【解決手段】包装袋10内に内容物11を充填した後、当該包装袋10を左右一対のグリッパーから開放して真空処理チャンバー30内に導入して、当該真空処理チャンバー30内に配置したチャンバー内グリッパー20により、包装袋10の内部が開口部を介して包装袋10の外部と連通するよう包装袋10を保持する。真空処理チャンバー30内を密閉して減圧した後、開口部をシールして真空処理チャンバー30内に大気を導入する。真空処理チャンバー30よりも前段において、折り目形成部材を備える折り目形成装置が配置され、折り目形成部材67が内容物11の少なくともいずれかの縁部に対応する折り目を包装袋10に形成する。
左右一対のグリッパーで開口部を有する包装袋の両側縁部を保持し、その状態で前記開口部から前記包装袋内に内容物を充填した後、当該包装袋を前記左右一対のグリッパーから開放して真空処理チャンバー内に導入して、当該真空処理チャンバー内に配置したチャンバー内グリッパーにより、前記包装袋の内部が前記開口部を介して前記包装袋の外部と連通するよう前記包装袋を保持し、
次いで、前記真空処理チャンバー内を密閉して減圧した後、前記開口部をシールして前記真空処理チャンバー内に大気を導入する真空包装機であって、
前記真空処理チャンバーよりも前段において、折り目形成部材を備える折り目形成装置が配置され、
前記折り目形成部材が、前記内容物の少なくともいずれかの縁部に対応する折り目を前記包装袋に形成することを特徴とする真空包装機。
前記真空処理チャンバー内には、前記チャンバー内グリッパーと前記内容物の上面との間に上部折り目形成部材が配置され、前記真空処理チャンバー内に大気を導入すると、前記上部折り目形成部材が前記内容物の上面に前記包装袋の外側から当接して、前記上面を形成する前記内容物の縁部に沿う折り目を前記包装袋に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の真空包装機。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお説明及び理解を容易にするため、各図面に示される要素には、縮尺及び縦横の寸法比等を実物のそれらから変更された又は誇張された要素が含まれており、各要素の形状、サイズ及びその他の形態は、図面間で必ずしも厳密には一致していない。
【0021】
以下に説明する本発明の一実施形態では、内容物を包装する包装袋に対し、内容物の外形に適合する位置に折り目の全部又は一部(以下の例では下方折り目及び側方折り目)を予め形成しておき、包装袋内を負圧(すなわち標準大気圧より低い圧力)にすることで、内容物を包装袋に密着させた状態で内容物が包装袋によって適切に包装される。包装袋に対する折り目の付与手法は特に限定されず、上方折り目、下方折り目及び側方折り目の付与手法の一例を以下に説明する。
【0022】
ただし、下述のように包装袋全体の大きさを縮小させて内容物に包装袋10を密着させながら折り目(以下の実施形態では上方折り目)を付与することで、内容物の実際の外形及びサイズに応じた適切な位置に所望の折り目を付与できる。そのようにして包装袋に折り目を付与することで、内容物の外形に多少のばらつきがあっても、内容物を包装袋によって適切に真空包装することができる。
【0023】
<上方折り目の付与手法>
図1は、真空包装機100の上方折り目形成装置62及び真空処理装置101の構成例を示す側方図である。理解を容易にするため、真空処理チャンバー30及びその内側に配置される要素等は、
図1において断面状態が示されている。
【0024】
本例の真空包装機100では、上方折り目形成装置62及び真空処理装置101が同一装置によって構成され、包装袋10に対する上方折り目を付与する処理と包装袋10の真空包装を行う処理とが一緒に行われる。したがって以下の説明において「真空処理装置101」の用語は「上方折り目形成装置62」の意味でも使われる。
【0025】
真空処理装置101は、真空処理チャンバー30と、真空処理チャンバー30内の圧力(気圧)を調整する圧力調整部35と、真空処理チャンバー30内に配置される包装袋10を保持するグリッパー20(チャンバー内グリッパー)と、を備える。
【0026】
真空処理チャンバー30は、間欠回転テーブル47に固定されるチャンバー本体31と、チャンバー蓋部32と、チャンバー本体31とチャンバー蓋部32との間に配置されるチャンバーパッキン33とを有する。本例のチャンバーパッキン33はチャンバー蓋部32の外縁部に取り付けられており、開閉動作可能に設けられるチャンバー蓋部32の外縁部がチャンバー本体31の外縁部に押し当てられることによって、チャンバー蓋部32とチャンバー本体31との間はチャンバーパッキン33によって封止される。
【0027】
包装袋10は、開口部12を有し、内容物11が内側に配置され、当該内容物11の外形に応じた折り目(本例では下方折り目及び側方折り目)が付与されている。
【0028】
グリッパー20は、真空処理チャンバー30内に配置され、包装袋10の開口部12の全域を塞がないように包装袋10の両側端部のみを把持する。したがってグリッパー20は、真空処理チャンバー30内において包装袋10の内側が開口部12を介して包装袋10の外側と連通するように、内側に内容物11が配置された包装袋10を吊り下げ状態で把持する。なおグリッパー20の具体的な構成は特に限定されず、例えば特許第2538473号に記載の把持部を好適に応用することができる。
【0029】
