、撮影装置40から撮影画像を表す信号を受けると、吸引プレート20上のラベル基準位置に対する実際のラベル吸引保持位置の水平方向ずれ量を算出する。そして、水平方向移動制御部45がその水平方向ずれ量に基づいて水平方向移動機構70の水平方向移動距離を制御する。
【0046】
また、同様に、鉛直方向ずれ算出部42は、撮影装置40から撮影画像を表す信号を受けると、吸引プレート20上のラベル基準位置に対する実際のラベル吸引保持位置の鉛直方向ずれ量を算出する。そして、鉛直方向移動制御部46がその鉛直方向ずれ量に基づいて鉛直方向移動機構80の鉛直方向移動距離を制御する。
【0047】
また、回転方向ずれ算出部43は、撮影装置40から撮影画像を表す信号を受けると、吸引プレート20上のラベル基準位置に対する実際のラベル吸引保持位置の回転方向ずれ量を算出する。そして、回転方向移動制御部47がその回転方向ずれ量に基づいて回転方向移動機構90の回転方向移動距離を制御する。
【0048】
制御装置50は、ラベル受取位置αにおいて、プレート圧力センサ27からの信号を受けて、吸引プレート20がラベルLを吸引保持しているか否かを判定する。制御装置50は、肯定判定すると吸引プレート20をラベル受取位置α(
図1参照)からラベル撮影位置βに移動させる。吸引プレート20がラベル受取位置αからラベル撮影位置βに移動する距離は決まっている。結果として、制御装置50は、吸引プレート20がラベル撮影位置βに到達するタイミングを正確に判断でき、吸引プレート20がラベル撮影位置βに到達したと判断すると撮影装置40に撮影を実行させる。
【0049】
さらに、制御装置50は、図示しないインサータ圧力センサからの信号に基づいて、インサータ60がラベルLを吸引する圧力を特定できる。そして、この特定した圧力に基づいて吸引プレート20からインサータ60へのラベルLの受け渡しが終わったと判定すると、インサータ60を金型55の方に移動させると共に、吸引プレート20をラベル受渡位置γからラベル受取位置αに移動させる。
【0050】
次に、
図7を参照して、ずれ算出部における吸引プレート20上のラベル基準位置に対するラベルLの吸引保持位置のずれ量を算出する方法について説明する。
図7は、撮影装置40が撮影した撮影画像65の一例を示す模式図である。
図7において、点線xは、撮影画像65において水平方向に対応する座標を示し、点線yは、撮影画像65において鉛直方向に対応するy座標を示す。また、0は、x座標及びy座標の原点を示す。
【0051】
ラベルLが吸引プレート20にずれなく吸引保持されている場合、ラベルLは、撮影画像65上の画像基準位置に配置され、左下の角部が原点に位置し、長手方向がy軸の正方向に延在し、幅方向がx軸の正方向に延在する。
【0052】
図6に示す各ずれ算出部41,42,43は、ラベル画像の特定の2点に基づいて撮影画像65でのラベル画像位置を特定する。詳しくは、水平方向ずれ算出部41は、画像基準位置及び特定したラベル画像位置に基づいて撮影画像65における水平方向画像ずれ量a及びその方向を算出する。吸引プレート20に対する撮影装置40の相対位置が予め決まっているから、撮影画像65上の水平方向画像ずれ量a及びその方向は、吸引プレート20のラベル基準位置に対するラベル吸引保持位置の水平方向ずれ量及びその方向に一対一に対応する。水平方向ずれ算出部41は、撮影画像65上の水平方向画像ずれ量a及びその方向に基づいて、吸引プレート20のラベル基準位置に対するラベルLの吸引保持位置の水平方向ずれ量及びその方向を算出する。
【0053】
ラベルLがずれなく吸引プレート20に吸引保持されている状態では、吸引プレート20がラベル撮影位置βからラベル受渡位置γまでに移動する水平方向移動量は、予め決まっている。水平方向ずれ算出部41は、かかるラベルずれがない状態での水平方向移動量と、上記吸引プレート20のラベル基準位置に対するラベル吸引保持位置の水平方向ずれ量及びその方向とから、ラベルずれがある場合において吸引プレート20がラベル撮影位置βからラベル受渡位置γまで移動するときの吸引プレート20の水平方向移動量を算出する。
