【解決手段】サーバ装置20は、通知情報によりユーザに通知されている施設ごとに、ユーザが施設を訪問済みか否かの情報を記憶する訪問済施設記憶部と、訪問済みか否かの情報に基づいて選択された複数の施設についての通知情報を生成する通知情報生成部22と、ユーザに通知情報を送信する情報送信部26と、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明する。本実施形態において、「観光施設」とは必ずしも観光目的の施設に限定されず、施設情報DB210に記憶されている施設を指し、適宜「施設」と省略される。
【0009】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシステムの機能ブロックの構成を示した図である。
図1に示されるように、システム1は、ユーザが乗る車両内部に搭載される車載機10と、複数の車載機10と通信を行うサーバ装置(以下、サーバと呼ぶ)20とを含んで構成される。このとき、車載機10とサーバ20との間の情報転送は、電話回線やインターネット等からなる通信ネットワーク90等を介して行われる。
【0010】
本実施形態のシステムにおいて、サーバ20は、車両の目的地周辺等にある観光施設を優先度により並べた通知情報(後述の
図11の画面例(符号55)参照)を生成し、車載機10に送信する。
【0011】
車載機10は、目的地設定部11と、経路案内部12と、目的地判定部13と、訪問済施設通知要否取得部14と、施設情報通知部15と、情報受信部16と、情報送信部17と、通知要否データベース(以下、通知要否DBと呼ぶ)140とを含んで構成される。
【0012】
目的地設定部11は、経路案内において、ユーザからの入力に基づき目的地の設定を行う。経路案内部12は、ユーザに対して現在地と目的地との間の経路案内を行う。目的地判定部13は、設定された目的地がユーザの自宅か否かを判定する。訪問済施設通知要否取得部14は、ユーザからの入力に基づき、通知情報に訪問済施設を含めるか否かの情報(以下、通知要否情報と呼ぶ)を取得する。施設情報通知部15は、サーバ20から送られた通知情報等を出力装置を介してユーザに提示する。情報受信部16は、サーバ20等から通知情報等を受信する。情報送信部17は、サーバ20に目的地および通知要否情報等を送信する。通知要否DB140は、通知要否情報を記憶する。
【0013】
サーバ20は、施設情報検索部21と、通知情報生成部22と、行動履歴情報取得部23と、行動履歴保存部24と、情報受信部25と、情報送信部26と、施設情報データベース(以下、施設情報DBと呼ぶ)210と、行動履歴データベース(以下、行動履歴DBと呼ぶ)230とを含んで構成される。
【0014】
施設情報検索部21は、施設情報DB210から、通知情報に含める観光施設を検索する。通知情報生成部22は、検索により抽出された観光施設を優先度の順に並べ、通知情報を生成する。行動履歴情報取得部23は、行動履歴DB230に記憶された情報を取得する。行動履歴保存部24は、観光施設についてユーザが詳細情報(
図12の観光施設詳細画面に記載されている情報)の確認、目的地設定、該施設付近での停車等した際、その情報を行動履歴DB230に記録する。情報受信部25は、車載機10からの目的地および通知要否情報等を受信する。情報送信部26は、車載機10に通知情報等を送信する。施設情報DB210は、観光施設の位置情報および施設ジャンル等を含むデータベースである。行動履歴DB230は、ユーザが過去に詳細情報確認、目的地設定、付近での停車等した観光施設の情報と、ユーザがその観光施設について、詳細確認済みか否か、訪問済みか否か等の情報とを含むデータベースである。
【0015】
以下、本実施形態では、行動履歴DB230の情報について、ユーザが観光施設を、車載機10において目的地に設定した場合、または、ユーザの車両が所定の条件を満たし該観光施設の付近で停車した場合に、車載機10はユーザが該観光施設を「訪問済み」と設定する。しかし、ユーザが観光施設を目的地に設定した場合のみ「訪問済み」と設定したり、あるいは、ユーザが所定の条件を満たし観光施設の付近で停車した場合のみ「訪問済み」と設定する等、適宜設計変更して処理を構成することも可能である。
詳細確認済みか否かの情報、および訪問済みか否かの情報は、それぞれ二値情報の形式により、例えば、訪問済みの場合は1、訪問済みでない場合は0の値として構成することができる。
【0016】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るシステムのハードウェアの構成を示した図である。
図1の車載機10の各機能ブロックは、
図2の車載機10のハードウェアを用いて適宜構成される。
図1のサーバ20の各機能ブロックは、
図2のサーバ20のハードウェアを用いて適宜構成される。
【0017】
図2に示されるように、システム1の車載機10は、CPU31と、振動ジャイロ32と、車速センサ33と、GPS(Global Positioning System)受信機34と、記憶装置35と、入力装置36と、表示モニタ37と、スピーカ38と、通信装置39とを含んで構成される。
【0018】
車載機10のCPU31は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、
図1に示された車載機10の各機能ブロックの情報処理の実行主体となる。
【0019】
