【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような試験装置においては、一般に、温度等の環境の影響を排除するために、トルク計の零点設定が行われる。具体的には、トルク計のトルク伝達軸に負荷がかかっていない状態(以下、無負荷時という。)において、トルク計によって検出されるトルクの値が零に設定される。
【0006】
ところで、特許文献1の試験装置にトルク計を設置する場合には、寸法精度および組立精度等の種々の要因により、トルク計のトルク伝達軸(トルク検出部)に曲げ応力および軸方向の応力等が作用する。このような曲げ応力等の影響により、トルク伝達軸に作用するトルクは、該トルク伝達軸が1回転する際に変化する。これにより、以下に説明するように、零点設定時のトルク伝達軸の回転角度(回転位置)が、零点設定後のトルク計測値に影響する。特に高精度のトルク計測を行う場合、その影響によって供試体に負荷されるトルクを適切に評価できない場合がある。
【0007】
図10は、無負荷の状態においてトルク伝達軸が1回転する際に、該トルク伝達軸に作用するトルクの変化の特性の一例を示す図である。また、
図11は、トルク伝達軸に作用するトルクが
図10に示すように変化することを前提として、横軸に示すトルク伝達軸の回転角度で零点を設定した場合の、該回転角度とトルク計によって検出される平均トルクとの関係を示す図である。平均トルクとは、トルク伝達軸を回転させたときにトルク計によって所定時間の間に検出されるトルクの平均値を意味する。なお、
図10においては、説明を分かりやすくするために、無負荷時にトルク伝達軸に作用するトルクの変化を正弦波で示しているが、実際には、完全な正弦波にはならない。また、
図10および
図11において破線は、トルク伝達軸の回転角度が360°変化する間に、トルク伝達軸に作用するトルクの平均値を示している。前述のように、トルク伝達軸に作用するトルクは回転角度によって変化するが、通常の試験運転において、トルク伝達軸は回転しているため、トルク計によって計測されるトルクはその平均値として得られる。
【0008】
図10を参照して、例えば、トルク伝達軸の回転角度がθ
X°の時に零点設定を行うと、上記平均値よりも高いトルク値Tr(θ
X)が零点に設定される。この場合、
図11を参照して、トルク計によって検出される平均トルクは、上記平均値よりも低いトルク値Tr
A(θ
X)となる。このため、供試体の試験を行う際に、トルク伝達軸に作用するトルクを平均トルクとして求める場合、該平均トルクは、トルク伝達軸に実際に作用するトルクよりも低い値として検出されることになる。
【0009】
また、
図10を参照して、トルク伝達軸の回転角度がθ
Y°の時に零点設定を行うと、上記平均値よりも低いトルク値Tr(θ
Y)が零点に設定される。この場合、
図11を参照して、トルク計によって検出される平均トルクは、上記平均値よりも高いトルク値Tr
A(θ
Y)となる。このため、供試体の試験を行う際に、トルク伝達軸に作用するトルクを平均トルクとして求める場合、該平均トルクは、トルク伝達軸に実際に作用するトルクよりも高い値として検出されることになる。
【0010】
このように、無負荷時にトルク伝達軸に作用するトルクが上記のように変化する場合、零点設定を行う時のトルク伝達軸の回転角度によって、供試体の試験を行う際のトルク計の検出値に誤差が生じる場合がある。すなわち、供試体に負荷されるトルクを適切に評価することができない場合がある。
【0011】
本発明は、トルク計によって検出されるトルク値の零点設定を適切に行うことができる構成を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
トルク伝達軸に作用するトルクが上記平均値と等しい値または上記平均値に近い値(以下、これらの値を基準トルク値という。)になる時に零点設定を行うことができれば、基準トルク値が零点に設定されるので、上記のような誤差の発生を抑制できる。