【0054】
同様に、鉛直方向ずれ算出部42は、撮影画像65における鉛直方向画像ずれ量b及びその方向と、ラベルずれがない状態における吸引プレート20のラベル撮影位置βからラベル受渡位置γまでの鉛直方向移動量とに基づいて、吸引プレート20がラベル撮影位置βからラベル受渡位置γまで移動するときの吸引プレート20の鉛直方向移動量を算出する。
【0055】
また、回転方向ずれ算出部43は、撮影画像65における回転方向画像ずれ量θ及びその方向と、ラベルずれがない状態における吸引プレート20のラベル撮影位置βからラベル受渡位置γまでの回転方向移動量とに基づいて、吸引プレート20がラベル撮影位置βからラベル受渡位置γまで移動するときの吸引プレート20の回転方向移動量を算出する。ラベルずれがない場合の回転方向移動量を零に設定する。
【0056】
なお、吸引プレート20上のラベルLがインサータ60の決まったラベル受渡位置γに移動するので、吸引プレート20のラベル受渡位置γまでの移動量は、吸引プレート20のラベル基準位置に対するラベル吸引保持位置のずれ量及びずれの方向に依存して変動することになる。
【0057】
ずれ算出部41,42,43が算出した吸引プレート20上のラベル基準位置に対する吸引プレート20上のラベル吸引保持位置のずれ量を受けて、移動制御部45,46,47は、プレート移動装置30を制御することによってラベルLがインサータ60の所定のラベル受渡位置γに移動する間に該水平方向ずれ量、鉛直方向ずれ量及び回転方向ずれ量を補正する。
【0058】
詳しくは、
図6に示す水平方向移動制御部45は、水平方向ずれ算出部41が算出したラベルずれがある場合での吸引プレート20の水平方向移動量に基づいて水平方向移動機構70を制御することによって、吸引プレート20を当該水平方向移動量だけ水平方向に移動させる。この際、水平方向移動制御部45は、水平方向移動用サーボモータ71の回転数をパルス制御することによって、吸引プレート20を当該水平方向移動量だけ水平方向に精密に移動させる。
【0059】
また、同様に、鉛直方向移動制御部46は、鉛直方向ずれ算出部42が算出したラベルずれがある場合での吸引プレート20の鉛直方向移動量に基づいて鉛直方向移動機構80を制御することによって、吸引プレート20を当該鉛直方向移動量だけ鉛直方向に移動させる。鉛直方向移動制御部46は、鉛直方向移動用サーボモータ81の回転数をパルス制御することによって、吸引プレート20を当該鉛直方向移動量だけ鉛直方向に精密に移動させる。
【0060】
また、回転方向移動制御部47は、回転方向ずれ算出部43が算出したラベルずれがある場合での吸引プレート20の回転方向移動量に基づいて回転方向移動機構90を制御することによって、吸引プレート20を当該回転方向移動量だけ回転方向に移動させる。回転方向移動制御部47は、回転方向移動用サーボモータ91の回転数をパルス制御することによって、吸引プレート20を当該回転方向移動量だけ回転方向に精密に移動させる。
【0061】
続いて、上述した構成を有する製造システム1の動作について、
図8〜
図10を参照して説明する。
図8は、吸引プレート20がラベル受取位置αに移動して、ラベル受取り動作が実行されている状態を吸引プレート20の裏側から見たときの模式斜視図である。また、
図9は、ラベルLを吸引保持した吸引プレート20がラベル撮影位置βに移動して、ラベルLの撮影が実行されている状態を吸引プレート20の裏側から見たときの模式斜視図である。また、
図10は、ラベルLを吸引保持した吸引プレート20がラベル受渡位置γに移動して、ラベルLがインサータ60(
図8,9参照)に受け渡されている状態を吸引プレート20の裏側から見たときの模式斜視図である。
【0062】