車載機10の振動ジャイロ32は、自車両の角速度を検出するためのセンサである。車載機10の車速センサ33は、自車両の車速を検出するためのセンサである。これらのセンサを用いて自車両の運動状態を所定の時間間隔ごとに検出することにより、自車両の位置移動量が求められ、それによって自車両の現在位置が算出される。
【0020】
車載機10のGPS受信機34は、現在時刻および自車両の現在位置を取得するためのGPS信号を受信する。このGPS受信部34と、前述の振動ジャイロ32および車速センサ33により、自車両の現在位置が検出される。
【0021】
車載機10の記憶装置35は、記録されたデータを記憶保持することができる不揮発性の記録媒体である。記憶装置35には、プログラム、通知要否DB140、および地図データを含む各種のデータが記録されている。記憶装置35に記録されているこれらのデータは、必要に応じて読み出され、車載機10のCPU31で実行される様々な処理や制御に利用される。
【0022】
車載機10の記憶装置35に記録された地図データは、経路計算データと、道路データと、背景データとを含む。経路計算データは、目的地までの推奨経路を探索する際などに用いられるデータである。道路データは、道路の形状や種別などを表すデータである。なお、地図データにおいて各道路の最小単位はリンクと呼ばれている。すなわち、地図データにおいて各道路は複数のリンクにより構成される。背景データは、地図の背景を表すデータである。なお、地図の背景とは、地図上に存在する道路以外の様々な構成物である。たとえば、河川、鉄道、緑地帯、各種構造物などが背景データによって表される。
【0023】
上記の地図データは、様々な立ち寄り施設に関するPOI(Point Of Interest)データも含んで構成されうる。たとえば、旅館やホテル等の宿泊施設、温泉浴場、レストラン、ガソリンスタンド、コンビニエンスストアなどの様々な立ち寄り施設について、その種類と位置の情報がPOIデータに記録されている。
【0024】
車載機10の入力装置36は、ユーザが車載機10を動作させるための様々な入力操作を行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは入力装置36を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された地点の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。この入力装置36は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、入力装置36を後述の表示モニタ37と一体化されたタッチパネルとしてもよい。
【0025】
車載機10の表示モニタ37は、車載機10において様々な画面表示を行うための装置であり、液晶ディスプレイ等を用いて構成される。この表示モニタ37により、たとえば自車両の現在位置周辺の地図や、目的地周辺の地図などが表示される。なお、表示モニタ37に表示される画面の内容は、経路案内部12や施設情報通知部15が行う画面表示制御によって決定される。表示モニタ37は、たとえば自車両のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、ユーザが見やすいような位置に設置されている。車載機10のスピーカ38は、経路案内部12の制御により、経路案内用の音声など様々な音声を出力する。
【0026】
車載機10の通信装置39は、情報受信部16および情報送信部17の制御により、通信ネットワーク90を介してサーバ20と接続し、サーバ20の通信装置43との間で様々な情報を必要に応じて送受信することができる。
【0027】
図2に示されるように、システム1のサーバ20は、CPU41と、記憶装置42と、通信装置43とを含んで構成される。
【0028】
サーバ20のCPU41は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、
図2に示されたサーバ20の各機能ブロックの情報処理の実行主体となる。
【0029】
サーバ20の記憶装置42は、記録されたデータを記憶保持することができる不揮発性の記録媒体である。記憶装置42には、プログラム、施設情報DB210、行動履歴DB230および地図データを含む各種のデータが記録されている。記憶装置35に記録されているこれらのデータは、必要に応じて読み出され、サーバ20のCPU41で実行される様々な処理や制御に利用される。
【0030】
サーバ20の通信装置43は、情報受信部25および情報送信部26の制御により、通信ネットワーク90を介して車載機10の通信装置39と接続し、車載機10との間で様々な情報を必要に応じて送受信することができる。
【0031】
図3は、サーバ20が車載機10に、目的地周辺の観光施設の通知情報を提供する際の流れを示すフローチャートである。以下、本実施形態のシステム1の各機能ブロックの動作をフローチャートに沿って説明する。ステップS101−S110は車載機側の処理であり、ステップS201−S207はサーバ側の処理である。
図3において、破線による矢印は情報の流れを表す。
【0032】
(車載機側の処理)
ステップS101において、車載機10の目的地設定部11は、入力装置36を介してユーザが入力した目的地を、経路案内における目的地に設定する。目的地が設定されたら、ステップS102へ進む。
【0033】
