【解決手段】LCDは、第1の光変調信号入力を含む少なくとも1つの透過光変調器と第2の光変調信号入力を含む少なくとも1つの反射光変調器とを含む2次元画素アレイと、複数の画像をディスプレイドライバに供給するように構成されたプロセッサと、複数の画像を2次元画素アレイに供給するように構成されたディスプレイドライバとを含む。ディスプレイドライバは、第1の画像フレームを透過光変調器に供給し、第2の画像フレームを反射光変調器に供給する。ディスプレイドライバは、第1の画像フレームを透過光変調器に供給するとともに第2の画像フレームを反射光変調器に供給し、第1の画像フレームが透過光変調器によって表示されるのと同時に第2の画像フレームが反射光変調器によって表示される。
前記プロセッサは、前記第1および第2の画像フレームを2倍のサイズの画像フレームとして前記ディスプレイドライバに供給する、請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
前記2倍のサイズの画像フレームは所定の長さを有する複数の画素からなり、前記所定の長さの複数の画素のうち第1の半分は前記第1の画像フレームを含み、前記所定の長さの複数の画素のうち第2の半分は前記第2の画像フレームを含む、請求項2に記載の液晶ディスプレイ。
前記ディスプレイドライバと通信し、前記ディスプレイドライバにより供給される画像フレームを記憶するように構成されたメモリセルをさらに備える請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
前記ディスプレイドライバは、前記透過光変調器によりアクセスされる前記メモリセルに第1の画像を供給し、前記反射光変調器に第2の画像を直接供給する、請求項4に記載の液晶ディスプレイ。
前記ディスプレイドライバは、前記反射光変調器によりアクセスされる前記メモリセルに第2の画像を供給し、前記透過光変調器に第1の画像を直接供給する、請求項4に記載の液晶ディスプレイ。
前記透過光変調器および前記反射光変調器と通信する光センサをさらに備え、前記光センサは、前記透過光変調器および前記反射光変調器に表示する画像フレームを決定するように構成されている、請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
前記反射光変調器と通信する光源をさらに備え、前記光源は、前記反射光変調器を照明することにより前記第2の画像フレームの表示を可能にする、請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、透過型ディスプレイと反射型ディスプレイとをハイブリッドディスプレイに組み合わせることを可能とする方法およびシステムを記載する。このようなハイブリッドディスプレイは、ユーザがディスプレイを屋外または屋内で使用し、機密情報を隠蔽し、ディスプレイ上の画像の品質を改善することを可能とする。
【0014】
図1は、幾つかの実施形態に従って構築された電子ディスプレイ102を搭載した装置100の正面図である。装置100は、例えば、スマートフォン、ハンドヘルド電子ゲーム、またはタブレットコンピュータとすることができる。この装置は携帯型であり、任意で、限られたエネルギー源によって電力供給され、および/または様々な周辺光の条件で使用され得る。例えば、装置100は、極めて暗い状態から極めて明るい状態まで変化する周辺光の条件下で屋内または屋外で使用され得る。
【0015】
図2は、幾つかの実施形態に従って
図1に示す装置100が使用されるシステム200の概略図である。システム200は、例えばインターネット、1つ以上のWi−Fi(登録商標)ネットワーク、および/または1つ以上のセルラ電話ネットワークなどの1つ以上の相互接続ネットワーク202を含む。装置100は、例えばWi−Fi通信リンクまたはセルラ電話リンクによって1つ以上の相互接続ネットワーク202に通信可能に接続することができる。また、サーバコンピュータ204が1つ以上の相互接続ネットワーク202に接続されており、これにより、サーバコンピュータ204は1つ以上の相互接続ネットワーク202を介して装置100に通信可能に接続することができる。装置100のディスプレイ102に表示されるコンテンツは、1つ以上の相互接続ネットワーク202を通じてサーバコンピュータ204から受信され得る。ネットワーク接続によってサポートされた装置100は、ウェブページ、電子書籍、ビデオ、アイコン、メニュー、メッセージなどの様々なデータを、フルカラービデオおよびグラフィックス、カラー、白黒、セピア写真、明るい背景に黒(または他の色)のテキスト、暗い背景に白(または別の色)のテキストなどを含む様々なフォーマットで表示することができる。
【0016】
図3は、幾つかの実施形態に従った
図1に示す装置100のブロック図である。
図3に示されるように、装置100は、送受信機302、プロセッサ304、第1のアナログ/デジタル変換器(A/D)306、デジタル/アナログ変換器(D/A)308、タッチセンサ310、プログラムメモリ312、ワークメモリ314、バックライトドライバ316、ディスプレイドライバ318、第2のA/D320、およびカメラインタフェース322を含み、これらは全てシステムバス324に接続されている。送受信機302はアンテナ326に接続されており、これにより装置100は情報を無線で送受信することができる。
【0017】
プロセッサ304は、装置100の動作全体を制御する。プロセッサ304は、ワークメモリ314を使用して、プログラムメモリ312に記憶されたプログラムを実行する。第1のA/D306は、音声および他の音を装置100に入力することができるように、マイクロフォン増幅器330を介してマイクロフォン328に接続されている。D/A308は、音声および他の音を装置100から出力することができるように、スピーカ増幅器334を介してイヤホンスピーカ332に接続されている。タッチセンサ336は、タッチセンサコントローラ310に接続されている。タッチセンサ336は、ディスプレイドライバ318に接続されたディスプレイ102に対して位置決めされている。装置100はタッチスクリーンディスプレイ102を含むことができるが、ディスプレイはタッチセンサなしで実装されてもよい。
【0018】
バックライトドライバ316は、ディスプレイ102に光学的に接続されたバックライト340に接続されている。バックライト340は、任意で、一般的な周辺光のレベルおよび装置100とのユーザ相互作用の評価を考慮に入れたロジック、あるいはユーザによる特定モードの選択に従って選択的に駆動され得る。光センサ342は第2のA/D320に接続されている。カメラ344はカメラインタフェース322に接続されている。カメラ344によって取り込まれた画像またはビデオクリップはディスプレイ102に表示することができる。
【0019】
図4は、
図1に示す装置100のディスプレイ102に実装可能な画素400であって、本願の幾つかの実施形態に従った異なる方法で光を変調する異なるサブ画素を含む画素400の上面(平面)図である。