【0013】
図10の例では、トルク回転軸の回転角度がθ
a°、θ
b°、または(θ
a+360)°の時に零点設定を行うことによって、基準トルク値を零点に設定することができる。
図11を参照して、例えば、トルク回転軸の回転角度がθ
b°の時に零点設定を行うと、平均トルクは、基準トルク値に等しいトルク値Tr
A(θ
b)となる。したがって、供試体の試験を行う際に、トルク伝達軸に実際に作用するトルクを、平均トルクとして求めることができる。これにより、供試体に負荷されるトルクを適切に評価することができる。
【0014】
本発明者は、上記のような観点に基づいて、以下のような構成を見出した。
【0015】
本発明の一実施形態に係る零点設定方法は、トルク伝達軸を有するトルク計の検出信号に基づいてトルク検出部によって検出されるトルク値の零点設定を行う零点設定方法であって、
(i)前記トルク伝達軸の回転位置が下記式(1)によって定まるn個(nは3以上の自然数)の予備零点角度のときに、前記トルク検出部によって検出されるトルク値を零に設定するn回の予備零点処理と、
(ii)前記予備零点処理ごとに、前記トルク伝達軸の回転中の所定時間の間に前記トルク検出部によって検出されるトルク値の平均値を予備平均値として求める予備平均処理と、
(iii)前記予備平均値に基づいて、2つの第1基準零点角度を決定する第1基準零点角度決定処理と、
(iv)前記トルク伝達軸の回転位置が前記2つの第1基準零点角度のときに、前記トルク検出部によって検出されるトルク値を零に設定する2回の第1基準零点処理と、
(v)前記第1基準零点処理ごとに、前記トルク伝達軸の回転中の所定時間の間に前記トルク検出部によって検出されるトルク値の平均値を第1基準平均値として求める第1基準平均処理と、
(vi)前記第1基準平均値に基づいて、2つの第2基準零点角度を決定する第2基準零点角度決定処理と、
(vii)前記トルク伝達軸の回転位置が前記2つの第2基準零点角度のときに、前記トルク検出部によって検出されるトルク値を零に設定する2回の第2基準零点処置と、
(viii)前記第2基準零点処理ごとに、前記トルク伝達軸の回転中の所定時間の間に前記トルク検出部によって検出されるトルク値の平均値を第2基準平均値として求める第2基準平均処理と、
(ix)前記第2基準平均値に基づいて、本零点角度を決定する本零点角度決定処理と、
(x)前記トルク伝達軸の回転位置が前記本零点角度のときに、前記トルク検出部によって検出されるトルク値を零に設定する本零点処理と、
を備え、
前記(iii)の第1基準零点角度決定処理は、順に実行される下記の(a)〜(c)の処理を含み、
前記(vi)の第2基準零点角度決定処理は、順に実行される下記の(d)および(e)の処理を含み、
前記(ix)の本零点角度決定処理は、順に実行される下記の(f)および(g)の処理を含む。
θ
x−1=θ
0+(x−1)×(360/n)° ・・・(1)
上記式(1)において、θ
x−1は予備零点角度であり、θ
0は、前記トルク伝達軸の任意の回転角度であり、xは係数(x=1、2、・・・、n)である。
(a)前記予備零点処理ごとに求められた前記予備平均値のうちから下記式(2)および(3)を満たす予備平均値Tr
A(θ
K)およびTr
A(θ
K+1)、または下記式(4)および(5)を満たす予備平均値Tr
A(θ
K)およびTr
A(θ
K+1)を選択する処理。
Tr
A(θ
K)<Tr
B ・・・(2)
Tr
A(θ
K+1)≧Tr
B ・・・(3)
Tr
A(θ
K)>Tr
B ・・・(4)
Tr
A(θ
K+1)≦Tr
B ・・・(5)
上記式(2)〜(5)において、Tr
Bは、所定の基準トルク値である。θ
Kおよびθ
K+1はそれぞれ前記予備零点角度を意味し、θ
K+1はθ
Kよりも(360/n)°大きい回転角度を意味する。Tr
A(θ
K)は、予備零点角度θ
Kで前記予備零点処理したときに求められる前記予備平均値であり、Tr