ステップS102において、経路案内部12は、車両の現在位置を出発地として、所定のアルゴリズムの計算を行うことにより、出発地から目的地まで経路を設定する。まず、経路案内部12は、上述のGPS情報等に基づいて、車両の現在位置を算出する。経路案内部12は、現在位置と目的地との間の経路探索を、公知のダイクストラ法等のアルゴリズムを用いて行う。この経路探索により求められた経路が、目的地までの推奨経路として設定される。経路案内部12は、表示モニタ37に、他の道路とは異なる色を使用するなどの方法により、他の道路とは区別して推奨経路を地図上に表示する。これにより、ユーザは、推奨経路を容易に認識することができる。また、この推奨経路に沿ってユーザが車両を運転できるようにするため、車載機10は表示モニタ37の画面表示やスピーカ38からの音声出力などにより、次に曲がるべき誘導交差点の指示や、その誘導交差点における進行方向の指示などをユーザに対して行う。このような案内情報が車載機10から提供されることで、目的地までの経路案内が行われる。経路案内が開始されたら、ステップS103に進む。
【0034】
ステップS103において、車載機10の目的地判定部13は、設定された目的地がユーザの自宅であるか否かの判定を行う。ユーザの自宅は予めユーザにより登録されている。あるいは、ユーザの自宅は、頻繁にまたは定期的に駐車する地点等であることを基準に車両の位置解析によって推定され、自動的に登録されている。目的地が自宅であると判断された場合、サーバ20から車載機10への通知情報の提供はされずに、ステップS103を肯定判定してステップS101に戻る。目的地が自宅でないと判断された場合、ステップS103を否定判定してステップS104に進む。
【0035】
ステップS104において、訪問済施設通知要否取得部14は、通知要否DB18に格納されている値に基づいて、ユーザが訪問済みの施設を通知情報に含めるか否かの情報を取得する。本実施形態では、通知要否情報は二値情報の形式で記憶される。ユーザは、入力装置36を介して通知要否情報を入力する。例えば、通知要否DB140は、訪問済みの施設を通知情報に含める場合は1を、含めない場合は0を、通知要否情報として記憶する。
【0036】
図4は、訪問済施設通知要否取得部14が通知要否情報を取得する流れを示すフローチャートである。ステップS401において、訪問済施設通知要否取得部14は、車載機10の記憶装置35に記憶された通知要否DB140の情報を参照し、通知要否情報を取得する。通知要否情報が取得されたら、ステップS105に進む(
図3)。
【0037】
ステップS105において、車載機10の情報送信部17は、目的地の情報および通知要否情報を、サーバ20に送信する。ステップS106に進む。
【0038】
ステップS106において、車載機10の施設情報通知部15は、サーバ20からの通知情報を待つ間、所定の周期ごとに、車両の目的地が変更されたか否かを判定する。目的地が変更された場合、ステップS106を肯定判定してステップS101に戻る。目的地が変更されていない場合、ステップS106を否定判定してステップS107に進む。
【0039】
ステップS107において、車載機10の施設通知情報通知部15は、サーバ20から目的地周辺の施設の通知情報を受信したか否かを判定する。サーバ20からの通知情報を受信していた場合、ステップS107を肯定判定してステップS108に進む。該通知情報を受信していない場合はステップS107を否定判定してステップS106に戻る。
【0040】
ステップS108において、車載機10の施設情報通知部15は、受信した通知情報を表示モニタ37に表示する。施設情報通知部15は、必要に応じて、通知情報に含まれる20件の施設のうち、ユーザが訪問済みか否かの情報により施設を分類し、訪問済みとされていない施設から優先的に上位に提示し、下位に訪問済みとされた施設を提示する。その後、ステップS109に進む。
【0041】
ステップS109において、車載機10の情報送信部17は、訪問済み施設等の情報をサーバ20に送信する。ステップS108において受信された通知情報に示された20件の施設について、ユーザによりいずれかの施設の詳細情報が確認された場合、ユーザID、施設IDおよび、該ユーザにより該施設が詳細確認済みである情報をサーバ20に送信する。同様に、当該通知情報に示された20件の施設について、目的地設定部11により目的地に設定された場合には、ユーザID、施設IDおよび、該ユーザにより該施設が訪問済みである情報をサーバ20に送信する。
あるいは、情報送信部17は、通知情報が更新される際、または、目的地が変更された際等に、上記の詳細確認済みであるか否かの情報および訪問済みであるか否かの情報をまとめてサーバ20に送る構成にしてもよい。
【0042】
さらに、好ましくは、車載機10の情報送信部17は、通知情報で提示された、あるいは任意の観光施設を含む所定の地理範囲、例えば観光施設を中心とした所定の半径、例えば100m以内の範囲で、ユーザの乗る車両が10分以上停車した場合に、ユーザID、施設IDおよび、該ユーザにより該施設が訪問済みである情報をサーバ20に送信する。ユーザが乗る車両が10分以上停車したか否かは、イグニッションスイッチがOFFになった時刻とイグニッションスイッチがONになった時刻とを計測し、その差が10分以上か否かを判定することにより検出することができる。上記所定の半径は50m、200m等、適宜設定することができる。上記所定の時間も5分以上、15分以上等、適宜設定することができる。
ステップS109において、訪問済み施設等の情報が送信されたら、ステップS110に進む。
【0043】