真空処理チャンバー30内には、更に、シール処理部55を構成するシールヒーター部56及びシール受台57と、第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52(上部折り目形成部材)とが配置される。第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52は、真空処理チャンバー30内において、グリッパー20と、包装袋10の内側に配置された内容物11との間に設けられる。第1折り目形成部材51はチャンバー本体31に固定され、第2折り目形成部材52はチャンバー蓋部32に固定される。第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52は、それぞれ、包装袋10の吊り下げ方向(鉛直方向)と垂直を成す水平方向へ延在する水平部と、包装袋10の吊り下げ方向(鉛直方向)へ延在する鉛直部とを有する。第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52の水平部は、内容物11の天面の形状に対応する。第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52の鉛直部は相互に対向する平面を有し、第1折り目形成部材51の鉛直部と第2折り目形成部材52の鉛直部との間に、グリッパー20により吊り下げられた包装袋10の一部が配置される。
【0030】
圧力調整部35は、チャンバー本体31に取り付けられ、真空処理チャンバー30内(すなわちチャンバー本体31とチャンバー蓋部32とにより囲まれる空間)に連通する。例えば、チャンバー本体31を貫通するように内部流路が形成されたパイプであって当該内部流路が真空処理チャンバー30内と連通するように設けられたパイプに対してロータリーバルブを介して連結される真空ポンプによって、圧力調整部35を構成することもできる。
【0031】
シールヒーター部56は、チャンバー蓋部32に取り付けられ、発熱する。シール受台57は、チャンバー本体31に取り付けられ、真空処理チャンバー30の外側に設けられる受台エアシリンダー58によって駆動され、シールヒーター部56に接近する方向及び離間する方向へ移動可能に設けられている。シール受台57が駆動されて包装袋10の開口部12を介してシールヒーター部56に押しつけられることで、シールヒーター部56とシール受台57との間に挟まれる包装袋10が溶けて開口部12がシール(加熱溶着)される。このように本例では、シールヒーター部56、シール受台57及び受台エアシリンダー58が「包装袋10の開口部12をシールするシール処理部」として機能する。圧力調整部35及びシール処理部(特に受台エアシリンダー58)は、後述のように包装袋10の内側を負圧にした後に開口部12をシールする。
【0032】
チャンバー蓋部32は連結リンク37を介して開閉アーム38に取り付けられ、開閉アーム38は連結リンク42を介して昇降軸43に取り付けられる。また開閉アーム38にはアーム開閉軸41を介して蓋部支持部材39が取り付けられ、蓋部支持部材39には蓋部開閉支点軸40を介してチャンバー蓋部32が取り付けられる。
【0033】
昇降軸43は、昇降軸連結部45に固定されるとともに、間欠回転テーブル47に設けられる昇降軸支持部44によって昇降自在に保持され、昇降軸連結部45が昇降軸駆動部46により駆動されて昇降することで、昇降軸連結部45とともに昇降する。昇降軸43が最も上昇した位置(上昇端位置)に配置されると、チャンバー蓋部32がチャンバーパッキン33を介してチャンバー本体31に押し当てられて真空処理チャンバー30が閉じた状態になる。
【0034】
上述のように、間欠回転テーブル47には、チャンバー本体31が取り付けられるとともに、昇降軸43、連結リンク42、開閉アーム38及び連結リンク37を介してチャンバー蓋部32も連結されている。したがって図示しない駆動源に駆動されて間欠回転テーブル47が間欠回転すると、チャンバー本体31及びチャンバー蓋部32は間欠回転テーブル47とともに間欠回転する。
【0035】
図1には、真空処理チャンバー30内が負圧に調整される前の状態(すなわち大気圧の状態)が示されている。
【0036】
図2は、
図1に示す真空処理装置101の構成を示す側方図であり、特に、真空処理チャンバー30内を減圧した状態を示す。
図1に示す状態から、圧力調整部35が真空処理チャンバー30内を減圧し、真空処理チャンバー30内を負圧にした状態が
図2に示されている。この際、包装袋10の開口部12はシールされておらず通気可能な状態であるため、包装袋10内からも空気が抜かれ、真空処理チャンバー30内だけでなく包装袋10内も減圧される。ただし、包装袋10はグリッパー20によって把持された状態であり、また包装袋10の内側には空気を含有しうる内容物11が配置されているため、真空処理チャンバー30内のうち包装袋10の内側の減圧度は外側の減圧度よりも弱く、包装袋10の内側の圧力の方が外側の圧力よりも高くなる。そのため、
図2に示すように、包装袋10は膨らんだ状態となる。この場合、内容物11は包装袋10内において保持も拘束もされておらず、また包装袋10の膨張によって包装袋10内の鉛直方向下方のスペースが大きくなるため、重力の影響により内容物11が包装袋10内において鉛直方向下方に移動する。
【0037】
なお
図1に示す状態から