A(θ
K+1)は、予備零点角度θ
K+1で前記予備零点処理したときに求められる前記予備平均値である。
(b)前記予備零点角度θ
Kおよびθ
K+1、前記基準トルク値Tr
B、前記(a)の処理で選択された前記予備平均値Tr
A(θ
K)およびTr
A(θ
K+1)、ならびに下記式(6)に基づいて、暫定角度θ
Tを求める処理。
θ
T={θ
K+1・(Tr
B−Tr
A(θ
K))+θ
K・(Tr
A(θ
K+1)−Tr
B)}/{Tr
A(θ
K+1)−Tr
A(θ
K)} ・・・(6)
(c)前記(b)の処理で求められた前記暫定角度θ
T、ならびに下記式(7)および(8)に基づいて、第1基準零点角度θ
B1およびθ
B2を求める処理。
θ
B1=θ
T−α ・・・(7)
θ
B2=θ
T+α ・・・(8)
上記式(7)および(8)において、αは、予め設定された回転角度である。
(d)前記第1基準零点角度θ
B1およびθ
B2、前記基準トルク値Tr
B、ならびに下記式(9)に基づいて、予測角度θ
Eを求める処理。
θ
E={θ
B2・(Tr
B−Tr
A(θ
B1))+θ
B1・(Tr
A(θ
B2)−Tr
B)}/{Tr
A(θ
B2)−Tr
A(θ
B1)} ・・・(9)
上記式(9)において、Tr
A(θ
B1)は、前記第1基準零点角度θ
B1で前記第1基準零点処理したときに求められる前記第1基準平均値であり、Tr
A(θ
B2)は、前記第1基準零点角度θ
B2で前記第1基準零点処理したときに求められる前記第1基準平均値である。
(e)前記予測角度θ
E、ならびに下記式(10)および(11)に基づいて、第2基準零点角度θ
B3およびθ
B4を求める処理。
θ
B3=θ
E−β ・・・(10)
θ
B4=θ
E+β ・・・(11)
上記式(10)および(11)において、βは、予め設定された回転角度である。
(f)下記式(12)を満たしているか否かを判別する処理。
|Tr
A(θ
B3)+Tr
A(θ
B4)−2Tr
B|≦Th ・・・(12)
上記式(12)において、Tr
A(θ
B3)は、前記第2基準零点角度θ
B3で前記第2基準零点処理したときに求められる前記第2基準平均値であり、Tr
A(θ
B4)は、前記第2基準零点角度θ
B4で前記第2基準零点処理したときに求められる前記第2基準平均値である。Thは、予め設定された閾値である。
(g)前記第2基準平均値Tr
A(θ
B3),Tr
A(θ
B4)および前記基準トルク値Tr
Bが上記式(12)を満たしている場合には、前記予測角度θ
Eを前記本零点角度に設定する。一方、前記第2基準平均値Tr
A(θ
B3),Tr
A(θ
B4)および前記基準トルク値Tr
Bが上記式(12)を満たしていない場合には、前記第2基準零点角度θ
B3およびθ
B4を、前記第1基準零点角度θ
B1およびθ
B2として設定し、前記第2基準平均値Tr
A(θ
B3)およびTr
A(θ
B4)を前記第1基準平均値Tr
A(θ
B1)およびTr
A(θ
B2)として設定し、上記式(12)が満たされるまで前記(vi)から前記(ix)の処理を再度実行する処理。
【0016】
本実施形態においては、トルク検出部によって検出されるトルク値の零点設定および平均トルクの算出を繰り返すことによって、本零点角度が決定される。具体的には、トルク伝達軸に作用するトルクが基準トルク値Tr
Bに十分に近いときに本零点処理を行うことができるように、本零点角度が決定される。このように決定された本零点角度に基づいて零点設定を行うことによって、トルク伝達軸に作用するトルクを、基準トルク値Tr
Bに基づいて評価することができる。これにより、例えば、無負荷時にトルク伝達軸に作用するトルクが回転角度によって変化する場合でも、その変化の影響を十分に低減した零点設定が可能となり、トルク伝達軸に作用するトルクを精度よく検出することができる。
【0017】