ステップS110において、車載機10の電源がOFFになる場合等、処理を終了する必要がある場合は、ステップS110を肯定判定して、処理を終了する。車載機10は、処理を継続する場合は、ステップS110を否定判定してステップS106に戻る。
【0044】
(サーバ側の処理)
ステップS201において、サーバ20の情報受信部25は、目的地の情報および通知要否情報を車載機10から受信する。ステップS202に進む。
【0045】
ステップS202において、サーバ20の施設情報検索部21は、目的地周辺の観光施設の情報を、施設情報DB210から検索する。詳細は後述する(
図5等)が、施設情報検索部21は、目的地周辺の観光施設を、所定の件数抽出できるまで、目的地を含む狭い範囲から広い範囲へと検索対象を広げていき、所定の件数を抽出する。所定の件数は、数件以上の範囲で、適宜設定される。本実施形態では、所定の件数は20件として説明する。所定の件数の施設が抽出されたら、ステップS203に進む。
【0046】
ステップS203において、サーバ20の通知情報生成部22は、ステップS202において抽出された20件の施設を、ジャンル別の優先度に基づき、ユーザへの提示優先度を決定し、該提示優先度の順に並び替え、通知情報を生成する。ジャンル別の優先度は、通知情報生成部22が、通知情報を生成する際に、行動履歴DB230の情報を基に決定する。詳細は後述する(
図7等)。通知情報が生成されたら、ステップS204に進む。
【0047】
ステップS204において、サーバ20の情報送信部26は、ステップS203で生成された通知情報を車載機10に送信する。通知情報が送信されたら、ステップS205に進む。
【0048】
ステップS205において、サーバ20の行動履歴保存部24は、ステップS109で車載機10から送られた、ユーザが通知情報によりユーザに通知されている施設の詳細情報を確認したか、および、ユーザが該施設を訪問済みか等の情報を、必要に応じて施設情報DB210も参照しながら、行動履歴DB230に保存する。詳細な処理は後述する(
図10等)。これにより、行動履歴保存部24は、ユーザが特定の施設の詳細情報を参照したか否か、または該施設を目的地設定したかを登録日時と共に行動履歴DB230に追加することになる。その後、ステップS206に進む。
なお、行動履歴保存部24は、ステップS109で、通知情報により提示された施設について、ユーザが施設の付近で停車した場合にユーザが該施設を訪問済みであるとの情報を送信する設定の場合には、通知された施設が目的地設定された場合だけでなく、ユーザが該施設の付近で停車した場合にも、訪問済みとしてその情報を行動履歴DB230に追加することになる。
【0049】
ステップS206において、情報受信部26は、車両の目的地が変更されたか否かを判定する。情報受信部26は、新たな目的地または通知要否情報の受信があれば、ステップS206を肯定判定し、ステップS202に進む。情報受信部26は、新たな目的地または通知要否情報の受信が無い場合、ステップS207に進む。
【0050】
ステップS207において、サーバ20の電源がOFFになる場合等、処理を終了する必要がある場合は、ステップS207を肯定判定して、処理を終了する。サーバ20は、処理を継続(車載機10からの情報を待機)する場合は、ステップS207を否定判定してステップS201に戻る。
【0051】
(観光施設を検索する際の流れ)
図5は、
図3のステップS202における、目的地周辺の20件の観光施設の抽出の流れをフローチャートで説明する図である。サーバ20の施設情報検索部21は、施設情報DB210から所定の件数(本実施形態では20件)の施設情報を検索し抽出する。
【0052】
ステップS701において、サーバ20の施設情報検索部21は、サーバ20の情報受信部16から、ユーザの目的地と訪問済施設の通知要否情報とを受け取り、地図データ上の地理的な検索範囲の設定を開始する。また、初期設定では0の値が格納されている、整数Nに1を加える。その後、ステップS701に進む。
【0053】
ステップS702−1において、施設情報検索部21は、今回の施設情報の検索において、1回目の検索かどうかを判定する。1回目であるか否かの判定は、例えば、整数Nが1かどうかを検出することで行う(N=1なら1回目である)。1回目の検索であると判定されたら、ステップS702−1を肯定判定し、ステップS702−10に進む。1回目の検索でないと判定されたら、ステップS702−1を否定判定して、ステップS702−2に進む。
【0054】
ステップS702−10において、施設情報検索部21は、検索範囲を目的地の半径5kmの範囲に設定してステップS703に進む。
【0055】
ステップS702−2において、施設情報検索部21は、今回の施設情報の検索において、2回目の検索かどうかを判定する。2回目であるか否かの判定は、例えば、整数Nが2かどうかを検出することで行う(N=2なら2回目である)。2回目の検索であると判定されたら、ステップS702−2を肯定判定してステップS702−20に進む。1回目の検索でないと判定されたら、ステップS702−2を否定判定して、ステップS702−3に進む。
【0056】
ステップS702−20において、施設情報検索部21は、検索範囲を目的地の半径10kmの範囲に設定してステップS703に進む。
ステップS702−3、S702−30でもステップS702−2、S702−20と同様の処理が行われる。但し、3回目の検索であると判定されたら、検索範囲は目的地の半径15kmの範囲に設定される。
【0057】