図2に示す状態への移行は、例えば真空処理チャンバー30内の連通先を大気(外気)から、圧力調整部35を形成する真空ポンプに移し、真空ポンプによって真空処理チャンバー30内の空気を吸引して真空処理チャンバー30内を減圧することで実現可能である。
【0038】
図3は、
図1に示す真空処理装置101の構成を示す側方図であり、特に、真空処理チャンバー30内を減圧した状態でのシール工程を示す。
図2に示す状態から、受台エアシリンダー58によって駆動されるシール受台57をシールヒーター部56に向かって進行させて、シール受台57と発熱するシールヒーター部56とによって包装袋10の開口部12に圧力が加えられる。これにより、包装袋10の「シールヒーター部56側の表面部」と「シール受台57側の裏面部」とが熱圧着されて、開口部12がシールされる。したがって、包装袋10は膨らんだ状態を維持しつつ、内側が密閉される(
図3参照)。
【0039】
なお
図2に示す状態から
図3に示す状態への移行の際、圧力調整部35は、真空処理チャンバー30内(及び包装袋10内)を負圧状態に保つ。
【0040】
図4は、
図1に示す真空処理装置101の構成を示す側方図であり、特に、真空処理チャンバー30内を大気圧まで昇圧した状態を示す。
図3に示す状態から、圧力調整部35が真空処理チャンバー30内を昇圧し、真空処理チャンバー30内を大気圧にした状態が
図4に示されている。この場合、包装袋10はシールされており包装袋10の内側は負圧状態を保ったまま閉じられているため、包装袋10の外側の圧力の方が内側の圧力よりも大きくなり、包装袋10は全体的に縮小する。
【0041】
このとき、包装袋10には内容物11の外形に応じた折り目が予め付与されているため、包装袋10は全体の大きさが縮小しながら折り目に応じて折り曲げられ、内容物11の外形に沿って隙間無く内容物11に密着した状態で内容物11を包み込み、また包装袋10の端部は、折り目によって定める方向へ折られる。
【0042】
本例では、包装袋10の縮小に伴って内容物11は鉛直方向上側へ上昇するが、第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52が包装袋10を介して内容物11を保持し、内容物11の上昇が制止される。このとき、第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52が鉛直方向上側へ向かう包装袋10の力に抗うように鉛直方向下側へ包装袋10及び内容物11に力を加える一方で、グリッパー20が包装袋10の位置を保持しながら包装袋10を把持している。そのため包装袋10には、内容物11の天面の外形に応じた形状を持つ上方折り目13cが付与される。
【0043】
このような包装袋10の縮小に伴う内容物11の上昇は種々の要因に基づいて生じうる。例えば内容物11に凹部が形成され、内容物11のうち当該凹部を形成する面にも包装袋10が密着する場合には、当該密着によって包装袋10が引っ張られて、結果的に内容物11が上昇しうる。しかしながら「包装袋10の縮小(すなわち真空処理チャンバー30内の昇圧)」によって内容物11は必ずしも上昇しなくてもよく、包装袋10の縮小後に、内容物11が第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52から離間した状態であってもよい。ただし、「包装袋10の縮小(すなわち真空処理チャンバー30内の昇圧)」によって内容物11及び包装袋10が第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52に押し当てられることによって、包装袋10に上方折り目13cを簡単に精度良く付与することができる。したがって真空処理チャンバー30内を昇圧して包装袋10の全体サイズを縮小する際には、図示しない駆動装置によって第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52を移動させることでシール材51及びスペーサー52を内容物11に押し当ててもよいし、図示しない駆動装置によって包装袋10及び内容物11を移動させることでシール材51及びスペーサー52を内容物11に押し当ててもよい。
【0044】
なお
図3に示す状態から
図4に示す状態への移行は、例えば真空処理チャンバー30内の連通対象を真空ポンプ(圧力調整部35)から大気(外気)に移し、真空処理チャンバー30外の空気を真空処理チャンバー30内に導入して真空処理チャンバー30内を昇圧することで実現可能である。
【0045】
図5は、真空処理チャンバー30内における包装袋10及び内容物11の真空整形方法の一例を示すフローチャートである。
【0046】
まず、内容物11が内側に配置され、内容物11の外形に応じた折り目が予め付与された包装袋10を準備し、当該包装袋10をグリッパー20により把持した状態で真空処理チャンバー30内に配置する(
図5のS11;
図1参照)。このとき、真空処理チャンバー30内の気圧及び包装袋10内の気圧は大気圧であり、真空処理チャンバー30内において包装袋10の内側と外側とは包装袋10の開口部12を介して通気可能な状態である。
【0047】