図4を参照すると、画素400は、第1サブ画素402、第2サブ画素404、第3サブ画素406、第4サブ画素408、第5サブ画素410、および第6サブ画素412を含む。第4サブ画素408、第5サブ画素410、および第6サブ画素412は各々、液晶状態に基づいて、バックライト340から発せられた光の強度を独立して伝搬および変調(または遮断)する透過光変調器である。したがって、光は、バックライト340から第4サブ画素408、第5サブ画素410、および第6サブ画素412を通って、見ている人に届く。画素400は、ディスプレイを形成する2次元アレイの一部とすることができる。幾つかの実施形態では、2次元アレイ内の各画素は、画素400と一般的に同じ構造を有する。
【0020】
第4サブ画素408、第5サブ画素410、および第6サブ画素412は各々、異なる透過型カラーフィルタ、例えば、赤、緑、青の光をそれぞれ透過させるカラーフィルタを含み得る。各カラーフィルタは異なるスペクトルバンドパスを有する。なお、例えば、シアン、マゼンタ、イエローのような異なるカラーフィルタを使用することもできる。
【0021】
図示されるように、第1サブ画素402、第2サブ画素404、および第3サブ画素406は反射光変調器である。第1サブ画素402、第2サブ画素404、および第3サブ画素406のうちの1つ以上は、任意で、カラーフィルタを含み得る。第1サブ画素402、第2サブ画素404、および第3サブ画素406のスペクトルバンドパスは、第4サブ画素408、第5サブ画素410、および第6サブ画素412のスペクトルバンドパスより広いものとすることができ、例えば、白色光またはわずかに色づいた光を反射することができる。幾つかの実施形態では、反射サブ画素のカラーフィルタを使用して反射サブ画素を白色に補正する。幾つかの実施形態では、反射サブ画素の色は、3200K〜8000Kの色温度を有する白色であり、D65光源で照明された場合には、abs(Duv)<0.05である。液晶材料が整列しているとき、第1サブ画素402、第2サブ画素404、および第3サブ画素406は、第1サブ画素402、第2サブ画素404、および第3サブ画素406に入射する周辺光をその強度を変調しながら反射することができる。液晶材料が「オン状態」に整列していないときは、周辺光の多くが第1サブ画素402、第2サブ画素404、および第3サブ画素406の反射材料に到達することを防止するか、または光の偏光に影響を及ぼすか偏光を失わせることで、反射光が画素400の前方(上方)に設けられた偏光子(図示せず)を通過することを防止する。
【0022】
第1サブ画素402および第4サブ画素408の双方は、第1列データ線420に対応している。第2サブ画素404および第5サブ画素410の双方は、列データ線422に対応している。第3サブ画素406および第6サブ画素412の双方は、列データ線424に対応している。各反射光変調器(第1サブ画素402、第2サブ画素404、および第3サブ画素406)は行選択線426に対応している。各透過光変調器(第4サブ画素408、第5サブ画素410、および第6サブ画素412)は行選択線428に対応している。第1サブ画素402、第2サブ画素404、第3サブ画素406、第4サブ画素408、第5サブ画素410、および第6サブ画素412はそれぞれ、第1サブ画素入力403、第2サブ画素入力405、第3サブ画素入力407、第4サブ画素入力409、第5サブ画素入力411、および第6サブ画素413を含み、それらはそれぞれ、第1薄膜トランジスタ(TFT)430、第2TFT432、第3TFT434、第4TFT436、第5TFT438、および第6TFT440のドレインに接続されている。なお、TFD(薄膜ダイオード)または他のタイプの回路も、TFTと同様の機能を果たすことができる。
【0023】
第1TFT430、第2TFT432、および第3TFT434のゲートは行選択線426に接続されている。第4TFT436、第5TFT438、および第6TFT440のゲートは行選択線428に接続されている。第1蓄積キャパシタ450、第2蓄積キャパシタ452、および第3蓄積キャパシタ454は各々、行選択線426に接続された第1端子と、第1サブ画素入力403、第2サブ画素入力405、および第3サブ画素入力407にそれぞれ接続された第2端子とを含む。第4蓄積キャパシタ456、第5蓄積キャパシタ458、および第6蓄積キャパシタ460は各々、行選択線428に接続された第1端子と、第4サブ画素入力409、第5サブ画素入力411、および第6サブ画素入力413にそれぞれ接続された第2端子とを含む。
【0024】
第1蓄積キャパシタ450、第2蓄積キャパシタ452、第3蓄積キャパシタ454、第4蓄積キャパシタ456、第5蓄積キャパシタ458、および第6蓄積キャパシタ460はそれぞれ、第1TFT430、第2TFT432、第3TFT434、第4TFT436、第5TFT438、第6TFT440がオンされたとき、第1列データ線420、第2列データ線422、第3列データ線424のいずれかを介して印加される電圧レベルを維持するために用いられる(書き込み表示走査サイクルの間に或る程度の電荷リークは存在する)。
【0025】
各サブ画素が透過光変調器のみであるかまたは反射光変調器のみであるため、2種類のサブ画素をそれぞれ駆動するために使用する駆動信号を個別に調整することができる。これは、反射光変調部および透過光変調部の双方が同じ制御電圧で駆動される半透過型サブ画素とは対照的である。具体的には、各種類(反射型または透過型)のサブ画素が所与の所望の入出力応答、例えば、線形または所定のガンマ値に従った入出力応答に対して改善された忠実度で応答するように各画素の輝度値の電圧を選択することができる。これは、典型的な半透過型サブ画素では、透過光変調部および反射光変調部が電圧に応じて同じ輝度を示さないため、重要であり得る。
【0026】
幾つかの実施形態では、反射光変調器(第1サブ画素402、第2サブ画素404、および第3サブ画素408)に対する透過光変調器(第4サブ画素408、第5サブ画素410、および第6サブ画素412)の表面積の比は約1:1〜約1:3である。幾つかの実施形態では、反射光変調器に対する透過光変調器の表面積の比は約1:1.5〜約1:2である。幾つかの実施形態では、反射光変調器に対する透過光変調器の表面積の比は約1:1.7である。この比率は、反射率を改善するために選択され得る。
【0027】
幾つかの実施形態では、画素400を含むディスプレイ(例えば、
図1に示す装置100の電子ディスプレイ102)は、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の動作モードを有し得る。動作モードの例としては、反射モード、透過モード、ハイブリッドモードが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、装置は反射モードで動作することができる。この反射モードでは、透過光変調器(例えば、第4サブ画素408、第5サブ画素410、および第6サブ画素412)は、それら透過光変調器を制御する行選択線(例えば、行選択線428)を用いてオフされる。反射光変調器(第1サブ画素402、第2サブ画素404、および第3サブ画素406)は、それら反射光変調器を制御する行選択線(例えば、行選択線426)を用いてオンされ、反射される光の量は、複数の列データ線(例えば、列データ線420、列データ線422、および列データ線424)によって制御される。幾つかの実施形態では、反射モードでの動作は、後述する透過モードよりも高い解像度を提供する(例えば、利用可能な画素において3倍増加させる)ことができる。これは、各反射光変調器を個別のグレースケール画素として機能するように用いることができるためである。これに対し、例えば、赤、緑、青の光を透過させるために透過光変調器が使用される場合、3つの透過光変調器は単一の色画素を形成し得る。
