【解決手段】 芳香族アミン(a)にアルキレンオキサイドを付加させる(ポリオキシアルキレン)ポリオールの製造方法において、芳香族アミン(a)の活性水素1当量に対して無触媒でアルキレンオキサイド(b)を0.01〜0.95当量付加させたアルキレンオキサイド付加物にアルカリ触媒を溶解させて、さらにアルキレンオキサイド(c)を付加させる工程を含む(ポリオキシアルキレン)ポリオール(A)の製造方法。
芳香族アミン(a)にアルキレンオキサイドを付加させる(ポリオキシアルキレン)ポリオールの製造方法において、芳香族アミン(a)の活性水素1当量に対して無触媒でアルキレンオキサイド(b)を0.01〜0.95当量付加させたアルキレンオキサイド付加物にアルカリ触媒を溶解させて、さらにアルキレンオキサイド(c)を付加させる工程を含む(ポリオキシアルキレン)ポリオール(A)の製造方法。
請求項1または2記載の製造方法により得られたポリオール(A)と、官能基数が2〜8で水酸基価が200〜900である(A)以外のポリオール(B)を含有するポリオール成分(P)とポリイソシアネート(I)とを、ウレタン化触媒(C)、整泡剤(D)および発泡剤(E)の存在下で反応させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
スラブ成形、モールド式成形、内外筒間式パイプ断熱材成形、ボード成形、オープン式パネル成形および面材式パイプ断熱材成形から選ばれる成形法を用いて断熱材を製造する請求項3に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本第1発明の芳香族アミン(a)にアルキレンオキサイドを付加させる(ポリオキシアルキレン)ポリオール(A)の製造方法において、芳香族アミン(a)の活性水素1当量に対して無触媒でアルキレンオキサイド(b)を0.01〜0.95当量付加した後(第1工程)、得られた付加物にアルカリ触媒を溶解させてさらにアルキレンオキサイド(c)を付加する(第2工程)。
第1工程のアルキレンオキサイド(b)の当量が0.95を超えると、最終的に得られる(ポリオキシアルキレン)ポリオール(A)の粘度が高くなる。
【0009】
上記芳香族アミン(a)としては、2〜5価またはそれ以上の炭素数6〜22のポリアミン等が含まれる。具体的にはアニリン、トルイジン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン(トルエンジアミン)、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、ジフェニルエーテルジアミン及び4,4’−メチレンジアニリン等の芳香族ポリアミンが挙げられる。なお、アミンの価数は、アミンの有する活性水素の数を意味する。
(a)のうち、ポリウレタンフォームに使用した場合のフォームの成形性の観点から、芳香族ジアミンが好ましく、トリレンジアミンがさらに好ましい。
【0010】
アルキレンオキサイド(b)およびアルキレンオキサイド(c)としては、炭素数2〜6のアルキレンオキサイド、例えば、エチレンオキサイド(以下EOと略称する。)、1,2−プロピレオキサイド(以下POと略称する。)、1,3−プロピレオキサイドおよび1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。2種以上用いる場合のアルキレンオキサイドの付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
これらのうち好ましいのは、POおよびEOであり、アルキレンオキサイド(b)としてさらに好ましくはEOである。
【0011】
本第1発明のポリオール(A)の製造方法において、芳香族アミン(a)を加熱して(好ましくは100〜160℃)撹拌しながら、(a)が液状であることを確認後、同温度で無触媒でアルキレンオキサイド(b)を芳香族アミンの活性水素1当量に対して0.01〜0.95当量付加した後、アルカリ触媒を投入し溶解させた後、アルキレンオキサイド(c)を付加して製造するのが好ましい。
アルカリ触媒の溶解は、混合物のアルカリ価を測定し、計算値と合致していることで、確認することができる。
第2工程のアルキレンオキサイド付加は、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物などのアルカリ触媒の存在下、100〜160℃で、アルキレンオキサイド(c)を付加した後、酸(酢酸、リン酸等)で中和して製造するのが好ましい。
上記アルカリ触媒として、好ましくはアルカリ金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化セシウム等)であり、さらに好ましくは水酸化カリウムである。
【0012】
ポリオール(A)の製造方法において、アルカリ触媒の使用量は、粘度の観点から、得られるポリオール(A)に対して、好ましくは0.01〜5.0重量%であり、さらに好ましくは0.01〜1.0重量%である。