そして、真空処理チャンバー30内において包装袋10がグリッパー20により把持された状態で、図示しないノズルから包装袋10内に向かって不活性ガスが噴射される(S12)。これにより、包装袋10及び内容物11内の空気等のガスが不活性ガスに押されて包装袋10外に排出され、包装袋10及び内容物11内のガスの一部又は全部を不活性ガスに置換することができる。ここで用いられる不活性ガスは特に限定されず、包装袋10及び内容物11の用途に応じて決められる酸素の含有率が低い或いはゼロ(0)であるガスを不活性ガスとして使用できる。例えば内容物11が食料品等である場合には、安全性の高い不活性ガスを用いることが求められ、典型的には窒素が不活性ガスとして使用される。なお、本工程は必須ではなく、包装袋10内へ不活性ガスが注入されることなく、後述の工程(S13等)が行われてもよい。
【0048】
そして、圧力調整部35は、包装袋10の内側に内容物11が配置された状態で、包装袋10の内側を負圧にする(S13;
図2参照)。すなわち、内側に内容物11が配置された包装袋10が真空処理チャンバー30内に配置された状態で真空処理チャンバー30内の圧力を調整し、包装袋10の内側が負圧にされる。具体的には、圧力調整部35は、真空処理チャンバー30内を減圧して負圧に調整することで、真空処理チャンバー30内(包装袋10の外側)と通気する包装袋10の内側を負圧にする。
【0049】
そして、包装袋10の内側が負圧の状態で包装袋10の開口部12をシールし、包装袋10の内側と外側との間の通気を遮断する(S14;
図3参照)。本実施形態のシール処理は、シール受台57が受台エアシリンダー58により駆動されてシールヒーター部56に向かって押しつけられることで、シールヒーター部56とシール受台57との間に配置される包装袋10の開口部12が加熱圧着されてシールされる。この加熱圧着の方式は特に限定されず、例えばシールヒーター部56は常時発熱していてもよいし、シール受台57が押しつけられるタイミングで発熱してもよい。また包装袋10に対するシール受台57の押し当て面が発熱してもよい。また加熱溶着の代わりに他の手法により包装袋10の開口部12をシールしてもよく、シール処理部は例えば超音波溶着や高周波溶着等の任意の手法を使って包装袋10の開口部12をシールすることができる。
【0050】
そして包装袋10のシール後に、包装袋10の内側が負圧の状態で、真空処理チャンバー30内の圧力を大気圧まで昇圧し、真空処理チャンバー30内の圧力を包装袋10の内側の圧力よりも大きくする(S15;
図4参照)。すなわち圧力調整部35は、包装袋10の外側の圧力(気圧)を包装袋10の内側の圧力(気圧)よりも大きくして包装袋10を縮小させる。これにより、第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52に包装袋10及び内容物11が押し当てられ、包装袋10に新たな折り目(すなわち上方折り目13c)が付与される。このように、第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52によって内容物11の移動(特に上昇移動)を抑えながら包装袋10を縮小させることで、内容物11に包装袋10を密着させることができるだけではなく、内容物11の外形に適切に適合させた位置に上方折り目13cを付与できる。特に本実施形態では、包装袋10に対して予め折り目(下方折り目及び側方折り目)が付与されており、この予め付与される折り目も内容物11の外形に適合した位置に形成されている。そのため、包装袋10を縮小させた際に包装袋10は予め付与された折り目に沿って折れ曲がり、包装袋10内において内容物11が折り目に囲まれたスペースに配置されて、内容物11を隙間無く包装袋10に密着させることができる。
【0051】
このように上述の一連の工程を経て作られる「内容物11が内側に配置された包装袋10」は、内容物11に隙間無く密着し、内容物11と密着する部分は引っ張られ皺の発生が防がれて滑らかな表面特性を有する。また包装袋10のうち内容物11と密着しない端部分は折り目に沿って折れ曲がり、内容物11の端面に沿うように折り畳まれる。このようにして作られる「内容物11が内側に配置された包装袋10」は、外観が綺麗なだけではなく、皺等を防いでコンパクトに構成することができ、複数の「内容物11が内側に配置された包装袋10」を相互に密着させて箱詰め等することができ、取り扱い性に優れる。また包装袋10における皺の発生が防がれるため、包装袋10の予期しない位置において局所的に過大な力が作用してピンホール等の損傷が生じることを、有効に回避できる。
【0052】
<側方折り目の付与手法>
次に、包装袋10に側方折り目を付与する側方折り目形成装置64について例示する。
【0053】
図6は、側方折り目形成装置64を側方から見た状態を示す図である。
図7は、
図6に示す側方折り目形成装置64を上方から見た状態を示す図であり、包装袋10及び内容物11が側方折り目形成装置64による加工を受けるための位置に配置された状態(加工前の状態)を示す。なお
図7において包装袋10及び内容物11は断面が示されている。
【0054】
本実施形態の側方折り目形成装置64は、内側に内容物11が配置された状態の包装袋10に対し、折り目13の一部を構成する側方折り目を包装袋10の両側方部に付与する。したがって側方折り目形成装置64によって付与される側方折り目は、包装袋10がグリッパー20によって保持された状態で、包装袋10の内側に配置される内容物11より外側に位置し、鉛直方向に延在する。
【0055】
