(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-155241(P2017-155241A)
(43)【公開日】2017年9月7日
(54)【発明の名称】ヒドロクロロフルオロオレフィンの発泡剤組成物
(51)【国際特許分類】
C09K 3/00 20060101AFI20170810BHJP
C08J 9/12 20060101ALI20170810BHJP
C08G 18/00 20060101ALI20170810BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20170810BHJP
【FI】
C09K3/00 111B
C08J9/12ZAB
C08G18/00 H
C08G101:00
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-75908(P2017-75908)
(22)【出願日】2017年4月6日
(62)【分割の表示】特願2014-88594(P2014-88594)の分割
【原出願日】2008年3月28日
(31)【優先権主張番号】60/908,751
(32)【優先日】2007年3月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/972,037
(32)【優先日】2007年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】500307340
【氏名又は名称】アーケマ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・ビー・チェン
(72)【発明者】
【氏名】マハー・ワイ・エルシェイク
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ボネット
(72)【発明者】
【氏名】ブレット・エル・ヴァン・ホーン
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・エス・コスタ
【テーマコード(参考)】
4F074
4J034
【Fターム(参考)】
4F074AA78
4F074BA53
4F074BC01
4F074CA25
4F074CC22X
4F074CC22Y
4F074DA02
4J034DA01
4J034DB05
4J034DC02
4J034DC06
4J034DF01
4J034DF21
4J034DG02
4J034HA01
4J034HA07
4J034HC12
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034KA01
4J034KB05
4J034KD12
4J034KE02
4J034QA01
4J034QA03
4J034QC01
(57)【要約】
【課題】低いまたはゼロのオゾン層破壊係数、より低い地球温暖化係数の要求を満たし、かつ低い毒性を有する固有の特徴を提供する熱硬化性発泡体用の発泡剤としての役割を果たすことができる新規な組成物を提供する。
【解決手段】ヒドロクロロフルオロオレフィン1233zdを含むポリマー発泡剤組成物であり、ヒドロクロロフルオロオレフィン1233zdがトランス立体異性体である熱硬化性発泡体用のポリマー発泡剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロクロロフルオロオレフィン1233zdを含むポリマー発泡剤組成物であり、
前記ヒドロクロロフルオロオレフィン1233zdがトランス立体異性体である熱硬化性発泡体用のポリマー発泡剤組成物。
【請求項2】
ヒドロフルオロカーボンをさらに含む、請求項1に記載のポリマー発泡剤組成物。
【請求項3】
前記ヒドロフルオロカーボンが、ジフルオロメタン(HFC32);1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC125);1,1,1−トリフルオロエタン(HFC143a);1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC134);1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a);1,1−ジフルオロエタン(HFC152a);1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea);1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa);1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC365mfc)および1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(HFC4310mee)からなる群から選択される、請求項2に記載のポリマー発泡剤組成物。
【請求項4】
ヒドロフルオロオレフィンをさらに含む、請求項1に記載のポリマー発泡剤組成物。
【請求項5】
前記ヒドロフルオロオレフィンが、テトラフルオロプロペン(HFO1234);トリフルオロプロペン(HFO1243);テトラフルオロブテン異性体(HFO1354);ペンタフルオロブテン異性体(HFO1345);ヘキサフルオロブテン異性体(HFO1336);ヘプタフルオロブテン異性体(HFO1327);ヘプタフルオロペンテン異性体(HFO1447);オクタフルオロペンテン異性体(HFO1438);およびノナフルオロペンテン異性体(HFO1429)からなる群から選択される、請求項4に記載のポリマー発泡剤組成物。
【請求項6】
炭化水素、C1〜C5アルコール、C1〜C4アルデヒド、C3〜C4ケトン、C2〜C4エーテル、二酸化炭素、およびC3〜C4ジエーテルからなる群から選択される添加剤をさらに含む、請求項1に記載のポリマー発泡剤組成物。
【請求項7】
前記炭化水素が、ペンタン異性体およびブタン異性体からなる群から選択される、請求項6に記載のポリマー発泡剤組成物。
【請求項8】