また、上述したように、通常の試験運転においては、トルク伝達軸に作用するトルクは、平均トルクとして計測される。本実施形態においては、本零点角度を決定する過程において、通常の試験運転と同様に、回転中のトルク伝達軸に作用するトルクが、平均トルク(予備平均値、第1基準平均値、および第2基準平均値)として計測される。そして、計測された平均トルクに基づいて本零点角度が決定される。すなわち、本実施形態では、通常の試験運転時の条件(実条件)と同じ条件または近い条件の下で、本零点角度を決定することができる。これにより、実条件に対応した適切な本零点角度を決定することができる。また、通常の試験運転と同様にトルク伝達軸を回転させながら、該トルク伝達軸に作用するトルクを検出すればよいので、零点設定を行う際の作業効率の低下を防止できる。
【0018】
以上のように、本実施形態によれば、零点設定を適切に行うことができ、供試体に負荷されるトルクを適切に評価することができる。
【0019】
本発明のその他の実施形態に係る評価装置は、トルク伝達軸を有するトルク計の検出信号に基づいてトルク検出部によってトルク値を検出し、かつ上記の零点設定方法によって前記トルク検出部によって検出されるトルク値の零点設定を行う評価装置であって、
前記(i)、(iv)、(vii)、および(x)の処理を行う零点設定部と、
前記(ii)、(v)、および(viii)の処理を行う平均値処理部と、
前記(iii)、(vi)、および(ix)の処理を行う角度計算部と、
を備える。
【0020】
本発明のさらに他の実施形態に係るプログラムは、トルク伝達軸を有するトルク計の検出信号に基づいてトルク検出部によってトルク値を検出する評価装置において、前記トルク検出部によって検出されるトルク値の零点設定を行うためのプログラムであって、コンピュータに、
(i)前記トルク伝達軸の回転位置が下記式(1)によって定まるn個(nは3以上の自然数)の予備零点角度のときに、前記トルク検出部によって検出されるトルク値を零に設定するn回の予備零点処理と、
(ii)前記予備零点処理ごとに、前記トルク伝達軸の回転中の所定時間の間に前記トルク検出部によって検出されるトルク値の平均値を予備平均値として求める予備平均処理と、
(iii)前記予備平均値に基づいて、2つの第1基準零点角度を決定する第1基準零点角度決定処理と、
(iv)前記トルク伝達軸の回転位置が前記2つの第1基準零点角度のときに、前記トルク検出部によって検出されるトルク値を零に設定する2回の第1基準零点処理と、
(v)前記第1基準零点処理ごとに、前記トルク伝達軸の回転中の所定時間の間に前記トルク検出部によって検出されるトルク値の平均値を第1基準平均値として求める第1基準平均処理と、
(vi)前記第1基準平均値に基づいて、2つの第2基準零点角度を決定する第2基準零点角度決定処理と、
(vii)前記トルク伝達軸の回転位置が前記2つの第2基準零点角度のときに、前記トルク検出部によって検出されるトルク値を零に設定する2回の第2基準零点処置と、
(viii)前記第2基準零点処理ごとに、前記トルク伝達軸の回転中の所定時間の間に前記トルク検出部によって検出されるトルク値の平均値を第2基準平均値として求める第2基準平均処理と、
(ix)前記第2基準平均値に基づいて、本零点角度を決定する本零点角度決定処理と、
(x)前記トルク伝達軸の回転位置が前記本零点角度のときに、前記トルク検出部によって検出されるトルク値を零に設定する本零点処理と、
を実行させ、
前記(iii)の第1基準零点角度決定処理は、順に実行される下記の(a)〜(c)の処理を含み、
前記(vi)の第2基準零点角度決定処理は、順に実行される下記の(d)および(e)の処理を含み、
前記(ix)の本零点角度決定処理は、順に実行される下記の(f)および(g)の処理を含む。
θ
x−1=θ
0+(x−1)×(360/n)° ・・・(1)
上記式(1)において、θ
x−1は予備零点角度であり、θ
0は、前記トルク伝達軸の任意の回転角度であり、xは係数(x=1、2、・・・、n)である。