【0013】
ポリオール(A)の製造方法において、アルカリ触媒の投入時期は、粘度の観点から、芳香族アミンの活性水素1当量に対して0.01〜0.95当量付加した後、さらに好ましくは0.02〜0.9当量付加後であり、とくに好ましくは0.025〜0.8当量付加後である。
【0014】
本第1発明の製造方法により得られるポリオール(A)の水酸基価(mgKOH/g)は、ポリウレタンフォームに用いたときの圧縮強さの観点から、200〜800が好ましく、さらに好ましくは250〜750、とくに好ましくは300〜600である。
本発明における水酸基価は、JIS K1557:1970による。
【0015】
本第2発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、ポリオール成分(P)は、ポリオール(A)と共に、(A)以外のポリオール(B)を含有する。
【0016】
ポリオール成分(P)中のポリオール(A)の含有量は、熱伝導率、圧縮強さおよび成形性の観点から20〜80重量%が好ましく、さらに好ましくは30〜70重量%である。
【0017】
ポリオール(B)は、官能基数が2〜8(好ましくは4〜8)であり、水酸基価が200〜900である。
ポリオール(B)としては、2〜8個の活性水素を含有する化合物(多価アルコール、多価フェノール、ポリカルボン酸、リン酸、アミン等)にアルキレンオキサイドが付加されたポリエーテルポリオール等が挙げられる。
本発明において、ポリエーテルポリオールの官能基数は、その出発物質である活性水素を含有する化合物と同一であると見なす。
【0018】
上記多価アルコールとしては、例えば、炭素数2〜18の2価アルコール[エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール及びネオペンチルグリコール等]、炭素数3〜18の3〜8価のアルコール[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、グルコース、フルクトース及びショ糖等]及びこれらの2種以上の併用が含まれる。
【0019】
多価フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノン及びフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノール;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック);たとえば米国特許第3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
【0020】
ポリカルボン酸としては、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸及びアゼライン酸等)、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸及びイソフタル酸等)及びこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
【0021】
アミンとしては、炭素数1〜20の直鎖又は分岐脂肪族アミン(モノメチルアミン、モノエチルアミン、n−ブチルアミン、オクチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン等)、炭素数4〜20の脂環式アミン(シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン及びジシクロヘキシルメタンジアミン等)及び炭素数4〜20の複素環式ポリアミン(ピペラジン及びアミノエチルピペラジン等)等が挙げられる。
これらの活性水素含有化合物は2種以上を併用してもよい。
これらの中で好ましくは多価アルコールおよびアミンであり、さらに好ましくは多価アルコールであり、とくに好ましくはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール及びショ糖である。
【0022】
上記活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜8のものが好ましく、例えば、EO、PO、1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、1,4−及び2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド並びにこれらの2種以上の併用(ブロック及び/又はランダム付加)が挙げられる。好ましくは、PO及び/又はEOである。
【0023】
ポリオール(B)の水酸基価(mgKOH/g)は、ウレタンフォームの寸法安定性の観点から、200〜900であり、好ましくは300〜850、さらに好ましくは350〜800である。
【0024】