ステップS702−4において、施設情報検索部21は、検索範囲を目的地の半径20kmの範囲に設定して、ステップS703に進む。上述の例では検索範囲を4種類に分けたが、種類の数、それぞれの種類で設定される距離、範囲は適宜変更可能である。
【0058】
ステップS703において、施設情報検索部21は、目的地の位置情報と、直前のステップで設定された検索範囲を基に施設情報DB210を検索する。施設情報検索部21は、施設情報DB210を検索し、目的地を中心にステップS702−10、S702−20、S702−30またはステップS702−4のいずれかで設定された距離を半径とした円内に含まれる施設を抽出する。このとき、施設情報DB210は、ユーザが訪問済施設の通知を希望しない場合、すなわち訪問済施設の通知要否情報がOFFの場合には、行動履歴DB230を参照し、訪問済施設は除外して20件確保するように抽出する。これにより、ユーザが訪問済みの施設を提示しないよう入力した場合には、行動履歴情報において訪問済みとされた施設は通知情報に含まれない。
【0059】
図6は、施設情報DB210の個々のデータの構成を説明する図である。
図6では、DBの各項目と、各項目に対する値の説明と例とが表になっている。施設情報DB210では、各観光施設に対し
図6の表で示される一つのデータが記憶される。施設情報DB210の各データは、対応する観光施設を一意に表す観光施設ID、観光施設が属する温泉、土産物店、飲食店および宿泊施設等の施設ジャンル、観光施設の名称、位置情報ならびに電話番号等が記憶される。施設情報検索部21がこれらの施設情報を取得したら、ステップS704に進む。
なお、施設情報DB210は上述のPOIデータを含んで構成されてもよい。あるいはサーバ20の記憶装置42は、別のデータベースとして上述のPOIデータを含み得る。
【0060】
ステップS704において、施設情報検索部21は、施設情報DB210から抽出し取得した施設情報が所定の件数、すなわち本実施形態では20件以上であるか否かを判定する。施設情報検索部21は、取得された施設情報が20件以上の場合、ステップS704を肯定判定してステップS705に進む。施設情報検索部21は、取得された施設情報が20件未満で、かつ、Nが4でない場合、ステップS704を否定判定してステップS701に戻る。
また、施設情報検索部21は、取得した施設情報が20件未満でも、N=4の場合は、ステップS704を肯定判定してステップS705に進む。
【0061】
ステップS705において、施設情報検索部21は、取得した施設情報について、クチコミランキングの高い順または目的地からの距離が近い順に並び替える。クチコミランキングは、公知のPOIデータ等を参照して取得する。施設情報検索部21は、取得した施設情報が20件を超える場合には、クチコミランキングの高い順または目的地からの距離が近い順の上位20件のみを取得結果とする。施設情報検索部21は、得られた施設情報を、サーバ20の通知情報生成部22に出力し、整数Nの値を0に設定し、処理を終了する。
【0062】
(通知情報を生成する際の流れ)
図7は、
図3のステップS203における、通知情報の生成の流れをフローチャートで説明する図である。サーバ20の通知情報生成部22は、施設情報検索部21が検索し抽出した所定の件数の施設情報を、行動履歴情報取得部23が取得した行動履歴DB230に記憶された情報を基にユーザへの提示優先度順に並び替え、通知情報を生成する。
【0063】
ステップS801において、サーバ20の行動履歴情報取得部23は、サーバ20の行動履歴DB230から、当該ユーザに関する最新の一定の件数(本実施形態では30件)の行動履歴情報を取得する。
【0064】
図8は、行動履歴DB230の個々のデータの構成を説明する図である。
図8では、DBの各項目と、各項目に対する値の説明と例とが表になっている。行動履歴DB230の各データは、対応するユーザID、対応する観光施設を一意に表す観光施設ID、観光施設が属する施設ジャンル、訪問済みか否か等を示す訪問済みフラグ、詳細情報を確認したかどうかの詳細確認済みフラグ、ならびに行動履歴DB230への登録日時等が記憶される。
【0065】
サーバ20の行動履歴DB230では、各ユーザが通知情報により提示された各観光施設に対して目的地設定または詳細情報確認等のアクションをした場合に、そのアクションごとに、
図8の表で示される一つのデータ(行動履歴情報)が記憶される。
また、ユーザが目的地を含む所定の地理範囲に一定時間以上停車した場合にも、そのアクションごとに、一つの行動履歴情報が記憶される。
【0066】
ユーザIDで紐づけられたユーザが、観光施設IDで紐づけられた観光施設について、車載機10の目的地設定部11により目的地設定したか、または観光施設を含む所定の地理範囲で10分以上停車した場合に訪問済みフラグが1として行動履歴情報が行動履歴DB230に登録される。
【0067】
ユーザIDで紐づけられたユーザが観光施設IDで紐づけられた観光施設の詳細情報を確認した場合、詳細確認済みフラグが1として行動履歴情報が行動履歴DB230に登録される。本実施形態では、行動履歴情報取得部23は、ユーザと紐づけられたユーザIDについて最新の30件の行動履歴情報を取得し、ステップS802に進む。該30件に同一の観光施設の行動履歴情報が含まれている場合は、最新の情報のみ残すようにして、全体で30件確保するようにしてもよい。
【0068】
ステップS802において、通知情報生成部22は、各施設ジャンルごとに定義されたカウント数をリセットし、30件の行動履歴情報について、ステップS803〜ステップS805までの処理を再帰的に開始する。処理が開始されたら、ステップS803に進む。