【0028】
幾つかの実施形態では、装置は透過モードで動作することができる。この透過モードでは、反射光変調器は、その反射光変調器を制御する行選択線を用いてオフされる。透過光変調器は適切な行選択線を用いてオンされ、放出される色が列データ線によって制御される。
【0029】
幾つかの実施形態では、装置はハイブリッドモードで動作することができる。このハイブリッドモードでは、透過光変調器および反射光変調器の双方が行選択線を用いてオンされる。ハイブリッドモードの幾つかの実施形態では、同じ列データ線を共有する透過光変調器および反射光変調器(例えば、第1サブ画素402と第4サブ画素408は列データ線420を共有する)は、同じ信号を受信する。非限定的な例として、画素400には、赤の色(RGBカラー(255,0,0)を有する)を表示するための信号を供給することができる。サブ画素408、サブ画素410、およびサブ画素412がそれぞれ、赤、緑、青の色に対応すると仮定した場合、列データ線420は、信号「255」をサブ画素402およびサブ画素408の双方に供給し得る一方、列データ線422および列データ線424の双方は信号「0」を供給する。したがって、このハイブリッドモードの例は、反射光変調器での表示においてカラーデータをグレースケールに符号化するための簡単な手順を提供する。ハイブリッドモードの幾つかの実施形態では、同じ列データ線を共有する透過光変調器と反射光変調器は、列データ線と行選択線を適切に調節することによって異なる信号を受信する。幾つかの実施形態では、ハイブリッドモードは、適切な照明(例えば、屋内)の下で透過光変調器によるカラー画像を表示するという利点を提供することができ、周辺光が強すぎてカラー画像を見ることができないときには反射光変調器によって生成されたグレースケール画像が現れる。
【0030】
幾つかの実施形態では、装置は、異なるモード間を選択するように構成することができる。幾つかの実施形態では、装置は、周辺光の条件を検知するための光センサ(例えば、
図3に示される光センサ342)を使用し、明暗の条件に適した表示モードを選択するために、この情報をプロセッサ(例えば、プロセッサ304)によって使用することができる。幾つかの実施形態では、表示モードは、少なくとも部分的に、ユーザからの入力によって選択することができる。
【0031】
装置上でハイブリッドモードを実行するための方法は種々存在し、本発明は特定の方法に限定されない。幾つかの実施形態では、プロセッサは、ディスプレイドライバに画像を(例えば、RGBフレームを60Hzで)送り、ディスプレイドライバは、その画像をメモリに記憶する。ディスプレイドライバは、透過光変調器に画像を書き込む。また、ディスプレイドライバは、反射光変調器への書き込みのために画像を(例えば、グレースケールに)変換するための演算を行う。ディスプレイドライバにメモリを含めることにより、プロセッサは、任意で、変更があるときにのみ画像フレームを送信することができ、変更された画像部分のみを送信すればよい。
【0032】
幾つかの実施形態では、プロセッサは、ディスプレイドライバに2つの画像を送る。この2つの画像のうちの一方は反射光変調器を使用して表示するためのものであり、他方は透過光変調器を使用して表示するためのものである。ディスプレイドライバは、メモリに2つの画像を記憶し、その値を透過光変調器および反射光変調器に書き込む。ディスプレイドライバがメモリを有することにより、プロセッサは、変更があるときにのみ画像フレームを送信すればよく、変更された画像部分のみを送信すればよい。この方法は、反射光変調器および透過光変調器が別々の独立した画像データを受け取ることも可能にする。
【0033】
幾つかの実施形態では、ディスプレイドライバは、画像データを記憶するメモリを有していない。プロセッサは、ディスプレイドライバに2つの画像を送る。この2つの画像のうちの一方は反射光変調器を使用して表示するためのものであり、他方は透過光変調器を使用して表示するためのものである。ディスプレイドライバは、このデータを透過光変調器および反射光変調器に書き込む。プロセッサは、画像が変化するかどうかにかかわらず2つの画像のフル画像フレームデータを送信し続け得る。この方法も、反射光変調器および透過光変調器が別々の独立した画像データを受け取ることを可能にする。
【0034】
幾つかの実施形態では、ディスプレイドライバは、透過光変調器および反射光変調器の双方ではなく透過光変調器または反射光変調器のための画像を記憶するのに十分なメモリのみを含む。ディスプレイドライバは、反射光変調器のためのデータのみを記憶するか、透過光変調器のためのデータのみを記憶するか、またはいずれかの変調器のためにメモリの使用を切り替える(例えば、予測される電力消費に基づいてどのデータを記憶するかを選択する)ように構成され得る。プロセッサは、ディスプレイドライバに2つの画像を送る。2つの画像のうちの一方は反射光変調器を使用して表示するためのものであり、他方は透過光変調器を使用して表示するためのものである。ディスプレイドライバは、メモリに2つの画像のうちの一方を記憶し、その値を透過光変調器や反射光変調器に書き込む。ディスプレイドライバが一方の画像のためのメモリを有することにより、プロセッサは、変更(例えば、メモリに記憶されていない画像)があるときにのみ一方の画像の画像フレームを送信すればよく、変更された画像部分(例えば、メモリに記憶されている画像について)のみを送信すればよい。この方法も、反射光変調器および透過光変調器が別々の独立した画像データを受け取ることを可能にする。
【0035】
ハイブリッドモードの使用は、特定の1つまたは複数の画像や、特定の用途に限定されるものではない。幾つかの実施形態では、グラフィックス処理での影や光沢などの微妙なテクスチャ特徴を画像に追加するために、ハイブリッドモードを使用することができる。例えば、透過光変調器が一次画像を供給する一方、反射光変調器がテクスチャ特徴を追加してもよい。幾つかの実施形態では、2つの読み取り可能な画像を同時に表示するためにハイブリッドモードを使用することができる。例えば、透過光変調器が第1画像を表示する一方、反射光変調器が第1画像とは異なる第2画像を表示してもよい。これにより異なる画像が同時に表示される。幾つかの実施形態では、深度のあるデータを編成するためにハイブリッドモードを使用することができる。幾つかの実施形態では、コンピュータ読み取り可能な画像(例えば、QRコード(登録商標)、バーコードなど)と、ユーザが見ることが可能なもう一つの画像とを示すために、ハイブリッドモードを使用することができる。例えば、透過光変調器が会社のロゴを表示する一方、反射光変調器が会社のウェブサイトへのリンクを提供するQRコードを表示してもよい。QRコードは周辺光の条件によってはユーザには見えない可能性があるが、コンピュータは(例えば、ディスプレイを照明するためのフラッシュを使用するカメラによって)読み取り可能である。幾つかの実施形態では、画像の背後に背景を提供するためにハイブリッドモードが使用される。例えば、透過光変調器がテキストを表示する一方、反射光変調器がグレーと白の背景線を交互に生成することにより、ユーザがより容易にテキストの各線を区別することが可能となる。幾つかの実施形態では、オフセット画素を使用して3Dまたは視差効果を生成するためにハイブリッドモードを使用することができる。