本実施形態の側方折り目形成装置64は、第2進退駆動源80に連結されるエアチャック65と、エアチャック65に取り付けられる一対の可動部材66と、一対の可動部材66の各々に取り付けられる一対の側縁折り目形成部材67と、各側縁折り目形成部材67に形成される案内スペース67aに配置される第1袋支持部材68とを備える。エアチャック65は、各可動部材66を包装袋10の幅方向Dwへ移動させることができ、また第2進退駆動源80によって包装袋10の厚み方向Dt方向へ移動される。側縁折り目形成部材67に形成される案内スペース67aは、包装袋10の厚み方向Dtへ延在し、包装袋10の厚み方向Dtへの第1袋支持部材68の移動経路を形成し、第1袋支持部材68の移動を阻害しないように設けられている。なお第2進退駆動源80は、架台83上に固定されるスタンド82に対して連結部材81を介して取り付けられ、このスタンド82には第1進退駆動源79も固定的に取り付けられている。
【0056】
第1袋支持部材68は図示しない進退駆動装置に連結され、当該進退駆動装置によって包装袋10の厚み方向Dtへ移動させられ、包装袋10の一方の面(本例では表面10a)と当接する位置(当接位置)と当該面と当接しない位置(退避位置)との間で移動可能に設けられている。なお第1袋支持部材68は、必ずしも当接位置と退避位置との間で移動可能に設けられている必要はない。例えば第1袋支持部材68を当接位置に固定的に設置することで、第1袋支持部材68は、包装袋10が処理位置に配置された際に包装袋10と当接して第1袋支持部材68の揺れを防止するガイドとしての役割を果たすことも可能である。なお第1袋支持部材68の断面形状は特に限定されず、図示の例では、断面が四角形状の角柱形状の部材が第1袋支持部材68として使用されているが、例えば断面が円形状の丸棒形状の部材を第1袋支持部材68として使用してもよい。
【0057】
また本実施形態の側方折り目形成装置64は、第1進退駆動源79に連結される土台71と、土台71に固定されるエアシリンダー70と、エアシリンダー70のエアシリンダー軸78に固定される移動ブロック76と、土台71に対して固定される第2袋支持部材77とを備える。移動ブロック76は一対のブロック体72を回転自在に保持する。各ブロック体72は、移動ブロック76に形成される係止長孔76aに挿入されるピン75を介して移動ブロック76に保持される。ピン75は、係止長孔76aに沿って移動自在に設けられるとともに係止長孔76a内において回転自在に設けられ、各ブロック体72の一端側に固定されている。各ブロック体72は、支持軸74を介して土台71に対して回転自在に固定される。また各ブロック体72の他端側には内容物保持部材73が設けられており、包装袋10内の内容物11は、後述のように一対の内容物保持部材73によって側方から保持される。エアシリンダー軸78は、包装袋10の厚み方向Dtへ進退可能に設けられており、当該エアシリンダー軸78の進退に応じて一対のブロック体72及び一対の内容物保持部材73は開閉動作を行う。なお第2袋支持部材77のうち包装袋10の幅方向Dwに関する両端近傍には、それぞれ切り欠き形状の揺動スペース77aが形成されている。一対の内容物保持部材73は、それぞれ対応の揺動スペース77aにおいて揺動自在に設けられており、第2袋支持部材77に阻害されることなく開閉動作を行うことができる。そして第2袋支持部材77は第1進退駆動源79によって包装袋10の厚み方向Dtへ駆動され、包装袋10の他方の面(本例では裏面10b)に当接する位置(当接位置)と当該面と当接しない位置(退避位置)との間で移動可能に設けられている。
【0058】
上述のように、第2袋支持部材77、側縁折り目形成部材67及び第1袋支持部材68は、包装袋10を介して内容物11を保持するための部材であり、これらの部材のうち内容物11(包装袋10)を保持する保持面は、内容物11の形状(外形)に応じた形状を有する。本例の内容物11は図示のようにほぼ直方体(六面体)の形状を有し、形が崩れにくい固体である。グリッパー20により吊り下げられた包装袋10内に配置される内容物11の6つの構成面のうち、天面及び底面以外の4つの側面が第2袋支持部材77、側縁折り目形成部材67及び第1袋支持部材68によって保持される。
図7に示す例では、内容物11(包装袋10)の外面のうち面方向(面に垂直な方向)が包装袋10の厚み方向Dtと一致する2つの面が、第1袋支持部材68及び第2袋支持部材77によって保持される。また、内容物11(包装袋10)のうち面方向が包装袋10の幅方向Dwと一致する2つの面が、一対の側縁折り目形成部材67によって保持される。本例の内容物11の構成面はいずれも平面形状を有するとともに隣接面と垂直を形成するため、第1袋支持部材68及び第2袋支持部材77の保持面の延在方向(本例では包装袋10の幅方向Dw)と一対の側縁折り目形成部材67の保持面の延在方向(本例では包装袋10厚み方向Dt)とは垂直を形成する。
【0059】
上述の構成を有する側方折り目形成装置64において包装袋10に側方折り目を付与する場合、まず
図7に示すように、内容物11を内側に配置した包装袋10を第2袋支持部材77と第1袋支持部材68との間に配置する。この際、一対の内容物保持部材73は開かれ、包装袋10の幅方向Dwに関し、一対の内容物保持部材73間の間隔が内容物11の長さよりも大きく設定される。また一対の側縁折り目形成部材67も開かれ、包装袋10の幅方向Dwに関し、一対の側縁折り目形成部材67間の間隔が内容物11の長さよりも大きく設定される。
【0060】
図8は、
図6に示す側方折り目形成装置64を上方から見た状態を示す図であり、加工過程の途中における側方折り目形成装置64の状態を示す。