【0069】
ステップS803において、通知情報生成部22は、取得された30件のうちのまだ処理されていない1件の行動履歴情報について、詳細確認済みフラグ、および訪問済みフラグを確認する。本実施形態では、通知情報生成部22は、ユーザが観光施設に、目的地設定若しくは該施設の近くで停車したか、または、詳細を確認したが、目的地設定若しくは該施設の近くで停車していないことを確認する。つまり、通知情報生成部22は、行動履歴情報の訪問済みフラグが1であるか、または、訪問済みフラグが0であるが詳細確認済みフラグが1であることを確認する。確認したら、ステップS804に進む。
なお、もし上記と異なるフラグの値のデータが含まれていた場合は、通知情報生成部22は、該データを除き、次のデータについて処理をする。
【0070】
ステップS804において、通知情報生成部22は、ステップS803で確認した1件の行動履歴情報について、該施設の施設ジャンルに対応するカウント数に1を加え、ステップS805に進む。
【0071】
図9は、
図7のフローチャートで施設ジャンルのカウント数が1増加する際の場合分けをまとめた図である。ユーザが過去に施設を目的地設定していた、または目的地の近くで所定の条件を満たし停車した場合、訪問済みフラグが1として行動履歴DB230に記憶されていることになる。このとき、その施設の施設ジャンル、例えば温泉についてのカウント数が1増加される。ユーザが過去にショッピング施設の詳細は確認したが目的地設定しなかった、または、施設の近くで停車していない場合、訪問済みフラグが0、詳細確認済みフラグが1として行動履歴DB230に記憶されていることになる。このとき、施設ジャンル、例えばショッピングについてのカウント数が1増加される。本実施形態では、ユーザが目的地設定も施設付近での停車もしなかった(詳細も確認しなかった)場合は、行動履歴DB230に登録されていないため、カウントされない。
【0072】
ステップS805において、通知情報生成部22は、30件の行動履歴情報のうち、まだステップS803〜S804の処理を行っていないものがあるか否かを判定する。通知情報生成部22は、まだ取得したデータが有る場合、ステップS805を肯定判定し、ステップS802に戻る。通知情報生成部22は、30件すべてについてステップS803〜S804の処理を終えたと判断した場合、ステップS805を否定判定し、ステップS806に進む。
【0073】
ステップS806において、通知情報生成部22は、施設情報検索部21が検索し抽出した20件の施設情報について、カウント数のより多い、つまり訪問済とされた施設がより多い施設ジャンルに属する施設により高いユーザへの提示優先度を与え、該優先度の順に並び替える。また、通知情報生成部22は、行動履歴DB230を参照し、得られた20件の施設情報のそれぞれについて、当該施設が訪問済みか否かの情報を付加する。その後、通知情報生成部22は、各施設ジャンルのカウント数を0にリセットし、処理を終了する。
通知情報生成部22は、訪問済みか否かの情報に基づき、訪問済みとされた(行動履歴DB230で訪問済みフラグの値が1)施設を優先的に提示するように並べ替えてもよい。
【0074】
(行動履歴情報を保存する際の流れ)
図10は、
図3のステップS205における、訪問済み施設等の情報が行動履歴DB230に保存される際の流れをフローチャートで説明する図である。サーバ20の行動履歴保存部24は、車載機10の情報送信部17からの情報を基に、ユーザが観光施設の詳細確認済みか否かの情報および訪問済みか否かの情報を、行動履歴DB230に保存する。ユーザに通知情報が提示された後、所定期間後、または、目的地が変更される情報を受け取ったときまたはサーバ20の本通知情報に関する処理が終了されるとき等に、通知情報で通知した各施設について、ステップS901以下の処理が行われる。整数である詳細確認済み仮フラグと訪問済み仮フラグが定義され、初期設定の値は共に0となっている。
【0075】
ステップS901において、サーバ20の行動履歴保存部24は、通知情報がユーザに通知された後に車載機10から受け取った情報に、ユーザが施設の詳細情報を確認したという情報が含まれているかどうかを判定する。詳細情報を確認したという情報が含まれている場合において、ユーザが施設を訪問済み(目的地に設定した等)という情報がさらに含まれている場合には訪問済み仮フラグを1とし、訪問済みという情報が含まれていない場合には、詳細確認済み仮フラグを1とし、ステップS901を肯定判定して、ステップS903に進む。車載機10から受け取った情報に、ユーザが施設の詳細情報を確認したという情報が含まれていない場合には、ステップS901を否定判定して、ステップS902に進む。
【0076】
ステップS902において、行動履歴保存部24は、通知情報がユーザに通知された後に車載機10から受け取った情報に、ユーザが施設を訪問済み(目的地に設定した等)という情報が含まれているかどうかを判定する。ユーザが施設を訪問済みという情報が含まれている場合には、訪問済み仮フラグを1とし、ステップS902を肯定判定して、ステップS904に進む。車載機10から受け取った情報に、ユーザが施設を目的地に設定したという情報が含まれていない場合には、ステップS902を否定判定して、行動履歴DB230に情報を保存せず、ステップS903に進む。
【0077】