【0036】
図5は、
図1に示す装置100のディスプレイ102に実装可能な画素500であって、本願の幾つかの実施形態に従った異なる方法で光を変調する異なるサブ画素を含む画素500の上面(平面)図である。
図5を参照すると、画素500は、第1サブ画素502、第2サブ画素504、第3サブ画素506、第4サブ画素508、第5サブ画素510、第6サブ画素512、第7サブ画素514、第8サブ画素516、第9サブ画素518、第10サブ画素520、第11サブ画素522、および第12サブ画素524を含む。第10サブ画素520、第11サブ画素522、および第12サブ画素524は各々、液晶状態に基づいて、バックライト340から発せられた光の強度を独立して伝搬および変調(または遮断)する透過光変調器である。したがって、光は、バックライト340から第10サブ画素520、第11サブ画素522、および第12サブ画素524を通って、見ている人へと届く。画素500は、ディスプレイを形成する2次元アレイの一部とすることができる。幾つかの実施形態では、2次元アレイ内の各画素は、画素500と一般的に同じ構造を有する。
【0037】
第10サブ画素520、第11サブ画素522、および第12サブ画素524は各々、異なる透過型カラーフィルタ、例えば、赤、緑、青の光をそれぞれ透過させるカラーフィルタを含み得る。各カラーフィルタは異なるスペクトルバンドパスを有する。なお、例えば、シアン、マゼンタ、イエローのような異なるカラーフィルタを使用することもできる。
【0038】
図示されるように、第1サブ画素502、第2サブ画素504、第3サブ画素506、第4サブ画素508、第5サブ画素510、第6サブ画素512、第7サブ画素514、第8サブ画素516、および第9サブ画素518は反射光変調器である。第1サブ画素502、第2サブ画素504、第3サブ画素506、第4サブ画素508、第5サブ画素510、第6サブ画素512、第7サブ画素514、第8サブ画素516、および第9サブ画素518のうちの1つ以上は、任意で、カラーフィルタを含み得る。第1サブ画素502、第2サブ画素504、第3サブ画素506、第4サブ画素508、第5サブ画素510、第6サブ画素512、第7サブ画素514、第8サブ画素516、および第9サブ画素518のスペクトルバンドパスは、第10サブ画素520、第11サブ画素522、および第12サブ画素524のスペクトルバンドパスより広いものとすることができ、例えば、白色光またはわずかに色づいた光を反射することができる。幾つかの実施形態では、反射サブ画素のカラーフィルタを使用して反射サブ画素を白色に補正する。幾つかの実施形態では、反射サブ画素の色は、3200K〜8000Kの色温度を有する白色であり、D65光源で照明された場合には、abs(Duv)<0.05である。液晶材料が整列しているとき、第1サブ画素502、第2サブ画素504、および第3サブ画素506は、第1サブ画素502、第2サブ画素504、および第3サブ画素506に入射する周辺光をその強度を変調しながら反射することができる。液晶材料が「オン状態」に整列していないときは、周辺光の多くが第1サブ画素502、第2サブ画素504、第3サブ画素506、第4サブ画素508、第5サブ画素510、第6サブ画素512、第7サブ画素514、第8サブ画素516、および第9サブ画素518の反射材料に到達することを防止するか、または光の偏光に影響を及ぼすか偏光を失わせることで、反射光が画素500の前方(上方)に設けられた偏光子(図示せず)を通過することを防止する。
【0039】
第1サブ画素502、第4サブ画素508、第7サブ画素514、および第10サブ画素520は各々、第1列データ線530に対応している。第2サブ画素504、第5サブ画素510、第8サブ画素516、および第11サブ画素522は各々、列データ線532に対応している。第3サブ画素506、第6サブ画素512、第9サブ画素518、および第12サブ画素524は各々、列データ線534に対応している。第1サブ画素502、第2サブ画素504、および第3サブ画素506は、行選択線536に対応している。第4サブ画素508、第5サブ画素510、および第6サブ画素512は、行選択線538に対応している。第7サブ画素514、第8サブ画素516、および第9サブ画素518は、行選択線540に対応している。各透過光変調器(第10サブ画素520、第11サブ画素522、および第12サブ画素524)は、行選択線542に対応している。
【0040】
第1サブ画素502、第2サブ画素504、第3サブ画素506、第4サブ画素508、第5サブ画素510、第6サブ画素512、第7サブ画素514、第8サブ画素516、第9サブ画素518、第10サブ画素520、第11サブ画素522、および第12サブ画素はそれぞれ、第1サブ画素入力503、第2サブ画素入力505、第3サブ画素入力507、第4サブ画素入力509、第5サブ画素入力511、第6サブ画素入力513、第7サブ画素入力515、第8サブ画素入力517、第9サブ画素入力519、第10サブ画素入力521、第11サブ画素入力523、および第12サブ画素入力525を含み、それらはそれぞれ、第1薄膜トランジスタ(TFT)550、第2TFT552、第3TFT554、第4TFT556、第5TFT558、第6TFT560、第7TFT562、第8TFT564、第9TFT566、第10TFT568、第11TFT570、第12TFT572のドレインに接続されている。なお、TFD(薄膜ダイオード)または他のタイプの回路も、TFTと同様の機能を果たすことができる。
【0041】
第1TFT550、第2TFT552、および第3TFT554のゲートは行選択線536に接続されている。第4TFT556、第5TFT558、および第6TFT560のゲートは行選択線538に接続されている。第7TFT562、第8TFT564、および第9TFT566のゲートは行選択線540に接続されている。第10TFT568、第11TFT570、および第12TFT572のゲートは行選択線542に接続されている。すなわち、行選択線542は、3つの透過光変調器に接続されている。
【0042】