ポリオール成分(P)とポリイソシアネート(I)とを、ウレタン化触媒(C)、整泡剤(D)および発泡剤(E)の存在下で反応させることで、硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。必要により、さらにその他の添加剤(F)の存在下で反応させてもよい。
【0025】
ポリイソシアネート(I)としては、通常ポリウレタンフォームに使用される有機ポリイオシアネートはすべて使用でき、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、変性ポリイソシアネート(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0026】
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート並びにトリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
【0027】
芳香脂肪族イソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
【0028】
これらの中で、反応性及びポリウレタンフォームの機械物性の観点から、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、さらに好ましくは、TDI、粗製TDI、MDI、粗製MDI及びこれらのイソシアネートの変性物、特に好ましくは、粗製MDIである。
【0029】
ウレタン化触媒(C)としては、3級アミン、3級アミンのカルボン酸塩、カルボン酸金属塩(酢酸カリウム、オクチル酸カリウム及びスタナスオクトエート等)及び有機金属化合物(ジブチルチンジラウレート等)が挙げられ、3級アミンが好ましい。
3級アミンとしては、例えばトリエチレンジアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N、N、N’、N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7(カルボン酸塩)及びビス(ジメチルアミノエチル)エーテル(カルボン酸塩)並びにこれらの2種以上の併用が挙げられる。
熱伝導性の観点から、トリエチレンジアミン及び/又はビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテルが好ましい。
【0030】
これらウレタン化触媒(C)の使用量は、熱伝導性の観点から、ポリオール成分(P)の重量に基づいて、0.01〜5.0重量%であることが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜4.0重量%である。
【0031】
整泡剤(D)としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、例として、モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製「Niax Silicone L−6988」、「Niax Silicone L−6900」、「Niax Silicone L−6915」、「Niax Silicone L−5420」、エボニック製「TEGOSTAB B8481」、「TEGOSTAB B8474」、「TEGOSTAB B8465」、「TEGOSTAB B8462」、東レ・ダウコーニング(株)製の「SH−193」等]のシリコーン整泡剤が挙げられる。
【0032】
これら整泡剤(D)の使用量は、熱伝導性の観点から、ポリオール成分(P)の重量に基づいて、0.5〜6重量%であることが好ましく、さらに好ましくは、1〜5重量%である。
【0033】
発泡剤(E)としては、水、炭酸ガス、HFC−365mfc、HFC−245fa、シクロペンタン、イソペンタン、n−ペンタン、シクロブタン及びn−ブタン等が挙げられる。
これら発泡剤(E)の使用量は、成形性の観点から、ポリオール成分(P)の重量に基づいて、0.1〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜25重量%、特に好ましくは0.5〜23重量%である。
【0034】
他の添加剤(F)としては、無機塩(炭酸カルシウム、硫酸バリウムなど)、無機繊維(ガラス繊維、炭素繊維など)、ウィスカー(チタン酸カリウムウィスカーなど)のような充填材;難燃剤〔リン酸エステル類、ハロゲン化リン酸エステル類(例えばクロロアルキルフォスフェート)など〕;金属キレート化剤(重金属不活性化剤)[ヒドラジド系、アミド系等];過酸化物分解剤[リン系、硫黄系];熱安定剤(塩酸補足剤)[金属石鹸(カルシウム系、亜鉛系)]が挙げられる。
これらの他の添加剤(F)の使用量は、熱伝導性の観点から、(P)の重量に基づいて、それぞれが30重量%以下であることが好ましい。また、(F)の合計使用量は、成形性の観点から、(P)の重量に基づいて、25重量%以下であることが好ましい。