(a)前記予備零点処理ごとに求められた前記予備平均値のうちから下記式(2)および(3)を満たす予備平均値Tr
A(θ
K)およびTr
A(θ
K+1)、または下記式(4)および(5)を満たす予備平均値Tr
A(θ
K)およびTr
A(θ
K+1)を選択する処理。
Tr
A(θ
K)<Tr
B ・・・(2)
Tr
A(θ
K+1)≧Tr
B ・・・(3)
Tr
A(θ
K)>Tr
B ・・・(4)
Tr
A(θ
K+1)≦Tr
B ・・・(5)
上記式(2)〜(5)において、Tr
Bは、所定の基準トルク値である。θ
Kおよびθ
K+1はそれぞれ前記予備零点角度を意味し、θ
K+1はθ
Kよりも(360/n)°大きい回転角度を意味する。Tr
A(θ
K)は、予備零点角度θ
Kで前記予備零点処理したときに求められる前記予備平均値であり、Tr
A(θ
K+1)は、予備零点角度θ
K+1で前記予備零点処理したときに求められる前記予備平均値である。
(b)前記予備零点角度θ
Kおよびθ
K+1、前記基準トルク値Tr
B、前記(a)の処理で選択された前記予備平均値Tr
A(θ
K)およびTr
A(θ
K+1)、ならびに下記式(6)に基づいて、暫定角度θ
Tを求める処理。
θ
T={θ
K+1・(Tr
B−Tr
A(θ
K))+θ
K・(Tr
A(θ
K+1)−Tr
B)}/{Tr
A(θ
K+1)−Tr
A(θ
K)} ・・・(6)
(c)前記(b)の処理で求められた前記暫定角度θ
T、ならびに下記式(7)および(8)に基づいて、第1基準零点角度θ
B1およびθ
B2を求める処理。
θ
B1=θ
T−α ・・・(7)
θ
B2=θ
T+α ・・・(8)
上記式(7)および(8)において、αは、予め設定された回転角度である。
(d)前記第1基準零点角度θ
B1およびθ
B2、前記基準トルク値Tr
B、ならびに下記式(9)に基づいて、予測角度θ
Eを求める処理。
θ
E={θ
B2・(Tr
B−Tr
A(θ
B1))+θ
B1・(Tr
A(θ
B2)−Tr
B)}/{Tr
A(θ
B2)−Tr
A(θ
B1)} ・・・(9)
上記式(9)において、Tr
A(θ
B1)は、前記第1基準零点角度θ
B1で前記第1基準零点処理したときに求められる前記第1基準平均値であり、Tr
A(θ
B2)は、前記第1基準零点角度θ
B2で前記第1基準零点処理したときに求められる前記第1基準平均値である。
(e)前記予測角度θ
E、ならびに下記式(10)および(11)に基づいて、第2基準零点角度θ
B3およびθ
B4を求める処理。
θ
B3=θ
E−β ・・・(10)
θ
B4=θ
E+β ・・・(11)
上記式(10)および(11)において、βは、予め設定された回転角度である。
(f)下記式(12)を満たしているか否かを判別する処理。
|Tr
A(θ
B3)+Tr
A(θ
B4)−2Tr
B|≦Th ・・・(12)
上記式(12)において、Tr
A(θ
B3)は、前記第2基準零点角度θ
B3で前記第2基準零点処理したときに求められる前記第2基準平均値であり、Tr
A(θ
B4)は、前記第2基準零点角度θ
B4で前記第2基準零点処理したときに求められる前記第2基準平均値である。Thは、予め設定された閾値である。
(g)前記第2基準平均値Tr
A(θ
B3),Tr
A(θ
B4)および前記基準トルク値Tr
Bが上記式(12)を満たしている場合には、前記予測角度θ
Eを前記本零点角度に設定する。一方、前記第2基準平均値Tr
A(θ
B3),Tr
A(θ
B4)および前記基準トルク値Tr
Bが上記式(12)を満たしていない場合には、前記第2基準零点角度θ
B3およびθ
B4を、前記第1基準零点角度θ
B1およびθ
B2として設定し、前記第2基準平均値Tr
A(θ
B3)およびTr
A(θ
B4)を前記第1基準平均値Tr
A(θ
B1)およびTr
A(θ
B2)として設定し、上記式(12)が満たされるまで前記(vi)から前記(ix)の処理を再度実行する処理。