第1蓄積キャパシタ551、第2蓄積キャパシタ553、および第3蓄積キャパシタ555は各々、行選択線536に接続された第1端子と、第1サブ画素入力503、第2サブ画素入力505、および第3サブ画素入力507にそれぞれ接続された第2端子とを含む。第4蓄積キャパシタ557、第5蓄積キャパシタ559、および第6蓄積キャパシタ561は各々、行選択線538に接続された第1端子と、第4サブ画素入力509、第5サブ画素入力511、および第6サブ画素入力513にそれぞれ接続された第2端子とを含む。第7蓄積キャパシタ563、第8蓄積キャパシタ565、および第9蓄積キャパシタ567は各々、行選択線540に接続された第1端子と、第7サブ画素入力515、第8サブ画素入力517、および第9サブ画素入力519にそれぞれ接続された第2端子とを含む。第10蓄積キャパシタ569、第11蓄積キャパシタ571、および第12蓄積キャパシタ573は各々、行選択線542に接続された第1端子と、第10サブ画素入力521、第11サブ画素入力523、および第12サブ画素入力525にそれぞれ接続された第2端子とを含む。
【0043】
第1蓄積キャパシタ551、第2蓄積キャパシタ553、第3蓄積キャパシタ555、第4蓄積キャパシタ557、第5蓄積キャパシタ559、第6蓄積キャパシタ561、第7蓄積キャパシタ563、第8蓄積キャパシタ565、第9蓄積キャパシタ567、第10蓄積キャパシタ569、第11蓄積キャパシタ571、および第12蓄積キャパシタ573はそれぞれ、第1TFT550、第2TFT552、第3TFT554、第4TFT556、第5TFT558、第6TFT560、第7TFT562、第8TFT564、第9TFT566、第10TFT568、第11TFT570、および第12TFT572がオンされたとき、第1列データ線530、第2列データ線532、および第3列データ線534のいずれかを介して印加される電圧レベルを維持するために用いられる(書き込み表示走査サイクルの間にある程度の電荷リークは存在する)。
【0044】
図4の画素400に関して上述したように、
図5の画素500では2種類のサブ画素をそれぞれ駆動するために使用する信号を個別に調整することができる。また、画素500を利用するディスプレイは、上述した反射モード、透過モード、およびハイブリッドモードなどの少なくとも3つのモードで動作することができる。
【0045】
幾つかの実施形態では、画素500で使用される反射モードは、透過モードよりも高い解像度(例えば、3倍高い解像度)を提供する。これは、複数の透過光変調器が単一の色画素を形成するように組み合わせられ得る一方で、各反射光変調器はグレースケール画素として独立して動作可能なためである。反射モードまたはハイブリッドモードでは、ディスプレイドライバ(例えば、
図3のディスプレイドライバ318)は、アプリケーションプロセッサ(例えば、
図3のプロセッサ304)から3x画像を受信可能であり、ディスプレイドライバは、その値を1:1の比率で各反射光変調器に書き込み得る。すなわち、各反射光変調器は固有の信号を受信することができる。透過モードまたはハイブリッドモードでは、ディスプレイドライバは、透過光変調器(例えば、3つの反射光変調器毎に1つずつの透過光変調器)によって提供されるより低い解像度を反映するように書き込み値を変換し得る。非限定的な例として、第1サブ画素502、第4サブ画素508、および第7サブ画素514の書き込み値を平均化した後に第10サブ画素520に書き込むことができる。換言すれば、同じ列データ線に接続された3つの反射光変調器の書き込み値が単一の値に変換(例えば、平均化)され、その後、この単一の値がその同じ列データ線に接続されている透過光変調器に書き込まれる。
【0046】
幾つかの実施形態では、アプリケーションプロセッサ(例えば、
図3のプロセッサ304)は、反射光変調器を用いて表示するための高解像度画像と透過光変調器を用いて表示するための低解像度画像との2つの画像を、ディスプレイドライバ(例えば、
図3のディスプレイドライバ318)に供給することができる。これら高解像度画像および低解像度画像は、同じ内容であってもよいしまたは異なる内容であってもよい。
【0047】
図6は、
図1に示す装置で使用可能な画像フレームであって、本願の幾つかの実施形態に従った異なる方法で光を変調する異なるサブ画素を含む画像フレームを表示するための処理を示すフローチャートである。
図6に示す処理600は、幾つかの実施形態では、ディスプレイ装置(例えば、
図4に示す画素400および/または
図5に示す画素500を有する
図1に示すディスプレイ装置100)を使用して(上述したような)ハイブリッドモードを実行するために使用され得る。処理600は、「フレームTをドライバに送信する」動作610と、「各画素に関する演算を実行してフレームRを生成する」動作620と、「フレームTをディスプレイTに送信し、フレームRをディスプレイRに送信する」動作630とを含む。動作610、動作620、および動作630は、順番に実行されてもよく、またはそれらのうちの2つ以上がほぼ同時に実行されてもよい。
【0048】
処理600は、「フレームTをドライバに送信する」動作610で開始し得る。例えば、アプリケーションプロセッサ(例えば、
図3に示すプロセッサ304)は、ディスプレイドライバ(例えば、
図3に示すディスプレイドライバ318)に画像フレームを送信し得る。動作610におけるフレームTのフォーマットおよび内容は限定されないが、概して透過光変調器を使用して表示するように構成され得る。幾つかの実施形態では、フレームTは、透過光変調器と1:1に対応する解像度を有し得る。例えば、ディスプレイが100個の画素を含み、各画素が3つの透過光変調器(例えば、赤色、緑色、青色)を有する場合、フレームTは100個の画素のためのRGBカラーコーディングを含み得る。幾つかの実施形態では、ディスプレイドライバは、プロセッサから受信した画像フレームTを記憶するメモリを含まない。
【0049】
動作610の後には「各画素に関する演算を実行してフレームRを生成する」動作620が続き得る。動作620は、透過光変調器を用いて表示するように構成された画像フレームTを、反射光変調器を用いて表示するように構成された画像フレームRに変換するために使用され得る。この変換演算は特に限定されるものでなく、反射光変調器によって表示するための適切な画像フレームデータを生成する任意の変換とすることができる。
【0050】
動作620で実行され得る変換演算の非限定的な一例を以下に説明する。画像フレームT(動作610でディスプレイドライバによって受信される画像フレーム)は、
図4に示される画素400のRGBカラーコードを含み、ここで、サブ画素408、サブ画素410、サブ画素412はそれぞれ、赤、緑、青の色に対応している。赤、緑、青の各値について演算(周辺光の条件を考慮した多項式など)が行われることにより、その信号がそれぞれサブ画素402、サブ画素404、サブ画素406での表示に適した値に変換される。このように、対応する透過光変調器と共通の列データ線に接続された同一画素内の反射光変調器(すなわち、
図4に示される各透過光変調器の直上の反射光変調器)での表示を行うために、各透過光変調器に割り当てられた信号が変換される。この例での変換は、
図5に示された画素500にも同様に適用することができる。この場合、変換演算は、同じ列データ線に接続された同一画素内の透過光変調器の信号に基づいて3つの反射光変調器にそれぞれ適切な信号を決定するように行われる。
【0051】