【0035】
ポリウレタンフォーム製造に際してのイソシアネート指数(NCO INDEX)[100×(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比]は、難燃性の観点から、100〜250が好ましく、さらに好ましくは105〜200である。
【0036】
本第2発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、各種の成形法に適用できる。例えば、スラブ成形、モールド式成形(パネル成形、合成木材成形、冷凍・冷蔵庫キャビネット成形、冷凍・冷蔵庫用ドア成形等)、内外筒間式パイプ断熱材成形、ボード成形、オープン式パネル成形、および面材式パイプ断熱材成形が挙げられる。
【0037】
上記スラブ成形とは、ボックス内に原液を注入して、または連続走行コンベア上に原液を吐出し自由発泡・硬化させてブロック状のフォームを得る成形方法を;モールド式成形とは、モールド内に原液を射出注入し発泡・硬化させる成形を;内外筒間式パイプ断熱材成形とは、内外筒間に原液を注入するパイプ断熱材成形を;ボード成形とは、連続して供給される面材上にスプレーまたはポアリングにより原液を吐出し、上下面のコンベア内で発泡・硬化させる成形を;オープン式パネル成形とは、縦型モールド中の面材間にオープンで原液を注入して発泡・硬化させるパネル成形を;面材式パイプ断熱材成形とは、パイプ内部の囲い中に面材を走らせ、その上に原液を吐出し、流延発泡・硬化させるパイプ断熱材成形を;それぞれ意味する。
上記面材とは、硬質ポリウレタンフォームと一体成形されるものであり、例えば、クラフト紙、ポリエチレンコーティングされたクラフト紙、ポリエチレンシート、鋼板(亜鉛鋼板等)が挙げられる。
これらの中では、ボード成形が好ましい。
【0038】
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、上記の成形法を用いる断熱材の製造に適用するのが好ましい。
【0039】
本発明の方法による硬質ポリウレタンフォームの製造法の具体的な一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリオール成分(P)及び発泡剤(E)、ウレタン化触媒(C)、整泡剤(D)及び必要により、他の添加剤(F)を所定量混合し、混合物(ポリオールプレミックス)を作製する。次いでポリウレタン発泡機又は攪拌機を使用して、ポリオールプレミックスとポリイソシアネート(I)とを急速混合する。得られた混合液をモールド(例えば55〜75℃)に注入し、所定時間後脱型して硬質ポリウレタンフォームを得る。
【実施例】
【0040】
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、特に記載のない場合、部は重量部を意味する。
【0041】
実施例1 [ポリオール(A−1)の製造]
温度計、加熱冷却装置、撹拌機、滴下ボンベ及びストリッピング装置を備えた1.5LのSUS製耐圧反応容器に、トルエンジアミン〔東ソー(株)製〕(a)219.78部(1.0モル部)を投入し、窒素ガスで置換後、常圧〔0.0MPa(ゲージ圧。以下の実施例及び比較例でも圧力はゲージ圧の意味である。)〕で145〜155℃に昇温した。次いで水酸化カリウムを投入する前にEO(b−1)7.93部(0.1モル部)を圧力が0.5MPaを超えないように調整しながら、145〜155℃の範囲で滴下した。滴下終了後、145〜155℃の範囲で1時間熟成し、水酸化カリウム〔東亜合成(株)製〕1.74部を投入し、窒素ガスで置換後、常圧で1時間撹拌した後、サンプリングしてアルカリ価をJIS K2501測定法で測定し、水酸化カリウムが溶解していることを確認した後、窒素ガスで置換後、常圧でEO(c−1)208.43部(2.6モル部)を圧力が0.5MPaを超えないように調整しながら、145〜155℃の範囲で滴下した。ついで、PO(c−2)562.06部(5.4モル部)を圧力が0.5MPaを超えないように調整しながら、145〜155℃の範囲で滴下した。滴下終了後、145〜155℃の範囲で1時間熟成し、80〜90℃に冷却後、90重量%酢酸水溶液を3.33部投入した。次いで、100℃〜130℃で減圧下(−0.097MPa)で脱水後、ポリオール(A−1)を得た。
【0042】
実施例2 [ポリオール(A−2)の製造]
EO(b−1)7.93部(0.1モル部)の代わりにEO(b−1)79.26部(1.0モル部)を用い、EO(c−1)208.43部(2.6モル部)の代わりにEO(c−1)137.09部(1.7モル部)を用いる以外は実施例1と同様にして、ポリオール(A−2)を得た。
【0043】
実施例3 [ポリオール(A−3)の製造]
EO(b−1)7.93部(0.1モル部)の代わりにEO(b−1)198.16部(2.5モル部)を用い、EO(c−1)208.43部(2.6モル部)の代わりにEO(c−1)18.19部(0.2モル部)を用いる以外は実施例1と同様にして、ポリオール(A−3)を得た。