制御装置50の記憶部48には、3次元スペース上におけるラベル受取位置αの位置情報が予め記憶されている。また、制御装置50は、セパレータSの移動速度やセパレータS上のラベル間隔等からラベルLの所定部分がセパレータSから剥離するタイミングを認識できる。制御装置50は、当該タイミングで吸引孔25を負圧源に連通させる開閉バルブを開き、吸引プレート20に、ラベル受取位置αでセパレータSから剥離したラベルLの剥離部分周辺箇所(ラベルLの剥離部分の少なくとも一部を含む部分)を吸引させる。吸引プレート20は、このようにしてセパレータSからラベルLを受け取る。この実施形態では、ラベルLの所定部分がセパレータSから剥離したと制御装置50が判断したタイミングで、吸引プレート20が所定のラベル受取位置αでラベルLの吸着を行うので、吸引プレート20上のラベル基準位置に対するラベル吸引保持位置のずれ量を小さくできる。また、セパレータSから剥離したラベルLの剥離部分周辺箇所をタイミングよく吸引プレート20が吸引するので、セパレータSから吸引プレート20へのラベルLの受け渡しをスムーズに行うことができる。なお、セパレータSから剥離したラベルLを吸引プレート20で吸引する際に、吸引プレート20の対向位置からラベルLに向けてエアーを吹き付けることで、吸引プレート20へのラベルLの受け渡しをより安定して行うことができる。このように、ラベルLをエアーの風力によって吸引プレート20側に押し付けることで、より吸着真空を得やすくなる。エアーの圧力、風力及びタイミングは、ラベルLの寸法、厚み、材質等に合わせて適宜設定できる。例えば、エアーとして静電除去エアーを用いてもよい。
【0063】
続いて、制御装置50は、プレート圧力センサ27からの信号によって吸引プレート20がラベルLを吸引したと判定すると、
図9に示すように、プレート移動装置30を制御することによって吸引プレート20を所定のラベル撮影位置βに移動させる。なお、吸引プレート20が水平方向の移動のみでラベル受取位置αからラベル撮影位置βに到達できるようにすると、製品製造のサイクルタイムを短縮することができて好ましい。
【0064】
制御装置50の記憶部48には、3次元スペース上におけるラベル撮影位置βの位置情報が予め記憶されている。また、吸引プレート20がラベル受取位置αからラベル撮影位置βに移動する距離は決まっている。制御装置50は、吸引プレート20がラベル撮影位置βに到達するタイミングで撮影装置40にラベル撮影を実行させる。
【0065】
その後、制御装置50のずれ算出部41,42,43は、上述した手法で撮影装置40が撮影した撮影画像65に基づいて吸引プレート20上のラベル基準位置に対するラベル吸引保持位置のずれ量を算出する。また、移動制御部45,46,47は、
図10に示すように、当該ずれ量を補正するように吸引プレート20上のラベルLを所定のラベル受渡位置γに移動させる。
【0066】
インサータ60のラベル吸引面には、図示しない多数の吸引孔が形成されている。これらの吸引孔は、図示しない開閉バルブを介して負圧源に接続されている。この開閉バルブの動作は、制御装置50からの指令に応じて制御される。
【0067】
制御装置50は、吸引プレート20がラベル受渡位置γに到達したと判断すると、該開閉バルブを開いてインサータ60の吸引孔を負圧源に連通され、インサータ60にラベルLを吸引させる。制御装置50は、インサータ60がラベルLを吸引する圧力に基づいてインサータ60がラベルLを吸引保持したと判定すると、吸引プレート20の吸引孔25を負圧源に連通させる開閉バルブを閉じ、吸引プレート20でのラベルLの吸引を終了する。吸引プレート20は、このようにしてインサータ60にラベルLを受け渡す。
【0068】
なお、
図8及び
図9に示すように、この実施形態では、インサータ60は、2つのラベル保持部61を有し、インサータ60は、一度に2つのラベルLを互いに異なる2つの金型55に移動させる。各ラベル保持部61は、例えば、上下2箇所に吸着部69を有し、これら2つの吸着部69でラベルLの上下方向の2箇所を吸着するようになっている。吸着部69は、真空源に連通可能な吸着孔や吸盤で構成することができる。
図10に示す例では、2つ目のラベルLが、ラベル受渡位置γでインサータ60に受け渡されている様子が図示されている。制御装置50は、1つ目のラベルLが吸引保持された後、インサータ60を所定距離水平方向に移動させる。そして、2つ目のラベルLがインサータ60に受け渡されると、インサータ60を金型55の方に移動させ、吸引プレート20をラベル受取位置αに移動させる。