HCFC−1233zd以外のヒドロクロロフルオロオレフィンをさらに含む、請求項1に記載のポリマー発泡剤組成物。
【請求項9】
ポリマー発泡体成分と、ヒドロクロロフルオロオレフィン1233zdを含む発泡体用発泡剤とを混合することを含み、前記ヒドロクロロフルオロオレフィン1233zdがトランス立体異性体である、ポリウレタン発泡体を発泡する方法。
【請求項10】
前記発泡体用発泡剤が、ヒドロフルオロカーボンをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ヒドロフルオロカーボンが、ジフルオロメタン(HFC32);1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC125);1,1,1−トリフルオロエタン(HFC143a);1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC134);1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a);1,1−ジフルオロエタン(HFC152a);1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea);1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa);1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC365mfc)および1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(HFC4310mee)からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記発泡体用発泡剤が、ヒドロフルオロオレフィンをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒドロフルオロオレフィンが、テトラフルオロプロペン(HFO1234);トリフルオロプロペン(HFO1243);テトラフルオロブテン異性体(HFO1354);ペンタフルオロブテン異性体(HFO1345);ヘキサフルオロブテン異性体(HFO1336);ヘプタフルオロブテン異性体(HFO1327);ヘプタフルオロペンテン異性体(HFO1447);オクタフルオロペンテン異性体(HFO1438);およびノナフルオロペンテン異性体(HFO1429)からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記発泡体用発泡剤が、炭化水素、ペンタン、ブタン、C1〜C5アルコール、C1〜C4アルデヒド、C3〜C4ケトン、C2〜C4エーテル、二酸化炭素およびC3〜C4ジエーテルからなる群から選択される添加剤をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記発泡体用発泡剤が、HCFC−1233zd以外のヒドロクロロフルオロオレフィンをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記ヒドロクロロフルオロオレフィンが、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)およびジクロロトリフルオロプロペン(HCFO1223)からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性発泡体用の発泡剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、熱硬化性発泡体の製造におけるヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)HCFO−1233zdの単独での、または組み合わせての、発泡剤としての使用に関する。本発明のHCFO−1233zdは主にトランス異性体である。
【背景技術】
【0002】
1987年10月に採択されたオゾン層保護のためのモントリオール議定書では、クロロフルオロカーボン(CFC)の使用の廃止が規定された。ヒドロフルオロカーボン(HFC)、例えばHFC−134aなどのオゾン層により「優しい」材料がクロロフルオロカーボンに取って代わった。後者の化合物は、地球温暖化を生じさせる温室効果ガスであることが証明されており、1998年に採択された気候変動に関する京都議定書によって規制された。新たに台頭しつつある代替材料、ヒドロフルオロプロペンは、環境上許容できる、すなわちオゾン層破壊係数(ODP)ゼロおよび許容可能な低い地球温暖化係数(GWP)を有することが示された。
【0003】
熱硬化発泡体に現在使用されている発泡剤としては、比較的高い地球温暖化係数を有するHFC−134a、HFC−245fa、HFC−365mfc、ならびに引火性であり、かつ低エネルギー効率を有するペンタン異性体などの炭化水素が挙げられる。したがって、新規な代替発泡剤が求められている。ヒドロフルオロプロペンおよび/またはヒドロクロロフルオロプロペンなどのハロゲン化ヒドロオレフィン系材料が、HFCの代わりとして関心を集めている。低い気圧におけるこれらの材料の固有の化学的不安定性によって、所望の低い地球温暖化係数およびゼロまたはゼロに近いオゾン破壊特性が得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、低いまたはゼロのオゾン層破壊係数、より低い地球温暖化係数の要求を満たし、かつ低い毒性を有する固有の特徴を提供する熱硬化性発泡体用の発泡剤としての役割を果たすことができる新規な組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、オゾン層破壊がごくわずか(低いまたはゼロ)であり、かつGWPが低い、不飽和ハロゲン化ヒドロオレフィンをベースとする発泡剤の使用に関する。この発泡剤は、ヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)を単独で、またはヒドロフルオロオレフィン(HFO)、ヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル/ジエーテルまたは二酸化炭素などの組み合わせで、含む。本発明のHCFO−1233zdは主に、HCFO−1233zdのトランス異性体である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