動作620の後には「フレームTをディスプレイTに送信し、フレームRをディスプレイRに送信する」動作630が続き得る。フレームTは透過光変調器に送信して表示することができ、フレームRは反射光変調器に送信して表示することができる。幾つかの実施形態では、画像フレームTおよび画像フレームRは、ほぼ同時にディスプレイ上に表示される。
【0052】
処理600は、ディスプレイ上に画像を連続的に表示するために必要に応じて繰り返すことができる。例えば、プロセッサは、フレームTの画像データを60Hzで繰り返し送信し得る。
【0053】
図7は、
図1に示す装置で使用可能な画像フレームであって、本願の幾つかの実施形態に従った異なる方法で光を変調する異なるサブ画素を含む画像フレームを表示するための処理を示すフローチャートである。
図7に示す処理700は、「フレームTをドライバに送信する」動作710と、「フレームTをディスプレイTおよびディスプレイRに送信する」動作720とを含む。動作710および動作720は、順番に実行されてもよく、またはほぼ同時に実行されてもよい。
【0054】
処理700は、「フレームTをドライバに送信する」動作710で開始し得る。例えば、アプリケーションプロセッサ(例えば、
図3に示すプロセッサ304)は、ディスプレイドライバ(例えば、
図3に示すディスプレイドライバ318)に画像フレームを送信し得る。動作710におけるフレームTのフォーマットおよび内容は限定されないが、概して透過光変調器を使用して表示するように構成され得る。幾つかの実施形態では、フレームTは、透過光変調器と1:1に対応する解像度を有し得る。例えば、ディスプレイが100個の画素を含み、各画素が3つの透過光変調器(例えば、赤色、緑色、青色)を有する場合、フレームTは100個の画素のためのRGBカラーコーディングを含み得る。幾つかの実施形態では、ディスプレイドライバは、プロセッサから受信した画像フレームTを記憶するメモリを含まない。
【0055】
動作710の後には「フレームTをディスプレイTおよびディスプレイRに送信する」動作720が続き得る。フレームTは透過光変調器および反射光変調器の双方に送信され得る。
図6に示される処理600とは対照的に、処理700は、フレームRを生成するための演算を含まない。非限定的な例として、画像フレームT(動作710でディスプレイドライバによって受信される画像フレーム)は、
図4に示される画素400のRGBカラーコードを含み、ここで、サブ画素408、サブ画素410、サブ画素412はそれぞれ、赤、緑、青の色に対応している。各透過光変調器に割り当てられた信号は、透過光変調器と共通の列データ線に接続された同一画素内の反射光変調器(すなわち、
図4に示される各透過光変調器の直上の反射光変調器)にも供給される。この例は、
図5に示された画素500にも同様に適用することができる。この場合、3つの反射光変調器の各々は、同じ列データ線に接続された同一画素内の透過光変調器と同じ信号を受信し得る。
【0056】
処理700は、ディスプレイ上に画像を連続的に表示するために必要に応じて繰り返すことができる。例えば、プロセッサは、フレームTの画像データを60Hzで繰り返し送信し得る。
【0057】
図8は、
図1に示す装置で使用可能な画像フレームであって、本願の幾つかの実施形態に従った異なる方法で光を変調する異なるサブ画素を含む画像フレームを表示するための処理を示すフローチャートである。
図8に示す処理800は、「第1フレームT1をドライバメモリに送信する」動作810と、「各画素に関する演算を実行してフレームR1を生成する」動作820と、「フレームT1をディスプレイTに送信し、フレームR1をディスプレイRに送信する」動作830と、「フレームT1およびフレームR1をドライバメモリからディスプレイTおよびディスプレイRへ送信する」動作840と、「第2フレームT2をドライバメモリに送信する」動作850と、「各画素に関する演算を実行してフレームR2を生成する」動作860と、「フレームT2をディスプレイTに送信し、フレームR2をディスプレイRに送信する」動作870と、を含む。動作810、動作820、動作830、動作840、動作850、動作860、および動作870は、順番に実行されてもよく、またはそれらのうちの2つ以上がほぼ同時に実行されてもよい。
【0058】
処理800は、「第1フレームT1をドライバメモリに送信する」動作810で開始し得る。例えば、アプリケーションプロセッサ(例えば、
図3に示すプロセッサ304)は、ディスプレイドライバ(例えば、
図3に示すディスプレイドライバ318)に画像フレームを送信し得る。動作810におけるフレームT1のフォーマットおよび内容は限定されないが、概して透過光変調器を使用して表示するように構成され得る。幾つかの実施形態では、フレームT1は、透過光変調器と1:1に対応する解像度を有し得る。例えば、ディスプレイが100個の画素を含み、各画素が3つの透過光変調器(例えば、赤色、緑色、青色)を有する場合、フレームT1は100個の画素のためのRGBカラーコーディングを含み得る。ドライバは、受信したフレームT1を記憶するメモリを含むことができる。
【0059】
動作810の後には「各画素に関する演算を実行してフレームR1を生成する」動作820が続き得る。動作820は、透過光変調器を用いて表示するように構成されたフレームT1を、反射光変調器を用いて表示するように構成されたフレームR1に変換するために使用され得る。変換演算は特に限定されるものでなく、反射光変調器によって表示するための適切な画像フレームデータを生成する任意の変換とすることができる。
図6に示す動作620に関して上述した非限定的な例を、幾つかの実施形態では、動作820で使用することができる。幾つかの実施形態では、演算されたフレームR1をドライバメモリに格納することができる。
【0060】
動作820の後には「フレームT1をディスプレイTに送信し、フレームR1をディスプレイRに送信する」動作830が続き得る。フレームT1は透過光変調器に送信して表示することができ、フレームR1は反射光変調器に送信して表示することができる。幾つかの実施形態では、画像フレームT1と画像フレームR1は、ほぼ同時にディスプレイ上に表示される。
【0061】
動作830の後には「フレームT1およびフレームR1をドライバメモリからディスプレイTおよびディスプレイRに送信する」動作840が続き得る。ドライバは、メモリに格納されたフレームT1およびフレームR1を使用して、同一フレームの送信を繰り返すことができる。したがって、プロセッサは、表示すべきフレームが変更された場合(例えば、タッチスクリーン上でのユーザの入力によって表示が変更されるとき)にのみディスプレイドライバにフレームを供給すればよい。変更がなければ、ディスプレイドライバはメモリに格納されたフレームT1およびR1をディスプレイに送信するために使用することができる。
【0062】