図7に示す状態に包装袋10が配置された後、第1袋支持部材68及び第2袋支持部材77は相互に近づくように包装袋10の厚み方向Dtへ移動し、一対の内容物保持部材73は閉じて包装袋10内の内容物11を挟み込み、
図8に示す状態に包装袋10及び内容物11は置かれる。第1袋支持部材68の移動は図示しない進退駆動装置によって行われ、側縁折り目形成部材67に形成された案内スペース67aに沿って第1袋支持部材68は移動する。一方、第2袋支持部材77は、第1進退駆動源79によって土台71とともに厚み方向Dtへ動かされ、土台71に固定される他の部材(本例ではエアシリンダー70、移動ブロック76及び一対のブロック体72(内容物保持部材73を含む)等)と一体的に移動する。
【0061】
一対の内容物保持部材73の開度は、エアシリンダー70の本体からのエアシリンダー軸78の突出量(厚み方向Dtに関する移動ブロック76の位置)に応じて定まり、一対の内容物保持部材73の閉鎖動作は、エアシリンダー軸78がエアシリンダー70の本体側に引っ込んで移動ブロック76が第2袋支持部材77から離間することで行われる。すなわちエアシリンダー70がエアシリンダー軸78を引っ込める(後退させる)と、エアシリンダー軸78に取り付けられた「移動ブロック76」が第2袋支持部材77から離間する。この際、移動ブロック76の係止長孔76aに係合する「ピン75」は、係止長孔76a内でスライド移動しながら第2袋支持部材77から離間するが、土台71に固定される「支持軸74」の位置は変わらない。そのため、ブロック体72の一方の端部に設けられるピン75が支持軸74を中心に第2袋支持部材77から離間する方向へ揺動する一方で、ブロック体72の他方の端部に設けられる内容物保持部材73が支持軸74を中心に第2袋支持部材77に近接する方向へ揺動する。これにより一対の内容物保持部材73は閉じて内容物11を包装袋10の外側から保持する。特に、内容物保持部材73同士は対称的に動作し、内容物保持部材73により保持される内容物11の位置(特に包装袋10の幅方向Dwに関する位置)は常に一定になる。そのため包装袋10内で位置が定まっていない状態の内容物11は、内容物保持部材73によって挟持されることで包装袋10内の所定位置に配置され、幅方向Dwに関する配置が正される。
【0062】
なお、内容物11を保持する内容物保持部材73の先端部の厚み方向Dtに関する位置は特に限定されないが、側方折り目の位置に影響を及ぼすため、厚み方向Dtに関して内容物11の中間位置に配置されることが好ましい。本実施形態における「内容物11を保持する内容物保持部材73の先端部の厚み方向Dtに関する位置」は、厚み方向Dtに関する第2袋支持部材77と内容物保持部材73の先端部との相対的な位置関係に応じて定まる。
【0063】
図9は、
図6に示す側方折り目形成装置64を上方から見た状態を示す図であり、加工過程の途中における側方折り目形成装置64の状態を示す。
図8に示す状態に包装袋10が配置された後、一対の側縁折り目形成部材67は、第2袋支持部材77に近づくように包装袋10の厚み方向Dt方向へ移動し、包装袋10の幅方向Dwに関する側端部を第2袋支持部材77に向かって押して、当該側端部を第2袋支持部材77側に倒す。これにより包装袋10の側端部は折られる。このとき、側縁折り目形成部材67間の幅方向Dwに関する間隔は特に限定されないが、本工程における包装袋10の側端部の折り曲げの程度を左右するため、包装袋10の側端部に不要な皺等が過度に生じないように適度に折り曲げることができる距離に設定される。
【0064】
図10は、
図6に示す側方折り目形成装置64を上方から見た状態を示す図であり、加工過程の途中における側方折り目形成装置64の状態を示す。
図9に示す状態に包装袋10が配置された後、一対の側縁折り目形成部材67は、包装袋10内の内容物11に近づくように包装袋10の幅方向Dwへ移動し、包装袋10の側端部を更に折り曲げて包装袋10に側方折り目13bを付与する。側縁折り目形成部材67の幅方向Dwへの移動は、エアチャック65によって可動部材66が幅方向Dwへ移動させられることにより行われ、側縁折り目形成部材67は可動部材66とともに幅方向Dwへ移動する。
【0065】
図11は、下方折り目13a及び側方折り目13bが付与された包装袋10の一例を示す正面図である。
【0066】
<下方折り目の付与手法>
次に、包装袋10に下方折り目を付与する下方折り目形成装置90について例示する。
【0067】
図12は、包装袋10に下方折り目を付与する下方折り目形成装置90の一例を説明するための図であり、グリッパー20(左右一対のグリッパー)に把持された状態で内容物11を収容する包装袋10及び下方折り目形成装置90(押し込み杵91の正面図を示す。なおここでいうグリッパー20(左右一対のグリッパー)は、真空処理チャンバー30内に配置されたグリッパー20(チャンバー内グリッパー;
図1等参照)とは異なるグリッパーであるが、同じであってもよい。
【0068】
下方折り目形成装置90は、折り目13の一部を構成する下方折り目13aを包装袋10に付与する。本例の下方折り目形成装置90は、押し込み杵91を有し、押し込み杵91は、図示しない昇降駆動源によって鉛直方向に関して昇降自在に設けられている。後述のように、押し込み杵91は内容物11を鉛直方向下側へ向かって押圧する部材である。したがって、押し込み杵91の底面は包装袋10内に配置される内容物11の天面に応じた形状を有することが好ましい。本例では、包装袋10内に配置される内容物11の天面及び底面は水平方向(鉛直方向と垂直な方向)へ延在する水平面であり、押し込み杵91の底面も水平方向へ延在する水平面である。