図10には、ラベル受渡位置γが、鉛直方向でラベル撮影位置βよりも上方側に位置する場合が示されているが、例えば、ラベル受渡位置γはラベル撮影位置βと同じ高さに存在してもよい。
【0069】
上述したように本実施形態の製造システム1によれば、複数のラベルLが帯状のセパレータSの延在方向に隣り合うように剥離可能に貼着されているので、吸引プレート20がセパレータSからラベルLを吸引する際、セパレータSからラベルLが二枚取りされることがない。したがって、例えば、ラベルLの二枚取りを抑制するためにラベルLにさばき性を向上させる表面処理を施す等の必要がなく、また、比較的厚みの薄いラベルLであっても安定的にインサータ60に供給することができる。よって、ラベルLの製造コストや製造工数を低減できる。
【0070】
また、吸引プレート20上のラベル基準位置に対する吸引プレート20上のラベル吸引保持位置のずれ量が算出されてからプレート移動装置30が制御されることによってラベルLが決まったラベル受渡位置γに移動する間に該ずれ量が補正される。したがって、ラベルLの位置決めとラベルLのインサータ60への受け渡しとが同時に実行されるので、ラベルLの位置決めを行った後にインサータ60がラベルLを吸引保持する場合と比較して、金型55でのラベル位置がずれにくく、金型55でのラベルLの位置精度を高くし易い。また、ラベルLの位置決めとラベルLのインサータ60への受け渡しとが同時に実行されるので、ラベルLの位置合わせ及び移送に要する時間も短縮することができる。
【0071】
また、ずれ算出部が、撮影装置40が撮影した撮影画像65の画像基準位置に対するラベル画像位置のずれ量に基づいて吸引プレート20上のラベル基準位置に対するラベル吸引保持位置のずれ量を算出するので、ラベル吸引保持位置のずれ量を精密に算出でき、ラベルLの位置決めを精密に行うことができる。
【0072】
また、ずれ算出部が、画像基準位置に対するラベル画像位置の水平方向画像ずれ量a、鉛直方向画像ずれ量b、及び回転方向画像ずれ量θに基づいて、画像基準位置に対するラベル画像位置のずれ量を算出するので、当該ずれ量を簡易かつ精密に算出できる。
【0073】
尚、本発明は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
【0074】
例えば、上記実施形態では、水平方向移動機構70や鉛直方向移動機構80がサーボモータ71,81とボールネジ72,82を有する場合について説明したが、水平方向移動機構又は鉛直方向移動機構は、ボールネジの変わりにラックピニオン機構を有する構成であってもよい。また、インサータ60が一度に2つのラベルを運ぶ場合について説明したが、インサータは一度に如何なる数のラベルを運んでもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、吸引プレート20上のラベル基準位置に対する吸引プレート20上のラベル吸引保持位置のずれ量が算出された後、そのずれ量に基づいて算出された移動距離に基づいて吸引プレート20が該ラベル吸引保持位置から所定のラベル受渡位置γまで直接移動する場合について説明した。しかし、吸引プレート上のラベル基準位置に対する吸引プレート上のラベル吸引保持位置のずれ量が算出された後に吸引プレートの位置補正を行い、その後、吸引プレートを所定のラベル受渡位置γまで移動させるようにしてもよい。
【0076】
また、インサータは、一方の金型のみに一枚のラベルを移送してもよく、1つの成形体に1つのみのラベルを付着させてもよい。又は、インサータは、表側ラベルインサータ及び裏側ラベルインサータを有して、表側ラベルインサータが、一方の金型に表側ラベルを移送すると共に、裏側ラベルインサータが、一方の金型と型閉じする他方の金型に裏側ラベルを移送してもよい。このようにして、1つの成形体に2つのラベルを付着させてもよい。この場合、製造システムを2つ設置するのがよい。又は、インサータは1つの成形体に3つ以上のラベルを付着させてもよい。