ステップS903において、行動履歴保存部24は、行動履歴DB230に当該ユーザについての当該施設の行動履歴情報を登録する。行動履歴保存部24は、行動履歴DB230の項目である詳細確認済みフラグには詳細確認済み仮フラグの値を、行動履歴DB230の項目である訪問済みフラグには訪問済み仮フラグの値を設定して登録する。例えば、目的地設定された場合には詳細確認済みフラグの値が0で訪問済みフラグの値が1に、目的地設定されずに詳細確認がされた場合は詳細確認済みフラグの値が1で訪問済みフラグの値が0に、設定され登録される。
これにより、施設がユーザにより詳細確認された場合には詳細確認済みとして行動履歴DB230に記憶される。また、施設が車載機10において目的地に設定された場合(ステップS109の設定によっては、ユーザが施設付近で停車した場合も含む)には訪問済みとして行動履歴DB230に記憶されることになる。
行動履歴保存部24は、必要に応じて施設情報DB210を参照し、施設の属するジャンル等の情報を抽出し、行動履歴情報に含めて行動履歴DB230に保存する。
行動履歴DB230にデータが登録されたら、処理を終了する。
【0078】
また、施設が通知情報によりユーザに提示されていない場合でも、ユーザが当該施設を含む所定の地理範囲内に所定の時間以上停車した場合には、車載機10の情報送信部16は、ユーザが当該施設を訪問済みとの情報をサーバ20に送る構成にしてもよい。サーバ20の行動履歴保存部24は、車載機10の情報送信部16からの該訪問済みとの情報を受け取った後、訪問済みフラグを1(詳細確認済みフラグは0)として行動履歴DB230に行動履歴情報を保存する。
これにより、ユーザが施設の付近に停車した場合には、ユーザが施設を訪問済みとして行動履歴DB230に記憶される。
なお、行動履歴情報のフラグの値による場合分けの方法は適宜変更して構成することで、施設に関して、ユーザによる詳細情報の確認、目的地設定、施設近くでの停車等様々な行動に対して条件分けし、データを適切に分類することができる。
【0079】
以上の処理では目的地の周辺の施設を検索し、通知情報を生成したが、目的地を現在地に置き換えることにより、現在地周辺の施設についても通知情報を生成することができる。
【0080】
(画面例)
以上のフローチャートで説明された処理により生成される通知情報は以下の画面例のようにユーザに参照される。ユーザは、経路案内部12から経路案内を受けながら、以下の画面例で表示された通知情報等を参照し、立ち寄る観光施設等を選択することができる。
【0081】
図11は、車載機10の表示モニタ37に表示された画面例である。
図11の画面例は、ナビゲーション画面58と、観光情報通知画面54を含む。ナビゲーション画面58は、通知情報55で示された各施設の位置を示す吹出し51a、51bと、地図上に自車両の位置を示す矢印52と、現在時刻等を示すウィンドウ53とを含んで構成される。観光情報通知画面54は、通知情報55と、各種の制御パネル56と、スクロール用のパネル57aおよび57bとを含んで構成される。
【0082】
通知情報55は、原則的に所定の件数、つまり20件の施設データを含み、通知情報55のそれぞれの施設情報は、通知情報55内での施設の優先度の順位、施設のクチコミランキングの順位、施設の名称、施設の現在地からの距離、クチコミの評価の星の数等が表示されている。
図11では、通知情報55の20件のうち、未訪問の3件の通知情報55a(1番目の施設情報(○○温泉)55a−1、2番目の施設情報(○○湖)55a−2、3番目の施設情報(○○神社)55a−3)が優先的に表示され、次から訪問済みの施設についての情報がクチコミランキング順に4番目の通知情報55b(○○美術館)から並んでいる。
【0083】
通知情報55のうち、訪問済みの施設情報55bについては、吹き出しの内部の色またはパターンを、未訪問の施設についての施設情報55aの吹き出しの色やパターンと比べて変化させることにより、訪問済みであることを表示している。ナビゲーション画面上の対応する訪問済みの施設情報の吹き出し51bも同様に、色またはパターンを、未訪問の施設についての施設情報の吹き出し51aと比べて変化させることにより、訪問済みであることを表示している。
【0084】
観光情報通知画面54では、目的地付近の施設の通知情報に加え、現在地付近の施設の通知情報55も提示することができる。本実施形態では、観光情報通知画面54の上部の「現在地付近」「目的地付近」と記載されたタブを選択することで、表示を切り替えることができる構成としている。
【0085】
図12は、施設の詳細情報をユーザに提示する観光施設詳細画面60の画面例である。観光施設詳細画面60は、施設基本情報提示部61と、選択部62と、詳細情報提示部63と、スクロールパネル64aおよび64bと、施設画像提示部65と、施設電話番号提示部66とを含んで構成される。
本実施形態では、車載機10の表示モニタ37に観光施設詳細画面60が表示されることにより、ユーザが詳細情報を確認したとして車載機10からサーバ20への情報送信等の処理(
図3のステップS109)が行われる。
【0086】
施設基本情報提示部61には、施設の名称(○○神社)と、施設の現在地からの距離と、施設のクチコミ順位と、施設の住所とが含まれる。選択部62は、ユーザのタッチにより施設の概要を説明する文章を提示するか、クチコミを提示するかを選択できるように構成されている。詳細情報提示部63は、施設の概要を説明する文章またはクチコミを表示する。スクロールパネル64aおよび64bは、それぞれ、詳細情報提示部63に記載された文章を上または下の向きにスクロールさせる。施設画像提示部65は、施設の写真を提示する。施設電話番号提示部66は、施設の電話番号を提示する。