【0069】
本例では、包装袋10に直方体形状の内容物11が投入される。この際、鉛直方向に関し、押し込み杵91は包装袋10の開口12aの上方に配置され、押し込み杵91の底面と内容物11の天面とが対向する。
【0070】
そして、図示しない昇降駆動源によって押し込み杵91は下降され、
図12に示すように、包装袋10内に配置される内容物11は押し込み杵91によって押される。この際、押し込み杵91が開口12aから包装袋10内に進入する。これにより、包装袋10の底部には、内容物11の下面を形成する縁部に対応する位置(本例では縁部に沿った位置)に折り目(下方折り目13a)が形成される。すなわち鉛直方向に関し、包装袋10内に配置される内容物11の下面を形成する縁部の位置とほぼ同じ位置に、下方折り目13aが包装袋10に形成される。本例の内容物11は直方体であり、内容物11の底面の縁部は直線形状を有するため、包装袋10に形成される下方折り目13aも直線形状を有する。
【0071】
なお本例のように直方体の内容物11を、正面から見た形状がほぼ長方形の収容部(内容物11の内側)に入れて下方折り目13aを包装袋10に付与すると、包装袋10のうち内容物11の底面を形成する頂点の近傍から収容部の下方頂点にわたって傾斜折り目13dも形成される。
図12の包装袋10の右下部分及び左下部分に形成される傾斜折り目13dは、実際には皺と呼べる程度の軽度の折り目ではあるが、上述の真空包装処理(
図1〜4参照)を経た後には更に折られてはっきりとした折り目となる。
【0072】
そして、図示しない昇降駆動源によって押し込み杵91は上昇され、押し込み杵91は元の位置に戻される。
【0073】
上述の一連の工程を経て、包装袋10に対して下方折り目13aを付与することができる。なお本例の包装袋10は密閉性を高めるために、両側縁部及び底部にシール部10cが形成され、包装袋10の表面を形成するシートと裏面を形成するシートとが加熱圧着されて隙間無く強固に接着されている。また上述の一連の工程の前に、包装袋10の底部を一方の方向へ折り曲げておき、包装袋10に下方折り目13aを形成した際の包装袋10の底部の折り曲げ方向を規定してもよい。すなわち包装袋10に下方折り目13aを形成する前に、包装袋10の底部に「折り曲げ方向のくせ付け」を行っておくことで、内容物11を包装袋10によって密封包装した際(
図1〜
図4参照)に、包装袋10の底部の折り曲げ方向を所定方向に決められる。
【0074】
<真空整形方法>
次に、上述の下方折り目形成装置90、側方折り目形成装置64、上方折り目形成装置62及び真空処理装置101を備える真空包装機100によって行われる一連の処理について説明する。
【0075】
図13は、包装袋10に折り目を付与する処理工程及び真空包装処理工程を含む真空整形方法の一例を示すフローチャートである。
【0076】
本例では、まず、包装袋10の開口12aを介して包装袋10内に内容物11が投入され、包装袋10の内側に内容物11が配置される(
図13のS21)。包装袋10の内側に内容物11を配置する工程は、任意の方法によって行うことができ、例えば、図示しない投入装置により内容物11が包装袋10の内側に配置されてもよいし、手動的に人手を介して内容物11が包装袋10の内側に配置されてもよい。また包装袋10の内側への内容物11の投入方向も限定されず、例えば、重力を利用して包装袋10の内側に向かって内容物11を落下させてもよいし、鉛直方向とは垂直を成す水平方向へ内容物11を動かして包装袋10の内側に内容物11が配置されてもよい。
【0077】
そして、下方折り目形成装置90によって包装袋10に下方折り目13aが付与され(S22;
図12参照)、側方折り目形成装置64によって包装袋10に側方折り目13bが付与される(S23;
図7〜10参照)。そして、上方折り目形成装置62及び真空処理装置101によって、包装袋10に対して上方折り目13cを付与する処理と包装袋10によって内容物11を真空包装する処理とが同時的に行われる(S24;
図1〜5参照)。
【0078】
真空包装機100は、上述の一連の工程(S21〜S24)を繰り返すことによって、連続的に、内容物11を包装袋10によって高精度に真空包装することができる。
【0079】
以上説明したように本実施形態の真空包装機100は、左右一対のグリッパー20で開口部12を有する包装袋10の両側縁部を保持し、その状態で開口部12から包装袋10内に内容物11を充填した後、当該包装袋10を左右一対のグリッパー20から開放して真空処理チャンバー30内に導入して、当該真空処理チャンバー30内に配置したチャンバー内グリッパー20により、包装袋10の内部が開口部12を介して包装袋10の外部と連通するよう包装袋10を保持し、次いで、真空処理チャンバー30内を密閉して減圧した後、開口部12をシールして真空処理チャンバー30内に大気を導入する。そして、真空処理チャンバー30よりも前段において、折り目形成部材を備える折り目形成装置(例えば「側縁折り目形成部材67を備える側方折り目形成装置64」及び/又は「押し込み杵91及び底部支持プレート92を備える下方折り目形成装置90」)が配置され、折り目形成部材が内容物11の少なくともいずれかの縁部に対応する折り目を包装袋10に形成する。
【0080】