【0044】
比較例1 [ポリオール(A’−1)の製造]
EO(b−1)7.93部(0.1モル部)の代わりにEO(b−1)216.36部(2.7モル部)、ついでPO(b−2)132.75部(1.3モル部)を用い、EO(c−1)208.43部(2.6モル部)を用いずに、PO(c−2)562.06部(5.4モル部)の代わりにPO(c−2)429.31部(4.1モル部)を用いる以外は実施例1と同様にして、ポリオール(A’−1)を得た。
【0045】
比較例2 [ポリオール(A’−2)の製造]
EO(b−1)7.93部(0.1モル部)を用いずに、EO(c−1)208.43部(2.6モル部)の代わりにEO(c−1)216.36部(2.7モル部)を用いる以外は実施例1と同様にして、ポリオール(A’−2)を得た。
【0046】
ポリオール(A)および比較のポリオール(A’)の原料仕込量(重量部)と、下記条件で測定した(A)および(A’)の水酸基価、全アミン価および粘度の結果を、表1にまとめた。
<1>ポリオール(A)の水酸基価
JIS K1557:1970に準拠した。
<2>ポリオール(A)の全アミン価
JIS K1557:1970に準拠した。
<3>ポリオール(A)の粘度(mPa・s)
ガラス瓶に入れて密閉して25℃、24時間温調後、B型粘度計でローターNo3又は4を使用してで測定を行った。
【0047】
【表1】
【0048】
後述する実施例4〜6及び比較例3〜4における、上記ポリオール(A)以外のポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
ポリオール(B−1):ショ糖1.0モル部に水酸化カリウムを触媒として、130℃でPO12.5モル部付加し得られたポリエーテルポリオール。水酸基価=420。
ポリオール(B−2):ペンタエリスリトール1.0モル部に水酸化カリウムを触媒として、130℃でPO7.3モル部付加し、常法により水酸化カリウムを除去して得られたポリエーテルポリオール。水酸基価=400。
ポリオール(B−3):エチレンジアミン1.0モル部に無触媒で、150℃でPO4.0モル部付加し得られたポリオール。水酸基価=748。
【0049】
ウレタン化触媒(C−1):1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン―7−オレイン酸塩の67重量%ジエチレングリコール溶液(サンアプロ(株)製「U−CAT SA−112」)
ウレタン化触媒(C−2):ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル(エアプロダクツ社製「DABCO BL−19」)
ウレタン化触媒(C−3):1,2−ジメチルイミダゾールの70重量%エチレングリコール溶液(東ソー(株)社製「TOYOCAT DM70」)
整泡剤(D−1):整泡剤(モメンティブ・マテリアルズ・パフォーマンス製「Niax Silicone L−6988」)
発泡剤(E−1):水
発泡剤(E−2):シクロペンタン(日本ゼオン(株)製「ゼオンソルブHP」)
難燃剤(F−1):トリクロロプロピルホスフェート(第八化学(株)社製「TMCPP」)
ポリイソシアネート(I−1):粗製MDI:NCO%=31.5(日本ポリウレタン工業(株)製「ミリオネートMR−200」)
【0050】
実施例4〜6及び比較例3〜4[硬質ポリウレタンフォームの製造]
まず、表2に記載した配合処方(重量部)にて、ポリイソシアネート(I)以外を所定量配合したポリオールプレミックスを混合した。この混合物に25±5℃に温調したポリイソシアネート(I)を加えて、攪拌機[ホモディスパー:特殊機化(株)社製]にて8000rpm×5秒間急速混合し、混合液をすみやかに65℃の300×300×50mmの金型に流し入れ、5分後に取り出した。
【0051】
得られたポリウレタンフォームの物性を測定した結果を表2に示す。
物性測定条件は、下記のとおりである。
<4>コア密度(kg/m
3)
JIS A9511にしたがい、モールド発泡で得られた300(縦)×300(横)×50(厚み)mmの硬質ポリウレタンフォームを、100(縦)×100(横)×35(厚み)mmのサイズに切り出した後、試験片の重量と体積からコア密度を求めた。
<5>成形性
フォームをカットした際のフォーム内部の状態の確認およびフォーム表面の状態を確認した。○は良好、×は不良を意味する。
【0052】
【表2】
【0053】
表2において、実施例4〜6により得られたポリウレタンフォームは、比較例3〜4により得られたポリウレタンフォームと比べ、成形性が優れている。
本発明は、芳香族アミンにアルキレンオキサイドを付加する(ポリオキシアルキレン)ポリオールの製造方法、およびそれを用いた硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。