動作840の後には「第2フレームT2をドライバメモリに送信する」動作850が続き得る。プロセッサは、第2画像フレームであるフレームT2をドライバメモリに格納するために送信し得る。フレームT2は通常、フレームT1とは異なるが、これは必須ではない。一例として、タッチスクリーン上でのユーザの入力によって表示が変更されると、プロセッサはフレームT2をドライバメモリに送信する。幾つかの実施形態では、プロセッサは、フレームT2がフレームT1と異なる場合にのみフレームT2を送信するように構成されている。幾つかの実施形態では、フレームT1と異なるフレームT2の一部分のみがドライバメモリに送信される。例えば、プロセッサは、フレームT1内の画素と同じであるフレームT2内の画素のデータを送信しなくてもよい。
【0063】
動作850の後には「各画素に関する演算を実行してフレームR2を生成する」動作860が続き得る。動作860は、幾つかの実施形態では、動作820において実行される演算と同じ演算を実行することを含み得る。例えば、装置は、周辺光の条件の変化に起因した異なる演算を実行してもよい。また、装置は、表示モードを変更した場合に異なる演算を実行してもよい。幾つかの実施形態では、演算は、フレームT1とフレームT2との間で変化した画素についてのみ実行される。
【0064】
動作860の後には「フレームT2をディスプレイTに送信し、フレームR2をディスプレイRに送信する」動作870が続き得る。フレームT2は透過光変調器に送信して表示することができ、フレームR2は反射光変調器に送信して表示することができる。幾つかの実施形態では、画像フレームT2と画像フレームR2は、ほぼ同時にディスプレイ上に表示される。
【0065】
処理800は、ディスプレイ上に画像を連続的に表示するために必要に応じて繰り返すことができる。例えば、プロセッサは、表示の変更が必要となる毎に新しいフレームを送信する。
【0066】
図9は、
図8に示す装置で使用可能な画像フレームであって、本願の幾つかの実施形態に従った異なる方法で光を変調する異なるサブ画素を含む画像フレームを表示するための処理を示すフローチャートである。
図9に示す処理900は、「ユーザインタラクションが決定される」動作910と、「透過光変調器のサブ画素を駆動して第1の画像を表示する」動作920と、「反射光変調器のサブ画素を駆動して第2の画像を表示する」動作930と、「光のレベルが閾値未満であるか」を判定する動作940と、「光源をオンする」動作950とを含む。動作910、動作920、動作930、動作940、および動作950は、順番に実行されてもよく、またはそれらのうちの2つ以上がほぼ同時に実行されてもよい。
【0067】
処理900は、「ユーザインタラクションが決定される」動作910で開始し得る。装置は、ユーザインタラクションが生じたことを決定することができる。例えば、ユーザがタッチスクリーンに接触すると、
図3に示されるタッチセンサ336はタッチセンサコントローラ310に信号を送り、タッチセンサコントローラ310はユーザがタッチスクリーンで対話を行っているかどうかを決定して、対話に関する信号をプロセッサ304に送信する。
【0068】
動作910の後には「透過光変調器のサブ画素を駆動して第1の画像を表示する」動作920が続き得る。動作910でユーザインタラクションが決定されると、プロセッサはそのインタラクションに基づいて表示を変更することができる。プロセッサが第1のフレームをディスプレイドライバに送信すると、ディスプレイドライバはその第1のフレームを透過光変調器に送信して第1のフレームを表示することができる。
【0069】
動作920には「反射光変調器のサブ画素を駆動して第2の画像を表示する」動作930が続き得る。動作930は、動作920の前であってもよいし、後であってもよいし、またはほぼ同時であってもよい。プロセッサは、反射光変調器においても表示を変更する必要があると決定することができる。プロセッサが第2のフレームをディスプレイドライバに送信すると、ディスプレイドライバはその第2のフレームを反射光変調器に送信して第2のフレームを表示することができる。動作920で透過光変調器によって表示される第1のフレームは、動作930で反射光変調器によって表示される第2のフレームと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0070】
動作930の後には「光のレベルが閾値未満であるか」を判定する動作940が続き得る。動作940は、動作920および/または動作930の前であってもよいし、後であってもよいし、またはほぼ同時であってもよい。装置は、周辺光のレベルが、表示モードの変更が必要とされるような或る閾値未満であるかどうかを判定することができる。例えば、ディスプレイは、反射光変調器のみを用いて画像を表示する(例えば、透過光変調器が光を透過しないようにバックライトがオフされる)反射モードで動作し得る。装置は、周辺光が閾値以下にあるため、反射光変調器が或る視認性レベルを満たして画像を表示することができないと判断し得る。
図3に示すように、装置は光センサ342を利用して光のレベルを決定することができる。
【0071】
動作940の後には「光源をオンにする」動作950が続き得る。装置は、表示視認性を改善するために光源をオンし得る。一例として、装置は、透過光変調器を使用して表示を可能にするバックライト(例えば、
図3に示されるバックライト340)をオンし得る。
【0072】
本明細書にて開示される幾つかの実施形態は、異なる方法で光を変調する異なるサブ画素を含む装置を使用して機密情報を表示または隠蔽することに関する。
図10は、異なる方法で光を変調する異なるサブ画素を含む本願の範囲内の装置を使用して表示可能な機密メッセージの一例を示す。
【0073】
図10の左側のボックスは、機密メッセージの例を示す。「SECRET MESSAGE」のテキストは、黄色がかった色の背景(RGBカラーコード(200,200、0))とともに紫色(RGBカラーコード(200,0,200))のフレームで表示される。このフレームは、例えば、
図6に示される処理600を使用してハイブリッドモードで表示することができ、ここで、透過光変調器に送信されたカラーフレームは、反射光変調器への送信のためにグレースケールに変換することができる。この変換処理は、黄色がかった色と紫色とが同じグレースケールとなるように行うことができる。または、フレームは、
図7に示される処理700を使用してハイブリッドモードで表示することができ、ここで、フレームTは、反射型ディスプレイにて黄色がかった色と紫色とがグレースケールで同じになるように構成されている。いずれの場合も、「SECRET MESSAGE」は透過光変調器を用いてのみ視認可能となるが、幾つかの実施形態では、バックライトを視認できない明るい周辺光では見えなくなる可能性がある。ユーザは、透過光変調器により視認可能なメッセージを見るためにディスプレイを覆って周辺光を減少させ得る。
【0074】
特定の非限定的な例として、ディスプレイは、