特に折り目形成部材を備える折り目形成装置は、押し込み杵91及び底部支持プレート92を備える下方折り目形成装置90と、側縁折り目形成部材67を備える側方折り目形成装置64とを含む。そして底部支持プレート92が内容物11の下面に包装袋10の外側から当接して、内容物11の下面を形成する内容物11の縁部に対応する折り目を包装袋10に形成し、側縁折り目形成部材67が内容物11の側面を形成する内容物11の縁部に対応する折り目を包装袋10に形成する。
【0081】
また真空処理チャンバー30内には、チャンバー内グリッパー20と内容物11の上面との間に上部折り目形成部材(第1折り目形成部材51及び第2折り目形成部材52)が配置され、真空処理チャンバー30内に大気を導入すると、上部折り目形成部材が内容物11の上面に包装袋10の外側から当接して、上面を形成する内容物11の縁部に沿う折り目を包装袋10に形成する。
【0082】
また左右一対のグリッパー20(
図12参照)が包装袋10を吊り下げ状に保持する。
【0083】
またチャンバー内グリッパー20(
図1等参照)が包装袋10を吊り下げ状に保持する。
【0084】
上述の構成を有する真空包装機100によれば、内容物11の外形に応じた折り目が付与された包装袋10を使って内容物11の真空密閉包装が行われるため、内容物11の表面に包装袋10を密着させた状態で、内容物11を包装袋10によって適切に真空密閉包装することができる。これにより包装後の製品の外観が綺麗であるだけではなく、包装後の製品の外形を均一化して、全体の製品サイズをコンパクトにすることができる。また包装袋10におけるピンホール等の損傷の発生を防ぐことができ、包装袋10に包装された内容物11の品質の劣化を効果的に抑えて、内容物11の品質を長期にわたって保証することも可能である。
【0085】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、上述の実施形態に種々の変形が加えられてもよい。
【0086】
例えば、上述の実施形態では包装袋10に対して上方折り目13cを付与する処理と、内容物11を包装袋10内で真空密閉する処理とが一緒に行われる例について説明したが、両処理は別々に行われてもよい。したがって、下方折り目13a及び側方折り目13bに加えて上方折り目13cも包装袋10に付与された後に、内容物11を収容する包装袋10内を真空状態に保ちつつ包装袋10の開口部12のシール処理が行われてもよい。また下方折り目13a、側方折り目13b及び上方折り目13cのうちのいずれか一種類又は2種類の折り目が包装袋10に付与された後に、包装袋10を使った内容物11の真空密閉処理が行われてもよい。
【0087】
また上述の実施形態では、下方折り目13a、側方折り目13b及び上方折り目13cの順に、包装袋10に対して折り目が付与されているが、包装袋10に折り目を付与する順番は特に限定されない。
【0088】
また上述の実施形態では、包装袋10に内容物11が収容された状態で、下方折り目13a、側方折り目13b及び上方折り目13cが包装袋10に付与されているが、内容物11が収容されていない包装袋10に対し、下方折り目13a、側方折り目13b及び上方折り目13cのうちのいずれか一種類又は2種類の折り目が付与されてもよい。ただし、内容物11の外形が必ずしも一定せずに多少の変動がある場合には、内容物11が収容された状態で包装袋10に折り目を付与することで、実際の内容物11の外形に応じた折り目を精度良く付与することも可能である。
【0089】
なお本発明を適用可能な内容物11は特に限定されないが、一定の外形を有する固体形状を有することが好ましい。また本発明に基づいて作られる製品において包装袋10によって真空密閉包装される内容物11は外気に晒されないため、外気に晒されることで品質が劣化する物を内容物11とする場合に、本発明は特に有効である。したがって、例えば食品、医療器具、薬、及びその他の日用品を、内容物11として好適に採用することができる。また内容物11は直方体に限定されず、どのような外形を有していてもよい。
【0090】
また、上述の折り目付与処理及び真空密閉処理の前後には他の処理が行われてもよい。典型的には、多数の包装袋10を保持する袋貯蔵部から包装袋10を1枚ずつ取り出してグリッパー20により把持する工程(給袋工程)、各包装袋10に品質保証期限等の情報をプリントする工程(印字工程)及び包装袋10上のプリントの状態を検査する工程(印字検査工程)を、折り目付与処理及び真空密閉処理の前に行うことができる。また後段の処理を行う場所に包装袋10及び内容物11を移送する工程(受け渡し工程)を、折り目付与処理及び真空密閉処理の後に行うことができる。また他の処理が行われている間又は実行された直後に折り目付与処理及び真空密閉処理が行われてもよく、例えば印字検査工程が行われている間又は印字検査工程の直後に、折り目付与処理(例えば下方折り目付与処理)の工程が行われてもよい。
【0091】
本発明は、上述の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形が加えられた各種態様も含みうるものであり、本発明によって奏される効果も上述の事項に限定されない。したがって、本発明の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲及び明細書に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。