トランス(E)およびシス(Z)異性体を示す:
【化1】
【0007】
ヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)HCFO−1233が、低地球温暖化係数および低オゾン層破壊値を示す発泡剤として提案されている。低地球温暖化係数および低オゾン層破壊値は、ヒドロハロオレフィンが大気中で分解した結果である。
【0008】
単独での、またはHFOと組み合わせての、ヒドロクロロフルオロオレフィンHCFO−1233zdの主にトランス異性体は、ポリオール混合物中で混合されることによって熱硬化性発泡体用の発泡剤として使用することができる。得られた生成物は、低下した密度および向上したKファクターなどの優れた品質を示す。この発泡剤は容易に熱硬化性ポリマーに溶解し、許容可能な発泡体を製造するのに十分な可塑化度を提供する。HCFO1233zdは、周囲温度で液体であり、そのため、特にポリウレタン発泡体に対して様々な産業によって望まれているように、容易に取り扱うことが可能となる。好ましいHFO成分は一般に、炭素3または4個を含有し、限定されないが、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO1225ye)などのペンタフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234yf)、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ye)などのテトラフルオロプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)などのトリフルオロプロペンが挙げられる。本発明の好ましい実施形態は、標準沸点約60℃未満を有する不飽和ハロゲン化ヒドロオレフィンの発泡剤組成物である。
【0009】
本発明の好ましい発泡剤組成物、単独での、または組み合わせての、HCFO−1233zd、主にトランス異性体は、ポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体の製造で使用されるポリオール混合物への優れた溶解性を示す。本発明のHCFO−1233zd成分の大部分はトランス異性体である。このトランス異性体は、AMES試験においてシス異性体よりも遺伝毒性が極めて低いことが発見された。HCFO−1233zdのトランスおよびシス異性体の好ましい割合は、組み合わせの中でシス異性体約30重量%未満、好ましくはシス異性体約10%未満である。最も好ましい割合は、シス異性体約3%未満である。好ましい発泡剤の組み合わせによって、望ましいレベルの断熱値を有する発泡体が生成される。
【0010】
本発明のHCFO−1233zdは、限定されないが:(a)限定されないが、ジフルオロメタン(HFC32);1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC125);1,1,1−トリフルオロエタン(HFC143a);1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC134);1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a);1,1−ジフルオロエタン(HFC152a);1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea);1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa);1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC365mfc)および1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(HFC4310mee)などのヒドロフルオロカーボン、(b)限定されないが、テトラフルオロプロペン(HFO1234)、トリフルオロプロペン(HFO1243)、すべてのテトラフルオロブテン異性体(HFO1354)、すべてのペンタフルオロブテン異性体(HFO1345)、すべてのヘキサフルオロブテン異性体(HFO1336)、すべてのヘプタフルオロブテン異性体(HFO1327)、すべてのヘプタフルオロペンテン異性体(HFO1447)、すべてのオクタフルオロペンテン異性体(HFO1438)、すべてのノナフルオロペンテン異性体(HFO1429)などのヒドロフルオロオレフィン、(c)限定されないが、ペンタン異性体、ブタン異性体などの炭化水素、(d)C1〜C5アルコール、C1〜C4アルデヒド、C3〜C4ケトン、C2〜C4エーテルおよびC3〜C4ジエーテルおよび二酸化炭素、(e)2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)およびジクロロトリフルオロプロペン(HCFO1223)などのHCFOなど、他の発泡剤と組み合わせて使用してもよい。
【0011】
本発明の発泡性組成物は一般に、気泡構造を一般に有する発泡体を形成することができる1種または複数種の成分と、発泡剤とを、本発明に従って通常併せて含有する。特定の実施形態において、その1種または複数種の成分は、発泡体を形成することができる熱硬化性組成物および/または発泡性組成物を含む。熱硬化性組成物の例としては、ポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体組成物、さらにフェノール樹脂発泡体組成物が挙げられる。かかる熱硬化性発泡体の実施形態において、本発明の組成物のうちの1種または複数種は、発泡性組成物において発泡剤として、または発泡剤の一部として、あるいは適切な条件下で反応かつ/または発泡して発泡体または気泡構造を形成することができる成分のうちの1種または複数種を含有することが好ましい2成分以上の発泡性組成物の1成分として含まれる。