図4に示される画素400を使用することができる。各透過光変調器(例えば、サブ画素408、サブ画素410、サブ画素412)は、反射光変調器(例えば、サブ画素402、サブ画素404、サブ画素406)と共有される列データ線に接続される。「SECRET MESSAGE」というテキストの紫色については、赤色に対応する透過光変調器と、列データ線を共有する反射光変調器とに信号「200」が供給され、緑色の透過光変調器と、列データ線を共有する反射光変調器とに信号「0」が供給され、青色の透過光変調器と、列データ線を共有する反射光変調器とに信号「200」が供給される。その結果、テキストに関する紫色が透過光変調器から得られる一方、テキストに関する3つの信号を平均したグレースケールが反射光変調器から得られる。黄色がかった背景については、赤色に対応する透過光変調器と、列データ線を共有する反射光変調器とに信号「200」が供給され、緑色の透過光変調器用と、列データ線を共有する反射光変調器とに信号「200」が供給され、青色の透過光変調器と、列データ線を共有する反射光変調器とに信号「0」が供給される。その結果、背景に関する黄色がかった色が透過光変調器から得られる一方、背景に関する3つの信号を平均したグレースケールが反射光変調器から得られる。平均化されたグレースケールは、黄色がかった色と紫色との双方で同じであるため、反射モードではテキストは表示されない一方、透過モードではテキストが表示される。したがって、周辺光があまりにも明るすぎて透過光を見ることができない場合、たとえば、明るさを減らして見なければテキストを見ることができない。
【0075】
図10の右側のボックスはメッセージが隠蔽された別の例を示す。この実施形態では、「SECRET MESSAGE」というテキストが、青緑色(ターコイズ)の背景(RGBカラーコード(0,200,200))とともに黄色がかった色(RGBカラーコード(200,200,0))のフレームで表示される。上述した原理と同じ原理により、透過モードで視認可能な明るさである場合にのみ、テキストを見ることができる。
【0076】
図10に示す例はテキストに関するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。明るい周辺光の条件において隠蔽されることが望まれる任意の画像とすることができる。例えば、上記に開示した処理を用いて図を隠蔽してもよい。また、上記処理は、上記方法を用いて全ての画素を隠蔽することを必要とするものではなく、隠蔽された情報が識別できない程度に十分な画素が隠蔽されていればよい。
【0077】
本開示は、上記実装形態のみに限定されるものではない。当業者であれば、上述の図および本明細書に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的なモジュールおよび方法のステップが、電子ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせとして実装され得ることを認識し得る。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に説明するために、上記では様々な例示的なモジュールおよび方法のステップをそれらの機能性に関して概略的に説明した。そのような機能性がハードウェアまたはソフトウェアとして実装されるかどうかは、システム全体に課される特定のアプリケーションおよび設計の制約に依存する。当業者は、特定のアプリケーション毎に上記説明した機能を様々な方法で実装することができ、そのような実装の決定は開示の範囲から逸脱するものと解釈されるべきではない。さらに、モジュールまたはステップ内における機能のグループ化は、説明を簡略化するためのものである。特定の機能は、開示から逸脱することなく、1つのモジュールまたはステップから別のモジュールまたはステップに移動させることができる。
【0078】
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的なモジュールおよび方法のステップは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、または他のプログラマブルロジック装置、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書に記載された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせで実施または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができる。あるいは、プロセッサは任意のプロセッサ、コントローラ、またはマイクロコントローラとすることができる。プロセッサは、演算装置の組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、または他のそのような構成として実施することもできる。
【0079】
さらに、本明細書に開示された実装に関連して説明された方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接的に、または、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはその2つの組み合わせで具体化することができる。ソフトウェアモジュールは、コンピュータ内、あるいは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、またはネットワーク記憶媒体を含む任意の他の形式の記憶媒体などのコンピュータ可読記憶媒体内に設けることができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取ったり記憶媒体に情報を書き込んだりすることができるようにプロセッサに接続することができる。あるいは、記憶媒体はプロセッサに一体化することができる。プロセッサおよび記憶媒体はASIC内に設けることもできる。
前記プロセッサは、前記第1および第2の画像フレームを2倍のサイズの画像フレームとして前記ディスプレイドライバに供給する、請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
前記2倍のサイズの画像フレームは所定の長さを有する複数の画素からなり、前記所定の長さの複数の画素のうち第1の半分は前記第1の画像フレームを含み、前記所定の長さの複数の画素のうち第2の半分は前記第2の画像フレームを含む、請求項2に記載の液晶ディスプレイ。
前記ディスプレイドライバと通信し、前記ディスプレイドライバにより供給される画像フレームを記憶するように構成されたメモリセルをさらに備える請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
前記ディスプレイドライバは、前記透過光変調器によりアクセスされる前記メモリセルに第1の画像を供給し、前記反射光変調器に第2の画像を直接供給する、請求項4に記載の液晶ディスプレイ。
前記ディスプレイドライバは、前記反射光変調器によりアクセスされる前記メモリセルに第2の画像を供給し、前記透過光変調器に第1の画像を直接供給する、請求項4に記載の液晶ディスプレイ。
前記透過光変調器および前記反射光変調器と通信する光センサをさらに備え、前記光センサは、前記透過光変調器および前記反射光変調器に表示する画像フレームを決定するように構成されている、請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
前記反射光変調器と通信する光源をさらに備え、前記光源は、前記反射光変調器を照明することにより前記第2の画像フレームの表示を可能にする、請求項1に記載の液晶ディスプレイ。