【0087】
車載機10に表示される通知情報55および詳細情報等の情報は、サーバ20の施設情報DB210や行動履歴DB230の情報が用いられるが、必要に応じて、サーバ20のそれ以外のデータベースを用いたり、車載機10のデータベースの情報を用いることができる。
【0088】
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)サーバ20は、通知情報により過去にユーザに通知された施設ごとに、ユーザが施設を訪問済みか否かの情報を記憶する行動履歴DB230と、訪問済みか否かの情報に基づいて選択された複数の施設についての通知情報55を生成する通知情報生成部22とを備える。これにより、サーバ20は、ユーザの過去の行動に基づいて、的確にユーザの嗜好にあった新たな観光施設をユーザに通知することができる。
【0089】
(2)サーバ20の通知情報生成部22がユーザに通知する通知情報55は、ナビゲーション端末によりユーザに提示され、通知情報生成部22は、車載機10で入力された目的地の周辺にある施設の名称と、訪問済みか否かの情報とを含む通知情報を生成する。これにより、サーバ20は、通知情報55で通知された施設が訪問済みか否かをユーザに伝えることができ、ユーザは訪問済みか否かの情報に基づいて的確に訪問したい観光施設を選択することができる。
【0090】
(3)サーバ20の通知情報生成部22は、施設の属するジャンル毎に、施設を通知情報55においてユーザに提示する際の優先度を設定する。これにより、サーバ20は、ユーザの過去の行動に基づき、ユーザの好みのジャンルを反映して観光施設を通知することができる。
【0091】
(4)サーバ20の通知情報生成部22は、行動履歴DB230に記憶された情報の最新の所定の件数のうち、訪問済みか否かの情報により訪問済みとされた施設の件数が多いジャンルほど、高い優先度を設定する。これにより、サーバ20は、訪問済みとされた施設が多いジャンルに属する施設をユーザに通知することができ、ユーザの過去の行動に基づいた適切なジャンルの観光施設を提案することができる。
【0092】
(5)サーバ20の通知情報生成部22は、ユーザが訪問済みの施設を提示しないよう入力した場合は、訪問済みか否かの情報により訪問済みとされた施設を、通知する施設として選択しない。これにより、サーバ20は、ユーザの自主的な選択により、施設が訪問済か否かに応じて的確に施設情報をユーザに通知することができる。
【0093】
(6)サーバ20の行動履歴DB230は、車載機10において施設が目的地に設定された場合に、当該ユーザが当該施設を訪問済みとして訪問済か否かの情報を記憶する。これにより、サーバ20は、ユーザの行動に基づいて、ユーザの興味があると考えられる施設を記憶することができる。
【0094】
(7)サーバ20の行動履歴DB230は、通知情報によりユーザに通知されていない施設については、車両が前記施設を含む所定の範囲内で所定の時間以上停車した場合に、施設を訪問済みとして訪問済みか否かの情報を記憶する。これにより、サーバ20は、ユーザの嗜好に合わないと判断され通知情報55に含まれなかった施設も、ユーザの訪問を推定し記憶することができる。
【0095】
(8)サーバ20の通知情報生成部22は、車載機10において設定された目的地が、自宅または登録された地点の場合には、通知情報55を生成しない。これにより、サーバ20は、ユーザが観光目的でない場合には、施設を通知せず、処理を効率化できる。
【0096】
(9)システム1は、上記(1)−(8)のいずれかの特徴を持ったサーバ装置20と、通知情報55をユーザに提示する車載機10と、を含む。これにより、システム1は、ユーザに上記(1)−(8)のうち対応する効果を有し、ユーザの過去の行動に基づいて、ユーザに適切に観光施設を通知することができる。
【0097】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
上述の実施形態では、車載機10が通知要否DB140を備えるように構成した。しかし、サーバ20が通知要否DB140を備え、ユーザが車載機10の入力装置36から入力した通知要否情報は、サーバ20に送信された後、サーバ20の通知要否DB140に記憶される構成にしてもよい。これにより、サーバ20から通知要否DB140へのアクセスを円滑にすることができる。
【0098】
(変形例2)
上述の実施形態では、車載機10は、振動ジャイロ32等の各種センサも含む構成にしたが、車載機10は携帯端末であり、デッドレコニング等の一部の経路案内の機能は省略するか、あるいは、据え置き型車載ナビゲーション装置等から提供される構成にしてもよい。これにより、多くの人が個人的に保有し扱いなれている携帯端末により、簡便に本実施形態の実施、または導入に必要なプログラムの提供ができる。
【0099】
(変形例3)
上述の実施形態では、目的地が自宅に設定された場合に通知情報の生成を行わない構成としたが、ユーザの入力により、自宅以外の登録地点も目的地とされたら通知情報の生成を行わない構成としてもよい。例えば、地点登録の際に、当該地点が目的地とされた場合に通知情報の生成を行うかどうかをユーザが入力する構成にすることができる。これにより、ユーザの指定により予め無駄な通知情報の生成を排除し、サーバ20の処理を効率化することができる。
【0100】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。