【0012】
本発明は、本発明の組成物を含む発泡剤を含有するポリマー発泡体配合物から製造される発泡体、好ましくは独立気泡発泡体にも関する。さらに他の実施形態において、本発明は、ポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体、好ましくは低密度発泡体、軟質または硬質発泡体などの熱硬化性発泡体を含む発泡性組成物を提供する。
【0013】
本発明の発泡剤の組み合わせが形成される、かつ/または発泡性組成物に添加される順序または方法は一般に、本発明の操作性に影響しないことは当業者によって理解されよう。例えば、ポリウレタン発泡体の場合には、発泡剤の組み合わせの種々の成分、さらには本発明の組成物の成分が、発泡装置に導入する前に混合されないことが可能であり、または発泡装置の同一位置に成分が添加されないことがさらに可能である。したがって、特定の実施形態において、成分が発泡装置内で互いに合わさることを見越して、発泡剤の組み合わせの1つまたは複数の成分をブレンダーに導入し、かつ/またはこの方法でより有効に操作することが望ましい。しかしながら、特定の実施形態では、発泡剤の組み合わせの2種類以上の成分が予め合わせられ、直接、または次いで発泡性組成物の他の成分にさらに添加されるプレミックスの一部として、発泡性組成物に共に導入される。
【実施例】
【0014】
実施例1
試験した配合物(すべて、ROHに関してISO指数114を有した)はそれぞれ、ルビネート(Rubinate)M(Huntsmanから市販のポリマーメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI));ジェフォール(Jeffol)R−425−X(Huntsmanから市販のポリオール);ボラノール(Voranol)490(Dow Chemicalから市販のポリオール)、テレート(Terate)2541(Invistaから市販のポリオール)を含有した。アンチブレイズ(Antiblaze)80は、Rhodiaから市販の難燃剤であり;テゴスターブ(Tegostab)B8404は、Goldschmidt Chemical Corporationから市販の界面活性剤である。ポリキャット(Polycat)8および5(ペンタメチルジエチレントリアミン、PMDETA)はAir Productsから市販されている。総発泡レベルは24.5mls/gである。表1に試験した配合物の特性をまとめる。
【0015】
【表1】
【0016】
A側(MDI)およびB側(ポリオール、界面活性剤、触媒、発泡剤、および添加剤の混合物)をハンドミキサーで混合し、容器に分配して、フリーライズ(free rise)発泡体を形成した。フリーライズ発泡体を製造する場合、分配された材料を開放容器内で発泡させた。得られた発泡体は、ゲル化時間26秒、指触乾燥時間41秒、フリーライズ密度1.69lb(s)/ft
3(lb/ft
3)を有した。成形発泡体を製造する場合、分配された材料を密閉金型内で発泡させた。発泡体を取り出す前の数分間、金型を密閉しておいた。得られた発泡体のKファクター測定(ASTM C518)を10〜130°Fで行った。帯鋸で発泡体スキンを除去して24時間以内に初期Kファクターが測定される。Kファクターが低くなると、断熱値が良くなることが示されている。その結果を表2にまとめる。
【0017】
【表2】
【0018】
実施例2
以下の実施例において、別段の指定がない限り、小さなポリウレタンディスペンサーによって発泡体を製造した。ディスペンサーは、A側(MDI)用シリンダーとB側(ポリオール混合物)用シリンダーの2つの加圧シリンダーからなる。シリンダー内の圧力は調整器によって調節することができた。B側混合物を予めブレンドし、次いで加圧シリンダーに装入した。次いで、発泡剤をB側シリンダーに添加し、完全に混合した。静的ミキサーを備えたディスペンスガンにシリンダーを連結した。A側とB側の所望の比を達成することができるように、両方のシリンダーの圧力を調節した。試験した配合物(すべて、ROHに関してISO指数110を有した)はそれぞれ、ルビネート(Rubinate)M(Huntsmanから市販のポリマーメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI));ジェフォール(Jeffol)SG−360およびR−425−X(Huntsmanから市販のポリオール);TEAP−265(Carpenter Companyから市販のポリオール)を含有した。テゴスターブ(Tegostab)B8465はEvonik−Degussaから市販の界面活性剤である。ジェフキャット(Jeffcat)TD33AおよびZR−70は、Huntsmanから市販の触媒である。NP9.5は、Huntsmanから市販の相溶化剤である。総発泡剤レベルは26.0mls/gであった。表3に試験対象の配合物をまとめる。
【0019】
【表3】
【0020】
得られた発泡体のKファクター測定(ASTM C518)を10〜130°Fで行った。その結果を表4にまとめる。帯鋸で発泡体スキンを除去して48時間以内に初期Kファクターが測定される。Kファクターが低くなると、断熱値が良くなることが示されている。この結果から、トランスHCFO1233で発泡された発泡体のKファクターは、HFO1234zeまたはHFC134aで発泡された発泡体のKファクターよりも優れていることが示されている。
【0021】
【表4】
【0022】
表5には、同じ発泡レベルで、トランスHCFCO1233zdで発泡された発泡体が、HFO1234zeまたはHFC134aで発泡された発泡体よりも低い密度および高い発泡効率を有することが示されている。
【0023】
【表5】
【0024】
具体的な実施形態を参照して本明細書において本発明を例示および説明するが、添付の特許請求の範囲が示される詳細に限定されることを意図するものではない。むしろ、当業者によってこれらの詳細に種々の修正が加えられることが予想され、その修正は、権利請求される主題の趣旨および範囲内にあり、これらの特許請求の範囲はそれに応じて構成されることが意図される。